JP2004323306A - 焼失性シートおよびそれを用いたセラミック積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バラツキの発生なく、良好なキャビティを変形無く、形成することが可能な焼失性シートと、これを用いたセラミック積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックグリーンシートの所定箇所に空間部を形成し、該空間部に熱分解性樹脂を20〜80質量%と、少なくともカーボンを20〜80質量%含有し、室温におけるヤング率が200〜800MPaの焼失性シートを挿入し、該焼失性シートを焼成中に焼失させて焼成体中にキャビティを形成する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップ、積層コンデンサ、積層圧電部材等の電子部品を収納するためのキャビティを形成したり、自動車の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ等において、大気導入孔を形成するのに好適に使用される焼失性シートおよびそれを用いたセラミック積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
セラミック基板や、セラミック積層コンデンサ、セラミックヒータ等に使用するセラミックグリーンシートは、一般にドクターブレード法、押し出し成形法、カレンダー法等の公知の技術により成形される。得られたグリーンシートは、通常、導体ペーストを用いて、その表面にスクリーン印刷法により、所定の回路配線、電極等を印刷配置し、その後、所定の厚み、構造を形成するべく、同様のセラミックグリーンシートを、通常2層以上積層しセラミックグリーンシート積層体を形成する。
【0003】
そして、積層体の内部にキャビティを有するセラミック積層焼結体を作製するには、所定の形状のキャビティが形成されるよう打ち抜き加工したセラミックグリーンシートを、他のセラミックグリーンシートとともに熱圧着法や、接着液等を塗布後、加圧接着して接着してセラミックグリーンシート積層体を形成し、これを大気雰囲気あるいは還元雰囲気で焼成することによって得られる。
【0004】
ところが、上記の方法では、その積層焼結体内部に形成されるキャビティが所定の形状に対して変形するという問題があった。この変形による問題は、半導体チップを実装する面の平坦度が悪化して実装搭載することができなくなったり、キャビティ付近での回路を接続不良によって誤作動が発生するなどの問題があった。また、酸素センサ等では大気導入孔の空間容積が設計値から変化しているために、センサ性能が設計どおりにならない、または安定化しないという問題があった。
【0005】
この原因は、キャビティを形成した部分の上下のセラミックグリーンシートを積層圧着処理した場合に、キャビティを形成した部分で圧力が寸断されるためにキャビティ直下の積層部分に圧力が印加されないためである。
【0006】
このような問題を回避するため、キャビティ内に焼成時に焼失するようなカーボンの粉末を充填したり、特許文献1に示されるような昇華性シート等をキャビティ内に挿入することで、圧力が寸断されることなくキャビティの変形を防止し、位置精度の劣化を防止することが行なわれている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−249838号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、キャビティ内にカーボン粉末を充填する方法では、ある程度の変形は抑制されるものの、カーボン粉末の充填工程が必要であり、また充填が不均一になる結果バラツキが発生しやすい。また特許文献1に示されるような昇華性シートに用いられる昇華性物質はセラミックグリーンシートに一般的に用いられているアルコールのような有機溶媒に難溶性である、テオブロミン、ナフタセン、インジゴあるいはヘキサブロムベンゼン等を主成分として調製されるため、可撓性に乏しく脆いため、破損しやすく、グリーンシートに傷を付けやすいこと、またこのような性質をもっているために、充填作業に長時間を有する等の問題があった。
【0009】
従って、本発明は、良好なキャビティを変形無く、形成することが可能な焼失性シートと、これを用いてキャビティを有し、積層欠陥や反り、剥離の発生のないセラミック積層体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の焼失シートによれば、熱分解性樹脂を20〜80質量%と、少なくともカーボンを20〜80質量%含有し、室温におけるヤング率が200〜800MPaであることを特徴とするものである。また、前記焼失シートは水銀圧入法による気孔率は5〜50%であることが望ましい。
【0011】
また、本発明のセラミック積層体の製造方法は、セラミックグリーンシートの所定箇所に空間部を形成し、該空間部に前記焼失性シートを挿入し、該焼失性シートを焼成中に焼失させて焼成体中にキャビティを形成することを特徴とするものである。
【0012】
より具体的には、空間部を有するセラミックグリーンシートの所定箇所に空間部を形成する工程と、該空間部に前記焼失性シートを挿入する工程と、前記焼失性シートが挿入されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層する工程と、該積層物を焼成温度以下の温度で処理し、前記空間部から前記焼失性シートを焼失、除去し、キャビティを形成する工程と、を具備することを特徴とするものである。
【0013】
さらに他のセラミック積層体の製造方法によれば、複数のセラミックグリーンシートの積層体を形成する工程と、前記積層体の所定箇所に空間部を形成する工程と、該空間部に前記焼失性シートを挿入する工程と、該積層物を焼成温度以下の温度で処理し、前記空間部から前記焼失性シートを焼失、除去し、キャビティを形成する工程と、を具備することを特徴とする。
【0014】
上記のセラミック積層体の製造方法においては、前記キャビティを形成するセラミックグリーンシートおよび焼失性シートの室温におけるヤング率をそれぞれYc、Ysとした時、0.5×Yc≦Ys≦2×Ycの関係を満足すること、さらには、前記キャビティを形成するセラミックグリーンシートおよび前記焼失性シートの降伏応力値をそれぞれVc、Vsとすると、0.1×Vc≦Vs≦3×Ycの関係を満足することが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の焼失性シートは、カーボン粉末と、熱分解性樹脂である有機バインダとを含有するものである。そして、この焼失性シートは、熱分解性樹脂である有機バインダが20〜80質量%含有され、更には少なくともカーボン粉末を20〜80質量%含有し、室温におけるヤング率が200〜800MPa、特に300〜700MPaであることが重要である。
【0016】
この焼失性シートは、上記の成分の混合物に溶媒を添加してスラリーを調製し、これをドクターブレード法、カレンダーロール法、プレス成形法、押し出し成形法などによって厚さ2〜2000μm、特に100〜600μmのグリーンシートに成形することによって作製することができる。
【0017】
本発明において、焼失性シートの熱分解性樹脂とカーボン量を上記の範囲に限定したのは、熱分解性樹脂が5質量%よりも少ないか、あるいはカーボン粉末が95質量%よりも多いとシート化が困難となり、室温におけるヤング率も100MPaよりも低くなる。また、熱分解性樹脂が80質量%よりも多いか、あるいはカーボン粉末が20質量%よりも少ないと、焼失シートの変形が大きくなり、所定の寸法のキャビティの変形を防止することができない。
【0018】
また、本発明の焼失性シート中に含まれるカーボン粉末の平均粒径は、3〜100μm、特に5〜50μmであることが望ましい。ここで、平均粒径とは、粒度測定におけるD50値、すなわち二次粒子径(一次粒子凝集粒径)をあらわす。平均粒径が1μmよりも小さいと熱分解性樹脂の添加量を多くしても流動性のあるスラリーが得られず、シート成形が難しくなり、また、平均粒径が100μmよりも大きいとシート表面の平滑性が無くなり、良好なシートが得られにくい。
【0019】
一方、上記焼失性シートを用いてキャビティを有するセラミック積層体を作製するために用いられるセラミックグリーンシートは、セラミック粉末に、有機バインダ、有機溶剤を加えてスラリーを調整し、このスラリーを用いて、ドクターブレード法、カレンダーロール法、プレス成形法、押し出し成形法などによって厚さ2〜2000μm、特に100〜600μmのグリーンシートに成形される。
【0020】
本発明によれば、上記セラミックグリーンシートもヤング率が200〜800GPa,特に300〜700MPaであることが望ましい。焼失性シートおよびセラミックグリーンシートのヤング率が200GPaよりも小さいとシートが脆くなり、ハンドリングが困難でシートの破れ、クラックが発生しやすく、800GPaよりも大きいと、シートが硬くなり、シートの打ち抜き加工やカットなどの加工が困難となるためである。特に
また、剥離等の無い良好なセラミック積層体を作製するための1つの条件として、焼失性シートおよびセラミックグリーンシートの水銀圧入法による気孔率は5〜50%、特に8%〜45%、さらには10〜40%であることが望ましい。即ち、気孔率が5%よりも小さいと降伏応力が大きくなり、50%よりも大きいと降伏応力が小さくなりすぎ、変形が発生しやすくなるためである。
【0021】
本発明における焼失性シートおよびセラミックグリーンシート中の有機バインダとしての熱分解性樹脂としては、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを重合反応させて得られるブチラール系樹脂、あるいはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート等のようにモノマー組成がアルキルメタクリレート、アルキルアクリレートのいずれか、またはその混合物からなる重合体であるアクリル系樹脂を用いることが望ましい。
【0022】
また、焼失性シートおよびセラミックグリーンシート中の有機バインダのガラス転移点(Tg)が50℃以上、特に60℃以上であることが望ましい。これは、ガラス転移点(Tg)が50℃より低いと焼失性シートやグリーンシートが弾性変形しやすいため、容易に流れ方向に収縮し、縦方向と横方向に収縮差を生じやすくなるためにキャビティ形状が変形する原因となる。このため、ガラス転移点(Tg)の高い樹脂を用いることでキャビティ形状の変形を抑えることが可能となる。
【0023】
本発明の焼失性シートおよびセラミックグリーンシート中に含まれる有機バインダは、20〜80質量部、特に25〜60質量部の割合で含まれることが望ましい。
【0024】
また、焼失性シートおよびセラミックグリーンシート中には、上記の成分以外に、可塑剤を添加してヤング率を制御することもできる。用いられる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステルや、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール誘導体、その他高融点の燐酸エステル、脂肪酸エステルの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。この可塑剤は、カーボン粉末100質量部に対して1〜12質量部の範囲でシート表面に可塑剤が浸み出さずべとつきがない程度で添加される。
【0025】
上記の焼失性シートおよびセラミックグリーンシートを用いてキャビティを有するセラミック積層体を作製するには、セラミックグリーンシートの所定箇所に空間部を形成し、該空間部に前述した焼失性シートを挿入し、該焼失性シートを焼成中に焼失させて焼成体中にキャビティを形成する。焼失性シートを挿入する場合には、空間部に整合する焼失性シートを打ち抜き加工したものを挿入することが望ましい。
【0026】
より具体的には、例えば、キャビティがセラミック積層体の内部に存在する場合には、まず、図1の工程図に示すように、キャビティを形成するセラミックグリーンシート1の所定箇所にパンチングなどによって空間部2を形成する(a)。
【0027】
そして、セラミックグリーンシート1の空間部2に焼失性シート3を挿入する。そして、焼失性シート3が挿入されたセラミックグリーンシート1を含む複数のセラミックグリーンシート4、5、6、7を積層する。そして、この積層体を焼成温度よりも低い温度で一旦熱処理して焼失性シートを焼失、除去し、キャビティ8を形成する。そして、焼成温度まで昇温してセラミック積層体を焼結させる。
【0028】
なお、焼失性シートを焼失させるには、大気あるいは窒素雰囲気中にて、特に300℃以上、特に400℃以上で熱処理するのが適当である。
【0029】
また、他の方法としては、図2に示すように、複数のセラミックグリーンシート11、12、13、14、15を積層圧着して積層体を形成する(a)。その後、積層体に対してNC加工などの機械加工によって、積層体の所定箇所に空間部16を形成する。そして、この空間部16に前述した焼失性シート17を挿入する。そして、前記と同様に、焼成温度よりも低い温度で一旦熱処理して焼失性シート17を焼失、除去し、キャビティ18を形成する。そして、焼成温度まで昇温してセラミック積層体を焼結させる。
【0030】
このセラミックグリーンシートを積層するにあたっては、上記セラミックグリーンシートをグリーンシートや焼失性シート中に含まれる有機バインダのガラス転移温度(Tg)以上の温度で印加しながら、積層することによって、グリーンシート間やグリーンシートと焼失性シート間での密着性を高め、剥離や積層欠陥の発生を防止できる。
【0031】
さらに、セラミック積層体を形成するセラミックグリーンシートおよび前記焼失性シートの室温におけるヤング率をそれぞれYc、Ysとすると、0.5×Yc≦Ys≦2×Ycの関係を満足することが望ましい。焼失性シートのヤング率Ysがセラミックグリーンシートのヤング率Ycの0.5倍より小さいと、セラミック積層体を形成する際に、積層圧力によりセラミックグリーンシートが焼失性シートに対して凸状に変形しやすくなる。焼失性シートのヤング率Ysがセラミックグリーンシートのヤング率Ycの2倍より大きいとセラミック積層体を形成する際に、積層圧力によりセラミックグリーンシートが焼失性シートに対して、凹状に変形しやすくなるためである。
【0032】
更には前記セラミックグリーンシートおよび焼失性シートの降伏応力値をそれぞれVc、Vsとすると、0.1×Vc≦Vs≦3×Vcの関係を満足することが望ましい。焼失性シートの降伏応力Vsがセラミックグリーンシートの降伏応力Vcの0.1倍より小さいとセラミック積層体を形成する際に、積層圧力によりセラミックグリーンシートが焼失性シートに対して、凸状に変形する。焼失性シートの降伏応力Vsがセラミックグリーンシートの降伏応力Vcの3倍より大きいとセラミック積層体を形成する際に、積層圧力によりセラミックグリーンシートが焼失性シートに対して、凹状に変形しやすくなるためである。
【0033】
また、セラミックグリーンシートや焼失性シート間には、適宜、接着材層を介して、または接着剤層を介することなく、積層することができる。
【0034】
前記積層体を形成する際にセラミックグリーンシート間に、グリーンシート中のセラミック粉末と、有機バインダと、有機溶媒とからなる接着材層を介在させると、セラミック粒子が焼成時に結合層を形成することから、グリーンシートの接合部に欠陥が発生し難く、安定した積層体を形成し易い。特に、前述のようにセラミックグリーンシートの表層に有機バインダ層が存在する場合は、本手法によれば、より簡便に積層体を得られる。このときに用いられる接着材としては、セラミック粉末0〜85体積%と、有機バインダ15〜100体積%からなる固形成分100質量部に、有機溶媒を20〜10000質量部の割合で添加混合してなるスラリーをグリーンシート表面に塗布して積層、接着することが望ましい。
【0035】
ところで、前述の如くセラミックグリーンシート間に接着材層を介在させ積層体を形成する場合、接着材中の有機溶媒はセラミックグリーンシート中に浸透、拡散する場合が多く、その結果、セラミックグリーンシートが膨潤し軟化する。前記積層体において、積層する各グリーンシートの位置精度が100μm以下、特に50μm以下の厳しい公差を要求される場合は、このグリーンシートの上記軟化は位置精度を劣化させる1つの要因となる。
【0036】
このような場合は、積層シート間にセラミックおよび/または有機バインダもしくは有機溶媒からなる接着材層を介在させることなく積層する。この時、セラミックグリーンシートに使用する有機バインダのガラス転移点Tgが0℃以上、例えばポリビニルブチラール等のようにTg>50℃以上の場合でも、可塑剤を使用する場合は、有機バインダのガラス転移点Tg以上の温度、好ましくは50℃以上、さらには90℃以上の温度を付与しつつ、降伏応力以上の圧力を加圧圧力とすることで、積層するセラミックグリーンシート中の可塑剤が、セラミックグリーンシート表層に滲出し、セラミックグリーンシート表層のバインダを再溶解させ、その結果、積層欠陥なくセラミックグリーンシート積層体が得られる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳しく説明するが、実施例としてアルミナのセラミック積層体を作製し種々の評価を行なった。
【0038】
(1)焼失性シートの作製
平均粒径が1〜150μmのカーボン粉末100質量部に、有機バインダとして3〜90質量部のガラス転移点が60℃のブチラール樹脂を添加し、70〜110重量部のトルエンを添加した後、ボールミルによって混合し、スラリー混合物を作製した。その後、このスラリーを減圧下で、撹拌脱泡し、ドクターブレード法により、厚み200μmの焼失性シートを作製した。
【0039】
(2)アルミナグリーンシートの作製
上記図1のアルミナ積層体を製造するにあたり、平均粒径が0.5μmのアルミナ粉末100質量部に対して、10質量部のブチラール樹脂と2質量部のジブチルフタレートを添加し、70〜110重量部のトルエンを添加した後、ボールミルによって混合し、スラリー混合物を作製した。その後、このスラリーを減圧下で、撹拌脱泡し、ドクターブレード法により、厚み200μmのセラミックグリーンシートを作製した。このときのアルミナグリーンシートの室温でのヤング率Ycは550MPa、降伏応力Vcは8MPaであった。
【0040】
そして、上記のアルミナセラミックグリーンシート2枚にパンチングでに大きさが15×30mmの大きさの貫通空間部を形成し、この空間部に整合するように、上記の焼失性シート2枚を加工して空間部に挿入した。そして、この上に、前記セラミックグリーンシートを積層し、80℃に加熱しながら40MPaの圧力で圧着した。
【0041】
その後、これを窒素雰囲気で500℃で、5時間熱処理した後、さらに1500℃まで昇温し、2時間焼成した。
【0042】
各試料毎に50個のサンプルを作製し、焼成後の焼結体について、断面を観察し、反り、クラック、剥離などの不良が発生した数量を表1に示した。
【0043】
【表1】
Figure 2004323306
表1の結果から明らかなように、熱分解性樹脂を20〜80質量%と、少なくともカーボンを20〜80質量%含有し、室温におけるヤング率が200〜800MPaである焼失性シートを用いることによって、欠陥のない良好なセラミック積層体を作成することができる。特に、0.5×Yc≦Ys≦2×Ycの関係、0.1×Vc≦Vs≦3×Ycの関係を満足することによって、さらに特性が向上した。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、変形の無い所定の寸法のキャビティを有する信頼性の高いセラミック多層基板を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるセラミック積層体の製造方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明におけるセラミック積層体の他の製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1、4、5、6、7 セラミックグリーンシート
2 空間部
3 焼失性シート
8 キャビティ

Claims (7)

  1. 熱分解性樹脂を20〜80質量%と、少なくともカーボンを20〜80質量%含有し、室温におけるヤング率が200〜800MPaであることを特徴とする焼失性シート。
  2. 水銀圧入法による気孔率が5〜50%であることを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の焼失性シート。
  3. セラミックグリーンシートの所定箇所に空間部を形成し、該空間部に請求項1または請求項2記載の焼失性シートを挿入し、該焼失性シートを焼成中に焼失させて焼成体中にキャビティを形成するセラミック積層体の製造方法。
  4. セラミックグリーンシートの所定箇所に空間部を形成する工程と、該空間部に請求項1または請求項2記載の焼失性シートを挿入する工程と、前記焼失性シートが挿入されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層する工程と、該積層物を焼成温度以下の温度で処理し、前記空間部から前記焼失性シートを焼失、除去し、キャビティを形成する工程と、さらに焼成温度に昇温して焼成する工程と、を具備することを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  5. 複数のセラミックグリーンシートの積層体を形成する工程と、前記積層体の所定箇所に空間部を形成する工程と、該空間部に請求項1または請求項2記載の焼失性シートを挿入する工程と、該積層物を焼成温度以下の温度で処理し、前記空間部から前記焼失性シートを焼失、除去し、キャビティを形成する工程と、を具備することを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  6. 前記キャビティを形成するセラミックグリーンシートおよび焼失性シートの室温におけるヤング率をそれぞれYc、Ysとした時、0.5×Yc≦Ys≦2×Ycの関係を満足することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか記載のセラミック積層体の製造方法。
  7. 前記キャビティを形成するセラミックグリーンシートおよび前記焼失性シートの降伏応力値をそれぞれVc、Vsとすると、0.1×Vc≦Vs≦3×Ycの関係を満足することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか記載のセラミック積層体の製造方法。
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