JP2004323900A - エピタキシャルウェーハの製造装置およびエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents
エピタキシャルウェーハの製造装置およびエピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、安定したエピタキシャル成長層を有するエピタキシャルウェーハの製造装置およびその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】サセプタより原料ガス流れの上流側にある石英部品の一部を高温に加熱できる部品、特に誘導加熱により高温となる部品とすることによりクリーニングプロセス中に反応生成物が除去されるため反応生成物の堆積が抑制される。また、石英部品上に反応生成物が堆積する部分をクリーニングプロセス中にのみ加熱する補助加熱装置を備えることによりクリーニング効果を上げて反応生成物の堆積を抑制させることにより解決できる。
【選択図】図3
【解決手段】サセプタより原料ガス流れの上流側にある石英部品の一部を高温に加熱できる部品、特に誘導加熱により高温となる部品とすることによりクリーニングプロセス中に反応生成物が除去されるため反応生成物の堆積が抑制される。また、石英部品上に反応生成物が堆積する部分をクリーニングプロセス中にのみ加熱する補助加熱装置を備えることによりクリーニング効果を上げて反応生成物の堆積を抑制させることにより解決できる。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エピタキシャルウェーハを製造するために用いられるエピタキシャルウェーハ製造装置および、この装置を用いてエピタキシャルウェーハを製造する方法に関する。より詳細には、サセプタの上流側に誘導加熱により加熱可能な部材を設置しクリーニングによる付着物の除去を可能とした層流式エピタキシャルウェーハ製造装置および、この装置を用い、エピタキシャル成膜後に、クリーニングによりサセプタおよびサセプタ上流側の加熱可能な部材の表面をクリーニングし、プロセスチャンバー内に付着したシリコン生成物の除去を行い堆積するのを抑制させたことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エピタキシャル成長装置は、炉内のサセプタ上にウェーハを配置して、サセプタおよびウェーハを加熱するとともに、炉内に原料ガスを導入しウェーハ上にエピタキシャル成長を行うものである。エピタキシャル成長装置には、横型装置、縦型装置、シリンダ型装置、ホットウォール型装置クラスタ装置、枚葉型装置等がある。加熱には高周波コイルによりサセプターの裏面側から加熱を行う構成のものや、あるいは加熱ランプを用いてサセプタ表面側から加熱を行う構成のもの等が知られている。
【0003】
横型の反応室を備え、内部に回転可能に駆動される円形のサセプタを有する装置に、加熱方式として低周波数(3,000〜20,000Hz)の誘導加熱を用いてエピタキシャル成長を行う装置が、例えば特許文献1により知られている。
【0004】
【特許文献1】
特表平9−505798号公報
【0005】
一般に原料ガスがウェーハ及びサセプタの表面上を流れるとき、反応したガスはウェーハ上のみならず、サセプタやチャンバー内構成部品にまで反応生成物を付着させる。この反応生成物は堆積し、昇温・冷却時の温度変化によりフレーク状となって剥離し、反応生成中のウェーハに付着して成長することがある。このため、チャンバー内を高温にしてクリーニングガスを導入し付着物を除去する操作を行っている。
【0006】
通常チャンバー内に使われる部品は石英、SiCまたはカーボンにSiC膜をコートしたものが使われる。カーボンやSiCは外部からの加熱により高温となるため、エピタキシャル成長プロセスで反応生成物も堆積するが、クリーニングプロセスにより反応生成物は十分に除去される。クリーニングプロセスによりチャンバー内の堆積物を除去することは高品質のエピタキシャル層を成長させる上で非常に重要なプロセスである。
【0007】
サセプタの上流側には原料ガスをウェーハ上に効率的に反応させるために石英製のガス整流板が設置されている。反応生成物の付着はサセプタの上流側で特に多い。これはサセプタの上流端に到達した原料ガスが急激に温度および濃度が変化するためであり、下流側に原料ガスが流れるに従い反応生成物の成長速度は安定する。
【0008】
しかし、原料ガス整流板に使われている石英は外部からの加熱に対し高温にされにくいため反応生成物が一旦堆積されるとクリーニングガスによる除去もされにくくなり徐々に堆積されていく。
【0009】
除去されずに残った堆積物は剥がれて半導体基板の上に付着して基板の品質を低下させる。除去されずに残った堆積物を取り除くには、石英部品を装置から取り外しメンテナンス作業をおこなわなくてはならなくなり、装置の稼働時間を低下させてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような上記問題点に鑑みてなされたものであって、サセプタより原料ガス流れの上流側にある石英部品の一部を高温に加熱できる部品、特に誘導加熱により高温となる部品とすることによりクリーニングプロセス中に反応生成物が除去されるため反応生成物の堆積が抑制される。または石英部品上に反応生成物が堆積する部分をクリーニングプロセス中にのみ加熱する補助加熱装置を備えることによりクリーニング効果を上げて反応生成物の堆積を抑制させることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載した発明は、誘導加熱方式でサセプタを加熱する層流式エピタキシャルウェーハ製造装置において、サセプタの上流側に高周波を吸収する導電性材料からなる部材を設置したことを特徴とするエピタキシャルウェーハ製造装置を特徴としている。
【0012】
上記製造装置によれば、サセプタの上流側に高周波を吸収する導電性材料からなるガス整流部材を設置したことにより、原料ガスは効率よくウェーハにエピタキシャル膜を成長するとともに、クリーニング時における誘導加熱によりガス整流部材は高温となり付着した反応生成物は除去することができる。
【0013】
本発明の請求項2に記載した発明は、誘導加熱方式でサセプタを加熱する層流式エピタキシャルウェーハ製造装置において、サセプタの上流側に光を透過しない材料からなる加熱可能部材を設置したことを特徴とするエピタキシャルウェーハ製造装置を特徴としている。
【0014】
上記製造装置によれば、サセプタの上流側に光を透過しない材料からなる加熱可能部材を設置したことにより、原料ガスは効率よくウェーハにエピタキシャル膜を成長するとともに、クリーニング時におけるガス整流部材は効率よく発熱し高温となり付着した反応生成物は除去することができる。
【0015】
本発明の請求項3に記載した発明は、誘導加熱方式でサセプタを加熱する層流式エピタキシャルウェーハ製造装置において、サセプタの上流側に炭化珪素または表面を炭化珪素で被覆した黒鉛からなる加熱可能部材を設置したことを特徴とするエピタキシャルウェーハ製造装置である。
【0016】
上記製造装置によれば、サセプタの上流側に炭化珪素または表面を炭化珪素で被覆した黒鉛からなる加熱可能部材を設置したことにより、原料ガスは効率よくウェーハにエピタキシャル膜を成長するとともに、クリーニング時における誘導加熱によりガス整流部材は高温となり付着した反応生成物は除去することができる。
【0017】
本発明の請求項4に記載した発明は、請求項1ないし3の装置を用い、エピタキシャルウェーハを製造することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法である。
【0018】
上記製造方法によれば、原料ガスは効率よくウェーハにエピタキシャル膜を成長するとともに、クリーニング時における誘導加熱によりガス整流部材に付着した反応生成物は除去することができるので、エピタキシャル成長過程で剥がれた反応生成物を取り込むことなく膜成長でき、表面清浄の良いエピタキシャルウェーハを得ることができる。
【0019】
本発明の請求項5に記載した発明は、請求項1ないし請求項3の製造装置を用い、エピタキシャル成長させてウェーハを取り出した後、クリーニング用のガスを流しながらサセプタを加熱することにより、加熱可能部材も加熱して、サセプタや加熱可能部材表面の付着物を除去し、その後エピタキシャル成長を行うことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法である。
【0020】
上記製造方法によれば、クリーニング時における誘導加熱によりガス整流部材は高温となり付着した反応生成物は効率よく除去することができるので、エピタキシャル成長過程で剥がれた反応生成物を取り込むことなく膜成長でき、表面清浄の良いエピタキシャルウェーハを得ることができる。
【発明の実施の形態】
【0021】
以下、本発明に係るエピタキシャルウェーハ製造装置および、この装置を用いてエピタキシャルウェーハを製造する方法の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0022】
本発明に係るエピタキシャルウェーハ製造装置は、横型の流動反応室を備え、内部に回転可能に駆動される円形のサセプタを有する装置に、加熱方式として誘導加熱を用いてエピタキシャル成長を行う装置である。
【0023】
図1(a)(b)に、本発明のエピタキシャル成長装置の一例を模式的に示すものであり、誘導加熱により多数枚のウェーハを同時にエピタキシャル成長を行う方式の横型エピタキシャル成長装置である。チャンバー10内にはシリコンウェーハ1が所定枚数載置されたサセプタ2が回転可能に設置されている。サセプタ2の下側でチャンバー10の外には図示しない誘導加熱用コイルが設置されており、サセプタ2およびウェーハ1を誘導加熱するようになっている。一方、原料ガス3は図1左側からチャンバー10内へ導入され、高温の熱に反応した原料ガス3はシリコンウェーハ1上に堆積し、エピタキシャル層を形成する。未反応ガス4は図1右側からチャンバー10の外へ排出される。シリコンウェーハ1上に所定量のエピタキシャル層が形成されるとシリコンウェーハ1はチャンバー10の外へ取り出されると共に、次に反応すべきシリコンウェーハ1がチャンバー10内に挿入されエピタキシャル層を形成する。
【0024】
サセプタ2の上流側には石英から成り、原料ガス3をウェーハ1に効率的に反応させるための上流側ガス整流部材5および下流側には未反応ガス4をチャンバー10の外へ排出するための下流側ガス整流部材6が設置されている。しかし、一部の反応ガスはチャンバー内構成部品であるサセプタ2や上流側ガス整流部材4および下流側ガス整流部材5等に付着する。このため通常はチャンバー10内は塩化水素ガスを流しクリーニングされることとなる。エピタキシャル層の成長とクリーニングは交互に繰り返される。しかし、クリーニングを毎回行っても図2に示すように上流側ガス整流部材5のサセプタ2側には、反応生成物が堆積する部分7ができる。これは先に述べたように石英部材が加熱に対し高温になりにくい材質であり、クリーニング時の温度が高温にならず、付着した反応生成物が除かれないためである。
【0025】
次に、本発明に係わる半導体基板の製造方法を用いて、実際に半導体基板を製造した場合の具体例を示す。
【0026】
【実施例1】
本実施例1では図3に示すように、リング状ガス整流部材8または一辺が円弧状の三角形ガス整流部材9を上流側ガス整流部材5とサセプタ2の間に挿入した例を示す。リング状ガス整流部材8または一辺が円弧状の三角形ガス整流部材9は炭化珪素からなり、光を透過しないと共に誘導加熱により高温となる部材を用いている。シリコンウェーハに原料ガストリクロロシランを用いて1100℃で40分間のエピタキシャル成長を行い、シリコンウェーハを取り出した。その後、クリーニングガスとして塩化水素ガスを用いて1120℃10分間のチャンバー内クリーニングを行った。繰り返し50回行った後、チャンバー内のリング状ガス整流部材8および一辺が円弧状の三角形ガス整流部材9の表面を観察したが堆積物は見あたらなかった。また、その時エピタキシャル成長したシリコンウェーハも観察したが欠陥の増加は観察されなかった。
【0027】
【実施例2】
本実施例2ではリング状ガス整流部材8または一辺が円弧状の三角形ガス整流部材9は表面を炭化珪素で被覆した黒鉛からなる加熱可能部材を上流側ガス整流部材5とサセプタ2の間に挿入した例を示す。実施例1と同様にエピタキシャル成長とチャンバー内クリーニングの繰り返しを行い、シリコンウェーハ表面およびガス整流部材表面の観察を行ったが欠陥や堆積物は観察されなかった。
【0028】
【比較例】
次に、比較のためにサセプタ2の上流側のガス整流部材を石英とした例を示す。実施例2と同様にエピタキシャル成長とチャンバー内クリーニングの繰り返しを行い、シリコンウェーハ表面を観察したところ、初めの数回のエピタキシャル成長では欠陥の増加は観察されなかったが、エピタキシャル層成長回数が進むにつれチャンバー内部品からの剥がれと見られるものがウェーハ表面に付着したままエピタキシャル層成長しているものが多く観察された。ガス整流部材表面を観察しても反応生成物が付着しており、一部剥がれともられるものが観察された。図4に実施例2と比較例との表面欠陥の推移を示す。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、シリコン生成物の堆積が抑制されるため反応生成物の剥がれが発生せず、半導体基板の表面へのパーティクルの付着が防止できる。チャンバー内の石英部品へのシリコン生成物の堆積が抑制されるので石英部品のメンテナンス作業が減り半導体製造装置の稼働時間を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エピタキシャル装置の一例を模式的にを示す図である。
【図2】サセプタの上流側に反応生成物が堆積することを示した図である。
【図3】本発明のリング状ガス整流部材、一辺が円弧状の三角形ガス整流部材を設置した図である。
【図4】本発明例と従来例との表面欠陥の推移を示した図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エピタキシャルウェーハを製造するために用いられるエピタキシャルウェーハ製造装置および、この装置を用いてエピタキシャルウェーハを製造する方法に関する。より詳細には、サセプタの上流側に誘導加熱により加熱可能な部材を設置しクリーニングによる付着物の除去を可能とした層流式エピタキシャルウェーハ製造装置および、この装置を用い、エピタキシャル成膜後に、クリーニングによりサセプタおよびサセプタ上流側の加熱可能な部材の表面をクリーニングし、プロセスチャンバー内に付着したシリコン生成物の除去を行い堆積するのを抑制させたことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エピタキシャル成長装置は、炉内のサセプタ上にウェーハを配置して、サセプタおよびウェーハを加熱するとともに、炉内に原料ガスを導入しウェーハ上にエピタキシャル成長を行うものである。エピタキシャル成長装置には、横型装置、縦型装置、シリンダ型装置、ホットウォール型装置クラスタ装置、枚葉型装置等がある。加熱には高周波コイルによりサセプターの裏面側から加熱を行う構成のものや、あるいは加熱ランプを用いてサセプタ表面側から加熱を行う構成のもの等が知られている。
【0003】
横型の反応室を備え、内部に回転可能に駆動される円形のサセプタを有する装置に、加熱方式として低周波数(3,000〜20,000Hz)の誘導加熱を用いてエピタキシャル成長を行う装置が、例えば特許文献1により知られている。
【0004】
【特許文献1】
特表平9−505798号公報
【0005】
一般に原料ガスがウェーハ及びサセプタの表面上を流れるとき、反応したガスはウェーハ上のみならず、サセプタやチャンバー内構成部品にまで反応生成物を付着させる。この反応生成物は堆積し、昇温・冷却時の温度変化によりフレーク状となって剥離し、反応生成中のウェーハに付着して成長することがある。このため、チャンバー内を高温にしてクリーニングガスを導入し付着物を除去する操作を行っている。
【0006】
通常チャンバー内に使われる部品は石英、SiCまたはカーボンにSiC膜をコートしたものが使われる。カーボンやSiCは外部からの加熱により高温となるため、エピタキシャル成長プロセスで反応生成物も堆積するが、クリーニングプロセスにより反応生成物は十分に除去される。クリーニングプロセスによりチャンバー内の堆積物を除去することは高品質のエピタキシャル層を成長させる上で非常に重要なプロセスである。
【0007】
サセプタの上流側には原料ガスをウェーハ上に効率的に反応させるために石英製のガス整流板が設置されている。反応生成物の付着はサセプタの上流側で特に多い。これはサセプタの上流端に到達した原料ガスが急激に温度および濃度が変化するためであり、下流側に原料ガスが流れるに従い反応生成物の成長速度は安定する。
【0008】
しかし、原料ガス整流板に使われている石英は外部からの加熱に対し高温にされにくいため反応生成物が一旦堆積されるとクリーニングガスによる除去もされにくくなり徐々に堆積されていく。
【0009】
除去されずに残った堆積物は剥がれて半導体基板の上に付着して基板の品質を低下させる。除去されずに残った堆積物を取り除くには、石英部品を装置から取り外しメンテナンス作業をおこなわなくてはならなくなり、装置の稼働時間を低下させてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような上記問題点に鑑みてなされたものであって、サセプタより原料ガス流れの上流側にある石英部品の一部を高温に加熱できる部品、特に誘導加熱により高温となる部品とすることによりクリーニングプロセス中に反応生成物が除去されるため反応生成物の堆積が抑制される。または石英部品上に反応生成物が堆積する部分をクリーニングプロセス中にのみ加熱する補助加熱装置を備えることによりクリーニング効果を上げて反応生成物の堆積を抑制させることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載した発明は、誘導加熱方式でサセプタを加熱する層流式エピタキシャルウェーハ製造装置において、サセプタの上流側に高周波を吸収する導電性材料からなる部材を設置したことを特徴とするエピタキシャルウェーハ製造装置を特徴としている。
【0012】
上記製造装置によれば、サセプタの上流側に高周波を吸収する導電性材料からなるガス整流部材を設置したことにより、原料ガスは効率よくウェーハにエピタキシャル膜を成長するとともに、クリーニング時における誘導加熱によりガス整流部材は高温となり付着した反応生成物は除去することができる。
【0013】
本発明の請求項2に記載した発明は、誘導加熱方式でサセプタを加熱する層流式エピタキシャルウェーハ製造装置において、サセプタの上流側に光を透過しない材料からなる加熱可能部材を設置したことを特徴とするエピタキシャルウェーハ製造装置を特徴としている。
【0014】
上記製造装置によれば、サセプタの上流側に光を透過しない材料からなる加熱可能部材を設置したことにより、原料ガスは効率よくウェーハにエピタキシャル膜を成長するとともに、クリーニング時におけるガス整流部材は効率よく発熱し高温となり付着した反応生成物は除去することができる。
【0015】
本発明の請求項3に記載した発明は、誘導加熱方式でサセプタを加熱する層流式エピタキシャルウェーハ製造装置において、サセプタの上流側に炭化珪素または表面を炭化珪素で被覆した黒鉛からなる加熱可能部材を設置したことを特徴とするエピタキシャルウェーハ製造装置である。
【0016】
上記製造装置によれば、サセプタの上流側に炭化珪素または表面を炭化珪素で被覆した黒鉛からなる加熱可能部材を設置したことにより、原料ガスは効率よくウェーハにエピタキシャル膜を成長するとともに、クリーニング時における誘導加熱によりガス整流部材は高温となり付着した反応生成物は除去することができる。
【0017】
本発明の請求項4に記載した発明は、請求項1ないし3の装置を用い、エピタキシャルウェーハを製造することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法である。
【0018】
上記製造方法によれば、原料ガスは効率よくウェーハにエピタキシャル膜を成長するとともに、クリーニング時における誘導加熱によりガス整流部材に付着した反応生成物は除去することができるので、エピタキシャル成長過程で剥がれた反応生成物を取り込むことなく膜成長でき、表面清浄の良いエピタキシャルウェーハを得ることができる。
【0019】
本発明の請求項5に記載した発明は、請求項1ないし請求項3の製造装置を用い、エピタキシャル成長させてウェーハを取り出した後、クリーニング用のガスを流しながらサセプタを加熱することにより、加熱可能部材も加熱して、サセプタや加熱可能部材表面の付着物を除去し、その後エピタキシャル成長を行うことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法である。
【0020】
上記製造方法によれば、クリーニング時における誘導加熱によりガス整流部材は高温となり付着した反応生成物は効率よく除去することができるので、エピタキシャル成長過程で剥がれた反応生成物を取り込むことなく膜成長でき、表面清浄の良いエピタキシャルウェーハを得ることができる。
【発明の実施の形態】
【0021】
以下、本発明に係るエピタキシャルウェーハ製造装置および、この装置を用いてエピタキシャルウェーハを製造する方法の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0022】
本発明に係るエピタキシャルウェーハ製造装置は、横型の流動反応室を備え、内部に回転可能に駆動される円形のサセプタを有する装置に、加熱方式として誘導加熱を用いてエピタキシャル成長を行う装置である。
【0023】
図1(a)(b)に、本発明のエピタキシャル成長装置の一例を模式的に示すものであり、誘導加熱により多数枚のウェーハを同時にエピタキシャル成長を行う方式の横型エピタキシャル成長装置である。チャンバー10内にはシリコンウェーハ1が所定枚数載置されたサセプタ2が回転可能に設置されている。サセプタ2の下側でチャンバー10の外には図示しない誘導加熱用コイルが設置されており、サセプタ2およびウェーハ1を誘導加熱するようになっている。一方、原料ガス3は図1左側からチャンバー10内へ導入され、高温の熱に反応した原料ガス3はシリコンウェーハ1上に堆積し、エピタキシャル層を形成する。未反応ガス4は図1右側からチャンバー10の外へ排出される。シリコンウェーハ1上に所定量のエピタキシャル層が形成されるとシリコンウェーハ1はチャンバー10の外へ取り出されると共に、次に反応すべきシリコンウェーハ1がチャンバー10内に挿入されエピタキシャル層を形成する。
【0024】
サセプタ2の上流側には石英から成り、原料ガス3をウェーハ1に効率的に反応させるための上流側ガス整流部材5および下流側には未反応ガス4をチャンバー10の外へ排出するための下流側ガス整流部材6が設置されている。しかし、一部の反応ガスはチャンバー内構成部品であるサセプタ2や上流側ガス整流部材4および下流側ガス整流部材5等に付着する。このため通常はチャンバー10内は塩化水素ガスを流しクリーニングされることとなる。エピタキシャル層の成長とクリーニングは交互に繰り返される。しかし、クリーニングを毎回行っても図2に示すように上流側ガス整流部材5のサセプタ2側には、反応生成物が堆積する部分7ができる。これは先に述べたように石英部材が加熱に対し高温になりにくい材質であり、クリーニング時の温度が高温にならず、付着した反応生成物が除かれないためである。
【0025】
次に、本発明に係わる半導体基板の製造方法を用いて、実際に半導体基板を製造した場合の具体例を示す。
【0026】
【実施例1】
本実施例1では図3に示すように、リング状ガス整流部材8または一辺が円弧状の三角形ガス整流部材9を上流側ガス整流部材5とサセプタ2の間に挿入した例を示す。リング状ガス整流部材8または一辺が円弧状の三角形ガス整流部材9は炭化珪素からなり、光を透過しないと共に誘導加熱により高温となる部材を用いている。シリコンウェーハに原料ガストリクロロシランを用いて1100℃で40分間のエピタキシャル成長を行い、シリコンウェーハを取り出した。その後、クリーニングガスとして塩化水素ガスを用いて1120℃10分間のチャンバー内クリーニングを行った。繰り返し50回行った後、チャンバー内のリング状ガス整流部材8および一辺が円弧状の三角形ガス整流部材9の表面を観察したが堆積物は見あたらなかった。また、その時エピタキシャル成長したシリコンウェーハも観察したが欠陥の増加は観察されなかった。
【0027】
【実施例2】
本実施例2ではリング状ガス整流部材8または一辺が円弧状の三角形ガス整流部材9は表面を炭化珪素で被覆した黒鉛からなる加熱可能部材を上流側ガス整流部材5とサセプタ2の間に挿入した例を示す。実施例1と同様にエピタキシャル成長とチャンバー内クリーニングの繰り返しを行い、シリコンウェーハ表面およびガス整流部材表面の観察を行ったが欠陥や堆積物は観察されなかった。
【0028】
【比較例】
次に、比較のためにサセプタ2の上流側のガス整流部材を石英とした例を示す。実施例2と同様にエピタキシャル成長とチャンバー内クリーニングの繰り返しを行い、シリコンウェーハ表面を観察したところ、初めの数回のエピタキシャル成長では欠陥の増加は観察されなかったが、エピタキシャル層成長回数が進むにつれチャンバー内部品からの剥がれと見られるものがウェーハ表面に付着したままエピタキシャル層成長しているものが多く観察された。ガス整流部材表面を観察しても反応生成物が付着しており、一部剥がれともられるものが観察された。図4に実施例2と比較例との表面欠陥の推移を示す。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、シリコン生成物の堆積が抑制されるため反応生成物の剥がれが発生せず、半導体基板の表面へのパーティクルの付着が防止できる。チャンバー内の石英部品へのシリコン生成物の堆積が抑制されるので石英部品のメンテナンス作業が減り半導体製造装置の稼働時間を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エピタキシャル装置の一例を模式的にを示す図である。
【図2】サセプタの上流側に反応生成物が堆積することを示した図である。
【図3】本発明のリング状ガス整流部材、一辺が円弧状の三角形ガス整流部材を設置した図である。
【図4】本発明例と従来例との表面欠陥の推移を示した図である。
Claims (5)
- 誘導加熱方式でサセプタを加熱する層流式エピタキシャルウェーハ製造装置において、サセプタの上流側に高周波を吸収する導電性材料からなる部材を設置したことを特徴とするエピタキシャルウェーハ製造装置。
- 誘導加熱方式でサセプタを加熱する層流式エピタキシャルウェーハ製造装置において、サセプタの上流側に光を透過しない材料からなる加熱可能部材を設置したしたことを特徴とするエピタキシャルウェーハ製造装置。
- 誘導加熱方式でサセプタを加熱する層流式エピタキシャルウェーハ製造装置において、サセプタの上流側に炭化珪素または表面を炭化珪素で被覆した黒鉛からなる加熱可能部材を設置したしたことを特徴とするエピタキシャルウェーハ製造装置。
- 請求項1ないし3の装置を用い、エピタキシャルウェーハを製造することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
- 請求項1ないし請求項3の製造装置を用い、エピタキシャル成長させてウェーハを取り出した後、クリーニング用のガスを流しながらサセプタを加熱することにより、加熱可能部材も加熱して、サセプタや加熱可能部材表面の付着物を除去し、その後エピタキシャル成長を行うことを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
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WO2008078500A1 (ja) | 2006-12-25 | 2008-07-03 | Tokyo Electron Limited | 成膜装置および成膜方法 |
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