JP2004317761A - 複合型波長板 - Google Patents
複合型波長板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004317761A JP2004317761A JP2003111083A JP2003111083A JP2004317761A JP 2004317761 A JP2004317761 A JP 2004317761A JP 2003111083 A JP2003111083 A JP 2003111083A JP 2003111083 A JP2003111083 A JP 2003111083A JP 2004317761 A JP2004317761 A JP 2004317761A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wavelength plate
- poincare sphere
- composite
- wave plate
- phase difference
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/30—Polarising elements
- G02B5/3083—Birefringent or phase retarding elements
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B7/00—Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
- G11B7/12—Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
- G11B7/125—Optical beam sources therefor, e.g. laser control circuitry specially adapted for optical storage devices; Modulators, e.g. means for controlling the size or intensity of optical spots or optical traces
- G11B7/126—Circuits, methods or arrangements for laser control or stabilisation
- G11B7/1263—Power control during transducing, e.g. by monitoring
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B7/00—Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
- G11B7/12—Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
- G11B7/135—Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
- G11B7/1365—Separate or integrated refractive elements, e.g. wave plates
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Optical Head (AREA)
Abstract
【課題】発散光が入射する複合型波長板が有する所望の位相差に更に位相のズレが発生するために、発散光を直に複合型波長板入射させた場合において、入射角度依存性による位相ズレの問題を解決することを目的とする。
【解決手段】2枚の波長板を貼り合せて構成した複合型波長板であって、第1の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ2とし、第1の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R1を中心にした位相回転をΓ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R2を中心にした位相回転をΓ2としたとき、
θ2−θ1≠π/2
であって、且つ、前記複合型波長板の位相差ΓTが、
ΓT=(2×θ1−π/2)cosΓ1+(2×θ2−π)cosΓ2
を満足するように各パラメータを設定する。
【選択図】図1
【解決手段】2枚の波長板を貼り合せて構成した複合型波長板であって、第1の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ2とし、第1の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R1を中心にした位相回転をΓ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R2を中心にした位相回転をΓ2としたとき、
θ2−θ1≠π/2
であって、且つ、前記複合型波長板の位相差ΓTが、
ΓT=(2×θ1−π/2)cosΓ1+(2×θ2−π)cosΓ2
を満足するように各パラメータを設定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDやDVD等のディスク状記録媒体に光スポットを投影して記録媒体に対する情報の記録再生を行う光学ヘッド等の光学装置に用いられる波長板に関し、特に波長板へ入射する発散光に対する入射角度依存性を改善した波長板、及び該波長板を用いた光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザー光を用いてCDやDVD等のディスク状記録媒体上に情報の記録、再生を行う光ディスク記録再生装置は、レーザー光源から出射されたレーザー光のスポットを記録媒体の記録面に投影して記録、再生を行うための光ヘッド装置を備えている。
【0003】
光ヘッド装置は、レーザー光源の発光素子としての半導体レーザー素子(レーザダイオード:以下、LDと称す)と受光素子としての光検出器(フォトダイオード:以下、PDと称す)とを備えていることは周知の通りであるが、LDを駆動する際には、LDから出射するレーザ光の出力を一定に保つために、レーザ光の一部をモニター用の光検出器で受光し、APC(Auto Power Control)回路で制御する必要がある。
【0004】
ここで、従来の光ディスクの読み取り専用の光ヘッド装置では、LDの後端面から出射する出力光をモニターする構成が一般的であったが、より厳密なレーザー光の制御を必要とする記録型の光ヘッド装置では、バックトークノイズの影響を受けないように、且つレーザー光の強度を極めて安定して出射するために、前方出射光の一部を用いてモニターして、そのモニター出力をLDの駆動回路へフィードバックしてレーザー光の強度を制御する、所謂フロントモニター方式が採用されている。
【0005】
フロントモニター方式としては、特開2000−348371号公報等にも記載されているように、図7に示す如くLD1からS偏光として出射した発散光2がコリメートレンズ(シリンドリカルレンズ)で平行光となって、複合型波長板2へ入射すると楕円偏光として該複合型波長板2から出射してビームスプリッタ(以下、PBSと称す)3に入射し、反射面4でS偏光成分が反射し対物レンズで集光されて光ディスクのピットへ到り、P偏光成分は前記反射面4で透過して集光レンズ5を介してフロントモニターの受光素子6で検出されてLD1から出射するレーザー光を制御する方法が一般的である。ここで、フロントモニターで検出するレーザー光の光量は、前記PBS3の反射面を透過する透過率を約10%に調整しているのが一般的である。
【0006】
しかし、前述した図7の如き光ヘッド装置の構成では、LD1からフロントモニターの受光素子6へ到る距離が長くなり光ヘッド装置の小型化への障害となっていた。
LDからフロントモニターへ到る距離を如何に短縮化するかという課題に直面した本願発明者は、LDと波長板との間に配置されたコリメートレンズ、及びPBSとフロントモニターとの間に配置された集光レンズを省いた構造、即ち以下に示すような光ヘッド装置のレイアウトに思い至った。
【0007】
図8に示す如くLDからP偏光として出射した発散光は、入射光に対して37°位相をずらして出射させる複合型波長板2へ入射すると楕円偏光となって該波長板を出射してPBSへ到り、該PBSの反射面で楕円偏光のS偏光成分は反射してコリメートレンズと対物レンズを通過してディスクのピットへ到り、P偏光成分は前記反射面4で透過して集光レンズ5を介してフロントモニターの受光素子6で検出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9(a)に示す如く前記複合型波長板2は、図9(b)に示すように発散光の入射する方向から順に第1の波長板、第2の波長板として夫々の光学軸が直交するよう積層されているので、図10に示す如くLD1から出射する直線偏光の発散光が前記複合型波長板2へ入射すると、図11に示すように第1波長板の光学軸方向と入射角度との関係による光学作用によってP偏光の透過率が大きく変動するが判明した。
図12は、この複合型波長板の光学作用についてポアンカレ球を用いて説明する。周知の通り、ポアンカレ球とは球状の点によって光線の偏光状態を表すものである。
赤道上のS1軸から直線偏光が入射すると第1波長板の回転軸R1をΓ1回転し、更に第2波長板の回転軸R2を逆方向にΓ2回転して楕円偏光となって出射する。
したがって、複合型波長板が有する所望の位相差に更に位相のズレが発生するために、発散光を直に複合型波長板入射させた場合において、入射角度依存性による位相ズレの問題がクローズアップされた。
【0009】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、入射角度依存性を大幅に改善した複合型波長板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、2枚の波長板を貼り合せて構成した複合型波長板であって、第1の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ2とし、第1の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R1を中心にした位相回転をΓ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R2を中心にした位相回転をΓ2としたとき、
θ2−θ1≠π/2
であって、且つ、前記複合型波長板の位相差ΓTが、
ΓT=(2×θ1−π/2)cosΓ1+(2×θ2−π)cosΓ2
を満足していることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本願発明者は、様々なシミュレーションと実験から得られたデータに基づいて推考を重ねた結果、積層する波長板の光学軸を直交しないように積層し且つ夫々の波長板の光学軸と発散光の入射角度との関係から生じる位相差を相殺するように、前記各々の波長板の位相回転角(位相差)と入射偏波面を基準とした光学軸方位角(以下、方位角と称す)とを設定すれば、複合型波長板に発散光が入射しても所望の位相差から更に位相がずれるという問題が生じない複合型波長板を実現できるとに思い到った。
【0012】
図1は本発明に係る第1の実施形態の複合型波長板の構成を示す図であって、図1(a)は複合型波長板を入射方向から見た平面図、図1(b)は積層する第1、第2の波長の各々の方位角と位相差を示す表である。図2は、前記複合型波長板の入射角度依存性を示すグラフであって、発散光の入射角度に対するP偏光の透過率のバラツキが従来に比べて大幅に改善されたことが確認できる。
【0013】
図3は本発明に係る第2の実施形態の複合型波長板の構成を示す図であって、図3(a)は複合型波長板を入射方向から見た平面図、図3(b)は積層する第1、第2の波長の各々の方位角と位相差を示す表である。図4は、前記複合型波長板の入射角度依存性を示すグラフであって、発散光の入射角度に対するP偏光の透過率のバラツキが従来に比べて大幅に改善されたことが確認できる。
【0014】
前述した本発明に係る第1、第2の実施例で示した複合型波長板は以下の条件式に基づく数値計算により算出されることに本願発明者は想到したのである。
【0015】
次に、本発明に係る複合型波長板の光学作用についてポアンカレ球を用いて説明する。
2枚の波長板を貼り合せて構成する複合型波長板において、図5に示す如く第1の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ2とし、図6に示す如く第1の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R1を中心にした位相回転をΓ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R2を中心にした位相回転をΓ2としたとき、
θ2−θ1≠π/2
であって、且つ、前記複合型波長板の位相差ΓTが、
ΓT=(2×θ1−π/2)cosΓ1+(2×θ2−π)cosΓ2
を満足するよう各パラメータを設定すれば入射角度依存性を大幅に改善することが可能となるのである。尚、図6はポアンカレ球を北極S3から投影した図である。
【0016】
赤道上のS1軸の点Hから直線偏光が入射すると第1波長板の回転軸R1をΓ1回転してポアンカレ球表面上の点Iに移動し、第2波長板の回転軸R2をΓ2回転してポアンカレ球表面上の点Jに到達し、楕円偏光となって出射する。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下のような優れた効果が得られる。
請求項1の発明は、2枚の波長板を貼り合せて構成する複合型波長板において、第1の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ2とし、第1の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R1を中心にした位相回転をΓ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R2を中心にした位相回転をΓ2としたとき、
θ2−θ1≠π/2
であって、且つ、前記複合型波長板の位相差ΓTが、
ΓT=(2×θ1−π/2)cosΓ1+(2×θ2−π)cosΓ2
を満足するよう各パラメータを設定したので、入射角度依存性を大幅に改善できるという優れた効果を奏する。
更に、本発明に係る複合型波長板を光ヘッド装置に採用すれば、部品点数を減らすことができるので光ヘッド装置を小型化できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例を示す複合型波長板であって、(a)は平面図、(b)はそのパラメータを示す表である。
【図2】本発明に係る第1の実施例を示す複合型波長板の入射角度依存性を示す図である。
【図3】本発明に係る第2の実施例を示す複合型波長板であって、(a)は平面図、(b)はそのパラメータを示す表である。
【図4】本発明に係る第2の実施例を示す複合型波長板の入射角度依存性を示す図である。
【図5】本発明に係る複合型波長板の平面図である。
【図6】本発明に係る複合型波長板の光学作用を示すポアンカレ球である。
【図7】従来の光ヘッド装置を示す構成図である。
【図8】光ヘッド装置を示す構成図である。
【図9】従来の複合型波長板であって、(a)は平面図、(b)は積層する波長板の斜視図である。
【図10】従来の複合型波長板へ入射する発散光の入射角度と光軸との関係を示す平面図である。
【図11】従来の複合型波長板の入射角度依存性を示す図である。
【図12】従来の複合型波長板の光学作用を示すポアンカレ球である。
【符合の説明】
1 発光素子
2 波長板
3 PBS
4 反射面
5 集光レンズ
6 受光素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDやDVD等のディスク状記録媒体に光スポットを投影して記録媒体に対する情報の記録再生を行う光学ヘッド等の光学装置に用いられる波長板に関し、特に波長板へ入射する発散光に対する入射角度依存性を改善した波長板、及び該波長板を用いた光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザー光を用いてCDやDVD等のディスク状記録媒体上に情報の記録、再生を行う光ディスク記録再生装置は、レーザー光源から出射されたレーザー光のスポットを記録媒体の記録面に投影して記録、再生を行うための光ヘッド装置を備えている。
【0003】
光ヘッド装置は、レーザー光源の発光素子としての半導体レーザー素子(レーザダイオード:以下、LDと称す)と受光素子としての光検出器(フォトダイオード:以下、PDと称す)とを備えていることは周知の通りであるが、LDを駆動する際には、LDから出射するレーザ光の出力を一定に保つために、レーザ光の一部をモニター用の光検出器で受光し、APC(Auto Power Control)回路で制御する必要がある。
【0004】
ここで、従来の光ディスクの読み取り専用の光ヘッド装置では、LDの後端面から出射する出力光をモニターする構成が一般的であったが、より厳密なレーザー光の制御を必要とする記録型の光ヘッド装置では、バックトークノイズの影響を受けないように、且つレーザー光の強度を極めて安定して出射するために、前方出射光の一部を用いてモニターして、そのモニター出力をLDの駆動回路へフィードバックしてレーザー光の強度を制御する、所謂フロントモニター方式が採用されている。
【0005】
フロントモニター方式としては、特開2000−348371号公報等にも記載されているように、図7に示す如くLD1からS偏光として出射した発散光2がコリメートレンズ(シリンドリカルレンズ)で平行光となって、複合型波長板2へ入射すると楕円偏光として該複合型波長板2から出射してビームスプリッタ(以下、PBSと称す)3に入射し、反射面4でS偏光成分が反射し対物レンズで集光されて光ディスクのピットへ到り、P偏光成分は前記反射面4で透過して集光レンズ5を介してフロントモニターの受光素子6で検出されてLD1から出射するレーザー光を制御する方法が一般的である。ここで、フロントモニターで検出するレーザー光の光量は、前記PBS3の反射面を透過する透過率を約10%に調整しているのが一般的である。
【0006】
しかし、前述した図7の如き光ヘッド装置の構成では、LD1からフロントモニターの受光素子6へ到る距離が長くなり光ヘッド装置の小型化への障害となっていた。
LDからフロントモニターへ到る距離を如何に短縮化するかという課題に直面した本願発明者は、LDと波長板との間に配置されたコリメートレンズ、及びPBSとフロントモニターとの間に配置された集光レンズを省いた構造、即ち以下に示すような光ヘッド装置のレイアウトに思い至った。
【0007】
図8に示す如くLDからP偏光として出射した発散光は、入射光に対して37°位相をずらして出射させる複合型波長板2へ入射すると楕円偏光となって該波長板を出射してPBSへ到り、該PBSの反射面で楕円偏光のS偏光成分は反射してコリメートレンズと対物レンズを通過してディスクのピットへ到り、P偏光成分は前記反射面4で透過して集光レンズ5を介してフロントモニターの受光素子6で検出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9(a)に示す如く前記複合型波長板2は、図9(b)に示すように発散光の入射する方向から順に第1の波長板、第2の波長板として夫々の光学軸が直交するよう積層されているので、図10に示す如くLD1から出射する直線偏光の発散光が前記複合型波長板2へ入射すると、図11に示すように第1波長板の光学軸方向と入射角度との関係による光学作用によってP偏光の透過率が大きく変動するが判明した。
図12は、この複合型波長板の光学作用についてポアンカレ球を用いて説明する。周知の通り、ポアンカレ球とは球状の点によって光線の偏光状態を表すものである。
赤道上のS1軸から直線偏光が入射すると第1波長板の回転軸R1をΓ1回転し、更に第2波長板の回転軸R2を逆方向にΓ2回転して楕円偏光となって出射する。
したがって、複合型波長板が有する所望の位相差に更に位相のズレが発生するために、発散光を直に複合型波長板入射させた場合において、入射角度依存性による位相ズレの問題がクローズアップされた。
【0009】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、入射角度依存性を大幅に改善した複合型波長板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、2枚の波長板を貼り合せて構成した複合型波長板であって、第1の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ2とし、第1の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R1を中心にした位相回転をΓ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R2を中心にした位相回転をΓ2としたとき、
θ2−θ1≠π/2
であって、且つ、前記複合型波長板の位相差ΓTが、
ΓT=(2×θ1−π/2)cosΓ1+(2×θ2−π)cosΓ2
を満足していることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本願発明者は、様々なシミュレーションと実験から得られたデータに基づいて推考を重ねた結果、積層する波長板の光学軸を直交しないように積層し且つ夫々の波長板の光学軸と発散光の入射角度との関係から生じる位相差を相殺するように、前記各々の波長板の位相回転角(位相差)と入射偏波面を基準とした光学軸方位角(以下、方位角と称す)とを設定すれば、複合型波長板に発散光が入射しても所望の位相差から更に位相がずれるという問題が生じない複合型波長板を実現できるとに思い到った。
【0012】
図1は本発明に係る第1の実施形態の複合型波長板の構成を示す図であって、図1(a)は複合型波長板を入射方向から見た平面図、図1(b)は積層する第1、第2の波長の各々の方位角と位相差を示す表である。図2は、前記複合型波長板の入射角度依存性を示すグラフであって、発散光の入射角度に対するP偏光の透過率のバラツキが従来に比べて大幅に改善されたことが確認できる。
【0013】
図3は本発明に係る第2の実施形態の複合型波長板の構成を示す図であって、図3(a)は複合型波長板を入射方向から見た平面図、図3(b)は積層する第1、第2の波長の各々の方位角と位相差を示す表である。図4は、前記複合型波長板の入射角度依存性を示すグラフであって、発散光の入射角度に対するP偏光の透過率のバラツキが従来に比べて大幅に改善されたことが確認できる。
【0014】
前述した本発明に係る第1、第2の実施例で示した複合型波長板は以下の条件式に基づく数値計算により算出されることに本願発明者は想到したのである。
【0015】
次に、本発明に係る複合型波長板の光学作用についてポアンカレ球を用いて説明する。
2枚の波長板を貼り合せて構成する複合型波長板において、図5に示す如く第1の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ2とし、図6に示す如く第1の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R1を中心にした位相回転をΓ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R2を中心にした位相回転をΓ2としたとき、
θ2−θ1≠π/2
であって、且つ、前記複合型波長板の位相差ΓTが、
ΓT=(2×θ1−π/2)cosΓ1+(2×θ2−π)cosΓ2
を満足するよう各パラメータを設定すれば入射角度依存性を大幅に改善することが可能となるのである。尚、図6はポアンカレ球を北極S3から投影した図である。
【0016】
赤道上のS1軸の点Hから直線偏光が入射すると第1波長板の回転軸R1をΓ1回転してポアンカレ球表面上の点Iに移動し、第2波長板の回転軸R2をΓ2回転してポアンカレ球表面上の点Jに到達し、楕円偏光となって出射する。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下のような優れた効果が得られる。
請求項1の発明は、2枚の波長板を貼り合せて構成する複合型波長板において、第1の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ2とし、第1の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R1を中心にした位相回転をΓ1とし、第2の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R2を中心にした位相回転をΓ2としたとき、
θ2−θ1≠π/2
であって、且つ、前記複合型波長板の位相差ΓTが、
ΓT=(2×θ1−π/2)cosΓ1+(2×θ2−π)cosΓ2
を満足するよう各パラメータを設定したので、入射角度依存性を大幅に改善できるという優れた効果を奏する。
更に、本発明に係る複合型波長板を光ヘッド装置に採用すれば、部品点数を減らすことができるので光ヘッド装置を小型化できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例を示す複合型波長板であって、(a)は平面図、(b)はそのパラメータを示す表である。
【図2】本発明に係る第1の実施例を示す複合型波長板の入射角度依存性を示す図である。
【図3】本発明に係る第2の実施例を示す複合型波長板であって、(a)は平面図、(b)はそのパラメータを示す表である。
【図4】本発明に係る第2の実施例を示す複合型波長板の入射角度依存性を示す図である。
【図5】本発明に係る複合型波長板の平面図である。
【図6】本発明に係る複合型波長板の光学作用を示すポアンカレ球である。
【図7】従来の光ヘッド装置を示す構成図である。
【図8】光ヘッド装置を示す構成図である。
【図9】従来の複合型波長板であって、(a)は平面図、(b)は積層する波長板の斜視図である。
【図10】従来の複合型波長板へ入射する発散光の入射角度と光軸との関係を示す平面図である。
【図11】従来の複合型波長板の入射角度依存性を示す図である。
【図12】従来の複合型波長板の光学作用を示すポアンカレ球である。
【符合の説明】
1 発光素子
2 波長板
3 PBS
4 反射面
5 集光レンズ
6 受光素子
Claims (1)
- 2枚の波長板を貼り合せて構成した複合型波長板であって、
第1の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ1とし、
第2の波長板のポアンカレ球表示における入射偏波面を基準とした光学軸方位角をθ2とし、
第1の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R1を中心にした位相回転をΓ1とし、
第2の波長板のポアンカレ球表示における回転軸R2を中心にした位相回転をΓ2としたとき、
θ2−θ1≠π/2
であって、
且つ、前記複合型波長板の位相差ΓTが、
ΓT=(2×θ1−π/2)cosΓ1+(2×θ2−π)cosΓ2
を満足していることを特徴とする複合型波長板。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003111083A JP2004317761A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 複合型波長板 |
US10/825,805 US20070183297A1 (en) | 2003-04-16 | 2004-04-15 | Compositive wave plate |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003111083A JP2004317761A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 複合型波長板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004317761A true JP2004317761A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33471733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003111083A Withdrawn JP2004317761A (ja) | 2003-04-16 | 2003-04-16 | 複合型波長板 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20070183297A1 (ja) |
JP (1) | JP2004317761A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5228805B2 (ja) * | 2008-10-31 | 2013-07-03 | セイコーエプソン株式会社 | 積層1/4波長板 |
CN103424797B (zh) * | 2013-07-26 | 2016-04-13 | 华中科技大学 | 一种四分之一双波片相位延迟器 |
CN105527669A (zh) * | 2015-12-31 | 2016-04-27 | 武汉光电工业技术研究院有限公司 | 一种三元式宽带消色差复合波片及其制备方法 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2441049A (en) * | 1944-09-29 | 1948-05-04 | Polaroid Corp | Composite achromatic wave plates comprising superimposed sheets of differently birefringent, molecularly oriented, transparent, solid, organic plastic material |
US3060808A (en) * | 1958-08-01 | 1962-10-30 | American Optical Corp | Achromatic polarization rotators |
US3433553A (en) * | 1964-11-04 | 1969-03-18 | Sylvania Electric Prod | Light depolarizer |
US4129357A (en) * | 1977-08-11 | 1978-12-12 | Nasa | Partial polarizer filter |
US4500178A (en) * | 1981-10-13 | 1985-02-19 | Rockwell International Corporation | Iso-index birefringent filters |
US4548479A (en) * | 1983-04-01 | 1985-10-22 | Rockwell International Corporation | Isophase birefringent filters |
US4643534A (en) * | 1984-08-20 | 1987-02-17 | General Electric Company | Optical transmission filter for far field beam correction |
US4595262A (en) * | 1984-08-23 | 1986-06-17 | Lockheed Missiles & Space Company, Inc. | Tunable birefringent safety goggles for laser beams |
JPH0772769B2 (ja) * | 1984-09-26 | 1995-08-02 | ソニー株式会社 | 固体撮像装置 |
US4772104A (en) * | 1987-08-10 | 1988-09-20 | Gte Laboratories Incorporated | Achromatic tuner for birefringent optical filter |
JPH07230061A (ja) * | 1994-02-17 | 1995-08-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 偏光コヒーレント合波レーザ |
US5751384A (en) * | 1995-05-23 | 1998-05-12 | The Board Of Regents Of The University Of Colorado | Color polarizers for polarizing an additive color spectrum along a first axis and it's compliment along a second axis |
US6268962B1 (en) * | 2000-01-13 | 2001-07-31 | Raytheon Company | Reeder rotator |
-
2003
- 2003-04-16 JP JP2003111083A patent/JP2004317761A/ja not_active Withdrawn
-
2004
- 2004-04-15 US US10/825,805 patent/US20070183297A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20070183297A1 (en) | 2007-08-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4742630B2 (ja) | 反射光学素子および光ピックアップ装置 | |
JP2004317761A (ja) | 複合型波長板 | |
JP2008305525A (ja) | 光ピックアップおよび光ディスク装置 | |
JPH10233032A (ja) | 光ヘッド装置及び当該光ヘッド装置を備えた光学式記録再生装置 | |
JP2004110897A (ja) | 光ピックアップ及びそのモニタ方法 | |
JP2009259341A (ja) | 光ピックアップ装置 | |
JP2003030893A (ja) | 光ヘッド及び光ディスク装置並びに光ディスク装置の駆動方法 | |
JP2006309850A (ja) | 光ヘッド装置および情報記録再生装置 | |
JP2006127569A (ja) | 光ピックアップ装置 | |
JP2006309851A (ja) | 光ヘッド装置および情報記録再生装置 | |
JPH11261171A (ja) | 光学装置とこれを利用した光学ピックアップ及び光ディスク装置 | |
JP2002116321A (ja) | 波長板及び光学ヘッド | |
JP2003030887A (ja) | 光学ピックアップ装置 | |
JP2001307367A (ja) | 光ピックアップ装置 | |
JP4797650B2 (ja) | 光ピックアップ装置 | |
JP2008257797A (ja) | 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 | |
JP2007035204A (ja) | 光ピックアップ及び光ディスク装置 | |
JP2007026597A (ja) | 光ピックアップ | |
JP2005100480A (ja) | 2波長レーザモジュール | |
JPH05314532A (ja) | 光ピックアップ | |
JP2008090893A (ja) | 光ピックアップ装置 | |
JP2007087493A (ja) | 光ピックアップ装置、光ディスクドライブ、及び、対物レンズ切換え方法 | |
JP2002184016A (ja) | 光ピックアップ及び偏光プリズム | |
JPH10222862A (ja) | 光ピックアップ | |
JP2008112487A (ja) | 光学部品およびそれを用いた光ヘッド装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060404 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20060404 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20070402 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20080623 |