JP2004319795A - アルミニウム固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】静電容量が大きく、ESR等のコンデンサ特性に優れ、かつ組立工程が簡便なアルミニウム固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供。
【解決手段】板厚が150〜500μmの平板状アルミニウム箔1の両面に、片面あたりのエッチング層2の厚みが70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満となるようにエッチング層を形成させた後、順次、誘電体酸化皮膜、導電性高分子層及び陰極導電性層を形成させてコンデンサ素子を得、該素子を陽極端子7及び陰極端子10を具備したリードフレームに接合した後、外装樹脂11で成形する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ型構造のアルミニウム固体電解コンデンサ及びその製造方法に関し、より詳しくは、両面にエッチング層が形成された平板状アルミニウム箔の表面に、順次、誘電体酸化皮膜、導電性高分子層及び陰極導電層を形成させてなる固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、導電性高分子を固体電解質として用いたアルミニウム固体電解コンデンサが提案されており、電気伝導度が高く、耐熱性に優れた導電性高分子を用いた該コンデンサは、コンデンサの電気抵抗が小さく、また表面実装可能な優れた特性のコンデンサである(例えば特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−159983号公報
【0003】
以下に、一般的なチップ型構造のアルミニウム固体電解コンデンサについて、図面を参照して説明する。なお、図1は、アルミニウム固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図であり、図中(a)は、該コンデンサ全体の概略断面図をまた図中(b)は、該コンデンサの平板状コンデンサ素子部の概略断面図を示す。また、図2は、積層型アルミニウム固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図である。
【0004】
図1において、チップ型構造のアルミニウム固体電解コンデンサは、平板状アルミニウム箔1の表面に、エッチング層2が形成され、該エッチング層上に、順次、誘電体酸化皮膜、導電性高分子層3及び陰極導電層4を形成させてコンデンサ素子を得、ついで、該素子の陽極引き出し部5を、陽極用金属ワイヤ6を介してリードフレームの陽極端子7に接合し、陰極導電層4の下面を、銀ペースト8により、また該導電層の上面を、陰極用金属ワイヤ9を介してリードフレームの陰極端子10に接続し、ついで、外装樹脂11を施して得られる。
【0005】
図1(b)に示すように、上記一般的なコンデンサに用いられる平板状アルミニウム箔1は、板厚が90〜110μm程度であり、該箔の両面に30〜40μmのエッチング層2及び中心部に約30μmのアルミニウム芯部が形成される。
【0006】
上記アルミニウム箔の板厚が90〜110μmの範囲より厚い箔では、巻回型コンデンサの用途で巻回した場合に、割れが発生してしまい、また、該範囲より薄い箔では、アルミニウム芯部の厚さが約30μm未満となり、引っ張り強度が弱くなってしまい、巻回した場合に破断するなどの不都合が生じる。
【0007】
チップ型構造のアルミニウム固体電解コンデンサにおいても、コスト的に汎用のアルミニウム箔が安価なため、巻回型と同様に、板厚が90〜110μmのアルミニウム箔が用いられているが、該箔を用いたコンデンサは、静電容量が小さく、大容量のコンデンサを得るためには、図2に示すようにコンデンサ素子を2枚積層させるか、あるいはそれ以上を積層させて、製造されていた。
【0008】
しかしながら、上記積層型コンデンサは、組立加工が煩雑であり、また、コンデンサ素子同士を銀ペーストで接着して積層させるため、導電部である銀ペーストとコンデンサ素子との導電層の接触抵抗が増大し、等価直列抵抗(以下、「ESR」と略記する。)が高くなるという解決すべき課題が残されていた。
【0009】
静電容量を増大させる他の方法として、アルミニウム箔の板厚を厚くしかつエッチング層を厚く形成させて、箔の表面を拡面化させる方法が考えられるが、エッチング層を厚く形成させると、アルミニウム芯部と陰極導電層との距離が長くなり、該エッチング層上に形成させた固体電解質層の抵抗成分が上昇するため、得られたコンデンサのESRが高くなり、実用化は困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、静電容量が大きく、ESR等のコンデンサ特性に優れ、かつ組立工程が簡便なアルミニウム固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、アルミニウム固体電解コンデンサに用いられる平板状アルミニウム箔の板厚及びエッチング層の厚さを特定の範囲に制御するとともに、固体電解質として導電性高分子を形成させることにより、上記課題を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、両面にエッチング層が形成された平板状アルミニウム箔の表面に、順次、誘電体酸化皮膜、導電性高分子層及び陰極導電層を形成させてなるアルミニウム固体電解コンデンサにおいて、該箔の板厚が150〜500μmであり、また、該箔の片面あたりのエッチング層の厚さが70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満であることを特徴とするアルミニウム固体電解コンデンサである。
【0013】
また、本発明は、板厚が150〜500μmの平板状アルミニウム箔の両面に、複数のマス目を残して絶縁性樹脂でマスキングさせた後、該箔の片面あたりのエッチング層の厚さが70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満となるようにマス目内にエッチング層を形成させた後、該エッチング層の表面に、順次、誘電体酸化皮膜、導電性高分子層及び陰極導電性層を形成させ、ついで、各マス目ごとに切り離してコンデンサ素子を得る工程、該コンデンサ素子を、陽極端子及び陰極端子を備えたリードフレームに接合させる工程、外装樹脂で成形させる工程を包括することを特徴とするアルミニウム固体電解コンデンサの製造方法である。
【0014】
以下、本発明のアルミニウム固体電解コンデンサについて、図1及び図2を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、図面によりなんら限定されない。
【0015】
本発明のアルミニウム固体電解コンデンサは、板厚が150〜500μmの平板状アルミニウム箔1の表面に、エッチング層2が、該箔の片面あたり70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満となるように形成され、該エッチング層上に、順次、誘電体酸化皮膜、導電性高分子層3及び陰極導電層4を形成させてコンデンサ素子を得、ついで、該素子の陽極引き出し部5を、陽極用金属ワイヤ6を介して陽極端子7に接合し、陰極導電層4の下面を、銀ペースト8により、また該導電層の上面を、陰極用金属ワイヤ9を介して陰極端子10に接続した後、外装樹脂11を施して得られる。
【0016】
本発明のアルミ固体電解コンデンサに用いられる平板状アルミニウム箔1の板厚は150〜500μmであり、また、該箔の片面あたりのエッチング層2の厚さは70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満である。
【0017】
一般に、平板状アルミニウム箔1のエッチング層2を厚く形成させることにより、箔の表面が拡面化され、静電容量の大きいのコンデンサが得られるが、該箔の板厚が150μmより未満の薄い箔に、片面あたり70μm以上のエッチング層を形成させると、該箔のアルミニウム芯部が薄くなり、機械的強度が低下し、量産工程での加工が困難なため、不都合である。
【0018】
また、平板状アルミニウム箔1の板厚が500μmを越えると、該箔の切断作業等の加工性、量産性が劣るとともに、切断時に受けた機械的ストレスにより、コンデンサの漏れ電流が増大し、不都合である。
【0019】
上記平板状アルミニウム箔1の表面に形成されるエッチング層2の厚さは、片面あたり70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満であり、エッチング層2の厚さが片面あたり70μmより未満の場合では、静電容量を向上させる効果が小さく、不都合であり、該箔の板厚の1/2以上の場合では、該エッチング層が平板状アルミニウム箔1を貫通してしまい、機械的強度が低下し不都合である。さらに、エッチング層2の厚さが片面あたり250μm以上では、アルミニウム箔の芯部と陰極導電層との距離が長くなり、ESRが増大し不都合である。
【0020】
本発明のアルミニウム固体電解コンデンサに用いられる固体電解質としては、電気伝導度が高く、耐熱性に優れた導電性高分子が好適である。
【0021】
前述したように、一般的な固体電解コンデンサにおいて、アルミニウム箔のエッチング層を厚く形成させると、コンデンサの静電容量は増大するものの、陽極のアルミニウム芯部から陰極導電層までの距離が長くなり、固体電解質層の抵抗成分が上昇し、コンデンサのESRが増大するが、固体電解質として電気伝導度の高い導電性高分子を用いることにより、250μm程度の厚いエッチング層においても、ESRは増大せず、低ESRのコンデンサが得られる。
【0022】
上記導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフラン、ポリアセチレン、ポリチオフェンまたはポリ(アルキルチオフェン)などのチオフェン誘導体ポリマーなどがあげられ、化学重合法及び/または電解重合法など従来公知の方法により形成させる。
【0023】
以下、本発明のアルミニウム固体電解コンデンサの製造方法について、図1、図2及び図3を参照して詳細に説明する。なお、図3は、平板状アルミニウム箔表面に絶縁性樹脂により複数のマス目を形成させた模式図である。
【0024】
まず、図3に示すように、板厚が150〜500μmの平板状アルミニウム箔1の両面に、コンデンサ素子の形成部となる複数のマス目を残して絶縁性樹脂12によりマスキングを施し、ついで、アルミニウム金属部が露出した各マス目内をエッチングさせて、該箔1の表面を、片面あたりのエッチング層の厚さが70μm以上かつ該箔の板厚の1/2を越えない範囲でエッチングさせる。
【0025】
上記マスキングに用いられる絶縁性樹脂12としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂またはシリコン樹脂などを用いることができ、塗布法やスクリーン印刷により被覆させる。
【0026】
また、各マス目内のアルミニウム金属表面へのエッチングは、従来公知の電気化学的な交流エッチング法と直流エッチング法が適用できるが、交流エッチング法は、コンデンサの静電容量を大きくでき、より好ましい。
【0027】
ついで、上記エッチング層が形成された各マス目内に、固体電解質として導電性高分子層3を形成させる。
【0028】
上記導電性高分子としては、電解重合で形成させたポリピロールが好ましく、該ポリピロールは、導電性が高いので、エッチング層が250μm程度の厚みに形成されても、ESRが増大することがない。該電解重合ポリピロールを形成させる方法としては、マス目内に導電性のプレコート層を形成させ、続いて、該プレコート層を電極とし、外部電極との間で電解重合させる。
【0029】
上記プレコート層は、化学重合によりポリピロールなどの導電性高分子層を形成させるか、または、溶媒可溶性の導電性高分子溶液をマス目内に滴下、洗浄、乾燥させて形成される。
【0030】
また、電解重合ポリピロール層は、プレコート層が形成された上記箔を、ピロールモノマーとドーパントとを含む電解液中に浸漬し、先に形成させたプレコート層にステンレスワイヤ等の導体を接触させ、外部電極との間で所定時間、定電流電解重合を行い、その後、洗浄、乾燥させて形成される。
【0031】
ついで、上記箔に、カーボンペースト及び銀ペーストを塗布し、加熱、乾燥させて、カーボン層及び銀層からなる陰極導電層4を形成させる。
【0032】
ついで、得られた箔を、図3に示すように、マス目の周囲に形成された絶縁性樹脂部を図中の点線に沿って切断して、複数の素子に切り離し、続いて各素子の絶縁性樹脂の一部を剥離し、アルミニウム金属を露出させてコンデンサ素子の陽極引き出し部5を形成し、図1(b)に示す平板状コンデンサ素子を得る。
【0033】
得られた平板状コンデンサ素子を、図1(a)に示すように、陽極端子7及び陰極端子10を備えた金属製のリードフレームに載置し、陽極引き出し部5を、陽極用金属ワイヤ6を介して陽極端子7に接合させ、また、陰極導電層4の下面を、銀ペースト8により、また該導電層の上面を、陰極用金属ワイヤ9を介して陰極端子10に接続させる。
【0034】
その後、エポキシ樹脂等の外装樹脂11で成形し、両極に電圧を印加してエージングさせて、本発明のアルミニウム固体電解コンデンサを完成する。
【0035】
本発明の固体電解コンデンサは、コンデンサ素子1枚でも高静電容量のコンデンサが得られるが、さらに高静電容量のコンデンサを得るには、図2に示すように、コンデンサ素子を2枚積層させるか、またはそれ以上積層させて作製してもよい。
【0036】
本発明のアルミニウム固体電解コンデンサは、平板状アルミニウム箔の板厚が150〜500μmであり、また、該箔の表面に、片面あたり70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満となるエッチング層が形成されており、該コンデンサは、静電容量が大きく、漏れ電流が小さい特性を有する。また、該エッチング層上に固体電解質層として導電性高分子を形成させることにより、ESRが低い優れた特性のコンデンサが得られる。
【0037】
また、本発明のアルミニウム固体電解コンデンサの製造方法によれば、コンデンサ素子の静電容量が大きいことから、従来に比べてコンデンサ素子の積層枚数を少なくでき、組立工程が簡便で、材料費、組立加工費の低減が可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を、実施例に基づき説明する。実施例中、「%」は「質量%」を表す。なお、本発明は、実施例により、なんら限定されない。
【0039】
実施例1
平板状アルミニウム箔1(横32mm×縦28mm×板厚200μm)の両面に、図3に示すように、横3mm×縦5mmのマス目を残して、絶縁性樹脂12であるエポキシ樹脂を塗布してマスキングを施した。該箔に形成させたマス目は、横10行、縦5列、合計50個である。
【0040】
上記箔をエッチング液中に浸漬し、交流エッチングさせて、マス目内にエッチング層を形成させた。該エッチング層の厚さは、片面あたり70μmであった。
【0041】
上記エッチング操作は、エッチング液として、2%塩化アルミニウム及び8%塩酸溶液を用い、液温度30℃、周波数50Hz、電流0.15Aの条件で、所望の厚みのエッチング層が形成されるまで、通電させて処理した。
【0042】
ついで、アジピン酸アンモニウム水溶液中、電圧10Vで化成処理して、マス目内のエッチング層表面に誘電体酸化皮膜を形成させた。
【0043】
ついで、各マス目内に、10%ピロールモノマーのエタノール溶液を滴下した後、5%過硫酸アンモニウム及び5%2−ナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液を滴下し、5分間放置して化学重合させ、その後、洗浄、乾燥して、マス目内に化学重合ポリピロールからなるプレコート層を形成させた。
【0044】
ついで、該箔を、ピロールモノマー0.5mol/l及び2−ナフタレンスルホン酸ナトリウム0.3mol/l含有アセトニトリル電解液中に浸漬し、先に形成させた化学重合ポリピロール層の一部にステンレスワイヤを接触させて陽極とし、ステンレス板を陰極として、マス目1個あたり電流0.5mA、電解時間60分の条件で定電流電解重合を行い、その後、洗浄、乾燥して、マス目内に電解重合ポリピロール層を形成させた。
【0045】
該操作により、各マス目内に化学重合ポリピロール層及び電解重合ポリピロール層からなる導電性高分子層3が形成される。
【0046】
ついで、上記導電性高分子層3上に、カーボンペースト及び銀ペーストを塗布し、加熱乾燥させて、陰極導電層4を形成させた。
【0047】
ついで、ダイヤモンドカッター刃を装備したダイサーを用いて、アルミニウム箔を、図3に示すように、マス目の周囲に形成させた絶縁性樹脂部を点線に沿って切断し、横3.2mm×縦5.6mmの平板状コンデンサ素子を計50個得た。
【0048】
得られた素子の縦方向の端部に形成されたエポキシ樹脂を裏表剥離して、アルミニウム金属部を露出させ、コンデンサ素子の陽極引き出し部5を形成させ図1(b)に示すコンデンサ素子を得た。
【0049】
得られたコンデンサ素子を、図1(a)に示すように、陽極端子及び陰極端子を備えた金属製リードフレームに載置し、該素子の陽極引き出し部5を、陽極用金属ワイヤ6(100μmφの金ワイヤ)を介して陽極端子7に抵抗溶接により接続させ、ついで、陰極導電層4の下面を、銀ペースト8により、また該導電層の上面を、陰極用金属ワイヤ9を介して陰極端子10に接続させた。
【0050】
その後、エポキシ樹脂製の外装樹脂11で成形し、両極に電圧を印加してエージングさせ、定格電圧6.3Vのアルミニウム固体電解コンデンサを完成した。
【0051】
得られたコンデンサの周波数120Hzにおける静電容量(以下、「C」と略記する。)、周波数100kHzにおけるESR及び電圧6.3Vを印加させて1分後の漏れ電流(以下、「LC」と略記する。)を測定し、試験に供したコンデンサ50個の各測定値から、平均値を算出した結果を表1に示す。
【0052】
実施例2
実施例1において、平板状アルミニウム箔の表面に形成させたエッチング層の厚さが片面あたり90μmである以外は、実施例1に準じてアルミニウム固体電解コンデンサを得た。
【0053】
得られたアルミニウム固体電解コンデンサのC、ESR及びLCを実施例1に準じて測定し、結果を表1に示す。
【0054】
実施例3
実施例1において、平板状アルミニウム箔の板厚が350μmであり、該箔の表面に形成させたエッチング層の厚さが片面あたり100μmである以外は、実施例1に準じてアルミニウム固体電解コンデンサを得た。
【0055】
得られたアルミニウム固体電解コンデンサのC、ESR及びLCを実施例1に準じて測定し、結果を表1に示す。
【0056】
実施例4
実施例1において、平板状アルミニウム箔の板厚が350μmであり、該箔の表面に形成させたエッチング層の厚さが片面あたり170μmである以外は、実施例1に準じてアルミニウム固体電解コンデンサを得た。
【0057】
得られたアルミニウム固体電解コンデンサのC、ESR及びLCを実施例1に準じて測定し、結果を表1に示す。
【0058】
実施例5
実施例1において、平板状アルミニウム箔の板厚が450μmであり、該箔の表面に形成させたエッチング層の厚さが片面あたり220μmである以外は、実施例1に準じてアルミニウム固体電解コンデンサを得た。
【0059】
得られたアルミニウム固体電解コンデンサのC、ESR及びLCを実施例1に準じて測定し、結果を表1に示す。
【0060】
比較例1
実施例1において、平板状アルミニウム箔の板厚が140μmであり、該箔の表面に形成させたエッチング層の厚さが片面あたり65μmである以外は、実施例1に準じてアルミニウム固体電解コンデンサを得た。
【0061】
得られたアルミニウム固体電解コンデンサのC、ESR及びLCを実施例1に準じて測定し、結果を表1に示す。
【0062】
比較例2
実施例1において、平板状アルミニウム箔の板厚が200μmであり、該箔の表面に形成させたエッチング層の厚さが片面あたり60μmである以外は、実施例1に準じてアルミニウム固体電解コンデンサを得た。
【0063】
得られたアルミニウム固体電解コンデンサのC、ESR及びLCを実施例1に準じて測定し、結果を表1に示す。
【0064】
比較例3
実施例1において、平板状アルミニウム箔の板厚が550μmであり、該箔の表面に形成させたエッチング層の厚さが片面あたり100μmである以外は、実施例1に準じてアルミニウム固体電解コンデンサを得た。
【0065】
得られたアルミニウム固体電解コンデンサのC、ESR及びLCを実施例1に準じて測定し、結果を表1に示す。
【0066】
比較例4
実施例1において、平板状アルミニウム箔の板厚が550μmであり、該箔の表面に形成させたエッチング層の厚さが片面あたり270μmである以外は、実施例1に準じてアルミニウム固体電解コンデンサを得た。
【0067】
得られたアルミニウム固体電解コンデンサのC、ESR及びLCを実施例1に準じて測定し、結果を表1に示す。
【0068】
比較例5
実施例1において、平板状アルミニウム箔の板厚が110μmであり、該箔の表面に形成させたエッチング層の厚さが片面あたり35μmである以外は、実施例1に準じて平板状コンデンサ素子を得、該コンデンサ素子を2枚積層させた積層型コンデンサを、次に記載の方法により作製した。
【0069】
まず、上記コンデンサ素子の陽極引き出し部5を、陽極用金属ワイヤ6(100μmφの金ワイヤ)を介して、陽極端子7に抵抗溶接により接続させ、ついで、陰極導電層4の下面を、銀ペースト8により、また該導電層の上面を、陰極用金属ワイヤ9を介して陰極端子10に接続させて、第1のコンデンサ素子を接合させた。
【0070】
ついで、図2に示すように、上記第1のコンデンサ素子の陰極導電層4の上面に、銀ペースト8を塗布し、第2のコンデンサ素子の陰極導電層4の下面と接着し、また上面を陰極用金属ワイヤ9を介して陰極端子10に接続させ、続いて、該素子の陽極引き出し部5を、陽極用金属ワイヤ6(100μmの金ワイヤ)を介して陽極端子7に抵抗溶接して接続させて、コンデンサ素子を2枚積層させた。
【0071】
その後、エポキシ樹脂製の外装樹脂11で成形し、電圧を印加してエージングさせ、定格電圧6.3Vの積層型アルミニウム固体電解コンデンサを完成させた。
【0072】
得られたアルミニウム固体電解コンデンサのC、ESR及びLCを実施例1に準じて測定し、結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 2004319795
【0074】
表1に示すように、従来の固体電解コンデンサに用いられていたアルミニウム箔で作製した比較例5のコンデンサは、コンデンサ素子を2枚積層させたため、ESRが高く、また、アルミニウム箔に形成させたエッチング層が片面あたり70μm未満の比較例1及び比較例2では、静電容量が低く、ESRが高く、また、アルミニウム箔の板厚が150μm未満あるいは500μm超の比較例1、比較例3及び比較例4では、加工時の機械的なストレスによりLCが高くなってしまった。
【0075】
これに対して、本発明の実施例1〜5のコンデンサは、コンデンサ素子1枚でも高い静電容量が得られ、ESR及びLCが低いことがわかる。
【0076】
【発明の効果】
本発明のアルミニウム固体電解コンデンサは、平板状アルミニウム箔の板厚が150〜500μmであり、また、該箔の表面に、片面あたり70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満となるエッチング層が形成されており、該コンデンサは、静電容量が大きく、漏れ電流が小さい特性を有する。また、該エッチング層上に固体電解質層として導電性高分子を形成させることにより、ESRが低い優れた特性のコンデンサが得られる。
【0077】
また、本発明のコンデンサの製造方法によれば、コンデンサ素子の静電容量が大きいことから、従来に比べて素子の積層枚数を少なくでき、組立工程が簡便で、材料費、組立加工費の低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図であって、(a)は、該コンデンサの概略断面図であり、また(b)は、該コンデンサの平板状コンデンサ素子部の概略断面図である。
【図2】積層型アルミニウム固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図である。
【図3】平板状アルミニウム箔表面に、絶縁性樹脂により複数のマス目を形成させた模式図である。
【符号の説明】
1 平板状アルミニウム箔
2 エッチング層
3 導電性高分子層
4 陰極導電層
5 陽極引き出し部
6 陽極用金属ワイヤ
7 陽極端子
8 銀ペースト
9 陰極用金属ワイヤ
10 陰極端子
11 外装樹脂
12 絶縁性樹脂

Claims (4)

  1. 両面にエッチング層が形成された平板状アルミニウム箔の表面に、順次、誘電体酸化皮膜、導電性高分子層及び陰極導電層を形成させてなるアルミニウム固体電解コンデンサにおいて、該箔の板厚が150〜500μmであり、また、該箔の片面あたりのエッチング層の厚さが70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満であることを特徴とするアルミニウム固体電解コンデンサ。
  2. 導電性高分子層が、電解重合ポリピロール層であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム固体電解コンデンサ。
  3. 板厚が150〜500μmの平板状アルミニウム箔の両面に、複数のマス目を残して絶縁性樹脂でマスキングさせた後、該箔の片面あたりのエッチング層の厚さが70μm以上かつ該箔の板厚の1/2未満となるようにマス目内にエッチング層を形成させた後、該エッチング層の表面に、順次、誘電体酸化皮膜、導電性高分子層及び陰極導電性層を形成させ、ついで各マス目ごとに切り離してコンデンサ素子を得る工程、該コンデンサ素子を、陽極端子及び陰極端子を備えたリードフレームに接合させる工程、外装樹脂で成形させる工程を包括することを特徴とするアルミニウム固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 導電性高分子層が、誘電体酸化皮膜上に導電性プレコート層を形成させた後、該プレコート層を電極として電解重合ポリピロール層を形成させることを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム固体電解コンデンサの製造方法。
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