JP2004316682A - 油圧ポンプ制御回路 - Google Patents

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Hiroyuki Tsukamoto
浩之 塚本
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Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

【課題】油圧シリンダがクッション域にある間は、ポンプの入力トルクをある任意の値までさげることによって、エンジン消費馬力を低下させ、燃料消費量を低減することのできる油圧ポンプの制御回路を提供する。
【解決手段】シリンダストロークエンドの衝撃を緩和するクッション機構を有する油圧シリンダ3と、油圧シリンダ3に作動液を供給する可変容量型ポンプ1とを備えた油圧ポンプ制御回路において、油圧シリンダ3がクッション域にあるかないかを検出するクッション域検出装置20と油圧シリンダ3の操作方向を検出する操作方向検出器21を設け、コントローラ17は油圧シリンダ3がクッション域に入った信号を受けて、電磁逆比例弁16を制御し、レギュレータ13によってポンプ1の入力トルクをある任意の値まで下げるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械等におけるシリンダストロークエンドの衝撃を緩和するクッション機構を内蔵した油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプの制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に、従来の建設機械等の油圧ポンプ制御回路を示す。油圧ポンプ制御回路は、クッション機構を備えた油圧回路と可変容量ポンプの制御回路を備えている。
油圧回路は、エンジン2によって駆動される可変容量形のポンプ(油圧ポンプ)1と、ポンプ1から吐出される作動油(圧油)により駆動される建設機械等の油圧機械駆動用油圧シリンダ(以下、単に「油圧シリンダ」という。)3と、ポンプ1と油圧シリンダ3を結ぶ油圧経路に設けられた方向切換弁4と、方向切換弁4を操作する操作レバー5と、油圧シリンダ3に設けられたクッション機構とを備えている。ポンプ1は、吐出量が斜板の傾転角によって変化する斜板形可変容量のポンプを採用している。
【0003】
油圧シリンダ3は、一端(ストロークエンド側)が閉塞され、他端に開口を有する筒状のシリンダ本体3aと、シリンダ本体3a内を摺動するピストン3bを備えている。ピストン3bは、シリンダ本体3aの内壁に摺接するピストンヘッド3b1と、ピストンヘッド3b1より小径のピストンロッド3b2を備えている。ピストンロッド3b2は、シリンダ本体3aの他端に設けた開口を液密に貫通し、図示しない油圧機械に連結している。シリンダ本体3aは、ピストンヘッド3b1によってロッド側油室3cとボトム側油室3dとに区画されている。油圧シリンダ3のストロークエンド側を閉塞する壁は、後述するクッション室9が形成できるように肉厚とされている。
【0004】
方向切換弁4は、弁本体4aと、左右の油圧駆動部4b,4cから構成されている。左右の油圧駆動部4b,4cは、閉回路をなすパイロット油路6に接続されている。パイロット油路6には、手動の操作レバー5が設けられている。操作レバー5を操作し、左右の油圧駆動部4b,4cにパイロット油路6からパイロット圧を選択的に供給することによって弁本体4aを切り換え、ポンプ1から吐出された作動油を、油圧シリンダ3のロッド側油室3c、油圧シリンダ3のボトム側油室3d、油タンク8のいずれかひとつに選択的に供給されるようになっている。なお、符号1aはポンプ1と方向切換弁4を結ぶ油路、符号7aは油圧シリンダ3のロッド側油室3cと方向切換弁4を結ぶ油路、符号7bは油圧シリンダ3のボトム側油室3dと方向切換弁4を結ぶ油路、7cは油タンク8と方向切換弁4を結ぶ油路である。
【0005】
シリンダ本体3aの閉塞された一端側には、ピストン3bと同心で、ボトム側油室3dに開口するクッション室9が形成されている。クッション室9の内径は、ボトム側油室3dの内径より大きく変化(縮小)するような小径とされている。他方、ピストンヘッド3b1には、ピストン3がシリンダ本体3aのボトム側に移動したときクッション室9内に進入するプランジャー10が一体に設けられている。プランジャー10の外径は、クッション室9の内径よりわずかに小さい径とされている。プランジャー10の内部には、プランジャー10がクッション室9内に進入したとき、クッション室9とボトム側油室3dを連通する油路11が設けられている。この油路11には、オリフィス12が配置されている。クッション室9、プランジャー10、油路11、オリフィス12は、クッション機構を構成している。
【0006】
このように構成されたクッション機構を備えた油圧回路は次のように動作する。操作レバー5を操作して方向切換弁4を切り換え、ポンプ1から吐出される作動油を油圧シリンダ3のロッド側油室3cに供給すると、ピストン3bはストロークエンド(図2の右方向)に向かって移動する。油圧シリンダ3のボトム側油室3dの作動油は、油タンク油8に排出される。ピストン3bがストロークエンドの近傍にくると、プランジャー10の先端がクッション室9に進入し、クッション室9がボトム側油室3dと遮断される。遮断されたクッション室9内の作動油は、プランジャー10の油路11に設けたオリフィス12を通って、ボトム側油室3dからタンク8に排出されるようになるため、図5に示すように、クッション室9内の作動油の油圧(回路圧)が上昇し、クッション室9内にクッション圧が発生する。このクッション圧によって、ピストン3bの移動速度が減少し、シリンダ本体3aとピストン3bとの衝突が緩和される。
【0007】
ピストン3bがストロークエンドに達した後、操作レバー5を操作して方向切換弁4を切り換え、ポンプ1から吐出される作動油を油路7bを介して油圧シリンダ3のボトム側油室3dに供給すると、ピストン3bは油圧シリンダ3のロッド側油室3c側(図2の左方向)に向かって移動する。この移動に伴って、プランジャー10は、クッション室9から抜け出す。
【0008】
図5は、シリンダストロークと回路圧(ボトム側油室及びクッション室の作動油の圧力)の関係を示す。図5において、シリンダストロークがストロークエンドに向かい、プランジャー10がクッション室9に進入すると回路圧が急激に上昇する。その後シリンダストロークは、上昇したほぼ一定の回路圧でストロークエンド端に向かい、ストロークエンドに達するとさらに回路圧は上昇する(図5のPmax)。このプランジャー10がクッション室9に進入を始める時点から、5図における上昇したほぼ一定の圧力を維持している範囲までを油圧シリンダのクッション域という。クッション域は、クッション室9の長さにほぼ等しい。
【0009】
可変形ポンプの制御回路は、ポンプ1の斜板の傾転角を変化させてポンプ1の吐出量を制御するレギュレータ13と、レギュレータ13に2次圧を供給するための電磁逆比例弁16と、電磁逆比例弁16を制御するコントローラ17とを備えている。
【0010】
レギュレータ13は、ポンプ制御用油圧シリンダ(以下、「制御用油圧シリンダ」という。)14と、2次圧室15とから構成されている。制御用油圧シリンダ14は、シリンダ本体14aと、シリンダ本体14a内を摺動するピストン14bと、ピストン14bを付勢するスプリング14cとを備えている。ピストン14bは、シリンダ本体14aの内壁に摺接するピストンヘッド14b1と、ピストンヘッド14b1より小径のピストンロッド14b2とからなる。ピストンロッド14b2は、シリンダ本体14aの一端を液密に貫通し、2次圧室15内に液密に挿入されている。シリンダ本体14aのピストンロッド14b2側は、パイロット圧室14dとして区画されている。パイロット圧室14dには、ポンプ1の吐出側からパイロット圧が導かれている。スプリング14cは、シリンダ本体14の他端とピストン14bの間に設けられ、ピストン14bをパイロット圧室14d側に向けて付勢している。ピストンヘッド14b1には、ポンプ1の斜板と連結する連結杆14eが設けられている。制御用油圧シリンダ14によって連結杆14eが、図2において左方に動かされるとポンプ1の吐出量が減少し、右方に動かされるとポンプ1の吐出量が増加するようになっている。
【0011】
電磁逆比例弁16は、コントローラ17の出力電流によって制御され、2次圧Pfを作る。電磁逆比例弁16によって作られた2次圧Pfは、2次圧油路18を介して2次圧室15に導かれ、2次圧室15に挿入されたピストンロッド14b2に作用する。電磁逆比例弁16には、2次圧油路18からパイロット圧が導かれている。なお、符号19は電磁逆比例弁16に圧油を供給する油圧源、符号22aはコントローラ17から電磁逆比例弁16のソレノイド16aに電流を供給するラインである。
【0012】
このように構成された油圧ポンプ制御回路は、ポンプ1がエンジントルクと釣り合うように吐出量を自動的に調整している。ポンプ1は、エンジン出力を100%使えるように、ポンプ入力トルクT=Tmaxの特性で設定されている。この場合のポンプ吐出圧力Pとポンプ吐出量Qの関係を、図3の「Tmax時の馬力一定曲線」に示す。コントローラ17は、図4に示すように、電磁逆比例弁16がポンプ入力トルクT=Tmaxに対応する2次圧Pf1を発生するように、電磁逆比例弁16のソレノイド16aに電流値I=Imaxの電流を供給している。電磁逆比例弁16によって作られた2次圧Pf1は、2次圧油路18を介して2次圧室15に導入され、2次圧室15内のピストンロッド14b2に作用し、制御用油圧シリンダ14を制御する。2次圧Pf1を受けた制御用油圧シリンダ14は、ピストンヘッド14b1に接続する連結杆14eを介して、ポンプ1が最大ポンプ入力トルクTmaxの特性で運転されるようにポンプ1を制御する。ポンプ1は、制御用油圧シリンダ14のパイロット圧室14dに導入されているパイロット圧によって、最大ポンプ入力トルクTmaxの特性で、自動的に吐出量を増減する。したがって、ポンプ1は、常にエンジン出力100%を使った運転となる。
【0013】
【特許文献1】
特開平9−316916号公報(段落0038〜0039、図2等参照。)
【特許文献2】
特開2003−56515号公報(段落0034〜0036、図1等参照。)
【特許文献3】
特開平5−196004号公報(段落0008〜0009、図1等参照。)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
油圧シリンダ3の作業中、油圧シリンダ3がクッション域に入り、回路圧が急激に上昇すると、ポンプ1はエンジントルクと釣り合うように吐出量を自動的に減少させる。従来はこのようにスピードを必要としないクッション域でもポンプ入力トルクTを下げずに制御していたため、エンジン消費馬力も変わらず、無駄な燃料を消費していた。さらに、油圧シリンダ3が既にクッション域にある状態から作業を開始した場合、クッションの抵抗により高圧が発生し、この場合も従来は、ポンプ1がエンジントルクと釣り合う流量に制御されていた。しかしながら、クッション域を抜け出すためのエネルギーは圧力が必要で流量はほとんど必要としない。それにもかかわらず、従来は、ポンプ入力トルクTを下げずに制御していたため、エンジン消費馬力も変わらず、無駄な燃料を消費していた。
【0015】
本発明の目的は、油圧シリンダがクッション域にある間は、ポンプの入力トルクをある任意の値までさげることによって、エンジン消費馬力を低下させ、燃料消費量を低減することのできる油圧ポンプの制御回路を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、シリンダがクッション域にあるかないかを検出するクッション域検出装置を設け、シリンダがクッション域に入った信号を受けてポンプの入力トルクをある任意の値まで下げるようにしたものである。
請求項1の発明によれば、シリンダの作業中、シリンダがクッション域に入ったことをクッション域検出装置で検知し、その検知信号を受けてポンプの入力トルクをある任意の値まで下げるように制御するため、エンジンの消費馬力を低下させることができ、エンジンの燃料消費量を低減することができる。また、クッション域はスピードを必要としないので、ポンプ入力トルクを減少させても、クッション機能を損なうことがない。
【0017】
請求項2の発明は、既にクッション域にある状態からクッション域から抜け出す方向にシリンダの操作が行われたことを検出した場合、クッション域を抜け出すまでポンプの入力トルクを上記任意の値に保持しつづけ、クッション域を外れた時通常の入力トルクまで上昇させるようにしたものである。
請求項2の発明によれば、また、シリンダがクッション域を抜け出す間、ポンプ入力トルクを任意の値まで下げた状態でポンプを制御するため、エンジンの消費馬力を低下させることができ、エンジンの燃料消費量を低減することができる。また、シリンダがクッション域を抜け出すためのエネルギーは圧力が必要で流量はほとんど必要としないから、クッション域を抜け出す間、ポンプの入力トルクを減少させても、シリンダの操作には支障がない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態における建設機械の油圧ポンプ制御回路を示す。油圧ポンプ制御回路は、クッション機構を備えた油圧回路と、可変容量ポンプの制御回路から構成されている。
【0019】
なお、この実施の形態におけるクッション機構を備えた油圧回路を構成する、可変容量形のポンプ1と、建設機械等の油圧機械駆動用油圧シリンダ3と、方向切換弁4と、操作レバー5と、クッション機構の各構造並びに可変容量ポンプの制御回路を構成するレギュレータ13及び電磁逆比例弁16の各構造は、前述した従来の油圧ポンプ制御回路の構造と基本的に同じであるので、図1において図2と同一符号を付した構造については、前述の従来技術における説明を援用し、その詳細な説明はここでは省略する。
【0020】
この実施の形態における可変容量形のポンプ1の制御回路は、前述した従来の制御回路の構成に加え、油圧シリンダ3がクッション域にあるかないかを検出するクッション域検出装置20と、油圧シリンダ3の操作方向を検出する操作方向検出器21とを備えている。そして、クッション域検出装置20及び操作方向検出器21によってそれぞれ検出された信号に基づいて、ポンプ1のポンプ入力トルクTを制御するようになっている。
【0021】
クッション域検出装置20は、油圧シリンダ3の近傍に設けられており、油圧シリンダ3がクッション域にあることを検出したときには、その検出信号がコントローラ17に送られる。なお、符号22aは、クッション域検出装置20とコントローラ17を結ぶ信号線である。また、建設機械がクレーン仕様等の場合には、既に角度センサーがついており、この角度センサーをクッション域検出装置として兼用してもよい。
【0022】
操作方向検出器21は、方向切換弁4のパイロット油路6に接続して設けられており、パイロット油路6のパイロット圧の流れの方向を検出することによって、油圧シリンダ3の操作方向を検出するようにされている。すなわち、操作方向検出器21によって、油圧シリンダ3がクッション域に入る方向へ動いているか、あるいは、油圧シリンダ3がクッション域から抜け出す方向に動いているかを検出する。操作方向検出器21によって検出された操作方向の信号は、コントローラ17に送られる。なお、符号22bは、操作方向検出器21とコントローラ17を結ぶ信号線である。
【0023】
コントローラ17は、クッション域検出装置20からの油圧シリンダ3がクッション域にあるかないかの信号及びを操作方向検出器21からの油圧シリンダ3の操作方向の信号を受けて電磁逆比例弁16を制御する。コントローラ17は、図4において、油圧シリンダ3の作業中、油圧シリンダ3がクッション域にないと判断したときは、ポンプ1を最大ポンプ入力トルクTmaxで運転し、油圧シリンダ3がクッション域にある判断したときには、ポンプ1を最大ポンプ入力トルクTmaxより小さなある任意の最小ポンプ入力トルクTminで運転するように電磁逆比例弁16を制御する。なお、ポンプ1は、最大ポンプ入力トルクTmaxにおいて、エンジン2のエンジン出力を100%使えるようになっている。
【0024】
図4は、電磁逆比例弁16の電流値Iと電磁逆比例弁16の2次圧Pfとの関係及び2次圧Pfとポンプ入力トルクTとの関係を示す。ポンプ1を図3の「Tmax時の馬力一定曲線」に示す特性で運転するためには、図4に示すように、電磁逆比例弁16にポンプ入力トルクTmaxに対応する2次圧Pf1を発生させ、この2次圧Pf1をレギュレータ13に導入して、ポンプ1を制御する。この2次圧Pf1に対応する電磁逆比例弁16が必要とする電流は、図4における電流値Imaxである。他方、ポンプ1を図3の「Tmin時の馬力一定曲線」に示す特性で運転するためには、図4に示すように、電磁逆比例弁16にポンプ入力トルクTminに対応する2次圧Pf2を発生させ、この2次圧Pf2をレギュレータ13に導入して、ポンプ1を制御する。この2次圧Pf2に対応する電磁逆比例弁16が必要とする電流は、図4における電流値Iminである。したがって、電磁逆比例弁16は、油圧シリンダ3の作業中、油圧シリンダ3がクッション域にないときは、電流値Imaxが流れ、油圧シリンダ3がクッション域にあるときには、電流値Iminが流れるようにコントローラ17によって制御される。
【0025】
このように構成された油圧ポンプ制御回路の作動について説明する。
まず、油圧シリンダ3がクッション域にない状態からクッション域に進入する方向に操作される場合について説明する。
操作レバー5の操作により方向切換弁4の油圧駆動部4cにパイロット圧を供給し、方向切換弁4を切り換え、ポンプ1から吐出される作動油を油路7bを介して油圧シリンダ3のロッド側油室3cに供給する。ピストン3bはストロークエンド(図1の右方向)に向かって移動する。油圧シリンダ3のボトム側油室3dの作動油は、油路7aを介して油タンク油8に排出される。操作方向検出器21は、パイロット圧が方向切換弁4の油圧駆動部4b,4cへ供給されるパイロット圧の流れ方向から油圧シリンダ3の操作方向がストロークエンドに向かっていることを検出し、コントローラ17にその信号を送る。他方、クッション域検出装置20は、プランジャー10がまだボトム側油室3d内にあるため、油圧シリンダ3がクッション域にあることを検出しない。
【0026】
クッション域検出装置20が、油圧シリンダがクッション域にあることを検出していない場合、コントローラ17は、電磁逆比例弁16に電流値Imaxの電流を供給する。電磁逆比例弁16は電流値Imaxに対応した2次圧Pf1を作り、その2次圧Pf1は、2次圧油路18を介してレギュレータ13の2次圧室15に導入される。2次圧Pf1は、2次圧室15内で制御用油圧シリンダ14のピストンロッド14b2に作用し、制御用油圧シリンダ14を制御する。2次圧Pf1を受けた制御用油圧シリンダ14は、ピストンヘッド14b1に接続する連結杆14eを介して、図3に示すように、ポンプ1が最大ポンプ入力トルクTmaxの特性で運転されるようにポンプ1を制御する。したがって、ポンプ1は、エンジン出力100%を使った通常の運転となる。
【0027】
ピストン3bがさらにストロークエンドに向かって移動し、ピストン3bがストロークエンドの近傍にくると、プランジャー10の先端がクッション室9に進入し、クッション室9がボトム側油室3dと遮断される。遮断されたクッション室9内の作動油は、プランジャー10の油路11に設けたオリフィス12を通って、ボトム側油室3dから油路7aに排出されるようになるため、図5に示すように、クッション室9内の作動油の油圧(回路圧)が急激に上昇し、ポンプ1はエンジントルクと釣り合うように吐出量を自動的に減らす。回路圧が急激に上昇することによって、クッション室9内にはクッション圧が発生する。このクッション圧によって、ピストン3bの移動速度が減少し、シリンダ本体3aとピストン3bとの衝突が緩和される。クッション域検出装置20は、プランジャー10の先端がクッション室9に進入したときのシリンダストロークを検出し、コントローラ17に油圧シリンダ3がクッション域にあるとの信号を送る。
【0028】
コントローラ17には、プランジャ−10先端がクッション室9進入したとき、操作方向検出器21から油圧シリンダ3の操作方向がストロークエンド方向であるとの信号が入力され、かつ、クッション域検出装置20から油圧シリンダ3がクッション域にあるとの信号が入力されているので、コントローラ17は、油圧シリンダ3がクッション域外からクッション域に入ったと判断し、電磁逆比例弁16に電流値Iminの電流を供給する。電磁逆比例弁16は電流値Iminに対応した2次圧Pf2を作り、その2次圧Pf2は、2次圧油路18を介してレギュレータ13の2次圧室15に導入される。2次圧Pf2は、2次圧室15内で制御用油圧シリンダ14のピストンロッド14b2に作用し、制御用油圧シリンダ14を制御する。2次圧Pf2を受けた制御用油圧シリンダ14は、ピストンヘッド14b1に接続する連結杆14eを介して、図3に示すように、ポンプ1が最小ポンプ入力トルクTminの特性で運転されるようにポンプ1を制御する。したがって、ポンプ1は、スピードを必要としないクッション域においては、エンジン出力を下げた状態で運転される。なお、図3の1点鎖線は、油圧シリンダ3がクッション域に入るあるいはクッション域から抜け出す時のポンプ吐出圧とポンプ吐出量の関係を示している。
【0029】
次に、油圧シリンダ3がクッション域にある状態からクッション域を抜け出る方向に操作される場合について説明する。
操作レバー5の操作により方向切換弁4の油圧駆動部4bにパイロット圧を供給し、方向切換弁4を切り換え、ポンプ1から吐出される作動油を油路7bを介して油圧シリンダ3のボトム側油室3dに供給すると、ピストン3bはロッド側油室3c(図1の左方向)に向かって移動する。油圧シリンダ3のロッド側油室3cの作動油は、油路7aを介して油タンク油8に排出される。操作方向検出器21は、方向切換弁4の油圧駆動部4b,4cへ供給されるパイロット圧の流れ方向から油圧シリンダ3の操作方向がロッド側油室3c(図1の左方向)に向かっていることを検出し、コントローラ17にその信号を送る。他方、クッション域検出装置20は、プランジャー10がまだクッション室9内にあるため、油圧シリンダ3がクッション域にあることを検出する。
【0030】
コントローラ17には、操作方向検出器21から油圧シリンダ3の操作方向がロッド側油室3c方向であるとの信号が入力され、かつ、クッション域検出装置20から油圧シリンダ3がクッション域にあるとの信号が入力されているので、コントローラ17は、油圧シリンダ3がまだクッション域にあると判断し、電磁逆比例弁16に電流値Iminの電流を供給する。電磁逆比例弁16は電流値Iminに対応した2次圧Pf2を作り、制御用油圧シリンダ14が、最小ポンプ入力トルクTminの特性でポンプ1を制御することは前述したとおりである。したがって、ポンプ1は、クッション域を抜け出すまでは、エンジン出力を下げた状態で運転される。
【0031】
ピストン3bがさらにロッド側油室3c側に向かって移動し、プランジャー10がクッション室9から抜け出ると、クッション域検出装置20は、油圧シリンダ3がクッション域にあることを検出しなくなる。そして、操作方向検知器21は、油圧シリンダ3の操作方向がロッド側油室3c側であることを検出しているから、コントローラ17は、油圧シリンダ3がクッション域を抜け出たと判断し、電磁逆比例弁16に電流値Imaxの電流を供給するようになる。電磁逆比例弁16は電流値Imaxに対応した2次圧Pf1を作り、制御用油圧シリンダ14が、最大ポンプ入力トルクTmaxの特性でポンプ1を制御することは前述したとおりである。したがって、ポンプ1は、エンジン出力100%を使った通常の運転となる。
【0032】
本発明の実施の形態の油圧ポンプ制御回路によれば、油圧シリンダ3がクッション域にないときには、ポンプ1をエンジン出力が100%使える最大ポンプ入力トルクTmaxで運転し、油圧シリンダ3がクッション域に入った信号を検出したとき、ポンプ1を最小ポンプ入力トルクTminで運転するため、スピードを必要としないクッション域では、エンジン出力を通常の運転より下げて運転されることになり、エンジン消費馬力が低下し、燃料消費量を低減できる。また、油圧シリンダ3が既にクッション域にある状態からクッション域を抜け出す方向に作業を開始したときに、油圧シリンダ3がクッション域を抜け出すエネルギーは圧力が必要で流量はほとんど必要としないので、ポンプ入力トルクをある任意の値まで下げた状態に保持して運転することができる。このため、クッション域を抜け出るまでは、エンジン出力を通常の運転より下げて運転することができ、エンジン消費馬力が低下し燃料消費量を低減することができる。
【0033】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、前述した実施の形態に限定されず種々の設計変更が可能であり、それらはいずれも本発明に含まれる。
例えば、本発明の油圧ポンプ制御回路は、クッション機構を備えたものであれば、建設機械に限定されず、適用できる。また、クッション機構も、実施の形態に示した構造に限定されず、クッション域を備えたものであれば、どのような構造のものであってもよい。
ポンプ1は、斜板形可変容量ポンプ以外に種々のポンプが採用できる。
図1には、ピストンヘッド3b1及びピストンロッド3b2と一体成形したプランジャー10が示されているが、プランジャー10をピストンヘッド3b1と別体に形成し、ピストンヘッド3b1に取り付ける構造としてもよい。
クッション域検出装置20は、油圧シリンダがクッション域にあることを検出できるものであれば、検出位置はどこでもよく、またその構造もどのようなもであってもよい。
操作方向検出器21は、操作レバー5の操作方向を検出できるものであれば、検出位置はどこでもよく、またその構造もどのようなもであってもよい。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、シリンダがスピードを必要としないクッション域にあるときは、ポンプ入力トルクをある任意の値まで下げるように制御したため、エンジン消費馬力が低下し燃料消費量を低減することができる。
さらに、請求項2の発明によれば、シリンダが既にクッション域にある状態から作業を開始した場合、シリンダがクッション域を抜け出すまでは、ポンプ入力トルクをある任意の値まで下げた状態に保持するようにしたため、エンジン消費馬力が低下し燃料消費量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る油圧ポンプ制御回路を示す図。
【図2】従来の油圧ポンプ制御回路を示す図。
【図3】ポンプ制御特性線図。
【図4】電磁逆比例弁の電流値と2次圧の関係及び2次圧とポンプ入力トルクの関係を示す図。
【図5】シリンダのストロークに対する回路圧の変化を示す図。
【符号の説明】
1 可変容量形ポンプ
2 エンジン
3 油圧機械駆動用油圧シリンダ
3a シリンダ本体
3b ピストン本体
4 方向切換弁
5 切換弁操作レバー
9 クッション室
10 プランジャー
12 オリフィス
13 レギュレータ
14 ポンプ制御用油圧シリンダ
14a シリンダ本体
14b ピストン本体
14e 連結杆
15 2次圧室
16 電磁逆比例弁
17 コントローラ
20 クッション域検出装置
21 操作方向検出器

Claims (2)

  1. シリンダストロークエンドの衝撃を緩和するクッション域を有するシリンダと、前記シリンダに作動媒体を供給するポンプとを備えた油圧ポンプ制御回路において、前記シリンダが前記クッション域にあるかないかを検出するクッション域検出装置を設け、前記シリンダが前記クッション域に入った信号を受けて前記ポンプの入力トルクをある任意の値まで下げるようにしたことを特徴とする油圧ポンプ制御回路。
  2. 既に前記クッション域にある状態から前記クッション域から抜け出す方向に前記シリンダの操作が行われたことを検出した場合、前記クッション域を抜け出すまで前記ポンプの入力トルクを前記ある任意の値に保持しつづけ、前記クッション域を外れた時通常の入力トルクまで上昇させるようにした請求項1に記載の油圧ポンプ制御回路。
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