JP2004317996A - 顕微鏡用液浸コンデンサーレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】顕微鏡用液浸系透過照明装置に用いるコンデンサーレンズで、高いNAの対物レンズの解像力を十分に発揮し得るようにする。
【解決手段】光源側より順に正の第1レンズ群と、正の第2レンズ群と、正の第3レンズ群とを備え、第1レンズ群が少なくとも一つの正の屈折力の接合レンズを有するようにし、第3レンズ群が正の屈折力の接合レンズを有するようにし、第3レンズ群の接合レンズの光源側、標本側のレンズの屈折率をN1、N2とする時、次の条件(1)、(2)を満足するようにした。
(1) N1>1.7
(2) |N1−N2|>0.09
【選択図】 図1
【解決手段】光源側より順に正の第1レンズ群と、正の第2レンズ群と、正の第3レンズ群とを備え、第1レンズ群が少なくとも一つの正の屈折力の接合レンズを有するようにし、第3レンズ群が正の屈折力の接合レンズを有するようにし、第3レンズ群の接合レンズの光源側、標本側のレンズの屈折率をN1、N2とする時、次の条件(1)、(2)を満足するようにした。
(1) N1>1.7
(2) |N1−N2|>0.09
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡用液浸透過照明装置のコンデンサーレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡対物レンズは、解像力が重要な要素であり、それは、開口数(NA)によって限界が決まる。従来、顕微鏡において、標本と対物レンズ先端の間の空間に液体を満たす液浸法を用いることにより、対物レンズのNAを大きくすることにより最大で1.4程度のNAが実現されていた。
【0003】
また、近年、NAが1.65の対物レンズが実用化されている。(特許文献1)
【特許文献1】特開平7−281097号
【0004】
このような高いNAの対物レンズの解像力を十分に発揮するためには、標本を照明するコンデンサーレンズも、同程度のNAを有する必要がある。
【0005】
透過照明にて観察する場合、顕微鏡照明装置にて用いるコンデンサーレンズは、液浸法を用いることによりNAが1.35程度のものが知られている。(特許文献2、3、4)
【特許文献2】特開昭49−66147号
【特許文献3】特公昭61−10054号
【特許文献4】特開平6−222270号
【0006】
しかし、NAが1.65の対物レンズで透過観察を行なう場合、前記のようなNAが1.35程度のコンデンサーレンズを用いての照明では、標本自体による回折現象により照明光のNAの不足を補っている。
【0007】
また、顕微鏡において、ケーラー照明法を用いることにより、視野絞りと開口絞りとにより、照野とNAを独立に替えることによって、解像力とコントラストを適当にバランスさせることが可能である。
【0008】
しかし、コンデンサーのNAが、対物レンズのNAより小さいと、開口絞りが開ききらないことになり、ケーラー照明が充分に機能しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、NAが1.4を超える顕微鏡用液浸コンデンサーレンズを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の顕微鏡用液浸系透過照明装置に用いるコンデンサーレンズは、光源側より順に、少なくとも一つの正の屈折力を有する接合レンズを有していて全体として正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力をもつ接合レンズを有していて、全体として正の屈折力を有する第3レンズ群とを備えていて下記の条件(1)、(2)を満足することを特徴とする。
(1) N1>1.7
(2) |N1−N2|>0.09
ただし、N1は第3レンズ群の接合レンズの最も光源側のレンズの屈折率、N2は第3レンズ群の接合レンズの最も標本側のレンズの屈折率である。
【0011】
本発明のコンデンサーレンズは、前記のように第1、第2、第3レンズ群よりなり、すべてのレンズ群が正の屈折力を持つようにして、NA1.4からNA1.65に及ぶ開口数を実現するようにした。そして、第1レンズ群は色収差補正のために接合レンズを含むようにし、第2レンズ群にて光束を更に収斂させ、第3レンズ群にて球面収差を補正すると共に光束を集束させるようにしている。つまり、第3レンズ群は、接合レンズを設けると共にその両レンズの屈折率差を利用して球面収差を補正するようにしている。
【0012】
また、本発明のコンデンサーレンズは、入射する平行光束が、球面収差を小さくして集光させるために条件(1)を満足するようにした。これにより、第3レンズ群の最も光源側のレンズの空気接触面の屈折力を強くすることが可能になり、曲率半径を緩くして球面収差の発生を少なくしている。
【0013】
条件(1)において、屈折率N1あるいはN2が下限値の1.7よりも小になると、球面収差が補正不足になるか、あるいは正弦条件違反量が増えて軸上マージナル光線が標本上で実質NAより小さくなり、使用に耐えられなくなる。
【0014】
また、条件(2)において、|N1−N2|の値が、下限値の0.09よりも小になると、前記接合レンズの接合面の屈折力が弱くなり、球面収差の補正が困難になる。また、本発明のコンデンサーレンズにおいて、正弦条件違反量が大になると、例えば標本の媒質の屈折率が1.788で、NAが1.65であると、軸上マージナル光線の角度は、67,34度であるが、光線を追跡すると角度が小さくなり、例えば60度しかない。そのため、対物レンズから見るとNAが1.5程度でしかないことになる。
【0015】
前記の本発明のコンデンサーレンズにおいて、第3レンズ群の接合レンズを凸レンズと平凹レンズあるいは平凸レンズと平行平面ガラスとを接合した構成とし、下記条件(3)を満足することが好ましい。
(3) 0.2>|N3−N2|>0.1
ただし、N2は第3レンズ群の接合レンズの平凹レンズまたは平行平面ガラスの屈折率、N3はコンデンサーレンズの先端に設けられる油浸液の屈折率である。
【0016】
前述のように、本発明のコンデンサーレンズにおいて、第3レンズ群の接合レンズを凸レンズと平凹レンズとを接合するか、平凸レンズと平行平面板とを接合した構成にした場合、平凹レンズまたは平行平面板の屈折率N2が液浸油の屈折率N3より高くすることにより、NA1.45からNA1.65の急峻な角度の光線の球面収差を補正することができる。特に条件(3)を満足することが望ましい。
【0017】
条件(3)において、|N3−N2|の値が下限値の0.09よりも小であると球面収差が補正不足なる。また上限値の0.23よりも大であると、平凹レンズまたは平行平面板の屈折率と油浸液の屈折率の差が大になりすぎ、球面収差を大きく発生させて他のレンズでの補正が困難である。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図示する実施例にもとづいて説明する。
【0019】
本発明のコンデンサーレンズは、顕微鏡用液浸透過照明装置において使用される。したがって、まず顕微鏡用液浸透過照明装置の概要について述べる。
【0020】
この液浸透過照明装置は、図9に示すような構成である。図9において、1は顕微鏡対物レンズ、2は対物レンズの油浸液、3はカバーガラス、4はスライドガラス、5はコンデンサーレンズの油浸液、6はコンデンサーレンズ、7は照明光である。
【0021】
この図のように、図示されていない光源よりの照明光7をコンデンサーレンズ6により集光させてコンデンサーレンズの油浸液5、スライドガラス4を通して標本を照明する。このようにして照明された標本より発する光を対物レンズ1にて結像し、これを観察する。
【0022】
本発明のコンデンサーレンズは、このような構成の顕微鏡の照明装置に用いられるもので、その各実施例は図1〜4に示す構成であって、次のデータを有するものである。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
ただし、r1、r2、・・・は光源側より標本側へ照明光が進む方向に示したレンズ各面の曲率半径、d1、d2、・・・は同様に順次示した面間隔(空気間隔およびレンズの肉厚)、n1、n2、・・・は同じ順序に示した各レンズのd線に対する屈折率、ν1、ν2、・・・はd線に対するアッベ数である。尚、r1、r2、・・・、d1、d2、・・・等の長さの単位はmmである。
【0027】
本発明の実施例1のコンデンサーレンズは、図1に示す通りの構成で、光源側より順に、正レンズと負レンズとを接合した接合レンズ(r1〜r3)と負レンズと正レンズとを接合した接合レンズ(r4〜r6)よりなる第1レンズ群G1と、正の屈折力のメニスカスレンズ(r7〜r8)よりなる第2レンズ群G2と、正のメニスカスレンズと平凸レンズとを接合した接合レンズ(r9〜r11)の第3レンズ群G3とよりなる。このコンデンサーレンズは、図1の左側より光源よりの照明光を入射させて、標本上に集光させて標本の照明を行なう。
【0028】
この実施例1のコンデンサーレンズは、最も標本側の接合レンズ(r9〜r11)が、正のメニスカスレンズ(r9〜r10)と平凸レンズ(r10〜r11)にて構成されている。またコンデンサーレンズの標本側には、カバーガラスC(r12〜r13)が配置されている。そしてコンデンサーレンズの標本側の面 とカバーガラスCとの間に浸液Lがおかれる。
【0029】
この実施例1は、データに示すように条件(1)、(2)を満足する。
【0030】
また、本発明の実施例2は、図2に示す通りの構成である。この実施例2は、実施例1と同様の構成であるが、第1レンズ群G1の標本側のレンズが正レンズと負レンズを接合した接合レンズであり、最も標本側の接合レンズ(r9〜r11)が平凸レンズ(r9〜r10)と平行平面板(r10〜r11)とを接合したレンズである点で、実施例1と相違する。そしてこの平行平面板の標本側の面r11とカバーガラスCとの間に浸液Lが設けられている。
【0031】
この実施例2は、条件(1)、(2)、(3)を満足する。
【0032】
本発明の実施例3は、図3に示す通りの構成である。この実施例3は実施例1と同様の構成であるが、最も標本側の接合レンズ(r9〜r11)が、両凸レンズ(r9〜r10)と平凹レンズ(r10〜r11)よりなっている。また、この平凹レンズの物体側の面(平面r11)とカバーガラスCとの間に浸液が存在する。
【0033】
この実施例3は、条件(1)、(2)、(3)を満足する。
【0034】
更に、本発明の実施例4は、図4に示す通りの構成である。この実施例4は、第1レンズ群G1が実施例1と類似する構成であり、また第3レンズ群G3は実施例3と同じような構成のコンデンサーレンズである。
【0035】
この実施例4は、条件(1)、(2)、(3)を満足する。
【0036】
これら実施例の収差状況(球面収差)は、夫々図5、図6、図7、図8に示す通りであって、NA1.65(実施例1、2、3)、1.45(実施例4)まで良好に補正されている。
【0037】
【発明の効果】
本発明のコンデンサーレンズは、NA1.45〜NA1.65まで球面収差が良好に補正されており、NAの大きな対物レンズを有する顕微鏡にも利用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサーレンズの実施例1の構成を示す図
【図2】本発明のコンデンサーレンズの実施例2の構成を示す図
【図3】本発明のコンデンサーレンズの実施例3の構成を示す図
【図4】本発明のコンデンサーレンズの実施例4の構成を示す図
【図5】実施例1の球面収差図
【図6】実施例2の球面収差図
【図7】実施例3の球面収差図
【図8】実施例4の球面収差図
【図9】顕微鏡用液浸透過照明装置の構成を示す図
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡用液浸透過照明装置のコンデンサーレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡対物レンズは、解像力が重要な要素であり、それは、開口数(NA)によって限界が決まる。従来、顕微鏡において、標本と対物レンズ先端の間の空間に液体を満たす液浸法を用いることにより、対物レンズのNAを大きくすることにより最大で1.4程度のNAが実現されていた。
【0003】
また、近年、NAが1.65の対物レンズが実用化されている。(特許文献1)
【特許文献1】特開平7−281097号
【0004】
このような高いNAの対物レンズの解像力を十分に発揮するためには、標本を照明するコンデンサーレンズも、同程度のNAを有する必要がある。
【0005】
透過照明にて観察する場合、顕微鏡照明装置にて用いるコンデンサーレンズは、液浸法を用いることによりNAが1.35程度のものが知られている。(特許文献2、3、4)
【特許文献2】特開昭49−66147号
【特許文献3】特公昭61−10054号
【特許文献4】特開平6−222270号
【0006】
しかし、NAが1.65の対物レンズで透過観察を行なう場合、前記のようなNAが1.35程度のコンデンサーレンズを用いての照明では、標本自体による回折現象により照明光のNAの不足を補っている。
【0007】
また、顕微鏡において、ケーラー照明法を用いることにより、視野絞りと開口絞りとにより、照野とNAを独立に替えることによって、解像力とコントラストを適当にバランスさせることが可能である。
【0008】
しかし、コンデンサーのNAが、対物レンズのNAより小さいと、開口絞りが開ききらないことになり、ケーラー照明が充分に機能しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、NAが1.4を超える顕微鏡用液浸コンデンサーレンズを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の顕微鏡用液浸系透過照明装置に用いるコンデンサーレンズは、光源側より順に、少なくとも一つの正の屈折力を有する接合レンズを有していて全体として正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力をもつ接合レンズを有していて、全体として正の屈折力を有する第3レンズ群とを備えていて下記の条件(1)、(2)を満足することを特徴とする。
(1) N1>1.7
(2) |N1−N2|>0.09
ただし、N1は第3レンズ群の接合レンズの最も光源側のレンズの屈折率、N2は第3レンズ群の接合レンズの最も標本側のレンズの屈折率である。
【0011】
本発明のコンデンサーレンズは、前記のように第1、第2、第3レンズ群よりなり、すべてのレンズ群が正の屈折力を持つようにして、NA1.4からNA1.65に及ぶ開口数を実現するようにした。そして、第1レンズ群は色収差補正のために接合レンズを含むようにし、第2レンズ群にて光束を更に収斂させ、第3レンズ群にて球面収差を補正すると共に光束を集束させるようにしている。つまり、第3レンズ群は、接合レンズを設けると共にその両レンズの屈折率差を利用して球面収差を補正するようにしている。
【0012】
また、本発明のコンデンサーレンズは、入射する平行光束が、球面収差を小さくして集光させるために条件(1)を満足するようにした。これにより、第3レンズ群の最も光源側のレンズの空気接触面の屈折力を強くすることが可能になり、曲率半径を緩くして球面収差の発生を少なくしている。
【0013】
条件(1)において、屈折率N1あるいはN2が下限値の1.7よりも小になると、球面収差が補正不足になるか、あるいは正弦条件違反量が増えて軸上マージナル光線が標本上で実質NAより小さくなり、使用に耐えられなくなる。
【0014】
また、条件(2)において、|N1−N2|の値が、下限値の0.09よりも小になると、前記接合レンズの接合面の屈折力が弱くなり、球面収差の補正が困難になる。また、本発明のコンデンサーレンズにおいて、正弦条件違反量が大になると、例えば標本の媒質の屈折率が1.788で、NAが1.65であると、軸上マージナル光線の角度は、67,34度であるが、光線を追跡すると角度が小さくなり、例えば60度しかない。そのため、対物レンズから見るとNAが1.5程度でしかないことになる。
【0015】
前記の本発明のコンデンサーレンズにおいて、第3レンズ群の接合レンズを凸レンズと平凹レンズあるいは平凸レンズと平行平面ガラスとを接合した構成とし、下記条件(3)を満足することが好ましい。
(3) 0.2>|N3−N2|>0.1
ただし、N2は第3レンズ群の接合レンズの平凹レンズまたは平行平面ガラスの屈折率、N3はコンデンサーレンズの先端に設けられる油浸液の屈折率である。
【0016】
前述のように、本発明のコンデンサーレンズにおいて、第3レンズ群の接合レンズを凸レンズと平凹レンズとを接合するか、平凸レンズと平行平面板とを接合した構成にした場合、平凹レンズまたは平行平面板の屈折率N2が液浸油の屈折率N3より高くすることにより、NA1.45からNA1.65の急峻な角度の光線の球面収差を補正することができる。特に条件(3)を満足することが望ましい。
【0017】
条件(3)において、|N3−N2|の値が下限値の0.09よりも小であると球面収差が補正不足なる。また上限値の0.23よりも大であると、平凹レンズまたは平行平面板の屈折率と油浸液の屈折率の差が大になりすぎ、球面収差を大きく発生させて他のレンズでの補正が困難である。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図示する実施例にもとづいて説明する。
【0019】
本発明のコンデンサーレンズは、顕微鏡用液浸透過照明装置において使用される。したがって、まず顕微鏡用液浸透過照明装置の概要について述べる。
【0020】
この液浸透過照明装置は、図9に示すような構成である。図9において、1は顕微鏡対物レンズ、2は対物レンズの油浸液、3はカバーガラス、4はスライドガラス、5はコンデンサーレンズの油浸液、6はコンデンサーレンズ、7は照明光である。
【0021】
この図のように、図示されていない光源よりの照明光7をコンデンサーレンズ6により集光させてコンデンサーレンズの油浸液5、スライドガラス4を通して標本を照明する。このようにして照明された標本より発する光を対物レンズ1にて結像し、これを観察する。
【0022】
本発明のコンデンサーレンズは、このような構成の顕微鏡の照明装置に用いられるもので、その各実施例は図1〜4に示す構成であって、次のデータを有するものである。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
ただし、r1、r2、・・・は光源側より標本側へ照明光が進む方向に示したレンズ各面の曲率半径、d1、d2、・・・は同様に順次示した面間隔(空気間隔およびレンズの肉厚)、n1、n2、・・・は同じ順序に示した各レンズのd線に対する屈折率、ν1、ν2、・・・はd線に対するアッベ数である。尚、r1、r2、・・・、d1、d2、・・・等の長さの単位はmmである。
【0027】
本発明の実施例1のコンデンサーレンズは、図1に示す通りの構成で、光源側より順に、正レンズと負レンズとを接合した接合レンズ(r1〜r3)と負レンズと正レンズとを接合した接合レンズ(r4〜r6)よりなる第1レンズ群G1と、正の屈折力のメニスカスレンズ(r7〜r8)よりなる第2レンズ群G2と、正のメニスカスレンズと平凸レンズとを接合した接合レンズ(r9〜r11)の第3レンズ群G3とよりなる。このコンデンサーレンズは、図1の左側より光源よりの照明光を入射させて、標本上に集光させて標本の照明を行なう。
【0028】
この実施例1のコンデンサーレンズは、最も標本側の接合レンズ(r9〜r11)が、正のメニスカスレンズ(r9〜r10)と平凸レンズ(r10〜r11)にて構成されている。またコンデンサーレンズの標本側には、カバーガラスC(r12〜r13)が配置されている。そしてコンデンサーレンズの標本側の面 とカバーガラスCとの間に浸液Lがおかれる。
【0029】
この実施例1は、データに示すように条件(1)、(2)を満足する。
【0030】
また、本発明の実施例2は、図2に示す通りの構成である。この実施例2は、実施例1と同様の構成であるが、第1レンズ群G1の標本側のレンズが正レンズと負レンズを接合した接合レンズであり、最も標本側の接合レンズ(r9〜r11)が平凸レンズ(r9〜r10)と平行平面板(r10〜r11)とを接合したレンズである点で、実施例1と相違する。そしてこの平行平面板の標本側の面r11とカバーガラスCとの間に浸液Lが設けられている。
【0031】
この実施例2は、条件(1)、(2)、(3)を満足する。
【0032】
本発明の実施例3は、図3に示す通りの構成である。この実施例3は実施例1と同様の構成であるが、最も標本側の接合レンズ(r9〜r11)が、両凸レンズ(r9〜r10)と平凹レンズ(r10〜r11)よりなっている。また、この平凹レンズの物体側の面(平面r11)とカバーガラスCとの間に浸液が存在する。
【0033】
この実施例3は、条件(1)、(2)、(3)を満足する。
【0034】
更に、本発明の実施例4は、図4に示す通りの構成である。この実施例4は、第1レンズ群G1が実施例1と類似する構成であり、また第3レンズ群G3は実施例3と同じような構成のコンデンサーレンズである。
【0035】
この実施例4は、条件(1)、(2)、(3)を満足する。
【0036】
これら実施例の収差状況(球面収差)は、夫々図5、図6、図7、図8に示す通りであって、NA1.65(実施例1、2、3)、1.45(実施例4)まで良好に補正されている。
【0037】
【発明の効果】
本発明のコンデンサーレンズは、NA1.45〜NA1.65まで球面収差が良好に補正されており、NAの大きな対物レンズを有する顕微鏡にも利用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサーレンズの実施例1の構成を示す図
【図2】本発明のコンデンサーレンズの実施例2の構成を示す図
【図3】本発明のコンデンサーレンズの実施例3の構成を示す図
【図4】本発明のコンデンサーレンズの実施例4の構成を示す図
【図5】実施例1の球面収差図
【図6】実施例2の球面収差図
【図7】実施例3の球面収差図
【図8】実施例4の球面収差図
【図9】顕微鏡用液浸透過照明装置の構成を示す図
Claims (2)
- 光源側より順に、正の屈折力をもつ第1レンズ群と、正の屈折力をもつ第2レンズ群と、正の屈折力をもつ第3レンズ群とを備え、前記第1レンズ群が少なくとも一つの正の屈折力をもつ接合レンズを有し、前記第3レンズ群が正の屈折力をもつ接合レンズを有し、下記条件(1)、(2)を満足するコンデンサーレンズ。
(1) N1>1.7
(2) |N1−N2|>0.09
ただし、N1は第3レンズ群の接合レンズの光源側のレンズの屈折率、N2は第3レンズ群の接合レンズの標本側のレンズの屈折率である。 - 前記第3レンズ群の接合レンズが凸レンズと平凹レンズまたは平凸レンズと平行平面板を接合したレンズで、第3レンズ群の標本側に設けられる浸液の屈折率をN3とする時、下記条件(3)を満足する請求項1のコンデンサーレンズ。
(3) 0.2>|N3−N2|>0.1
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003115152A JP2004317996A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 顕微鏡用液浸コンデンサーレンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003115152A JP2004317996A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 顕微鏡用液浸コンデンサーレンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004317996A true JP2004317996A (ja) | 2004-11-11 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003115152A Withdrawn JP2004317996A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 顕微鏡用液浸コンデンサーレンズ |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004317996A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021009333A (ja) * | 2019-06-30 | 2021-01-28 | エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド | 撮像光学レンズ |
-
2003
- 2003-04-21 JP JP2003115152A patent/JP2004317996A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021009333A (ja) * | 2019-06-30 | 2021-01-28 | エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド | 撮像光学レンズ |
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