JP2004317334A - X線異物検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検査物を配管によって移送する場合にX線照射位置で被検査物が停留しないようにする。
【解決手段】被検査物12の移送手段は、断面が円形の管内に被検査物12を流体として流すために組まれた配管14であるが、配管14はX線照射位置の手前でいったん途切れていて、上流側開放口16から出た被検査物12がX線照射位置を上方から下方へ下向きに自然落下するように、上流側開放口16部分は垂直方向に配置され、上流側開放口16は下向きに開口している。被検査物12は上流側開放口16から落下し、X線照射された後、再び配管の下流側開放口18に流入する。
【選択図】 図1
【解決手段】被検査物12の移送手段は、断面が円形の管内に被検査物12を流体として流すために組まれた配管14であるが、配管14はX線照射位置の手前でいったん途切れていて、上流側開放口16から出た被検査物12がX線照射位置を上方から下方へ下向きに自然落下するように、上流側開放口16部分は垂直方向に配置され、上流側開放口16は下向きに開口している。被検査物12は上流側開放口16から落下し、X線照射された後、再び配管の下流側開放口18に流入する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線によって、例えば液体や粉体、流動体、小粒径の固形物などの被検査物に混入している異物を検出するX線異物検査装置に関し、特に被検査物が配管によって移送される方式のX線異物検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各分野においてX線を用いた異物検査が行われているが、特に食品加工業においては、PL法(製造物責任法)やHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)方式の製造工程の管理対象としてX線異物検査装置が重要視されている。X線異物検査装置は、X線源から被検査物にX線を照射し、被検査物を透過したX線から得た透過画像によって被検査物中に含まれる異物や異常を検査するものである。これにより、加工食品に異物となる金属や骨、木材、合成樹脂等が混入している場合は検知され排除処理が行われて、食品製造・加工の安全性、衛生性が保証される。
【0003】
従来のX線異物検査装置として、被検査物を移送するための配管と、配管に接続されていて検査区間内において被検査物を水平に移動させX線照射位置を通過させるチューブと、水平移動する被検査物にX線を照射するX線源と、X線源から出たX線が被検査物を透過した後の透過X線を検出するためにX線源に対向して配置されたX線検出器とを備えたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特表2002−520593(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図4は、上の従来装置のように、被検査物を配管より水平移動させる検査装置において管内を移送される被検査物の速度分布を示した断面図であり、(A)は層流、(B)は乱流の場合をそれぞれ示している。管内を流れる被検査物の流れが層流、乱流のどちらの場合であっても、粘性によって被検査物の管壁に面している部分の流速が被検査物と壁面との間に生じる摩擦抵抗によって大きく減衰してしまう。そのため、X線による異物検査を行なう場合、被検査物の管壁に面している部分が停留し、被検査物が長時間X線にさらされる可能性がある。
【0006】
食品にX線のような放射線を照射することについての基準は各国によって異なるが、例えば、我が国においては、食品安全衛生法関係基準“食品、添加物等の規格基準”ではB項として以下の▲1▼、▲2▼のように規定されている。
【0007】
B項 食品一般の製造、加工及び調理基準
▲1▼食品を製造し、又は加工する場合は、食品に放射線を照射してはならない。ただし、食品の製造工程又は加工工程において、その製造工程又は加工工程の管理のために照射する場合であって、食品の吸収線量が0.10グレイのとき及び特別の定めをする場合は、この限りではない。
▲2▼使用の保存の目的で、食品に放射線を照射してはならない。
【0008】
従来、食品製造・加工分野において生産ライン中に組み込まれるX線異物検査装置はコンベアベルトに代表される搬送機構によって被検査物が搬送されるため、上記X線照射線量はX線の強度と搬送速度(コンベア速度)によって一義的に定まる。
【0009】
仮に、コンベア面上のX線照射線量を70レントゲン/分、コンベア速度を10メートル/分、スリット幅を2.3mmとした場合、被検査物が受ける照射線量は次式によって16ミリレントゲンとなる。
【0010】
【数1】
【0011】
0.10グレイ≒10,000ミリレントゲンであるから、先の計算によって求めた16ミリレントゲンは前述の食品衛生法関係基準での規制値に対して1/625程度の十分に小さい値である。
【0012】
しかし、先の計算はコンベアベルトに代表される搬送機構により被検査物が搬送され、ベルトの移動速度と被検査物の移動速度が一致する場合には成り立つが、被検査物が配管により移送される場合には、配管の管内壁と被検査物との摩擦によって管壁付近の被検査物の速度が減速され、極端な場合には管壁ぎりぎりの領域では壁付着して速度がゼロになることがある。したがって、管内を流れる被検査物の平均移動速度が10m/分であっても、管壁に近い領域では速度が1m/分で移送される被検査物があれば、規制値の1/62.5ものX線が照射されることになる。さらに管壁に近くなって移送速度がゼロに近い領域では、X線に長時間曝されることになる。
【0013】
配管内を次々と流れる被検査物において、管壁付近に溜まって長時間X線照射を受けた被検査物のみを選別・排除することは不可能である。したがって、配管内を移送される被検査物にX線に照射するこのようなX線異物検査装置を導入することは、我が国の規制を考えると現実的ではない。
【0014】
そこで、本発明は被検査物が配管によって移送される方式のX線異物検査装置において、X線照射位置で被検査物が停留しないX線異物検査装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、X線を照射するX線発生器と、前記X線発生器から照射されたX線を検出するように前記X線発生器に対向して配置されたX線検出器とを備え、配管を配し管内に被検査物を流す方法で、被検査物が前記X線発生器からのX線を横切るように移送し、前記X線発生器からのX線が被検査物を透過した後の前記X線検出器によるX線検出強度に基づいて被検査物内の異物の有無を検知するX線異物検査装置であって、
【0016】
X線発生器とX線検出器はX線を水平方向に照射する方向に配置され、被検査物を流す配管は被検査物がX線を横切る位置では管壁をもたず、被検査物が自然落下しながらX線照射位置を通過する構造となっていることを特徴としている。
なお、本発明において、配管の途切れた部分の被検査物が流れ出る配管出口を上流側開放口、上流側開放口から流下した被検査物を受け取る部分を下流側開放口と呼ぶ。
【0017】
本発明のX線異物検査装置によれば、X線照射位置では被検査物と管壁との摩擦がないので、被検査物は自然落下することによって長時間X線にさらされることなく異物検査が行なえる。また、X線照射位置付近での披検査物の移送手段が自由落下であるので、被検査物へのX線照射時間が定量的に計算できる。
【0018】
本発明のX線異物検査装置において、落下する被検査物の水平面内での断面形状がX線照射方向に直交する方向に延びた形状となるように、被検査物を自然落下させる配管の上流側開放口を扁平形とすることができる。
さらには、自然落下する被検査物の周囲に気体層を形成するように、被検査物を自然落下させる前記配管の上流側開放口の周りを囲うように配置された気体供給管を備えることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は第1の実施例を示す概略図である。
X線異物検査装置1は、ライン状のX線8を発生し被検査物12に照射するX線発生器3と、X線発生器3により照射されたX線8を検出するためにX線発生器3に対向して配置されたX線検出器10と、被検査物12をX線照射位置まで移送しX線8を照射させるための配管14と、検査後の被検査物12を正常な検査物24と異物を含んだ部分の被検査物22とに振り分けるバルブ20を備えている。
【0020】
被検査物12の移送手段は、断面が円形の管内に被検査物12を流体として流すために組まれた配管14であるが、配管14はX線照射位置の手前でいったん途切れていて、上流側開放口16から出た被検査物12がX線照射位置を上方から下方へ下向きに自然落下するように、上流側開放口16部分は垂直方向に配置され、上流側開放口16は下向きに開口している。上流側開放口16から落下した被検査物12を受けるために、X線照射位置を挟んで上流側開放口16の直下に下流側開放口18が配置されている。下流側開放口18は、上流側開放口16から出る落下する被検査物12が拡散しても受け取ることができるように、上方向に開いた漏斗状に形成されている。
【0021】
X線発生器3は、X線を発生するX線源4とX線源4から発生するX線をライン状に整形するスリット6を備えている。X線発生器3はX線を水平方向に発生する向きに設置されており、上方から落下する被検査物12に対して側方からX線の照射を行なう。
【0022】
2はX線遮蔽材料からなる防護箱であり、X線が外部に漏洩しないように、X線発生器3、X線検出器10及び被検査物へのX線照射領域を取り囲むように設けられている。
【0023】
X線検出器10の検出信号により異物有無の判定を行なうために異物判定部26を備え、異物判定部26の判定結果に基づいて振り分けバルブ20を制御するバルブ切り替え制御部28を備え、バルブ20は被検査物12を異物の含んだ被検査物22と異物を含んでいない被検査物24とに振り分ける。
【0024】
次に本実施例の動作について説明する。
被検査物12は上流側開放口16から落下し、X線照射された後、再び配管の下流側開放口18に流入する。振り分けバルブ20は、通常は被検査物を水平方向の分岐配管に移送する方向に設定されており、異物判定部26が異物が検出したときにバルブ切り替え制御部28からの信号によりバルブ20を切り替えて被検査物を垂直方向の分岐配管に接続する。
【0025】
配管14はX線照射位置で管壁をもたないように、X線照射位置の上方でいったん途切れているので、被検査物12はX線照射位置を自然流下し、管壁との摩擦による影響を受けずにX線の照射を受けることができる。
【0026】
配管14の断面形状が円形である場合、被検査物12を透過するX線8が被検査物12に入る場所によって透過する距離に差が出る。そのため、異物の有無に拘わらず、X線検出器10によって検出されるX線の検出強度にムラが生じてしまい異物判定部26の画像処理工程に負担をかけることがある。
【0027】
図2(A)は他の実施例の概略構成図であり、(B)、(C)、(D)はそれぞれ図2(A)のA−A‘断面、B−B’断面、C−C‘断面を示している。
図2(A)は、実施例1の上流側開放口16部分を変形させたものである。本実施例では、断面が図2(B)に示す円形の配管14を上流側開放口16aの形状を円形から変形させた。落下する被検査物の水平面内での断面形状が図2(D)に示すようにX線照射方向に直交する方向に延びた形状となるように、配管の上流側開放口16aの水平面内での形状を図2(C)に示すようにX線照射方向に直交する方向に延びた扁平形とした。
【0028】
これにより、上流側開放口16aから流下する被検査物12の断面は図2(D)に示すような形状となる。この被検査物12の断面形状は円形断面に比べて薄肉でありX線の透過経路差により生じる検出器10での検出強度の差を緩和することができる。
【0029】
図3(A)は図2(A)に示したX線異物検査装置1aに気体供給管32を取り付けた実施例の概略構成図であり、図3(B)、(C)、(D)はそれぞれ図3(A)のA−A’断面、B−B’断面、C−C‘断面を示している。
【0030】
図3(A)において、気体供給管32は配管14の上流側開放口16aから落下する被検査物12と同方向で、被検査物12を囲って空気又は不活性ガス34を供給するように設置されている。気体供給管32から供給された空気又は不活性ガス34は、被検査物12の周囲に気体層を形成し、外部からの粉塵の混入を防止する。
【0031】
この実施例では、上流側開放口16aから落下する被検査物12の水平面内での断面形状がX線照射方向に直交する方向に延びた扁平な形状であるので、気体層34の水平面内での断面形状もその被検査物12の外側を取り囲むように、X線照射方向に直交する方向に延びた扁平な形状となるように、気体供給管32の出口形状が設定されている。
【0032】
本実施例では、気体供給管32は上流側開放口を扁平させた実施例2のX線異物検査装置1aに取り付けているが、実施例1のX線異物検査装置1に取り付けてもよい。その場合は、上流側開放口から落下する被検査物12の水平面内での断面形状が円形であるので、その被検査物12の外側を取り囲む気体層の断面形状も円形になるように気体供給管32の出口形状が設定される。
【0033】
【発明の効果】
本発明のX線異物検査装置では、被検査物がX線の照射を受けるX線照射位置では配管の管壁がないので、粘性によって生じる被検査物と管壁との摩擦がなく被検査物の停留は起きないので、長時間、被検査物がX線にさらされることがない。また、被検査物がX線を照射される検査区間では被検査物は自然落下しているので、X線照射時間を定量的に計算することができる。
【0034】
請求項2の本発明により配管の上流側開放口の形状を扁平形にすれば、上流側開放口から落下する被検査物を透過するX線は被検査物の透過位置に対して透過距離の差が少なくなるので、画像処理が容易になる。
【0035】
請求項3の本発明により上流側開放口16aから落下する被検査物の周りに空気又は不活性ガスによる保護層を形成すれば、外部からの粉塵などの混入を防ぐことができるので、食品の場合に衛生面の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す概略構成図である。
【図2】第2の実施例を示す概略構成図である。
【図3】第3の実施例を示す概略構成図である。
【図4】被検査物を水平方向に移送する配管内における被検査物流体の流速分布を示す図である。
【符号の説明】
1 X線異物検査装置本体
2 防護箱
3 X線発生器
4 X線源
6 スリット
8 X線
10 X線検出器
12 被検査物
14 配管
16,16a 上流側開放口
18 下流側開放口
20 振り分けバルブ
22 異物を含んだ被検査物
24 異物を含まない被検査物
26 異物判定部
28 バルブ切り替え制御部
32 気体供給管
34 気体
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線によって、例えば液体や粉体、流動体、小粒径の固形物などの被検査物に混入している異物を検出するX線異物検査装置に関し、特に被検査物が配管によって移送される方式のX線異物検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各分野においてX線を用いた異物検査が行われているが、特に食品加工業においては、PL法(製造物責任法)やHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)方式の製造工程の管理対象としてX線異物検査装置が重要視されている。X線異物検査装置は、X線源から被検査物にX線を照射し、被検査物を透過したX線から得た透過画像によって被検査物中に含まれる異物や異常を検査するものである。これにより、加工食品に異物となる金属や骨、木材、合成樹脂等が混入している場合は検知され排除処理が行われて、食品製造・加工の安全性、衛生性が保証される。
【0003】
従来のX線異物検査装置として、被検査物を移送するための配管と、配管に接続されていて検査区間内において被検査物を水平に移動させX線照射位置を通過させるチューブと、水平移動する被検査物にX線を照射するX線源と、X線源から出たX線が被検査物を透過した後の透過X線を検出するためにX線源に対向して配置されたX線検出器とを備えたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特表2002−520593(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図4は、上の従来装置のように、被検査物を配管より水平移動させる検査装置において管内を移送される被検査物の速度分布を示した断面図であり、(A)は層流、(B)は乱流の場合をそれぞれ示している。管内を流れる被検査物の流れが層流、乱流のどちらの場合であっても、粘性によって被検査物の管壁に面している部分の流速が被検査物と壁面との間に生じる摩擦抵抗によって大きく減衰してしまう。そのため、X線による異物検査を行なう場合、被検査物の管壁に面している部分が停留し、被検査物が長時間X線にさらされる可能性がある。
【0006】
食品にX線のような放射線を照射することについての基準は各国によって異なるが、例えば、我が国においては、食品安全衛生法関係基準“食品、添加物等の規格基準”ではB項として以下の▲1▼、▲2▼のように規定されている。
【0007】
B項 食品一般の製造、加工及び調理基準
▲1▼食品を製造し、又は加工する場合は、食品に放射線を照射してはならない。ただし、食品の製造工程又は加工工程において、その製造工程又は加工工程の管理のために照射する場合であって、食品の吸収線量が0.10グレイのとき及び特別の定めをする場合は、この限りではない。
▲2▼使用の保存の目的で、食品に放射線を照射してはならない。
【0008】
従来、食品製造・加工分野において生産ライン中に組み込まれるX線異物検査装置はコンベアベルトに代表される搬送機構によって被検査物が搬送されるため、上記X線照射線量はX線の強度と搬送速度(コンベア速度)によって一義的に定まる。
【0009】
仮に、コンベア面上のX線照射線量を70レントゲン/分、コンベア速度を10メートル/分、スリット幅を2.3mmとした場合、被検査物が受ける照射線量は次式によって16ミリレントゲンとなる。
【0010】
【数1】
【0011】
0.10グレイ≒10,000ミリレントゲンであるから、先の計算によって求めた16ミリレントゲンは前述の食品衛生法関係基準での規制値に対して1/625程度の十分に小さい値である。
【0012】
しかし、先の計算はコンベアベルトに代表される搬送機構により被検査物が搬送され、ベルトの移動速度と被検査物の移動速度が一致する場合には成り立つが、被検査物が配管により移送される場合には、配管の管内壁と被検査物との摩擦によって管壁付近の被検査物の速度が減速され、極端な場合には管壁ぎりぎりの領域では壁付着して速度がゼロになることがある。したがって、管内を流れる被検査物の平均移動速度が10m/分であっても、管壁に近い領域では速度が1m/分で移送される被検査物があれば、規制値の1/62.5ものX線が照射されることになる。さらに管壁に近くなって移送速度がゼロに近い領域では、X線に長時間曝されることになる。
【0013】
配管内を次々と流れる被検査物において、管壁付近に溜まって長時間X線照射を受けた被検査物のみを選別・排除することは不可能である。したがって、配管内を移送される被検査物にX線に照射するこのようなX線異物検査装置を導入することは、我が国の規制を考えると現実的ではない。
【0014】
そこで、本発明は被検査物が配管によって移送される方式のX線異物検査装置において、X線照射位置で被検査物が停留しないX線異物検査装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、X線を照射するX線発生器と、前記X線発生器から照射されたX線を検出するように前記X線発生器に対向して配置されたX線検出器とを備え、配管を配し管内に被検査物を流す方法で、被検査物が前記X線発生器からのX線を横切るように移送し、前記X線発生器からのX線が被検査物を透過した後の前記X線検出器によるX線検出強度に基づいて被検査物内の異物の有無を検知するX線異物検査装置であって、
【0016】
X線発生器とX線検出器はX線を水平方向に照射する方向に配置され、被検査物を流す配管は被検査物がX線を横切る位置では管壁をもたず、被検査物が自然落下しながらX線照射位置を通過する構造となっていることを特徴としている。
なお、本発明において、配管の途切れた部分の被検査物が流れ出る配管出口を上流側開放口、上流側開放口から流下した被検査物を受け取る部分を下流側開放口と呼ぶ。
【0017】
本発明のX線異物検査装置によれば、X線照射位置では被検査物と管壁との摩擦がないので、被検査物は自然落下することによって長時間X線にさらされることなく異物検査が行なえる。また、X線照射位置付近での披検査物の移送手段が自由落下であるので、被検査物へのX線照射時間が定量的に計算できる。
【0018】
本発明のX線異物検査装置において、落下する被検査物の水平面内での断面形状がX線照射方向に直交する方向に延びた形状となるように、被検査物を自然落下させる配管の上流側開放口を扁平形とすることができる。
さらには、自然落下する被検査物の周囲に気体層を形成するように、被検査物を自然落下させる前記配管の上流側開放口の周りを囲うように配置された気体供給管を備えることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は第1の実施例を示す概略図である。
X線異物検査装置1は、ライン状のX線8を発生し被検査物12に照射するX線発生器3と、X線発生器3により照射されたX線8を検出するためにX線発生器3に対向して配置されたX線検出器10と、被検査物12をX線照射位置まで移送しX線8を照射させるための配管14と、検査後の被検査物12を正常な検査物24と異物を含んだ部分の被検査物22とに振り分けるバルブ20を備えている。
【0020】
被検査物12の移送手段は、断面が円形の管内に被検査物12を流体として流すために組まれた配管14であるが、配管14はX線照射位置の手前でいったん途切れていて、上流側開放口16から出た被検査物12がX線照射位置を上方から下方へ下向きに自然落下するように、上流側開放口16部分は垂直方向に配置され、上流側開放口16は下向きに開口している。上流側開放口16から落下した被検査物12を受けるために、X線照射位置を挟んで上流側開放口16の直下に下流側開放口18が配置されている。下流側開放口18は、上流側開放口16から出る落下する被検査物12が拡散しても受け取ることができるように、上方向に開いた漏斗状に形成されている。
【0021】
X線発生器3は、X線を発生するX線源4とX線源4から発生するX線をライン状に整形するスリット6を備えている。X線発生器3はX線を水平方向に発生する向きに設置されており、上方から落下する被検査物12に対して側方からX線の照射を行なう。
【0022】
2はX線遮蔽材料からなる防護箱であり、X線が外部に漏洩しないように、X線発生器3、X線検出器10及び被検査物へのX線照射領域を取り囲むように設けられている。
【0023】
X線検出器10の検出信号により異物有無の判定を行なうために異物判定部26を備え、異物判定部26の判定結果に基づいて振り分けバルブ20を制御するバルブ切り替え制御部28を備え、バルブ20は被検査物12を異物の含んだ被検査物22と異物を含んでいない被検査物24とに振り分ける。
【0024】
次に本実施例の動作について説明する。
被検査物12は上流側開放口16から落下し、X線照射された後、再び配管の下流側開放口18に流入する。振り分けバルブ20は、通常は被検査物を水平方向の分岐配管に移送する方向に設定されており、異物判定部26が異物が検出したときにバルブ切り替え制御部28からの信号によりバルブ20を切り替えて被検査物を垂直方向の分岐配管に接続する。
【0025】
配管14はX線照射位置で管壁をもたないように、X線照射位置の上方でいったん途切れているので、被検査物12はX線照射位置を自然流下し、管壁との摩擦による影響を受けずにX線の照射を受けることができる。
【0026】
配管14の断面形状が円形である場合、被検査物12を透過するX線8が被検査物12に入る場所によって透過する距離に差が出る。そのため、異物の有無に拘わらず、X線検出器10によって検出されるX線の検出強度にムラが生じてしまい異物判定部26の画像処理工程に負担をかけることがある。
【0027】
図2(A)は他の実施例の概略構成図であり、(B)、(C)、(D)はそれぞれ図2(A)のA−A‘断面、B−B’断面、C−C‘断面を示している。
図2(A)は、実施例1の上流側開放口16部分を変形させたものである。本実施例では、断面が図2(B)に示す円形の配管14を上流側開放口16aの形状を円形から変形させた。落下する被検査物の水平面内での断面形状が図2(D)に示すようにX線照射方向に直交する方向に延びた形状となるように、配管の上流側開放口16aの水平面内での形状を図2(C)に示すようにX線照射方向に直交する方向に延びた扁平形とした。
【0028】
これにより、上流側開放口16aから流下する被検査物12の断面は図2(D)に示すような形状となる。この被検査物12の断面形状は円形断面に比べて薄肉でありX線の透過経路差により生じる検出器10での検出強度の差を緩和することができる。
【0029】
図3(A)は図2(A)に示したX線異物検査装置1aに気体供給管32を取り付けた実施例の概略構成図であり、図3(B)、(C)、(D)はそれぞれ図3(A)のA−A’断面、B−B’断面、C−C‘断面を示している。
【0030】
図3(A)において、気体供給管32は配管14の上流側開放口16aから落下する被検査物12と同方向で、被検査物12を囲って空気又は不活性ガス34を供給するように設置されている。気体供給管32から供給された空気又は不活性ガス34は、被検査物12の周囲に気体層を形成し、外部からの粉塵の混入を防止する。
【0031】
この実施例では、上流側開放口16aから落下する被検査物12の水平面内での断面形状がX線照射方向に直交する方向に延びた扁平な形状であるので、気体層34の水平面内での断面形状もその被検査物12の外側を取り囲むように、X線照射方向に直交する方向に延びた扁平な形状となるように、気体供給管32の出口形状が設定されている。
【0032】
本実施例では、気体供給管32は上流側開放口を扁平させた実施例2のX線異物検査装置1aに取り付けているが、実施例1のX線異物検査装置1に取り付けてもよい。その場合は、上流側開放口から落下する被検査物12の水平面内での断面形状が円形であるので、その被検査物12の外側を取り囲む気体層の断面形状も円形になるように気体供給管32の出口形状が設定される。
【0033】
【発明の効果】
本発明のX線異物検査装置では、被検査物がX線の照射を受けるX線照射位置では配管の管壁がないので、粘性によって生じる被検査物と管壁との摩擦がなく被検査物の停留は起きないので、長時間、被検査物がX線にさらされることがない。また、被検査物がX線を照射される検査区間では被検査物は自然落下しているので、X線照射時間を定量的に計算することができる。
【0034】
請求項2の本発明により配管の上流側開放口の形状を扁平形にすれば、上流側開放口から落下する被検査物を透過するX線は被検査物の透過位置に対して透過距離の差が少なくなるので、画像処理が容易になる。
【0035】
請求項3の本発明により上流側開放口16aから落下する被検査物の周りに空気又は不活性ガスによる保護層を形成すれば、外部からの粉塵などの混入を防ぐことができるので、食品の場合に衛生面の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す概略構成図である。
【図2】第2の実施例を示す概略構成図である。
【図3】第3の実施例を示す概略構成図である。
【図4】被検査物を水平方向に移送する配管内における被検査物流体の流速分布を示す図である。
【符号の説明】
1 X線異物検査装置本体
2 防護箱
3 X線発生器
4 X線源
6 スリット
8 X線
10 X線検出器
12 被検査物
14 配管
16,16a 上流側開放口
18 下流側開放口
20 振り分けバルブ
22 異物を含んだ被検査物
24 異物を含まない被検査物
26 異物判定部
28 バルブ切り替え制御部
32 気体供給管
34 気体
Claims (3)
- X線を照射するX線発生器と、前記X線発生器から照射されたX線を検出するように前記X線発生器に対向して配置されたX線検出器とを備え、配管を配しその管内に被検査物を流す方法で被検査物が前記X線発生器からのX線を横切るように移送し、前記X線発生器からのX線が被検査物を透過した後の前記X線検出器によるX線検出強度に基づいて被検査物内の異物の有無を検知するX線異物検査装置において、
前記X線発生器とX線検出器はX線を水平方向に照射する方向に配置され、前記配管は被検査物がX線を横切る位置では管壁をもたず、被検査物が自然落下しながらX線照射位置を通過する構造となっていることを特徴とするX線異物検出装置。 - 落下する被検査物の水平面内での断面形状がX線照射方向に直交する方向に延びた形状となるように、被検査物を自然落下させる前記配管の上流側開放口が扁平形となっている請求項1に記載のX線異物検査装置。
- 自然落下する被検査物の周囲に気体層を形成するように、被検査物を自然落下させる前記配管の上流側開放口の周りを囲うように配置された気体供給管を備えている請求項1又は2に記載のX線異物検査装置。
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JP2016075596A (ja) * | 2014-10-07 | 2016-05-12 | 国立大学法人京都大学 | 異物検出装置、及び異物検出方法 |
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-
2003
- 2003-04-17 JP JP2003112533A patent/JP2004317334A/ja not_active Withdrawn
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