JP2004321493A - 縫製機及び糸切り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】縫製のための動作における不具合の発生を容易に低減させつつ、安価に糸を切断することができる縫製機及び縫製機用の糸切り装置を提供する。
【解決手段】縫製機としてのキルティングマシンは、針板18と、該針板18よりも上方の上死点位置と同針板18よりも下方の下死点位置との間を往復移動する針と、針板18の下方に配設されたルーパとが設けられたミシン部を備えている。針板18の下面には、往復シリンダ39の往復動作により進退移動するスライド板34が添着されているうえ、該スライド板34の下面には糸切り刃体40が固定されている。糸切り刃体40の糸切り刃42は、針板18とルーパのブレード部27との間に位置する切断位置と、ブレード部27の後方に位置する非切断位置との間を進退移動することにより糸を切断する。糸切り装置46は、糸切り刃体40、スライド板34、往復シリンダ39及び制御手段を備えている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、糸切り装置が設けられた縫製機、及び該縫製機用の糸切り装置に関するものである。より詳しくは、縫製用の生地をチェインステッチにて縫製するように構成された縫製機及び糸切り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の糸切り装置としては、例えば、ルーパの基端部に糸を切断するためのブレードが設けられたキルティングマシンが知られている(特許文献1参照)。このキルティングマシンには、前記ルーパを振幅動作させるための構成として、スピンドルの駆動力を該ルーパに伝えるためのロッドが設けられている。該ロッドには、その長さを調節するためのエアシリンダが設けられており、該エアシリンダによりロッドを伸張させたときにのみ、前記ルーパのブレードが糸と当接して糸を切断するようになっている。
【0003】
一方、特許文献2には、先端部にノッチ及びエッジを備えたリテイナが配設されたキルティング装置について開示されている。前記リテイナは、正回転時に前記ノッチが糸を引掛けてチェインステッチを形成させるとともに、逆回転時には前記エッジが糸と当接して糸を切断するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第5269238号明細書
【特許文献2】
米国特許第5154130号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記特許文献1に開示されているキルティングマシンでは、ルーパのブレードと糸とを接触させるために前記ロッドを伸縮させるエアシリンダが特別に設けられている。前記ロッドは、縫製時のルーパの振幅動作に直接関与していることから極めて精密に設計及び製造されているが、使用頻度が顕著に高いことから様々な不具合の発生が起こりやすい。特に、これら精密でなければならない構成に、縫製以外の動作を兼務させることは著しく故障の原因となりやすい。
【0006】
一方、前記特許文献2に開示されているキルティング装置のリテイナは、1000rpm程度の高速で正回転しながらチェインステッチを形成させることから、前記ノッチが著しく高頻度で糸と摺接されて磨り減りやすくなっている。これに対し、前記エッジの使用頻度はノッチの使用頻度と比べて数桁以上少ないうえ、エッジの使用を全く必要としない縫製が行われるケースも極めて多い。前記リテイナは、エッジを形成するために非常に多くの手間と時間が費やされていることから、エッジなしのリテイナと比べて著しく高価である。このため、ノッチが摩耗した時点でリテイナ全体の寿命を迎えることとなるのは極めて不経済であると言わざるを得ない。
【0007】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、縫製のための動作における不具合の発生を容易に低減させつつ、安価に糸を切断することができるように構成された縫製機及び縫製機用の糸切り装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の縫製機は、針板と、該針板よりも上方の上死点位置と同針板よりも下方の下死点位置との間を往復移動する針と、前記針板の下方に配設されたルーパとが設けられたミシン部を備えた縫製機であって、前記針板の下死点位置側に、該針板とルーパとの間に位置する切断位置と、前記ルーパの一側方に位置する非切断位置との間を進退移動する糸切り刃を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の発明の縫製機は、請求項1に記載の発明において、前記針板の下面に所定方向にスライドしながら進退移動するスライド板を添設するとともに、該スライド板の下面に前記糸切り刃を固設したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の発明の糸切り装置は、請求項1又は請求項2に記載の縫製機に設けられる糸切り装置であって、前記糸切り刃と、該糸切り刃を所定方向に進退移動させる糸切り刃移動手段と、該糸切り刃移動手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明の糸切り装置は、請求項1又は請求項2に記載の縫製機に着脱自在に装着される糸切り装置であって、針板と、該針板の下死点位置側に設けられる糸切り刃と、該糸切り刃を所定方向に進退移動させる糸切り刃移動手段と、該糸切り刃移動手段を制御する制御手段と、前記針板をミシン部に着脱可能に装着するための装着手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るキルティングマシン10において、薄いシート状の綿からなる中生地11は、ロール状に巻回された状態でキルティングマシン10の一端部に配置されている。この中生地11は、前記キルティングマシン10の中央部に所定間隔をおいて配設された複数のフィードローラ12と、前記キルティングマシン10の他端部側に位置する巻取りローラ13とを経て、前記キルティングマシン10の他端部に配設された図示しない製品受取部へと送り込まれる。下生地14は、前記フィードローラ12により中生地11の下面側からフィードされるとともに、前記巻取りローラ13を経由して製品受取部へと送り込まれる。上生地15は、前記フィードローラ12により中生地11の上面側からフィードされるとともに、前記巻取りローラ13を経由して製品受取部へと送り込まれる。
【0013】
前記フィードローラ12と巻取りローラ13との間にはミシン部16が配設されている。このミシン部16は、前記フィードローラ12からフィードされた下生地14、中生地11及び上生地15が重合されてなる縫製用生地Cを、接合状態で縫着(縫製)してキルティング(製品)に加工する。前記ミシン部16には製品受取り部方向へ搬送される前記縫製用生地Cを上下から挟持する押さえ板17と、針板18及び図示しない針駆動機構により上下移動させられる複数の針19とが設けられている。例えば図5に示すように、前記針板18には針糸ともいう上糸20を通して上下方向へ往復移動する針19の通過を許容する縦断面テーパ形状の針孔としての針挿通孔21が各針19と位置対応するように形成されている。なお、図示はしないが、前記押さえ板17にも同様の針挿通孔が、針板18における各針挿通孔21と位置対応するように形成されている。
【0014】
図1及び図2(a)に示すように、前記ミシン部16において、針板18よりも下方には各針19と個別に対応する複数のルーパ22が配置されている。前記ルーパ22は厚板状をなすルーパ支持体23の上面にルーパ本体24を固定した構成とされている。前記ルーパ支持体23は、前記各針19の配列方向に沿って架設されたルーパ軸25に固定されており、このルーパ軸25は、前記針19の上下移動に合わせて図示しない駆動機構により所定角度範囲で往復回動される。従って、このルーパ軸25の往復回動に伴い、前記ルーパ支持体23の上面に固定されたルーパ本体24は所定角度範囲で揺動することになる。
【0015】
前記ルーパ本体24は、ブロック状をなす基部26と、当該基部26の後部から前方へ突出するように延びる尖端形状のブレード部27とからなり、ブレード部27の先端(前端)はルーパ支持体23の前端面よりも前方まで延びている。また、ブレード部27の内部にはルーパ糸ともいう下糸28を通すための糸通し孔29が貫通形成されており、図示しない下糸供給部から繰り出された下糸28が前記糸通し孔29の前端開口から引き出され、前記針板18の針挿通孔21内へ導かれている。前記ルーパ本体24の基部26からは、ループ形成支援部材としての第1アーム30と、針ぶれ規制部材としての第2アーム31とが、それぞれの先端部(前端部)を前方へ延ばすようにして突設されている。
【0016】
図3及び図5に示すように、前記針板18の下方には、鋼材により略長四角板状に形成されたスプレッダ32(図3に点線で示されている)が配設されている。図2(b)に示すように、スプレッダ32の先端部には、縫製時に糸20,28を引掛けて係止するための係止凹部33が所定形状に切欠き形成されている。このスプレッダ32は、鋼板を所定形状にプレス及び折り曲げ加工した後に焼入れを行い、さらに糸20,28と接触する係止凹部33の端縁を丹念に研磨することにより製造される。各スプレッダ32は、各ルーパ22のブレード部27と針板18との間の中間高さに配設されているうえ、針板18の下側にあって係止凹部33が針挿通孔21の直下位置を周回軌跡の一部に含むように上方から見て時計回り方向へ閉ループ運動するように構成されている。
【0017】
図3に示すように、前記針板18の下面には、ステンレス鋼により長四角板状(帯状)に形成された糸切り刃移動手段を構成する複数本のスライド板34が添設されている。各スライド板34は、前記針19の配列方向に沿って隣接する針挿通孔21間の中央部を縫製用生地Cの進退方向に延びるように凹設された糸切り刃移動手段を構成するスライド凹溝35(図4(a)に示されている)内に係入されている。これらスライド凹溝35は、対応する各スライド板34を所定方向(縫製用生地Cの進退方向)に進退移動させるためのスライドガイド機能を発揮する。
【0018】
図3及び図4(a)に示すように、各スライド板34の前後両端部には、該スライド板34の長手方向に沿って長孔状に延びる前後一対のスライド長孔36が貫設されている。一方、前記スライド凹溝35の前後両端部下面には、前記スライド長孔36内に挿通されつつ、その頭部(ワッシャ)にてスライド板34の落下を防止するように構成された固定ボルト37が垂下されている。この構成により、各スライド板34は、各スライド凹溝35内で縫製用生地Cの進退方向に沿って所定幅スライド可能となっている。
【0019】
隣接する複数本のスライド板34は、それらの後端部において、該スライド板34と直交する方向に延設された連結板38により互いに連結されており、針板18の下面で同調しながら一体的にスライドするようになっている。前記針板18の後端部には、糸切り刃移動手段を構成する往復シリンダ39が固設されている。この往復シリンダ39は、前記連結板38の中央部に対し前後方向への往復運動を伝達するように連結されており、該連結板38を介して前記複数本のスライド板34を縫製用生地Cの進退方向に沿って同時に所定幅スライドさせる。なお、この往復シリンダ39は、スライド板34を進退移動させるための専用の構成であって、針19の上下移動やルーパ22の進退移動のようなミシン部16の動作には一切関与しない。
【0020】
各スライド板34の中央部下面には、ステンレス鋼により底面略T字状に形成された糸切り刃体40が固定されている。図2(c)、(d)に示すように、前記糸切り刃体40は、中央部に位置する四角板状の固定部41と、該固定部41の後部から左右両側方に延びる左右一対の糸切り刃42とを備えている。前記固定部41の中央部には、前後一対の固定孔43が貫設されており、固定ボルト44(図3に図示されている)を介して各糸切り刃体40をスライド板34に固定するようになっている。前記糸切り刃42は、その基端部を所定形状に折り曲げることにより、前記固定部41よりも下方に位置するとともに、該固定部41と平行な面(水平面)に沿って延びるように形成されている。各糸切り刃42の外端部前端縁には、上糸20を切断するための刃部45が設けられている。
【0021】
図4(b)及び図9に示すように、前記針19が針板18よりも上方の上死点位置に配置されているとき、ルーパ22のブレード部27及びスプレッダ32は、ともに針挿通孔21を避ける位置に配置されている。このとき、前記ブレード部27の一側縁及びスプレッダ32の一側縁(係止凹部33が設けられていない側の側縁)は、前記針挿通孔21の一方の開口縁の真下に位置している。またこのとき、前記スプレッダ32の係止凹部33は、前記針挿通孔21の近傍に位置し、該針挿通孔21内から引き出されて前記ブレード部27に引掛けられている上糸20を係止している。
【0022】
さらにこのとき、前記糸切り刃42は、図4(b)及び図9(a)に示されるように前記針挿通孔21、ブレード部27及びスプレッダ32の一側方(後方)に離れて位置しているうえ、図9(b)に示されるように同ブレード部27とスプレッダ32との間の中間高さに位置している。さらに、図9(b)に示されるように針板18を前面から見たとき、各糸切り刃42の外端縁は、前記針挿通孔21内から引き出されてブレード部27にループ状に引掛けられている上糸20のループ間に位置している。
【0023】
次に、上記のように構成された本実施形態のキルティングマシン10における糸切り装置46の作用について説明する。なお、本実施形態の糸切り装置46は、前記スライド板34、連結板38、往復シリンダ39、糸切り刃体40及び前記往復シリンダ39の動作を制御するための図示しない制御手段を備えている。
【0024】
さて、図5(a)、(b)は、上糸20を通した針19が針板18よりも下方の下死点位置まで下降した後、これから針板18よりも上方の上死点位置に向けて上昇を開始する直前の状態を示したものである。同図に示すように前記針19が下死点位置にあるとき、ルーパ22のブレード部27は一連の進退移動の途中で最も後方(図5(a)において左方)の後退位置にある。そして、前記針19は針板18上にある縫製用生地Cに一方端が縫着された上糸20に対して最も張力を付与した状態にある。また、図5(a)、(b)に示すように、下死点位置まで下降した針19の右側方(他側方)には第2アーム31の前端部分が針19に殆ど擦れ合うように位置している。また、針板18の下側にあって係止凹部33が形成された先端部が針挿通孔21の直下位置を周回軌跡の一部に含むように上方から見て時計回り方向へ閉ループ運動するスプレッダ32はルーパ22から最も離れた後退位置にある。
【0025】
いま、この図5(a)、(b)の状態から前記針19が上昇を開始すると、図6(a)、(b)に示すように、当該針19に通されている上糸20に弛みが生じる結果、当該針19の左側方(一側方)に上糸20のループ20aが形成される。すると、この上糸20のループ20aが形成されるタイミングに合わせてルーパ22のブレード部27が前進し、その先端(前端)が上糸20のループ20a内に挿入される。即ち、上糸20のループ20aが下糸28を通したルーパ22のブレード部27により捕捉される。その後、前記針19は更に上昇して針板18の針挿通孔21内へ没入するが、上糸20のループ20aは更に前進するルーパ22のブレード部27に捕捉された状態を継続する。また、スプレッダ32は、図5(a)、(b)の後退位置から斜め左前方へ前進する。
【0026】
次に、図7(a)、(b)に示すように、前記針19が針板18よりも上方の上死点位置まで上昇すると、針板18の下方では前記上糸20のループ20aを捕捉したままのルーパ22が最も前進した位置まで移動すると共に、針板18の針挿通孔21の直下位置をスプレッダ32の先端部が通過する。すると、そのスプレッダ32の先端部(係止凹部33)により、ルーパ22のブレード部27の糸通し孔29から引き出されている下糸28とブレード部27に捕捉されている上糸20のループ20aが引っ掛けられる。そして、その状態においてスプレッダ32の更なる閉ループ運動により横方向(即ち、本実施形態では左側方(一側方))へ引っ張られて、ブレード部27と共に上から見て三角形状のスペースを形成する。
【0027】
そして次に、図8(a)、(b)に示すように、前記針19が針板18の下方へ下降してくると、当該針19は、スプレッダ32により下糸28と上糸20のループ20aが横方向へ引っ張られてブレード部27と共に形成している三角形状のスペースS内へ降下する。その結果、上糸20と下糸28とが他糸ルーピングされる。なお、図8(a)、(b)の状態において、ルーパ22は後退移動中であり、前記三角形状のスペースS内へ針19が降下すると、それまでブレード部27により捕捉していた上糸20のループ20aを解放する。また、その際、スプレッダ32も先端部(係止凹部33)に引っ掛けていた下糸28と上糸20のループ20aを解放して後退する。そして、再び図5(a)、(b)の状態に至り、以後、同様の動作を繰り返す。
【0028】
一方、本実施形態の糸切り装置46により上糸20を切断する際には、図9に示すように、針19が針板18よりも上方の上死点位置に配置されているとき(ミシン部16の縫製動作が停止状態にあるとき)に行われる。このとき、図9(a)に示されるように、各糸切り刃体40は、対応するスプレッダ32及びブレード部27よりも後方の非切断位置に配置されている。さらにこのとき、図9(b)に示されるように、前記糸切り刃体40の各刃部45は、前記スプレッダ32の係止凹部33とルーパ22のブレード部27との間に高い張力を付与されつつ引掛けられているループ20aのうちの一方の上糸20の真後ろに位置するように配置されている。
【0029】
次に、図示しない制御手段により往復シリンダ39を駆動させることによって、前記非切断位置に配置されている糸切り刃体40を図10に示される切断位置までスライド(前進移動)させる。このとき、前記糸切り刃体40の刃部45は、前記スプレッダ32の係止凹部33とルーパ22のブレード部27との間に引掛けられているループ20aのうちの一方の上糸20のみを切断する。続いて、前記制御手段は、往復シリンダ39を駆動させることにより、前記切断位置に配置されている糸切り刃体40を非切断位置まで後退移動させた後、該往復シリンダ39の駆動を停止させる。
【0030】
従って、本実施形態のキルティングマシン10の糸切り装置46によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態のキルティングマシン10は、針板18よりも下方の下死点位置側に、該針板18とルーパ22(ブレード部27)の上端との間の切断位置と、前記ルーパ22(ブレード部27)よりも後方の非切断位置との間を進退移動する糸切り刃42を備えた糸切り装置46が設けられている。このため、このキルティングマシン10では、ミシン部16内の部材(例えばルーパ22やスプレッダ32等)とは別に、糸20を切断するための専用の構成である糸切り装置46が設けられていることから、縫製のための動作にほとんど不具合を発生させることなく、極めて容易に糸20を切断することができる。
【0031】
特に、前記ルーパ22及びスプレッダ32はともに、縫製時に1000rpm程度の高速で振幅動作する部材であることから、縫製のための動作に特化させるのが最も好ましく、前記従来のロッドの伸縮動作やリテイナの逆回転のような他の不規則な動作をさせると不具合の発生が著しく起こりやすくなる。そこで、本実施形態のキルティングマシン10では、縫製のための動作を専門に行うミシン部16と、糸20を切断するための動作を専門に行う糸切り装置46とを別々に設けたことにより、ミシン部16による縫製作業に不具合が発生しにくくなる。この効果は、本実施形態のキルティングマシン10のようなチェインステッチにて高速で縫製する構成を採用している縫製機において特に顕著である。
【0032】
一方、前記従来のキルティングマシンのルーパ及びキルティング装置のリテイナは、ブレード又はエッジという特別な構成が設けられていることから非常に高価である。このため、糸を切断する必要がないときにはブレードが形成されていないルーパやエッジが形成されていないリテイナを用い、糸を切断する必要があるときには前記従来のルーパ又はリテイナを用いるといったような使い分けがなされるケースが極めて多かった。この場合、前記キルティングマシンではルーパの付け替え作業が必要となるが、マシン1台当たりのルーパの個数が数十個から数百個と極めて多いうえ、取付け時に0.1mm単位で高精度に位置合わせを行う必要があったことから、非常に煩雑であるうえ時間のかかる作業を行わなければならなかった。前記キルティング装置の場合も全く同様である。これに対し、本実施形態のキルティングマシン10では、ルーパ22及びスプレッダ32に糸20の切断をさせる必要がないことから安価な部材を用いることができるうえ、これらの部材を耐久寿命前に頻繁に付け替える必要性は全くない。従って、キルティング製品を効率的かつ安価に製造するのが著しく容易となる。
【0033】
・ 本実施形態の糸切り装置46は、糸切り刃42と、該糸切り刃42を進退移動させる糸切り刃移動手段と、該糸切り刃移動手段を制御する制御手段とを備えている。さらに、前記糸切り刃移動手段は、ミシン部16の動作とは完全に独立して動作することから、縫製のための動作に不具合を発生させることなく、極めて容易に糸20を切断することができる。さらに、前記糸切り刃移動手段は、スライド板34、スライド凹溝35及び往復シリンダ39を備えていることから、著しく簡単な構成で前記作用効果を効果的に発揮させることができる。また、この糸切り装置46では、糸切り刃体40に左右一対の糸切り刃42が設けられており、異なる2本の上糸20を一度に切断するように構成されていることから、部品点数を容易に減らすことができる。
【0034】
なお、上記実施形態は以下のように変更して具体化してもよい。
・ 上記実施形態では糸切り刃42を縫製用生地Cの進退方向に沿って進退移動させることにより上糸20を切断するように構成されていたが、糸切り刃42を回動させることにより上糸20を切断するように構成してもよい。
【0035】
・ 上記実施形態では糸切り刃42を縫製用生地Cの進退方向に沿って進退移動させることにより上糸20を切断するように構成されていた。しかしながら、糸切り刃42を、針19の配列方向に沿って隣接する左右一対の針挿通孔21間を結ぶ直線とスライド板34との交点付近に設けるとともに、該糸切り刃42を針19の配列方向に沿って横方向に移動させることにより上糸20を切断するように構成してもよい。
【0036】
・ 針板18の下面に凹設されたスライド凹溝35を省略してもよい。このように構成した場合でも、スライド長孔36及び固定ボルト37の構成により、スライド板34が所定方向に適切にスライドすることができる。
【0037】
・ 糸切り刃42は、図10(b)に示される切断位置において、ブレード部27の上端に近接した位置に配置されるのが好ましい。但し、前記糸切り刃42は、前記ブレード部27の上端よりも上方に位置している必要がある。さらに、前記糸切り刃42は、好ましくは針板18の下面とブレード部27の上端との間の中間高さよりも下方位置、より好ましくはスプレッダ32の下端とブレード部27の上端との間の中間高さよりも下方位置に配置されるのが好ましい。このように構成した場合、糸切り刃42により、図9に示されるスプレッダ32の係止凹部33とルーパ22のブレード部27との間に引掛けられているループ20aのうちの一方の上糸20のみを容易かつ確実に切断することができる一方で、前記ループ20aのうちの両方の上糸20を切断し難くなる。
【0038】
・ 糸切り装置46をキルティングマシン10に対して着脱可能(交換可能)となるように構成すること。即ち、針板18と、該針板18に添着されたスライド板34と、該スライド板34を連結する連結板38と、前記スライド板34を進退移動させる往復シリンダ39と、前記スライド板34に固定された糸切り刃体40と、前記往復シリンダ39の動作を制御する制御手段とにより糸切り装置46を構成すること。なお、前記針板18の下面には、必要に応じてスライド凹溝35が凹設される。さらに、前記針板18をキルティングマシン10のミシン部16に装着するための装着手段を設けること。なお、前記装着手段は、市販の縫製機においてミシン部のメンテナンス、修理又は交換を行うために設けられている構成と互換性を有するものであればよく、例えばミシン部に取付けるための取付け孔、該取付け孔を介して針板18を縫製機に固定する固定ボルトやナット等が挙げられる。このように構成した場合、上記実施形態の糸切り装置46が設けられていない市販の縫製機に対し該糸切り装置46を容易に取付けることができることから、上記実施形態の糸切りを行うための構成を著しく安価に市販の縫製機に付与することが可能となる。また、上記実施形態のキルティングマシン10における糸切り装置46のみを交換する場合にも有用である。
【0039】
・ 上記実施形態の糸切り装置46は、チェインステッチ(環縫い)にて縫製する縫製機の一種であるキルティングマシン10において具体化されているが、本縫い等の他の縫製方法により縫製する縫製機に具体化してもよく、或いは他の縫製機としてのミシン等において具体化してもよい。
【0040】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
・ 前記糸切り刃の進退移動を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の縫製機。前記糸切り刃を所定方向に進退移動させるための糸切り刃移動手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の縫製機。
【0041】
・ 前記針板の下死点位置側に所定のタイミングで糸を束ねながら係止するためのスプレッダを設けるとともに、前記糸切り刃を前記スプレッダとルーパとの間に位置するように配設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の縫製機。このように構成した場合、スプレッダの動作における不具合の発生を容易に低減させることができる。
【0042】
・ 請求項2に記載の縫製機に着脱自在に装着される糸切り装置であって、針板と、該針板の下面に添設されたスライド板と、該スライド板の下面に固設された糸切り刃と、前記針板の一端部に設けられ前記糸切り刃を所定方向に進退移動させる糸切り刃移動手段と、該糸切り刃移動手段を制御する制御手段と、前記針板をミシン部に着脱可能に装着するための装着手段とを備えていることを特徴とする糸切り装置。
【0043】
・ 前記ミシン部は縫製用生地をチェインステッチにて縫製するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の縫製機。このように構成した縫製機では、本縫い等のような他の縫製方法にて縫製する構成の縫製機と比べてミシン部の動作が著しく高速であることから、縫製のための動作における不具合の発生を容易に低減させつつ、安価に糸を切断することができるという効果を極めて効果的に発揮させることができる。
【0044】
・ 前記ミシン部は、針板と、上糸を伴って針板の上死点位置と下死点位置との間を往復移動する針と、前記針板の下方で下糸を伴って進退移動するルーパとを備え、前記針の先端部が下死点位置に移動したとき前記ルーパが該針の一側方を前進して上糸と下糸とを絡み合わせるとともに、同針の先端部が上死点位置に移動したとき前記ルーパが後退することにより、所定の縫い目を形成させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の縫製機。
【0045】
・ 前記ミシン部は、針板よりも上方の上死点位置と針板よりも下方の下死点位置との間で上糸を通して往復移動する針と位置対応するように前記針板よりも下方に配置され、下糸を通したルーパが前記針の往復移動時に当該針の一側方を前記針の往復移動方向と交差するように進退移動することにより、前記針板上を移動する縫製用生地に対して上糸と下糸とが絡み合った所定の縫目を前記針と協働して形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の縫製機。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1及び請求項2に記載の発明の縫製機によれば、縫製のための動作における不具合の発生を容易に低減させつつ、安価に糸を切断することができる。請求項3及び請求項4に記載の発明の糸切り装置によれば、縫製のための動作における不具合の発生を容易に低減させつつ、安価に糸を切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のキルティングマシンの概略構成図。
【図2】(a)は実施形態のルーパを示す斜視図、(b)は同じくスプレッダを示す底面図、(c)は同じく糸切り刃体を示す底面図、(d)は同じく糸切り刃体を示す正面図。
【図3】実施形態の針板及び糸切り装置の一部を示す底面図。
【図4】(a)は実施形態の針板及び糸切り装置を示す側面図、(b)は同じく針板及び糸切り装置の一部を示す部分拡大底面図。
【図5】針が下死点位置にある状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図6】針が下死点位置から上昇開始状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図
【図7】針が上死点位置にある状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図8】針が下死点位置へ降下直前状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図9】針が上死点位置にありかつ糸切り刃が非切断位置にある状態時の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図10】糸切り刃が切断位置にある状態時の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【符号の説明】
10…縫製機としてのキルティングマシン、16…ミシン部、18…針板、19…針、22…ルーパ、34…スライド板、39…糸切り刃移動手段を構成する往復シリンダ、42…糸切り刃、46…糸切り装置。

Claims (4)

  1. 針板と、該針板よりも上方の上死点位置と同針板よりも下方の下死点位置との間を往復移動する針と、前記針板の下方に配設されたルーパとが設けられたミシン部を備えた縫製機であって、
    前記針板の下死点位置側に、該針板とルーパとの間に位置する切断位置と、前記ルーパの一側方に位置する非切断位置との間を進退移動する糸切り刃を設けたことを特徴とする縫製機。
  2. 前記針板の下面に所定方向にスライドしながら進退移動するスライド板を添設するとともに、該スライド板の下面に前記糸切り刃を固設したことを特徴とする請求項1に記載の縫製機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の縫製機に設けられる糸切り装置であって、
    前記糸切り刃と、該糸切り刃を所定方向に進退移動させる糸切り刃移動手段と、該糸切り刃移動手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする糸切り装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の縫製機に着脱自在に装着される糸切り装置であって、
    針板と、該針板の下死点位置側に設けられる糸切り刃と、該糸切り刃を所定方向に進退移動させる糸切り刃移動手段と、該糸切り刃移動手段を制御する制御手段と、前記針板をミシン部に着脱可能に装着するための装着手段とを備えていることを特徴とする糸切り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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