JP2004320245A - 光送信モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体レーザの高温時にI−L 特性のスロープ効率の飽和により過剰なパルス駆動電流が流れることを抑制し、レーザ出力光の消光比が必要以上に増大することを抑制する。
【解決手段】光通信用のLD 9の注入電流対光出力特性のスロープ効率を検出して変調電流を制御する光出力安定化回路を用いた光送信モジュールにおいて、レーザ駆動回路に与える変調電流制御信号の大きさを制限する回路(G7) 12を設けることによりレーザ駆動電流の増加を制限する。
【選択図】 図1
【解決手段】光通信用のLD 9の注入電流対光出力特性のスロープ効率を検出して変調電流を制御する光出力安定化回路を用いた光送信モジュールにおいて、レーザ駆動回路に与える変調電流制御信号の大きさを制限する回路(G7) 12を設けることによりレーザ駆動電流の増加を制限する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信用の半導体レーザダイオードを用いた光送信モジュールに係り、特にトーン変調方式を用いてレーザ出力光を安定化する手段に関するもので、例えば1.55μmの波長帯と通常分散ファイバの組み合わせにおける長距離光ファイバ伝送装置に組み込まれて使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、半導体レーザダイオード(LD)の駆動電流(注入電流)対発光出力特性(I−L 特性)の動作環境温度またはモジュールのケース温度Taに対する一般的な温度依存性を示すものであり、横軸は駆動電流(Current) 、縦軸は光出力パワー(Optical power) を示す。
【0003】
図7中、光出力が急激に立ち上がり始める部分の電流値は閾値電流(Threshold current) と呼ばれる。通常、光通信用送信装置は光出力がTaに依存せずに一定になるように自動パワー制御(Auto Power Control;APC)制御が行われている。
【0004】
なお、駆動電流の単位変化量ΔI に対する光出力パワーの変化量ΔP 、つまり、ΔP/ΔI は、I−L 特性のスロープ効率(Slope efficiency)と呼ばれる。
【0005】
図8は、半導体レーザダイオードLDの変調電流(Imod)を一定に保ちながらAPC制御した場合の消光特性の概念を示す。
【0006】
図8中、Erは消光比、PLは“0”レベルの光出力、PHは“1”レベルの光出力をそれぞれ表わしている。
【0007】
この消光特性から、低い温度(図8では−10 ℃)ではバイアス電流が閾値電流以下になり、高い温度( 図8では85℃) ではバイアス電流が閾値電流以上になることが分かる。
【0008】
バイアス電流が閾値電流以下になると緩和振動が大きくなり、アイパターン不良または長距離伝送後の符号誤り率にフロアを生じる。また、バイアス電流が閾値電流以上になると消光比劣化が生じ、受信器のS/N が悪くなり、符号誤り率特性不良が生じる。
【0009】
そこで、LDの出力光の消光比を安定化するために、LDに対してペルチェ素子などによる温度の安定化を行う場合もあるが、低消費電力化・低コスト化を図るために温度の安定化を行わない場合もある。
【0010】
このように温度の安定化を行わない場合に、LDの温度特性を補償するためにTaを検出する手段を設け、Taに応じて変化する変調電流を得る(駆動パルス電流を最適に制御する)ことで、バイアス電流が閾値電流以上または以下にならないように制御する方式が知られている。
【0011】
しかし、この方式ではLD個々の特性を事前に測定して調整するかモジュールに組み込んだ後に温度特性を測定しながら調整するなどの必要性があり、調整に多大な時間を要する。また、この方式は平均光出力以外のLDの特性変化を検出していないので、I−L 特性の長期的な使用による劣化、特に特性の傾きの劣化を検出できない。
【0012】
一方、通信信号の周波数よりも低い低周波信号をLD変調電流に重畳し、I−L 特性の傾きの変化を検出した結果に応じてLDの変調電流を制御するトーン変調方式(例えば非特許文献1参照)を用いた光出力安定化回路が知られている。
【0013】
トーン変調方式は、LDの変調電流に低周波の正弦波信号(トーン信号)を重畳し、正弦波をモニタPDにより検出し、この正弦波の振幅が一定になるように前記変調電流に重畳する正弦波の振幅を制御する方式である。このようにトーン変調方式は、I−L 特性を直接にモニタすることと等価であるので、LDの温度特性を知る必要がなく、調整の時間を短縮できる効果がある。
【0014】
図9は、従来のトーン信号を重畳した変調電流制御方式を採用した光出力安定化回路を用いた光送信モジュールの構成例を示す。
【0015】
この光送信モジュールにおいて、半導体レーザモジュールには、LD 9およびその光出力パワーを検出するフォトダイオード(PD) 10が組み込まれている。
【0016】
第1の誤差増幅部(G1) 1は、基準信号X と後述するトーン信号検出部(G4) 4から供給されるトーン検出信号との間の誤差を検出して増幅し、誤差電圧(直流)を生成するものである。
【0017】
トーン信号発生器(低周波信号発生器)7 は、後述する通信信号より周波数が低い例えば1kHz程度のパルス信号を生成し、このパルス信号を例えば低域濾波器を通して正弦波のトーン信号を発生するものである。
【0018】
乗算器8 は、トーン信号発生器7 から供給されるトーン信号を第1の誤差増幅部G1の出力電圧に重畳(アナログ的に加算)するものである。
【0019】
第1の信号変換部(G2) 2は、乗算器8 の出力に含まれるトーン信号を後述する変調電流検出部(G5) 5からの制御信号により振幅制御してレーザ駆動部(G3) 3でLD変調電流を生成するための制御信号を生成するものである。
【0020】
レーザ駆動部(G3) 3は、差動入力端子DATA, /DATAに入力される通信信号(高速パルス信号)が第1の信号変換部(G2)から入力される制御信号により振幅変調され、バイアス端子に後述する第2の信号変換部(G6)から入力される制御信号によりバイアス電流が制御されるものである。これにより、トーン信号が重畳された高速パルス電流と直流バイアス電流からなるレーザ駆動電流(LD駆動電流)を生成してLD 9に印加する。
【0021】
トーン信号検出部(G4) 4は、モニタPD 10の出力信号中のトーン信号の大きさを検出し、検出出力を第1の誤差増幅部(G1)の比較入力とするものである。
【0022】
変調電流検出部(G5) 5は、レーザ駆動部(G3) 3の変調電流の大きさを検出し、検出出力を第1の信号変換部(G2) 2の制御入力とするものである。
【0023】
第2の信号変換部(G6) 6は、モニタPD 10の出力信号の大きさの平均値を基準信号Y と比較して検出し、レーザ駆動部(G3) 3でLDバイアス電流を生成するための制御信号を生成するものである。
【0024】
次に、図9に示した光送信モジュールの動作について詳述する。
【0025】
第1の信号変換部(G2) 2は、第1の誤差増幅部(G1) 1で生成された信号に乗算器8 でトーン信号が重畳された信号を基準として、変調電流検出部(G5) 5によって検出された信号を比較し、比較結果に応じた電圧をレーザ駆動部(G3) 3の変調電流制御端子に供給する。
【0026】
レーザ駆動部(G3) 3は、差動入力端子DATA, /DATAから入力された高速パルス信号と変調電流制御端子に変調電流検出部(G5) 5から入力された電圧に基づいてLD駆動電流を生成する。このLD駆動電流は、LD 9の閾値電流に相当する直流バイアス電流を駆動パルス電流に重畳した電流であり、トーン信号が重畳されている。
【0027】
LD 9はレーザ駆動部(G3) 3から供給されるLD駆動電流(トーン信号成分が重畳した電流)を光信号に変換する。モニタPD 10は、LD 9の光出力を電流(一般に数百μA 程度)に変換する。
【0028】
トーン信号検出部(G4) 4は、モニタPD 10の出力電流中のトーン信号成分のみを選択的に抽出し、その大きさ成分に応じた直流電圧を生成する。トーン信号検出部(G4) 4により生成された信号は第1の誤差増幅部(G1) 1にフィードバックされる。このようにトーン信号検出部(G4) 4を介した閉ループが形成されている。
【0029】
第1の誤差増幅部(G1) 1は、トーン信号の大きさが一定となるように制御電圧を生成する。同時に、変調電流値にある係数を掛ける(または加える)などの操作を行って変調電流制御信号を生成することにより、基準信号X に応じた所望の変調電流を得ることが可能となる。
【0030】
第2の信号変換部(G6) 6は、モニタPD 10により変換された電流を平均化してLD 9の出力パワーを検出し、検出信号を基準信号Y と比較して誤差増幅を行い、レーザ駆動部(G3) 3のバイアス制御端子に電圧を供給し、LD 9の出力パワーが一定値となるようにLD 9に印加する直流バイアス電流を制御する。この第2の信号変換部(G6) 6を介した閉ループは一般にAPC 回路と言われる。
【0031】
上記したような閉ループ制御により、LD 9の消光比と光出力を温度Taに依存せずに所望の一定値とすることが可能となる。しかし、高温動作時にI−L 特性の傾きが小さくなると、変調電流は増加するが、この変調電流の増加に伴ってLD 9が発熱し、さらに、I−L 特性の傾きが小さくなり、それによってさらに変調電流を増加させて発熱するといった悪循環に陥って制御不能(熱暴走)になり、システムの信頼性を劣化させる問題がある。
【0032】
また、図7中に示すように、LD 9の特性として、高温(85℃)時のI−L 特性のように、高電流が注入される領域においては光出力が飽和する傾向が挙げられる。I−L 特性の飽和により、重畳されたトーン信号の振幅は小さくなり、スロープ効率(ΔP/ΔI )が小さくなる。しかし、制御回路はトーン信号の振幅を一定に保とうとするので、高温動作時に室温動作時と同じ光出力を得ようとして変調電流を大きくしてしまい、その結果、高温動作時に消光比が大きくなってしまう。消光比が大きくなるとS/N は良くなるが、消光比が過剰に大きくなると、緩和振動が増加し、アイマスク規格に対する不良が生じる。
【0033】
特に、1.55μm の波長帯と通常分散ファイバの組み合わせにおける長距離伝送においては、前記緩和振動の増加は分散が大きくなるので、伝送の品質が劣化が発生し、問題となる。即ち、消光比が過剰に大きくなると、LD 9の発光線幅が増大し、分散ペナルティー特性(LD 9から得られる光信号を光ファイバで実際に数十km伝送した際に生じる受信感度劣化)の悪化を招く。
【0034】
なお、特許文献1には、半導体レーザの光出力信号の低レベルを調整するためにバイアス電流源を制御し、光出力信号の高レベルを調整するためにパルス電流源を制御する半導体レーザの光出力安定化回路が開示されている。
【0035】
【特許文献1】
特開平6−169125号公報
【0036】
【非特許文献1】
「トーン変調方式」、デザインウエーブマガジン、CQ出版社発刊、2001年8 月号、p154〜p159、
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来の光送信モジュールは、半導体レーザの高温動作時に過剰な変調電流が流れ、消光比が過剰に増大し、緩和振動が増加し、さらに熱暴走が発生し、システムの信頼性を劣化させるという問題があった。
【0038】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、半導体レーザの温度安定化を行わない場合に、レーザダイオードの高温動作時に過剰なパルス駆動電流が流れてレーザ出力光の消光比が必要以上に増大することや、緩和振動の増加による通信の品質劣化を抑制し、制御回路の暴走を防止して信頼性を高め得る光送信モジュールを提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の光送信モジュールは、光通信のための入力信号の周波数より低い低周波のトーン信号を発生するトーン信号発生器と、前記トーン信号発生器で発生されたトーン信号の振幅を制御可能なトーン振幅制御回路と、前記トーン振幅制御回路の出力信号により前記光通信のための入力信号に対応した駆動パルス電流が変調制御され、変調された駆動パルス電流を出力するレーザ駆動回路と、前記レーザ駆動回路により駆動される光通信用の半導体レーザダイオードおよび前記半導体レーザダイオードの出力光を受光するモニタ用の光検出素子が組み込まれた光通信用半導体レーザモジュールと、前記モニタ用の光検出素子による検出電流から前記トーン信号の振幅を検出するトーン信号検出回路と、前記トーン信号検出回路により検出された第1の検出電圧を第1の基準電圧と比較して第1の差信号を生成し、前記トーン信号検出回路により検出されるトーン信号の振幅が一定となるように前記トーン振幅制御回路を前記第1の差信号に基づいて制御する第1の誤差増幅器と、前記光検出素子による検出電流から前記半導体レーザダイオードの出力光パワーを検出する出力光パワー検出回路と、前記出力光パワー検出回路により検出された第2の検出電圧を第2の基準電圧と比較して第2の差信号を生成し、前記出力光パワー検出回路により検出される出力光パワーが一定となるように前記第2の差信号に基づいて前記レーザ駆動回路を制御することにより、前記半導体レーザダイオードの直流バイアス電流を制御する第2の誤差増幅器と、前記レーザ駆動回路に与える変調電流制御信号の大きさを制限することにより前記半導体レーザダイオードの駆動パルス電流の増加を制限するレーザ駆動電流制限手段とを具備することを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0041】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光通信用の半導体レーザダイオードの光出力安定化回路を用いた光送信モジュールを示している。
【0042】
図1に示す構成は、図9に示した従来例の構成と比べて、第1の信号変換部(G2) 2とレーザ駆動部(G3) 3との間に制御回路(G7) 12が追加挿入され、レーザ駆動部(G3) 3の入力Voutが制限されることによって変調電流の増加が抑制される点が異なり、その他は同じであるので図9中と同一符号を付している。
【0043】
即ち、図1において、1 は第1の誤差増幅部(G1)、2 は第1の信号変換部(G2)、3 はレーザ駆動部(G3)、4 はトーン信号検出部(G4)、5 は変調電流検出部(G5)、6 は第2の信号変換部(G6)、7 はトーン信号発生器(低周波信号発生器)、8 は乗算器、9 は半導体レーザダイオード(LD)、10はモニタ用フォトダイオード(PD)である。
【0044】
前記G1 1は所望の変調電流を得るための基準信号X とG4 4からフィードバックされた信号から誤差増幅を行い、フィードバックされた信号が一定となるように制御する信号を出力する。G1 1の出力信号は乗算器8 により低周波(トーン信号)が重畳されてG2 2に入力される。このG2 2は、乗算器 8から入力された信号を、G3 3の変調電流をG5 5でモニタして得られた信号と比較し、変調電流制御信号を生成してG3 3へ入力する。このG3 3は、本例ではLDドライバICとして構成されている。
【0045】
上記したようなG2−G3−G5の閉ループにより、G3 3で基準信号X に応じた所望の変調電流を得ることが可能となり、G3 3で得られた変調電流に応じてLD 9に電流が供給され、LD 9により電気/光変換された変調信号はモニタPD 10により光/電気変換される。モニタPD 10の出力に含まれる変調信号はG4 4によってトーン信号のみが抽出され、その周波数成分が取り除かれ、大きさの成分のみがG1 1へフィードバックされる。本例では、上記したような制御により、G3 3で得られた変調電流値とトーン信号振幅が同じになるように設定している。
【0046】
図2は、図1中のレーザ駆動回路(G3) 3の一例を示す回路図である。
【0047】
このレーザ駆動回路(G3) 3は、例えばエミッタ同士が共通接続された差動入力対をなすNPN トランジスタQ1, Q2と、上記差動入力対トランジスタQ1, Q2のエミッタ共通接続ノードと接地ノードとの間に接続された電流源Ivと、前記差動入力対トランジスタQ1, Q2の一方のトランジスタQ1のコレクタと電源ノードとの間に接続された負荷抵抗素子R と、前記差動入力対トランジスタQ1,Q2の他方のトランジスタQ2のコレクタと接地ノードとの間に接続されたチョークコイルL およびバイアス制御用のNPN トランジスタQ3とからなり、上記他方のトランジスタQ2のコレクタと電源ノードとの間に前記LD9 が接続されている。
【0048】
そして、前記差動入力対トランジスタQ1, Q2のベースに差動入力端子Data, /Dataから高速パルス信号が入力され、前記電流源Ivの電流が前記制御回路(G7) 12の出力により制御され、前記バイアス制御用のNPN トランジスタQ3のベースに前記(G6) 6の出力が印加される。
【0049】
これにより、図1中の制御回路(G7) 12の出力に含まれるトーン信号により高速のパルス信号が振幅変調され、このトーン信号が重畳されたパルス電流とG6 6の出力により制御された直流バイアス電流をLD 9に印加する。
【0050】
ところで、温度Taが上がると、LD 9のI−L 特性の傾きは小さくなるので、重畳されたトーン信号の振幅も小さくなる。このため、フィードバック信号と基準信号X との差(誤差)が大きくなり、制御信号は変調電流を上げるように動作する。これにより、温度Taの変化によるLD 9のI−L 特性の変化を補償することが可能となる。
【0051】
制御工学によれば、本例の構成は2次系の制御であり、その伝達関数G(s)は
G(s) =(1/K)*ωn 2 /(s 2 +2ωns+ ωn 2 ) …(1)
で与えられる。ここで、s はラプラス演算子、ξは制動係数、ωn 2 は角振動周波数、1/K はゲインを示している。全ての構成の伝達関数が既知とは限らないので、G(s)は実験にて求めることとなる。
【0052】
ここで、一般的にξが発振しない値に設定された時、1/K が1になれば、ある一定の時間後に目的の制御が得られる。1にならない場合は、後段に増幅器などを設けて1にすることができる。
【0053】
しかし、1/K を1にした場合においても、高温動作時の変調電流値は、I−L 特性の飽和により増加するので、先に述べたように過剰に変調電流を制御するおそれがある。このおそれを防止するために、本例では、G2 2とG3 3の間に制御回路(G7) 12を挿入している。
【0054】
図3は、図1中の制御回路(G7) 12の一例を示す回路図である。
【0055】
この制御回路(G7) 12において、VG2 は図1中のG2 2から入力される信号電圧、OP1 はバッファ(Buffer)増幅用の演算増幅器、R3は抵抗器、VoutはG7 12から出力する制御信号電圧、20は制御信号電圧Voutを制限し、後段の図1中のG3 3によるLD変調電流の増加を抑制するための電圧制限回路(リミッタ回路)を示している。
【0056】
前記電圧制限回路20は、電源電圧に依存しない基準電圧V + を抵抗器R1, R2で分割し、この分割電圧を演算増幅器OP2 の非反転入力入力端子(+) に入力し、この演算増幅器OP2 の出力端子と反転入力入力端子(−) との間にダイオードD1と抵抗器R4を直列に接続し、このダイオードD1と抵抗器R4の直列接続ノードを制御信号電圧Voutの出力ノードに接続してなる。
【0057】
図3の回路において、入力信号電圧VG2 は演算増幅器OP1 によりバッファ増幅され、制御信号電圧Voutとして後段のG3に供給される。このVoutは、通常はVG2と同じ値が出力されるが、電圧制限回路20により大きさが制限される。本例の回路構成の時のリミット電圧V limit は
V limit ={R2/(R1+R2)}* V+ …(2)
となる。R1, R2を調整し、VoutをV limit に制限することにより、I−L 特性の飽和により発生する過剰な変調電流が流れることが制限できる。
【0058】
図1に示した光送信モジュールは、光出力安定化回路の大部分(少なくとも、トーン信号発生器、レーザ駆動回路を含む)を内蔵したLSI と、この半導体装置の外部に配設され、レーザ駆動回路により駆動される光通信用LD 9およびモニタ用PD 10が組み込まれた半導体レーザモジュールと、前記LSI に必要に応じて外付け接続される抵抗器などの複数個の部品が光ファイバ伝送装置内に組み込まれてなる。
【0059】
上記したように第1の実施形態に係る光出力安定化回路およびそれを用いた光送信モジュールは、変調駆動される光通信用LD 9の環境温度や経年劣化などによる特性の変化を、変調電流の増減により制御することで消光比特性を一定に保つことを目的とした制御回路方式を採用している。そして、LD 9の消光比が大きく、緩和振動を許容できる範囲内のある値以下(熱暴走の発生を防止する値以下)に変調電流の増加を制限するように制御することによって、消光比が過剰に大きくなることを抑制し、I−L 特性の飽和(過剰な制御)による緩和振動の増加を抑制し、熱暴走の発生を防止することができる。
【0060】
また、図3中の電圧制限回路20の抵抗器R1, R2の前述したような調整を容易にするために、トリミング可能な抵抗器で構成することが望ましい。これにより、LD 9の個々の特性のバラツキに対応した設定が可能となるので、より広い範囲の特性のバラツキを吸収することができ、コストを低減できる。また、回路規模が小さく実装面積が限られている場合に特に有効である。
【0061】
なお、図3中の電圧制限回路20の抵抗器R1, R2の調整を容易にするため、図4に示すように、調整可能な抵抗器VRを用い、抵抗器R1, R2とともに電圧制限回路20a に外付け接続するようにしてもよい。ここで、電圧制限回路20a は、前記電圧制限回路20から抵抗器R1, R2を外部に分離したものである。
【0062】
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態に係る光送信モジュールを示している。
【0063】
図5に示す構成は、図9に示した従来例の構成と比べて、G4 4とG1 1との間に制御部(G8) 50が追加挿入され、G4 4の出力電圧Vin が制御部(G8) 50により制限されることによって、後段のG3 3によるLD変調電流の増加が抑制される点が異なり、その他は同じであるので図9中と同一符号を付している。
【0064】
図6は、図5中の制御部(G8) 50の一例を示す回路図である。
【0065】
図6に示す制御部(G8) 50において、51は制御回路、52はA/D 変換器(A/D) 、53はマイクロコントローラ(MPU) である。Vin は図5中の(G4) 4から制御回路51に入力される電圧であり、抵抗器R1を介してバッファ(Buffer)増幅用の演算増幅器OP1 の反転入力入力端子(−) に入力する。Voutは演算増幅器OP1 から出力する制御電圧であり、その非反転入力入力端子(+) は接地されており、その出力端子と反転入力入力端子(−) との間に抵抗器R2, R3が直列に接続されており、その直列接続ノードと接地ノードとの間に電子制御式ポテンシオメータVRが接続されている。
【0066】
前記Vin はA/D 52にも入力され、ここで電圧検出およびA/D 変換が行われてMPU 53に取り込まれる。このMPU 53は、書込み可能なROM を内蔵しており、前記A/D 52から取り込んだデータをプログラムに基づいて処理し、演算増幅器OP1 から出力する制御電圧Voutを制限するように前記電子制御式ポテンシオメータVRの抵抗値をデジタル的に制御する。これにより、制御回路51は、制御電圧Voutを制限し、後段の図5中のG3 3によるLD変調電流の増加を抑制するための電圧制限回路(リミッタ回路)を形成している。
【0067】
次に、図5および図6の回路の動作を説明する。
【0068】
演算増幅器OP1 から出力する制御電圧Voutは次式で表される。
【0069】
Vout=−[{(R2+R3)/R1}+R2*R3/R1*VR]*Vin …(3)
ここで、MPU 53のROM に、上記式(3)中のVin が所望の制限値に近くなった時にポテンシオメータVRの抵抗値が小さくなるようなプログラムを書き込んでおくと、Vin が所望の制限値に近くなった時に演算増幅器OP1 の利得が小さくなるので、Voutが過剰に大きくなることを制限できる。この際、Vin の値により段階的にポテンシオメータVRの抵抗値を下げるように設定することもプログラムによって可能であり、演算増幅器OP1 の利得も段階的に小さくできるので、スムーズな制御が可能となり、安定的な動作が可能となる。
【0070】
また、Voutの大きさが制限されることにより、図5中のG3 3に入力される電圧が過剰に大きくなることが制限されるので、LD変調電流が過剰に増加することを防ぐことができる。
【0071】
上記したように第2の実施形態に係る光出力安定化回路およびそれを用いた光送信モジュールは、前述した第1の実施形態と基本的に同様の効果が得られる。しかも、プログラムによりLD駆動電流を段階的に調整することも可能となるので、駆動電流制限により発生する消光比特性の変化を抑制することができる。
【0072】
【発明の効果】
上述したように本発明の光通信用半導体レーザの光出力安定化回路およびそれを用いた光送信モジュールによれば、半導体レーザの温度安定化を行わない場合に、レーザダイオードの高温動作時に過剰なパルス駆動電流が流れてレーザ出力光の消光比が必要以上に増大することや、緩和振動の増加による通信の品質劣化を抑制し、制御回路の暴走を防止し、信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光出力安定化回路を用いた光送信モジュールを示す構成説明図。
【図2】図1中のレーザ駆動回路(G3)の一例を示す回路図。
【図3】図1中の制御回路(G7)の一例を示す回路図。
【図4】図3中の電圧制限回路の変形例を示す回路図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る光出力安定化回路を用いた光送信モジュールを示す構成説明図。
【図6】図5中の制御部(G8)の一例を示す回路図。
【図7】半導体レーザダイオードLDの駆動電流対発光出力特性の一般的な温度依存性を示す特性図。
【図8】半導体レーザダイオードLDの変調電流を一定に保ちながらAPC 制御した場合の消光特性を概念的に示す特性図。
【図9】従来の光出力安定化回路を用いた光送信モジュールを示す構成説明図。
【符号の説明】
1 …第1の誤差増幅部(G1)、2 …第1の信号変換部(G2)、3 …レーザ駆動部(G3)、4 …トーン信号検出部(G4)、5 …変調電流検出部(G5)、6 …第2の信号変換部(G6)、7 …トーン信号発生器(低周波信号発生器)、8 …乗算器、9 …半導体レーザダイオード(LD)、10…モニタ用フォトダイオード(PD)、12…制御回路(G7)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信用の半導体レーザダイオードを用いた光送信モジュールに係り、特にトーン変調方式を用いてレーザ出力光を安定化する手段に関するもので、例えば1.55μmの波長帯と通常分散ファイバの組み合わせにおける長距離光ファイバ伝送装置に組み込まれて使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、半導体レーザダイオード(LD)の駆動電流(注入電流)対発光出力特性(I−L 特性)の動作環境温度またはモジュールのケース温度Taに対する一般的な温度依存性を示すものであり、横軸は駆動電流(Current) 、縦軸は光出力パワー(Optical power) を示す。
【0003】
図7中、光出力が急激に立ち上がり始める部分の電流値は閾値電流(Threshold current) と呼ばれる。通常、光通信用送信装置は光出力がTaに依存せずに一定になるように自動パワー制御(Auto Power Control;APC)制御が行われている。
【0004】
なお、駆動電流の単位変化量ΔI に対する光出力パワーの変化量ΔP 、つまり、ΔP/ΔI は、I−L 特性のスロープ効率(Slope efficiency)と呼ばれる。
【0005】
図8は、半導体レーザダイオードLDの変調電流(Imod)を一定に保ちながらAPC制御した場合の消光特性の概念を示す。
【0006】
図8中、Erは消光比、PLは“0”レベルの光出力、PHは“1”レベルの光出力をそれぞれ表わしている。
【0007】
この消光特性から、低い温度(図8では−10 ℃)ではバイアス電流が閾値電流以下になり、高い温度( 図8では85℃) ではバイアス電流が閾値電流以上になることが分かる。
【0008】
バイアス電流が閾値電流以下になると緩和振動が大きくなり、アイパターン不良または長距離伝送後の符号誤り率にフロアを生じる。また、バイアス電流が閾値電流以上になると消光比劣化が生じ、受信器のS/N が悪くなり、符号誤り率特性不良が生じる。
【0009】
そこで、LDの出力光の消光比を安定化するために、LDに対してペルチェ素子などによる温度の安定化を行う場合もあるが、低消費電力化・低コスト化を図るために温度の安定化を行わない場合もある。
【0010】
このように温度の安定化を行わない場合に、LDの温度特性を補償するためにTaを検出する手段を設け、Taに応じて変化する変調電流を得る(駆動パルス電流を最適に制御する)ことで、バイアス電流が閾値電流以上または以下にならないように制御する方式が知られている。
【0011】
しかし、この方式ではLD個々の特性を事前に測定して調整するかモジュールに組み込んだ後に温度特性を測定しながら調整するなどの必要性があり、調整に多大な時間を要する。また、この方式は平均光出力以外のLDの特性変化を検出していないので、I−L 特性の長期的な使用による劣化、特に特性の傾きの劣化を検出できない。
【0012】
一方、通信信号の周波数よりも低い低周波信号をLD変調電流に重畳し、I−L 特性の傾きの変化を検出した結果に応じてLDの変調電流を制御するトーン変調方式(例えば非特許文献1参照)を用いた光出力安定化回路が知られている。
【0013】
トーン変調方式は、LDの変調電流に低周波の正弦波信号(トーン信号)を重畳し、正弦波をモニタPDにより検出し、この正弦波の振幅が一定になるように前記変調電流に重畳する正弦波の振幅を制御する方式である。このようにトーン変調方式は、I−L 特性を直接にモニタすることと等価であるので、LDの温度特性を知る必要がなく、調整の時間を短縮できる効果がある。
【0014】
図9は、従来のトーン信号を重畳した変調電流制御方式を採用した光出力安定化回路を用いた光送信モジュールの構成例を示す。
【0015】
この光送信モジュールにおいて、半導体レーザモジュールには、LD 9およびその光出力パワーを検出するフォトダイオード(PD) 10が組み込まれている。
【0016】
第1の誤差増幅部(G1) 1は、基準信号X と後述するトーン信号検出部(G4) 4から供給されるトーン検出信号との間の誤差を検出して増幅し、誤差電圧(直流)を生成するものである。
【0017】
トーン信号発生器(低周波信号発生器)7 は、後述する通信信号より周波数が低い例えば1kHz程度のパルス信号を生成し、このパルス信号を例えば低域濾波器を通して正弦波のトーン信号を発生するものである。
【0018】
乗算器8 は、トーン信号発生器7 から供給されるトーン信号を第1の誤差増幅部G1の出力電圧に重畳(アナログ的に加算)するものである。
【0019】
第1の信号変換部(G2) 2は、乗算器8 の出力に含まれるトーン信号を後述する変調電流検出部(G5) 5からの制御信号により振幅制御してレーザ駆動部(G3) 3でLD変調電流を生成するための制御信号を生成するものである。
【0020】
レーザ駆動部(G3) 3は、差動入力端子DATA, /DATAに入力される通信信号(高速パルス信号)が第1の信号変換部(G2)から入力される制御信号により振幅変調され、バイアス端子に後述する第2の信号変換部(G6)から入力される制御信号によりバイアス電流が制御されるものである。これにより、トーン信号が重畳された高速パルス電流と直流バイアス電流からなるレーザ駆動電流(LD駆動電流)を生成してLD 9に印加する。
【0021】
トーン信号検出部(G4) 4は、モニタPD 10の出力信号中のトーン信号の大きさを検出し、検出出力を第1の誤差増幅部(G1)の比較入力とするものである。
【0022】
変調電流検出部(G5) 5は、レーザ駆動部(G3) 3の変調電流の大きさを検出し、検出出力を第1の信号変換部(G2) 2の制御入力とするものである。
【0023】
第2の信号変換部(G6) 6は、モニタPD 10の出力信号の大きさの平均値を基準信号Y と比較して検出し、レーザ駆動部(G3) 3でLDバイアス電流を生成するための制御信号を生成するものである。
【0024】
次に、図9に示した光送信モジュールの動作について詳述する。
【0025】
第1の信号変換部(G2) 2は、第1の誤差増幅部(G1) 1で生成された信号に乗算器8 でトーン信号が重畳された信号を基準として、変調電流検出部(G5) 5によって検出された信号を比較し、比較結果に応じた電圧をレーザ駆動部(G3) 3の変調電流制御端子に供給する。
【0026】
レーザ駆動部(G3) 3は、差動入力端子DATA, /DATAから入力された高速パルス信号と変調電流制御端子に変調電流検出部(G5) 5から入力された電圧に基づいてLD駆動電流を生成する。このLD駆動電流は、LD 9の閾値電流に相当する直流バイアス電流を駆動パルス電流に重畳した電流であり、トーン信号が重畳されている。
【0027】
LD 9はレーザ駆動部(G3) 3から供給されるLD駆動電流(トーン信号成分が重畳した電流)を光信号に変換する。モニタPD 10は、LD 9の光出力を電流(一般に数百μA 程度)に変換する。
【0028】
トーン信号検出部(G4) 4は、モニタPD 10の出力電流中のトーン信号成分のみを選択的に抽出し、その大きさ成分に応じた直流電圧を生成する。トーン信号検出部(G4) 4により生成された信号は第1の誤差増幅部(G1) 1にフィードバックされる。このようにトーン信号検出部(G4) 4を介した閉ループが形成されている。
【0029】
第1の誤差増幅部(G1) 1は、トーン信号の大きさが一定となるように制御電圧を生成する。同時に、変調電流値にある係数を掛ける(または加える)などの操作を行って変調電流制御信号を生成することにより、基準信号X に応じた所望の変調電流を得ることが可能となる。
【0030】
第2の信号変換部(G6) 6は、モニタPD 10により変換された電流を平均化してLD 9の出力パワーを検出し、検出信号を基準信号Y と比較して誤差増幅を行い、レーザ駆動部(G3) 3のバイアス制御端子に電圧を供給し、LD 9の出力パワーが一定値となるようにLD 9に印加する直流バイアス電流を制御する。この第2の信号変換部(G6) 6を介した閉ループは一般にAPC 回路と言われる。
【0031】
上記したような閉ループ制御により、LD 9の消光比と光出力を温度Taに依存せずに所望の一定値とすることが可能となる。しかし、高温動作時にI−L 特性の傾きが小さくなると、変調電流は増加するが、この変調電流の増加に伴ってLD 9が発熱し、さらに、I−L 特性の傾きが小さくなり、それによってさらに変調電流を増加させて発熱するといった悪循環に陥って制御不能(熱暴走)になり、システムの信頼性を劣化させる問題がある。
【0032】
また、図7中に示すように、LD 9の特性として、高温(85℃)時のI−L 特性のように、高電流が注入される領域においては光出力が飽和する傾向が挙げられる。I−L 特性の飽和により、重畳されたトーン信号の振幅は小さくなり、スロープ効率(ΔP/ΔI )が小さくなる。しかし、制御回路はトーン信号の振幅を一定に保とうとするので、高温動作時に室温動作時と同じ光出力を得ようとして変調電流を大きくしてしまい、その結果、高温動作時に消光比が大きくなってしまう。消光比が大きくなるとS/N は良くなるが、消光比が過剰に大きくなると、緩和振動が増加し、アイマスク規格に対する不良が生じる。
【0033】
特に、1.55μm の波長帯と通常分散ファイバの組み合わせにおける長距離伝送においては、前記緩和振動の増加は分散が大きくなるので、伝送の品質が劣化が発生し、問題となる。即ち、消光比が過剰に大きくなると、LD 9の発光線幅が増大し、分散ペナルティー特性(LD 9から得られる光信号を光ファイバで実際に数十km伝送した際に生じる受信感度劣化)の悪化を招く。
【0034】
なお、特許文献1には、半導体レーザの光出力信号の低レベルを調整するためにバイアス電流源を制御し、光出力信号の高レベルを調整するためにパルス電流源を制御する半導体レーザの光出力安定化回路が開示されている。
【0035】
【特許文献1】
特開平6−169125号公報
【0036】
【非特許文献1】
「トーン変調方式」、デザインウエーブマガジン、CQ出版社発刊、2001年8 月号、p154〜p159、
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来の光送信モジュールは、半導体レーザの高温動作時に過剰な変調電流が流れ、消光比が過剰に増大し、緩和振動が増加し、さらに熱暴走が発生し、システムの信頼性を劣化させるという問題があった。
【0038】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、半導体レーザの温度安定化を行わない場合に、レーザダイオードの高温動作時に過剰なパルス駆動電流が流れてレーザ出力光の消光比が必要以上に増大することや、緩和振動の増加による通信の品質劣化を抑制し、制御回路の暴走を防止して信頼性を高め得る光送信モジュールを提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の光送信モジュールは、光通信のための入力信号の周波数より低い低周波のトーン信号を発生するトーン信号発生器と、前記トーン信号発生器で発生されたトーン信号の振幅を制御可能なトーン振幅制御回路と、前記トーン振幅制御回路の出力信号により前記光通信のための入力信号に対応した駆動パルス電流が変調制御され、変調された駆動パルス電流を出力するレーザ駆動回路と、前記レーザ駆動回路により駆動される光通信用の半導体レーザダイオードおよび前記半導体レーザダイオードの出力光を受光するモニタ用の光検出素子が組み込まれた光通信用半導体レーザモジュールと、前記モニタ用の光検出素子による検出電流から前記トーン信号の振幅を検出するトーン信号検出回路と、前記トーン信号検出回路により検出された第1の検出電圧を第1の基準電圧と比較して第1の差信号を生成し、前記トーン信号検出回路により検出されるトーン信号の振幅が一定となるように前記トーン振幅制御回路を前記第1の差信号に基づいて制御する第1の誤差増幅器と、前記光検出素子による検出電流から前記半導体レーザダイオードの出力光パワーを検出する出力光パワー検出回路と、前記出力光パワー検出回路により検出された第2の検出電圧を第2の基準電圧と比較して第2の差信号を生成し、前記出力光パワー検出回路により検出される出力光パワーが一定となるように前記第2の差信号に基づいて前記レーザ駆動回路を制御することにより、前記半導体レーザダイオードの直流バイアス電流を制御する第2の誤差増幅器と、前記レーザ駆動回路に与える変調電流制御信号の大きさを制限することにより前記半導体レーザダイオードの駆動パルス電流の増加を制限するレーザ駆動電流制限手段とを具備することを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0041】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光通信用の半導体レーザダイオードの光出力安定化回路を用いた光送信モジュールを示している。
【0042】
図1に示す構成は、図9に示した従来例の構成と比べて、第1の信号変換部(G2) 2とレーザ駆動部(G3) 3との間に制御回路(G7) 12が追加挿入され、レーザ駆動部(G3) 3の入力Voutが制限されることによって変調電流の増加が抑制される点が異なり、その他は同じであるので図9中と同一符号を付している。
【0043】
即ち、図1において、1 は第1の誤差増幅部(G1)、2 は第1の信号変換部(G2)、3 はレーザ駆動部(G3)、4 はトーン信号検出部(G4)、5 は変調電流検出部(G5)、6 は第2の信号変換部(G6)、7 はトーン信号発生器(低周波信号発生器)、8 は乗算器、9 は半導体レーザダイオード(LD)、10はモニタ用フォトダイオード(PD)である。
【0044】
前記G1 1は所望の変調電流を得るための基準信号X とG4 4からフィードバックされた信号から誤差増幅を行い、フィードバックされた信号が一定となるように制御する信号を出力する。G1 1の出力信号は乗算器8 により低周波(トーン信号)が重畳されてG2 2に入力される。このG2 2は、乗算器 8から入力された信号を、G3 3の変調電流をG5 5でモニタして得られた信号と比較し、変調電流制御信号を生成してG3 3へ入力する。このG3 3は、本例ではLDドライバICとして構成されている。
【0045】
上記したようなG2−G3−G5の閉ループにより、G3 3で基準信号X に応じた所望の変調電流を得ることが可能となり、G3 3で得られた変調電流に応じてLD 9に電流が供給され、LD 9により電気/光変換された変調信号はモニタPD 10により光/電気変換される。モニタPD 10の出力に含まれる変調信号はG4 4によってトーン信号のみが抽出され、その周波数成分が取り除かれ、大きさの成分のみがG1 1へフィードバックされる。本例では、上記したような制御により、G3 3で得られた変調電流値とトーン信号振幅が同じになるように設定している。
【0046】
図2は、図1中のレーザ駆動回路(G3) 3の一例を示す回路図である。
【0047】
このレーザ駆動回路(G3) 3は、例えばエミッタ同士が共通接続された差動入力対をなすNPN トランジスタQ1, Q2と、上記差動入力対トランジスタQ1, Q2のエミッタ共通接続ノードと接地ノードとの間に接続された電流源Ivと、前記差動入力対トランジスタQ1, Q2の一方のトランジスタQ1のコレクタと電源ノードとの間に接続された負荷抵抗素子R と、前記差動入力対トランジスタQ1,Q2の他方のトランジスタQ2のコレクタと接地ノードとの間に接続されたチョークコイルL およびバイアス制御用のNPN トランジスタQ3とからなり、上記他方のトランジスタQ2のコレクタと電源ノードとの間に前記LD9 が接続されている。
【0048】
そして、前記差動入力対トランジスタQ1, Q2のベースに差動入力端子Data, /Dataから高速パルス信号が入力され、前記電流源Ivの電流が前記制御回路(G7) 12の出力により制御され、前記バイアス制御用のNPN トランジスタQ3のベースに前記(G6) 6の出力が印加される。
【0049】
これにより、図1中の制御回路(G7) 12の出力に含まれるトーン信号により高速のパルス信号が振幅変調され、このトーン信号が重畳されたパルス電流とG6 6の出力により制御された直流バイアス電流をLD 9に印加する。
【0050】
ところで、温度Taが上がると、LD 9のI−L 特性の傾きは小さくなるので、重畳されたトーン信号の振幅も小さくなる。このため、フィードバック信号と基準信号X との差(誤差)が大きくなり、制御信号は変調電流を上げるように動作する。これにより、温度Taの変化によるLD 9のI−L 特性の変化を補償することが可能となる。
【0051】
制御工学によれば、本例の構成は2次系の制御であり、その伝達関数G(s)は
G(s) =(1/K)*ωn 2 /(s 2 +2ωns+ ωn 2 ) …(1)
で与えられる。ここで、s はラプラス演算子、ξは制動係数、ωn 2 は角振動周波数、1/K はゲインを示している。全ての構成の伝達関数が既知とは限らないので、G(s)は実験にて求めることとなる。
【0052】
ここで、一般的にξが発振しない値に設定された時、1/K が1になれば、ある一定の時間後に目的の制御が得られる。1にならない場合は、後段に増幅器などを設けて1にすることができる。
【0053】
しかし、1/K を1にした場合においても、高温動作時の変調電流値は、I−L 特性の飽和により増加するので、先に述べたように過剰に変調電流を制御するおそれがある。このおそれを防止するために、本例では、G2 2とG3 3の間に制御回路(G7) 12を挿入している。
【0054】
図3は、図1中の制御回路(G7) 12の一例を示す回路図である。
【0055】
この制御回路(G7) 12において、VG2 は図1中のG2 2から入力される信号電圧、OP1 はバッファ(Buffer)増幅用の演算増幅器、R3は抵抗器、VoutはG7 12から出力する制御信号電圧、20は制御信号電圧Voutを制限し、後段の図1中のG3 3によるLD変調電流の増加を抑制するための電圧制限回路(リミッタ回路)を示している。
【0056】
前記電圧制限回路20は、電源電圧に依存しない基準電圧V + を抵抗器R1, R2で分割し、この分割電圧を演算増幅器OP2 の非反転入力入力端子(+) に入力し、この演算増幅器OP2 の出力端子と反転入力入力端子(−) との間にダイオードD1と抵抗器R4を直列に接続し、このダイオードD1と抵抗器R4の直列接続ノードを制御信号電圧Voutの出力ノードに接続してなる。
【0057】
図3の回路において、入力信号電圧VG2 は演算増幅器OP1 によりバッファ増幅され、制御信号電圧Voutとして後段のG3に供給される。このVoutは、通常はVG2と同じ値が出力されるが、電圧制限回路20により大きさが制限される。本例の回路構成の時のリミット電圧V limit は
V limit ={R2/(R1+R2)}* V+ …(2)
となる。R1, R2を調整し、VoutをV limit に制限することにより、I−L 特性の飽和により発生する過剰な変調電流が流れることが制限できる。
【0058】
図1に示した光送信モジュールは、光出力安定化回路の大部分(少なくとも、トーン信号発生器、レーザ駆動回路を含む)を内蔵したLSI と、この半導体装置の外部に配設され、レーザ駆動回路により駆動される光通信用LD 9およびモニタ用PD 10が組み込まれた半導体レーザモジュールと、前記LSI に必要に応じて外付け接続される抵抗器などの複数個の部品が光ファイバ伝送装置内に組み込まれてなる。
【0059】
上記したように第1の実施形態に係る光出力安定化回路およびそれを用いた光送信モジュールは、変調駆動される光通信用LD 9の環境温度や経年劣化などによる特性の変化を、変調電流の増減により制御することで消光比特性を一定に保つことを目的とした制御回路方式を採用している。そして、LD 9の消光比が大きく、緩和振動を許容できる範囲内のある値以下(熱暴走の発生を防止する値以下)に変調電流の増加を制限するように制御することによって、消光比が過剰に大きくなることを抑制し、I−L 特性の飽和(過剰な制御)による緩和振動の増加を抑制し、熱暴走の発生を防止することができる。
【0060】
また、図3中の電圧制限回路20の抵抗器R1, R2の前述したような調整を容易にするために、トリミング可能な抵抗器で構成することが望ましい。これにより、LD 9の個々の特性のバラツキに対応した設定が可能となるので、より広い範囲の特性のバラツキを吸収することができ、コストを低減できる。また、回路規模が小さく実装面積が限られている場合に特に有効である。
【0061】
なお、図3中の電圧制限回路20の抵抗器R1, R2の調整を容易にするため、図4に示すように、調整可能な抵抗器VRを用い、抵抗器R1, R2とともに電圧制限回路20a に外付け接続するようにしてもよい。ここで、電圧制限回路20a は、前記電圧制限回路20から抵抗器R1, R2を外部に分離したものである。
【0062】
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態に係る光送信モジュールを示している。
【0063】
図5に示す構成は、図9に示した従来例の構成と比べて、G4 4とG1 1との間に制御部(G8) 50が追加挿入され、G4 4の出力電圧Vin が制御部(G8) 50により制限されることによって、後段のG3 3によるLD変調電流の増加が抑制される点が異なり、その他は同じであるので図9中と同一符号を付している。
【0064】
図6は、図5中の制御部(G8) 50の一例を示す回路図である。
【0065】
図6に示す制御部(G8) 50において、51は制御回路、52はA/D 変換器(A/D) 、53はマイクロコントローラ(MPU) である。Vin は図5中の(G4) 4から制御回路51に入力される電圧であり、抵抗器R1を介してバッファ(Buffer)増幅用の演算増幅器OP1 の反転入力入力端子(−) に入力する。Voutは演算増幅器OP1 から出力する制御電圧であり、その非反転入力入力端子(+) は接地されており、その出力端子と反転入力入力端子(−) との間に抵抗器R2, R3が直列に接続されており、その直列接続ノードと接地ノードとの間に電子制御式ポテンシオメータVRが接続されている。
【0066】
前記Vin はA/D 52にも入力され、ここで電圧検出およびA/D 変換が行われてMPU 53に取り込まれる。このMPU 53は、書込み可能なROM を内蔵しており、前記A/D 52から取り込んだデータをプログラムに基づいて処理し、演算増幅器OP1 から出力する制御電圧Voutを制限するように前記電子制御式ポテンシオメータVRの抵抗値をデジタル的に制御する。これにより、制御回路51は、制御電圧Voutを制限し、後段の図5中のG3 3によるLD変調電流の増加を抑制するための電圧制限回路(リミッタ回路)を形成している。
【0067】
次に、図5および図6の回路の動作を説明する。
【0068】
演算増幅器OP1 から出力する制御電圧Voutは次式で表される。
【0069】
Vout=−[{(R2+R3)/R1}+R2*R3/R1*VR]*Vin …(3)
ここで、MPU 53のROM に、上記式(3)中のVin が所望の制限値に近くなった時にポテンシオメータVRの抵抗値が小さくなるようなプログラムを書き込んでおくと、Vin が所望の制限値に近くなった時に演算増幅器OP1 の利得が小さくなるので、Voutが過剰に大きくなることを制限できる。この際、Vin の値により段階的にポテンシオメータVRの抵抗値を下げるように設定することもプログラムによって可能であり、演算増幅器OP1 の利得も段階的に小さくできるので、スムーズな制御が可能となり、安定的な動作が可能となる。
【0070】
また、Voutの大きさが制限されることにより、図5中のG3 3に入力される電圧が過剰に大きくなることが制限されるので、LD変調電流が過剰に増加することを防ぐことができる。
【0071】
上記したように第2の実施形態に係る光出力安定化回路およびそれを用いた光送信モジュールは、前述した第1の実施形態と基本的に同様の効果が得られる。しかも、プログラムによりLD駆動電流を段階的に調整することも可能となるので、駆動電流制限により発生する消光比特性の変化を抑制することができる。
【0072】
【発明の効果】
上述したように本発明の光通信用半導体レーザの光出力安定化回路およびそれを用いた光送信モジュールによれば、半導体レーザの温度安定化を行わない場合に、レーザダイオードの高温動作時に過剰なパルス駆動電流が流れてレーザ出力光の消光比が必要以上に増大することや、緩和振動の増加による通信の品質劣化を抑制し、制御回路の暴走を防止し、信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光出力安定化回路を用いた光送信モジュールを示す構成説明図。
【図2】図1中のレーザ駆動回路(G3)の一例を示す回路図。
【図3】図1中の制御回路(G7)の一例を示す回路図。
【図4】図3中の電圧制限回路の変形例を示す回路図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る光出力安定化回路を用いた光送信モジュールを示す構成説明図。
【図6】図5中の制御部(G8)の一例を示す回路図。
【図7】半導体レーザダイオードLDの駆動電流対発光出力特性の一般的な温度依存性を示す特性図。
【図8】半導体レーザダイオードLDの変調電流を一定に保ちながらAPC 制御した場合の消光特性を概念的に示す特性図。
【図9】従来の光出力安定化回路を用いた光送信モジュールを示す構成説明図。
【符号の説明】
1 …第1の誤差増幅部(G1)、2 …第1の信号変換部(G2)、3 …レーザ駆動部(G3)、4 …トーン信号検出部(G4)、5 …変調電流検出部(G5)、6 …第2の信号変換部(G6)、7 …トーン信号発生器(低周波信号発生器)、8 …乗算器、9 …半導体レーザダイオード(LD)、10…モニタ用フォトダイオード(PD)、12…制御回路(G7)。
Claims (6)
- 光通信のための入力信号の周波数より低い低周波のトーン信号を発生するトーン信号発生器と、
前記トーン信号発生器で発生されたトーン信号の振幅を制御可能なトーン振幅制御回路と、
前記トーン振幅制御回路の出力信号により前記光通信のための入力信号に対応した駆動パルス電流が変調制御され、変調された駆動パルス電流を出力するレーザ駆動回路と、
前記レーザ駆動回路により駆動される光通信用の半導体レーザダイオードおよび前記半導体レーザダイオードの出力光を受光するモニタ用の光検出素子が組み込まれた光通信用半導体レーザモジュールと、
前記モニタ用の光検出素子による検出電流から前記トーン信号の振幅を検出するトーン信号検出回路と、
前記トーン信号検出回路により検出された第1の検出電圧を第1の基準電圧と比較して第1の差信号を生成し、前記トーン信号検出回路により検出されるトーン信号の振幅が一定となるように前記トーン振幅制御回路を前記第1の差信号に基づいて制御する第1の誤差増幅器と、
前記光検出素子による検出電流から前記半導体レーザダイオードの出力光パワーを検出する出力光パワー検出回路と、
前記出力光パワー検出回路により検出された第2の検出電圧を第2の基準電圧と比較して第2の差信号を生成し、前記出力光パワー検出回路により検出される出力光パワーが一定となるように前記第2の差信号に基づいて前記レーザ駆動回路を制御することにより、前記半導体レーザダイオードの直流バイアス電流を制御する第2の誤差増幅器と、
前記レーザ駆動回路に与える変調電流制御信号の大きさを制限することにより前記半導体レーザダイオードの駆動パルス電流の増加を制限するレーザ駆動電流制限手段
とを具備することを特徴とする光送信モジュール。 - 前記レーザ駆動電流制限手段は、
前記トーン振幅制御回路から入力される信号電圧をバッファ増幅する第1の演算増幅器と、
前記第1の演算増幅器から出力される制御信号電圧の大きさを制限して前記レーザ駆動回路に与える変調電流制御信号の大きさを制限する電圧制限回路とを有し、
前記電圧制限回路は、
電源電圧に依存しない基準電圧を分割する分圧用抵抗器と、
前記分圧抵抗器による分圧電圧が非反転入力入力端子に入力する第2の演算増幅器と、
前記第2の演算増幅器の出力端子と反転入力入力端子との間に直列に接続されたダイオードおよび抵抗器とを有し、
前記ダイオードおよび抵抗器の中間ノードが電圧制限回路出力ノードに接続されていることを特徴とする請求項1記載の光送信モジュール。 - 前記分圧用抵抗器は、抵抗値のトリミング調整が可能であることを特徴とする請求項2記載の光送信モジュール。
- 少なくとも前記レーザ駆動回路は半導体集積回路装置に内蔵されており、
前記電圧制限回路の分圧用抵抗器は前記半導体集積回路装置の外付け接続されていることを特徴とする請求項2記載の光送信モジュール。 - 前記レーザ駆動電流制限手段は、
前記トーン信号検出回路より検出された第1の検出電圧が第1の抵抗器を介して反転入力入力端子に入力され、これをバッファ増幅して前記第1の誤差増幅器に入力する演算増幅器と、
前記演算増幅器から出力される制御電圧の大きさを制限して前記レーザ駆動回路に与える変調電流制御信号の大きさを制限する電圧制限手段とを有し、
前記電圧制限手段は、
前記演算増幅器の出力端子と反転入力入力端子との間に直列に接続された少なくとも2個の抵抗器と、
前記2個の抵抗器の直列接続ノードと接地ノードとの間に接続された電子制御式可変抵抗器と、
前記第1の検出電圧に基づいて前記演算増幅器から出力する制御電圧を所望の値に制限する電圧制御手段
とを有することを特徴とする請求項2記載の光送信モジュール。 - 前記電圧制御手段は、
前記トーン信号検出回路より検出された第1の検出電圧が入力され、これを電圧検出してA/D 変換を行うA/D 変換器と、
書込み可能なROM を内蔵し、前記A/D 変換器から取り込んだデータをプログラムに基づいて処理し、前記演算増幅器から出力する制御電圧を所望の値に制限するように前記電子制御式可変抵抗器の抵抗値をデジタル的に制御するマイクロコントローラ
とを具備することを特徴とする請求項5記載の光送信モジュール。
Priority Applications (1)
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JP2003109412A JP2004320245A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 光送信モジュール |
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- 2003-04-14 JP JP2003109412A patent/JP2004320245A/ja active Pending
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