JP2004321021A - 残留農薬除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鮮度及び商品価値を損なわずに、農作物に残留する農薬の略全体を確実且つ効率よく短時間で除去することができる残留農薬除去方法を提供する。
【解決手段】農薬Zが使用された農作物A(例えばホウレン草のような軟弱野菜)の略全体を、処理槽2に貯液された洗浄液B中に浸漬して、農作物Aに残留する農薬Zを分離するのに最適な周波数(例えば略28Khz)の超音波振動を超音波振動子3…から発振させ、超音波振動子3…が発振する超音波振動で、農作物Aに残留(例えば表面付着、表皮固着等)する略90%近く又は略90%以上の農薬Zを確実且つ効率よく分離及び除去する。
【選択図】 図1
【解決手段】農薬Zが使用された農作物A(例えばホウレン草のような軟弱野菜)の略全体を、処理槽2に貯液された洗浄液B中に浸漬して、農作物Aに残留する農薬Zを分離するのに最適な周波数(例えば略28Khz)の超音波振動を超音波振動子3…から発振させ、超音波振動子3…が発振する超音波振動で、農作物Aに残留(例えば表面付着、表皮固着等)する略90%近く又は略90%以上の農薬Zを確実且つ効率よく分離及び除去する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばホウレン草や白菜、レタス、トマト、ネギ等の軟弱な野菜、胡瓜や人参、茄子、芋等のやや硬い野菜、ミカンやリンゴ、レモン等の果物、穀物(米や麦)、その他の農作物(果菜物を含む)等の農作物に残留する農薬を洗浄除去する作業に用いられる残留農薬除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述の農作物に使用される農薬は、例えば殺虫剤や殺菌剤、除草剤などその用途及び種類が多種多様であり、農作物及び品種によっても使用する農薬が異なることが多い。おしなべて言及することは困難であるが、それらを大別すると、例えば図2及び図3に示す農薬Zが農作物Aの表皮Aaに付着した表面付着と、クチクラ層Abに浸透した表皮固着と、農作物Aの内部Acにまで浸透する内部浸透とがある。このうち、果実類においては、表面付着及び表皮固着の残留農薬Zを合わせると略8割〜略9割以上とされ、洗浄作業によって略15%〜略85%の残留農薬Zを除去することができるが、例えば有機塩素化合物系の残留農薬Zを植物抽出物から除去する場合、有機塩素化合物系の残留農薬Zを含有する植物抽出物を、低級脂肪族アルコールと水との混合液に溶解させ、その得られた溶液中に含まれる残留農薬Zを、多孔性吸着樹脂に吸着させて除去する特許文献1の残留農薬除去方法がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−72790号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の農薬Zが使用された大量の農作物Aから残留農薬Zを効率よく除去する場合、例えば大型の洗浄装置、大量の洗浄水等が必要であるが、広い設置スペースが必要であるため、設置場所の確保がむずかしく、装置自体が高価であるため、生産者が個々の所有することは容易でない。且つ、上述の洗浄装置を用いずに、大量の農作物Aを洗浄処理する場合、洗浄作業に手間及び時間が掛かる。また、農作物Aに残留する農薬Zを検査する検査装置も上述の洗浄装置と同様に高価なものであるため、生産者が個々に所有するには経済的負担が大きく、例えば組合や組織、グループが管理する共同施設等に設置するのが望ましい。
【0005】
また、一般に行われているのは通常の水道水をタンクに貯留し、漬け置き洗いする方法及びタンク中に気泡を発生させて洗浄する方法がある。しかし、ホウレン草を対象に2分程度洗浄を行ったところ、略50%程度の農薬除去にとどまった。且つ、農作物Aに内部浸透してない表皮付着型の農薬Zは略8割以上が水洗いとブラッシングで除去されるという報告が、農水省、環境庁の農薬残留対策調査成績(1971〜1981)によりなされているが、例えば図2に示すホウレン草や白菜、レタス等の軟弱な農作物Aに残留する農薬Zを、例えはブラッシングやワイピング等の除去作業で除去しようとした場合、農作物Aの表皮Aaや表層等が傷付いたり、剥離したりして、商品価値が損なわれるため、軟弱な農作物Aの洗浄方法としては不適切である。
【0006】
この発明は上記問題に鑑み、農薬が使用された農作物を処理槽内の洗浄液中に浸漬して、超音波振動子が発振する農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動で分離及び除去することにより、鮮度及び商品価値を損なわずに、農作物に残留する農薬の略全体を確実且つ効率よく短時間で除去することができる残留農薬除去方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、農薬が使用された農作物を処理槽に貯液した洗浄液中に浸漬して、該農作物に残留する農薬を、上記処理槽に設けた超音波振動子が発振する上記農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動により分離及び除去する残留農薬除去方法であることを特徴とする。
【0008】
上述の農薬は、例えばアグロスリンやDDT、EPN、アセフェート、クロルピリホス、シペルメトリン、ジメトエート、臭素、バミトチオン、フェニトロチオン、フェントエート、フェンバレレート、プロチオホス、マラチオン、メタミドホス等の食品衛生法に定められた農薬がある。また、農作物は、例えばホウレン草や白菜、レタス、トマト、ネギ等の軟弱な野菜、胡瓜や人参、茄子、芋等のやや硬い野菜、ミカンやリンゴ、レモン等の表皮が硬い果物、穀物(米や麦)、その他の農作物(果菜物を含む)等がある。
【0009】
また、洗浄液は、例えば略3リッターの水に希釈済み中性洗剤を略1cc添加又は混合したもの、或いは、水道水や電解液、蒸留水、天然水、真水、温水、πウォーター、有機溶剤、中性洗剤、アルカリ洗剤等の単一又は混合したものが用いられる。且つ、農薬及び農作物の種類に応じて、農薬を除去するのに適した濃度及び混合比の洗浄液を用いることもできる。また、超音波振動子は、例えばセラミック電歪型振動子やPZT電歪型振動子、投入型振動子等の単一又は複合したものが用いられる。
【0010】
つまり、農薬が使用された農作物(例えばホウレン草のような軟弱野菜)を処理槽に貯液した洗浄液中に浸漬し、処理槽に設けた超音波振動子が発生する農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動で洗浄液中に微細な気泡を多数発生させ、その気泡が破裂するときに発生する衝撃波(キャビテーション)で、図2及び図3に示す農作物Aの表皮Aaに表面付着及びクチクラ層Abに浸透して表皮固着している略90%近くの残留農薬を分離除去する。
【0011】
実施の形態として、上記農作物に残留する農薬の種類と略対応して設けた複数の超音波振動子から該各農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動を発振することができる。また、上記超音波振動子が発振する超音波振動の周波数を、上記農作物に残留する農薬の種類に応じて該農薬を除去するのに適した周波数に周波数変更手段(例えば手動式又は自動周波数変更機能付きの周波数変更装置)で可変調節することができる。また、上記洗浄液を、上記農作物に残留する農薬を除去するのに適した温度に温度調節手段(例えば手動式又は自動温度調節機能付きの温度調節装置)で可変調節することができる。
【0012】
【作用及び効果】
この発明によれば、処理槽に貯液された洗浄液中において、農作物に残留する農薬を、超音波振動子が発振する農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動により洗浄除去処理するので、農作物の表皮や表層等が傷付いたり、剥離したりせず、洗浄前の鮮度及び商品価値を損なうことなく、農作物に残留する農薬の略全体(略90%近く)を確実且つ効率よく短時間で除去することができ、従来の農薬除去方法よりも農薬による影響が少ない農作物が短い時間及び期間で得られる。且つ、例えはブラッシングやワイピング等の除去作業に不向きな農作物、例えばホウレン草や白菜、レタス等の軟弱な農作物(野菜及び果物)に残留する農薬を分離及び除去するのに最適である。
【0013】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、農作物に残留する農薬を除去する作業に用いられる残留農薬除去方法を示し、図1に於いて、この残留農薬除去方法1は、農薬Zが使用された図2に示す農作物A(例えばホウレン草のような軟弱野菜)を、処理槽2に貯液された洗浄液B中に直接浸漬するか、後述する浸漬容器2aに収容したまま浸漬した後、農作物Aに残留(例えば表面付着、表皮固着等)する略90%近くの農薬Zを、処理槽2の底部及び側部に設けた超音波振動子3…が発振する超音波振動により分離及び除去する。また、略90%以上の農薬Zを分離及び除去することも可能である。
【0014】
上述の処理槽2は、一つ又は複数の農作物Aが収容可能な大きさ及び容積に形成され、農薬Zを除去するのに適した種類及び濃度の洗浄液Bを、処理槽2に収容された農作物Aの略全体が浸漬される液レベルに貯液する。且つ、農作物Aに残留する農薬Zの種類に応じて、その農薬Zを分離するのに最適な周波数(例えば略28Khz)の超音波振動を発振する一つ又は複数の超音波振動子3を、処理槽2の底部及び側部に設けている。また、超音波振動子3の発振時間をタイマーで設定して、農薬Zを除去するのに最適な周波数の超音波振動を所定時間毎に発振してもよい。
【0015】
且つ、浸漬容器2aは、一つ又は複数の農作物Aが収容可能な大きさ及び形状に形成(例えばバケット型やカゴ型等)され、洗浄液Bの浸透及び侵入、流通等が許容される構造(例えば網目型やネット型、パンチング型等)を有している。
【0016】
前述の洗浄液Bは、例えば略3リットルの水に希釈済み中性洗剤1ccを添加(混合)したものを使用する。また、例えば水道水や電解液、蒸留水、天然水、真水、温水、πウォーター、有機溶剤、中性洗剤、アルカリ洗剤等の単一又は混合したものを使用してもよい。
【0017】
且つ、超音波振動子3に接続した周波数変更装置4は、超音波振動子3が発振する超音波振動の周波数を、農作物Aに残留する農薬Zを除去するのに適した周波数に可変調節する。つまり、超音波振動子3が発振する超音波振動の周波数を、農薬Z及び洗浄液Bの種類に応じて、農薬Zを除去するのに最適な周波数(例えば略28Khz以下及び略28Khz以上)に可変調節する。また、周波数変更装置4による周波数の変更時間をタイマーで設定して、農薬Zを除去するのに最適な周波数の超音波振動を所定時間毎に発振するか、農薬Z…の種類と略対応して、農薬Z…を除去するのに最適な周波数の超音波振動を所定時間毎に発振してもよい。
【0018】
且つ、農作物Aに残留する農薬Zの種類が複数である場合、農薬Z…の種類と略対応して、農薬Z…を除去するのに適した周波数の超音波振動を発振する超音波振動子3を、処理槽2の底部及び側部に複数設けてもよく、これら超音波振動子3…が発振する超音波振動を、農作物Aに残留する農薬Z…の種類に応じて、農薬Zを除去するのに最適な周波数に設定しているので、農作物Aに残留する複数の農薬Zを確実且つ効率よく除去処理することができる。また、超音波振動子3…の発振時間をタイマーで設定することもできる。
【0019】
且つ、洗浄処理に使用された洗浄液Bを処理槽2外部に排出する排出路5の一端側を、処理槽2底部に接続し、その排出路5の他端側を、バルブ6及びポンプ7、フィルター8を介して、洗浄処理に使用された洗浄液Bを回収(再生も含む)及び洗浄液Bに混入する農薬Zを分離する農薬分離回収装置9上部に接続している。且つ、洗浄処理に必要とする所定量の洗浄液Bを処理槽2内部に返還する返還路10の一端側を、農薬分離回収装置9底部に接続し、その返還路10の他端側を、バルブ11及びポンプ12、フィルター13を介して、処理槽2上部に接続している。
【0020】
且つ、返還路10に設けた温度調節装置14は、洗浄液Bの温度を、農作物Aに残留する1種の農薬Z又は複数種の農薬Z…の種類に応じて、その農薬Zを除去するのに適した温度に可変調節する。
【0021】
上述の残留農薬除去方法1による農作物Aに残留する農薬Zの除去方法及び農薬Zの測定方法を説明する。
【0022】
【0023】
つまり、図1に示すように、上述の濃度を有する希釈農薬Z(例えばアグロスリ)が使用された農作物A(例えばホウレン草のような略25gの軟弱野菜、)を浸漬容器2aに収容して、農作物Aが収容された浸漬容器2aの略全体を、処理槽2に貯液された洗浄液B中に浸漬した後、予め設定した洗浄時間(略10分)、農作物Aに残留する農薬Zを分離するのに最適な周波数(例えば略28Khz)の超音波振動を、処理槽2に設けた超音波振動子3…から略同時に発振させ、超音波振動子3…が連続的又は断続的に発振する超音波振動で洗浄液B中に微細な気泡を多数発生させる。
【0024】
且つ、微細な気泡を、洗浄液B中に浸漬した農作物Aの略全体が略均一に包み込まれる状態に発生させ、その気泡が破裂するときに発生する衝撃波(キャビテーション)で、図2に示す農作物Aの表皮Aaに表面付着している略90%近くの農薬Z、或いは、図3に示す農作物Aの表皮Aaに表面付着及びクチクラ層Abに浸透して表皮固着している略90%近くの残留農薬Zを短時間で分離及び除去する。或いは、農薬Zが残留する農作物Aの一部を、洗浄液B中に部分浸漬して分離及び除去してもよい。
【0025】
洗浄除去後において、洗浄済みの農作物Aが収容された浸漬容器2aを洗浄液B中から取り出し、処理槽2外部に搬出した浸漬容器2aから洗浄済みの農作物Aを取り出して、次工程(例えば仕分け工程や箱詰め工程、出荷工程等)に供給する。
【0026】
上述の実施例では、農作物Aの洗浄時間を、略10分に設定しているが、例えば農薬Z及び洗浄液Bの種類に応じて、農薬Zを除去するのに最適な洗浄時間(略10分以下及び略10分以上)に設定又は変更してもよい。
【0027】
且つ、農作物A自体を、処理槽2に貯液された洗浄液B中に直接浸漬して洗浄処理してもよい。また、未洗浄の農作物Aを、洗浄液Bが貯液されるまえの処理槽2に収容し、洗浄液Bを、農作物Aの略全体が浸漬される液レベルに貯液してから洗浄処理を行った後、処理槽2に貯液された洗浄液Bを槽外部に排出及び回収した後、洗浄済みの農作物Aを処理槽2外部に取り出してもよい。
【0028】
次に、上述の残留農薬除去方法1による洗浄結果1及び洗浄結果2を説明する。
【0029】
(洗浄結果2)
対象野菜 ホウレン草「無農薬栽培」
対象農薬 アグロスリン2000倍「略5分浸漬」
農薬散布日 2003年3月25日
野菜収穫日 2003年3月25日
サンプル数 3
サンプル処理 含量mg/kg
超音波洗浄なし 略3.85mg/kg
超音波洗浄「略10分」 略0.41mg/kg
上述の洗浄結果1及び2からも明らかなように、例えば洗浄なし、水や電解液で洗浄、超音波洗浄なし等の洗浄方法に比べて、本発明の農薬Zが使用された農作物Aを洗浄液B中に浸漬し、超音波振動子3…が発振する農薬Zを除去するのに適した周波数の超音波振動により洗浄する洗浄方法の方が、洗浄効果に優れていることが明白である。
【0030】
以上のように、処理槽2に貯液された洗浄液B中において、農作物Aに残留する農薬Zを、超音波振動子3…が発振する農薬Zを除去するのに適した周波数の超音波振動により洗浄除去処理するので、農作物Aの表皮Aaや表層等が傷付いたり、剥離したりせず、洗浄前の鮮度及び商品価値を損なうことなく、農作物Aに残留する農薬Zの略全体(略90%近く又は略90%以上)を確実且つ効率よく短時間で除去することができ、従来の農薬除去方法よりも農薬Zによる影響が少ない農作物Aが短い時間及び期間で得られる。且つ、例えはブラッシングやワイピング等の除去作業に不向きな農作物Aとして、例えばホウレン草や白菜、レタス等の軟弱な農作物Aに残留する農薬Zを分離及び除去するのに最適である。
【0031】
且つ、農作物Aに残留する農薬Z…の種類と略対応して、農薬Z…を除去するのに適した周波数の超音波振動を超音波振動子3…で発振或いはその周波数を周波数変更装置4で可変調節するか、洗浄液Bの温度を、農薬Zを除去するのに適した温度に温度調節装置14で可変調節する等して、洗浄効果の向上を図ることができる。
【0032】
図4は、農薬Zが使用された農作物Aを吊下げコンベア15で吊下げ搬送しながら洗浄処理する残留農薬除去方法1の他の例を示し、一つ又は複数の農作物Aが収容可能な大きさ及び形状に形成(例えばバケット型やトレイ型、皿型等)した収容部16…を、横長形状を有する処理槽2上部に架設した吊下げコンベア15の長さ方向に対して所定間隔に隔てて複数吊設し、農薬Zが使用された農作物A…を、吊下げコンベア15に吊設された収容部16…に収容して図中矢印方向に移動及び搬送し、処理槽2に貯液された洗浄液B中に浸漬して、超音波振動子3…が発振する洗浄液Bの超音波振動により農作物Aに残留する残留農薬Zを分離除去した後、洗浄済みの農作物Aを洗浄液B中から取り出し、処理槽2外部に搬出して次工程に供給するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0033】
且つ、農作物A…に残留する農薬Zを分離除去する作業が連続して行え、作業の省力化及び能率アップを図ることができる。なお、収容部16は、洗浄液Bの浸透及び侵入が許容される構造(例えば網目型やネット型、パンチング型等)を有している。
【0034】
図5は、農薬Zが使用された農作物Aを載置コンベア17で搬送しながら洗浄処理する残留農薬除去方法1のその他の例を示し、農薬Zが使用された農作物Aを、搬送コンベア17上に配設された載置部18…に載置して図中矢印方向に移動及び搬送し、処理槽2に貯液された洗浄液B中に浸漬して、超音波振動子3…が発振する洗浄液Bの超音波振動により農作物Aに残留する残留農薬Zを分離除去した後、洗浄済みの農作物Aを洗浄液B中から取り出して、処理槽2外部に搬出して次工程に供給するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0035】
なお、前述の農作物Aを、例えば作業者の手やロボットアームで移動するか、昇降装置(エレベーター)で昇降する等して、未洗浄の農作物Aを処理槽2の洗浄液B中に浸漬するか、洗浄済み農作物Aを処理槽2内の洗浄液Bから取り出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】残留農薬洗浄方法による残留農薬の除去方法を示す説明図。
【図2】農薬の残留状態を示す軟弱農作物の断面図。
【図3】農薬の残留状態を示すやや硬い農作物の断面図。
【図4】農作物を搬送しながら洗浄する他の洗浄方法を示す説明図。
【図5】農作物を搬送しながら洗浄するその他の洗浄方法を示す説明図。
【符号の説明】
A…農作物
Aa…表皮
Ab…クチクラ層
Ac…内部
B…洗浄液
Z…農薬
1…残留農薬除去方法
2…処理槽
3…超音波振動子
4…周波数変更装置
14…温度調節装置
15…吊下げコンベア
17…載置コンベア
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばホウレン草や白菜、レタス、トマト、ネギ等の軟弱な野菜、胡瓜や人参、茄子、芋等のやや硬い野菜、ミカンやリンゴ、レモン等の果物、穀物(米や麦)、その他の農作物(果菜物を含む)等の農作物に残留する農薬を洗浄除去する作業に用いられる残留農薬除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述の農作物に使用される農薬は、例えば殺虫剤や殺菌剤、除草剤などその用途及び種類が多種多様であり、農作物及び品種によっても使用する農薬が異なることが多い。おしなべて言及することは困難であるが、それらを大別すると、例えば図2及び図3に示す農薬Zが農作物Aの表皮Aaに付着した表面付着と、クチクラ層Abに浸透した表皮固着と、農作物Aの内部Acにまで浸透する内部浸透とがある。このうち、果実類においては、表面付着及び表皮固着の残留農薬Zを合わせると略8割〜略9割以上とされ、洗浄作業によって略15%〜略85%の残留農薬Zを除去することができるが、例えば有機塩素化合物系の残留農薬Zを植物抽出物から除去する場合、有機塩素化合物系の残留農薬Zを含有する植物抽出物を、低級脂肪族アルコールと水との混合液に溶解させ、その得られた溶液中に含まれる残留農薬Zを、多孔性吸着樹脂に吸着させて除去する特許文献1の残留農薬除去方法がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−72790号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の農薬Zが使用された大量の農作物Aから残留農薬Zを効率よく除去する場合、例えば大型の洗浄装置、大量の洗浄水等が必要であるが、広い設置スペースが必要であるため、設置場所の確保がむずかしく、装置自体が高価であるため、生産者が個々の所有することは容易でない。且つ、上述の洗浄装置を用いずに、大量の農作物Aを洗浄処理する場合、洗浄作業に手間及び時間が掛かる。また、農作物Aに残留する農薬Zを検査する検査装置も上述の洗浄装置と同様に高価なものであるため、生産者が個々に所有するには経済的負担が大きく、例えば組合や組織、グループが管理する共同施設等に設置するのが望ましい。
【0005】
また、一般に行われているのは通常の水道水をタンクに貯留し、漬け置き洗いする方法及びタンク中に気泡を発生させて洗浄する方法がある。しかし、ホウレン草を対象に2分程度洗浄を行ったところ、略50%程度の農薬除去にとどまった。且つ、農作物Aに内部浸透してない表皮付着型の農薬Zは略8割以上が水洗いとブラッシングで除去されるという報告が、農水省、環境庁の農薬残留対策調査成績(1971〜1981)によりなされているが、例えば図2に示すホウレン草や白菜、レタス等の軟弱な農作物Aに残留する農薬Zを、例えはブラッシングやワイピング等の除去作業で除去しようとした場合、農作物Aの表皮Aaや表層等が傷付いたり、剥離したりして、商品価値が損なわれるため、軟弱な農作物Aの洗浄方法としては不適切である。
【0006】
この発明は上記問題に鑑み、農薬が使用された農作物を処理槽内の洗浄液中に浸漬して、超音波振動子が発振する農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動で分離及び除去することにより、鮮度及び商品価値を損なわずに、農作物に残留する農薬の略全体を確実且つ効率よく短時間で除去することができる残留農薬除去方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、農薬が使用された農作物を処理槽に貯液した洗浄液中に浸漬して、該農作物に残留する農薬を、上記処理槽に設けた超音波振動子が発振する上記農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動により分離及び除去する残留農薬除去方法であることを特徴とする。
【0008】
上述の農薬は、例えばアグロスリンやDDT、EPN、アセフェート、クロルピリホス、シペルメトリン、ジメトエート、臭素、バミトチオン、フェニトロチオン、フェントエート、フェンバレレート、プロチオホス、マラチオン、メタミドホス等の食品衛生法に定められた農薬がある。また、農作物は、例えばホウレン草や白菜、レタス、トマト、ネギ等の軟弱な野菜、胡瓜や人参、茄子、芋等のやや硬い野菜、ミカンやリンゴ、レモン等の表皮が硬い果物、穀物(米や麦)、その他の農作物(果菜物を含む)等がある。
【0009】
また、洗浄液は、例えば略3リッターの水に希釈済み中性洗剤を略1cc添加又は混合したもの、或いは、水道水や電解液、蒸留水、天然水、真水、温水、πウォーター、有機溶剤、中性洗剤、アルカリ洗剤等の単一又は混合したものが用いられる。且つ、農薬及び農作物の種類に応じて、農薬を除去するのに適した濃度及び混合比の洗浄液を用いることもできる。また、超音波振動子は、例えばセラミック電歪型振動子やPZT電歪型振動子、投入型振動子等の単一又は複合したものが用いられる。
【0010】
つまり、農薬が使用された農作物(例えばホウレン草のような軟弱野菜)を処理槽に貯液した洗浄液中に浸漬し、処理槽に設けた超音波振動子が発生する農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動で洗浄液中に微細な気泡を多数発生させ、その気泡が破裂するときに発生する衝撃波(キャビテーション)で、図2及び図3に示す農作物Aの表皮Aaに表面付着及びクチクラ層Abに浸透して表皮固着している略90%近くの残留農薬を分離除去する。
【0011】
実施の形態として、上記農作物に残留する農薬の種類と略対応して設けた複数の超音波振動子から該各農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動を発振することができる。また、上記超音波振動子が発振する超音波振動の周波数を、上記農作物に残留する農薬の種類に応じて該農薬を除去するのに適した周波数に周波数変更手段(例えば手動式又は自動周波数変更機能付きの周波数変更装置)で可変調節することができる。また、上記洗浄液を、上記農作物に残留する農薬を除去するのに適した温度に温度調節手段(例えば手動式又は自動温度調節機能付きの温度調節装置)で可変調節することができる。
【0012】
【作用及び効果】
この発明によれば、処理槽に貯液された洗浄液中において、農作物に残留する農薬を、超音波振動子が発振する農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動により洗浄除去処理するので、農作物の表皮や表層等が傷付いたり、剥離したりせず、洗浄前の鮮度及び商品価値を損なうことなく、農作物に残留する農薬の略全体(略90%近く)を確実且つ効率よく短時間で除去することができ、従来の農薬除去方法よりも農薬による影響が少ない農作物が短い時間及び期間で得られる。且つ、例えはブラッシングやワイピング等の除去作業に不向きな農作物、例えばホウレン草や白菜、レタス等の軟弱な農作物(野菜及び果物)に残留する農薬を分離及び除去するのに最適である。
【0013】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、農作物に残留する農薬を除去する作業に用いられる残留農薬除去方法を示し、図1に於いて、この残留農薬除去方法1は、農薬Zが使用された図2に示す農作物A(例えばホウレン草のような軟弱野菜)を、処理槽2に貯液された洗浄液B中に直接浸漬するか、後述する浸漬容器2aに収容したまま浸漬した後、農作物Aに残留(例えば表面付着、表皮固着等)する略90%近くの農薬Zを、処理槽2の底部及び側部に設けた超音波振動子3…が発振する超音波振動により分離及び除去する。また、略90%以上の農薬Zを分離及び除去することも可能である。
【0014】
上述の処理槽2は、一つ又は複数の農作物Aが収容可能な大きさ及び容積に形成され、農薬Zを除去するのに適した種類及び濃度の洗浄液Bを、処理槽2に収容された農作物Aの略全体が浸漬される液レベルに貯液する。且つ、農作物Aに残留する農薬Zの種類に応じて、その農薬Zを分離するのに最適な周波数(例えば略28Khz)の超音波振動を発振する一つ又は複数の超音波振動子3を、処理槽2の底部及び側部に設けている。また、超音波振動子3の発振時間をタイマーで設定して、農薬Zを除去するのに最適な周波数の超音波振動を所定時間毎に発振してもよい。
【0015】
且つ、浸漬容器2aは、一つ又は複数の農作物Aが収容可能な大きさ及び形状に形成(例えばバケット型やカゴ型等)され、洗浄液Bの浸透及び侵入、流通等が許容される構造(例えば網目型やネット型、パンチング型等)を有している。
【0016】
前述の洗浄液Bは、例えば略3リットルの水に希釈済み中性洗剤1ccを添加(混合)したものを使用する。また、例えば水道水や電解液、蒸留水、天然水、真水、温水、πウォーター、有機溶剤、中性洗剤、アルカリ洗剤等の単一又は混合したものを使用してもよい。
【0017】
且つ、超音波振動子3に接続した周波数変更装置4は、超音波振動子3が発振する超音波振動の周波数を、農作物Aに残留する農薬Zを除去するのに適した周波数に可変調節する。つまり、超音波振動子3が発振する超音波振動の周波数を、農薬Z及び洗浄液Bの種類に応じて、農薬Zを除去するのに最適な周波数(例えば略28Khz以下及び略28Khz以上)に可変調節する。また、周波数変更装置4による周波数の変更時間をタイマーで設定して、農薬Zを除去するのに最適な周波数の超音波振動を所定時間毎に発振するか、農薬Z…の種類と略対応して、農薬Z…を除去するのに最適な周波数の超音波振動を所定時間毎に発振してもよい。
【0018】
且つ、農作物Aに残留する農薬Zの種類が複数である場合、農薬Z…の種類と略対応して、農薬Z…を除去するのに適した周波数の超音波振動を発振する超音波振動子3を、処理槽2の底部及び側部に複数設けてもよく、これら超音波振動子3…が発振する超音波振動を、農作物Aに残留する農薬Z…の種類に応じて、農薬Zを除去するのに最適な周波数に設定しているので、農作物Aに残留する複数の農薬Zを確実且つ効率よく除去処理することができる。また、超音波振動子3…の発振時間をタイマーで設定することもできる。
【0019】
且つ、洗浄処理に使用された洗浄液Bを処理槽2外部に排出する排出路5の一端側を、処理槽2底部に接続し、その排出路5の他端側を、バルブ6及びポンプ7、フィルター8を介して、洗浄処理に使用された洗浄液Bを回収(再生も含む)及び洗浄液Bに混入する農薬Zを分離する農薬分離回収装置9上部に接続している。且つ、洗浄処理に必要とする所定量の洗浄液Bを処理槽2内部に返還する返還路10の一端側を、農薬分離回収装置9底部に接続し、その返還路10の他端側を、バルブ11及びポンプ12、フィルター13を介して、処理槽2上部に接続している。
【0020】
且つ、返還路10に設けた温度調節装置14は、洗浄液Bの温度を、農作物Aに残留する1種の農薬Z又は複数種の農薬Z…の種類に応じて、その農薬Zを除去するのに適した温度に可変調節する。
【0021】
上述の残留農薬除去方法1による農作物Aに残留する農薬Zの除去方法及び農薬Zの測定方法を説明する。
【0022】
【0023】
つまり、図1に示すように、上述の濃度を有する希釈農薬Z(例えばアグロスリ)が使用された農作物A(例えばホウレン草のような略25gの軟弱野菜、)を浸漬容器2aに収容して、農作物Aが収容された浸漬容器2aの略全体を、処理槽2に貯液された洗浄液B中に浸漬した後、予め設定した洗浄時間(略10分)、農作物Aに残留する農薬Zを分離するのに最適な周波数(例えば略28Khz)の超音波振動を、処理槽2に設けた超音波振動子3…から略同時に発振させ、超音波振動子3…が連続的又は断続的に発振する超音波振動で洗浄液B中に微細な気泡を多数発生させる。
【0024】
且つ、微細な気泡を、洗浄液B中に浸漬した農作物Aの略全体が略均一に包み込まれる状態に発生させ、その気泡が破裂するときに発生する衝撃波(キャビテーション)で、図2に示す農作物Aの表皮Aaに表面付着している略90%近くの農薬Z、或いは、図3に示す農作物Aの表皮Aaに表面付着及びクチクラ層Abに浸透して表皮固着している略90%近くの残留農薬Zを短時間で分離及び除去する。或いは、農薬Zが残留する農作物Aの一部を、洗浄液B中に部分浸漬して分離及び除去してもよい。
【0025】
洗浄除去後において、洗浄済みの農作物Aが収容された浸漬容器2aを洗浄液B中から取り出し、処理槽2外部に搬出した浸漬容器2aから洗浄済みの農作物Aを取り出して、次工程(例えば仕分け工程や箱詰め工程、出荷工程等)に供給する。
【0026】
上述の実施例では、農作物Aの洗浄時間を、略10分に設定しているが、例えば農薬Z及び洗浄液Bの種類に応じて、農薬Zを除去するのに最適な洗浄時間(略10分以下及び略10分以上)に設定又は変更してもよい。
【0027】
且つ、農作物A自体を、処理槽2に貯液された洗浄液B中に直接浸漬して洗浄処理してもよい。また、未洗浄の農作物Aを、洗浄液Bが貯液されるまえの処理槽2に収容し、洗浄液Bを、農作物Aの略全体が浸漬される液レベルに貯液してから洗浄処理を行った後、処理槽2に貯液された洗浄液Bを槽外部に排出及び回収した後、洗浄済みの農作物Aを処理槽2外部に取り出してもよい。
【0028】
次に、上述の残留農薬除去方法1による洗浄結果1及び洗浄結果2を説明する。
【0029】
(洗浄結果2)
対象野菜 ホウレン草「無農薬栽培」
対象農薬 アグロスリン2000倍「略5分浸漬」
農薬散布日 2003年3月25日
野菜収穫日 2003年3月25日
サンプル数 3
サンプル処理 含量mg/kg
超音波洗浄なし 略3.85mg/kg
超音波洗浄「略10分」 略0.41mg/kg
上述の洗浄結果1及び2からも明らかなように、例えば洗浄なし、水や電解液で洗浄、超音波洗浄なし等の洗浄方法に比べて、本発明の農薬Zが使用された農作物Aを洗浄液B中に浸漬し、超音波振動子3…が発振する農薬Zを除去するのに適した周波数の超音波振動により洗浄する洗浄方法の方が、洗浄効果に優れていることが明白である。
【0030】
以上のように、処理槽2に貯液された洗浄液B中において、農作物Aに残留する農薬Zを、超音波振動子3…が発振する農薬Zを除去するのに適した周波数の超音波振動により洗浄除去処理するので、農作物Aの表皮Aaや表層等が傷付いたり、剥離したりせず、洗浄前の鮮度及び商品価値を損なうことなく、農作物Aに残留する農薬Zの略全体(略90%近く又は略90%以上)を確実且つ効率よく短時間で除去することができ、従来の農薬除去方法よりも農薬Zによる影響が少ない農作物Aが短い時間及び期間で得られる。且つ、例えはブラッシングやワイピング等の除去作業に不向きな農作物Aとして、例えばホウレン草や白菜、レタス等の軟弱な農作物Aに残留する農薬Zを分離及び除去するのに最適である。
【0031】
且つ、農作物Aに残留する農薬Z…の種類と略対応して、農薬Z…を除去するのに適した周波数の超音波振動を超音波振動子3…で発振或いはその周波数を周波数変更装置4で可変調節するか、洗浄液Bの温度を、農薬Zを除去するのに適した温度に温度調節装置14で可変調節する等して、洗浄効果の向上を図ることができる。
【0032】
図4は、農薬Zが使用された農作物Aを吊下げコンベア15で吊下げ搬送しながら洗浄処理する残留農薬除去方法1の他の例を示し、一つ又は複数の農作物Aが収容可能な大きさ及び形状に形成(例えばバケット型やトレイ型、皿型等)した収容部16…を、横長形状を有する処理槽2上部に架設した吊下げコンベア15の長さ方向に対して所定間隔に隔てて複数吊設し、農薬Zが使用された農作物A…を、吊下げコンベア15に吊設された収容部16…に収容して図中矢印方向に移動及び搬送し、処理槽2に貯液された洗浄液B中に浸漬して、超音波振動子3…が発振する洗浄液Bの超音波振動により農作物Aに残留する残留農薬Zを分離除去した後、洗浄済みの農作物Aを洗浄液B中から取り出し、処理槽2外部に搬出して次工程に供給するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0033】
且つ、農作物A…に残留する農薬Zを分離除去する作業が連続して行え、作業の省力化及び能率アップを図ることができる。なお、収容部16は、洗浄液Bの浸透及び侵入が許容される構造(例えば網目型やネット型、パンチング型等)を有している。
【0034】
図5は、農薬Zが使用された農作物Aを載置コンベア17で搬送しながら洗浄処理する残留農薬除去方法1のその他の例を示し、農薬Zが使用された農作物Aを、搬送コンベア17上に配設された載置部18…に載置して図中矢印方向に移動及び搬送し、処理槽2に貯液された洗浄液B中に浸漬して、超音波振動子3…が発振する洗浄液Bの超音波振動により農作物Aに残留する残留農薬Zを分離除去した後、洗浄済みの農作物Aを洗浄液B中から取り出して、処理槽2外部に搬出して次工程に供給するので、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0035】
なお、前述の農作物Aを、例えば作業者の手やロボットアームで移動するか、昇降装置(エレベーター)で昇降する等して、未洗浄の農作物Aを処理槽2の洗浄液B中に浸漬するか、洗浄済み農作物Aを処理槽2内の洗浄液Bから取り出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】残留農薬洗浄方法による残留農薬の除去方法を示す説明図。
【図2】農薬の残留状態を示す軟弱農作物の断面図。
【図3】農薬の残留状態を示すやや硬い農作物の断面図。
【図4】農作物を搬送しながら洗浄する他の洗浄方法を示す説明図。
【図5】農作物を搬送しながら洗浄するその他の洗浄方法を示す説明図。
【符号の説明】
A…農作物
Aa…表皮
Ab…クチクラ層
Ac…内部
B…洗浄液
Z…農薬
1…残留農薬除去方法
2…処理槽
3…超音波振動子
4…周波数変更装置
14…温度調節装置
15…吊下げコンベア
17…載置コンベア
Claims (4)
- 農薬が使用された農作物を処理槽に貯液した洗浄液中に浸漬して、該農作物に残留する農薬を、上記処理槽に設けた超音波振動子が発振する上記農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動により分離及び除去する
残留農薬除去方法。 - 上記農作物に残留する農薬の種類と略対応して設けた複数の超音波振動子から該各農薬を除去するのに適した周波数の超音波振動を発振する
請求項1記載の残留農薬除去方法。 - 上記超音波振動子が発振する超音波振動の周波数を、上記農作物に残留する農薬の種類に応じて該農薬を除去するのに適した周波数に周波数変更手段で可変調節する
請求項1又は2記載の残留農薬除去方法。 - 上記洗浄液を、上記農作物に残留する農薬を除去するのに適した温度に温度調節手段で可変調節する
請求項1記載の残留農薬除去方法。
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