JP2004321397A - 靴 - Google Patents

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JP2004321397A
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Kayoko Hisada
夏代子 久田
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Abstract

【課題】踵が固定できることを前提としつつ、履き易さ、履かせ易さ等を向上し、股関節脱臼を予防できること。デザインを良くできること。
【解決手段】アッパーには、履き口に通じる切欠部を踵の内側及び外側に形成し、内外の切欠部の後側に有する踵片を、後方に傾倒可能に設け、踵片の内外から止め片を前方に向かってそれぞれ延ばし、アッパーの内側面及び外側面に各止め片を開閉可能に留めることを特徴とする靴。アッパーは、内外の切欠部よりも前側部分では、足の内面、外面、甲の上面及びつま先を連続して覆ってあることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開閉機能が付いた靴に関するもので、この靴を使用する主な対象は、身体の都合の悪い人、例えば、介護を要する人やリハビリテーションをする人等が挙げられる。但し、このような用途に限らず、運動競技に代表されるような過酷な用途以外であれば、色々な場面(例えばキャンパス)で使用することも可能である。
【0002】
【従来の技術】
介護やリハビリテーションの現場で使用する靴には、健常者が購入する靴よりも、履き易さ、履かせ易さ、脱ぎ易さ及び脱がせ易さが求められている。このような現場で使用する靴としては、面ファスナー(俗にマジックテープ(登録商標)と言われる)やボタン等を用いて、開閉可能としているものがある。面ファスナー等の取付箇所としては、足の甲の部分や外側の踝(くるぶし)付近が挙げられる。
【0003】
面ファスナーが甲の部分に付いているものは、足先を履き口よりも高く上げないと、足先を入れることができないし、そのような動作が容易でない人もいる。又、介護の場面でも足首から先が突っ張った緊張の強い人等では履かせにくいという問題がある。さらに、甲の部分に面ファスナーがあるのでデザインが悪くなり、そのようなデザインの靴ではリハビリをしようとする意欲が失われる。
【0004】
一方、外側の踝付近に付いているものは、面ファスナーを開閉する際に脚を内側にひねるようにする動きが多少なりとも必要であり、人によっては、その動きが身体的に無理なこともある。例えば、股関節脱臼の危険性のある人(股関節に病気のある人、人工股関節置換術を受けた人、中枢性麻痺があり痙性が強い人)等が、股関節外転位優位となっている場合である。従って、このような場合には、脚を内側にひねらなくても履けるような靴を、患者は勿論、靴を履かせる介護者も必要としている。なお、高齢者は、若者よりも身体の柔軟性が一般的には劣っているので、高齢者の中にも同様の観点から履きやすさ等を向上した靴を必要としている人もいる。
【0005】
また、単に履き易さ等を追求すればスリッパを使用すればよいが、踵(かかと)が固定されていないと、安全性が得られず、上述した人が使用するには不向きである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情を考慮して創作されたもので、その解決しようとする課題は、踵が固定できることを前提としつつ、履き易さ、履かせ易さ等を向上し、履く人によっては股関節脱臼を予防できることである。また、請求項2の発明は、上記課題を踏まえつつデザインを良くすることのできる靴を提供することを解決課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の靴は、アッパーには、履き口に通じる切欠部を踵の内側及び外側に形成し、内外の切欠部の後側に有する踵片を、後方に傾倒可能に設け、踵片の内外から止め片を前方に向かってそれぞれ延ばし、アッパーの内側面及び外側面に各止め片を開閉可能に留めることを特徴とする。
【0008】
内外の止め片を開いて(外して)、踵片を後方に倒せば、履き口の前後幅が広がる。
【0009】
アッパーはサンダルのように足先を露出させる部分があると、その分だけ安全性や安定性が得られない。従って、請求項2の発明のように、アッパーは、内外の切欠部よりも前側部分では、足の内面、外面、甲の上面及びつま先を連続して覆ってあることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1から図3には左足用の靴を示してある。本発明の靴は、足の甲から踵までを覆うアッパー1の後部に特徴があるもので、履き口2の後部を内側、外側及び後側に開閉可能に設けてある。アッパー1の後部であって踵の内側及び外側には、履き口2の後部に通じる切欠部3,4を中敷5に達する高さまでそれぞれあけてある。一方、内外の切欠部3,4よりも前側部分では、足の内面、外面、甲の上面及びつま先が連続して覆われている。また、踵の後側には踵片6を起立状態から傾倒可能に設け、踵片6の上部内側及び外側には止め片7,8を切欠部3,4よりも前方に向かってそれぞれ延ばし、面ファスナー9のJ字状の雄部10とループ状の雌部11を各止め片7,8の外面側の先部と後部に設けてある。各切欠部3,4の前方にはリング12,13が小片14,15を用いてアッパー1に取り付けてあり、取付箇所を中心にしてリング12,13が所定角度回るようになっている。そして、各止め片7,8の先部をリング12,13の内部に通してから後方に折返して面ファスナー9で止める。そうすると、各止め片7,8がリング12,13を介してアッパー1の内側面、外側面に留められることになる。なお、踵片6及び止め片7,8は何れも開閉可能な柔軟性を有する。
【0011】
上述した靴は、図2に示すように、内側の止め片7を留めて、外側の止め片8を開けば、履き口2が外側の切欠部4と繋がって足の出し入れがしやすくなる。なお、図面には示さないが、外側の止め片8を留めて内側の止め片7を開いた場合でも、同様のことが言える。また、図3に示すように、内外の止め片7,8を開いて、踵片6を後側に倒せば、履き口2の前後幅も広がることによって、足の出し入れが一段としやすくなる。
【0012】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、止め片7,8の留具には、面ファスナー以外のものを用いても良い。例えば、スナップ式に止まるボタンや、バックル等が挙げられる。また、止め片7,8は先部を折り返すことなく、そのままアッパー1の内側面及び外側面に留めても良い。
【0013】
【発明の効果】
請求項1の発明は内外の止め片を開くと、履き口が切欠部と繋がるので開口領域が広がるし、両方の止め片を開いて踵片を後方に倒せば、さらに開口領域が広がる。従って、開口領域を広げる方法が3通りもあるので、従来よりも履き易さ等が向上する。しかも、足先を履き口よりも低くしても、切欠部や後方に倒した踵片側から足先を入れることができることも、履き易さ等の向上に繋がる。また、外側の止め片を留めて内側の止め片を開けば、股関節脱臼の危険性のある人も、足を内側にひねらなくても安全に靴を脱いだり履いたりできる。さらに、踵片によって靴の中で足が動かなくなるので、安全性に配慮してあると言える。また、止め片が踵片に繋がっているので、止め片が紛失するおそれがない。
【0014】
請求項2の発明は、足先の周囲がアッパーによって連続して覆われているので、切欠部、踵片の後方への倒しを利用すれば、簡単にかつ安全に脱ぎ履きできる。また、足先の周囲がアッパーによって完全に覆われているので、安全性が高まり、しかも、つま先から甲を覆っている部分に色々なデザインが施せ、見栄えが良くなる。従って、例えばリハビリテーションをする人が、このような履き易さだけでなく見栄えも良い靴を履くことによって、リハビリする意欲も湧き、通常の生活に短期間で復帰できることもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の靴を示す斜視図である。
【図2】片方の留め片を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】踵片を後方に倒した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 アッパー
2 履き口
3,4 切欠部
6 踵片
7,8 止め片

Claims (2)

  1. アッパー(1)には、履き口(2)に通じる切欠部(3,4)を踵の内側及び外側に形成し、内外の切欠部(3,4)の後側に有する踵片(6)を、後方に傾倒可能に設け、踵片(6)の内外から止め片(7,8)を前方に向かってそれぞれ延ばし、アッパー(1)の内側面及び外側面に各止め片(7,8)を開閉可能に留めることを特徴とする靴。
  2. アッパー(1)は、内外の切欠部(3)よりも前側部分では、足の内面、外面、甲の上面及びつま先を連続して覆ってあることを特徴とする請求項1記載の靴。
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