JP2004317268A

JP2004317268A - 車載電子装置，熱式流量計及び電子回路基板

Info

Publication number: JP2004317268A
Application number: JP2003110970A
Authority: JP
Inventors: Teruhisa Saito; 輝久斉藤
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 2003-04-16
Filing date: 2003-04-16
Publication date: 2004-11-11
Also published as: US20040206172A1; EP1469712A2; EP1469712A3; US7286943B2

Abstract

【課題】高周波電流が電子装置を構成する導体のインダクタンスと抵抗によって、オペアンプのプラス・マイナス両入力端に現われる高周波電圧の位相を変化させる。上記オペアンプのプラスとマイナスの両入力端に現われる高周波電圧の位相がそれぞれ異なると、オペアンプのオフセット電圧が変化して電子装置の動作点を変化させ、電子装置の誤動作に至る。
【解決手段】絶縁基板上に形成された回路用導体層を有する電子回路用基板において、電気的にどこにも接続されていない導体と接続層を介して、上記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス入力信号と接続された導体の一部と該オペアンプのマイナス入力信号と接続された導体の一部を形成されることによって、耐電波障害性能を向上できる。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載電子装置，熱式流量計及び電子回路基板に関する。例えば、本発明は耐電波障害対策を施した電子回路用基板に係り、特に電子回路を搭載したハイブリッドＩＣ等で電磁場による誤動作の低減するのに好適な電子回路基板及び電子装置等に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来技術における耐電波障害性向上電子回路用基板の技術として、特許文献１に記載されているように、高周波フィルタを用いて電磁ノイズを遮断している。
【０００３】
【特許文献１】
特開平０５−２５９６８６号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、さらに周波数が高く出力の大きい電磁ノイズによる電子回路の誤動作を防止したいという要求がある。上記要求にこたえるためには、コンデンサとインダクタを追加することで誤動作を抑えることが可能だが、電子回路基板が大型になり、小型化の要求を満足することが困難になっている。また、コンデンサやインダクタを追加すると部品点数の増加からコスト高になるという課題もある。
【０００５】
本発明の目的は、回路の物理的規模が小形で、安価でありながら耐電波障害性が向上良い装置を実現することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項に記載の発明により達成される。
【０００７】
例えば、上記目的は、導体部材と、絶縁部材と、第１の信号線と第２の信号線とから信号を入力し、増幅された信号を出力する増幅手段と、を備えた車載電子装置において、前記絶縁部材を介して、前記導体部材が前記第１の信号線と前記第２の信号線の少なくとも片側を覆って設けられたことにより達成される。
【０００８】
例えば、上記目的は、更に、前記第１の信号線と前記第２の信号線と前記増幅手段とを支持する支持手段を備え、前記第１の信号線と前記第２の信号線の前記支持手段によって支持された側とは反対の側を、前記絶縁部材を介して前記導体部材が覆ったことにより達成される。
【０００９】
例えば、上記目的は、更に、前記増幅手段はオペアンプであり、前記支持手段は基板であり、前記第１の信号線と前記第２の信号線は前記基板にプリントされた金属配線であり、前記絶縁部材と前記導体部材とは層状に形成されたことにより達成される。
【００１０】
例えば、上記目的は、更に、前記絶縁部材を介して、前記導体部材が前記第１の信号線と前記第２の信号線の前記片側とは別の側を、覆ったことにより達成される。
【００１１】
例えば、上記目的は、気体が流れる通路中に設置された発熱抵抗体と、第１の信号線と第２の信号線とから信号を入力し増幅された信号を出力する増幅手段と、絶縁部材を介して前記第１の信号線と前記第２の信号線の少なくとも片側を覆う前記導体部材とが設けられた電子回路基板とを備え、前記第１の信号線には前記抵抗体からの信号が入力され、前記通路を流れる気体の流量を測定する熱式流量計により達成される。
【００１２】
更に、作用を混えて説明する。
【００１３】
電磁ノイズが電子装置に、電源や基準電位や出力などの外部との電気的接続部から侵入するか、電子回路基板を構成している導体から侵入するかのどちらかであり、高周波電流となって侵入する。
【００１４】
この高周波電流が電子装置を構成する導体のインダクタンスと抵抗によって、オペアンプのプラス・マイナス両入力端に現われる高周波電圧の位相を変化させる。導体のインダクタンスは、曲がり角の形状やベタＧＮＤの存在等の要因で変化するので、上記オペアンプのプラスとマイナスの両入力端に現われる高周波電圧の位相がそれぞれ異なると、オペアンプのオフセット電圧が変化して電子装置の動作点を変化させ、電子装置の誤動作に至る。
【００１５】
ここで、本発明の絶縁基板上に形成された回路用導体層を有する電子回路用基板において、電気的にどこにも接続されていない導体が接続層を介して、上記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス入力信号と接続された導体の一部と該オペアンプのマイナス入力信号と接続された導体の一部の近傍に形成されることによって、渦電流を利用した上記オペアンプのプラス・マイナス両入力信号に接続された導体のインダクタンスの低減し、上記オペアンプのプラス・マイナス両入力端子に現われる高周波電圧の位相がずれないため耐電波障害性能を向上できる。また、上記回路用導体層を有する電子回路用基板において、電気的にどこにも接続されていない導体と絶縁層を介して、上記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス入力信号と接続された導体と該オペアンプのマイナス入力信号と接続された導体同士が容量結合をし高流的に短絡された状態となっているため耐電波障害性能を向上できる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図３は本発明の実施例に係る熱線式空気流量計の要部破談外観図である。本実施例に係る電子回路基板は、ハイブリッドＩＣを使用して製作したものである。図４は、電子回路基板のブロック図である。熱線式空気流量計は、エンジンの吸気管内の空気流中に設置された感温抵抗体６と発熱抵抗体７および、電子回路を搭載したハイブリッドＩＣからなる。
【００１７】
図１はハイブリッドＩＣの平面図で、図２は図１のＡ−Ａ断面図である。
【００１８】
絶縁基板１上に形成された回路用導体層を有する電子回路用基板において、電気的にどこにも接続されていない導体２が絶縁層５を介して、上記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス入力信号３と接続された導体の一部と該オペアンプのマイナス入力信号と接続された導体４の一部の近傍に、形成されていることを特徴とする耐電波障害性能を向上した電子回路基板により構成されている。
【００１９】
入出力線はワイヤーハーネスと呼ばれ、自動車内部を引き回され配線され、種々の電磁ノイズが電気信号に重畳して流れてくる。また空間を伝播してきて直接、回路構成導体に重畳する電波ノイズもある。
【００２０】
本実施例では、オペアンプの両入力信号導体３，４と絶縁層５を介して形成され、電気的にどこにも接続されていない導体２に流れる渦電流を利用して入力信号導体のインダクタンスの低減して、オペアンプの入力端子に現われる高周波電圧の位相をそろえているため耐電波障害性能を向上することができる。
【００２１】
また、上記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプの両入力信号導体３，４が、電気的にどこにも接続されていない導体２を介して上記オペアンプの入力信号導体同士が容量結合をされて高流的に短絡された状態となっているため耐電波障害性能を向上することができる。
【００２２】
電気的にどこにも接続されていない導体２が金属板に代わっても、またオペアンプの両入力信号導体３，４にシールド線を用いても同等の効果が期待できる。
【００２３】
本発明品と従来品とでＥＭＣ評価を行った。試験方法はバルクカレントインジェクション法で図５に概略図を示す。構成は発振器でつくってアンプで増幅した電磁ノイズをイグニッションプローブで被試験体に接続されたハーネスから印加する方法で、測定周波数は１ＭＨｚから４００ＭＨｚである。本発明を適応した熱線式空気流量計の耐電波障害性試験結果で特に効果が確認できる１０Ｍ〜１００ＭＨｚまでを図６に示す。尚注入電流値とは、出力が１０％変化する高周波注入電流値である。
【００２４】
【発明の効果】
本実施例によれば、電子回路基板寸法を拡大しチップ部品を増やさずに、熱線式空気流量計の耐電波障害性能を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例に係わる電子回路基板辺面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。
【図３】熱線式空気流量計要部破断外観図である。
【図４】電子回路基板のブロック図である。
【図５】１０Ｍ〜１００ＭＨｚまでのバルクカレントインジェクション試験法概略図である。
【図６】本発明品のバルクカレントインジェクション試験結果である。
【符号の説明】
１…絶縁基板、２…電気的にどこにも接続されていない導体、３…モノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス入力信号と接続された導体、４…モノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのマイナス入力信号と接続された導体、５…絶縁層、６…感温抵抗体、７…発熱抵抗体。

Claims

導体部材と、
絶縁部材と、
第１の信号線と第２の信号線とから信号を入力し、増幅された信号を出力する増幅手段と、
を備えた車載電子装置において、
前記絶縁部材を介して、前記導体部材が前記第１の信号線と前記第２の信号線の少なくとも片側を覆って設けられたことを特徴とする車載電子装置。
請求項１において、
前記第１の信号線と前記第２の信号線と前記増幅手段とを支持する支持手段を備え、
前記第１の信号線と前記第２の信号線の前記支持手段によって支持された側とは反対の側を、前記絶縁部材を介して前記導体部材が覆ったことを特徴とする車載電子装置。
請求項２において、
前記増幅手段はオペアンプであり、
前記支持手段は基板であり、
前記第１の信号線と前記第２の信号線は前記基板にプリントされた金属配線であり、
前記絶縁部材と前記導体部材とは層状に形成されたことを特徴とする車載電子装置。
請求項１において、
前記絶縁部材を介して、前記導体部材が前記第１の信号線と前記第２の信号線の前記片側とは別の側を、覆ったことを特徴とする車載電子装置。
気体が流れる通路中に設置された発熱抵抗体と、
第１の信号線と第２の信号線とから信号を入力し増幅された信号を出力する増幅手段と、絶縁部材を介して前記第１の信号線と前記第２の信号線の少なくとも片側を覆う前記導体部材とが設けられた電子回路基板とを備え、
前記第１の信号線には前記抵抗体からの信号が入力され、前記通路を流れる気体の流量を測定する熱式流量計。
絶縁基板上に形成された回路用導体層を有する電子回路用基板において、電気的にどこにも接続されていない導体が絶縁層を介して、上記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス入力信号と接続された導体の一部と該オペアンプのマイナス入力信号と接続された導体の一部の近傍に、形成されていることを特徴とする電子回路基板。
請求項６において、電気的にどこにも接続されていない金属板が絶縁層を介して、上記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス入力信号と接続された導体の一部と該オペアンプのマイナス入力信号と接続された導体の一部の近傍に、形成されていることを特徴とする電子回路基板。
請求項６において、上記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス・マイナスの両入力信号導体をそれぞれ別々のシールド線の中心導体に接続し、該シールド線の被覆導体を電気的にどこにも接続しないことを特徴とする電子回路用基板。
請求項６記載の電子回路用基板を備えた熱式流量計。
請求項６記載の電子回路用基板を備えた熱式空気流量計であって、前記電子回路用基板が電気的にどこにも接続されていない金属板が絶縁層を介して、上記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス入力信号と接続された導体の一部と該オペアンプのマイナス入力信号と接続された導体の一部を形成することを特徴とする熱式流量計。
請求項６記載の電子回路用基板を備えた熱式空気流量計であって、前記回路用導体層に配置されモノシリックＩＣで構成する回路部のオペアンプのプラス・マイナス両入力信号導体をそれぞれシールド線の中心導体に接続し、該シールド線の被覆導体同士を短絡するが電気的にどこにも接続しないことを特徴とする熱式流量計。