JP2004321914A - 微粉処理方法、粉砕方法、粉砕システム、回収装置 - Google Patents

微粉処理方法、粉砕方法、粉砕システム、回収装置 Download PDF

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Abstract

【課題】活性度の高い超微粉を安全に回収することができ、しかも生産性を損なうことのない微粉処理方法、粉砕方法、粉砕システム、回収装置を提供することを目的とする。
【解決手段】R−T−B系永久磁石材料を粉砕する粉砕システムにおいて、バグフィルタで捕集した活性度が非常に高い超微粉を、回収装置70で徐酸化・回収するようにした。回収装置70の徐酸化装置71では、容器80内で、撹拌スクリュー86により、超微粉を撹拌しながら、ここに酸素を供給するようにした。また、回収装置70では、容器80内に酸素を導入するときには、バルブ50b、入口側バルブ73を閉じ、バグフィルタおよび粉砕システムの系内には、酸素が流入しないようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類永久磁石の製造工程等、活性度の高い粉末を取り扱う工程で用いるのに好適な微粉処理方法、粉砕方法、粉砕システム、回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
所望の粒度の粉末を得るための粉砕システムとしては、原料をボールミル等の粉砕機で粉砕して得られた微細な粉末(以下、これを微粉と称す)を、分級機やサイクロンによって微粉を分級することで、所定の粒度範囲の微粉を得るものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
また、活性度の高い酸化性材料を粉砕する粉砕システムにおいては、システム系内に不活性ガスを導入することで、材料が酸化するのを抑制するようになっている(例えば、特許文献2、3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−49045号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平11−156224号公報
【特許文献3】
特開2000−42444号公報
【0005】
上記したような粉砕システムでは、粉砕された微粉は、気流によってシステム系内を搬送される。そして、分級機やサイクロンを経た気流は、バグフィルタ等と称される集塵機に送られ、この集塵機にて、分級機やサイクロンで分級されずに気流中に残った微粉(以下、これを超微粉と称す)を捕集するようになっている。
捕集された超微粉は、集塵機に備えられた容器に収められ、定期的にこの容器を取り出して超微粉を回収している。
【0006】
ところで近年、希土類永久磁石の中でも、R(RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上)、T(TはFe又はFe及びCoを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)及びB(ホウ素)を主成分とするR−T−B系永久磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であることから、需要は年々、増大している。R−T−B系永久磁石の磁気特性を向上するための研究開発も精力的に行われている(例えば、特許文献4参照。)。
【0007】
【特許文献4】
特開平1−219143号公報(第1頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようなR−T−B系永久磁石を高性能化するためには、合金中の酸素量を低下させることが必要であることが知られている。
このため、R−T−B系永久磁石の製造工程では、低酸素、無酸素雰囲気中で製造を行うのが理想的ではあるが、低酸素、無酸素の雰囲気中では、R−T−B系永久磁石の原料粉末の活性度が、上記特許文献で示したような従来材料に較べて極めて高くなるため、その取り扱いには慎重な配慮が必要となる。
活性度が非常に高い原料粉末は発火しやすく、大気に曝すだけでも容易に発火してしまうため、特に、低酸素、無酸素の雰囲気中でのR−T−B系永久磁石の製造を、実験レベルではなく量産レベルで行う場合、上記したように集塵機の容器に収容された超微粉を回収するにしても、安全性を確保するには、安易に容器を開くことはできない。
【0009】
ところで、同様に活性度の高い材料であるマグネシウムを回収する際に、大気を徐々に導入することで、マグネシウム粉を徐酸化し、マグネシウム表面に酸化被膜を形成する技術が既に提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
【0010】
【特許文献5】
特開2001−20022号公報(第3頁)
【0011】
しかし、特許文献5に開示された技術では、集塵機内、さらには不活性ガスを循環させる系内に酸素が侵入してしまう。このため、系内を低酸素・無酸素の状態とする必要のあるR−T−B系永久磁石の製造工程に対し、この技術を適用しようとすると、集塵機から超微粉を回収した後に系内から酸素を排出しなければならず、生産性が大幅に低下してしまう。したがって、特に生産性が重視される量産工程に上記技術を適用するのは非現実的であると言わざるを得ない。
【0012】
また、R−T−B系永久磁石の製造工程では、集塵機で捕集・回収される超微粉の粒径が、例えば0.5μm程度と非常に小さい。このため、外気を導入したとしても、堆積した超微粉の表層部しか酸化されず、表層部以外の超微粉は活性度が高いままとなってしまう。これにより、このような超微粉を容器に移して回収したとしても、発火等の可能性を確実に抑えることはできない。
【0013】
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、活性度の高い超微粉(粉末)を安全に回収することができ、しかも生産性を損なうことのない微粉処理方法、粉砕方法、粉砕システム、回収装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明の微粉処理方法は、酸素濃度が一定以下に保たれた系で粉末に対し所定の処理を行う工程と、前記の処理を行うことで生じた微粉を、系の外部に位置する密閉空間に移す工程と、密閉空間内にて微粉の活性度を低減させる工程と、を有することを特徴とする。これにより、密閉空間から微粉を大気空間中に取り出しても、その活性度は低減されているので、微粉の発火等を抑えることができる。
粉末に対して行う所定の処理はいかなるものであってもよいが、例えば粉末の粉砕処理とすることができ、粉砕の際に生じた、必要以上に微細な微粉(超微粉)を回収する際に本発明は好適である。例えば、R−T−B(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)系永久磁石の原料の粉砕工程に本発明を適用することができる。本発明は、この他にも水素吸蔵合金、超磁歪材料等、活性度の高い粉末金属等、活性度の高い粉末を処理するのに好適である。
【0015】
さて、微粉の活性度を低減させる工程では、系内より酸素濃度の高いガスを密閉空間内に供給するのが好ましい。このとき、密閉空間内に供給するガスの酸素濃度を一定以下に抑えることで、微粉を徐々に酸化させることができる(以下、これを徐酸化と称す)。この、酸素を含むガスは、大気、または残部を例えば不活性ガスで構成するガスでも良い。
さらに、微粉の粒径が微小である場合等において、密閉空間内の微粉を撹拌するのが有効である。
また、系内では、粉末に対する処理を連続的に行う一方で、密閉空間内では、微粉の活性度を低減させる処理を所定時間だけ継続した後、密閉空間から微粉を排出するとともに、系から微粉を新たに受け取る構成とすることができる。これにより、系内では連続処理を行って粉末を大量に処理しつつ、密閉空間では微粉の活性度低減処理をバッチ処理することで、一定以上の時間をかけて微粉の活性度を確実に低減させることができる。
なお、本発明において、「系」とは粉砕中に酸素濃度が一定に保たれる、互いに連通した領域を指している。
【0016】
本発明は、R−T−B系永久磁石の原料粉末を粉砕する粉砕工程と、原料粉末が粉砕されることで生成された粉末から所定範囲の粒径の粉末を分級する分級工程と、分級工程での分級後に残る超微粉を回収し、酸素を含んだガスを供給しつつ、超微粉を撹拌する回収工程と、を有することを特徴とする粉砕方法として捉えることもできる。
このように、回収した超微粉に、酸素を含んだガスを供給しつつ、その超微粉を撹拌することで、超微粉の活性度を低減することができるのである。
ところで、回収工程では、粉砕工程、分級工程が行われる系に対し独立して設けられた密閉空間内で、酸素を含んだガスを供給しつつ、回収した超微粉を撹拌するのが好ましい。そして、予め設定したタイミングに到達した時点で、酸素を含んだガスの供給および超微粉の撹拌を停止するのが良い。これにより、粉砕工程および分級工程が行われる系において、粉末の処理を連続的に行う場合、回収工程で回収した超微粉の量等に応じて、適切なタイミングで超微粉の活性度低減処理を終了させることができる。
【0017】
また、本発明の粉砕システムは、粉砕部にて原料合金が粉砕されることで生成された微粉から、分級部にて所定範囲の粒径の微粉を分級した後に残存する超微粉を、捕集部にて捕集する。このとき、粉砕部、分級部、および捕集部を含む系内の雰囲気は、酸素濃度管理部により所定の酸素濃度以下に保たれる。そして、超微粉の活性度を低減または活性度の変化を抑制させる処理を活性度処理部にて施す際には、仕切機構を閉じておくことで、粉砕部および分級部を含む系内に活性度処理部側の雰囲気が侵入するのを防止することができる。
ここで、活性度処理部は、超微粉を収容する容器と、酸素を含んだガスを容器内に導入するガス導入部と、を備えたものとすることができる。これにより、容器内に収容した超微粉を徐酸化させて、超微粉の活性度を低減させることができる。この他、活性度処理部では、超微粉の活性度を低減または活性度の変化を抑制させることができるのであれば、例えば、消化剤や塩を投入したり、樹脂を投入し撹拌することで超微粉を樹脂コーティングしてもよい。樹脂コーティングの場合、超微粉を樹脂で封じ込めることで、その後の超微粉の活性度の変化を抑制させる処理を行うことになる。
この活性度処理部には、超微粉を撹拌する撹拌機構を備えるのが好ましい。また、徐酸化過程をコントロールするため、ガス導入部で導入する酸素濃度を制御する酸素濃度制御部をさらに備えるのが良い。
【0018】
本発明は、酸素濃度が所定以下に維持された系から排出される粉末の回収装置として捉えることもできる。この回収装置は、粉末を収容する容器と、容器と系を接続する管路に設けられた仕切機構と、容器内に、系内よりも高い酸素濃度のガスを導入するガス導入部と、を備え、仕切機構で容器と系内とを仕切った状態で、ガス導入部にて容器内にガスを導入することを特徴とする。
これにより、ガス導入部からガスを容器内に導入することで、容器内の粉末を酸化(徐酸化)させて活性度を低減させることができる。このとき、仕切機構で容器と系を仕切っておくことで、容器内に導入した酸素が系内に侵入するのを防止できる。
この回収装置には、容器に収容された粉末を撹拌する撹拌部材をさらに備えるのが好ましい。また、容器から排出される粉末を収容する粉末収容部と、粉末収容部と容器の間に設けられた排出側仕切機構と、をさらに備えることもできる。これにより、容器内の徐酸化処理の終了後、排出側仕切機構を開き、容器から粉末を粉末収容部に排出させて収容し、しかる後、排出側仕切機構を閉じてから、粉末収容部に収容された粉末を取り出すことができる。
このような回収装置は、上記したような、原料粉末の粉砕工程で生じる、過度に微細な粉末(超微粉)を回収するのに好適であるが、それ以外にも、活性度が高い他の様々な粉末の回収に適用が可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
ここでまず、本発明の粉砕システムで製造する希土類永久磁石について説明する。
<組織>
本発明の粉砕システムで製造される希土類永久磁石は、よく知られているように、R14B相(RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種又は2種以上)からなる主相と、この主相よりRを多く含む粒界相とを少なくとも含んでいる。
【0020】
<化学組成>
次に、R−T−B系永久磁石の望ましい化学組成について説明する。ここでいう化学組成は焼結後における化学組成をいう。
本発明の粉砕システムで製造される希土類永久磁石は、希土類元素(R)を25〜35wt%含有する。
ここで、希土類元素は、Yを含む希土類元素(La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Yb及びLu)の1種又は2種以上である。希土類元素の量が25wt%未満であると、R−T−B系永久磁石の主相となるR14B相結晶粒の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、希土類元素が35wt%を超えると主相であるR14B相結晶粒の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。また希土類元素が酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なRリッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、希土類元素の量は25〜35wt%とする。望ましい希土類元素の量は28〜33wt%、さらに望ましい希土類元素の量は29〜32wt%である。
Ndは資源的に豊富で比較的安価であることから、希土類元素としての主成分をNdとすることが好ましい。またDyはR14B相の異方性磁界を増加させ、保磁力を向上させる上で有効である。よって、希土類元素としてNd及びDyを選択し、Nd及びDyの合計を25〜33wt%とすることが望ましい。そして、この範囲において、Dyの量は0.1〜12wt%が望ましい。Dyは、残留磁束密度及び保磁力のいずれを重視するかによって上記範囲内においてその量を定めることが望ましい。つまり、高い残留磁束密度を得たい場合にはDy量を0.1〜3.5wt%とし、高い保磁力を得たい場合にはDy量を3.5〜12wt%とすることが望ましい。
【0021】
また、本発明の粉砕システムで製造される希土類永久磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。ただし、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、上限を4.5wt%とする。望ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに望ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
【0022】
本発明の粉砕システムで製造されるR−T−B系永久磁石は、Al及びCuの1種又は2種を0.02〜0.5wt%の範囲で含有することができる。この範囲でAl及びCuの1種又は2種を含有させることにより、得られる永久磁石の高保磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。Alを添加する場合において、望ましいAlの量は0.03〜0.3wt%、さらに望ましいAlの量は0.05〜0.25wt%である。また、Cuを添加する場合において、望ましいCuの量は0.15wt%以下(0を含まず)、さらに望ましいCuの量は0.03〜0.08wt%である。
【0023】
本発明の粉砕システムで製造されるR−T−B系永久磁石は、その酸素量を6000ppm以下とする。酸素量が多いと非磁性成分である酸化物相が増大して、磁気特性を低下させる。そこで本発明では、焼結体中に含まれる酸素量を、6000ppm以下、望ましくは3000ppm以下、さらに望ましくは1000ppm以下とする。
【0024】
本発明の粉砕システムで製造されるR−T−B系永久磁石は、Coを4wt%以下(0を含まず)、望ましくは0.1〜1.0wt%、さらに望ましくは0.3〜0.7wt%含有する。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相の耐食性向上に効果がある。
【0025】
<製造方法>
次に、本発明によるR−T−B系永久磁石の好適な製造方法について説明する。
なお、R−T−B系永久磁石の原料合金は、最終的に得られる希土類永久磁石と実質的に一致する組成を有する合金とすることもできるし、R14B相を必須とする合金(低R合金)と、低R合金よりRを多く含む合金(高R合金)とを用いることもできる。前者がシングル法、後者が混合法と称される製造方法を示している。なお、後者については、3種類以上の合金からなる場合をも含む。
なお、本実施の形態では、R14B相を必須とする合金(低R合金)と、低R合金よりRを多く含む合金(高R合金)とを用いる、混合法の例を挙げるものとする。
【0026】
はじめに、真空又は不活性ガス、好ましくはAr雰囲気中でストリップキャスティングすることにより、低R合金及び高R合金を得る。
【0027】
低R合金及び高R合金が作製された後、これらの原料合金は別々に又は一緒に粉砕される。粉砕工程には、一般的には、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いる粗粉砕工程と、粗粉砕工程を経た粉末をさらに微粉砕する微粉砕工程とがある。
【0028】
微粉砕工程において低R合金及び高R合金を別々に粉砕した場合には、微粉砕された低R合金及び高R合金の微粉とを窒素雰囲気中で混合する。低R合金及び高R合金の微粉の混合比率は、重量比で80:20〜97:3程度とすればよい。低R合金及び高R合金を一緒に粉砕する場合の混合比率も同様である。微粉砕時に、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸アミド等の添加剤を0.01〜0.3wt%程度添加することにより、粉砕時の効率を高めたり、成形時に配向性を高めたりすることができる。
次いで、低R合金及び高R合金からなる混合微粉を、電磁石に抱かれた金型内に充填し、磁場印加によってその結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。この磁場中成形は、12.0〜17.0kOeの磁場中で、0.7〜1.5t/cm前後の圧力で行えばよい。
【0029】
磁場中成形後、その成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1100℃で1〜5時間程度焼結すればよい。
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、保磁力を制御する重要な工程である。時効処理を2段に分けて行う場合には、800℃近傍、600℃近傍での所定時間の保持が有効である。800℃近傍での熱処理を焼結後に行うと、保磁力が増大するため、混合法においては特に有効である。また、600℃近傍の熱処理で保磁力が大きく増加するため、時効処理を1段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
これにより、R−T−B系永久磁石を得ることができる。
【0030】
<粉砕システム>
さて、図1は、上記したようなR−T−B系永久磁石の製造方法における微粉砕工程で用いられる粉砕システムの概略構成を示す図である。
この図1に示すように、粉砕システムは、原料粉末を粉砕システムの系A内に供給するためのフィーダ10、フィーダ10から送り込まれた原料粉末をキャリアガスで搬送し、衝突板に衝突させることで粉砕する粉砕機(粉砕部)20、粉砕機20で粉砕されることで得られる微粉のうち、所定の範囲の粒径のものを回収するサイクロン30、サイクロン30で回収された微粉を混合し、磁場中成形工程に供給するためのミキサ40、サイクロン30で回収されなかった超微粉を回収するバグフィルタ(捕集部)50、アフターフィルタ51を備え、さらに、アフターフィルタ51を通過したキャリアガスを再度粉砕機20に循環させ、系Aを閉回路とするためのクッションタンク52、コンプレッサ53、レシーバタンク54を備えている。
【0031】
このような粉砕システムは、高性能のR−T−B系永久磁石を得るため、酸化濃度管理部として機能するコントローラ(図示無し)により、系A内の酸素濃度を、4000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは100ppm以下に維持して稼動を行うのが好ましい。
【0032】
図1に示したように、このフィーダ10から原料粉末を粉砕機20に供給する配管112には、開閉可能なダンパが2段階に設けられたダブルダンパ11を備えている。粉砕機20に対し、配管112を通して原料粉末を供給するときには、このダブルダンパ11を適宜作動させることで、系A内にフィーダ10側から系A外の雰囲気が侵入し、酸素濃度が上がってしまうのを防止できるようになっている。
【0033】
粉砕機20は、いわゆる気流式粉砕機(ジェットミル)で、フィーダ10から配管112を介して送り込まれる原料粉末を微粉砕する。粉砕された原料粉末は、粉砕機20からキャリアガスの流れ(気流)に乗って搬送され、粉砕機20内の上部に設けられた分級ロータ(分級部)210で分級される。この分級ロータ210は、例えばその外周面に所定幅のスリット(図示無し)が複数形成され、駆動モータ(図示無し)により、その軸線周りに回転駆動されるようになっている。
分級ロータ210の側方には、分級ロータ210の内部空間に連通する送給管212が設けられており、分級された原料粉末をサイクロン30に送り込むようになっている。
【0034】
粉砕機20および分級ロータ210で粉砕・分級された、所定以下の粒径の微粉は、サイクロン30にて、キャリアガスと分離されて回収される。このときサイクロン30では、重量に基づき、微粉をキャリアガスから分離するわけであるが、非常に微細な微粉(超微粉)はキャリアガス中に残り、そのままキャリアガスとともにバグフィルタ50に送られる。
ここで、系A内の分級ロータ210以降の配管に粒度分布測定装置を設置し、これにより微粉の粒度分布を測定することも可能である。
【0035】
さて、バグフィルタ50では、サイクロン30にて微粉と分離されたキャリアガスに残存する超微粉を、図示しないフィルタにより捕集するわけであるが、このバグフィルタ50には、捕集した超微粉の回収装置70が備えられている。
【0036】
図2に示すように、回収装置70は、バグフィルタ50において捕集された超微粉を下方に排出する排出口50aに接続されて設けられている。回収装置70は、超微粉を徐酸化させる徐酸化装置(活性度処理部)71と、徐酸化装置71の排出口71aに接続されて設けられた回収容器(粉末収容部)72と、徐酸化装置71の入口側でバグフィルタ50の排出口50aとの間に設けられた開閉可能な入口側バルブ(仕切機構)73と、徐酸化装置71の出口側で回収容器72との間に設けられた開閉可能な出口側バルブ(排出側仕切機構)74と、を備えている。
【0037】
徐酸化装置71は、バグフィルタ50から移した超微粉を収める容器80を備えている。この容器80は、上方から下方に行くにしたがい、その内径が漸次縮小する逆円錐型とされている。容器80の上部を塞ぐ蓋体81には、バグフィルタ50の排出口50aに繋がる配管(管路)82が接続され、この配管82に前記入口側バルブ73が設けられている。容器80の底部の排出口71aには、開閉可能なバルブ83が設けられている。このバルブ83には、回収容器72に繋がる配管84が接続され、この配管84に前記出口側バルブ74が設けられている。
【0038】
容器80内には、螺旋状の撹拌翼を有し、容器80の内壁面に沿うように配設された撹拌スクリュー(撹拌部材)86が設けられている。この撹拌スクリュー86は、下端部86aが容器80の底部にリンクを介して回転・折曲自在に連結されている。撹拌スクリュー86の上端部86bは、シャフト・リンク機構87を介し、駆動モータ88、89に連結されている。これにより、駆動モータ88を駆動させることで、シャフト・リンク機構87全体が旋回して、撹拌スクリュー86は、下端部86a側を中心とし、上端部86b側が容器80内で平面視略円形の軌道に沿って旋回するようになっている。また、駆動モータ89を作動させると、シャフト・リンク機構87を介し、その回転力が撹拌スクリュー86に伝達され、これにより撹拌スクリュー86はその軸線回りに回転するようになっている。つまりこれにより、撹拌スクリュー86は、撹拌機構として、容器80内で自転しつつ、下端部86a側を中心として旋回(公転)するようになっている。なお、以下の説明において、撹拌スクリュー86を作動させる、といった場合、上記の自転と公転の双方を併せた動作を指すものとする。
このような徐酸化装置71には、いわゆる縦型の円錐型スクリュー混合機を好適に用いることができる。
【0039】
また、容器80には、外部の供給源から酸素(あるいは酸素を含有するガス(例えば大気)、以下これらを単に酸素と称する)を容器80内の上部に供給する酸素供給管(ガス導入部)90が接続されている。
さらに、酸素供給管90によって容器80内に導入された酸素を排出するための排出管91が接続されている。この排出管91には、導入前の低酸素状態に復帰させるためのガス置換手段を接続することができる。このガス置換手段としては、系A内が略真空状態となっているのであれば、真空ポンプ等を用いることができる。また系A内が不活性ガス雰囲気とされているのであれば、排出管91から容器80内の雰囲気を排出し、ここに不活性ガス雰囲気を供給する機構をガス置換手段として用いることもできる。
また回収容器72にも、同様に、回収容器72内を低酸素状態に復帰させるためのガス置換手段として、ガス導入管72aとガス排出管72bとが備えられている。
【0040】
上記回収装置70では、バグフィルタ50で捕集された超微粉を徐酸化装置71で徐酸化させた後、回収容器72に移すようになっている。
これには、バグフィルタ50の排出口50aに設けられたバルブ50b、および入口側バルブ73を開き、バグフィルタ50で捕集した超微粉を徐酸化装置71の容器80に移す。この後、バルブ50bおよび入口側バルブ73を閉じる。これにより、容器80内は密閉空間とされる。
ついで、撹拌スクリュー86の作動を開始し、酸素供給管90から容器80内に酸素を供給する。このとき、撹拌スクリュー86は、容器80内に堆積した超微粉を下から上に掻き上げるような方向に自転させる。これにより、容器80内の超微粉は、容器80内に導入された酸素により、酸化し、その活性度が低下する。このとき、酸素供給管90で容器80内に導入する酸素量(酸素濃度)を適宜コントロールすることで、超微粉の酸化過程を緩やかなものとして、徐々に酸化とする、いわゆる徐酸化処理とすることができる。また、容器80内で超微粉は撹拌スクリュー86によって撹拌されているので、全体の超微粉をほぼ均一に徐酸化させることができる。なお、徐酸化処理後の超微粉を回収容器72に排出する際、撹拌スクリュー86を前述と逆方向に回転させることで、超微粉の排出効率を上げることができる。
【0041】
このとき、容器80内に導入する酸素は、0.3〜1.5%とするのが好ましい。0.3%未満では、酸化反応の進行が遅く、十分に酸化させるのが困難であり、また1.5%を上回ると、初期に酸化反応が急激に起こり、発火の可能性が高いからである。
また、容器80内に酸素を導入する継続時間は、1〜24h程度とするのが好ましい。1h未満では、十分な酸化ができず、また1h未満で十分に酸化させるような急激な酸化は発火の可能性が高い。また24hを上回ると、特に量産工程において、バグフィルタ50から次のバッチ分として超微粉が送り込まれるまでに、徐酸化処理及び処理後の超微粉の排出が行えず、生産性に影響が出る。
【0042】
徐酸化処理の完了後、徐酸化装置71の容器80底部に設けられたバルブ83、および出口側バルブ74を開き、配管84を通して、徐酸化された超微粉を回収容器72に移す。この後、バルブ83および出口側バルブ74を閉じる。この後、ガス置換手段により、容器80内を系A内と同等以下の低酸素状態に復帰させる。
これにより、回収容器72には、徐酸化されて活性度が落ちた超微粉が回収されるので、適宜タイミングで回収容器72を開き、超微粉を取り出す。
超微粉を取り出した後には、回収容器72を閉じ、ガス排出管72bから回収容器72内の雰囲気(大気)を排出し、ガス導入管72aからガスを導入することで、回収容器72内を、少なくとも除酸化処理終了直後の容器80内と同等の酸素濃度とする。
【0043】
ところで、上記したような回収装置70で行う処理は、バルブ50b、入口側バルブ73、出口側バルブ74、バルブ83の開閉や、徐酸化装置71の作動、酸素供給管90からの酸素の供給等を、手動により切替、操作してもよいが、粉砕システムを量産に用いるのであれば、これらを自動制御するのが好ましい。
その場合、バルブ50b、入口側バルブ73、出口側バルブ74、バルブ83の開閉や、徐酸化装置71の作動、酸素供給管90からの酸素の供給等を制御するコントローラ(図示無し)を備えることになる。
【0044】
この場合、コントローラでは、酸化濃度制御部として、バグフィルタ50で捕集された超微粉を徐酸化して回収するための操作が入力されたとき、あるいは予め決められたプログラムに基づいて設定されたタイミングで、上記に示したような回収装置70における徐酸化・回収処理を自動的に実行する。徐酸化・回収処理を実行させるタイミングとしては、1時間毎、毎日定時等の一定時間毎や、バグフィルタ50にレベルセンサ等を設け、バグフィルタ50で捕集された超微粉が一定量に達したとき、等がある。
また、徐酸化装置71では徐酸化処理を所定時間継続して行うわけであるが、この継続時間も、コントローラに適宜設定することができる。例えば、予め超微粉の活性度が一定以下となるのに必要な徐酸化処理時間を実験等により得て、この時間だけ、徐酸化装置71で徐酸化処理を行うようにすることができる。同様に、予め超微粉の活性度が一定以下となるのに必要な酸素量を実験等により得て、徐酸化装置71の容器80に送り込んだ酸素量が予め設定した量に達した時点で、徐酸化処理を終了させることもできる。また、徐酸化装置71の容器80内の酸素濃度を検出する酸素濃度計を設け、徐酸化装置71の容器80に送り込んだ酸素量との差が所定量に達したら、超微粉の酸化が飽和状態に達したと判断し、徐酸化処理を終了させることもできる。
この他、超微粉の酸化反応により容器80内の温度が上昇するので、容器80内の温度を計測し、これに基づき、温度が所定以上に上昇したら酸素供給を停止し、温度が所定未満に下がれば酸素を供給するような制御を組み合わせることもできる。
【0045】
さらには、粉砕システムでR−T−B系永久磁石の量産を行う場合、設備全体としては連続的に粉砕処理を行うことができる。しかし、バグフィルタ50では、一定量以上の超微粉を収容することはできないため、上記したようにして、適宜タイミングで回収装置70に超微粉を排出しなければならない。つまり、回収装置70単体で見れば、超微粉の徐酸化処理はバッチ処理となっている。
したがって、回収装置70におけるバッチ処理は一定時間内に終わらせないと、粉砕システム側でのR−T−B系永久磁石材料の連続的な粉砕処理が、滞ってしまうことになる。このため、コントローラにより、1バッチ当たりに費やすことのできる設定時間に達した時点で、徐酸化装置71における徐酸化処理を終了させることが必要である。
故に、回収装置70のコントローラでは、この、1バッチ当たりに費やすことのできる設定時間と、上記したようなパラメータを適宜組み合わせることで、回収装置70における超微粉の回収・徐酸化処理を制御するのが好ましい。
【0046】
さて、上述したような回収装置70における徐酸化処理の効果を確認するための実験を行ったのでその結果を示す。
〔実験例1〕
(実施例1)
上記回収装置70において、粉砕システムのバグフィルタ50で捕集した超微粉を、容器80内に収め、酸素供給管90から酸素を0.8%、残部が不活性ガスからなるガスを容器80内に10h導入した。このとき、容器80内で撹拌スクリュー86を作動させ、超微粉を撹拌した。
(比較例1)
比較のため、粉砕システムのバグフィルタ50で捕集した超微粉を、容器80内に収め、酸素含有ガスを導入せず、容器80内に10h収容した。
そして、双方において、10h経過後に、容器80を開いて超微粉を回収容器72に排出し、発火の有無等を確認した。
その結果、比較例1では、容器80を開いて大気解放した直後、大きく炎を上げて激しく燃えた。これに対し、実施例1では、容器80を開いても、超微粉の発火は認められなかった。
【0047】
〔実験例2〕
(実施例2)
上記回収装置70において、粉砕システムのバグフィルタ50で捕集した超微粉を、容器80内に収め、酸素供給管90から濃度0.8%の酸素含有ガスを容器80内に10h導入した。このとき、容器80内で撹拌スクリュー86を作動させ、超微粉を撹拌した。
(比較例2)
上記回収装置70において、粉砕システムのバグフィルタ50で捕集した超微粉を、容器80内に収め、酸素供給管90から濃度0.8%の酸素含有ガスを容器80内に10h導入した。このとき、容器80内で撹拌スクリュー86は作動させなかった。
そして、双方において、10h経過後に、容器80を開いて回収容器72に排出し、発火の有無等を確認した。
その結果、比較例2では、容器80を開いて大気解放したところ、大きく炎を上げて激しく燃えた。これに対し、実施例2では、容器80を開いても、超微粉の発火は認められなかった。
【0048】
上述したように、R−T−B系永久磁石材料を粉砕する粉砕システムにおいて、バグフィルタ50で捕集した活性度が非常に高い超微粉を、回収装置70で徐酸化・回収するようにした。これにより、超微粉を、活性度を十分に低減した状態で安全に回収することができる。
また、回収装置70の徐酸化装置71では、容器80内で、撹拌スクリュー86により、超微粉を撹拌しながら、ここに酸素を供給するようにした。これにより、例えば0.5μm程度と粒径が非常に小さいR−T−B系永久磁石の原料の超微粉を、まんべんなく徐酸化処理することができ、この点においても超微粉の回収の安全化に寄与することができる。
ところで、徐酸化装置71には、縦型で、撹拌スクリュー86が遊星運動する方式のものを採用した。もちろん、超微粉を撹拌できるのであれば他の形式のものを用いてもよいが、バグフィルタ50から移される超微粉の量が常に一定であるとは限らない。このような、バッチ毎に量が安定しないような場合の撹拌に、上記方式の徐酸化装置71は適している。また、このような徐酸化装置71には、既存の撹拌装置を転用することができるので、上記構成を低コストで実現することができる。
【0049】
また、回収装置70では、容器80内に酸素を導入するときには、バルブ50b、入口側バルブ73を閉じ、バグフィルタ50および粉砕システムの系A内には、酸素が流入しないようにした。これにより、系A内を低酸素・無酸素の状態とする必要のあるR−T−B系永久磁石の製造工程において、従来技術を適用した場合のように、徐酸化処理後に系A内から酸素を排出する必要も無く、生産性を損なうこともない。
【0050】
加えて、粉砕システム側で、R−T−B系永久磁石材料の粉砕を連続処理で行いつつ、回収装置70側では超微粉の徐酸化を一定以上の時間をかけて行うことができるので、超微粉の活性度を確実に低減することができる。
【0051】
なお、上記実施の形態では、徐酸化装置71に酸素(を含んだガス)を導入する構成としたが、このとき、ガスは、連続的に導入しても良いし、間欠的に導入してもよい。また、導入する酸素の濃度を、常に一定ではなく変動させることも可能である。例えば、容器80内の超微粉の活性度が高いために酸化反応が急激に生じやすい初期の段階では、酸素濃度を抑制しておき、ある程度活性度が低くなった段階では、酸化反応の迅速化を図るために酸素濃度を高めることができる。
また、徐酸化装置71における超微粉の活性度を抑制させるため、容器80に水冷ジャケット等による冷却機構を設けることも可能である。
【0052】
加えて、上記実施の形態は、あくまでもR−T−B系永久磁石材料の粉砕システムに回収装置70を備える場合の構成である。異なる材料の粉砕システムであれば、当然のことながら粉砕システムの他の部分の構成は、上記とは異なる構成とすることができる。また、R−T−B系永久磁石を製造するにしても、粉砕システムの他の部分の構成は上記実施の形態以外の構成としてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、活性度が非常に高い微粉(粉末、超微粉)を安全に回収することができる。また、微粉を撹拌しながら、ここに酸素を供給することで、微粉をまんべんなく徐酸化処理することができる。さらに、微粉の活性度を低減する際には、系内とは独立した密閉空間で処理を行うようにした。これにより、系内を低酸素・無酸素の状態とする必要のある製造工程において、生産性を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における粉砕システムの全体構成を示す図である。
【図2】回収装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
20…粉砕機(粉砕部)、30…サイクロン、50…バグフィルタ(捕集部)、70…回収装置、71…徐酸化装置(活性度処理部)、72…回収容器(粉末収容部)、73…入口側バルブ(仕切機構)、74…出口側バルブ(排出側仕切機構)、80…容器、82…配管(管路)、86…撹拌スクリュー(撹拌部材)、90…酸素供給管(ガス導入部)、210…分級ロータ(分級部)、A…系

Claims (16)

  1. 酸素濃度が一定以下に保たれた系で粉末に対し所定の処理を行う工程と、
    前記処理を行うことで生じた微粉を、前記系の外部に位置する密閉空間に移す工程と、
    前記密閉空間内にて前記微粉の活性度を低減させる工程と、
    を有することを特徴とする微粉処理方法。
  2. 前記処理は、前記粉末の粉砕処理であることを特徴とする請求項1に記載の微粉処理方法。
  3. 前記粉末が、R−T−B(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)系永久磁石の原料であることを特徴とする請求項1または2に記載の微粉処理方法。
  4. 前記微粉の活性度を低減させる工程では、前記系内より酸素濃度の高いガスを前記密閉空間内に供給することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微粉処理方法。
  5. 前記密閉空間内に供給するガスの酸素濃度を一定以下に抑えることを特徴とする請求項4に記載の微粉処理方法。
  6. 前記密閉空間内の前記微粉を撹拌することを特徴とする請求項4または5に記載の微粉処理方法。
  7. 前記系内では、前記粉末に対する処理を連続的に行い、
    前記密閉空間内では、前記微粉の活性度を低減させる処理を所定時間だけ継続した後、当該密閉空間から前記微粉を排出するとともに、前記系から前記微粉を受け取ることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の微粉処理方法。
  8. R−T−B(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)系永久磁石の原料粉末を粉砕する粉砕工程と、
    前記原料粉末が粉砕されることで生成された微粉から所定範囲の粒径の微粉を分級する分級工程と、
    前記分級工程での分級後に残る超微粉を回収し、酸素を含んだガスを供給しつつ、前記超微粉を撹拌する回収工程と、
    を有することを特徴とする粉砕方法。
  9. 前記回収工程では、前記粉砕工程、前記分級工程が行われる系に対し独立して設けられた密閉空間内にて、酸素を含んだガスを供給しつつ、回収した前記超微粉を撹拌することを特徴とする請求項8に記載の粉砕方法。
  10. 原料合金を粉砕する粉砕部と、
    前記粉砕部で前記原料合金が粉砕されることで生成された微粉から所定範囲の粒径の微粉を分級する分級部と、
    前記分級部にて前記所定範囲の粒径の微粉を分級した後に残存する超微粉を捕集する捕集部と、
    前記粉砕部、前記分級部、および前記捕集部を含む系内の雰囲気を所定の酸素濃度以下に保つ酸素濃度管理部と、
    前記捕集部で捕集された超微粉の活性度の低減処理または活性度の変化の抑制処理を施す活性度処理部と、
    前記粉砕部および前記分級部を含む系と前記活性度処理部との間に設けられた開閉可能な仕切機構と、
    を備えることを特徴とする粉砕システム。
  11. 前記活性度処理部は、
    前記超微粉を収容する容器と、
    酸素を含んだガスを前記容器内に導入するガス導入部と、
    を備えることを特徴とする請求項10に記載の粉砕システム。
  12. 前記活性度処理部は、前記超微粉を撹拌する撹拌機構を備えることを特徴とする請求項10または11に記載の粉砕システム。
  13. 前記活性度処理部は、前記ガス導入部で導入する酸素濃度を制御する酸素濃度制御部をさらに備えることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の粉砕システム。
  14. 酸素濃度が所定以下に維持された系から排出される粉末の回収装置であって、
    前記粉末を収容する容器と、
    前記容器と前記系を接続する管路に設けられた仕切機構と、
    前記容器内に、前記系内よりも高い酸素濃度のガスを導入するガス導入部と、を備え、
    前記仕切機構で前記容器と前記系内とを仕切った状態で、前記ガス導入部にて前記容器内にガスを導入することを特徴とする回収装置。
  15. 前記容器に収容された前記粉末を撹拌する撹拌部材をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の回収装置。
  16. 前記容器から排出される前記粉末を収容する粉末収容部と、
    前記粉末収容部と前記容器の間に設けられた排出側仕切機構と、をさらに備えることを特徴とする請求項14または15に記載の回収装置。
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