JP2004320293A - 通信用半導体集積回路 - Google Patents

通信用半導体集積回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2004320293A
JP2004320293A JP2003110000A JP2003110000A JP2004320293A JP 2004320293 A JP2004320293 A JP 2004320293A JP 2003110000 A JP2003110000 A JP 2003110000A JP 2003110000 A JP2003110000 A JP 2003110000A JP 2004320293 A JP2004320293 A JP 2004320293A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
signal
frequency
semiconductor integrated
integrated circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003110000A
Other languages
English (en)
Inventor
Sayaka Nagai
さやか 長井
Kazuaki Hori
和明 堀
Tetsuya Wakuta
哲也 和久田
Masaya Ono
雅哉 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Technology Corp
Original Assignee
Renesas Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Technology Corp filed Critical Renesas Technology Corp
Priority to JP2003110000A priority Critical patent/JP2004320293A/ja
Publication of JP2004320293A publication Critical patent/JP2004320293A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)

Abstract

【課題】受信信号を復調およびダウンコンバートするミキサ回路の占有面積を小さくしチップサイズを低減するとともに、受信信号を復調およびダウンコンバートするミキサ回路における消費電流を低減することが可能な通信用半導体集積回路(高周波IC)を提供する。
【解決手段】受信信号と局部発振信号とを合成して復調およびダウンコンバートを行なうミキサ回路を備えマルチバンド方式の無線通信システムを構成する高周波ICにおいて、異なるバンドの受信信号がそれぞれ入力される複数の下段差動トランジスタ対(Q11,Q12;Q21,Q22;Q31,Q32)を設け、これら複数の下段差動トランジスタ対に対して、発振信号が入力される上段の差動トランジスタ対(Q1〜Q4,Q5〜Q8)を共通に接続するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムを構成する通信用半導体集積回路における受信信号と所定の周波数の発振信号とを合成して周波数変換を行なうダイレクトダウンコンバージョン方式のミキサに適用して有効な技術に関し、特にミキサの構成素子数および占有面積を減らし消費電力を低減するのに有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機のような無線通信システムにおいては、受信信号や送信信号と合成される所定の周波数の発振信号を発生するためVCO(電圧制御発振器)が用いられている。従来提案されている携帯電話機には、例えば925〜960MHz帯のGSM(Global System for Mobile Communication)と1805〜1880MHz帯のDCS(Digital Cellular System)のような2つの周波数帯の信号を扱えるデュアルバンド方式の携帯電話機がある。
【0003】
さらに、近年においては、GSMやDCSの他に例えば1930〜1990MHz帯のPCS(Personal Communication System)の信号を扱えるトリプルバンド方式の携帯電話機に対する要求がある。また、携帯電話機は今後さらに多くのバンドに対応できるものが要求されることが考えられる。
【0004】
このような複数のバンドに対応できる携帯電話機に使用される高周波ICには、部品点数の低減という観点からダイレクトコンバージョン方式が有効である。一方、携帯電話機では、所望の周波数帯の受信信号を分波するため周波数特性が急峻なSAW(表面弾性波)フィルタが一般に用いられている。SAWフィルタは通過帯域が狭いとともに既存のSAWフィルタは通過帯域を変更させるような仕組みを備えていないため、複数のバンドに対応できる携帯電話機では各バンド毎に帯域の異なる複数のSAWフィルタが設けられる。また、これに応じてダイレクトコンバージョン方式の高周波ICでは、受信信号と局部発振信号とをミキシングして周波数変換するミキサが各バンド毎に設けられる。
【0005】
これに対し、ミキサで周波数変換された信号を増幅する後段の利得制御アンプやノイズ、隣接チャンネルの電力を除去するロウパスフィルタのような回路は複数のバンドに共通の回路として設けられることが多い。ミキサで周波数変換された後の信号は周波数がある範囲に限られているとともに、高周波ICは同時に複数のバンドの信号を扱うことはないので、回路を共通化することで回路の占有面積を減らし高周波ICのチップサイズを小さくすることができるためである。
【0006】
図6は本発明者等が検討したダイレクトダウンコンバージョン方式のトリプルバンド対応の受信系回路の例を、また図7には本発明者等が当初考えたギルバートセルと呼ばれる回路を用いたミキサの回路例を示す。なお、図7の回路は、図6において破線で囲まれている入力受信信号を共通にする互いに対をなす2つのミキサMIXia,MIXib(i=1,2,3)を示したものである。
【0007】
図6において、210a,210b,210cは受信信号を増幅するロウノイズアンプ、MIX1a,MIX1b,MIX2a,MIX2b,MIX3a,MIX3bは各受信信号と高周波VCOからの局部発振信号φRF1,/φRF1;φRF2,/φRF2とを合成して周波数変換を行なうと共にI,Q信号として復調するミキサ、220A,220Bは復調された信号を所望のレベルまで増幅する利得制御アンプとロウパスフィルタとからなる高利得増幅部である。φRF1とφRF2は互いに位相が90°ずれた信号、/φRF1はφRF1の反転信号、/φRF2はφRF2の反転信号である。
【0008】
ギルバートセルと呼ばれる回路を用いたミキサは、図7に示すように、高周波受信信号Rxi,/Rxiがベースに入力される下段差動トランジスタ対Q11,Q12;Q21,Q22のコレクタ側に、局部発振信号φRF1,/φRF1;φRF2,/φRF2を入力とする差動トランジスタ対Q1,Q2;Q3,Q4;Q5,Q6;Q7,Q8を縦積みに接続した構成を有する。図6のトリプルバンド対応のシステムでは、このようなミキサ回路が各バンド毎に計3組設けられることとなる。なお、ギルバートセルを用いたミキサに関する先願発明としては特許文献1に記載されているものがある。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−257538号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示すようなミキサ回路を3組設けたトリプルバンド方式の通信システムは、ミキサ回路の構成素子数が非常に多くなるため、回路の占有面積が大きくなるという課題がある。
また、ダイレクトダウンコンバージョン方式のミキサにおいては、要求されるダイナミックレンジと雑音特性との兼ね合いから、下段の差動トランジスタ対のエミッタ抵抗およびベース抵抗を大きくすることができない。具体的には、充分なダイナミックレンジを確保するためにトランジスタのエミッタサイズを大きくして流す電流を多くする必要があるとともに、良好なSN比を得るためにベースを大きくしてベース抵抗を下げる必要がある。その結果、ミキサ回路の消費電流が多くなる。
【0011】
さらに、図7に示すようなミキサ回路を用いたトリプルバンド方式の通信システムにおいては、ダウンコンバート用のミキサ回路の下段の差動トランジスタ対の数が多くなり、トータルの消費電流が非常に大きなものとなるという課題がある。
【0012】
なお、上記特許文献1には、図7に示されているミキサと類似の構成を有するギルバートセルミキサや図7の下段の差動トランジスタ対Q11,Q12とQ21,Q22のうちQ21,Q22を省略して上段の差動回路をQ11,Q12のコレクタに共通接続したような構成を有するミキサ回路が開示されている。しかしながら、特許文献1には複数バンドに対応したシステムに使用されるミキサについては開示されていない。
【0013】
従って、特許文献1に開示されているミキサ回路を用いてトリプルバンド方式の通信システムを構成する場合には、図6と同様に3組のミキサ回路を並べてやる必要があり、依然として回路の占有面積が大きくなるという課題が残る。また、異なるバンドの受信信号がそれぞれ入力される複数の下段の差動トランジスタ対に対して、局部発振信号が入力される上段の差動トランジスタ対を単に共通に接続しただけでは、あるバンドの受信信号が入力されているときに他のバンドのミキサ前段回路(ロウノイズアンプ)からのノイズの回り込みにより、復調信号の精度が低下してしまうおそれがあるという課題がある。
【0014】
本発明の目的は、複数バンドの信号の送受信が可能な携帯電話機のような無線通信システムを構成する通信用半導体集積回路(高周波IC)であって、受信信号を復調およびダウンコンバートするミキサ回路の占有面積を小さくしチップサイズの低減することが可能な通信用半導体集積回路を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、複数バンドの信号の送受信が可能な携帯電話機のような無線通信システムを構成する通信用半導体集積回路(高周波IC)であって、受信信号を復調およびダウンコンバートするミキサ回路における消費電流を低減することが可能な通信用半導体集積回路を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、複数バンドの信号の送受信が可能な携帯電話機のような無線通信システムを構成する通信用半導体集積回路(高周波IC)であって、所望のバンド以外のバンドの周波数帯の信号がノイズとして入って来て復調信号の精度が低下するのを回避することが可能な通信用半導体集積回路を提供することにある。
【0017】
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添附図面から明らかになるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、本発明は、受信信号と局部発振信号とを合成して復調およびダウンコンバートを行なうミキサ回路を備えマルチバンド方式の無線通信システムを構成する高周波ICにおいて、異なるバンドの受信信号がそれぞれ入力される複数の下段差動トランジスタ対を設け、これら複数の下段差動トランジスタ対に対して、局部発振信号が入力される上段の差動トランジスタ対を共通に接続するようにした。
【0019】
上記した手段によれば、異なるバンドの受信信号がそれぞれ入力される複数の下段差動トランジスタ対ごとに、局部発振信号が入力される上段の差動トランジスタ対を設ける必要がなくなる。これによって、ミキサ回路の構成素子数を少なくして回路の占有面積を低減し、ひいては高周波ICのチップサイズを小さくすることができる。
【0020】
また、直交復調を行なうようにされたミキサ回路では、I信号側とQ信号側とで下段差動トランジスタ対を別個に設ける必要がなくなる。そのため、下段差動トランジスタ対に流れる電流を、I信号側とQ信号側とで別々に下段差動トランジスタ対を設けた場合と同じ電流値にして、上段差動トランジスタ対に流れる電流をほぼ半分にしてもダイナミックレンジが狭くなることがないので、回路全体としての消費電流を減らすことができる。
【0021】
さらに、本発明は、異なるバンドの受信信号がそれぞれ入力される入力端子にバイアス電圧を与えるバイアス回路との間に、前記バイアス電圧に代えて接地電位のような安定な定電位を供給可能にするスイッチ手段を設け、受信バンド以外のバンド用の下段差動トランジスタ対の入力端子には接地電位のような定電位を印加するようにした。これにより、動作不要な差動トランジスタに流れる電流を遮断して消費電流を低減するとともに、受信バンド以外のバンド用の下段差動トランジスタ対から出力側へノイズが回り込むのを抑制することができる。
【0022】
ここで、さらに望ましくは、受信信号がそれぞれ入力される差動入力端子間に、両端子を同電位にさせるイコライズ用スイッチ手段を設けるようにする。これにより、例え一方の入力端子にノイズが入っても同相のノイズとして差動トランジスタ対に入力されることで、ノイズによる影響を相殺させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るミキサ回路の第1の実施例を示す。この実施例のミキサ回路は、例えばGSMとDCSとPCSのような周波数帯の異なる3つの通信方式の受信信号を復調およびダウンコンバートできるように構成されたものである。
【0024】
図1に示されているように、この実施例のミキサ回路の下段の差動入力部は、エミッタ共通接続された3組の入力差動トランジスタ対Q11,Q12とQ21,Q22およびQ31,Q32と、これらのトランジスタQ11〜Q32の各エミッタと接地点との間にそれぞれ接続されたエミッタ抵抗Re1,Re2,Re4,Re5,Re7,Re8と、対をなすトランジスタのエミッタ間にそれぞれ接続された抵抗Re3,Re6,Re9とから構成されている。そして、各組のトランジスタ対のうち一方のトランジスタQ11,Q21,Q31のコレクタ同士が互いに共通接続され、他方のトランジスタQ12,Q22,Q32のコレクタ同士も互いに共通接続されている。
【0025】
一方、この実施例のミキサ回路の上段の信号合成部としての掛け算部は、互いにエミッタ同士が結合され上記下段差動トランジスタ対の一方の共通コレクタノードN1に接続された差動トランジスタ対Q1,Q2と、互いにエミッタ同士が結合され上記下段差動トランジスタ対の他方の共通コレクタノードN2に接続された差動トランジスタ対Q3,Q4と、互いにエミッタ同士が結合され上記下段差動トランジスタ対の一方の共通コレクタノードN1に接続された差動トランジスタ対Q5,Q6と、互いにエミッタ同士が結合され上記下段差動トランジスタ対の他方の共通コレクタノードN2に接続された差動トランジスタ対Q7,Q8とから構成されている。
【0026】
また、掛け算部の上記差動トランジスタQ1とQ3は互いにコレクタ同士が結合されてコレクタ抵抗Rc1を介して電源電圧Vccに接続され、Q2とQ4、またQ5とQ7、Q6とQ8のコレクタ同士も結合されて各々コレクタ抵抗Rc2,Rc3,Rc4を介して電源電圧Vccに接続されている。さらに、各対のトランジスタの共通コレクタがそれぞれ出力端子OUT1,OUT2,OUT3,OUT4に接続されている。
【0027】
上記下段差動入力部のトランジスタ対Q11,Q12とQ21,Q22およびQ31,Q32のベース端子に、それぞれ受信信号Rx1,Rx2,Rx3とその反転信号/Rx1,/Rx2,/Rx3が入力されている。そして、上記下段差動入力部のトランジスタQ11とQ21とQ31の共通コレクタノードN1またはQ12とQ22とQ32の共通コレクタノードN2に、エミッタ結合された上記上段掛け算部の差動トランジスタQ1とQ2,Q3とQ4,Q5とQ6,Q7とQ8の共通エミッタが接続されることにより、下段差動入力部に入力された受信信号が上段掛け算部を構成するトランジスタQ1〜Q8のエミッタから電流信号として入力される。
【0028】
一方、上段のトランジスタ対Q1とQ4のベース端子に分周移相回路211からの高周波発振信号φRF1が、またトランジスタ対Q2とQ3のベース端子にφRF1の反転信号すなわちφRF1と位相が180°異なる発振信号/φRF1が、さらにトランジスタ対Q6とQ7のベース端子にφRF1と位相が90°異なる発振信号φRF2が、またトランジスタ対Q5とQ8のベース端子にφRF2の反転信号すなわちφRF2と180°(φRF1とは270°)位相が異なる発振信号/φRF2が入力される。
【0029】
そして、上記下段差動入力部のトランジスタ対Q11,Q12とQ21,Q22およびQ31,Q32のベース端子に入力される受信信号Rx1,Rx2,Rx3は、ある瞬間ではそのうち1つが有効にされる。これにより、受信信号Rx1,Rx2,Rx3のいずれかと高周波発振信号φRF1,/φRF1とが掛け算されて、その周波数差に相当する周波数成分を有する信号Iおよびそれと位相が180°異なる/I信号が、出力端子OUT1,OUT2から出力される。また、受信信号Rx1,Rx2,Rx3のいずれかと高周波発振信号φRF2,/φRF2とが掛け算されて、その周波数差に相当する周波数成分を有する信号Qおよびそれと位相が180°異なる/Q信号が、出力端子OUT3,OUT4から出力される。ここで、例えば受信信号Rx1はPCS系の受信信号、Rx2はDCS系の受信信号、Rx3はGSM系の受信信号とされる。
【0030】
さらに、この実施例のミキサ回路においては、受信信号Rx1,Rx2,Rx3が入力される差動トランジスタ対Q11,Q12とQ21,Q22およびQ31,Q32のベースに動作点を与えるバイアス電圧源Vb1,Vb2,Vb3がそれぞれ設けられている。そして、バイアス電圧源Vb1の電圧は抵抗Ri1,Ri2を介して受信信号Rx1の入力端子に、またバイアス電圧源Vb2の電圧は抵抗Ri3,Ri4を介して受信信号Rx2の入力端子に、さらにバイアス電圧源Vb3の電圧は抵抗Ri5,Ri6を介して受信信号Rx3の入力端子に、それぞれ印加可能にされている。抵抗Ri1〜Ri6は各々数kΩ(例えば2kΩ)程度の抵抗値のものが使用される。また、バイアス電圧源Vb1,Vb2,Vb3は、電源電圧Vccに依存するが、Vccが2.8Vの場合には1V程度に設定される。
【0031】
バイアス電圧源Vb1,Vb2,Vb3と各組の抵抗Ri1,Ri2;Ri3,Ri4;Ri5,Ri6との間には、バイアス電圧に代えて接地電位を対応する入力端子に印加する切替えスイッチSW11,SW12,SW13が設けられている。これらのスイッチSW11,SW12,SW13は、切替え制御信号CS1,CS2,CS3によって制御され、PCS系の受信信号Rx1が入力されるモードでは、SW11のみがバイアス電圧源Vb1側に切り替えられ、SW12とSW13は接地電位側に切り替えられる。
【0032】
また、DCS系の受信信号Rx2が入力されるモードでは、SW12のみがバイアス電圧源Vb2側に切り替えられ、SW11とSW13は接地電位側に切り替えられる。GSM系の受信信号Rx3が入力されるモードでは、SW13のみがバイアス電圧源Vb3側に切り替えられ、SW11とSW12は接地電位側に切り替えられる。このように、受信信号が入力されない差動入力トランジスタ対に関してはそのベース端子が接地電位に固定されることにより、電流が流れないようにされる。これにより、動作不要な差動トランジスタに流れる電流を完全に遮断して消費電流を低減することができる。なお、このとき受信信号が入力されない差動入力トランジスタ対に対応する前段のロウノイズアンプ(図2の210a〜210c)も動作電流が遮断されることにより、その増幅動作が停止される。
【0033】
さらに、この実施例のミキサ回路においては、受信信号Rx1,Rx2,Rx3の入力端子間に、受信信号が入力される差動トランジスタ対Q11,Q12とQ21,Q22およびQ31,Q32のベース電位を同電位にするためのイコライズ用スイッチSW21,SW22,SW23が設けられている。これらのイコライズ用スイッチSW21,SW22,SW23も上記切替えスイッチSW11,SW12,SW13の切替え制御信号CS1,CS2,CS3によってオン、オフ制御される。
【0034】
具体的には、切替えスイッチSW11,SW12,SW13のうちバイアス電圧源側に切り替えられるスイッチ(いずれか1つ)に対応するものがオン状態にされ、切替えスイッチSW11,SW12,SW13のうち接地点側に切り替えられるスイッチ(2つ)に対応するものすなわち受信信号が入力されないトランジスタに対応するものがオン状態にされる。これによって、いずれかの受信信号が入力されているときに、他の受信信号の入力端子にノイズが入って来てもノイズの影響が出力側へ伝わらないようにすることができる。
【0035】
図2には、図1の実施例のミキサ回路を、トリプルバンドの無線通信システムにおける受信信号の復調器として用いた受信回路の構成例が示されている。なお、図2においては、図1におけるミキサ回路の下段の差動入力部がそれぞれ符号212a,212b,212cで示され、上段の掛け算部のI信号側掛け算器が符号IMIXで、またQ信号側掛け算器が符号QMIXで示されている。
【0036】
図2の受信回路は、PCS系の受信信号Rx1を増幅するロウノイズアンプ210aと、DCS系の受信信号Rx2を増幅するロウノイズアンプ210bと、GSM系の受信信号Rx3を増幅するロウノイズアンプ210cと、差動入力部212a,212b,212cおよび掛け算器IMIX,QMIXからなるミキサ回路212と、ミキサ回路212で復調されたI信号およびQ信号を増幅する高利得増幅部220A,220Bと、ミキサ回路212で受信信号と合成される高周波発振信号を生成する高周波VCO(電圧制御発振器)250と、該VCO250で生成された発振信号を分周して互いに90°位相がずれた高周波信号φRF1,/φRF1,φRF2,/φRF2を生成する分周移相回路211とから構成されている。
【0037】
分周移相回路211に切替えスイッチSW1が設けられているのは、GSM系の受信信号Rx3の周波数は925〜960MHzで、DCS系の受信信号Rx2の周波数1805〜1880MHzのほぼ半分であるので、高周波VCO250の発振周波数範囲をDCSとPCSに合わせておいてそれを分周器DVD1で2分周した方が、高周波VCO250の発振周波数範囲を狭くすることができ、VCOの設計が容易になるためである。
【0038】
図7に示されているようなタイプのミキサ回路を受信信号の復調器として用いたトリプルバンドの無線通信システムにおける受信回路の構成を示す図6と図2とを比較すると明らかなように、図1の実施例のミキサ回路を使用すると、掛け算器IMIX,QMIXの数を1/3に減らすことができ、回路の占有面積が大幅に低減されることが分かる。
【0039】
図3は、本発明に係るミキサ回路の第2の実施例を示す。この実施例のミキサ回路は、例えばDCSとPCSあるいはGSM850とGSM900のような周波数帯の異なる2つの通信方式の受信信号を復調およびダウンコンバートできるように構成されたものである。
【0040】
図1と比較すると明らかなように、第1の実施例のミキサ回路の下段差動入力部にはエミッタ共通接続された3組の入力差動トランジスタ対Q11,Q12とQ21,Q22とQ31,Q32およびこれらのエミッタ抵抗Re1〜Re9が設けられているのに対し、この実施例のミキサ回路は、エミッタ共通接続された2組の入力差動トランジスタ対Q11,Q12およびQ21,Q22と、これらのトランジスタ対の共通エミッタにそれぞれ接続されたエミッタ抵抗Re1〜Re3,Re4〜Re6とからなる。
【0041】
そして、このミキサでは2組の入力差動トランジスタ対Q11,Q12およびQ21,Q22のベース端子に受信信号Rx1,Rx2とその反転信号/Rx1,/Rx2が入力され、上段のトランジスタ対Q1とQ4のベース端子に分周移相回路211からの高周波発振信号φRF1が、またトランジスタ対Q2とQ3のベース端子にφRF1の反転信号すなわちφRF1と位相が180°異なる発振信号/φRF1が、さらにトランジスタ対Q6とQ7のベース端子にφRF1と位相が90°異なる発振信号φRF2が、またトランジスタ対Q5とQ8のベース端子にφRF2の反転信号すなわちφRF2と位相が180°異なる発振信号/φRF2が入力される。
【0042】
図4には、図3の実施例のミキサ回路を、クウォッドバンドの無線通信システムにおける受信信号の復調器として用いた受信回路の構成例が示されている。
図1の実施例のミキサ回路を復調器として用いたトリプルバンドの無線通信システムにおける受信信号の受信回路を示す図2と比較すると明らかなように、この実施例では、2つのミキサ回路211Aと211Bが設けられる。また、ロウノイズアンプ210は図2の受信回路よりも1個余分に設けられる。ここで、Rx3はGSM900系の受信信号、Rx4はGSM850系の受信信号とされ、ロウノイズアンプ210dにGSM850系の受信信号Rx4が入力される。受信モードのある瞬間では、2つのミキサ回路211Aと211Bのうち少なくとも1つがオフ状態にされる。図4の受信回路は、図2の受信回路ほどではないが、図7の回路に比べると、ミキサ回路の占有面積を低減し、消費電流を減らすことができるという利点がある。
【0043】
ミキサ回路の第3の実施例として、図1のミキサ回路において、下段に4個の差動入力部を設けるようにしたものが考えられる。図5には、この第3の実施例のミキサ回路を、クウォッドバンドの無線通信システムにおける受信信号の復調器として用いた場合の受信回路の構成例が示されている。図3の第2の実施例のミキサ回路を用いたクウォッドバンドの無線通信システムの受信回路の構成を示す図4と比較すると明らかなように、図5のシステムではミキサの数を半分にすることができるため、ミキサ回路の占有面積を低減し、消費電流を減らすことができる。
【0044】
次に、上記第1の実施例のミキサ回路(図1)およびそれを使用した受信系回路(図2)を有するマルチバンド方式の通信用半導体集積回路(高周波IC)とそれを用いた通信システムの一例を、図8を用いて説明する。なお、図8において、図1および図2と同一の回路には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0045】
図8に示されているように、システムは信号電波の送受信用アンテナ100、送受信切り替え用のスイッチ110、受信信号から不要波を除去するSAWフィルタなどからなる高周波フィルタ120a〜120c、送信信号を増幅する高周波電力増幅回路(パワーモジュール)130、受信信号を復調したり送信信号を変調したりする高周波IC200、送信データをI,Q信号に変換したり高周波IC200を制御したりするベースバンド回路300などで構成される。高周波IC200とベースバンド回路300は、各々別個の半導体チップ上に半導体集積回路として構成される。
【0046】
特に制限されるものでないが、この実施例の高周波IC200は、GSM850とGSM900、DCS1800、PCS1900の3つの通信方式による4つの周波数帯の信号の変復調が可能に構成されている。また、これに応じて、高周波フィルタは、PCS1900の周波数帯の受信信号を通過させるフィルタ120aと、DCS1800の周波数帯の受信信号を通過させるフィルタ120bと、GSM系の周波数帯の受信信号を通過させるフィルタ120cとが設けられている。GSM850とGSM900は周波数帯が近いので、この実施例では共通のフィルタ120cが用いられる。
【0047】
本実施例の高周波IC200は、大きく分けると、受信系回路RXCと、送信系回路TXCと、それ以外の制御回路やクロック生成回路など送受信系に共通の回路からなる制御系回路CTCとで構成される。
【0048】
受信系回路RXCは、GSM、DCS、PCSの各周波数帯の受信信号をそれぞれ増幅するロウノイズアンプ210a,210b,210cと、高周波発振回路(RFVCO)250で生成された局部発振信号φRFを分周し互いに90°位相がずれた直交信号を生成する分周移相回路211と、ロウノイズアンプ210a,210b,210cで増幅された受信信号に分周移相回路211で生成された直交信号をミキシングすることで復調およびダウンコンバートを行なうミキサ回路212と、復調されたI,Q信号をそれぞれ増幅してベースバンド回路300へ出力する高利得増幅部220A,220Bと、高利得増幅部220A,220B内のアンプの入力DCオフセットをキャンセルするためのオフセットキャンセル回路213などからなる。
【0049】
高利得増幅部220Aは、複数のロウパスフィルタLPF11,LPF12,LPF13,LPF14と利得制御アンプPGA11,PGA12,PGA13とが交互に直列形態に接続され、最終段に利得が固定のアンプAMP1が接続された構成を有しており、復調されたI信号を増幅してベースバンド回路30へ出力する。高利得増幅部220Bも同様に、複数のロウパスフィルタLPF21,LPF22,LPF23,LPF24と利得制御アンプPGA21,PGA22,PGA23とが交互に直列形態に接続され、最終段に利得が固定のアンプAMP2が接続された構成を有しており、復調されたQ信号を増幅してベースバンド回路300へ出力する。
【0050】
オフセットキャンセル回路213は、各利得制御アンプPGA11〜PGA23に対応して設けられ入力端子間を短絡した状態におけるそれらの出力電位差をディジタル信号に変換するAD変換回路(ADC)と、これらのAD変換回路による変換結果に基づき対応する利得制御アンプPGA11〜23の出力のDCオフセットを「0」とするような入力オフセット電圧を生成し差動入力に対して与えるDA変換回路(DAC)と、これらのAD変換回路(ADC)とDA変換回路(DAC)を制御してオフセットキャンセル動作を行なわせる制御回路などから構成される。
【0051】
送信系回路TXCは、例えば640MHzのような中間周波数の発振信号φIFを生成する発振回路(IFVCO)230と、該発振回路230で生成された発振信号φIFを1/4分周して160MHzのような信号を生成する分周回路231と、該分周回路231で分周された信号をさらに分周しかつ互いに90°位相がずれた直交信号を生成する分周移相回路232と、生成された直交信号をベースバンド回路300から供給されるI信号とQ信号により変調をかける変調回路233a,233bと、変調された信号を合成する加算器234と、所定の周波数の送信信号φTXを発生する送信用発振回路(TXVCO)240と、送信用発振回路(TXVCO)240から出力される送信信号φTXをカプラ280A,280b等で抽出したフィードバック信号と周波数変換用の発振信号を生成する局部発振回路としての高周波発振回路(RFVCO)250で生成された高周波発振信号φRFを分周した信号φRF’とをミキシングすることでそれらの周波数差に相当する周波数の信号を生成するオフセットミキサ236と、該オフセットミキサ236の出力と前記加算器234で合成された信号TXIFとを比較して位相差を検出するアナログ位相比較器237aおよびディジタル位相比較器237bと、該位相検出回路237a,237bの出力に応じた電圧を生成するループフィルタ238などから構成されている。
【0052】
なお、ループフィルタ238を構成する抵抗および容量は、外付け素子として実施例の高周波ICの外部端子に接続される。送信用発振回路(TXVCO)240は、GSM850とGMS900の送信信号を生成する発振回路240aと、DCS1800とPCS1900の送信信号を生成する発振回路240bとからなる。このように発振回路を2つ設けているのは、送信用発振回路は、高周波発振回路250や中間周波数の発振回路230に比べて周波数の可変範囲が広く1つの発振回路ですべてカバーできる回路を設計するのは容易でないためである。
【0053】
アナログ位相比較器237aとディジタル位相比較器237bが設けられているのは、PLL回路の動作開始時における引込み動作を早くするためである。具体的には、送信開始時は先ずディジタル位相比較器237bで位相比較を行ない、その後アナログ位相比較器237aに切り替えることで、高速で位相ループをロックさせることができるようにされる。
【0054】
また、この実施例の高周波IC200のチップ上には、チップ全体を制御する制御回路260と、前記高周波発振回路(RFVCO)250と共にRF用PLL回路を構成するRFシンセサイザ261と、前記中間周波数の発振回路(IFVCO)230と共にIF用PLL回路を構成するIFシンセサイザ262と、これらのシンセサイザ261および262の基準信号となるクロック信号φrefを生成する基準発振回路(VCXO)264とが設けられている。シンセサイザ261および262は、それぞれ分周回路や位相比較回路、チャージポンプ、ループフィルタなどで構成される。
【0055】
なお、基準発振信号φrefは周波数精度の高いことが要求されるため、基準発振回路264には外付けの水晶振動子が接続される。基準発振信号φrefとしては、26MHzあるいは13MHzのような周波数が選択される。かかる周波数の水晶振動子は、汎用部品であり容易に手に入れることができる。
【0056】
図8において1/2,1/4などの分数が付記されているブロックはそれぞれ分周回路、符号BFFで示されているのはバッファ回路である。また、SW1,SW2,SW3は、GSM方式に従った送受信を行なうGSMモードとDCSまたはPCS方式に従った送受信を行なうDCS/PCSモードとで接続状態が切り替えられて、伝達される信号の分周比を選択するスイッチである。SW4は送信時にベースバンド回路300からのI,Q信号を変調用ミキサ233a,233bに供給すべくオン、オフ制御されるスイッチである。これらのスイッチSW1〜SW4は制御回路260からの信号によって制御される。
【0057】
制御回路260には、コントロールレジスタCRGが設けられ、このレジスタCRGはベースバンド回路300からの信号に基づいて設定が行なわれる。具体的には、ベースバンド回路300から高周波用IC200に対して同期用のクロック信号CLKと、データ信号SDATAと、制御信号としてのロードイネーブル信号LENとが供給されており、制御回路260は、ロードイネーブル信号LENが有効レベルにアサートされると、ベースバンド回路300から伝送されてくるデータ信号SDATAをクロック信号CLKに同期して順次取り込んで、上記コントロールレジスタCRGにセットする。特に制限されるものでないが、データ信号SDATAはシリアルで伝送される。ベースバンド回路300はマイクロプロセッサなどから構成される。
【0058】
コントロールレジスタCRGは、特に制限されるものでないが、受信モード、送信モード、アイドルモード、ウォームアップモードなどの動作モードを指定するビットフィールドや、いずれの周波数帯の信号を送受信するのか指定するビットフィールドなどが設けられる。ここで、アイドルモードは待受け時等ごく一部の回路のみ動作し少なくとも発振回路を含む大部分の回路が停止するスリープ状態となるモード、ウォームアップモードは送信または受信の直前にPLL回路を起動させるモードである。
【0059】
この実施例では、位相検出回路237a,237bと、ループフィルタ238、送信用発振回路(TXVCO)240a,240bおよびオフセットミキサ236とによって周波数変換を行なう送信用PLL回路(TXPLL)が構成される。
【0060】
本実施例のマルチバンド方式の無線通信システムでは、例えばベースバンド回路300からの指令によって制御回路260が、送受信時に高周波発振回路250の発振信号の周波数φRFを使用するチャネルに応じて変更すると共に、GSMモードかDCS/PCSモードかに応じて上記スイッチSW2を切り替えることで、オフセットミキサ236に供給される信号の周波数が変更されることによって送受信の周波数の切り替えが行なわれる。さらに、制御回路260からミキサ回路212に対しては、前記入力状態切替えスイッチSW11,SW12,SW13(図1参照)を受信周波数帯に応じて切り替えるための制御信号CS1〜CS3が供給される。
【0061】
本実施例では、中間周波用発振回路(IFVCO)230の発振周波数はGSM、DCS、PCSいずれの場合にも640MHzに設定され、これが分周回路231と分周移相回路232で1/8に分周されて80MHzの搬送波(TXIF)が生成されて変調が行なわれる。GSM850とGSM900は、周波数帯(バンド)のみ異なり、変調方式や多重化方式などは同じであるので、通信方式としては同じ方式とみることができる。
【0062】
一方、高周波発振回路(以下、RFVCOと記す)250の発振周波数は、受信モードと送信モードとで異なる値に設定される。送信モードでは、RFVCO250の発振周波数fRFは、例えばGSM850の場合3616〜3716MHzに、GSM900の場合3840〜3980MHzに、またDCSの場合3610〜3730MHzに、さらにPCSの場合3860〜3980MHzに設定され、これが分周回路でGSMの場合は1/4に分周され、またDCSとPCSの場合は1/2に分周されてφRF’としてオフセットミキサ236に供給される。
【0063】
オフセットミキサ236では、このφRF’と送信用発振回路(TXVCO)240からの送信用発振信号φTXの周波数の差(fRF’−fTX)に相当する信号が出力され、この差信号の周波数が変調信号TXIFの周波数と一致するように送信用PLL(TXPLL)が動作する。言いかえると、TXVCO240は、RFVCO250からの発振信号φRF’の周波数(fRF/4)と変調信号TXIFの周波数(fTX)の差に相当する周波数で発振するように制御される。
【0064】
受信モードでは、RFVCO250の発振周波数fRFは、例えばGSM850の場合3476〜3576MHzに、GSM900の場合3700〜3840MHzに、またDCSの場合3610〜3730MHzに、さらにPCSの場合3860〜3980MHzに設定され、GSMの場合はこれが分周回路で1/2分周され、またDCSとPCSの場合はそのまま分周移相回路211へ供給されて分周と位相シフトされてミキサ回路212に供給される。
【0065】
RFVCO250は、例えばLC共振型発振回路で構成されるとともに、LC共振回路を構成する容量素子が各々スイッチ素子を介して複数個並列に設けられており、そのスイッチ素子をバンド切り替え信号で選択的にオンさせることにより、接続される容量素子すなわちLC共振回路のCの値を切り替えることで発振周波数を段階的に切り替えることができるように構成されている。また、RFVCO250は可変容量素子としてバリキャップダイオードを有しており、RFシンセサイザ261内のループフィルタからの制御電圧によってこのバリキャップダイオードの容量値が変化され、発振周波数が連続的に変化される。
【0066】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものでない。例えば前記実施例においては、ミキサ回路の下段差動入力部212a〜212cを構成する差動トランジスタ対のエミッタ間に抵抗Re3,Re6,Re9をそれぞれ設けているが、これらのエミッタ間抵抗は省略して良い。エミッタ間抵抗Re3,Re6,Re9を設けることにより、ミキサ回路のゲインの調整が容易になる。なお、実施例のようなギルバートセル型のミキサ回路のゲインは、エミッタ抵抗Re1〜Re3(Re4〜Re6,Re7〜Re9)の合成抵抗とコレクタ抵抗Rc1,Rc2(Rc3,Rc4)との比によって決まる。さらに、エミッタ抵抗Re1,Re2,Re4,Re5,Re7,Re8の代わりに定電流源を設けるようにしても良い。
【0067】
また、実施例においては、差動入力部212a〜212cのうち動作不要な回路に流れる電流を遮断するため、入力端子に接地電位を印加するスイッチSW11〜SW13を設けているが、各差動入力部212a〜212cごとにエミッタ抵抗と接地点との間にスイッチを設けて電流を遮断するように構成しても良い。また、イコライズ用スイッチSW21〜SW3を省略するようにしても良い。さらに、実施例においては、バイポーラ・トランジスタからなるミキサ回路の例を示したが、本発明はバイポーラ・トランジスタの代わりにMOSFETを用いたミキサ回路にも適用することができる。
【0068】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるGSMとDCSとPCSの3つの通信方式による通信が可能な携帯電話機の無線通信システムに用いられる高周波ICに適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものでない。例えばGSMにおける位相変調に振幅変調を加えたようなQPSK変調モードを有するEDGEと呼ばれる通信方式にも対応可能な携帯電話機に用いられる高周波ICやCDMA方式の携帯電話機あるいは無線LANやブルートゥースと呼ばれる無線通信システムを構成する高周波ICに対しても本発明を適用することができる。
【0069】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明に従うと、受信信号を復調およびダウンコンバートするミキサ回路を有する高周波ICにおいて、ミキサ回路の構成素子数を減らして占有面積を小さくしチップサイズを低減するとともに、ミキサ回路における消費電流を低減することができる。また、所望のバンド以外のバンドの周波数帯の信号がノイズとして入って来て復調信号の精度が低下するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無線通信システムの受信系回路におけるミキサ回路の第1の実施例を示す回路図である。
【図2】第1の実施例のミキサ回路を用いた受信系回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】無線通信システムの受信系回路におけるミキサ回路の第2の実施例を示す回路図である。
【図4】第2の実施例のミキサ回路を用いた受信系回路の構成例を示すブロック図である。
【図5】第3の実施例のミキサ回路を用いた受信系回路の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明に先立って検討したトリプルバンドの無線通信システムにおける受信系回路の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明者等が検討したミキサ回路の一例を示す回路図である。
【図8】本発明を適用したミキサ回路を内蔵したマルチバンド方式の通信用半導体集積回路(高周波IC)及びそれを用いた無線通信システムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 送受信用アンテナ
110 送受信切り替え用のスイッチ
120a〜120c 高周波フィルタ
130 高周波電力増幅回路
200 高周波IC
210 ロウノイズアンプ
212 復調用ミキサ
212a〜212d 下段差動入力部
233 変調用ミキサ
220 電力増幅部
230 中間周波数発振回路(IFVCO)
238 送信用PLLのループフィルタ
240 送信用発振回路(TXVCO)
250 高周波発振回路(RFVCO)
260 制御回路
261 RFPLL用シンセサイザ回路
262 IFPLL用シンセサイザ回路
264 基準発振回路
300 ベースバンド回路

Claims (10)

  1. 受信信号が入力される差動トランジスタ対を有する差動入力部および電源電圧端子と前記差動トランジスタ対との間に設けられ所定の周波数の発振信号を受けて該発振信号の周波数と前記受信信号の周波数との差に相当する周波数成分を含む信号を出力する信号合成部とを具備するミキサ回路を備え、複数のバンドの信号を受信して復調可能な通信用半導体集積回路であって、
    前記ミキサ回路は、各々異なるバンドの受信信号が入力される複数の差動入力部を有し、これらの差動入力部に対して前記信号合成部が共通に接続されていることを特徴とする通信用半導体集積回路。
  2. 前記信号合成部は、互いに位相が180°異なる2つの発振信号が入力される2組の差動トランジスタ対からなる第1の掛け算回路と、前記発振信号と位相が90°ずれ互いに位相が180°異なる2つの発振信号が入力される2組の差動トランジスタ対からなる第2の掛け算回路とからなることを特徴とする請求項1に記載の通信用半導体集積回路。
  3. 前記複数の差動入力部の各差動トランジスタ対の差動入力端子には、抵抗素子を介して前記差動入力端子に所定のバイアス電圧または接地電位を選択的に印加する切替え手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の通信用半導体集積回路。
  4. 前記差動入力端子間には、入力端子を同電位にするためのスイッチ手段がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項3に記載の通信用半導体集積回路。
  5. 前記複数の差動入力部のそれぞれの前段に受信信号を増幅する増幅回路が設けられ、前記切替え手段が前記差動入力端子に接地電位を印加する側に設定される際に、対応する前記増幅回路の動作電流が遮断されることを特徴とする請求項3または4に記載の通信用半導体集積回路。
  6. 前記スイッチ手段は、対応する差動入力端子の前記切替え手段と同一の制御信号によって制御されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の通信用半導体集積回路。
  7. 前記制御信号を生成する制御回路を備えることを特徴とする請求項6に記載の通信用半導体集積回路。
  8. 前記ミキサ回路は前記差動入力部を3個備え少なくともGSM方式とDCS方式とPCS方式を含む3以上の通信方式に従った受信信号を復調可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の通信用半導体集積回路。
  9. 供給された発振信号に基づいて、前記ミキサ回路において前記受信信号と合成される互いに位相が90°ずれた直交信号を生成する移相回路を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の通信用半導体集積回路。
  10. 前記発振信号を生成する発振回路をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の通信用半導体集積回路。
JP2003110000A 2003-04-15 2003-04-15 通信用半導体集積回路 Pending JP2004320293A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003110000A JP2004320293A (ja) 2003-04-15 2003-04-15 通信用半導体集積回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003110000A JP2004320293A (ja) 2003-04-15 2003-04-15 通信用半導体集積回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004320293A true JP2004320293A (ja) 2004-11-11

Family

ID=33470970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003110000A Pending JP2004320293A (ja) 2003-04-15 2003-04-15 通信用半導体集積回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004320293A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006287935A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Freescale Semiconductor Inc マルチモード無線受信機のマルチバンドミキサ及び直交位相信号発生器
US7580486B2 (en) 2005-12-16 2009-08-25 Samsung Electronics Co., Ltd. Multi-input multi-frequency synthesizing apparatus and method for multi-band RF receiver
CN102474007A (zh) * 2009-07-30 2012-05-23 高通股份有限公司 可配置的天线接口

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006287935A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Freescale Semiconductor Inc マルチモード無線受信機のマルチバンドミキサ及び直交位相信号発生器
JP2012165461A (ja) * 2005-04-04 2012-08-30 Apple Inc マルチモード無線受信機のマルチバンドミキサ及び直交位相信号発生器
US7580486B2 (en) 2005-12-16 2009-08-25 Samsung Electronics Co., Ltd. Multi-input multi-frequency synthesizing apparatus and method for multi-band RF receiver
CN102474007A (zh) * 2009-07-30 2012-05-23 高通股份有限公司 可配置的天线接口
JP2013501428A (ja) * 2009-07-30 2013-01-10 クゥアルコム・インコーポレイテッド 構成可能なアンテナインターフェース
CN102474007B (zh) * 2009-07-30 2015-09-16 高通股份有限公司 可配置的天线接口

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4647361B2 (ja) 半導体集積回路
JP4587842B2 (ja) 通信用半導体集積回路
US7257385B2 (en) Wireless communication semiconductor integrated circuit device and wireless communication system
US7392026B2 (en) Multi-band mixer and quadrature signal generator for a multi-mode radio receiver
US7454176B2 (en) Semiconductor integrated circuit for communication and terminal device for mobile communication
US7542747B2 (en) Wide bandwidth transceiver
JP2004120728A (ja) 発振回路および通信用半導体集積回路
US20060068748A1 (en) Communication semiconductor integrated circuit and radio communication system
JP2009130867A (ja) 半導体集積回路
JP2000013278A (ja) 無線装置及びそれを備える無線携帯機及び無線基地局並びにそれらを含む無線通信システム
JP2004343164A (ja) 通信用半導体集積回路および無線通信システム
US7519337B2 (en) Transmitter and mobile communication terminal using the same
JP2005167536A (ja) 通信用半導体集積回路および無線通信システム
US20020021762A1 (en) Multi-band transmission & reception-signal-generating apparatus, multi-band transmission & reception-signal-generating method and multi-band-radio-signal-transmitting & receiving apparatus
US7050779B2 (en) Semiconductor integrated circuit device
JP2006067574A (ja) 送信機及びそれを用いた無線通信端末
JP2001044872A (ja) 受信信号処理用半導体集積回路
JP4354681B2 (ja) 通信用半導体集積回路
JP2004320293A (ja) 通信用半導体集積回路
JP4883657B2 (ja) 通信用半導体集積回路
JP2005184409A (ja) 通信用半導体集積回路およびそれを搭載した電子部品
Van Driessche et al. Analysis and key specifications of a novel frequency synthesizer architecture for multi-standard transceivers
JP2004104724A (ja) 通信用半導体集積回路
JP2006262439A (ja) Pll回路を内蔵する通信用半導体集積回路
van der Tang et al. HW/SW co-design for SoC on mobile platforms

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060407

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081014

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090224