JP2004321014A - 加工米及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無洗米化した米に水溶性栄養成分を添加して、栄養価の高い健康食品としての加工米を得る。
【解決手段】(a)少なくとも1種の水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を調製し、(b)このコーティング水溶液を、圧縮空気を使用して超微粒子にし、この超微粒子を二流体方式にて空中噴霧し、浮遊落下させ、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する無洗米化した米粒に付着させてフィルムコーティングし、(c)同時に、回転移動する米粒を乾燥用送風によって乾燥させ、かつ上記(b)及び(c)の工程を繰り返し行うことにより、無洗米化した米粒の表面に、少なくとも1種の水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を多層フィルムコーティングし、健康食品としての加工米を得る。一実施形態では、無洗米化する原料米として古米・古古米を使用する。一実施形態では、少なくとも1種の水溶性栄養成分として難消化性食物繊維でん粉を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】(a)少なくとも1種の水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を調製し、(b)このコーティング水溶液を、圧縮空気を使用して超微粒子にし、この超微粒子を二流体方式にて空中噴霧し、浮遊落下させ、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する無洗米化した米粒に付着させてフィルムコーティングし、(c)同時に、回転移動する米粒を乾燥用送風によって乾燥させ、かつ上記(b)及び(c)の工程を繰り返し行うことにより、無洗米化した米粒の表面に、少なくとも1種の水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を多層フィルムコーティングし、健康食品としての加工米を得る。一実施形態では、無洗米化する原料米として古米・古古米を使用する。一実施形態では、少なくとも1種の水溶性栄養成分として難消化性食物繊維でん粉を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性栄養成分を添加した健康食品としての加工米及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
米は、玄米より搗精して精白米となる。さらに、精白米から残存する糠層を種々の手段を用いて除去することにより、いわゆる無洗米が製造される。このような工程を行う度に一段階ずつ、でん粉質・繊維質が米粒の表面から削り取られることになり、その結果多量の栄養分が失われてしまう。
【0003】
また、古米・古古米等の余剰米は、玄米のままで長期的に保管されており、保管中に米粒に含まれる水分が蒸発し、本来の米粒より水分が欠如した状態になってしまう。この水分の欠如により、残存するでん粉質の変質が起こることも否めない。この現状では、米粒は炊き上げた状態でもパサつき感が生じ、日本人の食性とは離れたものとなってしまうため、需要が激減する。このように日本人の食性に適合できなくなった古米・古古米は、米本来の「炊き上げて食す」という方法から離れ、製粉化等により他の加工製品として供され、或いは家畜の飼料としての消費にもなっている。
【0004】
一方、食物繊維が血糖値の上昇抑制、コレステロールの低下、整腸作用及び肥満防止等、種々の生理作用を有することは周知である。しかし、近年の食生活の変化に伴い、食物繊維の摂取量が減少してきている。そこで、食物繊維を含有する多くの機能性食品が提案され、例えば、食物繊維強化飲料や食物繊維強化補助食品が市販されており、最近の健康志向の現れから非常に好評である。
【0005】
例えば、水溶性難消化性食物繊維でん粉は、種々の食品に使用されている。例えば茶若しくはそれに相当する飲料品や酒類、パン等に水溶性難消化性食物繊維でん粉を添加することが提案されている(特許文献1、2及び3参照)。しかし、米製品としては、米粒の中に水溶性難消化性食物繊維でん粉を加え、半生の状態或いは全て炊き上げてパック詰の状態で販売され、限定食となっている。古米・古古米及び通常米に水溶性難消化性食物繊維でん粉等を添加して生米の状態で大量販売することは行われていないのが現状である。
【0006】
近年、食生活が欧米化してきたといわているが、和食の良さも再認識されており、あくまでも日本人の主食は米である。従って、日々の食事の中で自然に適量の食物繊維を摂取でき、かつ血糖値のコントロールや肥満予防等を自然に達成することができれば好適である。また、食物繊維のみならず、健康増進、アレルギー体質の改善、癌予防等の各種機能性素材を、毎日食する米と共に摂取できれば至便である。その場合に、毎日食する米は、薬物や栄養補助食品とは異なり、あくまでも食したときにおいしいことが望まれる。また、通常の米と同様に炊飯でき、外観上も薬剤的なイメージを払拭することが好ましい。
【0007】
従来、精白米を各種成分で被覆することは公知であり、当該成分を溶質として含有するコーティング溶液を精白米表面に塗布若しくは噴霧、又は該コーティング溶液に精白米を浸漬することにより皮膜を形成後、乾燥することにより被覆精白米を製造する方法が開示されている(特許文献4参照)。また、横筒回転式のコーティングドラムと、これに接続される振動コンベア式乾燥装置とから成る米粒のコーティング装置が開示されている(特許文献5参照)。
【0008】
しかし、上記従来の方法及び装置で形成される皮膜は、例えば500ミクロン以上の大きな溶液粒子が米粒に付着して形成される単一層である。このため、乾燥後に溶質が脱落してしまうことがあった。また、乾燥した溶質に空気中の湿気等が吸着し、その結果溶質が溶解し、粘性が生じ、ひいては米粒同士の結合が生じるという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−342232号公報
【特許文献2】
特開平11−209403号公報
【特許文献3】
特開2001−45960号公報
【特許文献4】
特開平5−137521号公報
【特許文献5】
特開平8−322483号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の課題を解決するために提案されたもので、その目的は、米自体に不足している水分・栄養分・でん粉質・繊維質などを米に添加することにより、栄養価の高い健康食品としての加工米を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、古米・古古米を積極的に利用することで、日本全国規模の余剰米を日本人の食感に合致する一般消費米として再生化し、健康食品としての加工米を安定価格で提供することである。
本発明の他の目的は、水溶性難消化性食物繊維でん粉を米に添加することより、血糖値のコントロールを可能にし、健康に対する不安のため米食を避けていた人々にも安心して米食が望める健康食品としての加工米を提供することである。
本発明の他の目的は、安定した品質の前記加工米を効率的に製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、無洗米化した米粒の表面に、少なくとも1種の水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を多層フィルムコーティングしたことを特徴とする加工米である。
このような手段を講じることにより、米自体に不足している水分・栄養分・でん粉質・繊維質などが添加された栄養価の高い健康食品としての加工米を得ることができる。「若者の米離れ」が叫ばれている一方で、健康に対する意識も向上しており、本発明の健康食品としての加工米を提供することで、若者を含め米食に結びつけることができる。さらに、毎日食する米自体で健康の増進を図ることができ、至便である。
【0012】
ここで、「無洗米化」とは、米を炊飯する際の水洗作業(いわゆる米を研ぐ作業)が不要な米にすることを意味する。この無洗米化は、精白米を研磨して除糠する方法、精白米にでん粉・糖類のような除糠用の粘着性物質を添加後、これらを除去する方法、又は精白米を極短時間で水中搗精後、脱水・乾燥する方法等によって達成することができる。本発明の加工米は、上記いずれの方法で得られた米も使用することができる。
【0013】
また、「多層フィルムコーティング」とは、個々の米粒の表面に、コーティング水溶液のいわゆるマイクロフィルムと同等の薄い膜の個々に独立した層を重畳させるコーティングを意味する。この多層フィルムコーティングは、従来から行われているような、コーティング水溶液に米粒を浸漬し、或いはコーティング水溶液を米粒に塗布又は単に噴霧して形成される単一層のコーティングとは異なり、後述する方法によって達成することができる。
【0014】
フィルムコーティングは薄く多層に表面コートするため、米粒の表面の酸化防止が可能であり、より多量のコーティング水溶液を米粒表面に満遍なくコーティングすることができる。また、薄く多層にコーティングするため、米粒の形状が変化することもなく、コーティング水溶液の変質も防止できる。さらに、一層一層の間に水分・コーティング水溶液の保持が可能なため、安定した品質の加工米を得ることができる。
【0015】
「水溶性栄養成分」としては、当該成分を含有する水溶液を米に添加した場合に、米本来の味を損なわせることなく、かつ外観上もほとんど変化を生じさせないような無毒のいずれの成分も使用することができる。例えば、ダイエット・脂肪燃焼・筋力アップ等の機能性素材としてのアミノ酸、美容・美肌等の機能性素材としてのアロエ・コラーゲン、女性ホルモン様機能を有すると指摘されているザクロエキス・大豆イソフラボン、肝機能改善機能を有するグルタチオン・タウリン、ボケ防止・血流循環改善機能を有すると指摘されているイチョウ葉・ギャバ、骨・歯の形成及び精神安定機能を有するカルシウム、腸内環境改善・癌予防・アレルギー対応・美容等の機能性素材としてのオリゴ糖・ビフィズス菌、記憶力・学習能力向上を促すことが指摘されているDHA、アレルギー・花粉症対応のための甜茶・花粉、アトピー性皮膚炎改善機能が指摘されているγ−リノレン酸・ラフィノース、及び後述するような種々の機能を有する難消化性食物繊維でん粉を挙げることができる。
【0016】
なお、本発明では、これら各種成分を単独で、又は組み合わせて使用することができる。また、各素材の臭気・風味等を改善するため、極少量の呈味改良素材を併用することができる。呈味改良素材としては、種々のものを使用できるが、例えば、さとうきび抽出物(三井製糖株式会社製、商品名MSX−100)等を使用することができる。
【0017】
ここで、無洗米化する原料米としては、いずれの米も使用できるが、請求項2に記載のように、古米・古古米を使用することができる。このような手段を講じることにより、長期保管のため日本人の食性に合わなくなり、余剰米となっている古米・古古米の有効利用を図ることができる。その上、古米・古古米を一般消費米として消費に結びつけることができ、安定価格で健康食品としての加工米を提供することができる。ここで、「古米・古古米」は、当該年度以前に生産された米を意味し、当然に古古古米等も包含する趣旨である。
【0018】
また、「水溶性栄養成分」としては、上述したように種々の成分を使用できるが、請求項3に記載のように、難消化性食物繊維でん粉を使用することができる。
このような手段を講じることにより、米本来の食感と不足した食物繊維・でん粉質を補うことができる。適切な食物繊維の摂取が便通を良くすることは一般的によく知られているが、最近の研究では、難消化性食物繊維でん粉が食後の血糖値の上昇を抑制することも実証されている(図3:松谷化学工業株式会社提供の実証資料より抜粋)。従って、水溶性栄養成分として難消化性食物繊維でん粉を使用することにより、糖尿病を患っている人、及びいわゆる糖尿病予備軍に属する人が、本発明の加工米を毎日食することで血糖値のコントロールが可能となる。すなわち、薬剤の摂取ではなく、通常の食生活の中で糖尿病を予防し、ひいては症状の改善を期することができる。従って、健康に対する不安のため米食を避けていた人々も、安心して米食が望める。また、難消化性食物繊維でん粉のほんのりした甘味により、米の風味の向上さえ期待できる。さらに、難消化性食物繊維でん粉を摂取し続けると、中性脂肪の低下という生理現象が見られることも実証されており(図4:松谷化学工業株式会社提供の実証資料より抜粋)、肥満防止、ひいては心疾患・高血圧症・動脈硬化等の成人病の予防にも寄与することができる。
【0019】
本発明の加工米は、請求項4に記載の方法によって製造することができる。すなわち、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいすれか1項に記載の加工米を製造する方法であって、以下の工程、
(a)水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を調製する工程、
(b)このコーティング水溶液を、圧縮空気を使用して超微粒子にし、この超微粒子を二流体方式にて空中噴霧し、浮遊落下させ、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する米粒に付着させてフィルムコーティングする工程、及び
(c)(b)の工程と同時に、前記回転ドラム内を回転移動する米粒を、乾燥用送風によって乾燥させる工程
を含み、かつ(b)及び(c)の工程を繰り返し行うことを特徴とする。
【0020】
工程(a)のコーティング水溶液の調製では、溶媒として、水以外に、食用の揮発性溶剤を適宜の量混合して使用することができる。このような手段を講じると、乾燥工程(c)で、揮発性成分の蒸発と共に水分の気化が行われ、乾燥時間が短縮し、米粒への過剰な水分の付与を回避できるので好適である。
【0021】
工程(b)の「超微粒子」とは、粒径が50〜60ミクロン、又はそれ以下の粒子を指す。従って、従来の米のコーティングに使用されている、例えば500ミクロン以上の粒子と異なり、米粒の表面に薄い膜を形成することができるので、即座に乾燥され、その上に、さらに独立した薄い膜を形成することができる。
【0022】
「二流体方式」とは、圧縮空気とコーティング水溶液を混合して空気圧力で溶液を分散させて噴霧する方式を意味する。従って、米粒の表面に均一の薄い膜を形成することが可能になる。このコーティング水溶液の空中噴霧は、複数の噴霧口を利用して行うことにより、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する米粒に、効率的かつ満遍なくコーティング水溶液を付着させることができ、好適である。
【0023】
工程(c)の「乾燥用送風」は、コーティングすべきコーティング水溶液、すなわち溶質(水溶性栄養成分)の性質によって決まるが、通常、常温以下の温度の送風である。このような温度を採用することにより、米粒の生煮え状態を発生させることがない。従って、米粒の変化は無く生のままの状態でコーティングされるため、従来の温度を加える半生の製品とは異なり、過剰な水分や湿気を与えなければ、ある程度の長い保管も可能となる。
【0024】
上述の方法を実施すると、水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液の超微粒子が圧縮空気と混合され、二流体方式でコーティング装置の回転ドラム内に噴霧され浮遊落下し、回転ドラム内を回転移動している米粒に均等に薄い膜として付着する。同時に、米粒は乾燥用送風にさらされて、即乾燥される。米粒は回転ドラム内を回転移動しながらこの工程が繰り返され、その表面に個々に独立した水溶性栄養成分の薄い膜が重畳して形成される。
このように多層フィルムコーティングが施され、一層一層の間に水分・水溶性栄養成分の保持が可能なため、安定した品質の加工米を効率的に製造することができる。
【0025】
ここで、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載の方法に、さらに以下の工程、
(d)フィルムコート剤を含有する仕上用コーティング溶液を調製する工程、
(e)この仕上用コーティング溶液を、圧縮空気を使用して超微粒子にし、この超微粒子を二流体方式にて空中噴霧し、浮遊落下させ、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する米粒に付着させてフィルムコーティングする工程、及び
(f)(e)の工程と同時に、前記回転ドラム内を回転移動する米粒を、乾燥用送風によって乾燥させる工程
を付加することができる。
【0026】
このような手段を講じることにより、米粒同士が付着する、いわゆるブロッキングを防止することができる。すなわち、溶質によっては、空気中の温度変化や湿気の吸収により粘性が生じることがあり、この粘性によるブロッキングを防止することができる。また、フィルムコート剤で外側の層を保護するため、溶質の変質や酸化を防止することができ、この方法により製造された加工米は、長期間貯蔵することも可能となる。ここで、フィルムコート剤とは、固化性の高い薬剤を意味し、食用に適したものから適宜選択することができる。
なお、工程(f)の「乾燥用送風」は、使用するフィルムコート剤によって決まるが、通常、常温以上の温度の送風であり、これによってフィルムコート剤の固化を促進させる。
【0027】
さらに、請求項6に記載の発明のように、請求項4又は請求項5に記載の方法に、さらに以下の工程、
(g)フィルムコーティングを施した米粒を、コーティング装置の外部に取り出す際に、前記米粒を所定量の送風と混合して所定速度で搬送する気流乾燥を行う工程
を付加することができる。
【0028】
このような手段を講じることにより、コーティングされた米粒の表面の固定化が促され、米粒同士のブロッキングを防止することができる。この固定化を行う送風の温度は、溶質によって変えることができるが、常温以下の温度が好適である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の加工米の製造方法を示す概略図である。図中、白抜き矢印は米粒の移動を示す。本発明の加工米を製造するためのコーティング装置1は、円筒状の回転ドラム2を有する。回転ドラム2は、図示しない駆動装置により水平軸X回りに回転可能に配設されている。本実施形態では、回転ドラム2の内部に導入されるスプレー配管3に、適宜の間隔で3個のスプレーノズル4が配設されている。スプレーノズル4は、二流体方式で、下方に向けてコーティング水溶液を噴霧する構成になっており、例えば、図2に示されるようなものを使用することができる。このスプレーノズル4は、図2(B)に示されるような噴霧パターンを形成することができ、コーティング水溶液の多層フィルムコーティングの達成に好適である。なお、スプレー配管3は、図示しないハンドル等の手段により回転させて、スプレーノズル4の向きを調整できるように構成されている。
【0030】
そして、タンク5に装填されたコーティング水溶液が、ポンプ6を介してスプレー配管3に送られる。コーティング水溶液を微粒化するための圧縮空気は、エアコンプレッサー7からスプレー配管3に送り込まれる。それぞれ図示しない別個のホースを介して各スプレーノズル4に供給される構成になっている。すなわち、各スプレーノズル4の液体導入口4aにコーティング水溶液が導入され、気体導入口4bに圧縮空気が導入され、最終的に混合されて先端開口部4cから噴霧されるようになっている。
【0031】
コーティングを施す米粒は、ホッパー8から回転ドラム2内に供給される。
さらに、ファン9により乾燥用送風が回転ドラム2の送風口10に供給され、ファン11によって排気口12から排気される構成になっている。これにより、回転ドラム2内のほぼ中心部1/3程度の空間は、常時、必要量の乾燥用空気が移動するように調整される。回転移動し、コーティング水溶液が付着した米粒は、この乾燥用空気が移動している部分に常時流れ落ちるので、すべて乾燥されることになる。
【0032】
このような構成の装置を用い、溶質(水溶性栄養成分)として難消化性食物繊維でん粉を含有する場合につき、本発明の加工米を製造する方法について説明する。
まず、溶質と溶媒を適宜の割合で混合してコーティング水溶液を調製する。溶質は、難消化性食物繊維でん粉に加え、上述したような適宜の水溶性栄養成分を含むことができる。難消化性食物繊維でん粉としては、例えば、松谷化学工業株式会社製の商品「ファイバーソル2」を使用することができる。溶媒は、質量で10%以上の食用の揮発性溶剤を水に混合して用いる。これにより、コーティング水溶液の皮膜の乾燥を促進することができる。コーティング水溶液は、例えば、米粒100gに付き、3g〜6gの溶質を必要量として調製する。このコーティング水溶液をタンク5に充填し、ポンプ6を介してスプレー配管3に送る。
【0033】
一方、コーティングする米粒、すなわち古米・古古米又は通常米を無洗米化した米粒をホッパー8から回転ドラム2内に導入する。そして、例えば、毎分6回転以上の速度で、回転ドラム2を回転軸X回りに回転させ、米粒を回転移動させる。
【0034】
そして、例えば、2×105Pa以上の空気圧の圧縮空気と上記コーティング水溶液を混合し、スプレーノズル4で空中噴霧する。すると、回転ドラム2内を回転移動中の各米粒に満遍なく均一なフィルム状のコーティングが施される。同時に、ファン9により、回転ドラム2の送風口10に送り込まれる乾燥用送風によって、即乾燥される。回転ドラム2内でこの工程が繰り返されることで、多層の独立した難消化性食物繊維でん粉を含む薄膜が重畳された米粒が生成される。
【0035】
そして、コーティング装置1の外部に排出口13から米粒を取り出す際に気流乾燥を行う。気流乾燥は、気流乾燥用配管14中で、ファン9より供給される常温以下の温度の送風と米粒を混合し、例えば、1分間に約1.884cm3の空気量を6m/分の速度で米粒と一緒に搬送することで達成される。これにより米粒の表面が固定化され、その後コンベアーによって搬送されて、袋詰め等の次工程に供される。
このように、米粒に温度を与えないので、米粒の生煮え状態を発生させることはない。このため、各層の溶質の成分保持と米粒の表面から発生する酸化反応を最小限に防止することができる。
【0036】
他の実施形態では、上述のフィルムコーティング工程の最後に、固化性の高いフィルムコート剤を含有する仕上用コーティング溶液を用いてフィルムコーティングを行う。この場合、使用するフィルムコート剤によって決まる適宜の温度の乾燥用送風を用いてフィルムコート剤の固化を促進させる。
【0037】
なお、本発明の加工米を製造する装置は、上述の装置に限定されるものではなく、コーティング水溶液の多層フィルムコーティングを達成可能ないずれの装置も使用することができる。また、溶媒に混合する揮発性溶剤の量、米粒に添加するコーティング水溶液の量等は、使用する溶質によって適宜変更することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により製造される水溶性難消化性食物繊維でん粉及び/又は他の水溶性栄養成分の水溶液が多層フィルムコーティングされた加工米は、米自体に不足している水分・栄養分・でん粉質・繊維質などを補う栄養価の高い健康食品として機能しうる。さらに、生米のままの状態であるため、混ぜご飯や炊き込みご飯・炒飯・粥など、通常の米同様に、水加減次第でいろいろと調理することができる。
【0039】
特に、原料米として古米・古古米を使用した場合には、従来日本人の食性に合わなくなり、他の加工製品として或いは家畜の飼料として供されていたものを、炊き上げて食すという米本来の役目を果しうる一般消費米として再生化することができる。従って、廃棄処分や最安価な処分消費として流用されることもある余剰米を有効に利用し、安定した価格で日本人の食性に適合する健康食品としての加工米を提供することができる。
【0040】
水溶性栄養成分として難消化性食物繊維でん粉を使用した場合には、この溶質の「温水程度の水温で溶解する」という特性のため、米を炊き上げるために使用する水分が温度上昇を始めるに伴い、温水に難消化性食物繊維でん粉が溶解し、米粒の中へ浸透されることで養分が米粒に保持される。従って、古米・古古米及び通常米が無洗米化されることにより不足した栄養分を補い、かつ補強することができる。また、でん粉質を加えるため、古米・古古米を原料として用いた場合にも、より新米の食感に近づけることができる。
【0041】
さらに、食物繊維素により体内の不要物である排出物を速やか且つ大量に体外へ排出する役目を望むことも可能となる。また、食後の血糖値上昇を抑制する効果も望める。本発明の健康食品としての加工米を長期に渡り摂取することで肥満防止も望めるため、若者も健康食品として米食を行うことになれば、広範囲に利用可能な日本食としての本来の姿となる。近年、若者特に女性は肥満・便秘・肌荒れ対策として、薬品類を摂取する傾向にあるが、この水溶性難消化性食物繊維でん粉が加えられた健康食品としての加工米を炊き上げ長期的に摂ることで、自然に緩和若しくは改善を図ることが期待できる。このような悩みの解決に繋がるサプリメント的効果を望むことも可能である。
【0042】
また、本発明の方法により米粒をコーティングすると、薄い膜が均等にコーティングされ、多層の独立した水溶性栄養成分の層が効率的に形成されるため、該成分が脱落することなく、安定した品質の加工米を製造することができる。仕上げに、固化性の高いフィルムコート剤をコーティングすることにより、米粒同士のブロッキングを防止することができる。また、コーティング装置から米粒を取り出す際に、送風と共に米粒を搬送する気流乾燥を行うことより、米粒の表面の固定化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工米の製造方法を示す概略図である。
【図2】本発明の加工米の製造方法で使用する二流体方式のスプレーノズルの一例を示し、(A)が側面図、(B)が噴霧パターン図である。
【図3】難消化性食物繊維でん粉の血糖値上昇抑制機能を実証するグラフである。
【図4】難消化性食物繊維でん粉の中性脂肪低下機能を実証するグラフである。
【符号の説明】
1 コーティング装置
2 回転ドラム
3 スプレー配管
4 スプレーノズル
5 タンク
6 ポンプ
7 エアコンプレッサー
8 ホッパー
9 ファン
10 送風口
11 ファン
12 排気口
13 排出口
14 気流乾燥用配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性栄養成分を添加した健康食品としての加工米及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
米は、玄米より搗精して精白米となる。さらに、精白米から残存する糠層を種々の手段を用いて除去することにより、いわゆる無洗米が製造される。このような工程を行う度に一段階ずつ、でん粉質・繊維質が米粒の表面から削り取られることになり、その結果多量の栄養分が失われてしまう。
【0003】
また、古米・古古米等の余剰米は、玄米のままで長期的に保管されており、保管中に米粒に含まれる水分が蒸発し、本来の米粒より水分が欠如した状態になってしまう。この水分の欠如により、残存するでん粉質の変質が起こることも否めない。この現状では、米粒は炊き上げた状態でもパサつき感が生じ、日本人の食性とは離れたものとなってしまうため、需要が激減する。このように日本人の食性に適合できなくなった古米・古古米は、米本来の「炊き上げて食す」という方法から離れ、製粉化等により他の加工製品として供され、或いは家畜の飼料としての消費にもなっている。
【0004】
一方、食物繊維が血糖値の上昇抑制、コレステロールの低下、整腸作用及び肥満防止等、種々の生理作用を有することは周知である。しかし、近年の食生活の変化に伴い、食物繊維の摂取量が減少してきている。そこで、食物繊維を含有する多くの機能性食品が提案され、例えば、食物繊維強化飲料や食物繊維強化補助食品が市販されており、最近の健康志向の現れから非常に好評である。
【0005】
例えば、水溶性難消化性食物繊維でん粉は、種々の食品に使用されている。例えば茶若しくはそれに相当する飲料品や酒類、パン等に水溶性難消化性食物繊維でん粉を添加することが提案されている(特許文献1、2及び3参照)。しかし、米製品としては、米粒の中に水溶性難消化性食物繊維でん粉を加え、半生の状態或いは全て炊き上げてパック詰の状態で販売され、限定食となっている。古米・古古米及び通常米に水溶性難消化性食物繊維でん粉等を添加して生米の状態で大量販売することは行われていないのが現状である。
【0006】
近年、食生活が欧米化してきたといわているが、和食の良さも再認識されており、あくまでも日本人の主食は米である。従って、日々の食事の中で自然に適量の食物繊維を摂取でき、かつ血糖値のコントロールや肥満予防等を自然に達成することができれば好適である。また、食物繊維のみならず、健康増進、アレルギー体質の改善、癌予防等の各種機能性素材を、毎日食する米と共に摂取できれば至便である。その場合に、毎日食する米は、薬物や栄養補助食品とは異なり、あくまでも食したときにおいしいことが望まれる。また、通常の米と同様に炊飯でき、外観上も薬剤的なイメージを払拭することが好ましい。
【0007】
従来、精白米を各種成分で被覆することは公知であり、当該成分を溶質として含有するコーティング溶液を精白米表面に塗布若しくは噴霧、又は該コーティング溶液に精白米を浸漬することにより皮膜を形成後、乾燥することにより被覆精白米を製造する方法が開示されている(特許文献4参照)。また、横筒回転式のコーティングドラムと、これに接続される振動コンベア式乾燥装置とから成る米粒のコーティング装置が開示されている(特許文献5参照)。
【0008】
しかし、上記従来の方法及び装置で形成される皮膜は、例えば500ミクロン以上の大きな溶液粒子が米粒に付着して形成される単一層である。このため、乾燥後に溶質が脱落してしまうことがあった。また、乾燥した溶質に空気中の湿気等が吸着し、その結果溶質が溶解し、粘性が生じ、ひいては米粒同士の結合が生じるという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−342232号公報
【特許文献2】
特開平11−209403号公報
【特許文献3】
特開2001−45960号公報
【特許文献4】
特開平5−137521号公報
【特許文献5】
特開平8−322483号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の課題を解決するために提案されたもので、その目的は、米自体に不足している水分・栄養分・でん粉質・繊維質などを米に添加することにより、栄養価の高い健康食品としての加工米を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、古米・古古米を積極的に利用することで、日本全国規模の余剰米を日本人の食感に合致する一般消費米として再生化し、健康食品としての加工米を安定価格で提供することである。
本発明の他の目的は、水溶性難消化性食物繊維でん粉を米に添加することより、血糖値のコントロールを可能にし、健康に対する不安のため米食を避けていた人々にも安心して米食が望める健康食品としての加工米を提供することである。
本発明の他の目的は、安定した品質の前記加工米を効率的に製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、無洗米化した米粒の表面に、少なくとも1種の水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を多層フィルムコーティングしたことを特徴とする加工米である。
このような手段を講じることにより、米自体に不足している水分・栄養分・でん粉質・繊維質などが添加された栄養価の高い健康食品としての加工米を得ることができる。「若者の米離れ」が叫ばれている一方で、健康に対する意識も向上しており、本発明の健康食品としての加工米を提供することで、若者を含め米食に結びつけることができる。さらに、毎日食する米自体で健康の増進を図ることができ、至便である。
【0012】
ここで、「無洗米化」とは、米を炊飯する際の水洗作業(いわゆる米を研ぐ作業)が不要な米にすることを意味する。この無洗米化は、精白米を研磨して除糠する方法、精白米にでん粉・糖類のような除糠用の粘着性物質を添加後、これらを除去する方法、又は精白米を極短時間で水中搗精後、脱水・乾燥する方法等によって達成することができる。本発明の加工米は、上記いずれの方法で得られた米も使用することができる。
【0013】
また、「多層フィルムコーティング」とは、個々の米粒の表面に、コーティング水溶液のいわゆるマイクロフィルムと同等の薄い膜の個々に独立した層を重畳させるコーティングを意味する。この多層フィルムコーティングは、従来から行われているような、コーティング水溶液に米粒を浸漬し、或いはコーティング水溶液を米粒に塗布又は単に噴霧して形成される単一層のコーティングとは異なり、後述する方法によって達成することができる。
【0014】
フィルムコーティングは薄く多層に表面コートするため、米粒の表面の酸化防止が可能であり、より多量のコーティング水溶液を米粒表面に満遍なくコーティングすることができる。また、薄く多層にコーティングするため、米粒の形状が変化することもなく、コーティング水溶液の変質も防止できる。さらに、一層一層の間に水分・コーティング水溶液の保持が可能なため、安定した品質の加工米を得ることができる。
【0015】
「水溶性栄養成分」としては、当該成分を含有する水溶液を米に添加した場合に、米本来の味を損なわせることなく、かつ外観上もほとんど変化を生じさせないような無毒のいずれの成分も使用することができる。例えば、ダイエット・脂肪燃焼・筋力アップ等の機能性素材としてのアミノ酸、美容・美肌等の機能性素材としてのアロエ・コラーゲン、女性ホルモン様機能を有すると指摘されているザクロエキス・大豆イソフラボン、肝機能改善機能を有するグルタチオン・タウリン、ボケ防止・血流循環改善機能を有すると指摘されているイチョウ葉・ギャバ、骨・歯の形成及び精神安定機能を有するカルシウム、腸内環境改善・癌予防・アレルギー対応・美容等の機能性素材としてのオリゴ糖・ビフィズス菌、記憶力・学習能力向上を促すことが指摘されているDHA、アレルギー・花粉症対応のための甜茶・花粉、アトピー性皮膚炎改善機能が指摘されているγ−リノレン酸・ラフィノース、及び後述するような種々の機能を有する難消化性食物繊維でん粉を挙げることができる。
【0016】
なお、本発明では、これら各種成分を単独で、又は組み合わせて使用することができる。また、各素材の臭気・風味等を改善するため、極少量の呈味改良素材を併用することができる。呈味改良素材としては、種々のものを使用できるが、例えば、さとうきび抽出物(三井製糖株式会社製、商品名MSX−100)等を使用することができる。
【0017】
ここで、無洗米化する原料米としては、いずれの米も使用できるが、請求項2に記載のように、古米・古古米を使用することができる。このような手段を講じることにより、長期保管のため日本人の食性に合わなくなり、余剰米となっている古米・古古米の有効利用を図ることができる。その上、古米・古古米を一般消費米として消費に結びつけることができ、安定価格で健康食品としての加工米を提供することができる。ここで、「古米・古古米」は、当該年度以前に生産された米を意味し、当然に古古古米等も包含する趣旨である。
【0018】
また、「水溶性栄養成分」としては、上述したように種々の成分を使用できるが、請求項3に記載のように、難消化性食物繊維でん粉を使用することができる。
このような手段を講じることにより、米本来の食感と不足した食物繊維・でん粉質を補うことができる。適切な食物繊維の摂取が便通を良くすることは一般的によく知られているが、最近の研究では、難消化性食物繊維でん粉が食後の血糖値の上昇を抑制することも実証されている(図3:松谷化学工業株式会社提供の実証資料より抜粋)。従って、水溶性栄養成分として難消化性食物繊維でん粉を使用することにより、糖尿病を患っている人、及びいわゆる糖尿病予備軍に属する人が、本発明の加工米を毎日食することで血糖値のコントロールが可能となる。すなわち、薬剤の摂取ではなく、通常の食生活の中で糖尿病を予防し、ひいては症状の改善を期することができる。従って、健康に対する不安のため米食を避けていた人々も、安心して米食が望める。また、難消化性食物繊維でん粉のほんのりした甘味により、米の風味の向上さえ期待できる。さらに、難消化性食物繊維でん粉を摂取し続けると、中性脂肪の低下という生理現象が見られることも実証されており(図4:松谷化学工業株式会社提供の実証資料より抜粋)、肥満防止、ひいては心疾患・高血圧症・動脈硬化等の成人病の予防にも寄与することができる。
【0019】
本発明の加工米は、請求項4に記載の方法によって製造することができる。すなわち、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいすれか1項に記載の加工米を製造する方法であって、以下の工程、
(a)水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を調製する工程、
(b)このコーティング水溶液を、圧縮空気を使用して超微粒子にし、この超微粒子を二流体方式にて空中噴霧し、浮遊落下させ、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する米粒に付着させてフィルムコーティングする工程、及び
(c)(b)の工程と同時に、前記回転ドラム内を回転移動する米粒を、乾燥用送風によって乾燥させる工程
を含み、かつ(b)及び(c)の工程を繰り返し行うことを特徴とする。
【0020】
工程(a)のコーティング水溶液の調製では、溶媒として、水以外に、食用の揮発性溶剤を適宜の量混合して使用することができる。このような手段を講じると、乾燥工程(c)で、揮発性成分の蒸発と共に水分の気化が行われ、乾燥時間が短縮し、米粒への過剰な水分の付与を回避できるので好適である。
【0021】
工程(b)の「超微粒子」とは、粒径が50〜60ミクロン、又はそれ以下の粒子を指す。従って、従来の米のコーティングに使用されている、例えば500ミクロン以上の粒子と異なり、米粒の表面に薄い膜を形成することができるので、即座に乾燥され、その上に、さらに独立した薄い膜を形成することができる。
【0022】
「二流体方式」とは、圧縮空気とコーティング水溶液を混合して空気圧力で溶液を分散させて噴霧する方式を意味する。従って、米粒の表面に均一の薄い膜を形成することが可能になる。このコーティング水溶液の空中噴霧は、複数の噴霧口を利用して行うことにより、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する米粒に、効率的かつ満遍なくコーティング水溶液を付着させることができ、好適である。
【0023】
工程(c)の「乾燥用送風」は、コーティングすべきコーティング水溶液、すなわち溶質(水溶性栄養成分)の性質によって決まるが、通常、常温以下の温度の送風である。このような温度を採用することにより、米粒の生煮え状態を発生させることがない。従って、米粒の変化は無く生のままの状態でコーティングされるため、従来の温度を加える半生の製品とは異なり、過剰な水分や湿気を与えなければ、ある程度の長い保管も可能となる。
【0024】
上述の方法を実施すると、水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液の超微粒子が圧縮空気と混合され、二流体方式でコーティング装置の回転ドラム内に噴霧され浮遊落下し、回転ドラム内を回転移動している米粒に均等に薄い膜として付着する。同時に、米粒は乾燥用送風にさらされて、即乾燥される。米粒は回転ドラム内を回転移動しながらこの工程が繰り返され、その表面に個々に独立した水溶性栄養成分の薄い膜が重畳して形成される。
このように多層フィルムコーティングが施され、一層一層の間に水分・水溶性栄養成分の保持が可能なため、安定した品質の加工米を効率的に製造することができる。
【0025】
ここで、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載の方法に、さらに以下の工程、
(d)フィルムコート剤を含有する仕上用コーティング溶液を調製する工程、
(e)この仕上用コーティング溶液を、圧縮空気を使用して超微粒子にし、この超微粒子を二流体方式にて空中噴霧し、浮遊落下させ、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する米粒に付着させてフィルムコーティングする工程、及び
(f)(e)の工程と同時に、前記回転ドラム内を回転移動する米粒を、乾燥用送風によって乾燥させる工程
を付加することができる。
【0026】
このような手段を講じることにより、米粒同士が付着する、いわゆるブロッキングを防止することができる。すなわち、溶質によっては、空気中の温度変化や湿気の吸収により粘性が生じることがあり、この粘性によるブロッキングを防止することができる。また、フィルムコート剤で外側の層を保護するため、溶質の変質や酸化を防止することができ、この方法により製造された加工米は、長期間貯蔵することも可能となる。ここで、フィルムコート剤とは、固化性の高い薬剤を意味し、食用に適したものから適宜選択することができる。
なお、工程(f)の「乾燥用送風」は、使用するフィルムコート剤によって決まるが、通常、常温以上の温度の送風であり、これによってフィルムコート剤の固化を促進させる。
【0027】
さらに、請求項6に記載の発明のように、請求項4又は請求項5に記載の方法に、さらに以下の工程、
(g)フィルムコーティングを施した米粒を、コーティング装置の外部に取り出す際に、前記米粒を所定量の送風と混合して所定速度で搬送する気流乾燥を行う工程
を付加することができる。
【0028】
このような手段を講じることにより、コーティングされた米粒の表面の固定化が促され、米粒同士のブロッキングを防止することができる。この固定化を行う送風の温度は、溶質によって変えることができるが、常温以下の温度が好適である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の加工米の製造方法を示す概略図である。図中、白抜き矢印は米粒の移動を示す。本発明の加工米を製造するためのコーティング装置1は、円筒状の回転ドラム2を有する。回転ドラム2は、図示しない駆動装置により水平軸X回りに回転可能に配設されている。本実施形態では、回転ドラム2の内部に導入されるスプレー配管3に、適宜の間隔で3個のスプレーノズル4が配設されている。スプレーノズル4は、二流体方式で、下方に向けてコーティング水溶液を噴霧する構成になっており、例えば、図2に示されるようなものを使用することができる。このスプレーノズル4は、図2(B)に示されるような噴霧パターンを形成することができ、コーティング水溶液の多層フィルムコーティングの達成に好適である。なお、スプレー配管3は、図示しないハンドル等の手段により回転させて、スプレーノズル4の向きを調整できるように構成されている。
【0030】
そして、タンク5に装填されたコーティング水溶液が、ポンプ6を介してスプレー配管3に送られる。コーティング水溶液を微粒化するための圧縮空気は、エアコンプレッサー7からスプレー配管3に送り込まれる。それぞれ図示しない別個のホースを介して各スプレーノズル4に供給される構成になっている。すなわち、各スプレーノズル4の液体導入口4aにコーティング水溶液が導入され、気体導入口4bに圧縮空気が導入され、最終的に混合されて先端開口部4cから噴霧されるようになっている。
【0031】
コーティングを施す米粒は、ホッパー8から回転ドラム2内に供給される。
さらに、ファン9により乾燥用送風が回転ドラム2の送風口10に供給され、ファン11によって排気口12から排気される構成になっている。これにより、回転ドラム2内のほぼ中心部1/3程度の空間は、常時、必要量の乾燥用空気が移動するように調整される。回転移動し、コーティング水溶液が付着した米粒は、この乾燥用空気が移動している部分に常時流れ落ちるので、すべて乾燥されることになる。
【0032】
このような構成の装置を用い、溶質(水溶性栄養成分)として難消化性食物繊維でん粉を含有する場合につき、本発明の加工米を製造する方法について説明する。
まず、溶質と溶媒を適宜の割合で混合してコーティング水溶液を調製する。溶質は、難消化性食物繊維でん粉に加え、上述したような適宜の水溶性栄養成分を含むことができる。難消化性食物繊維でん粉としては、例えば、松谷化学工業株式会社製の商品「ファイバーソル2」を使用することができる。溶媒は、質量で10%以上の食用の揮発性溶剤を水に混合して用いる。これにより、コーティング水溶液の皮膜の乾燥を促進することができる。コーティング水溶液は、例えば、米粒100gに付き、3g〜6gの溶質を必要量として調製する。このコーティング水溶液をタンク5に充填し、ポンプ6を介してスプレー配管3に送る。
【0033】
一方、コーティングする米粒、すなわち古米・古古米又は通常米を無洗米化した米粒をホッパー8から回転ドラム2内に導入する。そして、例えば、毎分6回転以上の速度で、回転ドラム2を回転軸X回りに回転させ、米粒を回転移動させる。
【0034】
そして、例えば、2×105Pa以上の空気圧の圧縮空気と上記コーティング水溶液を混合し、スプレーノズル4で空中噴霧する。すると、回転ドラム2内を回転移動中の各米粒に満遍なく均一なフィルム状のコーティングが施される。同時に、ファン9により、回転ドラム2の送風口10に送り込まれる乾燥用送風によって、即乾燥される。回転ドラム2内でこの工程が繰り返されることで、多層の独立した難消化性食物繊維でん粉を含む薄膜が重畳された米粒が生成される。
【0035】
そして、コーティング装置1の外部に排出口13から米粒を取り出す際に気流乾燥を行う。気流乾燥は、気流乾燥用配管14中で、ファン9より供給される常温以下の温度の送風と米粒を混合し、例えば、1分間に約1.884cm3の空気量を6m/分の速度で米粒と一緒に搬送することで達成される。これにより米粒の表面が固定化され、その後コンベアーによって搬送されて、袋詰め等の次工程に供される。
このように、米粒に温度を与えないので、米粒の生煮え状態を発生させることはない。このため、各層の溶質の成分保持と米粒の表面から発生する酸化反応を最小限に防止することができる。
【0036】
他の実施形態では、上述のフィルムコーティング工程の最後に、固化性の高いフィルムコート剤を含有する仕上用コーティング溶液を用いてフィルムコーティングを行う。この場合、使用するフィルムコート剤によって決まる適宜の温度の乾燥用送風を用いてフィルムコート剤の固化を促進させる。
【0037】
なお、本発明の加工米を製造する装置は、上述の装置に限定されるものではなく、コーティング水溶液の多層フィルムコーティングを達成可能ないずれの装置も使用することができる。また、溶媒に混合する揮発性溶剤の量、米粒に添加するコーティング水溶液の量等は、使用する溶質によって適宜変更することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により製造される水溶性難消化性食物繊維でん粉及び/又は他の水溶性栄養成分の水溶液が多層フィルムコーティングされた加工米は、米自体に不足している水分・栄養分・でん粉質・繊維質などを補う栄養価の高い健康食品として機能しうる。さらに、生米のままの状態であるため、混ぜご飯や炊き込みご飯・炒飯・粥など、通常の米同様に、水加減次第でいろいろと調理することができる。
【0039】
特に、原料米として古米・古古米を使用した場合には、従来日本人の食性に合わなくなり、他の加工製品として或いは家畜の飼料として供されていたものを、炊き上げて食すという米本来の役目を果しうる一般消費米として再生化することができる。従って、廃棄処分や最安価な処分消費として流用されることもある余剰米を有効に利用し、安定した価格で日本人の食性に適合する健康食品としての加工米を提供することができる。
【0040】
水溶性栄養成分として難消化性食物繊維でん粉を使用した場合には、この溶質の「温水程度の水温で溶解する」という特性のため、米を炊き上げるために使用する水分が温度上昇を始めるに伴い、温水に難消化性食物繊維でん粉が溶解し、米粒の中へ浸透されることで養分が米粒に保持される。従って、古米・古古米及び通常米が無洗米化されることにより不足した栄養分を補い、かつ補強することができる。また、でん粉質を加えるため、古米・古古米を原料として用いた場合にも、より新米の食感に近づけることができる。
【0041】
さらに、食物繊維素により体内の不要物である排出物を速やか且つ大量に体外へ排出する役目を望むことも可能となる。また、食後の血糖値上昇を抑制する効果も望める。本発明の健康食品としての加工米を長期に渡り摂取することで肥満防止も望めるため、若者も健康食品として米食を行うことになれば、広範囲に利用可能な日本食としての本来の姿となる。近年、若者特に女性は肥満・便秘・肌荒れ対策として、薬品類を摂取する傾向にあるが、この水溶性難消化性食物繊維でん粉が加えられた健康食品としての加工米を炊き上げ長期的に摂ることで、自然に緩和若しくは改善を図ることが期待できる。このような悩みの解決に繋がるサプリメント的効果を望むことも可能である。
【0042】
また、本発明の方法により米粒をコーティングすると、薄い膜が均等にコーティングされ、多層の独立した水溶性栄養成分の層が効率的に形成されるため、該成分が脱落することなく、安定した品質の加工米を製造することができる。仕上げに、固化性の高いフィルムコート剤をコーティングすることにより、米粒同士のブロッキングを防止することができる。また、コーティング装置から米粒を取り出す際に、送風と共に米粒を搬送する気流乾燥を行うことより、米粒の表面の固定化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工米の製造方法を示す概略図である。
【図2】本発明の加工米の製造方法で使用する二流体方式のスプレーノズルの一例を示し、(A)が側面図、(B)が噴霧パターン図である。
【図3】難消化性食物繊維でん粉の血糖値上昇抑制機能を実証するグラフである。
【図4】難消化性食物繊維でん粉の中性脂肪低下機能を実証するグラフである。
【符号の説明】
1 コーティング装置
2 回転ドラム
3 スプレー配管
4 スプレーノズル
5 タンク
6 ポンプ
7 エアコンプレッサー
8 ホッパー
9 ファン
10 送風口
11 ファン
12 排気口
13 排出口
14 気流乾燥用配管
Claims (6)
- 無洗米化した米粒の表面に、少なくとも1種の水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を多層フィルムコーティングしたことを特徴とする加工米。
- 前記無洗米化する原料米として、古米・古古米を使用することを特徴とする請求項1に記載の加工米。
- 前記少なくとも1種の水溶性栄養成分が、難消化性食物繊維でん粉であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工米。
- 請求項1〜3のいすれか1項に記載の加工米を製造する方法であって、以下の工程、
(a)水溶性栄養成分を含有するコーティング水溶液を調製する工程、
(b)このコーティング水溶液を、圧縮空気を使用して超微粒子にし、この超微粒子を二流体方式にて空中噴霧し、浮遊落下させ、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する米粒に付着させてフィルムコーティングする工程、及び
(c)(b)の工程と同時に、前記回転ドラム内を回転移動する米粒を、乾燥用送風によって乾燥させる工程
を含み、かつ(b)及び(c)の工程を繰り返し行うことを特徴とする方法。 - 請求項4に記載の方法に、さらに以下の工程、
(d)フィルムコート剤を含有する仕上用コーティング溶液を調製する工程、
(e)この仕上用コーティング溶液を、圧縮空気を使用して超微粒子にし、この超微粒子を二流体方式にて空中噴霧し、浮遊落下させ、コーティング装置の回転ドラム内を回転移動する米粒に付着させてフィルムコーティングする工程、及び
(f)(e)の工程と同時に、前記回転ドラム内を回転移動する米粒を、乾燥用送風によって乾燥させる工程
を付加することを特徴とする方法。 - 請求項4又は5に記載の方法に、さらに以下の工程、
(g)フィルムコーティングを施した米粒を、コーティング装置の外部に取り出す際に、前記米粒を所定量の送風と混合して所定速度で搬送する気流乾燥を行う工程
を付加することを特徴とする方法。
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