JP2004049738A - 履き物 - Google Patents

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大島 昇
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】適切に足を固定することができる靴を提供し、特に、個人差や右足と左足の差異があっても適切に足を固定することができる靴を提供するとともに、成長期の人間が使用する場合にも適した靴を提供する。
【解決手段】靴A1の甲革部20における足の甲に当たる位置に、挿通穴24a等が設けられ、この挿通穴24a等にベルト状部40が設けられている。このベルト状部40は、閉ループ状を呈し、その内径を調整できるようになっている。足は、このベルト状部40と、靴A1の踵位置とで固定されることになる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、靴等の履き物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より靴は、一般的に、底部と、中底部と、甲革部とから構成されている。ここで、甲革部とは、底部上に設けられていて、足をカバーする部分全体を指すものである。そして、従来の靴においては、足は、主として、靴の踵(かかと)部分(つまり、甲革の踵部分)と、甲革の前側の部分とで固定されるようになっている。ここで、甲革の前側の部分としては、特に、足の甲が接触する部分と、足のつま先側の両側の部分と、つま先の先端部分等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の靴においては、甲革の踵部分と、甲革の前側の部分とで足を固定することから、それらの部分において一カ所でも不具合があると適切に足を固定することができないという問題があった。例えば、甲革の踵部分としては、踵のアキレス腱に当たる部分の深さ(つまり、該部分の前方への傾斜具合)や、甲革の踵内側への回り具合(つまり、甲革の踵側の両側における括れ具合)等において1つでも不具合があると、適切に足を固定することができない。また、甲革の前側の部分としては、甲革における甲の高さや足幅等に不具合があると、適切に足を固定することができない。このように適切に足を固定することができない場合には、靴がきつい、又は、靴が大きい等と表現されることになる。
【0004】
特に、人間の足の形状、大きさには個人差があり、そのような個人差のある足の形状、大きさに合わせて適切な靴を提供することは従来のタイプの靴においては無理があった。さらに、一人の人間においても、右足と左足とでは形状、大きさは同一ではなく、従来の靴では両足とも同一の形状、大きさの靴とするのが通常であることから、従来のタイプの靴においては、適切に足を固定するのには無理があった。
【0005】
このように、適切に足を固定できない場合には、使用者は足に痛みを感じ、足の変形や疾病につながるおそれがある。また、足に痛みを感じない場合でも、絶えず足に無理な力が掛かる状態の場合にも、足の変形や疾病につながるおそれがある。
【0006】
また、従来のタイプの靴においては、上記のように、甲革の踵部分と、甲革の前側の部分とで足を固定することから、幼児や児童等の成長期の人間において、足が成長するとすぐに靴がきつくなってしまう。すると、短期間使用するのみで靴を買い換える必要があり、他方、買い換えを控えるために大きめの靴を使用すると、足を適切に固定できず、つまづいたり、転んだりするおそれもあった。
【0007】
さらに、従来の靴において、踵の部分のないタイプのものにおいては、もともと適切に足を固定することができないという問題があった。つまり、踵の部分のないタイプの靴においては、つま先側の部分、つまり、足の甲に接触する部分等で固定する他なく、適切に足を固定することができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、適切に足を固定することができる靴を提供することを目的とするものであり、特に、個人差や右足と左足の差異があっても適切に足を固定することができる靴を提供するとともに、成長期の人間が使用する場合にも適した靴を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、履き物であって、足の少なくとも甲の領域を被覆するための甲革部と、甲革部における上部の領域で、足の甲に対応する領域に取り付けられベルト状部で、該履き物を履いた状態では、少なくとも、足の両側部の一部と足の裏の一部を包むためのベルト状部と、足の踵を保持する踵保持部と、を有することを特徴とする。
【0010】
この第1の構成の履き物においては、上記ベルト状部と踵保持部とを有していることから、該ベルト状部と該踵保持部により足を固定することができ、個人差や右足と左足の差異があっても適切に足を固定することができる。また、甲革部で足のつま先側を固定する必要がなく、甲革部の甲の高さや、甲革部のつま先側の形状が足にぴったり接しなくてもよく、甲革部のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、足のつま先に傷害が生じるおそれがない。また、甲革部のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、成長期の人間が使用する場合でも、買い換える頻度が多くなることがない。また、買い換え頻度を少なくするために若干大きめの靴を購入しても、適切に足を固定するので、使い勝手が悪くなることがない。また、上記のように、足のつま先側は、ベルト状部により固定され、甲革部により固定する必要がないので、甲革部のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材で形成することが可能となる。甲革部のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材とすることにより、足のつま先に傷害が生じるのを防止することができる。
【0011】
また、第2には、上記第1の構成において、上記甲革部には挿通穴が設けられていて、上記ベルト状部の一方の端部が甲革部の内部において甲革部に固着され、また、ベルト状部の他方の端部が該挿通穴から露出しており、また、履き物には、該ベルト状部の他方の端部を甲革部に固定するための固着手段が設けられていることを特徴とする。よって、靴を履いた後にベルト状部の他方の端部を適度に引っ張り、その後、該端部を甲革部に固着することにより、足を適切に固定することができる。
【0012】
また、第3には、履き物であって、足の少なくとも甲の領域を被覆するための甲革部と、甲革部における上部の領域で、足の甲に対応する領域に取り付けられベルト状部で、全体で閉ループ状を呈し、該ベルト状部の一部が甲革部の外部に露出しているベルト状部と、足の踵を保持する踵保持部と、を有することを特徴とする履き物。
【0013】
この第3の構成の履き物においては、上記ベルト状部と踵保持部とを有していることから、該ベルト状部と該踵保持部により足を固定することができ、個人差や右足と左足の差異があっても適切に足を固定することができる。また、甲革部で足のつま先側を固定する必要がなく、甲革部の甲の高さや、甲革部のつま先側の形状が足にぴったり接しなくてもよく、甲革部のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、足のつま先に傷害が生じるおそれがない。また、甲革部のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、成長期の人間が使用する場合でも、買い換える頻度が多くなることがない。また、買い換え頻度を少なくするために若干大きめの靴を購入しても、適切に足を固定するので、使い勝手が悪くなることがない。また、上記のように、足のつま先側は、ベルト状部により固定され、甲革部により固定する必要がないので、甲革部のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材で形成することが可能となる。甲革部のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材とすることにより、足のつま先に傷害が生じるのを防止することができる。
【0014】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、上記履き物が靴であり、上記甲革部が、足のつま先から踵までを被覆する形状を有していることを特徴とする。この場合には、靴の踵の部分が、上記踵保持部として機能することになる。
【0015】
また、第5には、上記第1又は第4の構成において、上記ベルト状部が、全体で閉ループ状を呈し、該ベルト状部の一部が甲革部の外部に露出していることを特徴とする。
【0016】
また、第6には、上記第1又は第3から第4までのいずれかの構成において、上記ベルト状部は、上記ベルト状部の内径を調整するための調整部を有することを特徴とする。よって、この調整部により、足を適度に締め付けることができ、足を適切に固定することが可能となる。
【0017】
また、第7には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記ベルト状部における甲革部内に存在する部分である甲革部内構成部と、該甲革部内構成部の端部間に存在する甲革部の一部とで形成される空間部の大きさを調整するための調整部が設けられていることを特徴とする。よって、この調整部により、足を適度に締め付けることができ、足を適切に固定することが可能となる。
【0018】
また、第8には、靴としての履き物であって、足のつま先から踵までを被覆する形状を有している甲革部と、該甲革部における上部の領域で、足の甲に対応する領域に取り付けられベルト状部で、全体で閉ループ状を呈し、該ベルト状部の一部が甲革部の外部に露出しているベルト状部で、該ベルト状部の内径を調整するための調整部を有するベルト状部と、を有することを特徴とする。
【0019】
この第8の構成の履き物においては、上記甲革部が踵を被覆する形状を有し、また、ベルト状部が設けられていることから、これらにより足を固定することができ、個人差や右足と左足の差異があっても適切に足を固定することができる。特に、上記調整部が設けられているので、足を適度に締め付けることができ、足を適切に固定することが可能となる。また、甲革部で足のつま先側を固定する必要がなく、甲革部の甲の高さや、甲革部のつま先側の形状が足にぴったり接しなくてもよく、甲革部のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、足のつま先に傷害が生じるおそれがない。また、甲革部のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、成長期の人間が使用する場合でも、買い換える頻度が多くなることがない。また、買い換え頻度を少なくするために若干大きめの靴を購入しても、適切に足を固定するので、使い勝手が悪くなることがない。また、上記のように、足のつま先側は、ベルト状部により固定され、甲革部により固定する必要がないので、甲革部のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材で形成することが可能となる。甲革部のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材とすることにより、足のつま先に傷害が生じるのを防止することができる。
【0020】
また、第9には、上記第1又は第3から第8までのいずれかの構成において、上記甲革部に一対の挿通穴が設けられ、上記ベルト状部を該挿通穴に挿通することにより、上記ベルト状部が甲革部に取り付けられていることを特徴とする。
【0021】
また、第10には、上記第1又は第3から第8までのいずれかの構成において、上記甲革部に一対の切込み部又は切欠部が設けられ、上記ベルト状部を該切込み部又は切欠部に挿通することにより、上記ベルト状部が甲革部に取り付けられていることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態としての実施例を図面を利用して説明する。本発明に基づく履き物としての第1実施例の靴A1は、図1〜図4に示すように、靴本体5と、ベルト状部40と、中敷き部50と、を有している。
【0023】
ここで、靴本体5は、底部10と、中底部15と、甲革部20と、舌革部30と、を有している。
【0024】
ここで、底部10は、いわゆる靴底を構成するものであり、つま先位置から踵位置まで形成されている。また、中底部15は、靴の内側の底部を構成するものである。
【0025】
また、甲革部20は、該底部10上に設けられていて、靴を履いた状態では、中底部15上の足をつま先位置から踵位置にまでカバーする機能を有している。この甲革部20をつま先位置側から踵位置側にかけて複数の領域に分けて捉えると、つま先位置領域22aと、甲位置領域22bと、踝(くるぶし)位置領域22cと、踵位置領域22dとから構成されているといえる。靴A1において、踵を保持する部分、つまり、中底部15の踵位置と甲革部20の踵位置領域22dとが上記特許請求の範囲における踵保持部に当たる。
【0026】
また、舌革部30は、舌片状を呈し、該甲革部20の内側に設けられている。つまり、甲革部20における甲位置領域22bの上部領域の内側に該舌革部30が設けられている。
【0027】
また、ベルト状部40は、ベルト状を呈し、その大部分が靴A1の内部に設けられている。このベルト状部40は、全体に閉ループ状を呈している。具体的には、ベルト状部40は、図2〜図5に示すように、ベルト本体部42と、留め具44とを有している。このベルト本体部42は、平面状を呈する底部42aと、該底部42aの両側から立設した側部42b、42cと、側部42bの端部から連設された先端部42dと、側部42cの端部から連設された先端部42eとを有している。側部42bと側部42cは、底部42aから上側に行くに従い幅狭となる形状を呈していて、側部42bと側部42cは、若干異なる形状を呈している。また、先端部42dと先端部42eは、帯状を呈していて、先端部42dは、先端部42eよりも長く形成されている。このベルト本体部42は、全体に一体に構成されている。留め具44は、先端部42eの端部を固定するとともに、先端部42dを挿通するためのものであり、リング状(具体的には、細長リング状)を呈していて、該留め具44に挿通された先端部42dの先端側は、折り返されて先端部42dの後端側に積層された状態となっている。この先端部42dには、先端部42dの先端側と後端側とを着脱するための固着手段46であって、フックテープとループテープとからなる固着手段46が設けられている(図4参照)。この先端部42dにおける固着位置を調整することにより、ベルト状部40の内径を調整することが可能となる。なお、先端部42eの端部は、留め具44に挿通して折り返された状態で固定されている。このような先端部42dの構造と留め具44とが、上記特許請求の範囲における調整部に当たる。
【0028】
このベルト状部40の甲革部20への取付け状態としては、甲革部20にベルト状部40を挿通するための一対の挿通穴24a、24bが設けられていて、この挿通穴24a、24bにベルト状部40が挿通されている。つまり、甲革部20における上記甲位置領域22bのX方向(図3参照)における中心位置を介した両側(例えば、略対称位置)に挿通穴24aと挿通穴24bが設けられ、この挿通穴24aと挿通穴24bに、ベルト本体部42が挿通されている。ベルト状部40が甲革部20に取り付けられた状態では、ベルト本体部42における先端部42dと先端部42eとが外部に露出していることになる。
【0029】
このベルト状部40の甲革部20への装着の仕方としては、ベルト状部40を靴本体5内に配置した状態で、先端部42dを挿通穴24aから露出させるとともに、先端部42e及び留め具44を挿通穴24bから露出させ、先端部42dを留め具44に挿通した後に折り返して先端部42dの先端側と後端側とを固定する。なお、留め具44を挿通穴24bを通すことが困難な場合には、先端部42eを挿通穴24bから露出させた後に、留め具44を先端部42eに取り付けるようにしてもよい。ベルト状部40を甲革部20に装着した状態では、ベルト状部40は、甲革部20にブランコ状に吊り下げた状態となっている。
【0030】
なお、ベルト状部40は、図5に示すような構成であるとしたが、帯状形状を呈し、閉ループ形状のものであればよい。ただし、足との接触面積を大きくするためには、図5に示すような形状であることが好ましい。
【0031】
また、中敷き部50は、シート状を呈し、靴A1の内部に設けられている。つまり、この中敷き部50は、足型を呈し、靴A1の内部にぴったりとはまりこむ形状を呈している。この中敷き部50は、通常の中敷きと同様の構成である。なお、この中敷き部50は、靴A1に装着された状態では、ベルト本体部42の底部42aの上に積層した状態で設けられる。つまり、中敷き部50は、ベルト状部40に挿通した状態で靴A1内に設けられている。
【0032】
上記構成の靴A1の使用状態について説明する。靴A1を履く場合には、従来からの靴と同様に、甲革部20の開口部Kに足を入れた後、ベルト状部40に足を入れることにより、足に靴A1を装着する。靴A1を履く際には、ベルト状部40を緩めた状態にしておくことが好ましい。靴A1を履いた状態では、足はベルト状部40に挿通した状態となっていて、ベルト状部40に挿通されている中敷き部50と、ベルト状部40における側部42b、42cとが、足に接触した状態となっている。靴A1内に足を配置したら、先端部42dを調整することによりベルト状部40による締付け具合を調整して、ベルト状部40が足にぴったりと接触するようにする。靴A1を履いた状態では、図6に示すような状態となる。つまり、先端部42dの先端側を後端側から脱した状態で先端部42dを適度に引っ張り、ベルト本体部42が足にぴったりと接触した状態となった際に、先端部42dの先端側を後端側に固着させて固定する。つまり、このベルト本体部42により、足の足囲を一周するようにして足の甲の位置と土踏まずの位置を直接包んだ状態とし、該ベルト状部40が挿通穴24a、24bに挿通された状態となっていることによって、結果として、足を甲革部20に固定する構造となっている。また、足の踵側は、甲革部20における踵位置領域22dにより固定されるので、靴A1によれば、足は、ベルト状部40と、靴A1の踵部分により固定されることになる。
【0033】
本実施例の靴A1によれば、上記ベルト状部40が設けられているので、該ベルト状部40と、靴A1の踵部分により足を固定することになり、個人差や右足と左足の差異があっても適切に足を固定することができる。また、甲革部20で足のつま先側を固定する必要がなく、甲革部20の甲の高さや、甲革部20のつま先側の形状が足にぴったり接しなくてもよく、甲革部20のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、足のつま先に傷害が生じるおそれがない。また、甲革部20のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、成長期の人間が使用する場合でも、買い換える頻度が多くなることがない。また、買い換え頻度を少なくするために若干大きめの靴を購入しても、適切に足を固定するので、使い勝手が悪くなることがない。
【0034】
また、上記のように、足のつま先側は、ベルト状部40により固定され、甲革部20により固定する必要がないので、甲革部20のつま先側(特に、つま先位置領域22a)をソフトで伸縮性に富む素材で形成することが可能となる。甲革部20のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材とすることにより、足のつま先に傷害が生じるのを防止することができる。
【0035】
また、本実施例の靴A1によれば、靴の軽量化を図ることも可能となる。つまり、従来の靴における底部は、甲革部とともに足を包み込む目的があるため、底部も甲革部との固着強度等の点から所定の強度を必要とし、これによりある程度の重量を必要としたが、本実施例の靴A1によれば、底部10は甲革部20とそれほど強い固着強度を要せず、これにより、底部10の重量も極限にまで軽量化することが可能となる。
【0036】
本実施例の靴によれば、上記のように、靴のホールド性が高く、軽量化を図ることができるので、通常の靴は勿論、陸上競技等の競技用靴にも適している。
【0037】
また、本実施例の靴においては、既存の靴製造設備をそのまま利用できるので、新たな設備投資が必要ないという利点がある。
【0038】
上記ベルト状部40の他の例について説明する。図7(a)に示すベルト状部140は、上記第1実施例におけるベルト状部40と比べると、ベルト状部による締付け具合を調整する固着手段として紐を用いるとともに、先端部同士が重ならない点が異なる。
【0039】
つまり、ベルト状部140は、図7(a)に示すように、ベルト本体部142と、紐部146とを有している。このベルト本体部142は、平面状を呈する底部142aと、該底部142aの両側から立設した側部142b、142cと、側部142bの端部から連設された先端部142dと、側部142cの端部から連設された先端部142eとを有している。側部142bと側部142cは、底部142aから上側に行くに従い幅狭となる形状を呈していて、側部142bと側部142cは、若干異なる形状を呈している。また、先端部142dは、幅狭の幅狭部142d−1と、幅広の幅広部142d−2とを有している。つまり、先端部142dにおいて、挿通穴24aに挿通できるようにするために幅狭部142d−1の部分は幅狭に形成されている。先端部142eも先端部142dと同様に形成されていて、先端部142eは、幅狭の幅狭部142e−1と、幅広の幅広部142e−2とを有している。つまり、先端部142eにおいて、挿通穴24bに挿通できるようにするために幅狭部142e−1は幅狭に形成されている。また、幅広部142d−2、142e−2には、紐部146を通すための穴部が複数設けられている。また、紐部146は、いわゆる靴紐であり、幅広部142d−2と幅広部142e−2間に設けられている。この紐部146の締付け具合を調整することにより、ベルト状部の足への締付け具合を調整することができる。つまり、この紐部は、上記特許請求の範囲における調整部として機能する。なお、このベルト状部140の甲革部20への装着の仕方としては、上記第1実施例の場合と同様であるが、先端部142d、142eにおける幅広部142d−2、142e−2が挿通穴24a、24bの大きさよりも大きく形成されているので、幅広部142d−2、142e−2を小さく折り畳む等して挿通させる。幅広部142d−2、142e−2をベルト本体部142とは別に形成しておき、ベルト本体部を靴内に設置して、幅狭部142d−1、142e−1を挿通穴24a、24bを通して露出させた後に、該幅狭部142d−1、142e−1の端部に幅広部142d−2、142e−2を取り付けるようにしてもよい。
【0040】
次に、図7(b)に示すベルト状部240は、上記第1実施例におけるベルト状部40と比べると、ベルト状部による締付け具合を調整する固着手段として、2本の帯状部を用いるとともに、先端部同士が重ならない点が異なる。
【0041】
つまり、ベルト状部240は、図7(b)に示すように、ベルト本体部242と、帯状部246とを有している。このベルト本体部242は、平面状を呈する底部242aと、該底部242aの両側から立設した側部242b、242cと、側部242bの端部から連設された先端部242dと、側部242cの端部から連設された先端部242eとを有している。側部242bと側部242cは、底部242aから上側に行くに従い幅狭となる形状を呈していて、側部242bと側部242cは、若干異なる形状を呈している。また、先端部242dは、幅狭の幅狭部242d−1と、幅広の幅広部242d−2とを有している。つまり、先端部242dにおいて、挿通穴24aに挿通できるようにするために幅狭部242d−1は幅狭に形成されている。先端部242eも先端部242dと同様に形成されていて、先端部242eは、幅狭の幅狭部242e−1と、幅広の幅広部242e−2とを有している。つまり、先端部242eにおいて、挿通穴24bに挿通できるようにするために幅狭部242e−1は幅狭に形成されている。また、帯状部246は、帯状を呈する部材であり、一対の帯状部246が設けられている。帯状部246の先端部242e側の端部は、幅広部242e−2に固着され、また、該帯状部246と幅広部242d−2とは、着脱自在となっている。例えば、帯状部246に、固着手段を構成するフックテープとループテープのうちの一方を設けるとともに、幅広部242d−2に、他方を設けることにより、着脱自在となっている。この帯状部246の幅広部242d−2に対する取付け位置を調整することにより、ベルト状部240の内径を調整することができる。該帯状部246と該固着手段とで、上記特許請求の範囲における調整部が構成される。なお、このベルト状部240の甲革部20への装着の仕方としては、上記第1実施例の場合と同様であるが、先端部242d、242eにおける幅広部242d−2、242e−2が挿通穴24a、24bの大きさよりも大きく形成されているので、幅広部242d−2、242e−2を小さく折り畳む等して挿通させる。幅広部242d−2、242e−2をベルト本体部242とは別に形成しておき、ベルト本体部を靴内に設置して、幅狭部242d−1、242e−1を挿通穴24a、24bを通して露出させた後に、該幅狭部242d−1、242e−1の端部に幅広部242d−2、242e−2を取り付けるようにしてもよい。
【0042】
なお、図7(a)に示すベルト状部140と図7(b)に示すベルト状部240においては、ベルト本体部自体は、上端位置に隙間が存在するために閉ループ状とはいえないが、ベルト状部140における紐部146や、ベルト状部240における帯状部246が設けられていることにより、ベルト状部全体としては、閉ループ状であるといえる。
【0043】
次に、本発明の履き物としての第2実施例の靴A2について説明する。第2実施例における靴A2は、上記第1実施例の靴A1と略同様の構成であるが、甲革部に挿通穴ではなく、切込みを設けることにより、この切込みにベルト状部を取り付ける構造となっている。
【0044】
すなわち、第2実施例の靴A2は、図8、図9に示すように、靴本体105と、ベルト状部340と、中敷き部150と、を有している。
【0045】
ここで、靴本体105の構成は、上記第1実施例における靴本体5と同様の構成であるが、挿通穴24a、24bの代わりに、切込み部124a等が設けられている点が異なる。
【0046】
つまり、靴本体105は、底部110と、中底部115と、甲革部120と、を有している。
【0047】
ここで、底部110は、いわゆる靴底を構成するものであり、つま先位置から踵位置まで形成されている。また、中底部115は、靴の内側の底部を構成するものである。
【0048】
また、甲革部120は、該底部110上に設けられていて、靴を履いた状態では、中底部115上の足をつま先位置から踵位置にまでカバーする機能を有している。この甲革部120をつま先位置側から踵位置側にかけて複数の領域に分けて捉えると、つま先位置領域122aと、甲位置領域122bと、踝(くるぶし)位置領域122cと、踵位置領域122dとから構成されているといえる。靴A2において、踵を保持する部分、つまり、中底部115の踵位置と甲革部120の踵位置領域122dとが上記特許請求の範囲における踵保持部に当たる。
【0049】
また、この甲革部120の甲位置領域122bには、靴本体105における足を入れるための開口部Kから前方に伸びた切込み部が設けられている。つまり、図8、図9(b)に示すように、靴A2の平面視における左側には、切込み部124aが設けられ、また、靴本体105における切込み部124aが設けられている側と反対側には、切込み部(図示せず)が設けられている。この一対の切込み部により挟まれる領域が舌状部128として形成される。この舌状部128の開口部K側の端部の切込み部に臨む側には、舌片部126が設けられている。つまり、舌状部128の両側に、切込み部を跨ぐように舌片部126が設けられている。図8、図9には、一方の側の舌片部126のみ図示されているが、反対側にも舌片部が設けられている。この舌片部126には、固着手段が設けられている。該舌片部126が取り付けられている側と反対側の甲革部120の位置にも固着手段が設けられていて、両固着手段同士は互いに着脱自在に構成されている。この固着手段としては、例えば、ホックが挙げられる。この舌片部126は、切込み部の導入口を閉鎖することにより、該切込み部に設けられたベルト状部340の脱落を防止するために設けられている。また、上記のように、両固着手段同士を互いに着脱自在に構成することにより、舌片部126の一方の端部が甲革部120に対して着脱自在となり、ベルト状部340の甲革部120への装着が容易となる。なお、上記両固着手段同士は互いに着脱自在としない構成としてもよい。また、上記の説明では、甲革部120に一対の切込み部が設けられているとして説明したが、切込み部の代わりに切欠部としてもよい。
【0050】
また、ベルト状部340は、ベルト状を呈し、その大部分が、靴A2の内部に設けられている。
【0051】
このベルト状部340は、図8、図9に示すように、ベルト本体部342と、紐部346とを有している。このベルト本体部342は、平面状を呈する底部342aと、該底部342aの両側から立設した側部342b、342cと、側部342bの端部から連設された先端部342dと、側部342cの端部から連設された先端部342eとを有している。側部342bと側部342cは、底部342aから上側に行くに従い幅狭となる形状を呈していて、側部342bと側部342cは、若干異なる形状を呈している。また、先端部342dと先端部342eは、前後方向に細長の形状を呈し、略楕円形状を半分に欠切したような形状を呈している。この先端部342dと先端部342eとは、軸線を介して左右略対称の形状を呈している。また、紐部346は、いわゆる靴紐であり、先端部342dと先端部342e間に設けられている。このベルト状部340は、ベルト本体部における左右の部材を紐で締結する点では、上記図7(a)に示すベルト状部140と同様の構成であるといえる。
【0052】
このベルト状部340の靴本体105への取付け状態としては、ベルト本体部を甲革部120に設けられた切込み部に挿通した後に、舌片部126を固定させて取り付ける。つまり、側部342bと先端部342dの境界位置を切込み部124a内に挿通するとともに、側部342cと先端部342eの境界位置を他方の切込み部内に挿通し、2つの舌片部126を固定させることにより、ベルト状部340を靴本体105に固定する。
【0053】
なお、ベルト状部340は、図8、図9に示すような構成であるとしたが、帯状形状を呈し、閉ループ形状であって、一対の切込み部に挿通可能なものであればよい。ただし、足との接触面積を大きくするためには、図8、図9に示すような形状であることが好ましい。また、上記第1実施例のベルト状部や、図7に示すようなベルト状部を用いてもよい。
【0054】
また、中敷き部150は、上記第1実施例の中敷き部50と同様の構成である。つまり、中敷き部150は、シート状を呈し、靴A2の内部に設けられている。つまり、この中敷き部150は、足型を呈し、靴A2の内部にぴったりとはまりこむ形状を呈している。この中敷き部150は、通常の中敷きと同様の構成である。なお、この中敷き部150は、靴A2に装着された状態では、ベルト本体部342の底部342aの上に積層した状態で設けられる。つまり、中敷き部150は、ベルト状部340に挿通した状態で靴A2内に設けられている。なお、図9においは、中敷き部150は省略して図示している。
【0055】
上記構成の靴A2の使用状態について説明する。靴A2を履く場合には、従来からの靴と同様に、甲革部120の開口部Kに足を入れて、ベルト状部340に足を入れることにより、足に靴A2を装着する。靴A2を履く際には、紐部346を緩めて、ベルト状部340を緩めた状態にしておくことが好ましい。靴A2を履いた状態では、足はベルト状部340に挿通した状態となっていて、ベルト状部340に挿通されている中敷き部150と、ベルト状部340における側部342b、342cとが、足に接触した状態となっている。靴A2内に足を配置したら、紐部346による締結具合を調整して、ベルト状部340が足にぴったりと接触するようにする。つまり、このベルト本体部342により、足の足囲を一周するようにして足の甲の位置と土踏まずの位置を直接包んだ状態とし、該ベルト状部340が切込み部に挿通された状態となっていることによって、結果として、足を甲革部120に固定する構造となっている。また、足の踵側は、甲革部120における踵位置領域122dにより固定されるので、靴A2によれば、足は、ベルト状部340と、靴A2の踵部分により固定されることになる。
【0056】
本実施例の靴A2によれば、上記ベルト状部340が設けられているので、該ベルト状部340と、靴A2の踵部分により足を固定することになり、個人差や右足と左足の差異があっても適切に足を固定することができる。また、甲革部120で足のつま先側を固定する必要がなく、甲革部120の甲の高さや、甲革部120のつま先側の形状が足にぴったり接しなくてもよく、甲革部120のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、足のつま先に傷害が生じるおそれがない。また、甲革部120のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、成長期の人間が使用する場合でも、買い換える頻度が多くなることがない。また、買い換え頻度を少なくするために若干大きめの靴を購入しても、適切に足を固定するので、使い勝手が悪くなることがない。
【0057】
また、上記のように、足のつま先側は、ベルト状部340により固定され、甲革部120により固定する必要がないので、甲革部120のつま先側(特に、つま先位置領域122a)をソフトで伸縮性に富む素材で形成することが可能となる。甲革部120のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材とすることにより、足のつま先に傷害が生じるのを防止することができる。
【0058】
また、本実施例の靴A2によれば、靴の軽量化を図ることも可能となる。つまり、従来の靴における底部は、甲革部とともに足を包み込む目的があるため、底部も甲革部との固着強度等の点から所定の強度を必要とし、これによりある程度の重量を必要としたが、本実施例の靴A2によれば、底部110は甲革部120とそれほど強い固着強度を要せず、これにより、底部110の重量も極限にまで軽量化することが可能となる。
【0059】
本実施例の靴によれば、上記のように、靴のホールド性が高く、軽量化を図ることができるので、通常の靴は勿論、陸上競技等の競技用靴にも適している。
【0060】
また、本実施例の靴においては、既存の靴製造設備をそのまま利用できるので、新たな設備投資が必要ないという利点がある。
【0061】
次に、本発明の履き物としての第3実施例の靴A3について説明する。第3実施例における靴A3は、上記第1実施例、第2実施例とは異なり、踵のないタイプである。
【0062】
すなわち、第3実施例の靴A3は、図10に示すように、靴本体205と、ベルト状部440と、を有している。
【0063】
ここで、靴本体205は、底部210と、中底部215と、甲革部220と、踵用ベルト部230と、を有している。
【0064】
ここで、底部210は、いわゆる靴底を構成するものであり、つま先位置から踵位置まで形成されている。また、中底部215は、靴の内側の底部を構成するものである。
【0065】
また、甲革部220は、該底部210上に設けられていて、靴を履いた状態では、中底部215上の足の甲の部分をカバーする機能を有している。つまり、この甲革部220は、前側については、つま先を除く位置から、後側については、足の甲の後端位置までをカバーするものであり、足のつま先や、足の踝の位置や踵は、この甲革部220によってはカバーされない。
【0066】
また、ベルト状部440は、ベルト状を呈し、その大部分が、甲革部220の内部に設けられている。このベルト状部440は、上記第1実施例のベルト状部40と同様の構成となっている。
【0067】
つまり、ベルト状部440は、全体に閉ループ状を呈している。具体的には、ベルト状部440は、図10に示すように、ベルト本体部442と、留め具とを有している。このベルト本体部442は、上記第1実施例におけるベルト本体部42と同様の構成であり、また、該留め具は、上記第1実施例における留め具44と同様の構成であるので、その詳しい説明を省略する。
【0068】
このベルト状部440の甲革部220への取付け状態としては、甲革部220にベルト状部440を挿通するための一対の挿通穴224a等が設けられていて、この一対の挿通穴224a等にベルト状部440が挿通されている。つまり、甲革部220における中心位置を介した略対称位置(好適には対称位置)に一対の挿通穴が設けられ、この一対の挿通穴のうち、一方の挿通穴が挿通穴224aである。そして、この一対の挿通穴に、ベルト本体部442が挿通されている。ベルト状部440が甲革部220に取り付けられた状態では、ベルト本体部442における先端部が外部に露出していることになる。
【0069】
このベルト状部440の甲革部220への装着の仕方も、上記第1実施例と同様であり、ベルト状部440を甲革部220内に配置した状態で、先端部を挿通穴224a等から露出させるとともに、一方の先端部を留め具に挿通した後に折り返して該先端部の先端側と後端側とを固定する。
【0070】
なお、ベルト状部440は、図10に示すような構成であるとしたが、帯状形状を呈し、閉ループ形状のものであればよい。ただし、足との接触面積を大きくするためには、図10に示すような形状であることが好ましい。
【0071】
また、踵用ベルト部230は、帯状を呈し、該踵用ベルト部230の両側の各端部は、甲革部220の両側に固着されている。これにより、踵用ベルト部230は、U字状を呈している。なお、この踵用ベルト部230の一方の端部を甲革部220に対して着脱自在としてもよい。この踵用ベルト部230は、上記特許請求の範囲における踵保持部として機能する。
【0072】
上記構成の靴A3の使用状態について説明する。靴A3を履く場合には、該踵用ベルト部230と甲革部220により形成される空間部に足を入れた後、ベルト状部440に足を入れることにより、足に靴A3を装着する。靴A3を履く際には、ベルト状部440を緩めた状態にしておくことが好ましい。靴A3を履いた状態では、足はベルト状部440に挿通した状態となっていて、ベルト状部440における底部442aと、側部442b及びもう一方の側部(図示せず)が足に接触した状態となっている。また、踵用ベルト部230は、踵に係止させる。靴A3内に足を配置したら、ベルト状部440の締付け具合を調整して、ベルト状部440が足にぴったりと接触するようにする。靴A3を履いた状態では、図10に示すような状態となる。つまり、このベルト本体部442により、足の足囲を一周するようにして足の甲の位置と土踏まずの位置を直接包んだ状態とし、該ベルト状部440が挿通穴224a及び該挿通穴224aと対をなすもう一方の挿通穴に挿通された状態となっていることによって、結果として、足を甲革部220に固定する構造となっている。
【0073】
本実施例の靴A3によれば、上記ベルト状部440と踵用ベルト部230が設けられているので、該ベルト状部440と、踵用ベルト部230により足を固定することになり、甲革部220が足にぴったりとフィットしなくとも、適切に足を固定することが可能となる。これにより、甲革部220が足に対して大きめであっても、適切に足を固定することが可能となる。また、甲革部220を大きめにしておくことができるので、成長期の人間が使用する場合でも、買い換える頻度が多くなることがない。
【0074】
また、本実施例の靴においては、既存の靴製造設備をそのまま利用できるので、新たな設備投資が必要ないという利点がある。
【0075】
次に、本発明の履き物としての第4実施例の靴A4について説明する。第4実施例における靴A4は、上記第1実施例の靴A1と略同様の構成であるが、甲革部に1つの挿通穴が設けられ、ベルト状部の一方の端部が該挿通穴に挿通され、また、他方の端部は甲革部における該挿通穴が設けられた側とは反対の側に固着されている点が異なる。
【0076】
すなわち、第4実施例の靴A4は、図11、図12に示すように、靴本体505と、ベルト状部540と、中敷き部550と、を有している。
【0077】
ここで、靴本体505の構成は、上記第1実施例における靴本体5と同様の構成であるが、ベルト状部540を挿通するための挿通穴524が1つのみ設けられている点が異なる。
【0078】
つまり、靴本体505は、底部510と、中底部515と、甲革部520と、を有している。
【0079】
ここで、底部510は、いわゆる靴底を構成するものであり、つま先位置から踵位置まで形成されている。また、中底部515は、靴の内側の底部を構成するものである。
【0080】
また、甲革部520は、該底部510上に設けられていて、靴を履いた状態では、中底部515上の足をつま先位置から踵位置にまでカバーする機能を有している。この甲革部520をつま先位置側から踵位置側にかけて複数の領域に分けて捉えると、つま先位置領域522aと、甲位置領域522bと、踝(くるぶし)位置領域522cと、踵位置領域522dとから構成されているといえる。靴A4において、踵を保持する部分、つまり、中底部515の踵位置と甲革部520の踵位置領域522dとが上記特許請求の範囲における踵保持部に当たる。また、この甲革部520には、靴紐としての紐部546が設けられている。
【0081】
また、この甲革部520には、ベルト状部540を挿通するための挿通穴524が設けられている。つまり、甲革部520における甲位置領域522bの上部側の側部に挿通穴524が設けられている。なお、上記第1実施例では、一対の挿通孔が設けられているのに対して、本実施例では、1つの挿通孔が設けられている。
【0082】
また、ベルト状部540は、ベルト状を呈し、その大部分が靴A4の内部に設けられている。このベルト状部540は、ベルト本体部542と、第1固着手段546とを有している。このベルト本体部542は、平面状を呈する底部542aと、該底部542aの両側から立設した側部542b、542cと、側部542bの端部から連設された先端部542dとを有している。側部542bと側部542cは、底部542aから上側に行くに従い幅狭となる形状を呈している。また、先端部542dは、帯状を呈している。このベルト本体部542は、全体に一体に構成されている。また、該先端部542dの裏側、つまり、挿通穴524から外部に露出した先端部542dを下方へ折り返した場合の甲革部520側の面には、第1固着手段546が設けられている。また、甲革部520における挿通穴524より下方の外側の面には、第2固着手段548が設けられている。この第1固着手段546と第2固着手段548とは、例えば、一方の固着手段がフックテープとループテーブルのうちの一方で、他方の固着手段が他方となる。この第1固着手段と第2固着手段とで固着手段が構成される。つまり、先端部542dを第2固着手段548側に押しつけることにより、先端部542dが甲革部520に固着される。
【0083】
また、このベルト本体部542の側部542cの上端部分は甲革部520に固着されている。例えば、側部542cの上端部分と甲革部520の甲位置領域522bの上部側の側部とを縫いつけることにより、ベルト本体部542の端部と甲革部520とが固着されている。また、ベルト本体部542においては、底部542aと、側部542b、542cとは靴本体505内に存在するが、先端部542dは外部に露出した状態となっている。
【0084】
このベルト状部540の甲革部520への装着の仕方としては、ベルト状部540を靴本体505内に配置した状態で、側部542cの上端部分と甲革部520とを固着させるとともに、ベルト本体部542の先端部542dを挿通穴524から露出させる。
【0085】
なお、ベルト状部540は、上記のような構成であるとしたが、帯状形状を呈した形状のものであればよい。ただし、足との接触面積を大きくするためには、上述した形状であることが好ましい。
【0086】
また、中敷き部550は、シート状を呈し、靴A4の内部に設けられている。つまり、この中敷き部550は、足型を呈し、靴A4の内部にぴったりとはまりこむ形状を呈している。この中敷き部550は、通常の中敷きと同様の構成である。なお、この中敷き部550は、靴A4に装着された状態では、ベルト本体部542の底部542aの上に積層した状態で設けられる。つまり、中敷き部550は、ベルト状部540に挿通した状態で靴A4内に設けられている。
【0087】
上記構成の靴A4の使用状態について説明する。靴A4を履く場合には、従来からの靴と同様に、甲革部520の開口部Kに足を入れた後、ベルト状部540により形成される空間内にも足を入れることにより、足に靴A4を装着する。靴A4を履く際には、ベルト状部540を緩めた状態にしておくことが好ましい。靴A4を履いた状態では、ベルト状部540に挿通されている中敷き部550と、ベルト状部540における側部542b、542cとが、足に接触した状態となっている。靴A4内に足を配置したら、先端部542dを引っ張って調整することによりベルト状部540による締付け具合を調整して、ベルト状部540が足にぴったりと接触するようにする。そして、先端部542dを適切な位置で甲革部520側に固着させる。
【0088】
つまり、このベルト本体部542と甲革部520の一部とにより、足の足囲を一周するようにして足の甲の位置と土踏まずの位置を直接包んだ状態とし、該ベルト状部540の一方の端部が甲革部520に固着され、また、他方の端部が挿通穴524に挿通された状態となっていることによって、結果として、足を甲革部520に固定する構造となっている。また、足の踵側は、甲革部520における踵位置領域522dにより固定されるので、靴A4によれば、足は、ベルト状部540と、靴A4の踵部分により固定されることになる。
【0089】
本実施例の靴A4によれば、上記ベルト状部540が設けられているので、該ベルト状部540と、靴A4の踵部分により足を固定することになり、個人差や右足と左足の差異があっても適切に足を固定することができる。また、甲革部520で足のつま先側を固定する必要がなく、甲革部520の甲の高さや、甲革部520のつま先側の形状が足にぴったり接しなくてもよく、甲革部520のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、足のつま先に傷害が生じるおそれがない。また、甲革部520のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、成長期の人間が使用する場合でも、買い換える頻度が多くなることがない。また、買い換え頻度を少なくするために若干大きめの靴を購入しても、適切に足を固定するので、使い勝手が悪くなることがない。
【0090】
また、上記のように、足のつま先側は、ベルト状部540により固定され、甲革部520により固定する必要がないので、甲革部520のつま先側(特に、つま先位置領域522a)をソフトで伸縮性に富む素材で形成することが可能となる。甲革部520のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材とすることにより、足のつま先に傷害が生じるのを防止することができる。
【0091】
また、本実施例の靴A4によれば、靴の軽量化を図ることも可能となる。つまり、従来の靴における底部は、甲革部とともに足を包み込む目的があるため、底部も甲革部との固着強度等の点から所定の強度を必要とし、これによりある程度の重量を必要としたが、本実施例の靴A4によれば、底部510は甲革部520とそれほど強い固着強度を要せず、これにより、底部510の重量も極限にまで軽量化することが可能となる。
【0092】
本実施例の靴によれば、上記のように、靴のホールド性が高く、軽量化を図ることができるので、通常の靴は勿論、陸上競技等の競技用靴にも適している。
【0093】
また、本実施例の靴においては、既存の靴製造設備をそのまま利用できるので、新たな設備投資が必要ないという利点がある。
【0094】
なお、上記の説明において、ベルト状部40、240、440、540における固着手段としては、フックテープとループテープを例に取って説明したが、他の固着手段を用いてもよい。他の固着手段としては、ホック等が考えられる。
【0095】
また、上記第1実施例、第2実施例、第4実施例において、中敷き部は、ベルト状部に挿通した状態であるとして説明したが、中敷き部はベルト状部の下側に配置してもよい。また、中敷き部は省略してもよい。
【0096】
また、上記第1実施例において、図1〜図4等においては、留め具44は靴の右側に設けられ、ベルト状部40における先端部42dの端部は靴の左側を向くように構成されているが、他の靴はこれと対称にするのが好ましい。つまり、図1〜図4に示す靴は右足用の靴であるが、左足用の靴では、これと対称にして、留め具44は靴の左側に設けられ、ベルト状部40における先端部42dの端部は靴の右側を向くように構成する。つまり、ベルト状部を締める際には、先端部をともに内側に引っ張ることになる。また、上記の例とは逆の構成としてもよい。つまり、右足用の靴については、留め具44は靴の左側に設けられ、ベルト状部40における先端部42dの端部は靴の右側を向くように構成し、左足用の靴については、留め具44は靴の右側に設けられ、ベルト状部40における先端部42dの端部は靴の左側を向くように構成する。この場合には、ベルト状部を締める際には、先端部をともに外側に引っ張ることになる。なお、これらの点は、上記第3実施例においても同様である。
【0097】
また、上記第4実施例において、図11、図12に示す靴は左足用の靴であり、先端部542dは左側に引っ張る構成となっているが、右足用の靴については、左右対称の構成として、靴の左側においてベルト本体部の端部を甲革部に固定し、靴の右側において先端部を露出させて、先端部を右側に引っ張る構成とするのが好ましい。また、上記の例とは逆の構成としてもよい。つまり、左足用の靴については、靴の左側においてベルト本体部の端部を甲革部に固定し、靴の右側において先端部を露出させて、先端部を右側に引っ張る構成とし、右足用の靴については、靴の右側においてベルト本体部の端部を甲革部に固定し、靴の左側において先端部を露出させて、先端部を左側に引っ張る構成とする。
【0098】
【発明の効果】
本発明に基づく履き物によれば、ベルト状部と、踵保持部等の踵を保持する手段を有しているので、これらにより足を固定することができ、個人差や右足と左足の差異があっても適切に足を固定することができる。また、甲革部で足のつま先側を固定する必要がなく、甲革部の甲の高さや、甲革部のつま先側の形状が足にぴったり接しなくてもよく、甲革部のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、足のつま先に傷害が生じるおそれがない。また、甲革部のつま先側は若干大きめにしておくことができるので、成長期の人間が使用する場合でも、買い換える頻度が多くなることがない。また、買い換え頻度を少なくするために若干大きめの靴を購入しても、適切に足を固定するので、使い勝手が悪くなることがない。また、上記のように、足のつま先側は、ベルト状部により固定され、甲革部により固定する必要がないので、甲革部のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材で形成することが可能となる。甲革部のつま先側をソフトで伸縮性に富む素材とすることにより、足のつま先に傷害が生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に基づく靴の構成を示す側面図である。
【図2】本発明の第1実施例に基づく靴の構成を示す一部破断斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例に基づく靴の構成を示す平面図である。
【図4】図3におけるW−W断面図である。
【図5】ベルト状部の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施例に基づく靴の使用状態を示す側面図である。
【図7】ベルト状部の他の例の構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施例に基づく靴の構成を示す側面図である。
【図9】本発明の第2実施例に基づく靴の構成を示す図であり、(a)はその斜視図であり、(b)は靴本体の構成を示し斜視図である。
【図10】本発明に基づく第3実施例の靴の構成を示す側面図である。
【図11】本発明の第4実施例に基づく靴の構成を示す側面図である。
【図12】図11におけるZ−Z断面図である。
【符号の説明】
A1、A2、A3、A4 靴
5、105、205、505 靴本体
20、120、220、520 甲革部
40、140、240、340、440、540 ベルト状部
42、142、242、342、442、542 ベルト本体部
46、546、548 固着手段

Claims (10)

  1. 履き物であって、
    足の少なくとも甲の領域を被覆するための甲革部と、
    甲革部における上部の領域で、足の甲に対応する領域に取り付けられベルト状部で、該履き物を履いた状態では、少なくとも、足の両側部の一部と足の裏の一部を包むためのベルト状部と、
    足の踵を保持する踵保持部と、
    を有することを特徴とする履き物。
  2. 上記甲革部には挿通穴が設けられていて、上記ベルト状部の一方の端部が甲革部の内部において甲革部に固着され、また、ベルト状部の他方の端部が該挿通穴から露出しており、また、履き物には、該ベルト状部の他方の端部を甲革部に固定するための固着手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の履き物。
  3. 履き物であって、
    足の少なくとも甲の領域を被覆するための甲革部と、
    甲革部における上部の領域で、足の甲に対応する領域に取り付けられベルト状部で、全体で閉ループ状を呈し、該ベルト状部の一部が甲革部の外部に露出しているベルト状部と、
    足の踵を保持する踵保持部と、
    を有することを特徴とする履き物。
  4. 上記履き物が靴であり、上記甲革部が、足のつま先から踵までを被覆する形状を有していることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の履き物。
  5. 上記ベルト状部が、全体で閉ループ状を呈し、該ベルト状部の一部が甲革部の外部に露出していることを特徴とする請求項1又は4に記載の履き物。
  6. 上記ベルト状部は、上記ベルト状部の内径を調整するための調整部を有することを特徴とする請求項1又は3又は4又は5に記載の履き物。
  7. 上記ベルト状部における甲革部内に存在する部分である甲革部内構成部と、該甲革部内構成部の端部間に存在する甲革部の一部とで形成される空間部の大きさを調整するための調整部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の履き物。
  8. 靴としての履き物であって、
    足のつま先から踵までを被覆する形状を有している甲革部と、
    該甲革部における上部の領域で、足の甲に対応する領域に取り付けられベルト状部で、全体で閉ループ状を呈し、該ベルト状部の一部が甲革部の外部に露出しているベルト状部で、該ベルト状部の内径を調整するための調整部を有するベルト状部と、
    を有することを特徴とする履き物。
  9. 上記甲革部に一対の挿通穴が設けられ、上記ベルト状部を該挿通穴に挿通することにより、上記ベルト状部が甲革部に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は3又は4又は5又は6又は7又は8に記載の履き物。
  10. 上記甲革部に一対の切込み部又は切欠部が設けられ、上記ベルト状部を該切込み部又は切欠部に挿通することにより、上記ベルト状部が甲革部に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は3又は4又は5又は6又は7又は8に記載の履き物。
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