JP2005320912A - 可変容量型油圧ポンプ - Google Patents

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和麻 佐々木
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信海 豊浦
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【課題】 斜板11の傾斜変化により吐出流量を変化させる可変容量型の油圧ポンプ1において、ポンプ本体2に設けられる斜板11の傾斜角検知をするための検知センサを、ポンプ本体2から斜板11の傾斜状態を直接引き出して検知しないで良いようにする。
【解決手段】 斜板11の傾斜制御をするため設けられるレギュレータ4における主ピストン13の移動量を、ストロークセンサを用いて構成した検知センサ30で検知するようにし、これによって斜板11の傾斜角を検知するようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、油圧ショベル等の産業機械や一般機械などの圧油供給源として用いられ、斜板や斜軸等の傾斜体の傾斜角変化により流量が変化する可変容量型油圧ポンプの技術分野に属するものである。
一般に、この種可変容量型油圧ポンプは、エンジン等の動力源からの動力を得て回転駆動し圧油供給をするものであるが、そのとき供給される圧油の供給量(流量)は斜板や斜軸等の傾斜体の傾斜角(傾転角)の角度制御によって決まる。ところでこのような油圧ポンプの傾斜体の傾斜角制御について、傾斜体の傾斜角に基づいてフィードバック制御をすることが行われており、そこで、傾斜体の傾斜角を傾斜角検知センサで検知するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
特開平11−37042号公報
ところが前記従来のものは、油圧ポンプの外面に取り付けた傾斜角検知センサを、油圧ポンプ内に内装される傾斜体に連動連結して直接的な傾斜体の傾斜角の検知をするようにしていたため、油圧ポンプのケーシングに、傾斜角検知センサと傾斜体とを連動連結するための開口を設けた特殊なケーシングが必要になるだけでなく、ケーシング内においても連結部材の配設スペースを確保する必要があって大型化し、また連結部材自体の構成部材が必要になって部品点数が増大し、コストアップになるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、傾斜体の傾斜角変化により流量が変化する可変容量型のポンプ本体と、入力される制御信号に基づいて傾斜体の傾斜角を変化させるべく作動するレギュレータとを備えた可変容量型油圧ポンプに、前記傾斜体の傾斜角検知をする検知センサを設けるにあたり、該検知センサは、レギュレータに設けた作動体の作動良を検知することにより傾斜角の検知をするよう該レギュレータに設けられていることを特徴とする可変容量型油圧ポンプである。
請求項2の発明は、請求項1において、作動体の作動は、傾斜体の傾斜作動をするため設けられる主ピストンの作動であることを特徴とする可変容量型ポンプである。
請求項3の発明は、請求項2において、主ピストン部には、該主ピストンの移動方向に傾斜した被検知面が設けられ、検知センサは、可動部が被検知面に当接するストロークセンサであることを特徴とする可変容量型ポンプである。
請求項4の発明は、請求項2または3において、検知センサは、主ピストンを作動するための作動油が入り込まない位置に設けられていることを特徴とする可変容量型ポンプである。
請求項5の発明は、請求項4において、検知センサが設けられる作動油が入り込まない位置は、主ピストンと傾斜体とを連動連結するため該主ピストンに設けたピンを臨む位置であることを特徴とする可変容量型ポンプである。
請求項1の発明とすることにより、検知センサがレギュレータに設けられることになって、ポンプ本体から連結部材を引き出す必要がなく、ポンプ本体の大型化を回避すると共に、部品点数の減少、構造の簡略化が図れる。
請求項2の発明とすることにより、傾斜体の傾斜作動をする主ピストンの移動を利用した傾斜角検知ができることになる。
請求項3の発明とすることにより、傾斜角検知を、主ピストンに設けた傾斜した被検知面とストロークセンサとにより簡単に行うことができる。
請求項4の発明とすることにより、検知センサは、主ピストンの作動をする作動油に影響されることなく取り付けることができる。
請求項5の発明とすることにより、主ピストンと傾斜体とを連結するため主ピストンのピン取り付け部位を有効に利用して検知センサを取り付けることができる。
次ぎに、本発明の第一の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図中、1は可変容量型の油圧ポンプ(アキシャルピストンポンプ)であって、該油圧ポンプ1は、ポンプ本体2、パイロットポンプ3、レギュレータ4等の各種部材装置を備えて構成される斜板型のものである。
前記ポンプ本体2はケーシング(ハウジング)5に内装されているが、該ポンプ本体2は、エンジン(図示しない)の駆動を受けて回転するシャフト6、該シャフト6にスプライン結合されるシリンダブロック7、該シリンダブロック7に形成される複数のシリンダ筒孔7a、シリンダ筒孔7aを吸入ポートまたは吐出ポート(何れも図示しない)に連通させるための通路が開設されたプレート8、前記各シリンダ筒孔7aにそれぞれ進退移動自在に挿入されるピストン9、該ピストン9の球面部9aに嵌合するシュー10、該シュー10が摺接する傾転自在な斜板11等の各種部材から構成されているが、これらの構成は何れも従来通りである。
そしてポンプ本体2は、斜板11の傾斜角(傾転角)を、後述するレギュレータ4の作動により変化せしめることにより、ピストン9の行程ストロークが変化し、これにより吐出ポートから吐出される油圧ポンプ1の吐出流量を変化させることができるように構成されている。尚、前記吸入ポートは油タンクに接続され、吐出ポートは油圧シリンダ等の油圧アクチュエータ側の油路に接続される。
前記レギュレータ4は、電子制御システムにより作業負荷およびエンジン回転数に対応した制御信号(パワーシフト圧力Ps)と、エンジンからポンプに供給される馬力が常に一定であるよう制御する定馬力制御信号と、コントロールバルブが中立時および微操作時にネガティブコントロール圧力を受けてポンプ流量を制御するネガティブ流量制御信号とを受けることにより前述したように油圧ポンプ1の吐出流量を制御するべく作動するものであるが、このレギュレータ4は、油圧ポンプ1の斜板11にピン12を介して連結される主ピストン13、該主ピストン13を移動させるべく作動するパイロットピストン14、コントロールピストン15、スプール16等を備えて構成されている。
ここで、前記レギュレータ4の作動の一つについて図2を用いて簡単に説明する。前記パイロットピストン14は、油圧ポンプ1から流路17を経由して働くポンプ吐出圧Pdと、流路18を介して働く前記パワーシフト圧力Psとの合計圧力が働くことになって図2において左方向の押圧力が発生し、これによってパイロットピストン14はスプール16を介して弾機19を押圧しようとするが、前記合計圧力は弾機19の弾圧力より小さく設定され、このためスプール16は弾機19により図面において右端に移動する。このときスプール16とスリーブ20との位置関係は、流路21が閉成し、流路22が開成している状態に保たれることになって、ポンプ吐出圧力Pdは流路23、24、25を経由して主ピストン13の大径側のピストン室26に作動油となって達する。この結果、主ピストン13の大径側、小径側の両ピストン室26、27に同じポンプ吐出圧力Pdが働くが大径側ピストン室26の方が受圧面積が大きい関係から主ピストン13は大径側ピストン室26が大きくなる側、つまり図面において右側に移動し、この結果、斜板11は流量が増大する方向に移動するように制御される。
これに対し、油圧ポンプ1の負荷が増大すると、高くなったポンプ吐出圧力Pdがパイロットピストン14のショルダ部14aに働くことになって該パイロットピストン14は弾機19の弾圧力に抗してスプール16を左側に移動させる。これによって流路22が閉成し、流路21が開成することになって、大径側ピストン室26は、流路25、21、28を経由して低圧(油タンク29)側に通じて低圧になる。一方、小径側ピストン室27にはポンプ吐出圧力Pdが作動油となって常時働いているので主ピストン13は小径側ピストン室27が大きくなる側、つまり図面において左側に移動し、この結果、斜板11は流量が減少する方向に移動するように制御される。
30は検知センサであって、本実施の形態ではストロークセンサを採用しているが、該検知センサ30はレギュレータ4のケーシング4aに設けられている。つまり、該ケーシング4aの前記両ピストン室26、27のあいだのピン12を臨む位置、つまり作動油が入り込まない位置に位置して前記検知センサ30が取り付けられており、そして検知センサ30に出没自在に設けられ、かつ突出方向に蓄勢された可動部30aが、ピン12に設けられ、前記主ピストン13の移動方向に対し、流量増大側ほど可動部30aが突出するよう傾斜した傾斜面で構成される被検知部31に弾圧状に当接している。そして検知センサ30は、主ピストン13が前記移動することに伴う可動部30aの出没量に基づいて主ピストン13の移動量を検知するようになっている。そしてこの移動量の検知値が、斜板11の傾斜角度に換算され、これに基づいて斜板11の傾斜角を検知し、吐出流量の検知ができるようになっている。
叙述のごとく構成された本発明の実施の形態において、ポンプ本体2に設けられた斜板11は、レギュレータ4に設けた主ピストン12の作動に基づいて傾斜角が変化し、これによってポンプ吐出流量の可変制御ができることになるが、斜板11の傾斜角検知をするための検知センサ30が、従来のようにポンプ本体2ではなく、レギュレータ4側に設けられているから、ポンプ本体2を構成するケーシング5から斜板11の傾斜作動を引き出す必要がなく、この結果、ケーシング5が引き出し口のある特殊なものを用いる必要がないだけでなく、引き出すための連結機構が不要になって、ケーシング5の大型化を回避すると共に、構造の簡略化、部品点数の減少を達成できる。
しかもこのものでは、検知センサ30は、斜板11の傾斜作動を実際に行う主ピストン13の作動に基づいて検知するものであるから、斜板11の傾斜作動と実質同じ作動に基づいた検知ができることになって検知精度が低下してしまうことがない。そして検知センサ30は、主ピストン13と斜板11とを連動連結するため該主ピストン13に設けたピン12を臨む位置に設けられているが、該ピン12を臨む位置は、主ピストン13を作動させるための作動油が入り込まない部位であるため、検知センサ30が作動油による影響を考慮した防油型等、特殊なものを用いる必要がない。
尚、本発明は、前記の実施の形態のものに限定されるものでないことは勿論であって、斜板型でなく斜軸型のものであっても同様に実施することができ、また図3、4に示す第二、第三の実施の形態のものとしても実施することができる。第二の実施の形態のものは、ピン12ではなく、主ピストン13に直接傾斜した被検知部32を設けたものであり、このようにしたものは、ピン12が短い形式のものに好適に実施することができる。また第三の実施の形態のものは、検知センサ33を、ストロークセンサでなく回転角検知センサとしたものである。そしてこのものでは、検知センサ33の回転軸33aに止着した揺動体34の先端部に長孔34aを開設し、該長孔34aに主ピストン13側から延設した作動ピン35を長孔34aの孔長方向移動自在に貫通させたもので、主ピストン13の移動を回転軸33aの回転に変換させて傾斜角検知をするようにしたものである。
油圧ポンプの断面図である。 レギュレータの構造図である。 第二の実施の形態を示すレギュレータ部の断面図である。 第三の実施の形態を示すレギュレータ部の断面図である。
符号の説明
1 油圧ポンプ
2 ポンプ本体
4 レギュレータ
11 斜板
12 ピン
13 主ピストン
30 検知センサ

Claims (5)

  1. 傾斜体の傾斜角変化により流量が変化する可変容量型のポンプ本体と、入力される制御信号に基づいて傾斜体の傾斜角を変化させるべく作動するレギュレータとを備えた可変容量型油圧ポンプに、前記傾斜体の傾斜角検知をする検知センサを設けるにあたり、該検知センサは、レギュレータに設けた作動体の作動量を検知することにより傾斜角の検知をするよう該レギュレータに設けられていることを特徴とする可変容量型油圧ポンプ。
  2. 請求項1において、作動体の作動は、傾斜体の傾斜作動をするため設けられる主ピストンの作動であることを特徴とする可変容量型油圧ポンプ。
  3. 請求項2において、主ピストン部には、該主ピストンの移動方向に傾斜した被検知面が設けられ、検知センサは、可動部が被検知面に当接するストロークセンサであることを特徴とする可変容量型油圧ポンプ。
  4. 請求項2または3において、検知センサは、主ピストンを作動するための作動油が入り込まない位置に設けられていることを特徴とする可変容量型油圧ポンプ。
  5. 請求項4において、検知センサが設けられる作動油が入り込まない位置は、主ピストンと傾斜体とを連動連結するため該主ピストンに設けたピンを臨む位置であることを特徴とする可変容量型油圧ポンプ。
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