JP2006317761A - 対物レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】フレアー光の低減を図り、工業顕微鏡として十分な作動距離を確保し、且つ十分な解像度を有する対物レンズの提供。
【解決手段】対物レンズは、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分及び貼り合わせレンズ成分を含み、物体からの光束を収斂光束に変換する全体として正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、少なくとも2組の貼り合わせレンズ成分及び正メニスカスレンズ成分を含み、全体として負の屈折力を持つ第2レンズ群G2とを有し、レンズ全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズ群G1に含まれる最も物体側に位置する貼り合わせレンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR1とし、前記第2レンズ群G2に含まれる最も物体側に位置する前記正メニスカスレンズ成分の物体側のレンズ面の曲率半径をR2としたとき、次式|R1|/f≧5…(1),|R2|/f≦3…(2)の条件を満足して構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工業顕微鏡対物レンズ、特に半導体ウエハ等の観察を行う工業顕微鏡対物レンズに関する。
顕微鏡の対物レンズは、諸収差が良好に補正されていることの他にも様々な条件が要求される。例えば、工業顕微鏡では、落射照明により試料を照明する。すなわち、工業顕微鏡では、被検物体を反射光で観察するため、対物レンズが照明光学系(コンデンサーレンズ)を兼ねている。このため、フレアー光が多いと、コントラストが低下して見えが悪くなり、収差が良好に補正されていても実用上問題となる。そこで従来、フレアー光の低減を目的とした対物レンズが開示されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。なお、本明細書中でフレアー光とは、光学系内で光の一部がレンズ面で反射散乱され、像まで達する迷光のことを言う。
また、顕微鏡の対物レンズは、ある程度十分な作動距離がなければ、例えば半導体ウエハ上のパターンを観察する際に対物レンズとの接触による被検物の破損等を招くおそれがあるため、収差がよく補正されていたとしても実用上問題がある。そこで、作動距離に重点をおいた長作動距離を特徴とする対物レンズが開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
特許3384163号公報 特開2000−35542号公報 特開平5−119264号公報
ところで、一般に、対物レンズは、フレアー光の低減、長作動距離及び収差補正を全て満足することは非常に困難である。上記の特許文献1に開示の対物レンズは、開口数(N.A.)が0.95と非常に大きいが、作動距離が短く操作性の観点において不満が残る。また、特許文献2に開示の対物レンズは、操作性の観点からは十分な作動距離を有しているが、開口数(N.A.)が0.45と小さい。また、特許文献3に開示の対物レンズは、操作性の観点からは十分な作動距離を有し、開口数(N.A.)も0.7と大きいが、レンズ面からの反射によるフレアー光が多くなり、コントラストの良い像が得られず、反射光による観察はほぼ不可能である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、フレアー光の低減を図り、特に半導体ウエハ等の観察時における操作性の観点から十分な作動距離を確保し、且つ十分な解像度を有する工業顕微鏡対物レンズを提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明に係る対物レンズは、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分及び貼り合わせレンズ成分を含み、物体からの光束を収斂光束に変換する全体として正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、少なくとも2組の貼り合わせレンズ成分及び正メニスカスレンズ成分を含み、全体として負の屈折力を持つ第2レンズ群G2とを有し、レンズ全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズ群G1に含まれる最も物体側に位置する貼り合わせレンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR1とし、前記第2レンズ群G2に含まれる最も物体側に位置する前記正メニスカスレンズ成分の物体側のレンズ面の曲率半径をR2としたとき、次式|R1|/f≧5…(1)、|R2|/f≦3…(2)の条件を満足して構成される。
以上説明したように、本発明によれば、フレアー光の低減を図り、特に半導体ウエハ等の観察時における操作性の観点から十分な作動距離を確保し、且つ十分な解像度を有する工業顕微鏡対物レンズを提供できる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る工業顕微鏡対物レンズは、特に半導体ウエハ等の観察に使用する際に、コントラストを低下させて見えを悪くするフレアー光の低減を主たる目的としている。
一般に、フレアー光を低減させるため、対物レンズの各面に反射防止膜を施して反射率を低くすることが行われている。しかしながら、本発明の対物レンズでは、より効果的にフレアー光を低減させるため、光束に対して各レンズ面が垂直入射の状態に近くなりすぎないように光学系を構成している。
図12に示すように、屈折面1の光軸2上の曲率中心(図12の○印)と、入射光線Nの光軸2上の発散(又は収斂)する中心位置(図12の×印)とが同一の場合、屈折面1に入射して屈折した屈折光線Kは、屈折面1による屈折作用を全く受けず、入射光線Nが屈折面1を素通りしたような状態となる。また、このような場合、屈折面1に入射して反射した反射光線Hは、入射光線Nと全く同一の光路を逆に進む。これは、屈折面1における法線と入射光線Nとが一致し、入射光線Nは屈折面1の入射点に対し、垂直入射となってしまうからである。また、屈折面1の光軸上の曲率中心位置と、入射光線Nが発散(又は収斂)する中心位置とがほぼ一致した場合、屈折面1により反射された反射光線Hの収斂(又は発散)する中心位置もほぼ一致した状態となる。このように入射光線Nと同一の方向へ反射された反射光は、そのまま観察光と一緒になり、像を形成する。結像された像は、このようなフレアー光があると、コントラストが低下し、実際に目で見た際の像の見え方が非常に悪くなる。
以上のことを定量的に条件化したものが、条件式(1)及び(2)である。すなわち、本発明の対物レンズにおいて、レンズ全系の焦点距離をfとし、第1レンズ群G1に含まれる最も物体側に位置する貼り合わせレンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR1とし、第2レンズ群G2に含まれる最も物体側に位置する正メニスカスレンズ成分の物体側のレンズ面の曲率半径をR2としたとき、次式(1)及び(2)を満足することが望ましい。
|R1|/f≧5 …(1)
|R2|/f≦3 …(2)
上記条件式(1)及び(2)を満たす場合は、フレアー光による悪影響を回避できる。しかしながら、条件式(1)及び(2)を満たさない場合は、照明光として入射した光線が、入射光線と同一又はほぼ同一の方向へ反射され、観察光と一緒になり、フレアー光が増大し、本発明の目的を達成し得なくなる。
ところで、本発明の対物レンズは、収差補正波長域がg線(波長435.8nm)、F線(波長486.1nm)、d線(波長587.6nm)及びC線(波長656.3nm)となっており、いわゆるアポクロマートと呼ばれるタイプのものである。このアポクロマートタイプの対物レンズでは、色収差補正を除く、球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差などの諸収差の補正が困難である。このため、レンズ全系の焦点距離fに対する、正の屈折力を有する第1レンズ群G1の焦点距離f1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2の焦点距離f2の比率が非常に重要であり、これを定量化したものが条件式(3)及び(4)である。すなわち、本発明の対物レンズでは、第1レンズ群G1の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2としたとき、次式(3)及び(4)を満足することが望ましい。
1≦|f1|/f≦4 …(3)
2≦|f2|/f≦5 …(4)
上記条件式(3)及び(4)を満足しない場合は、対物レンズ全系に対する第1レンズ群G1と第2レンズ群G2のバランスが悪化し、諸収差の補正、特に球面収差の補正が困難となる。また、工業顕微鏡の操作時、例えば、半導体ウエハ等の観察時における操作性の観点から十分な作動距離を確保することが難しくなる。
対物レンズは、一般に、物体から出た発散光束を収斂光束に変換する作用を持った強い屈折力を有する正レンズ成分が、物体近傍に設けられることが必要である。これは、物体から出た発散光束を収斂光束に変換する作用を施す際、色による球面収差(以下、色の球面収差と呼ぶ)、色によるコマ収差(以下、色コマ収差と呼ぶ)を発生させないためであるり、これを定量化したものが条件式(5)である。すなわち、第1レンズ群G1に含まれる物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分は、少なくとも2枚の正メニスカスレンズを含み、前記正メニスカスレンズのうち少なくとも1枚は、g線(波長λ=435.834nm)に対する屈折率をngとし、F線(波長λ=486.133nm)に対する屈折率をnFとし、C線(波長λ=656.273nm)に対する屈折率をnCとし、部分分散比(ng−nF)/(nF−nC)をPg,F,Cとしたとき、次式(5)を満足することが望ましい。
0.530≦Pg,F,C≦0.545 …(5)
上記条件式(5)は、高いN.A.でアポクロマートの対物レンズを構成するための条件である。少なくとも2枚の正メニスカスレンズのうち、どちらか一方が条件式(5)を満足することにより、色の球面収差及び色のコマ収差の発生を抑えることができる。しかしながら、少なくとも2枚の正メニスカスレンズのうち、どちらも条件式(5)を満足しない場合には、高N.A.でアポクロマートの対物レンズを達成することは非常に困難である。また、前記正メニスカスレンズが80以上のアッベ数を有していれば、更に色収差を抑えることができる。
以下、本発明に係る実施例を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1〜図3及び図7(A)を用いて、本発明の第1実施例に係る対物レンズについて説明する。図1は本実施例に係る対物レンズの構成を示す図である。本実施例に係る対物レンズは、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分L1、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分L2、両凹レンズL3と両凸正レンズL4とからなる第1貼り合わせレンズ成分、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL5と両凸正レンズL6とからなる第2貼り合わせレンズ成分、両凸レンズL7と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL8とからなる第3貼り合わせレンズ成分、像側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分L9を備え、物体からの光束を収斂光束に変換する全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL10と両凸正レンズL11及び両凹負レンズL12とからなる3枚貼り合わせレンズ成分、両凹負レンズL13と像側に凹面を向けた正メニスカスレンズL14とからなる貼り合わせレンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL15、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL16を備え、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される。
図2は、本実施例の対物レンズにおける各レンズの諸元値を示す図である。図2に示す諸元の表において、第1欄mは物体側からの各光学面の番号(以下、面番号と称する)、第2欄rは各光学面の曲率半径、第3欄dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離(以下、面間隔と称する)、第4欄ndはd線に対する屈折率、第5欄νdはd線に対するアッベ数、第6欄は各レンズ成分をそれぞれ表している。また、表中では、N.A.は開口数、βは倍率、WDは作動距離、fは対物レンズ系全体の焦点距離を示す。また、請求項3に対応する正メニスカスレンズL1,L2については、g線に対する屈折率ng、C線に対する屈折率nC、F線に対する屈折率nFも記す。なお、長さの単位は特記の無い場合は「mm」が使われている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。これらは他の実施例についても共通の事項である。
図2に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係る対物レンズでは、上記条件式(1)〜(5)を全て満たすことが分かる。
図3は、本実施例に係る対物レンズの収差図であり、(A)は球面収差、(B)は像面湾曲、(C)は歪曲収差、(D)はコマ収差を示す。また、図7(A)は、本実施例に係る最大入射高の色コマ収差を示す。なお、各収差図では、d線についての結果を示し(但し、球面収差図及び倍率収差図についてはg線,C線及びF線についての結果も示す)、NAは開口数を、Yは最大像高を示す。また、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を示し、像面湾曲図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。また、歪曲収差図では、実線Sはサジタル像面を示し、破線Mはメリディオナル像面を示す。以上、収差図の説明は他の実施例においても同様である。
図3に示す各収差図から明らかであるように、本実施例の対物レンズでは諸収差が良好に補正され、優れた性能が確保されていることが分かる。さらに、図7(A)に示すように、色コマ収差が非常に良好に補正されていることが分かる。
(第2実施例)
次に、図4〜図6及び図7(B)を用いて、本発明の第2実施例に係る対物レンズについて説明する。図4は本実施例に係る対物レンズの構成を示す図である。本実施例に係る対物レンズは、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分L1、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分L2、両凹レンズL3と両凸正レンズL4とからなる第1貼り合わせレンズ成分、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL5と両凸正レンズL6とからなる第2貼り合わせレンズ成分、両凸レンズL7と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL8とからなる第3貼り合わせレンズ成分、像側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分L9を備え、物体からの光束を収斂光束に変換する全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL10と両凸正レンズL11及び両凹負レンズL12とからなる3枚貼り合わせレンズ成分、両凹負レンズL13と像側に凹面を向けた正メニスカスレンズL14とからなる貼り合わせレンズ、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズL15、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL16を備え、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される。
図5は、本実施例の対物レンズにおける各レンズの諸元値を示す図である。図5に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係る対物レンズでは、上記条件式(1)〜(5)を全て満たすことが分かる。
図6は、本実施例に係る対物レンズの収差図であり、(A)は球面収差、(B)は像面湾曲、(C)は歪曲収差、(D)はコマ収差を示す。また、図7(B)は、本実施例に係る最大入射高の色コマ収差を示す。図6に示す各収差図から明らかであるように、本実施例の対物レンズでは諸収差が良好に補正され、優れた性能が確保されていることが分かる。さらに、図7(B)に示すように、色コマ収差が非常に良好に補正されていることが分かる。
さらに、図8には、各実施例における全てのレンズのフレアー係数を示す。フレアー係数とは(ある面の反射率を100%と仮定したとき、前記ある面から反射した反射光が検出系まで到達する光量)/(前記ある面に入射する光量)で定義するものである。なお、フレアー係数にその面での反射率を乗じたものが、実際のフレアー量となる。図8に示すように、第1実施例及び第2実施例の対物レンズは、フレアー光が極めて少ないことが分かる。
このような本発明の対物レンズは無限遠設計となっている。また、実際に顕微鏡の対物レンズとして使用する場合は、結像レンズを像側に配置し、対物レンズと結像レンズとを組み合わせて有限光学系を形成して用いる。
ここで、図9を用いて、本発明に係る対物レンズが顕微鏡装置に搭載された例を挙げる。図9に示すように、顕微鏡装置20は、光源1と、コレクタレンズ2と、フィルタ3と、開口絞り4と、視野絞り5と、コンデンサーレンズ6と、第1ビームスプリッタ7と、対物レンズ8(上記第1及び第2実施例を参照)と、被検物体(例えば、半導体ウエハ)9と、ステージ10と、第1反射ミラー11と、結像レンズ(鏡筒光学系)12と、第2反射ミラー13と、第2ビームスプリッタ14と、接眼レンズ15と、撮像素子16とから構成される。
顕微鏡装置20では落射照明が使用されており、光源1から放出された光は、コレクタレンズ2で集光され、所定の波長幅の光のみがフィルタ3を進み、開口絞り4上に光源1の像を形成する。そして、視野絞り5を進み、コンデンサーレンズ6及び第1ビームスプリッタ7を介し、対物レンズ8の射出瞳上に光源1の像をリレーし、対物レンズ8により平行光束として、水平面内及び鉛直方向に移動可能なステージ10上の被検物体(例えば、半導体ウエハ)9を照明する。なお、開口絞り4は、対物レンズ8の射出瞳と照明光学系1〜6とを介して共役な位置に配置され、照明光束の太さ、すなわち被検物体9を照明する光の入射角度範囲を規定するものである。
そして、照明された被検物体9から発した光は、対物レンズ8により平行光束となって進み、第1ビームスプリッタ7及び第1反射ミラー11を介して、鏡筒光学系12に入射する。結像レンズ12を経た光は、第2反射ミラー13を介して、第2ビームスプリッタ14にて、接眼レンズ15の方向に進むものと、撮像素子16の方向に進むものとに分割される。ここで、分割された光のうち、接眼レンズ15の方向に進んだ光は、視野位置にて結像して、眼視観察に用いられる。また、撮像素子16の方向に進んだ光は、該素子16上に結像し、標本の電子画像を得ることができるようになっている。
なお、図9では、第2ビームスプリッタ14を用いて接眼レンズ15と撮像素子16とに光を振り分けているが、これに限定されるものではない。例えば、第2ビームスプリッタ14の出し入れにより、接眼レンズ15の視野位置もしくは撮像素子16の撮像面のいずれか一方に光が到達するように構成することも可能である。
続いて、顕微鏡装置20で使用する結像レンズ12について、図10及び図11を用いて説明する。結像レンズ12は、図10に示すように、物体側から順に、プリズム成分Pと、正メニスカスレンズL1と両凸レンズL2から構成される接合レンズ成分、負メニスカスレンズ成分L3、平凸レンズL4成分を備えて構成される。なお、プリズムPは、対物レンズ8が顕微鏡(装置)で用いられることを考慮して、配設されたものである。このような結像レンズ12における各レンズの諸元値の表を図11に示す。
以上のような本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。例えば、本実施例では無限遠系の対物レンズであったが、第2レンズ群G2を少し変形(例えば、曲率を変える)することにより、容易に有限系の対物レンズとすることが可能である。また、本発明による対物レンズは、工業顕微鏡、特に半導体ウエハ等の観察に用いる顕微鏡用のみならず、乾燥系対物レンズとして一般的に使用できるのは言うまでもない。
本発明の第1実施例に係る対物レンズの構成を示す断面図である。 本発明の第1実施例に係る対物レンズの諸元値を示す表図である。 本発明の第1実施例に係る対物レンズの諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は像面湾曲、(C)は歪曲収差、(D)はコマ収差を示している。 本発明の第2実施例に係る対物レンズの構成を示す断面図である。 本発明の第2実施例に係る対物レンズの諸元値を示す表図である。 本発明の第2実施例に係る対物レンズの諸収差図であり、(A)は球面収差、(B)は像面湾曲、(C)は歪曲収差、(D)はコマ収差を示している。 本発明の各実施例における最大入射高での色コマ収差であり、図7(A)は第1実施例、図7(B)は第2実施例のものである。 本発明の各実施例におけるフレアー係数を示す図である。 本発明に係る対物レンズを用いた顕微鏡装置の概略図である。 上記顕微鏡装置で用いられる結像レンズの構成を示す断面図である。 上記顕微鏡装置で用いられる結像レンズの諸元値を示す表図である。 屈折面,入射光及び反射光との関係を説明するための図である。
符号の説明
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群
L1〜L16 各レンズ成分 r1〜r26 各レンズの曲率半径
1 屈折面 2 光軸
N 入射光線 H 反射光線 K 屈折光線

Claims (3)

  1. 物体側から順に、
    物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分及び貼り合わせレンズ成分を含み、物体からの光束を収斂光束に変換する全体として正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、
    少なくとも2組の貼り合わせレンズ成分及び正メニスカスレンズ成分を含み、全体として負の屈折力を持つ第2レンズ群G2とを有し、
    レンズ全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズ群G1に含まれる最も物体側に位置する貼り合わせレンズの物体側のレンズ面の曲率半径をR1とし、前記第2レンズ群G2に含まれる最も物体側に位置する前記正メニスカスレンズ成分の物体側のレンズ面の曲率半径をR2としたとき、次式
    |R1|/f≧5 …(1)
    |R2|/f≦3 …(2)
    の条件を満足することを特徴とする対物レンズ。
  2. 前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2としたとき、次式
    1≦|f1|/f≦4 …(3)
    2≦|f2|/f≦5 …(4)
    の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
  3. 前記第1レンズ群G1に含まれる前記物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ成分は、少なくとも2枚の正メニスカスレンズを含み、
    前記正メニスカスレンズのうち少なくとも1枚は、g線(波長λ=435.834nm)に対する屈折率をngとし、F線(波長λ=486.133nm)に対する屈折率をnFとし、C線(波長λ=656.273nm)に対する屈折率をnCとし、部分分散比(ng−nF)/(nF−nC)をPg,F,Cとしたとき、次式
    0.530≦Pg,F,C≦0.545 …(5)
    の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
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