JP2004324119A - レンガ等小片状部材を用いた壁構造およびその施工方法 - Google Patents

レンガ等小片状部材を用いた壁構造およびその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】面精度がすぐれ、耐震性もよく、それでいて使用する部材種類も少なくかつ平面部およびコーナー部ともに施工性がよく、美麗な壁を短期間で安価に築造することができるレンガ等小片状部材を用いた壁構造およびその施工方法を提供する。
【解決手段】面板部40の上端縁に長手方向の端部を除いて垂れ片42を屈曲形成する一方、面板部40の下端縁に立上り片44を屈曲形成しており、前記面板部40をもって下地構造側に多段状に配列固定されたレール状金物4と、上面に長さ方向に走る溝10,20を有し、下面にも長さ方向に走る溝10’、20’を有し、上面の前記溝10,20をもって前記垂れ片42に嵌合され、下面の溝10’、20’をもって前記立上り片44に嵌合された多数の小片状部材1,2とで壁を形成する。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレンガやタイルなどの小片状部材を仕上げ材として使用した壁構造およびその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の外壁やその施工法として、レンガ張りで代表される小片状の部材を多数貼り付けた方式が汎用されつつある。
かかるレンガを用材とする壁状体の施工法として、下地としてモルタル層を設け、このモルタル層に20mmないし25mmの厚肉プレート状のレンガを押し付けて圧着する方法が一般に採用されていたが、縦、横および前後のレベル出しが難しく、施工に高い熟練度を必要としてしかも非常に手間と時間がかかり、施工コストが高くなる点、レンガの背面がモルタルに圧着されているだけであるため、地震等によってレンガがモルタル層から剥離、滑落しやすい点、モルタルを下地としているため、モルタル成分中のいわゆる灰汁がレンガのポアを通して外部ににじみ出るため、白華現象やいわゆる耳垂れが発生しやすく、それによってレンガが汚損され、しかもそうした汚れはレンガの表面を洗っても除去することができないため経時的に外観が劣化し、前述した滑落の改修とともに高価なメンテナンス工事を必要とする点に問題があった。
【0003】
この対策として、本出願人は、特願2001―274701号において、改善した壁状体とその施工法を提案している。このものは、下地に所定間隔で固定した胴縁と交差するようにレール状金物を多段状に配列固定し、それらレール状金物に小片状部材を上部の溝と下部の平坦面をもって受支させるように配置し、各小片状部材間の隙間を埋める如くレール状金物に目地を塗着することでレンガ壁面を築造するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この先行技術は、図25のように、レール状金物4000がレンガの上面の溝と垂れ部で係合しているが、れんがの下面はレール状金物4000の水平部4001に置かれているだけであるため、レンガ取付け操作のミスや振動などによってレンガの下部が外方に飛び出しやすい。このため、レンガが落下して破損したり、煩雑な手直しをしながら施工を行なわなければならないので、施工効率が下がるという問題があった。
【0005】
また、目地モルタルを詰める際にレンガが突出した状態で行なわれる可能性があるため面精度が芳しくなく、仕上がり状態に凹凸が生じやすい。これを避けるには、いちいち煩雑な修正を行なってから目地を施工しなければならなかった。また、れんがの下面がレール状金物の水平部に置かれているだけであるため、地震の際に面外方向に外れる可能性があり、耐震性が十分とはいえかった。
【0006】
また、コーナー部分の施工に当たって、出隅ではL状役物を用いるが、レール状金物の固定を先に行なってからでは、レンガの取り付けができない。そのため、出隅コーナーの施工は、図26(a)のように、片側(右側)のレール状金物4000Rのみを多段状に固定し、ついで、同図(b)のようにL状役物の片側部分2000aを取り付け、それから同図(c)のように、L状役物の他側2000bに他側(左側)のレール状金物4000Lをスライドさせて取り付け、その状態でレール状金物4000Lを固定する作業形式が必要になる。
【0007】
このため、技能を要しかつ煩雑であり、またレール状金物施工とレンガ施工とを分業化できない。すなわち、左右のレール状金物施工を出隅コーナーにあらかじめ固定してから、L状役物を取り付ける作業形式を取ることができない。このため、施工効率が悪かった。さらに、レール状金物として、壁面上端用、中間用、下端用の3種類が必要であったため、コストが高くなることを避けられなかった。
【0008】
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、面精度がすぐれ、耐震性もよく、それでいて使用する部材種類も少なくかつ平面部およびコーナー部ともに施工性がよく、美麗な壁を短期間で安価に築造することができるレンガ等小片状部材を用いた壁構造およびその施工方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、さらに平行精度も優れ、作業性もよいレンガ等小片状部材を用いた壁構造およびその施工方法を提供することにある。
【0009】
本発明の第3の目的は、上記特徴に加え、さらに、排水機能がよく、万一雨水などが小片状部材の背面に回っても、凍結膨張によって小片状部材を押し出したり、落下させたりしないレンガ等小片状部材を用いた壁構造およびその施工方法を提供することにある。
【0010】
本発明において、「小片状部材」は、レンガ類、陶器、磁器、せっき質などのタイル類で代表される粘土製品のほか、石材、木材、プラスチック、金属など各種の壁仕上げ材料を含む。
また、「壁」とは、建家における本体やベランダなどの外壁のほか、塀、門柱、あるいは建家の内装壁などを含む概念である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の目的を達成するための本発明の小片状部材を用いた壁構造は、面板部の上端縁に長手方向の端部を除いて垂れ片を屈曲形成する一方、面板部の下端縁に立上り片を屈曲形成しており、前記面板部をもって下地構造側に多段状に配列固定されたレール状金物と、上面に長さ方向に走る溝を有し、下面にも長さ方向に走る溝を有し、上面の前記溝をもって前記垂れ片に嵌合され、下面の溝をもって前記立上り片に嵌合された多数の小片状部材と、前記レール状金物の垂れ片と立上がり片によって各々が支持された小片状部材の隙間を埋める如くレール状金物に塗着された目地とを備えていることを特徴としている。
【0012】
また、面板部の上端縁に長手方向の端部を除いて垂れ片を屈曲形成する一方、面板部の下端縁に立上り片を屈曲形成しており、前記面板部をもって下地構造側に多段状に配列固定されたレール状金物と、上面に長さ方向に走る溝を有し、下面にも長さ方向に走る溝を有し、かつ溝よりも前面側に長手方向に走る突起条を有しており、上面の前記溝をもって前記垂れ片に嵌合され、下面の溝をもって前記立上り片に嵌合され、さらに突起条によって目地様部分を形成した多数の小片状部材とを備えていることを特徴としている。
この後者の構成によれば、特に目地を設けなくても小片状部材そのもので目地と同じような部分が形成されるので、工期の短縮とコストの削減を図ることができる。
【0013】
また、第1の目的を達成するための本発明の施工法は、面板部の上端に水平部とこれに続き下向き屈曲した垂れ片を有し、下端に水平部とこれに続き上向き屈曲した立上り片を有し、前記垂れ片が長手方向の端部において所定寸法欠設されている複数のレール状金物を、前記面板部をもって下地構造側に対して多段状に配置固定することを繰り返す工程と、平面部においては、上端面と下端面にそれぞれ長手方向に走る溝を有する多数の小片状部材を、前記上面の溝を前記レール状金物の垂れ片に、下面の溝を前記立上り片とそれぞれ嵌合するように差し込んで配列し、コーナー部においては、屈曲状小片状部材の長辺側の上面溝を前記レール状金物の垂れ片に、下面の溝を前記立上り片とそれぞれ嵌合させ、短辺側は垂れ片の長手方向端部における欠設部分を介してレール状金物の面板部に当接ないし近接させる工程と、配列済みの小片状部材相互間の隙間にレール状金物を下地として目地材を塗着する工程を行うことを特徴としている。
【0014】
また、面板部の上端に水平部とこれに続き下向き屈曲した垂れ片を有し、下端に水平部とこれに続き上向き屈曲した立上り片を有し、前記垂れ片が長手方向の端部において所定寸法欠設されている複数のレール状金物を、前記面板部をもって下地構造側に対して多段状に配置固定することを繰り返す工程と、平面部においては、上端面と下端面にそれぞれ長手方向に走る溝を有しかつ溝よりも前面側に長手方向に走る突起条を有する多数の小片状部材を、前記上面の溝を前記レール状金物の垂れ片に、下面の溝を前記立上り片とそれぞれ嵌合するように差し込んで配列し、突起条によって目地様部分を形成し、コーナー部においては、屈曲状小片状部材の長辺側の上面溝を前記レール状金物の垂れ片に、下面の溝を前記立上り片とそれぞれ嵌合させ、短辺側は垂れ片の長手方向端部における欠設部分を介してレール状金物の面板部に当接ないし近接させ、かつ溝よりも前面側の長手方向に走る突起条によって目地様部分を形成する工程とからなることを特徴としている。
【0015】
また、第2の目的を達成するため本発明の小片状部材を用いた壁構造は、前記構成に加え、レール状金物の背後の下地構造に所要間隔ごとに固定され、水準出し用の位置決め突起を下端から高さ方向で一定間隔で形成している施工用ガイド板をさらに有し、前記レール状金物が、前記施工用ガイド板の各段の位置決め突起に当接させて配列されていることを特徴としている。
【0016】
第2の目的を達成するため本発明の小片状部材を用いた壁の施工法は、下地構造に位置決め突起が一定間隔ごとに突出した帯板状の施工用ガイド板を所定間隔ごとに固定する工程と、前記水平部が施工用ガイド板の位置決め突起に当接するように配置固定することを繰り返す工程をさらに含んでいることを特徴としている。
第3の目的を達成するため本発明は、レール状金物として、面板部に続く上下の水平部に複数の排水用孔を配していることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の第一実施例を示しており、建家のコーナーを含む4つの外面に、第1壁R1〜第4壁R4が施工されている。1は標準的な小片状部材(この例ではレンガまたはタイル)、2はコーナーの小片状部材であり、それらは基礎面の近傍から多段状に一定間隔をおいて張設されている。
【0018】
図2と図3はその詳細を示しており、前記小片状部材1,2は、多数列のレール状金物4によって支持されている。それらレール状金物4は、背後の施工用ガイド板5、5’によって水平出しされ、その状態で耐食性の釘類によって固定されている。そして、配列した標準的小片状部材1やコーナー小片状部材2の上下、左右間のレール状金物4には目地材8が塗着されている。
なお、レール状金物4と施工用ガイド板5、5’は下地構造に固定される。下地構造は、下地(既存の壁である場合を含む)3、あるいは下地3に一定のピッチで打ち付けた樹脂製や木製の胴縁6,6を含んでおり、施工用ガイド板5、5’は所要間隔ごとに固定される。前記下地3は表面に防水シートなどからなる防水層を有している場合を含んでいる。
【0019】
図4ないし図8は好適な用材を示している。なお、施工用ガイド板は必ずしも必須の部材ではないが、本発明の利点を最大限発揮させるには有益な用材である。
〔小片状部材〕
小片状部材は、通常、切物と称される標準的小片状部材1と、役物と称されるコーナー用の小片状部材2が施工場所に応じて用いられる。
標準的小片状部材1は、図4(a)のように、略長方形状をなし、上端面の略中央部位には、長手方向に走る溝(スリット)10が形成されている。また、下端面の略中央部位にも、長手方向に走る溝(スリット)10’が形成されている。寸法としては、たとえば幅(長さ)が230mm、高さ75mm、厚さ25mm、溝幅は3〜5mmである。
【0020】
コーナー用の小片状部材2は、図4(b)のように、長辺2aと短辺2bとにより平面略L状をなし、上端面には平面略L状をなすように溝(スリット)20が形成されている。また、下端面にも平面略L状をなすように溝(スリット)20’が形成されている。溝20、20’は必ずしも連続している必要はない。
寸法としては、たとえば長辺が230mm、短辺が110mm、高さが75mm、厚さが25mm、溝幅は3〜5mmである。わかりやすくするため、各図では実際よりも幅広に描いている。
前記標準的小片状部材1とコーナー用の小片状部材2の溝10、10’,20、20’は、後記するレール状金物4における上下の垂れ片と立上り片に嵌めることにより支持させるためのものである。
【0021】
〔レール状金物について〕
レール状金物4は小片状部材1,2を配列支持するためのもので、耐食性の良好な材料からなっている。その例としては、ステンレス、アルミニウムなどのほか、鋼板あるいは亜鉛や亜鉛/アルミめっき鉄板、合成樹脂成形品などが選択的に用いられる。
【0022】
レール状金物4は、図5(a)ないし(d)にその例を示しており、小片状部材1,2の高さよりも適度に小さい幅(高さ)の面板部40の上端に面板部40から直角状に張り出す水平部41が形成され、これの先端から下方に直角状かまたは直角よりも適度に小さい傾斜角度たとえば85度に屈曲された垂れ片42を有している。
【0023】
前記垂れ片42は長手方向に走っているが、コーナー領域の施工時にレール状金物4を左右に配置固定した状態で小片状部材2を取付けできるようにするために、長手方向の端部領域には所定寸法にわたって欠設部420が形成されている。この部分は垂れが全く無くてもよいが、好ましくは、短い寸法の短垂れ片42’となっている。
また、面板部40の下端には、これから直角状に張り出す水平部43が形成されるとともに、水平部43の先端には、上方に直角状に屈曲した立上り片44を有している。
前記上下の水平部41,43には、排水用孔45,46がそれぞれ板厚を貫いて形成されている。排水用孔45,46はスリット、長孔、丸孔など任意である。
【0024】
図6はレール状金物4と小片状部材1,2の取り合いを示しており、小片状部材1,2を正面から取付けてしかも小片状部材1,2の上下溝を垂れ片42と立上り片44に係合支持させるために、次の仕様とすることが、好ましい。
1)レール状金物4の面板部40の幅(高さ)Hは、小片状部材1,2の高さ(幅)よりも大きく、上下の水平部41,43の幅(張り出し長さ)Dは、小片状部材1,2の厚さよりも小さく、通常約半分とする。
2)垂れ片42の長さAと立上り片44の長さBは、A>Bの関係にする。
3)小片状部材1,2の上側溝10、20の深さA’、下側溝10’、20’の深さB’は、等しくても等しくなくてもよいが、下側溝10’、20’の深さB’は、立上り片44の長さBとの関係で、B’≧Bとする。
【0025】
4)小片状部材1,2の下面が水平部43に載置された状態において、垂れ片42の先端から上側溝10、20の底までの距離Cと、立上り片44の長さBは、C>Bの関係に、水平部41から小片状部材1,2の上面までの距離C’と立上り片44の長さBはC’>Bの関係とする。
レール状金物4の具体的な例としては、たとえば長さが2000mm、全高H:87mm、厚さ0.30〜0.50mm、奥行(面板部外面から垂れ部・立上り部の外面までの距離):15mm、垂れ片長さA:15.6mm、立上り片長さB:5mm、切欠部形成長さ:60mmである。
【0026】
〔施工用ガイド板について〕
この施工用ガイド板5、5’は、本発明において必須の用材ではないが、レール状金物4と併用することで施工作業性と平行精度を向上できる。
施工用ガイド板は平面領域用とコーナー用の2種からなり、いずれも耐食性の良好な帯板を精密金型で板金加工されてなる。その例としては、ステンレス、アルミニウムなどのほか、鋼板あるいは亜鉛や亜鉛/アルミめっき鉄板などがあげられる。しかし、場合によっては合成樹脂成形品などであってもよい。
【0027】
図7は平面領域用の施工用ガイド板5を例示している。この施工用ガイド板5は、たとえば長さが2m、横幅が100mm、厚さが0.30〜0.50mmの帯板からなり、幅方向両側の下端縁に、前方に適度の量で水平状に張り出す位置決め突起50,50’を有し、この下端縁の位置決め突起50,50’から所定の等間隔すなわち、前記レール状金物4の高さHより適度に大きな間隔(たとえば90〜95mmピッチ)で位置決め突起51,51’が順次形成されており、また、幅方向中央線上には、所定の間隔で通孔53が穿設されている。この多数の通孔53は釘類を打ち込むための孔として機能するほか、後述するコーナー用に屈曲する場合の曲げ基準として機能する。
【0028】
前記位置決め突起51,51’は任意の方法で得てよいが、この例では切り起しによって構成されている。すなわち、素帯板の幅方向両側部分に一端が側縁に達するL状カット線を所定ピッチで加工し、そのL状カット線の縦頂点を素帯板の板面と直角に屈曲することにより作られている。そして、必要な長さの位置で縦頂点を結ぶ線上で切断しており、したがって、最上位には縦頂点の高さに相当する突辺が形成される。この突辺は、高さ方向での継ぎ足しの際の定規として機能する。
【0029】
図8(a)(b)はコーナー施工用ガイド板5’の第1例(凸コーナー用)を示しており、図4の施工用ガイド板5における中央線上の各通孔53を基準として板幅方向中央に沿って外側方向に屈曲されてなり、折り曲げ線55を境としてそれぞれの半部に位置決め突起50,50’と位置決め突起51,51’が配されている。
図8(c)は施工用ガイド板5’の第2例(凹コーナー用)を示しており、図4の施工用ガイド板5における中央線上の通孔53を定規として板幅方向中央に沿って内側方向に屈曲され、それぞれの半部に位置決め突起50,50’と位置決め突起51,51’が配されている。
【0030】
次に、本発明の第1実施例の施工方法を、用材として、施工用ガイド板5を併用した場合でもって説明すると、図9ないし図18はそれを段階的に示している。
まず、図9のように、防水性の下地構造この例では下地3に胴縁6を所定の間隔たとえば40〜50cmで配し、釘類7で固定する。
ついで、建物の下端付近面に平面用とコーナー用の各施工用ガイド板5,5’を配し、所要間隔ごとの胴縁6,6に施工用ガイド板5,5’を固定する。
【0031】
詳しく述べると、建物の下端付近面に正しく水平度を取った基準墨線HLを引き、これを建物周囲に一回引く。そして、この基準墨線HLに平面用のガイドレール板5の位置決め突起50,50’を合せ、各通孔53を通して釘類7を胴縁6,6に打ち込む。また、建物の各隅にコーナー用ガイド板5’を同様に配し、基準墨線HLに平面用ガイドレール板5の下端の位置決め突起51,51’を合せ、各通孔53を通して釘類7を胴縁6,6に打ち込む。各通孔53はちょうど屈曲縁に沿って配されているので、簡単に胴縁のコーナーに釘類を打ち込み固定できる。これで、東西南北の各面の水平基準ができあがる。図9と図10はこの状態を示している。
【0032】
なお、3階建てのような場合には、施工用ガイド板5や5’をそれぞ複数本使用し、最下位の施工用ガイド板の突辺52を次上位の施工用ガイド板の下縁54と突合せるように直列に配して胴縁6に固定することで自在に対応できる。
【0033】
以上のように施工用ガイド板5,5’を固定することにより東西南北各方面の水平基準ができるので、次に、施工用ガイド板5,5’の位置決め突起50,50’と中間の位置決め突起51,51’にレール状金物4の下側の水平部43が重なるように当接させ、壁下地の胴縁6,6にくぎ類7で固定する。
詳しく説明すると、レール状金物4の配列固定は、通常、施工部分の最下位から開始するもので、この作業は、レール状金物4を、施工用ガイド板5,5’と交差するように横に配し、下端縁の水平部43を施工用ガイド板5,5’の下端縁の位置決め突起50,50’に載せ、釘類7を胴縁6に打ち込むだけでよいから簡単であり、しかも、下端縁の位置決め突起50,50’は前端の工程で水平度が取られているから、自動的にレール状金物4は精度のよい水平配置とされる。これは各4面とも同じである。
【0034】
ついで、前記最下位の位置決め突起50,50’の一つ上(2番目)の位置決め突起51,51’と2つ上(3番目)の位置決め突起51,51’との間の面部にレール状金物4の面板部40が当接するように挿入し、下端縁の水平部43の下面を2番目の位置決め突起51,51’に載せる。第1段目用のレール状金物4は上下の間隔が正確に決められている位置決め突起51,51’に載せられることにより自動的に水平出し状態での位置決めがなされ、従前のような基準用の墨入れを要しない。固定は、胴縁6,6に対応する部分の面部40から耐食性の釘類7を打ち込むことにより行なう。
【0035】
次に、第2番目と第3番目の位置決め突起51,51’との間の面部に第2段用のレール状金物4を挿入し、前記と同様に下縁の水平部43の下面を3番目の位置決め突起51,51’に載せ、その状態で標準レール4bを釘類7によって胴縁6,6に固定する。以下同様の作業を繰り返すことにより図11ないし図13のように、レール状金物4は施工用ガイド板5,5’の各段の位置決め突起51,51’を基準として各コーナーも含めて正しく水平度を保たれた状態に張設される。横方向の端部においては、左右のレール状金物4は、施工用ガイド板5,5’の左右の位置決め突起51,51’にそれぞれ受支されて水平位置決めされる。
【0036】
こうして最上位に達するまで作業すると、東西南北4方のすべてのレール状金物4は水平面が一致する。
施工用ガイド板5,5’の左右の位置決め突起51,51’に各段のレール状金物4の水平部43を当接する方式であるから、各レール状金物の面板部の高さ寸法に若干のバラツキがあっても水平度には影響せず、かりにレール状金物が若干の張り誤差が生じても、累積されることがない。したがって小片状部材を後に嵌合した時に小片状部材の水平度が正しく維持される。
【0037】
なお、図示するものでは、ガイド板を効率的に使用するため、レール状金物4の長さ方向両端部だけをガイド板5,5’の位置決め突起50,50’、51,51’で受支して水平度を得ているが、もちろん、レール状金物の長さ方向の中間部に対応する胴縁6にガイド板を固定し、それの位置決め突起50,50’、51,51’でレール状金物の長さ方向の中間部を受支し、水平度をさらに良く確保するようにしてもよい。
【0038】
以上でレール状金物4の配列固定が終わるので、次に、配列固定したレール状金物4に小片状部材1,2を取り付ける工程に移る。
図14は平面部領域での小片状部材1の取り付け方を示しており、(a)のように小片状部材1の上面の溝10をレール状金物4の垂れ片42に深くはめ合わせれば、短い高さの立上り片44には接触しないので、小片状部材1を斜めから押入れ、(b)のように面板部40に背面が当接したときに小片状部材1を垂直に下げれば、下面側の溝10’が立上り片44に係合し、奥側の下面が水平部43に受支される。したがって、作業は非常に簡単であり、しかも小片状部材1は上部と下部がともに垂れ片42と立上り片44に係合されるので、面外方向にずれが生じない。図ではわかりやすくするため溝10、10’の幅を実際よりも広く示している。
【0039】
コーナーの施工は、平面部の施工に先立ってあるいは平行して行なわれるが、左右のレール状金物4、4の垂れ片42、42が長手方向端では切欠420されている。このため、コーナーにおいては、図15(a)のように、小片状部材2の長辺2aを右側のレール状金物4の端から挿入する。
【0040】
こうすれば、小片状部材2の下側の溝20’が立上り片44に嵌まり、上側の溝20が切欠部420にガイドされて垂れ片42に嵌まってゆき、自動的に支持される。もちろん、これに代えて、平面部と同じように小片状部材2を正面から差し込んで、支持させ、それから長辺2aをスライドさせてもよい。
【0041】
いずれにしても、短辺2bが左側のレール状金物4に近づくと、垂れ片42は端部領域に切欠部420があるため、短辺2bは垂れ片42に衝突して障害を受けることなく内面が面板部40に当接ないし接近し、この状態で適度に短辺2bを持ち上げて降ろすことにより、図15(c)のように下側の溝20’が立上り部44に嵌められる。
したがって、作業が簡単であり、それでいて小片状部材2の長辺2aがレール状金物4と上下で嵌合し合っているので、面外方向にはずれが生じない。
【0042】
そして、こうした作業は、左右のレール状金物4、4をすべて配列固定した状態で行なえるので、分業によるスピードアップを図ることができる。また、施工壁の上端部、下端部およびコーナー部が単一のレール状金物4で足り、ことさら下端専用(スターターレール)、上端専用(トップレール)といったものを要さない。
【0043】
図16ないし図18はこのような小片状部材取付け工程の途中の状態を示しており、各小片状部材1,2は溝10,20、10’、20’よりも前面側が約1/2の厚さ分だけレール状金物4の垂れ片42と立上り片44から突出する。なお、図16と図18は、嵌合関係をわかりやすくするため、小片状部材1,2にハッチングをつけて示している。
レール状金物4の垂れ片42を水平部41に対して垂直でなく、適度の傾斜角度で内側に傾斜させた場合には、溝10,20の幅を広くしても、前記小片状部材の取り付け時において、傾斜状の垂れ片42によって溝内側壁がレール状金物4の面板部40に向けて押しつけられるので、各小片状部材1,2は、取り付けが終わるとガタつかず安定する。
【0044】
各小片状部材1,2の上下がレール状金物4の垂れ片42と立上り片44に嵌合していることとあいまって、地震などによっても剥落することはなく、耐久性を高いものとすることができる。そして、前段の作業でレール状金物が建物全体に渡って正しく水平度を維持されているので、小片状部材1,2は自動的に上下間隔も一定に揃い、面も整然と揃った配列とされる。
【0045】
以上のように小片状部材1,2の取付けを行ったのち、小片状部材1,2間の左右、上下のすき間に目地材8を塗込む。かかる作業は目地材8をすき間に押し込むように塗付け、コテで仕上げるだけの操作で足りる。上下のすき間については、この部分にレール状金物4の垂れ片42と立上り片44が位置していることによりそれらの表面が塗布基準面となるため簡単であり、目地材8の一部が溝10,20と垂れ片42の隙間や溝10’,20’と立上り片44の隙間に流入するため、小片状部材1,2はより確実に固定される。
左右は垂れ片42と立上り片44が基準面となるほか、各小片状部材が面板部40に接している関係からレンガ左右端面間に溝が形成され、目地材はこれらの溝によって充填量が規制される。
【0046】
以上のようにして図1ないし図3に示すように壁が完成する。得られた壁は、小片状部材1,2の平行精度、面精度がともによいものとなる。まんいち水が壁の背面側に浸入しても、上下の水平部41,43の板厚を貫いて排水用孔45,45が配されているので、これらの排水用孔45,45を介して上方から下方へと誘導されて最下段のレール状金物4から排水される。このため、裏に回った水が冬季に凍結して膨張し、小片状部材1,2を面外方向に押し出して落下させる懸念がなくなる。
【0047】
図19と図20は本発明の第2実施例を示している。この実施例においては、用材として施工用ガイド板5,5’を使用せず、既存の手法で水平出しを行なってレール状金物4を下地構造に直接固定し、それらレール状金物4に小片状部材1,2を取り付け、目地8を施している。
他の構成は第1実施例と同じであるから説明を援用する。この第2実施例も、施工用ガイド板5,5’の採用による点を除いて、前記した作用が得られる。
【0048】
図21ないし24は本発明の第3実施例を示している。この実施例は、目地塗工を全廃ないし大幅に簡易化できる態様であり、そのための手段として、特殊な小片状部材1’,2’を用いる。他の使用部材は第1実施例や第2実施例と同様であるから、説明は援用するものとする。図24は、ガイド板5,5’を使用した例(第1実施例方式)を示しているが、もちろんガイド板5,5’を使用しない第2実施例の態様としてもよい。
【0049】
小片状部材1’,2’は、上下面にそれぞれ長手方向に走る溝10,10’、20,20’を有しているが、目地の役目を果たさせるために、上面の溝10,20の前面側に、上面100のレベルよりも上方に延びる突起条11,21を形成している。前記突起条11,21は背壁面が溝10,20に臨むように小片状部材の厚さ方向中間に形成され、突起条11,21の前面側付根からは適度な下がり斜面12、22が形成されている。
前記突起条11,21の許容される最大高さはレール状金物4に取り付けた時に、垂れ片42の始端に達するまでであり、それ以上では、上段のレール状金物4に対する次段の小片状部材1’,2’の取り付けがやりにくくなるため好ましくない。上下面の溝10,10’、20,20’は、厚さ方向の中央よりもやや後側よりに偏して設けられる。
【0050】
小片状部材の上部側だけに突起条11,21を形成してもよいが、目地の感じをよく出すとともにレール状金物4を完全に隠蔽するために、小片状部材の下部側にも突起条11’,21’を形成することが好ましい。これら下部側の突起条11’,21’は、下面101,201の溝10’、20’よりも厚さ方向で前面側に突出形成され、小片状部材前面103,203と面一になっている。その突起条11’,21’の厚さは、溝10’、20’との間に下段の小片状部材の突起条11,21を容入可能な寸法が選定される。
【0051】
第3実施例の施工法は、基本的に前記第1実施例や第2実施例と同じである。
平面領域の施工においては、図22(a)(b)(c)のように、小片状部材1’の上面の溝10をレール状金物4の垂れ片42に嵌め、ついで小片状部材1’を下げて下面の溝10’を立上り片44に嵌合すればよい。これにより、上側の突起条11は垂れ片42の前面側に位置し、下側の突起条11’は立上り片44の前面側においてこれと水平部43のレベルを超えて下方に適度に延びる。
コーナー領域の施工においては、図23のように小片状部材2’の長辺側を右方のレール状金物4に向けて側方からスライドさせ、上面の溝20を垂れ片42に嵌め合わせ、下面の溝20’を立上り片44に嵌め合わせればよい。このときに、上側の突起条21の内面が垂れ片42の外面に対するガイドとなるので、作業が楽になる。長辺側を限度までスライドさせると短辺側は垂れ片42の切欠部420を通して面板部に接近し、下面側の溝20’が立上り片44に嵌められることで支持される。このときに、垂れ片42の切欠部420は上側の突起条21によって隠すことができ、体裁がよくなる。
【0052】
各段に前記取り付けを行うことにより、図24のように、各小片状部材1’,2’の上下がレール状金物4の垂れ片42と立上り片44に嵌合して安定的に支持される。
そして、この第3実施例では、小片状部材1’,2’における上部の突起条11、21が垂れ片42を覆い隠すように前面に立ち上がっており、同時に、上段の小片状部材1’,2’の下部の突起条11’,21’が上部の突起条11、21と噛合うように下方に延びるので、レール状金物4の垂れ片42、立上り片44が覆い隠される。
そして、下段の小片状部材1’,2’の突起条11、21と、これの根元の斜面12、22、および上段の小片状部材1’,2’の下部の突起条11’,21’とで壁前面から適度に窪んだ目地様の溝条が画成される。したがって、特に目地を塗着しなくてもよくなり、工事をより簡単に、短期間で行なえる。
【0053】
第3実施例を利用した態様として、レール状金物4に対する小片状部材1’,2’の取付け時に、モルタルなどを上面の溝10、20に充填して行なってもよく、あるいは、目地を塗着しないが、下段の小片状部材1’,2’の突起条11、21と、これの根元の斜面12、22、および上段の小片状部材1’,2’の下部の突起条11’,21’とで壁前面から適度に窪んだ溝条に、薄くモルタルなどを化粧として施してもよい。
なお、第1実施例または第2実施例のように目地塗工形式と、第3実施例の目地レス形式を併用して、壁全体の施工を行なってもよく、これも本発明に含まれる。
【0054】
本発明は以上のとおりであるが、下地構造にレール状金物を多段状に配列固定し、それらレール状金物に小片状部材を配置し、各小片状部材間の隙間を埋める如くレール状金物に目地を塗着することで構成される壁のためのレール状金物であって、該レール状金物が、下地構造に固定される面板部の上下端縁に、小片状部材の上面側と係合する垂れ片と小片状部材の下面側と係合する立上り片を有し、かつ、前記垂れ片が長手方向の端部において所定寸法欠設されていることを特徴とするレンガ壁施工用レール状金物を、要旨として含んでいる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1、5によるときには、長さ方向に走る溝10,20を上面に有し、下面にも長さ方向に走る溝10’、20’を有する多数の小片状部材1,2と、面板部40の上下端縁に前記小片状部材上面の溝10,20と嵌合する垂れ片42と小片状部材下面の溝10’,20’と係合する立上り片44をそれぞれ有し、前記面板部40をもって下地構造側に多段状に配列固定されたレール状金物4を組み合わせているので、施工性がよく、しかも前記垂れ片42が長手方向の端部において所定寸法欠設されているので、コーナー部も小片状部材2をスライドさせることで容易に施工することができる。
また、小片状部材1,2とレール状金物4が溝10,20、10’、20’と垂れ片42、立上り片44とによって上下で嵌合しているので、面外方向にずれず面精度を高くすることができるとともに、耐震性を高くすることができる。
さらに、施工する壁のどの部位でもレール状金物4は1種類にすることもできるので、管理や施工が容易で、コストも低減できる。
【0056】
請求項2、6によれば、小片状部材1’,2’が、上面に長さ方向に走る溝10,20を有し、下面にも長さ方向に走る溝10’、20’を有し、かつ溝よりも前面側に長手方向に走る突起条11,21、11’、21’を有しており、上面の前記溝10,20をもって前記垂れ片42に嵌合され、下面の溝10’、20’をもって前記立上り片44に嵌合された多数の小片状部材1,2とを備え、前記突起条11,21、11’、21’によって目地様部分が形成されるので、目地塗工工程を省略することも可能となり、工事を短期間で簡単に、かつ低コストで行えるというすぐれた効果が得られる。
【0057】
請求項3,7によれば、さらに、レール状金物4の背後の下地構造に所要間隔ごとに固定され、水準出し用の位置決め突起50,50’、51,51’を下端から高さ方向で一定間隔で形成している施工用ガイド板5,5’をさらに有し、前記レール状金物4が、前記施工用ガイド板5,5’の各段の位置決め突起50,50’、51,51’に当接させて配列されるので、基準墨を建物などの四面に一回引き、レール状金物4を単に位置決め突起に当接させつつ固定するだけの簡単で単純な作業により、レール状金物4および小片状部材1,2、1’、2’を高い水平精度で配列固定することが可能となり、仕上後の見映えがよく、品質を高い壁を作ることができる。また、熟練度を必要とせず作業単純化により未熟練工でも作業効率を上げることが出来るので、工期を短く、工費を安く押さえることができる。
【0058】
請求項4によれば、レール状金物4の上下の水平部41,43に排水用孔45が複数個配されているので、水が壁の背面側に浸入しても、これらの排水用孔45を介して上方から下方へと誘導されて最下段のレール状金物4から排水される。このため、裏に回った水が冬季に凍結して膨張し、小片状部材1,2を面外方向に押し出して落下させるといった懸念がなく、長期にわたって美麗な壁性状を維持できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施例による施工例を示す平面図、(b)は(a)の部分的斜視図である。
【図2】施工途中の状態を示す斜視図である。
【図3】(a)は図1の断面図、(b)はその拡大図である。
【図4】(a)は本発明に使用する小片部材の一例を示す斜視図、(b)は他の小片部材を示す斜視図、(c)は縦断面図である。
【図5】(a)は本発明で使用するレール状金物の斜視図、(b)はその一部拡大正面図、(c)は(b)のX−X線に沿う断面図、(d)は(b)のY−Y線に沿う断面図である。
【図6】本発明におけるレール状金物と小片部材との関係を示す断面図である。
【図7】(a)は本発明における平坦部用の施工用ガイド板の一例を示す正面図、(b)はその部分切欠拡大斜視図である。
【図8】(a)は本発明におけるコーナー用の施工用ガイド板の一例を示す斜視図、(b)はその拡大断面図、(c)は凹コーナー用とした施工用ガイド板の断面図である。
【図9】下地構造への施工用ガイド板の固定完了状態を示す斜視図である。
【図10】(a)は図9のY−Y線に沿う拡大断面図、(b)は図9のZ−Z線に沿う拡大断面図である。
【図11】レール状金物の固定完了状態を示す横断面図である。
【図12】レール状金物の固定完了状態を示す正面図である。
【図13】レール状金物の固定完了状態を示す側面図である。
【図14】(a)(b)(c)は、レール状金物への小片部材の取り付けを段階的に示す断面図である。
【図15】(a)(b)は、コーナー部におけるレール状金物への小片部材の取り付けを段階的に示す断面図である。
【図16】レール状金物への小片部材の取り付けを行なっている状態の横断面図である。
【図17】レール状金物への小片部材の取り付けを行なっている状態の正面図である。
【図18】レール状金物に小片状部材を取り付けた状態の側面図である。
【図19】(a)は本発明の第2実施例において、レール状金物の固定完了状態を示す横断面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図20】(a)は第2実施例のレール状金物への小片部材の取り付けを行なっている状態の横断面図、(b)は正面図である。
【図21】(a)は本発明の第3実施例に使用する小片部材の一例を示す斜視図、(b)は他の小片部材を示す斜視図、(c)は縦断面図である。
【図22】(a)(b)(c)は、第3実施例における、レール状金物への小片部材の取り付けを段階的に示す断面図である。
【図23】(a)(b)は、第3実施例における、コーナー部レール状金物への小片部材の取り付けを段階的に示す断面図である。
【図24】(a)は第3実施例における壁の断面図、(b)はその拡大図である。
【図25】比較例のレール状金物への小片部材の取り付けを行なっている状態の横断面図である。
【図26】(a)(b)(c)は、比較例におけるコーナー部分でのレール状金物への小片部材の取り付け法を段階的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2、1’、2’ 小片状部材
4 レール状金物
5 施工用ガイド板
8 目地材
10,20 上面側の溝
10’、20’ 下面側の溝
11,21 上部の突起条
11’、21’ 下部の 突起条
40 面板部
41,43 水平部
42 垂れ片
44 立上り片
45 排水用孔
50,50’,51,51’ 位置決め突起
420 切欠部

Claims (7)

  1. 面板部40の上端縁に長手方向の端部を除いて垂れ片42を屈曲形成する一方、面板部40の下端縁に立上り片44を屈曲形成しており、前記面板部40をもって下地構造側に多段状に配列固定されたレール状金物4と、上面に長さ方向に走る溝10,20を有し、下面にも長さ方向に走る溝10’、20’を有し、上面の前記溝10,20をもって前記垂れ片42に嵌合され、下面の溝10’、20’をもって前記立上り片44に嵌合された多数の小片状部材1,2と、前記レール状金物4の垂れ片42と立上がり片44によって各々が支持された小片状部材1,2の隙間を埋める如くレール状金物4に塗着された目地8とを備えていることを特徴とするレンガ等小片状部材を用いた壁構造。
  2. 面板部40の上端縁に長手方向の端部を除いて垂れ片42を屈曲形成する一方、面板部40の下端縁に立上り片44を屈曲形成しており、前記面板部40をもって下地構造側に多段状に配列固定されたレール状金物4と、上面に長さ方向に走る溝10,20を有し、下面にも長さ方向に走る溝10’、20’を有し、かつ溝よりも前面側に長手方向に走る突起条11、21、11’、21’を有しており、上面の前記溝10,20をもって前記垂れ片42に嵌合され、下面の溝10’、20’をもって前記立上り片44に嵌合された多数の小片状部材1,2とを備え、前記突起条11、21、11’、21’によって目地様部分を形成していることを特徴とするレンガ等小片状部材を用いた壁構造。
  3. レール状金物4の背後の下地構造に所要間隔ごとに固定され、水準出し用の位置決め突起50,50’、51,51’を下端から高さ方向で一定間隔で形成している施工用ガイド板5,5’をさらに有し、前記レール状金物4が、前記施工用ガイド板5,5’の各段の位置決め突起50,50’、51,51’に当接させて配列されている請求項1または2に記載の小片状部材を用いた壁構造。
  4. レール状金物4が、面板部から張り出す上下の水平部41,43に複数個の排水用孔45を有している請求項1または2に記載のレンガ等小片状部材を用いた壁構造。
  5. 面板部40の上端に水平部41とこれに続き下向き屈曲した垂れ片42を有し、下端に水平部43とこれに続き上向き屈曲した立上り片44を有し、前記垂れ片42が長手方向の端部において所定寸法欠設されている複数のレール状金物4を、前記面板部40をもって下地構造側に対して多段状に配置固定することを繰り返す工程と、平面部においては、上端面と下端面にそれぞれ長手方向に走る溝10、10’を有する多数の小片状部材1を、前記上面の溝10を前記レール状金物4の垂れ片42に、下面の溝10’を前記立上り片44とそれぞれ嵌合するように差し込んで配列し、コーナー部においては、屈曲状小片状部材2の長辺側の上面溝20を前記レール状金物4の垂れ片42に、下面の溝20’を前記立上り片44とそれぞれ嵌合させ、短辺側は垂れ片42の長手方向端部における欠設部分420を介してレール状金物4の面板部40に当接ないし近接させる工程と、配列済みの小片状部材相互間の隙間にレール状金物4を下地として目地材8を塗着する工程とからなることを特徴とするレンガ等小片状部材を用いた壁の施工方法。
  6. 面板部40の上端に水平部41とこれに続き下向き屈曲した垂れ片42を有し、下端に水平部43とこれに続き上向き屈曲した立上り片44を有し、前記垂れ片42が長手方向の端部において所定寸法欠設されている複数のレール状金物4を、前記面板部40をもって下地構造側に対して多段状に配置固定することを繰り返す工程と、平面部においては、上端面と下端面にそれぞれ長手方向に走る溝10,10’を有しかつ溝よりも前面側に長手方向に走る突起条11、11’を有する多数の小片状部材1’を、前記上面の溝10を前記レール状金物4の垂れ片42に、下面の溝10’を前記立上り片44とそれぞれ嵌合するように差し込んで配列し、突起条11、11’によって目地様部分を形成し、コーナー部においては、屈曲状小片状部材2の長辺側の上面溝20を前記レール状金物4の垂れ片42に、下面の溝20’を前記立上り片44とそれぞれ嵌合させ、短辺側は垂れ片42の長手方向端部における欠設部分420を介してレール状金物4の面板部40に当接ないし近接させ、かつ溝よりも前面側の長手方向に走る突起条21、21’によって目地様部分を形成する工程を行うことを特徴とするレンガ等小片状部材を用いた壁の施工方法。
  7. 下地構造に位置決め突起50,50’、51,51’が一定間隔ごとに突出した帯板状の施工用ガイド板5,5’を所定間隔ごとに固定する工程と前記水平部が施工用ガイド板5,5’の位置決め突起50,50’、51,51’に当接するように配置固定することを繰り返す工程をさらに含む請求項5または6のいずれかに記載のレンガ等小片状部材を用いた壁の施工方法。
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