JP2004316289A - 室内用防犯シャッター - Google Patents
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Abstract
【課題】本願発明は、前記シャッターが持つ防犯機能やプライバシーの保護機能を重点的に追求しつつ、さらに通風性、採光性を確保できる室内用防犯シャッターを提供すること
【解決手段】建物の開口部Oの室内側上部の壁面Hに、シャッターボックス2及びこのボックス2に収容され、電動又は手動によりスラット1の巻上又は巻戻の動作を行うスラット巻取部3を配置し、前記スラット巻取部3から巻上又は巻戻される複数枚のスラット1をガイドするガイド機構4を前記開口部Oの窓枠G1より室内側に、且つ、開口部Oの両サイドに配置している。そして、これらスラット1を揺動させる揺動機構5が、前記スラット1の両サイド及び前記ガイド機構4等に設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】建物の開口部Oの室内側上部の壁面Hに、シャッターボックス2及びこのボックス2に収容され、電動又は手動によりスラット1の巻上又は巻戻の動作を行うスラット巻取部3を配置し、前記スラット巻取部3から巻上又は巻戻される複数枚のスラット1をガイドするガイド機構4を前記開口部Oの窓枠G1より室内側に、且つ、開口部Oの両サイドに配置している。そして、これらスラット1を揺動させる揺動機構5が、前記スラット1の両サイド及び前記ガイド機構4等に設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物の開口部の室内側に取付けられる室内用防犯シャッターに関する。
【0002】
【従来の技術】
空き巣、居直り強盗等、社会不安を引き起こす犯罪の発生件数が高水準で推移している。
空き巣の家屋侵入の手口には、ピッキング等で玄関から侵入する場合の他、窓ガラスを割って、クレセント等を開錠して侵入する場合も多い。段上への足場があれば、2階等のベランダから室内に侵入してくるケースもある。
この「ガラス破り」の対策として、建物の窓部の場合には、従来からシャッターが取付けられている。
【0003】
しかし、建物の外観に影響を与えるシャッター等の建具の設置に制約がある場合には、シャッターを設置することができず、前記「ガラス破り」の対策には、補助鍵の設置、合わせガラスの導入等、限定されたものであった。
【0004】
一方、サッシメーカとしての出願人は、その独自の技術を用いて、窓の防犯機能を徹底的に高めることができる製品を社会に提供するため、従来から自社で開発しているシャッターに着目した。
このシャッターは、防風、防雨、防犯、プライバシーの保護等の機能に加えて、通風性、採光性を発揮できる構造となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−70465(図1、図23)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願発明は、前記シャッターが持つ防犯機能やプライバシーの保護機能を重点的に追求しつつ、さらに通風性、採光性を確保できる室内用防犯シャッターを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明に係る室内用防犯シャッターは、建物の開口部の室内側上方に、スラット巻取部及びこのスラット巻取部をカバーするシャッターボックスを配置し、このスラット巻取部から巻上又は巻戻される複数枚のスラットをガイドするガイド機構を前記開口部の窓枠より室内側に配置すると共に、これらスラットを揺動させる揺動機構を設けたことを特徴とする(請求項1に記載の発明)。
【0008】
ここで窓枠は、例えば開口部を開閉するガラス障子を配置するサッシ枠等を意味する。
本発明により、シャッターを構成するシャッターボックス、スラット巻取部及びガイド機構が室内側に配置されたことで、シャッターが窓枠より室外側に現れることがない。
即ち、ガラス障子より室内側にシャッターのスラットを設置することで、上述の「ガラス破り」に対する有効な防犯対策にすることができる。
また、建物の外観に影響を与えるシャッター等の設置に制約がある場合には、防犯上の不安があるが、本発明によれば、設置の制約に抵触することなく、防犯上の不安を解消できる。即ち、窓からの防犯対策が不充分なマンション等に取付けることで、防犯機能を高めることができる。
【0009】
上記目的を達成するため、建物の開口部の上部に、スラット巻取部及びこのスラット巻取部をカバーするシャッターボックスを配置し、このスラット巻取部から巻上又は巻戻される複数枚のスラットをガイドするガイド機構を前記開口部の窓枠より室内側に配置すると共に、これらスラットを揺動させる揺動機構を設けたことを特徴とする室内用防犯シャッターとした(請求項2に記載の発明)。
【0010】
この発明によれば、上記作用効果に加え、シャッターボックスの室内側への出っ張り幅を抑えることができる。
【0011】
上記各発明において、前記シャッターボックスの下部にカーテンレールを配置してもよい(請求項3に記載の発明)。
シャッターボックスの下部がカーテン類の設置に最適な位置となり、またカーテンレールの設置が不要となる。
【0012】
上記各発明において、前記揺動機構は、スラットの回転軸を中心としてスラット上部端が室内側に、スラット下部端が室外側になるように回動動作させることを特徴とする(請求項3に記載の発明)。
スラットの揺動を習慣に馴染んだ方法で行える。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は第1実施形態に係る室内用防犯シャッターの縦断面図、図2及び図3はそれぞれ同シャッターの横断面図である。
図4は第2実施形態に係る室内用防犯シャッターの縦断面図、図5は同シャッターの横断面図である。
なお、これらの各図及び後述する各図において、同一の構成は同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0014】
[第1実施形態に係る室内用防犯シャッター]
第1実施形態に係る室内用防犯シャッター(以下、単にシャッターともいう)は、図1〜図3のように、建物の開口部Oの室内側上部の壁面Hに、シャッターボックス2及びこのボックス2に収容され、電動又は手動によりスラット1の巻上又は巻戻を行うスラット巻取部3を配置し、前記スラット巻取部3から巻上又は巻戻される複数枚のスラット1をガイドするガイド機構4を前記開口部Oの窓枠G1より室内側に、且つ、開口部Oの両サイドに配置している。
そして、これらスラット1を揺動させる揺動機構5が、前記スラット1の両サイド及び前記ガイド機構4等に設けられている。
【0015】
前記スラット1の詳細は後述するが、防犯性を重視した前記シャッターのスラットとして、その耐風性能、防水性能が問題とならず、その分の軽量化、薄板化等を図ることができる。
また、前記揺動機構5により、各スラット1はその回転軸を中心としてスラット上部端を室内側に、スラット下部端を室外側に回動動作させる(後述の図23参照)。
【0016】
前記シャッターボックス2は、カバー本体20が室内側壁面Hに固定された躯体側取付部21を介して取付けられている。
このシャッターボックス2の下部には、前記スラット1の巻上又は巻戻を行う際のガイドとなるガイド片22が形成され、また、カーテンレール23が取付けられている。
【0017】
前記スラット巻取部3は、一端がベース板Bに係止固定されたL字板Lに巻胴30が回転可能に取付けられており、この巻胴30が後述の巻上巻戻機構3A又は手動巻取機構3Bにより回転されるようになっている。
【0018】
前記ガイド機構4は、開口部Oの左右両サイドに沿って取付け固定され、前記スラット1の両端部をガイドするガイド縦枠40がそれぞれ形成されている。
【0019】
以上のようなシャッターによれば、第1に、開口部Oの室外側からは、スラット1以外のシャッター構成が見え難く、シャッタ―の設置に制約がある集合住宅などにおいても窓の防犯機能を高めることができる、
第2に、前記スラット1は、揺動可能であることから、前記スラット1により開口部Oを閉鎖した状態であっても、採光、通風を確保ができる。
第3に、シャッターボックス2の下部を利用してカーテンレール23を取付けたことで、カーテンレールを個別的に取付ける必要がなくなると共に、そのカーテンにより室内との調和を図ることができる。
【0020】
[第2実施形態に係る室内用防犯シャッター]
第2実施形態に係るシャッターは、図4及び図5に示したように、建物の開口部Oの上部の空間に、シャッターボックス2及びその内部にスラット巻取部3を配置し、前記ボックス2の下方であって、開口部Oの室内側にガラス障子Gを取付ける窓枠G1を、その室内側に前記スラット巻取部3から巻上又は巻戻される複数枚のスラット1をガイドするガイド機構4を配置する。
【0021】
前記シャッターは、建物の壁厚と開口部Oの上部の空間を利用して、その空間に前記ボックス2を収めるものである。なお、前記ボックス2の室外側には、遮蔽板24が配置されている。
前記開口部Oの高さ寸法は、通常の窓寸法に前記ボックス2の高さを加えたものであればよい。
【0022】
この実施形態では、前記ガイド機構4を一体的に取付けたシャッター枠Sが設けられ、このシャッター枠Sの室外側に前記窓枠(サッシ枠)G1が設けられている。このサッシ枠G1とシャッター枠Sは別体でも一体でもよい。
その他の構成は、上記第1実施形態と略同一である。
【0023】
この第2実施形態によるシャッターによれば、上記第1実施形態と略同一の作用効果を奏する他、シャッターボックス2の室内側への出っ張りを抑えることができる。
【0024】
以上のように構成された第1及び第2実施形態に係るシャッターのスラット1は、手動又は電動、或いは電動及び手動で動作させることができるが、以下の説明では、電動及び手動の場合の構成例を説明する。
【0025】
前記シャッターは、後述の制御部30Bを介して、それぞれ、スラット1,1,1…の「上昇」、「上昇/下降の停止」又は「下降」の上昇下降モード動作を行う巻上巻戻機構3Aと、スラット1,1,1…の「開き」、又は「閉じ」の開閉モード動作を行う揺動機構5と、下降するスラット1の最下段に取付けられたボトムスラット1Aのロック及びその解除を行うロック機構6と、前記開閉モード動作に移行させるため、前記ボトムスラット1Aの位置を調整する移行調整機構7を備えている。
【0026】
上記構成のシャッターでは、前記巻上巻戻機構3A及び揺動機構5の駆動源となるモータ30Aは、前記制御部30Bにより、上昇下降モード動作に比べ開閉モード動作の回転数が小さく制御されている。
従って、操作者が、採光量、通風量或いは日照量の調整のため、図6に示したスイッチSの開スイッチS4又は閉スイッチS5をオンし、各スラットの動きを目視しつつ、オフした時点で、操作者はその意図する開閉角度でスラット1,1,1…の揺動を停止させることができるようになっている。
【0027】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの巻上巻戻機構(電動)]
前記巻上巻戻機構3Aは、チェーン2A等を介して前記スラット巻取部3に回転力を与える前記モータ30A、前記ガイド機構4、上昇するスラット1の上限を検出する上限センサ2B、下降するスラット1の下限を検出する下限センサ2C及び障害物検知機構8を備えている(図6参照)。
【0028】
前記モータ30Aは、DCモータ又はACモータを用いる。DCモータの場合にはバッテリーB又は自家発電電源としての太陽電池(図示せず)から電力が供給される。商用電源の場合は、変圧及び整流された電力が供給される。
DCモータを用いることにより、その優れた速度制御性を生かすことができ、また交流電源の配線が不要になる場合がある。
その他、商用電源とのコードによる常時接続に起因する外観の「煩雑さ」を解消できるし、省エネを図ることもできる。
前記バッテリーBを前記ガイド機構4の室内側に位置するシャッター縦枠34のセットし易い場所に、着脱可能に配置してもよい。この場合、バッテリーBのメンテナンスが容易である。
なお、後述するように、前記商用電源又は前記太陽電池を用いて前記バッテリーBの充電を行うようにしてもよい。
【0029】
前記上限センサ2B及び下限センサ2Cは、近接スイッチ等の磁気センサが用いられており、これらの検出信号は前記制御部30Bに送出される。
なお、センサとしては、その他、リミッタスイッチ、光センサ等、どのようなものでもよい。
【0030】
前記障害物検知機構8は、図7に示したように前記ボトムスラット1Aの下部に回動可能に取付けられた障害物接触部材80と、この接触部材80が障害物に接触し回動された時に、その回動と共に回動する加圧部材81と、この加圧部材81により圧力が加えられた場合に検出信号を出力するテープセンサ82からなっている。
前記障害物接触部材80は、前記ボトムスラット1Aの略全長に沿って取付けられており、その先端801がカバー10aに接する方向にバネ等により常時附勢されている。
前記加圧部材81は、前記障害物接触部材80に固定された基端810と、前記テープセンサ82を圧接する先端811と、回動軸となる回動部812からなっている。
前記テープセンサ82は、前記ガイド機構4に沿って室内側に配置されている。
このように構成された障害物検知機構8では、図7に示したように、障害物がシャッター下枠41とボトムスラット1A間に挟まった場合には、前記障害物接触部材80が上方に回動し、その回動と共に前記加圧部材81の先端811が回動部812を中心に室内側に回動し、前記テープセンサ82に圧力を加える。その圧力検出信号は、前記制御部30Bに送出されるようになっている。
【0031】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの揺動機構]
次に、前記揺動機構5の構成例を図8乃至図11に基づいて説明する。
揺動機構5は、それぞれ各スラット1の両端に設けられており、以下の説明では一方の揺動機構5を他方の揺動機構5に代表させて説明する。
なお、図8以下においては、前記障害物検知機構8の図示を省略している。
前記揺動機構5は、ボトムスラット1A直上の次段スラット1Cから、上部の所定位置のスラット1Dまでの各スラット1の側端に固定された第1の軸手段としての長ピン50,50,50…と、これらの各長ピン50…を回転可能に取付ける第1の取付手段としての外吊金具51,51,51…と、各吊金具51を所定の間隔で連結する第1の伸縮自在手段としての第1のボールチェーン52と前記次段スラット1Cから、前記スラット1Dまでの各スラットの側端に固定された第2の軸手段としての短ピン53,53,53…と、各短ピン53を回転可能に取付ける第2の取付手段としての内吊金具54,54,54…と、これら内吊金具54を所定の間隔で連結する第2の伸縮自在手段としての第2のボールチェーン55からなる。
【0032】
前記長ピン50は、各スラット1が揺動する際の回転軸となるもので、図9等に示したように、各スラット1の側端上部から、第2のボールチェーン55より外側に伸びて、各外吊金具51に回転可能に取付けられている。
ここで、図12A、図12Bに基づいて前記外吊金具51の構成例を説明する。
この外吊金具51は、略長方体をなし、その内部には、鉛直方向に貫通するボールチェーン用孔510と、前記ボールチェーン52に外吊金具51を取付けるストッパ用孔511と、前記長ピン用孔512が設けられている。
そして、前記長ピン50の先端が臨む部分は、略長方体状に切欠かれている。
【0033】
前記第1のボールチェーン52は、ボール520と隣接するボール520間の各孔521に出没可能、かつ、離脱不能なピン522を複数組合わせてなり、ピン522の高さ寸法に略等しい幅で伸縮する(図13,図14参照)。
そして、スラット1,1,1…の自重が、前記各長ピン50、前記外吊金具51を介して、前記第1のボールチェーン52に伝達されることにより、第1のボールチェーン52は伸長状態になり、各スラット1が揺動可能な状態になる。また、スラット1,1,1…を巻上げる場合には、前記巻取部30の回転に追随できるようになっている。
【0034】
第1のボールチェーン52の下端は、図8に示したように中間金具56及びこの金具56を固定する腕部材57を介してボトルスラット10の側面に固定されている。
一方、前記第1のボールチェーン52の上端は、図10に示したように中間金具56を介して、付勢手段としてのバネ58に取付けられ、そのバネ58はスラット側端に固定されている長ピン50aに係止されている。
このバネ58は、スラットの巻戻しの際には、前記第1のボールチェーン52の伸長動作を緩和し、またスラットの揺動の際には、第1のボールチェーン52に加えられるスラットの巻上げ力を吸収する等の作用を果すが、必須の部材ではない。よって、前記中間金具56を所定位置の長ピン50aに直接固定してもよい。
上端と下端間の第1のボールチェーン52は、図12に示したように、前記吊金具51のボールチェーン用孔510に挿通され、前記ストッパ用孔511から差入れられたストッパ513により、前記吊金具51が取付けられている。
【0035】
このストッパ513には、その弾性を利用した一対のフック513aが形成されており、このストッパ513に対応させて、前記ストッパ用孔511にも前記フック513aの先端を係止させる段差部511aと前記フック513aの基端を係止部させる段差部511bがそれぞれ形成されている。
そして、図13及び図14の(イ)、(ロ)に示したように、ボール520a,520a間のピン521aを、一対のフック513a間にホールドし、各スラット1が揺動できる間隔で、各吊金具51をボールチェーン52に取付けている。
【0036】
前記短ピン53は、前記長ピン50を中心にして回動動作し、各スラット1を揺動させるもので、図8等に示したように、各スラット1の側端中央部から突出し、各内吊金具54に回転可能に取付けられている。
この内吊金具54は、前記短ピン53を取付ける短ピン用孔542を設けた他は、前記外吊金具51と略同様に構成されている。
また、前記第2のボールチェーン55は、上記第1のボールチェーン52と略同一の構成であって、異なる点は、図8に示したようにその下端が次段スラット1Cの内吊金具54を介して取付けられている点と、上端が図10に示したように最上端スラット13Bの内吊金具54に固定されている点である。
なお、図10に示したように、最上端スラット13B乃至スラット15B及びこれらに対応する第2のボールチェーン55は、揺動しないように構成されている。
また図11に示したように、スラット16Bの下端部1b及び前記スラット1D以下のスラットの下端部1bは、断面略逆L字状に形成され、一方、前記スラット1D以下のスラットの上端部1aは、逆L字状の前記下端部1bに常時係合、且つ、伸縮可能に構成されている。
そして、その伸縮は、上述のように前記第1,第2のボールチェーン52,55の伸縮と同期している。
【0037】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターのロック機構]
次に前記ロック機構6の構成例を図15及び図16に基いて説明する。
このロック機構(電磁ロック機構)6は、左右のガイド機構4の各ガイド縦枠40に取付けられたソレノイド68と、その鉄心軸680に固定されたストッパ681と、バネ63aにより図面上、反時計回転方向に常時付勢された係合片63と、ボトムスラット1Aの両端に設けられ、前記ガイド縦枠40に向かって出没可能な係合部60と、この係合部60をガイド縦枠40側に常時付勢するバネ61と、係合部60の一部及び前記バネ61を収納する収納部62を備えている。
【0038】
このように構成された電磁ロック機構6は、図15に示したスラット1の閉鎖状態においては、ソレノイド68が非通電状態となっており、その鉄心軸680は、バネ681aの付勢力によって、下方に突出し、前記ストッパ681が、係合片63の回動を規制している。
その結果、係合片63が前記係合部60をロックしている。
この状態から、前記スイッチSの上昇スイッチS1を押下げると、前記ソレノイド68が通電され、励磁され、鉄心軸680がバネ681aの付勢力に抗して、ソレノイドケース内に没入する。前記ストッパ681も上昇することから、前記係合片63が反時計回りに回動し、ロックを解除する(図16参照)。
従って、前記ボトムスラット1Aはその係合部60が、前記係合片63の下面63bを摺動しつつ、上昇できるようになっている。
【0039】
前記ソレノイド68の通電時間は、前記係合部60が上昇し始める僅かな時間であればよい。
前記ボトムスラット1Aが上昇し始めると略同時に、ソレノイド68が消磁されれば、鉄心軸680及びストッパ681がバネ681aの力により下方に突出し、ストッパ681の先端が、反時計回りに傾斜している係合片63の上面63cに当接することになる。
【0040】
一方、スラット1が下降してくると、前記ボトムスラット1Aの係合部60が、前記係合片63の斜面63dに当接し、前記係合片63を時計回りに回動させる。この時、前記係合片63の上面63cに当接しているストッパ681は、係合片63の回動に伴って、上下動しつつ、ガイド片682と前記係合片63の間隙に嵌まり込む。
そして、前記係合部60が、前記係合片63の斜面63d上を摺動しつつ、その下面63bに潜り込んだ時点で、ロック状態になる。
【0041】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの移行調整機構]
次に、前記移行調整機構7の構成例を説明する。
この移行調整機構7は、前記各スラット1の開閉モード動作の開始前に、前記各スラット1を揺動可能な状態に移行させるものである。
各スラット1が揺動可能な状態は、前記ボトムスラット1Aが前記ロック機構6にロックされた位置であることから、前記移行調整機構7は前記下限センサ2Cにより構成されている。
【0042】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの動作例]
以上のように構成された巻上巻戻機構3A、揺動機構5、ロック機構6及び移行調整機構7においては、制御部30Bにより、前記スイッチSの各種スイッチS1〜S6からのオン/オフ信号、前記上下限センサ2B及び2Cからの信号等に基き、前記モータ30A及びソレノイド68が制御され、それぞれ動作されるようになっている。
【0043】
前記制御部30Bには、商用電源からの交流電源を降圧し、整流して直流出力を得る電源回路、マイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに制御手順を指示するプログラム等を格納したメモリ(以上、図示せず)、このマイクロプロセッサからの制御信号により動作される半導体スイッチ400(図17参照)等がそれぞれ設けられている。
【0044】
具体的には、図17に示したように、前記モータ30Aをスイッチング素子400でドライブするもので、前記スラット1の上昇下降時には、前記素子400へのバイアスを連続的にオン(a)とし、又はオン時間を長く、オフ時間を短くする(b)。
一方、前記スラットの開閉時には、前記素子400へのオン時間を短く、オフ時間を長くする(c)。
よって、スラット開閉時とスラット上昇下降時のモータの回転速度を変化させることにより、スラットの開閉角度の調整を無段階で、かつ、スムーズな動きで実現することができる。
【0045】
以上のように構成されたシャッターの動作例を、図18〜図20、図22に示した前記プログラムのフローチャートに基いて説明する。
【0046】
前記制御部30Bの電源がオンされ、前記プログラムが起動されると、図18に示したように、前記スイッチSの上昇下降スイッチS1又はS3(図6参照)がオンされたか否か(ステップ1)、同スイッチ1の早送りスイッチS6がオンされたか否か、同スイッチ1の開閉スイッチS4又はS5がオンされたか否かを夫々判断する。
そして、前記ステップ1で上昇下降スイッチS1又はS3がオンと判断されたときはスラット上昇下降処理に移行し、前記ステップ3で早送りスイッチS6がオンと判断されたときはスラット早送り処理に移行し、前記ステップ5で開閉スイッチS4又はS5がオンされていれば、スラット開閉処理に移行する。
しかし、各ステップで各スイッチがオフと判断された場合には、上記ステップ1〜ステップ5の処理を繰り返すようになっている。
【0047】
次に、図19に基いて前記スラット上昇下降処理の処理手順を説明する。
この処理が開始され、前記上昇スイッチS1がオンされた場合には上昇準備処理(ステップ10、ステップ12)を行い、ステップ14に進む。
前記上昇スイッチS1が押される場合は、通常、前記各スラット1が完全に下降している場合、上昇/下降の途中で停止している場合であるが、これらの場合には、前記ソレノイド68に通電しロックを解除する等の上昇準備処理を行う。
なお、この段階で各スラット1が開状態等、直ちにスラット1を上昇させることが不適切な場合は、前記下限センサ2Cからの信号に基き、前記スラット1を閉じて、ステップ14に進む。
【0048】
前記ステップ14では、前記モータ30Aへの連続出力(図17の(a)参照)を行う。この場合、モータ30Aの電圧がその設定値をオーバーしているか否かを常時監視するようにしている(ステップ15)。これは、例えば上昇中のスラット1に障害物が挟まった場合等、緊急にモータ30Aを停止させ安全を図るための処理で、モータ30Aへの負荷電流の増大が所定値の抵抗を介して出力電圧として取出され、A/D変換後、その電圧値と設定値とを比較するようになっている。
よって、このステップ15の障害物検知処理において出力電圧が設定値を超えた場合には、モータを停止させる処理(ステップ16)を行う。一方、出力電圧が設定値を超えていなければステップ17に進む。そして前記上限センサ2Bがオンしたか否か(ステップ17)、スイッチSの停止スイッチS2がオンされたか否か(ステップ18)をそれぞれ判定する。
そして、前記上限センサ2B或いは停止スイッチS2がオンされればステップ20に進み、モータ30Aへの出力を停止し、前記ステップ1に戻る。
しかし、前記上限センサ2Bまたは停止スイッチS2がオンされていなければ上記ステップ14〜ステップ18の処理を繰り返す。
【0049】
一方、前記下降スイッチS3がオンされた場合には下降準備処理(ステップ21、ステップ22)を行い、ステップ24に進む。
前記下降スイッチS3が押される場合は、通常、前記各スラット1が完全に上昇している場合、上昇/下降の途中で停止している場合の他、各スラット1が開いている場合がある。この場合には、前記下限センサ2Cからの信号に基き、前記スラット1を閉じて、ステップ24に進む。
【0050】
前記ステップ24では前記モータ30Aへの断続的な出力(図17の(b)参照)を行う。この場合には、オン/オフを間欠的に繰返して電圧を印加する断続的出力のオフタイム時に、モータ30Aの端子を短絡させてブレーキ処理を行っても良い。
次に、順次、前記下限センサ2Cがオンしたか否か、前記ステップ15と同様に電圧オーバーしたか否か、前記テープセンサ82がオンしたか否か、前記スイッチSの停止スイッチS2がオンされたか否かを判断し(ステップ25〜ステップ30)、それぞれ「否」であれば、前記ステップ24に戻って、前記モータ30Aへの断続的な出力を続行する。
しかし、前記ステップ25において下限センサ2Cがオンであると判断されれば、タイマをスタートさせ(ステップ32)、次に前記ステップ15と同様に電圧がオーバーしたか否かを判断する(ステップ34)。
ここで「肯」であれば、ステップ40にジャンプしてモータ30Aの出力を停止させ、前記ステップ1に戻るが、「否」であればステップ36に進み、タイムアップか否かを判断する。
ここで「肯」であれば、ステップ40にジャンプしてモータ30Aの出力を停止させ、確実にモータ30Aを停止させた後、前記ステップ1に戻している。
一方、前記ステップ36で「否」と判断されれば、ステップ38に進み、停止スイッチS2がオンしたか否かを判断する。
ここで「肯」であれば、ステップ40に進みモータ30Aの出力を停止させ、前記ステップ1に戻るが、「否」であればステップ34に戻る。
なお、前記ステップ26で、電圧がオーバーしていればステップ42に進み、巻上げ反転処理を行い、前記ステップ1に戻る。また前記ステップ28でテープセンサ82がオンと判断されれば、同様にステップ42に進み、巻上げ反転処理を行い、前記ステップ1に戻る。その後、前記ステップ30で停止スイッチS2がオンと判断されれば、ステップ40に進み、モータ30Aの出力を停止させ、前記ステップ1に戻る。
【0051】
次に、上記スラット早送り処理を図20に基いて説明する。
この処理では、ステップ100〜ステップ132において、前記移行調整機構7が制御されて、スラットの揺動可能状態が形成される早送り処理が実行される。
この処理が開始されると、まずステップ100において前記下限センサ2Cがオンしているか否かが判断される。ここで、前記センサ2Cがオンと判断される場合の前記スラット1の状態としては、スラット1が完全に下降している状態、或いは現在スラット1が「開き」中である場合等である。
そこで、ステップ102では、一定時間、モータ30Aを回転させてスラット1を閉じる処理を行い、その後モータ30Aを停止させる(ステップ104)。
そして前記ロック機構6をオフ状態(前記ソレノイド68への通電)にし、モータ30Aを回転させてスラット1を上昇させ(ステップ106)、前記下限センサ2Cがオフとなるまでスラット1を上昇させる(ステップ108)。
そしてこのステップ108において、「オフ」と判断されればステップ110〜同ステップ114において、モータ30Aを一旦停止させ、さらに1秒間、スラットを下降動作させて前記ロック機構6をオンさせた後、モータ30Aを再び停止させステップ1に戻る。ここでスラット1の揺動可能状態が形成され、早送り処理が完了する。
【0052】
一方、前記ステップ100において、下限センサ2Cがオフと判断される場合の前記スラット1の状態としては、スラットが下降途中等の場合である。そこで、下限センサ2Cがオンとなるまでモータ30Aを回転させてスラット1を下降させる処理を行い(ステップ116、118)、オンと判断されれば、引続き3秒間、スラット1を下降動作させて前記ロック機構6をオンさせた後、モータを停止させる(ステップ120、122)。
その後、前記ロック機構6をオフ状態にし、モータ30Aを反転させてスラットを上昇させ(ステップ124)、前記下限センサ2Cがオフとなった否かを判断する(ステップ126)。
ここで、オフと判断されればステップ128〜ステップ132において、モータ30Aの一旦停止、1秒間のスラットの下降動作によりロック機構6をオンさせた後、再度モータ30Aを停止させ、ステップ1に戻る。
よって、スラット1の揺動可能状態が形成され、早送り処理が完了する(図21参照)。
【0053】
なお、前記ステップ126において、下限センサ2Cがオンであれば引続きスラット1を上昇させる。
【0054】
次に、上記スラット開閉処理を図22に基いて説明する。
この処理において、開スイッチS4がオンされた場合には、モータ30Aへパルス出力(図17の(c)参照)し、前記スイッチS4がオフされたか否か、スラット1が最大角度まで開いたか否かを判定する(ステップ200〜206)。
それぞれ「肯」であれば、ステップ208に進み、モータ出力を停止しこの処理を終了して、前記ステップ1に戻る。
一方、前記ステップ204、206で「否」であればステップ202に戻り、前記202〜206の処理を繰り返す。
【0055】
前記ステップ206において、スラット1が最大角度まで開いたか否かは、前記ステップ15と同様に、モータ30Aへの負荷電流の増大が所定値の抵抗を介して出力電圧として取出され、A/D変換後、その電圧値と設定値とを比較することにより判断される。
【0056】
一方、閉スイッチS5が押された場合には、モータ30Aへパルス出力(図17の(c)参照)し、前記閉スイッチS5がオフされたか否か、トルク等を検出して下降(閉じ)が完了したか否かを判定する(ステップ210〜216)。それぞれ「肯」であれば、ステップ218に進み、モータ出力を停止しこの処理を終了して、前記ステップ1に戻る。
一方、前記ステップ214、216で「否」と判断されれば、ステップ212に戻り、前記212〜216の処理を繰り返す。
以上のような処理により、図22に示した開閉モード動作においてスラット1の開閉角度の調整を無段階で、かつ、スムーズな動きで実現することができる。
【0057】
上記図17に示した回路構成に代えて、図24〜図26に示した回路構成でも上記実施形態と同一の作用効果を奏する。
図24は、リレーを介して回路を変更できるようにし、スラット1の上昇下降モード動作時には、負荷(抵抗)を通さずに、早いスピードでモータ30Aを回転させる。一方、スラット1の開閉モード動作時には抵抗を通して分圧させて前記モータ30Aの回転速度を遅くさせる構成を示した。
【0058】
図25は、モータ30AをMOSFET等でドライブし、ゲート電圧を変化させることにより、前記モータ30Aのスピードを変化させる構成を示した。即ち、スラットの上昇下降モード動作時には、ゲート電圧を上げ、開閉モード動作時にはゲート電圧を下げて、前記モータ30Aの回転速度を遅くさせる。
図26は、ACモータを用い、インバータ等により、周波数制御を行い、周波数を上げることにより前記モータの回転速度を高め、周波数を下げることにより前記モータの回転速度を低くする構成を示した。
【0059】
上記実施形態では、前記スラット1を下降させる前記モータ30Aに対しては、オン/オフを繰り返して間欠的に電圧を印加すると共に、そのオフタイム時に前記モータ30Aの両端をショートさせて、静止トルクを増大させるようにしているが、上昇下降動作時のモータ30Aの回転数を略同一にしてもよい。
【0060】
次に、前記制御部30Bにおいて、その電源回路にバッテリーを組込んだ回路構成を図27〜図29に示す。
なお、これら各図において、図17、図24〜図26に示した、前記モータ30Aへの供給電力を制御する回路構成は、シャッター制御回路C1として示されている。また、交流を直流に変換する電源としては、上記電源回路の他、AC/DCコンバータを用いても良い。
【0061】
図27は、商用電源により前記モータ30Aを駆動する駆動回路C2と、商用電源によりバッテリーBを充電する充電回路C3と、バッテリーBにより前記モータ30Aを駆動するバッテリー放電回路C4と、前記駆動回路C2の通電状態を監視し、同回路C2の通電、非通電を検出すると共に、その検出結果に基づいて前記バッテリ放電回路C4の開閉を行う検出手段C5を示している。
このような構成において、通常は商用電源が前記駆動回路C2に供給され、モータ30Aが駆動されると同時に、前記充電回路C3がバッテリーBを充電する。この時、前記バッテリ放電回路C4の開閉スイッチCS1は開いている。
そして、停電等で前記駆動回路C2に商用電源が供給されなくなったとき、前記スイッチCS1が閉じて、バッテリーBの電力がバッテリ放電回路C4に供給されモータ30Aを駆動するようになっている。
このような構成によれば、バッテリーBは常時、充電されており、そのバッテリーBを用いることにより、停電時においてもシャッターのスラットの巻上巻戻操作と揺動操作を行わせることができる。
また、常時バッテリーBの充電状態を保つことができ、停電等の際にも電力供給に不安がない。
【0062】
なお、前記商用電源に代えて、太陽電池の電力を前記駆動回路C2に供給してもよい。この場合には、昼間では太陽電池により前記モータ30Aが駆動され、且つ、前記バッテリーBが充電される。一方、夜間にはバッテリーBの電力が、前記モータ30Aに供給される。よって、商用電源用の配線が不要となる。
【0063】
次に、図28は、図27の前記駆動回路C2と前記充電回路C3とを共通化させた回路構成を示している。
その他の構成は、図27に示した構成と略同一であるので、同一の作用効果を奏する。
即ち、通常は前記商用電源が駆動充電回路C6に供給され、モータ30Aを駆動する同時に、バッテリーBを充電する。
そして、停電等で前記駆動充電回路C6に商用電源が供給されなくなったとき、前記検出手段C5のスイッチCS1が閉じて、バッテリーBの電力がバッテリ放電回路C4に供給され、モータ30Aを駆動するようになっている。
【0064】
次に、図29は、前記シャッター制御回路C1の非通電時に、商用電源等によりバッテリーBを充電する充電回路C3を備え、一方、前記シャッター制御回路C1の通電時に、商用電源等により前記モータ30Aを駆動するように構成されている。
そして停電した場合には、商用電源等と並列に接続されている前記バッテリーBが前記モータ30Aを駆動するようになっている。
その他の構成は、図27に示した構成と略同一であり、図28の構成による効果と同一の作用効果を奏する。
【0065】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの手動巻取機構3B]
次に、前記スラット1の昇降、停止及び揺動を手動で行うことができる手動巻取機構3Bの構成例を図30〜図38に基いて説明する。
図30は、手動巻取機構3Bが収容されているスラット巻取部30の断面図、図31は同手動巻取機構3Bを構成する差動ギアの正面図、図32は同手動巻取機構3Bを構成するスプリングクラッチの横断面図、図33は同スプリングクラッチの分解図、図34は同スプリングクラッチの要部斜視図である。
【0066】
前記差動ギア30Dは、後に詳述する前記スプリングクラッチ30Eと協働して、前記モータ30A(ここではACモータを用いている)の駆動時に、その回転力を前記スラット巻取部30に伝達して、回転させると共に、前記モータ30Aの停止時に、前記手動巻取機構3Bを構成するボールチェーン31を操作できるようにするものである。
【0067】
この差動ギア30Dは、図30に示したように、入力側に位置し、且つ、前記モータ30Aの出力側端部に連結固定された内歯車302と、出力側に位置し、且つ、前記スラット巻取部30を取付固定するキャリア303と、前記内歯車302に軸支されている太陽ギア304と、この太陽ギア304の回りを公転すると共に自転可能に前記キャリア303に軸支されている遊星ギア305、305、305からなっている。
【0068】
前記スプリングクラッチ30Eは、前記モータ30Aの駆動時には、前記モータ30Aの回転力を前記スラット巻取部30側に伝達させるため、前記太陽ギア304の回転を規制し、且つ、前記ボールチェーン31が前記モータ30Aに連動して回転してしまうことを防止する。また、前記モータ30Aの停止時には、前記太陽ギア304の回転を許容して、前記ボールチェーン31を操作できるようにするものである。
【0069】
このスプリングクラッチ30Eは、図30等に示したように、スプリング306と入力側スリーブ307と出力側スリーブ308からなる。
【0070】
前記スプリング306は、図33及び図34に示したように、前記スラット取付部30の取付枠30Fに凸設された円柱部309に空回り可能に配置されており、その一端306a及び他端306bが前記入力側スリーブ307の切欠部307a(後述)に臨んでいる。
【0071】
前記スプリング306の各端306a、306bは、前記切欠部307aの各切欠面に当接し、スプリング306は各端306a、306bから前記切欠部307aに折返すように巻かれている。
よって、前記一端306a又は他端306bに対し、力がスプリング306の巻回方向の逆方向に加われば、前記スプリング306の内径が狭まり、前記円柱部309を締め付ける。
一方、力がスプリング306の巻回方向に加われば、前記スプリング306の内径が広がり、締付け力を解消させることができる。
前記スプリングクラッチ30Eは、このようなスプリング306の作用により、前記太陽ギア304の回転を規制したり、許容している。
【0072】
前記入力側スリーブ307は、前記ボールチェーン31と歯合する歯車32を一端に固定し、且つ、その中心軸にそって外周面を切欠いた切欠部306a設け、円筒状に成形されている。そして、前記円柱部309に対し、前記スプリング306の外側に、回動可能に、且つ、同軸的に配置されている。
【0073】
一方、出力側スリーブ308は、前記入力側スリーブ306の切欠部306aに嵌合する嵌合部308aを内周面に形成して、円筒状に成形されている。そして、前記円柱部309に対し、前記入力側スリーブ307の外側に、前記嵌合部308aを介して前記入力側スリーブ307に同調して回動可能に、且つ、同軸的に配置されている。
この出力側スリーブ308の前記差動ギア30D側に、連結ロッド310を設けており、この連結ロッド310は、前記太陽ギア304に取付固定されている。
【0074】
前記差動ギア30D及びスプリングクラッチ30Eの作用動作は次のようである。前記モータ30Aが正転或は逆転すると、その回転力が前記内歯車302、前記遊星ギア305、前記太陽ギア304、前記連結ロッド310、前記出力側スリーブ308と伝達され、前記スプリング306がその内径を縮小させる方向に捻転される。
その結果、前記スプリング306が前記円柱部309を締付けるので、前記入力側スリーブ307、出力側スリーブ308、連結ロッド310、太陽ギア304の回転を規制する。
【0075】
太陽ギア304の回転が規制されると、前記モータ30Aの回転力が前記内歯車302を回転させ、前記遊星ギア305を太陽ギア304の回りに公転させ且つ自転させ、前記キャリア303に固着されている各遊星ギア305の軸を介して、前記キャリア303を回転させる。
その結果、そのキャリア303に固着されているスラット取付部30が回転し、スラット1を巻上げたり、巻戻したりする。
【0076】
前記太陽ギア304の回転が規制されているので、前記モータ30Aが駆動されても、前記入力側スリーブ307及びボールチェーン31が回転することはなく、ボールチェーン31等の回転による騒音を発生を防ぐことができる。
【0077】
次に、手動に切換えた場合の作用動作を説明する。
上述のように、前記モータ30Aが駆動されている間は、前記スプリング306が前記円柱部309を締付けている。
この状態からモータ30Aを停止させると、そのモータ30Aにブレーキが働くので、前記内歯車302の回転が規制されることになる。
そして、前記ボールチェーン31を上方又は下方に引くと、前記入力側スリーブ307が回動し、スプリング306の捻着を緩和させる方向に力が働き、前記スプリング306の前記円柱部309に対する捻着力を緩和させる。
その結果、入力側スリーブ307の回転力は、前記出力側スリーブ308、連結バー310、太陽ギア304、遊星ギア305、キャリア303に伝達され、前記スラット巻取部305を回転させることになる。
【0078】
よって、停電等により、モータ30Aが動かない時でも、スラット1を巻上げたり、巻戻したりすることができる。
また、停電等の場合以外に、電動から手動への切換えの際には、単にモータ30Aを停止させるだけでよく、逆に手動から電動に切換える際には、特別な操作を必要としない。
【0079】
前記ボールチェーン31は、前記モータ30Aの停止時に、スラット巻取部30に回転力を付与するもので、図6に示したように、このボールチェーン31の操作部位P(図示せず)を室内側に臨ませるため、前記ボールチェーン31は、前記スプロケット歯車32から導出手段33を介して、室内側に導出されている。
【0080】
よって、前記歯車32からボールチェーン31を鉛直に降ろした場合に、ボールチェーン31の操作部位Pが室内側に導かれず、スラット巻取部30を駆動させることができなくなるという、問題点を解決できるようになっている。
以下、前記導出手段33の構成例を図35〜図38に基づいて詳細に説明する。
【0081】
この導出手段33は、4個のリール330,331,332,333と、これらのリール330〜333を回転可能な状態に取付ける取付台334からなっている。
前記リール330と331が、前記リール332と333がそれぞれ対になり、且つ、各リール330と331の各リムに設けられた溝330aと331aを、各リール332と333の各リムに設けられた溝332aと333aを、それぞれ対向させつつ、配置されている。
そして、前記各溝330aと331aによって形成された孔335にループ状の前記ボールチェーン31を通し、前記各溝332aと333aによって形成された孔336に他方の前記ボールチェーン31を通している。
【0082】
前記取付台334は、図6に示したように、前記各孔335,336の位置が前記ガイド機構4に沿って設けられた縦枠34の室内側面340に臨むように、横枠35に固定されている。
【0083】
よって、前記ボールチェーン31は、そのループ一端が歯合する前記歯車32から前記孔335,336を介して、そのループ他端がガイド機構4に沿って室内側に導出されている。
【0084】
なお、前記ボールチェーン31の他端は、前記縦枠34の室内側面340に回転可能に取付けられた張着手段としての滑車36(図6参照)に取付けられている。
この滑車36は、前記ボールチェーン31の引張り操作の際に、そのボールチェーン31が前記縦枠34等に当たって生じる衝突音の発生を防止するもので、ボールチェーン31が所定の張力を保てるようにしている。
【0085】
前記滑車36の周囲は、この滑車36と同軸的に前記縦枠34に取付けられた半円形のカバー37で覆われており、子供のイタズラ等による不測の事故の発生を防ぐようにしている。
【0086】
この実施形態では、4個の回転可能なリール330,331,332,333を導出手段に用いることにより、ボールチェーン31の引張り操作の容易性及び消音を図っているが、導出手段としては、これに限定されるものではない。例えば、パイプ状の導管でもよい。また、駆動手段として前記歯車32に歯合するボールチェーン31を用いているが、ベルトとベルト車でもよい。
【0087】
次に、前記ボールチェーン31用のホルダー317について図37及び図38に基づいて説明する。
このホルダー317は、ボールチェーン31の各ボール間の接続部313aをホールドするもので、前記各リール330と331の孔335に連続する板体317aに、ボールチェーン31の接続部313aの径に対応する切欠き317dを設けることによって構成されている。
このホルダー317は、手動操作状態において前記ボールチェーン31を操作する場合に有効であり、簡単な構造により、ボールチェーン31の動きを規制し、スラット1の昇降、揺動の動きを規制するホルダー317とすることができる。
【0088】
以上のように構成されている手動巻取機構3Bにおいて、前記スラット1により開口部Oを閉鎖したり、開放するには、室内側に臨んでいる前記ボールチェーン31の操作部位(図7のP)を引下げたり、引上げればよい。
途中で閉鎖を止める場合には、ボールチェーン31の所定の接続部313aを前記ホルダー317の切欠き317dにホールドさせればよい。
【0089】
各スラット1の揺動は、前記最下段のボトムスラット1Aが前記ロック機構6を介してロックされるまで、前記ボールチェーン31を操作した後、スラット1を開放する方向に前記ボールチェーン31を操作すればよい。
【0090】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの前記ロック機構6の解除]
次ぎに、図39に基づいて、手動による前記ロック機構6の解除装置及び解除方法について説明する。
通常、前記ロック機構6は閉の状態にセットされ、前記各係合部60の終端には、前記バネ61,61が巻かれたガイド棒65,65が設けられ、それらのガイド棒65,65は、前記収納部62,62から、それぞれ中央に向かって突出し、その中間において、前記ボトムスラット1Aに配置されたロック解除装置66に接続されている。
【0091】
このロック解除装置66は、回動レバー660と、この回動レバー660を取付けると共に、その軸661を中心に、略点対称の位置に設けられた係止突起662,662を回転させる回転板663と、この回転板663を軸着すると共に、前記係止突起662,662の回動軌跡に一致させた係止突起用ガイド孔664,664を備えた本体665と、前記係止突起662,662を取付ける係止孔666,666を一端に設けると共に、他端に前記ガイド棒65,65を取付けた連結棒667,667からなっている。
【0092】
この解除装置は、次のように操作される。
前記回動レバー660を図39の紙面上、反時計周りに回動させると、前記係止突起662,662が係止突起用ガイド孔664,664にガイドされて、やはりそれぞれ反時計周りに回動し、係止突起662,662が連結棒667,667をそれぞれ引き寄せる。
その結果、前記バネ61,61の付勢力に抗して、前記係合部60,60が、係合ピン63,63から離れ、ロックが解除されるようになっている。
【0093】
なお、前記回転体663の下部には停止爪663aが形成され、その停止爪663aが、本体665に固着されている板バネ665aの山を乗り越えることにより、ロックの解除状態を保持できるようになっている。
このように、ロック解除装置66を設けることにより、スラット1により開口部Oを閉鎖しても、前記回動レバー660の回動という単純な操作により、ロックを解除できる。よって、火災等の緊急事態にも、迅速に対処できる。
【0094】
前記各スラット1の開放状態においても、ロック状態を保持できることが好ましい。その保持装置の構成例について、同図40及び図41を参照しつつ説明する。
この保持装置は、前記回動レバー660を回転体663から着脱自在な構成とし、またロック位置にある回動レバー660の回動を規制する規制装置67からなっている。
【0095】
まず、前記回動レバー660の着脱自在な構成は、回転体663に前記回動レバー660用のポケット660aを設けたことにより達成される。
また、規制装置67は、前記ボトムスラット1Aの次段スラット1C裏面に設けられたレール溝670と、このレール溝670をスライドするスライド板671からなっている。
【0096】
上記保持装置の使用方法は次の通りである。
まずロック状態にある回動レバー660を回転体663のポケット660aから引き抜く。
次に、前記スライド板671を前記レール溝670に沿って、図面上、右位置から左位置にスライドさせる。
その後、引き抜いた回動レバー660を前記ポケット660aに差戻し、スラット1を揺動して開放状態にすればよい。
【0097】
この保持装置によれば、図40に示すように、回動レバー660の回動がスライド板671に規制されて、ロック状態が維持され、スラットを開放状態にしても、防犯性を維持できる。
もちろん、スラットを開放状態とする前の閉鎖状態、即ち、各スラット1が図7に示したような状態においても、上記保持装置を同様に作用させることにより、防犯性を高めることができる。
【0098】
上記実施態様では、第1,第2の伸縮自在手段として、第1,第2のボールチェーン52,55を用いていたが、図42(イ)に示したように可撓性の第1,第2のワイヤー52A,55Aにより構成してもよい。
これらの第1,第2のワイヤー52A,55Aには、外吊金具51A…,内吊金具54A…が、各スラットを揺動可能な間隔で、複数、配置されている。
前記外吊金具51A及び内吊金具54Aは、前記前記外吊金具51及び内吊金具54と同様の機能を果たすもので、第1,第2のワイヤー52A,55Aにそれぞれ固着されている。
そして、各ワイヤー52A,55Aは、可撓性を備えているので、図42(ロ),(ハ)に示したように、それぞれ上下端間において伸長又は短縮する伸縮機能を備えている。
【0099】
[第3実施形態に係るシャッター]
第3実施形態に係るシャッターは、そのスラットに特徴があるもので、前記揺動機構5により動作される揺動スラット部10と、前記揺動機構5に動作されず、且つ、それぞれ上下方向に隣接されて連結される吊下スラット部11に分割されて構成されているスラット1と、ボトムスラット1Aと、通常のスラット1Bから構成されている。
これらのスラット1〜1Bは、それぞれ両端が前記ガイド機構4にガイドされつつ、前記巻上巻戻機構3Aによりスラット巻取部3に巻上げられ、またスラット巻取部3から巻戻される。
【0100】
また、前記スラット1〜1Bが巻上巻戻機構3Aにより巻戻されて、建物の開口部を閉鎖した場合(図43(イ))、前記揺動機構5によりスラット1の揺動スラット部10が揺動され、建物の開口部の略全面が開放され、通風、採光或いは調光が可能となる(図44(イ)及び(ロ))。
一方、この場合、前記スラット1の吊下スラット部11は、揺動されず、スラット1を吊り下げ支持し、揺動スラット部10のたわみを抑える(図44(イ)及び(ハ))。
【0101】
よって、風などの外力によりスラット1が騒音を発することもなく、また上下に隣接する各スラット1が巧く重合し、またスラット1の巻取径が大きくなることもなく、さらに中間柱による出入りの邪魔、その取付け、取外しの煩雑さを解消できる。
【0102】
前記スラット1の揺動スラット部10は、各図に示したように、中空状のアルミニウム等の押出型材よりなり、その両端にエンドキャップ100,101を取付けている。なお、上述のように、揺動スラット部10は前記吊下スラット部11を中心に左右に分割されているので、図43の図面上、左側に配置された揺動スラット部10の構成例を中心に説明する。
【0103】
前記揺動スラット部10の上部には、図47等に示したように、スラット1の室外側に幅広の傾斜面102を有し、室内側に幅狭の傾斜面103を有した凸部104が形成されている。一方、その下部には、前記凸部104の幅広傾斜面102の肩に当接する壁面105と、前記凸部104の幅狭傾斜面103の肩に当接する壁面106を有した下開き凹部(単に凹部という)107が形成されている。
よって、図45(イ)のように、上段に位置する揺動スラット部10の凹部107に、その下段に位置する揺動スラット部10の凸部104が入り込み、シャッターのスラット1を閉鎖するようになっている。
また、図46(イ)のように、上段の揺動スラット部10の凹部107から、その下段の揺動スラット部10の凸部104が上下方向に離れることにより、各揺動スラット部10が揺動可能にされる。
【0104】
左右の前記エンドキャップ100,101は、それぞれ揺動スラット部10の中空部108に嵌込み可能なようにその断面が形成されている。
また、前記エンドキャップ101には、前記吊下スラット部11のエンドキャップ110に重合する上片101Aと、下片101Bが形成されている。
【0105】
前記スラット1の吊下スラット部11は、各図に示したように、中空状のアルミニウム等の押出型材よりなり、その両端に前記エンドキャップ110,110を備えている。
【0106】
前記吊下スラット部11の上部には、図47等に示したように、スラット1の室外側に肩を有する凸部111が形成され、その上部に略T字状の吊下部112が形成されている。一方、その下部には、前記凸部111の肩に当接する壁面113と、前記凸部111の上面に接する壁面114を有した下開き凹部(単に凹部という)115が形成されている。
そして、前記略T字状の吊下部112には、下向きフック部112Aが形成され、一方、前記凹部115の壁面114には、前記フック部112Aに係合する上向きフック部114Aが形成されている。
【0107】
よって、図45(ロ)のように、上段に位置する吊下スラット部11の凹部115のスペースに、その下段に位置する吊下スラット部11の吊下部112が入り込み、シャッターのスラット1を閉鎖するようになっている。
また、図46(ロ)のように、上段の吊下スラット部11の上向きフック部114Aに、その下段の吊下スラット部11の下向きフック部112Aが係止され、上下方向の各吊下スラット部11,11,11・・・が連結されて、前記スラット1を吊下げ保持している。
なお、前記吊下部112のピッチ間隔は前記揺動スラット10の揺動の揺動間隔(後述)と略同間隔である。
【0108】
前記エンドキャップ110は、図47のように、吊下スラット部11の中空部116に嵌込み可能なようにその端面が形成されている。また、前記エンドキャップ101の上片101Aと重合する上片110Aと、同下片101Bと重合する下片110Bがそれぞれ形成されている。
よって、シャッターをスラット1により閉鎖した場合において、前記揺動スラット10と前記吊下スラット11の境界から光が漏れることを防ぐことができる。
【0109】
上記のように構成された前記揺動スラット10と前記吊下スラット11の動作につき、その同期を図るため、図47に示したような連結管12が配置されている。
即ち、前記連結管12は、その両端が左右の揺動スラット部10に固定され、前記吊下スラット部11に対しては、その孔120、121を介して空転可能に取付けられている。そして、前記連結管12の取付位置は、後述のスラット1の短ピン53の位置に略一致している。
よって、左右の揺動スラット部10と吊下スラット部11は、スラット1の巻取及び巻戻の際にも、同期して動作され、またスラット1の揺動の際にも、左右の揺動スラット10は同期して揺動されるが、吊下スラット部11は揺動されず、揺動を円滑に行わせることができる。
【0110】
上記実施形態では、スラット1の略中央に1つの吊下スラット部11を形成しているが、開口部の幅に応じて、1枚のスラット1に複数個の吊下スラット部11を形成してもよい。
【0111】
その他の構成は、第1,第2実施形態と同様であるので、同様の作用効果を奏する。
【0112】
【発明の効果】
請求項1及び2に記載の発明によれば、シャッターを構成するシャッターボックス、スラット巻取部及びガイド機構が室内側に配置されたことで、シャッターが窓枠より室外側に現れることがない。
即ち、ガラス障子より室内側にシャッターのスラットを設置することで、上述の「ガラス破り」に対する有効な防犯対策にすることができる。
また、建物の外観に影響を与えるシャッター等の設置に制約がある場合には、防犯上の不安があるが、本発明によれば、設置の制約に抵触することなく、防犯上の不安を解消できる。即ち、窓からの防犯対策が不充分なマンション等に取付けることで、防犯機能を高めることができる。
【0113】
また請求項2に記載の発明の場合、スラット巻取部及びシャッターボックスの室内側への出っ張りを抑えることができる。
【0114】
請求項3に記載の発明によれば、カーテンレールの設置が不要となり、またシャッターボックスの下部がカーテン類の設置に最適な位置となる。
【0115】
請求項4に記載の発明によればスラットの揺動を習慣に馴染んだ方法で行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るシャッターの縦断面図、
【図2】同横断面図、
【図3】同横断面図、
【図4】第2実施形態に係るシャッターの縦断面図、
【図5】同横断面図、
【図6】第1及び第2実施形態のシャッターの概略構成を示す正面図、
【図7】同シャッター下部の詳細図、
【図8】同シャッターの下部スラットの要部正面図、
【図9】同側面断面図、
【図10】同シャッターの上部スラットの要部正面図、
【図11】同側面断面図、
【図12】Aは、実施形態に係るシャッターの揺動機構の要部斜視図、Bは、同分解斜視図、
【図13】(イ)は、同横断面図、(ロ)は、同縦断面図、
【図14】(イ)は、同横断面図、(ロ)は、同縦断面図、
【図15】実施形態に係るロック機構の要部正面図、
【図16】実施形態に係るロック機構の要部正面図、
【図17】実施形態に係る制御部の構成例図、
【図18】実施形態に係る制御部によって実行されるフローチャート図、
【図19】同フローチャート図、
【図20】同フローチャート図、
【図21】同シャッターの揺動機構の作用説明図、
【図22】同フローチャート図、
【図23】同シャッターの揺動機構の作用説明図、
【図24】別例の制御部の構成例図、
【図25】別例の制御部の構成例図、
【図26】別例の制御部の構成例図、
【図27】制御部の電源回路にバッテリーを組込んだ構成例図、
【図28】制御部の電源回路にバッテリーを組込んだ別例の構成例図、
【図29】制御部の電源回路にバッテリーを組込んだ別例の構成例図、
【図30】手動巻取機構の構成例図、
【図31】手動巻取機構の構成例図、
【図32】手動巻取機構の構成例図、
【図33】手動巻取機構の構成例図、
【図34】手動巻取機構の構成例図、
【図35】手動巻取機構の構成例図、
【図36】手動巻取機構の構成例図、
【図37】手動巻取機構の構成例図、
【図38】手動巻取機構の構成例図、
【図39】実施形態に係るロック機構を示したボトムスラットの構成図、
【図40】実施形態に係るシャッターの保持装置の正面図、
【図41】同側面図、
【図42】(イ)は、別例に係る伸縮自在手段の構成斜視図、(ロ)は、同手段の要部斜視図、(ハ)は、同手段の作用説明図、
【図43】(イ)〜(ハ)は、第3実施形態のシャッターの閉鎖状態の正面図、揺動スラット部の断面図、吊下スラット部の断面図、
【図44】同(イ)〜(ハ)は、同シャッターの開放状態の正面図、揺動スラット部の断面図、吊下スラット部の断面図、
【図45】(イ)、(ロ)は、シャッターの閉鎖状態での揺動スラット部の断面図、吊下スラット部の断面図、
【図46】(イ)、(ロ)は、シャッターの開放状態での揺動スラット部の断面図、吊下スラット部の断面図、
【図47】スラットの要部斜視図。
【符号の説明】
1 1C 1D スラット
1A ボトムスラット 1B 通常スラット
13B 最上端のスラット
10 揺動スラット部 11 吊下スラット部
1a 上端部 1b 下端部
2 シャッターボックス
2A チェーン 2B 上限センサ
2C 下限センサ
3 スラット巻取部 30 巻胴
3A 巻上巻戻機構 3B 手動巻取機構
4 ガイド機構
5 揺動機構 6 電動ロック機構
7 移行調整機構 8 障害物検知機構
20 カバー本体 21 躯体側取付部
22 ガイド片(ガイド部材) 23 カーテンレール
30 スラット巻取部
30A 電動モータ 30B 制御部
30D 差動ギア
30E スプリングクラッチ 30F 取付枠
31 ボールチェーン(駆動手段)
32 歯車 33 導出手段
34 縦枠 35 横枠
36 滑車 37 カバー
40 ガイド縦枠 41 ガイド下枠
50 長ピン 51 外吊金具
52 第1のボールチェーン 53 短ピン
54 内吊金具 55 第2のボールチェーン
56 中間金具 57 腕部材
58 バネ
60 係合部 61 バネ
62 収納部 63 係合ピン
64 固定枠 60a 摺動カーブ
65 ガイド棒 66 ロック解除装置
67 規制装置 68 ソレノイド
70 モヘヤ
80 障害物接触部材 81 加圧部材
82 テープセンサ
100 101 エンドキャップ 102 傾斜面
103 傾斜面 104 凸部
105 壁面 106 壁面
107 下開き凹部 108 中空部
101A 上片 101B 下片
110 エンドキャップ 111 凸部
112 吊下部 113 壁面
114 壁面 115 下開き凹部
112A 下向きフック部 114A 上向きフック部
116 中空部 110A 上片
110B 下片 12 連結管
120、121 孔
300 出力軸
302 内歯車 303 キャリア
304 太陽ギア 305 遊星ギア
306 スプリング
307 入力側スリーブ 307a 切欠部
308 出力側スリーブ 308a 嵌合部
309 円柱部 310 連結ロッド
316 繰出口 313a 接続部
317b 板体 317d 切欠
330,331,332,333 リール
330a,331a,332a,333a 溝
334 取付台 335 336 孔
340 室内側面
400 半導体スイッチ
510 ボールチェーン用孔
511 ストッパ用孔 511a 511b 段差部
512 長ピン用孔
513 ストッパ 513a フック
520 ボール 521 孔
522 ピン 542 短ピン用孔
660 回動レバー 661 軸
662 係止突起 663 回転板
664 係止突起用ガイド孔 665 本体
666 係止孔 667 連結棒
663a 停止爪 665a 板バネ
670 レール溝 671 スライド板
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物の開口部の室内側に取付けられる室内用防犯シャッターに関する。
【0002】
【従来の技術】
空き巣、居直り強盗等、社会不安を引き起こす犯罪の発生件数が高水準で推移している。
空き巣の家屋侵入の手口には、ピッキング等で玄関から侵入する場合の他、窓ガラスを割って、クレセント等を開錠して侵入する場合も多い。段上への足場があれば、2階等のベランダから室内に侵入してくるケースもある。
この「ガラス破り」の対策として、建物の窓部の場合には、従来からシャッターが取付けられている。
【0003】
しかし、建物の外観に影響を与えるシャッター等の建具の設置に制約がある場合には、シャッターを設置することができず、前記「ガラス破り」の対策には、補助鍵の設置、合わせガラスの導入等、限定されたものであった。
【0004】
一方、サッシメーカとしての出願人は、その独自の技術を用いて、窓の防犯機能を徹底的に高めることができる製品を社会に提供するため、従来から自社で開発しているシャッターに着目した。
このシャッターは、防風、防雨、防犯、プライバシーの保護等の機能に加えて、通風性、採光性を発揮できる構造となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−70465(図1、図23)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願発明は、前記シャッターが持つ防犯機能やプライバシーの保護機能を重点的に追求しつつ、さらに通風性、採光性を確保できる室内用防犯シャッターを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明に係る室内用防犯シャッターは、建物の開口部の室内側上方に、スラット巻取部及びこのスラット巻取部をカバーするシャッターボックスを配置し、このスラット巻取部から巻上又は巻戻される複数枚のスラットをガイドするガイド機構を前記開口部の窓枠より室内側に配置すると共に、これらスラットを揺動させる揺動機構を設けたことを特徴とする(請求項1に記載の発明)。
【0008】
ここで窓枠は、例えば開口部を開閉するガラス障子を配置するサッシ枠等を意味する。
本発明により、シャッターを構成するシャッターボックス、スラット巻取部及びガイド機構が室内側に配置されたことで、シャッターが窓枠より室外側に現れることがない。
即ち、ガラス障子より室内側にシャッターのスラットを設置することで、上述の「ガラス破り」に対する有効な防犯対策にすることができる。
また、建物の外観に影響を与えるシャッター等の設置に制約がある場合には、防犯上の不安があるが、本発明によれば、設置の制約に抵触することなく、防犯上の不安を解消できる。即ち、窓からの防犯対策が不充分なマンション等に取付けることで、防犯機能を高めることができる。
【0009】
上記目的を達成するため、建物の開口部の上部に、スラット巻取部及びこのスラット巻取部をカバーするシャッターボックスを配置し、このスラット巻取部から巻上又は巻戻される複数枚のスラットをガイドするガイド機構を前記開口部の窓枠より室内側に配置すると共に、これらスラットを揺動させる揺動機構を設けたことを特徴とする室内用防犯シャッターとした(請求項2に記載の発明)。
【0010】
この発明によれば、上記作用効果に加え、シャッターボックスの室内側への出っ張り幅を抑えることができる。
【0011】
上記各発明において、前記シャッターボックスの下部にカーテンレールを配置してもよい(請求項3に記載の発明)。
シャッターボックスの下部がカーテン類の設置に最適な位置となり、またカーテンレールの設置が不要となる。
【0012】
上記各発明において、前記揺動機構は、スラットの回転軸を中心としてスラット上部端が室内側に、スラット下部端が室外側になるように回動動作させることを特徴とする(請求項3に記載の発明)。
スラットの揺動を習慣に馴染んだ方法で行える。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は第1実施形態に係る室内用防犯シャッターの縦断面図、図2及び図3はそれぞれ同シャッターの横断面図である。
図4は第2実施形態に係る室内用防犯シャッターの縦断面図、図5は同シャッターの横断面図である。
なお、これらの各図及び後述する各図において、同一の構成は同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0014】
[第1実施形態に係る室内用防犯シャッター]
第1実施形態に係る室内用防犯シャッター(以下、単にシャッターともいう)は、図1〜図3のように、建物の開口部Oの室内側上部の壁面Hに、シャッターボックス2及びこのボックス2に収容され、電動又は手動によりスラット1の巻上又は巻戻を行うスラット巻取部3を配置し、前記スラット巻取部3から巻上又は巻戻される複数枚のスラット1をガイドするガイド機構4を前記開口部Oの窓枠G1より室内側に、且つ、開口部Oの両サイドに配置している。
そして、これらスラット1を揺動させる揺動機構5が、前記スラット1の両サイド及び前記ガイド機構4等に設けられている。
【0015】
前記スラット1の詳細は後述するが、防犯性を重視した前記シャッターのスラットとして、その耐風性能、防水性能が問題とならず、その分の軽量化、薄板化等を図ることができる。
また、前記揺動機構5により、各スラット1はその回転軸を中心としてスラット上部端を室内側に、スラット下部端を室外側に回動動作させる(後述の図23参照)。
【0016】
前記シャッターボックス2は、カバー本体20が室内側壁面Hに固定された躯体側取付部21を介して取付けられている。
このシャッターボックス2の下部には、前記スラット1の巻上又は巻戻を行う際のガイドとなるガイド片22が形成され、また、カーテンレール23が取付けられている。
【0017】
前記スラット巻取部3は、一端がベース板Bに係止固定されたL字板Lに巻胴30が回転可能に取付けられており、この巻胴30が後述の巻上巻戻機構3A又は手動巻取機構3Bにより回転されるようになっている。
【0018】
前記ガイド機構4は、開口部Oの左右両サイドに沿って取付け固定され、前記スラット1の両端部をガイドするガイド縦枠40がそれぞれ形成されている。
【0019】
以上のようなシャッターによれば、第1に、開口部Oの室外側からは、スラット1以外のシャッター構成が見え難く、シャッタ―の設置に制約がある集合住宅などにおいても窓の防犯機能を高めることができる、
第2に、前記スラット1は、揺動可能であることから、前記スラット1により開口部Oを閉鎖した状態であっても、採光、通風を確保ができる。
第3に、シャッターボックス2の下部を利用してカーテンレール23を取付けたことで、カーテンレールを個別的に取付ける必要がなくなると共に、そのカーテンにより室内との調和を図ることができる。
【0020】
[第2実施形態に係る室内用防犯シャッター]
第2実施形態に係るシャッターは、図4及び図5に示したように、建物の開口部Oの上部の空間に、シャッターボックス2及びその内部にスラット巻取部3を配置し、前記ボックス2の下方であって、開口部Oの室内側にガラス障子Gを取付ける窓枠G1を、その室内側に前記スラット巻取部3から巻上又は巻戻される複数枚のスラット1をガイドするガイド機構4を配置する。
【0021】
前記シャッターは、建物の壁厚と開口部Oの上部の空間を利用して、その空間に前記ボックス2を収めるものである。なお、前記ボックス2の室外側には、遮蔽板24が配置されている。
前記開口部Oの高さ寸法は、通常の窓寸法に前記ボックス2の高さを加えたものであればよい。
【0022】
この実施形態では、前記ガイド機構4を一体的に取付けたシャッター枠Sが設けられ、このシャッター枠Sの室外側に前記窓枠(サッシ枠)G1が設けられている。このサッシ枠G1とシャッター枠Sは別体でも一体でもよい。
その他の構成は、上記第1実施形態と略同一である。
【0023】
この第2実施形態によるシャッターによれば、上記第1実施形態と略同一の作用効果を奏する他、シャッターボックス2の室内側への出っ張りを抑えることができる。
【0024】
以上のように構成された第1及び第2実施形態に係るシャッターのスラット1は、手動又は電動、或いは電動及び手動で動作させることができるが、以下の説明では、電動及び手動の場合の構成例を説明する。
【0025】
前記シャッターは、後述の制御部30Bを介して、それぞれ、スラット1,1,1…の「上昇」、「上昇/下降の停止」又は「下降」の上昇下降モード動作を行う巻上巻戻機構3Aと、スラット1,1,1…の「開き」、又は「閉じ」の開閉モード動作を行う揺動機構5と、下降するスラット1の最下段に取付けられたボトムスラット1Aのロック及びその解除を行うロック機構6と、前記開閉モード動作に移行させるため、前記ボトムスラット1Aの位置を調整する移行調整機構7を備えている。
【0026】
上記構成のシャッターでは、前記巻上巻戻機構3A及び揺動機構5の駆動源となるモータ30Aは、前記制御部30Bにより、上昇下降モード動作に比べ開閉モード動作の回転数が小さく制御されている。
従って、操作者が、採光量、通風量或いは日照量の調整のため、図6に示したスイッチSの開スイッチS4又は閉スイッチS5をオンし、各スラットの動きを目視しつつ、オフした時点で、操作者はその意図する開閉角度でスラット1,1,1…の揺動を停止させることができるようになっている。
【0027】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの巻上巻戻機構(電動)]
前記巻上巻戻機構3Aは、チェーン2A等を介して前記スラット巻取部3に回転力を与える前記モータ30A、前記ガイド機構4、上昇するスラット1の上限を検出する上限センサ2B、下降するスラット1の下限を検出する下限センサ2C及び障害物検知機構8を備えている(図6参照)。
【0028】
前記モータ30Aは、DCモータ又はACモータを用いる。DCモータの場合にはバッテリーB又は自家発電電源としての太陽電池(図示せず)から電力が供給される。商用電源の場合は、変圧及び整流された電力が供給される。
DCモータを用いることにより、その優れた速度制御性を生かすことができ、また交流電源の配線が不要になる場合がある。
その他、商用電源とのコードによる常時接続に起因する外観の「煩雑さ」を解消できるし、省エネを図ることもできる。
前記バッテリーBを前記ガイド機構4の室内側に位置するシャッター縦枠34のセットし易い場所に、着脱可能に配置してもよい。この場合、バッテリーBのメンテナンスが容易である。
なお、後述するように、前記商用電源又は前記太陽電池を用いて前記バッテリーBの充電を行うようにしてもよい。
【0029】
前記上限センサ2B及び下限センサ2Cは、近接スイッチ等の磁気センサが用いられており、これらの検出信号は前記制御部30Bに送出される。
なお、センサとしては、その他、リミッタスイッチ、光センサ等、どのようなものでもよい。
【0030】
前記障害物検知機構8は、図7に示したように前記ボトムスラット1Aの下部に回動可能に取付けられた障害物接触部材80と、この接触部材80が障害物に接触し回動された時に、その回動と共に回動する加圧部材81と、この加圧部材81により圧力が加えられた場合に検出信号を出力するテープセンサ82からなっている。
前記障害物接触部材80は、前記ボトムスラット1Aの略全長に沿って取付けられており、その先端801がカバー10aに接する方向にバネ等により常時附勢されている。
前記加圧部材81は、前記障害物接触部材80に固定された基端810と、前記テープセンサ82を圧接する先端811と、回動軸となる回動部812からなっている。
前記テープセンサ82は、前記ガイド機構4に沿って室内側に配置されている。
このように構成された障害物検知機構8では、図7に示したように、障害物がシャッター下枠41とボトムスラット1A間に挟まった場合には、前記障害物接触部材80が上方に回動し、その回動と共に前記加圧部材81の先端811が回動部812を中心に室内側に回動し、前記テープセンサ82に圧力を加える。その圧力検出信号は、前記制御部30Bに送出されるようになっている。
【0031】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの揺動機構]
次に、前記揺動機構5の構成例を図8乃至図11に基づいて説明する。
揺動機構5は、それぞれ各スラット1の両端に設けられており、以下の説明では一方の揺動機構5を他方の揺動機構5に代表させて説明する。
なお、図8以下においては、前記障害物検知機構8の図示を省略している。
前記揺動機構5は、ボトムスラット1A直上の次段スラット1Cから、上部の所定位置のスラット1Dまでの各スラット1の側端に固定された第1の軸手段としての長ピン50,50,50…と、これらの各長ピン50…を回転可能に取付ける第1の取付手段としての外吊金具51,51,51…と、各吊金具51を所定の間隔で連結する第1の伸縮自在手段としての第1のボールチェーン52と前記次段スラット1Cから、前記スラット1Dまでの各スラットの側端に固定された第2の軸手段としての短ピン53,53,53…と、各短ピン53を回転可能に取付ける第2の取付手段としての内吊金具54,54,54…と、これら内吊金具54を所定の間隔で連結する第2の伸縮自在手段としての第2のボールチェーン55からなる。
【0032】
前記長ピン50は、各スラット1が揺動する際の回転軸となるもので、図9等に示したように、各スラット1の側端上部から、第2のボールチェーン55より外側に伸びて、各外吊金具51に回転可能に取付けられている。
ここで、図12A、図12Bに基づいて前記外吊金具51の構成例を説明する。
この外吊金具51は、略長方体をなし、その内部には、鉛直方向に貫通するボールチェーン用孔510と、前記ボールチェーン52に外吊金具51を取付けるストッパ用孔511と、前記長ピン用孔512が設けられている。
そして、前記長ピン50の先端が臨む部分は、略長方体状に切欠かれている。
【0033】
前記第1のボールチェーン52は、ボール520と隣接するボール520間の各孔521に出没可能、かつ、離脱不能なピン522を複数組合わせてなり、ピン522の高さ寸法に略等しい幅で伸縮する(図13,図14参照)。
そして、スラット1,1,1…の自重が、前記各長ピン50、前記外吊金具51を介して、前記第1のボールチェーン52に伝達されることにより、第1のボールチェーン52は伸長状態になり、各スラット1が揺動可能な状態になる。また、スラット1,1,1…を巻上げる場合には、前記巻取部30の回転に追随できるようになっている。
【0034】
第1のボールチェーン52の下端は、図8に示したように中間金具56及びこの金具56を固定する腕部材57を介してボトルスラット10の側面に固定されている。
一方、前記第1のボールチェーン52の上端は、図10に示したように中間金具56を介して、付勢手段としてのバネ58に取付けられ、そのバネ58はスラット側端に固定されている長ピン50aに係止されている。
このバネ58は、スラットの巻戻しの際には、前記第1のボールチェーン52の伸長動作を緩和し、またスラットの揺動の際には、第1のボールチェーン52に加えられるスラットの巻上げ力を吸収する等の作用を果すが、必須の部材ではない。よって、前記中間金具56を所定位置の長ピン50aに直接固定してもよい。
上端と下端間の第1のボールチェーン52は、図12に示したように、前記吊金具51のボールチェーン用孔510に挿通され、前記ストッパ用孔511から差入れられたストッパ513により、前記吊金具51が取付けられている。
【0035】
このストッパ513には、その弾性を利用した一対のフック513aが形成されており、このストッパ513に対応させて、前記ストッパ用孔511にも前記フック513aの先端を係止させる段差部511aと前記フック513aの基端を係止部させる段差部511bがそれぞれ形成されている。
そして、図13及び図14の(イ)、(ロ)に示したように、ボール520a,520a間のピン521aを、一対のフック513a間にホールドし、各スラット1が揺動できる間隔で、各吊金具51をボールチェーン52に取付けている。
【0036】
前記短ピン53は、前記長ピン50を中心にして回動動作し、各スラット1を揺動させるもので、図8等に示したように、各スラット1の側端中央部から突出し、各内吊金具54に回転可能に取付けられている。
この内吊金具54は、前記短ピン53を取付ける短ピン用孔542を設けた他は、前記外吊金具51と略同様に構成されている。
また、前記第2のボールチェーン55は、上記第1のボールチェーン52と略同一の構成であって、異なる点は、図8に示したようにその下端が次段スラット1Cの内吊金具54を介して取付けられている点と、上端が図10に示したように最上端スラット13Bの内吊金具54に固定されている点である。
なお、図10に示したように、最上端スラット13B乃至スラット15B及びこれらに対応する第2のボールチェーン55は、揺動しないように構成されている。
また図11に示したように、スラット16Bの下端部1b及び前記スラット1D以下のスラットの下端部1bは、断面略逆L字状に形成され、一方、前記スラット1D以下のスラットの上端部1aは、逆L字状の前記下端部1bに常時係合、且つ、伸縮可能に構成されている。
そして、その伸縮は、上述のように前記第1,第2のボールチェーン52,55の伸縮と同期している。
【0037】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターのロック機構]
次に前記ロック機構6の構成例を図15及び図16に基いて説明する。
このロック機構(電磁ロック機構)6は、左右のガイド機構4の各ガイド縦枠40に取付けられたソレノイド68と、その鉄心軸680に固定されたストッパ681と、バネ63aにより図面上、反時計回転方向に常時付勢された係合片63と、ボトムスラット1Aの両端に設けられ、前記ガイド縦枠40に向かって出没可能な係合部60と、この係合部60をガイド縦枠40側に常時付勢するバネ61と、係合部60の一部及び前記バネ61を収納する収納部62を備えている。
【0038】
このように構成された電磁ロック機構6は、図15に示したスラット1の閉鎖状態においては、ソレノイド68が非通電状態となっており、その鉄心軸680は、バネ681aの付勢力によって、下方に突出し、前記ストッパ681が、係合片63の回動を規制している。
その結果、係合片63が前記係合部60をロックしている。
この状態から、前記スイッチSの上昇スイッチS1を押下げると、前記ソレノイド68が通電され、励磁され、鉄心軸680がバネ681aの付勢力に抗して、ソレノイドケース内に没入する。前記ストッパ681も上昇することから、前記係合片63が反時計回りに回動し、ロックを解除する(図16参照)。
従って、前記ボトムスラット1Aはその係合部60が、前記係合片63の下面63bを摺動しつつ、上昇できるようになっている。
【0039】
前記ソレノイド68の通電時間は、前記係合部60が上昇し始める僅かな時間であればよい。
前記ボトムスラット1Aが上昇し始めると略同時に、ソレノイド68が消磁されれば、鉄心軸680及びストッパ681がバネ681aの力により下方に突出し、ストッパ681の先端が、反時計回りに傾斜している係合片63の上面63cに当接することになる。
【0040】
一方、スラット1が下降してくると、前記ボトムスラット1Aの係合部60が、前記係合片63の斜面63dに当接し、前記係合片63を時計回りに回動させる。この時、前記係合片63の上面63cに当接しているストッパ681は、係合片63の回動に伴って、上下動しつつ、ガイド片682と前記係合片63の間隙に嵌まり込む。
そして、前記係合部60が、前記係合片63の斜面63d上を摺動しつつ、その下面63bに潜り込んだ時点で、ロック状態になる。
【0041】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの移行調整機構]
次に、前記移行調整機構7の構成例を説明する。
この移行調整機構7は、前記各スラット1の開閉モード動作の開始前に、前記各スラット1を揺動可能な状態に移行させるものである。
各スラット1が揺動可能な状態は、前記ボトムスラット1Aが前記ロック機構6にロックされた位置であることから、前記移行調整機構7は前記下限センサ2Cにより構成されている。
【0042】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの動作例]
以上のように構成された巻上巻戻機構3A、揺動機構5、ロック機構6及び移行調整機構7においては、制御部30Bにより、前記スイッチSの各種スイッチS1〜S6からのオン/オフ信号、前記上下限センサ2B及び2Cからの信号等に基き、前記モータ30A及びソレノイド68が制御され、それぞれ動作されるようになっている。
【0043】
前記制御部30Bには、商用電源からの交流電源を降圧し、整流して直流出力を得る電源回路、マイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに制御手順を指示するプログラム等を格納したメモリ(以上、図示せず)、このマイクロプロセッサからの制御信号により動作される半導体スイッチ400(図17参照)等がそれぞれ設けられている。
【0044】
具体的には、図17に示したように、前記モータ30Aをスイッチング素子400でドライブするもので、前記スラット1の上昇下降時には、前記素子400へのバイアスを連続的にオン(a)とし、又はオン時間を長く、オフ時間を短くする(b)。
一方、前記スラットの開閉時には、前記素子400へのオン時間を短く、オフ時間を長くする(c)。
よって、スラット開閉時とスラット上昇下降時のモータの回転速度を変化させることにより、スラットの開閉角度の調整を無段階で、かつ、スムーズな動きで実現することができる。
【0045】
以上のように構成されたシャッターの動作例を、図18〜図20、図22に示した前記プログラムのフローチャートに基いて説明する。
【0046】
前記制御部30Bの電源がオンされ、前記プログラムが起動されると、図18に示したように、前記スイッチSの上昇下降スイッチS1又はS3(図6参照)がオンされたか否か(ステップ1)、同スイッチ1の早送りスイッチS6がオンされたか否か、同スイッチ1の開閉スイッチS4又はS5がオンされたか否かを夫々判断する。
そして、前記ステップ1で上昇下降スイッチS1又はS3がオンと判断されたときはスラット上昇下降処理に移行し、前記ステップ3で早送りスイッチS6がオンと判断されたときはスラット早送り処理に移行し、前記ステップ5で開閉スイッチS4又はS5がオンされていれば、スラット開閉処理に移行する。
しかし、各ステップで各スイッチがオフと判断された場合には、上記ステップ1〜ステップ5の処理を繰り返すようになっている。
【0047】
次に、図19に基いて前記スラット上昇下降処理の処理手順を説明する。
この処理が開始され、前記上昇スイッチS1がオンされた場合には上昇準備処理(ステップ10、ステップ12)を行い、ステップ14に進む。
前記上昇スイッチS1が押される場合は、通常、前記各スラット1が完全に下降している場合、上昇/下降の途中で停止している場合であるが、これらの場合には、前記ソレノイド68に通電しロックを解除する等の上昇準備処理を行う。
なお、この段階で各スラット1が開状態等、直ちにスラット1を上昇させることが不適切な場合は、前記下限センサ2Cからの信号に基き、前記スラット1を閉じて、ステップ14に進む。
【0048】
前記ステップ14では、前記モータ30Aへの連続出力(図17の(a)参照)を行う。この場合、モータ30Aの電圧がその設定値をオーバーしているか否かを常時監視するようにしている(ステップ15)。これは、例えば上昇中のスラット1に障害物が挟まった場合等、緊急にモータ30Aを停止させ安全を図るための処理で、モータ30Aへの負荷電流の増大が所定値の抵抗を介して出力電圧として取出され、A/D変換後、その電圧値と設定値とを比較するようになっている。
よって、このステップ15の障害物検知処理において出力電圧が設定値を超えた場合には、モータを停止させる処理(ステップ16)を行う。一方、出力電圧が設定値を超えていなければステップ17に進む。そして前記上限センサ2Bがオンしたか否か(ステップ17)、スイッチSの停止スイッチS2がオンされたか否か(ステップ18)をそれぞれ判定する。
そして、前記上限センサ2B或いは停止スイッチS2がオンされればステップ20に進み、モータ30Aへの出力を停止し、前記ステップ1に戻る。
しかし、前記上限センサ2Bまたは停止スイッチS2がオンされていなければ上記ステップ14〜ステップ18の処理を繰り返す。
【0049】
一方、前記下降スイッチS3がオンされた場合には下降準備処理(ステップ21、ステップ22)を行い、ステップ24に進む。
前記下降スイッチS3が押される場合は、通常、前記各スラット1が完全に上昇している場合、上昇/下降の途中で停止している場合の他、各スラット1が開いている場合がある。この場合には、前記下限センサ2Cからの信号に基き、前記スラット1を閉じて、ステップ24に進む。
【0050】
前記ステップ24では前記モータ30Aへの断続的な出力(図17の(b)参照)を行う。この場合には、オン/オフを間欠的に繰返して電圧を印加する断続的出力のオフタイム時に、モータ30Aの端子を短絡させてブレーキ処理を行っても良い。
次に、順次、前記下限センサ2Cがオンしたか否か、前記ステップ15と同様に電圧オーバーしたか否か、前記テープセンサ82がオンしたか否か、前記スイッチSの停止スイッチS2がオンされたか否かを判断し(ステップ25〜ステップ30)、それぞれ「否」であれば、前記ステップ24に戻って、前記モータ30Aへの断続的な出力を続行する。
しかし、前記ステップ25において下限センサ2Cがオンであると判断されれば、タイマをスタートさせ(ステップ32)、次に前記ステップ15と同様に電圧がオーバーしたか否かを判断する(ステップ34)。
ここで「肯」であれば、ステップ40にジャンプしてモータ30Aの出力を停止させ、前記ステップ1に戻るが、「否」であればステップ36に進み、タイムアップか否かを判断する。
ここで「肯」であれば、ステップ40にジャンプしてモータ30Aの出力を停止させ、確実にモータ30Aを停止させた後、前記ステップ1に戻している。
一方、前記ステップ36で「否」と判断されれば、ステップ38に進み、停止スイッチS2がオンしたか否かを判断する。
ここで「肯」であれば、ステップ40に進みモータ30Aの出力を停止させ、前記ステップ1に戻るが、「否」であればステップ34に戻る。
なお、前記ステップ26で、電圧がオーバーしていればステップ42に進み、巻上げ反転処理を行い、前記ステップ1に戻る。また前記ステップ28でテープセンサ82がオンと判断されれば、同様にステップ42に進み、巻上げ反転処理を行い、前記ステップ1に戻る。その後、前記ステップ30で停止スイッチS2がオンと判断されれば、ステップ40に進み、モータ30Aの出力を停止させ、前記ステップ1に戻る。
【0051】
次に、上記スラット早送り処理を図20に基いて説明する。
この処理では、ステップ100〜ステップ132において、前記移行調整機構7が制御されて、スラットの揺動可能状態が形成される早送り処理が実行される。
この処理が開始されると、まずステップ100において前記下限センサ2Cがオンしているか否かが判断される。ここで、前記センサ2Cがオンと判断される場合の前記スラット1の状態としては、スラット1が完全に下降している状態、或いは現在スラット1が「開き」中である場合等である。
そこで、ステップ102では、一定時間、モータ30Aを回転させてスラット1を閉じる処理を行い、その後モータ30Aを停止させる(ステップ104)。
そして前記ロック機構6をオフ状態(前記ソレノイド68への通電)にし、モータ30Aを回転させてスラット1を上昇させ(ステップ106)、前記下限センサ2Cがオフとなるまでスラット1を上昇させる(ステップ108)。
そしてこのステップ108において、「オフ」と判断されればステップ110〜同ステップ114において、モータ30Aを一旦停止させ、さらに1秒間、スラットを下降動作させて前記ロック機構6をオンさせた後、モータ30Aを再び停止させステップ1に戻る。ここでスラット1の揺動可能状態が形成され、早送り処理が完了する。
【0052】
一方、前記ステップ100において、下限センサ2Cがオフと判断される場合の前記スラット1の状態としては、スラットが下降途中等の場合である。そこで、下限センサ2Cがオンとなるまでモータ30Aを回転させてスラット1を下降させる処理を行い(ステップ116、118)、オンと判断されれば、引続き3秒間、スラット1を下降動作させて前記ロック機構6をオンさせた後、モータを停止させる(ステップ120、122)。
その後、前記ロック機構6をオフ状態にし、モータ30Aを反転させてスラットを上昇させ(ステップ124)、前記下限センサ2Cがオフとなった否かを判断する(ステップ126)。
ここで、オフと判断されればステップ128〜ステップ132において、モータ30Aの一旦停止、1秒間のスラットの下降動作によりロック機構6をオンさせた後、再度モータ30Aを停止させ、ステップ1に戻る。
よって、スラット1の揺動可能状態が形成され、早送り処理が完了する(図21参照)。
【0053】
なお、前記ステップ126において、下限センサ2Cがオンであれば引続きスラット1を上昇させる。
【0054】
次に、上記スラット開閉処理を図22に基いて説明する。
この処理において、開スイッチS4がオンされた場合には、モータ30Aへパルス出力(図17の(c)参照)し、前記スイッチS4がオフされたか否か、スラット1が最大角度まで開いたか否かを判定する(ステップ200〜206)。
それぞれ「肯」であれば、ステップ208に進み、モータ出力を停止しこの処理を終了して、前記ステップ1に戻る。
一方、前記ステップ204、206で「否」であればステップ202に戻り、前記202〜206の処理を繰り返す。
【0055】
前記ステップ206において、スラット1が最大角度まで開いたか否かは、前記ステップ15と同様に、モータ30Aへの負荷電流の増大が所定値の抵抗を介して出力電圧として取出され、A/D変換後、その電圧値と設定値とを比較することにより判断される。
【0056】
一方、閉スイッチS5が押された場合には、モータ30Aへパルス出力(図17の(c)参照)し、前記閉スイッチS5がオフされたか否か、トルク等を検出して下降(閉じ)が完了したか否かを判定する(ステップ210〜216)。それぞれ「肯」であれば、ステップ218に進み、モータ出力を停止しこの処理を終了して、前記ステップ1に戻る。
一方、前記ステップ214、216で「否」と判断されれば、ステップ212に戻り、前記212〜216の処理を繰り返す。
以上のような処理により、図22に示した開閉モード動作においてスラット1の開閉角度の調整を無段階で、かつ、スムーズな動きで実現することができる。
【0057】
上記図17に示した回路構成に代えて、図24〜図26に示した回路構成でも上記実施形態と同一の作用効果を奏する。
図24は、リレーを介して回路を変更できるようにし、スラット1の上昇下降モード動作時には、負荷(抵抗)を通さずに、早いスピードでモータ30Aを回転させる。一方、スラット1の開閉モード動作時には抵抗を通して分圧させて前記モータ30Aの回転速度を遅くさせる構成を示した。
【0058】
図25は、モータ30AをMOSFET等でドライブし、ゲート電圧を変化させることにより、前記モータ30Aのスピードを変化させる構成を示した。即ち、スラットの上昇下降モード動作時には、ゲート電圧を上げ、開閉モード動作時にはゲート電圧を下げて、前記モータ30Aの回転速度を遅くさせる。
図26は、ACモータを用い、インバータ等により、周波数制御を行い、周波数を上げることにより前記モータの回転速度を高め、周波数を下げることにより前記モータの回転速度を低くする構成を示した。
【0059】
上記実施形態では、前記スラット1を下降させる前記モータ30Aに対しては、オン/オフを繰り返して間欠的に電圧を印加すると共に、そのオフタイム時に前記モータ30Aの両端をショートさせて、静止トルクを増大させるようにしているが、上昇下降動作時のモータ30Aの回転数を略同一にしてもよい。
【0060】
次に、前記制御部30Bにおいて、その電源回路にバッテリーを組込んだ回路構成を図27〜図29に示す。
なお、これら各図において、図17、図24〜図26に示した、前記モータ30Aへの供給電力を制御する回路構成は、シャッター制御回路C1として示されている。また、交流を直流に変換する電源としては、上記電源回路の他、AC/DCコンバータを用いても良い。
【0061】
図27は、商用電源により前記モータ30Aを駆動する駆動回路C2と、商用電源によりバッテリーBを充電する充電回路C3と、バッテリーBにより前記モータ30Aを駆動するバッテリー放電回路C4と、前記駆動回路C2の通電状態を監視し、同回路C2の通電、非通電を検出すると共に、その検出結果に基づいて前記バッテリ放電回路C4の開閉を行う検出手段C5を示している。
このような構成において、通常は商用電源が前記駆動回路C2に供給され、モータ30Aが駆動されると同時に、前記充電回路C3がバッテリーBを充電する。この時、前記バッテリ放電回路C4の開閉スイッチCS1は開いている。
そして、停電等で前記駆動回路C2に商用電源が供給されなくなったとき、前記スイッチCS1が閉じて、バッテリーBの電力がバッテリ放電回路C4に供給されモータ30Aを駆動するようになっている。
このような構成によれば、バッテリーBは常時、充電されており、そのバッテリーBを用いることにより、停電時においてもシャッターのスラットの巻上巻戻操作と揺動操作を行わせることができる。
また、常時バッテリーBの充電状態を保つことができ、停電等の際にも電力供給に不安がない。
【0062】
なお、前記商用電源に代えて、太陽電池の電力を前記駆動回路C2に供給してもよい。この場合には、昼間では太陽電池により前記モータ30Aが駆動され、且つ、前記バッテリーBが充電される。一方、夜間にはバッテリーBの電力が、前記モータ30Aに供給される。よって、商用電源用の配線が不要となる。
【0063】
次に、図28は、図27の前記駆動回路C2と前記充電回路C3とを共通化させた回路構成を示している。
その他の構成は、図27に示した構成と略同一であるので、同一の作用効果を奏する。
即ち、通常は前記商用電源が駆動充電回路C6に供給され、モータ30Aを駆動する同時に、バッテリーBを充電する。
そして、停電等で前記駆動充電回路C6に商用電源が供給されなくなったとき、前記検出手段C5のスイッチCS1が閉じて、バッテリーBの電力がバッテリ放電回路C4に供給され、モータ30Aを駆動するようになっている。
【0064】
次に、図29は、前記シャッター制御回路C1の非通電時に、商用電源等によりバッテリーBを充電する充電回路C3を備え、一方、前記シャッター制御回路C1の通電時に、商用電源等により前記モータ30Aを駆動するように構成されている。
そして停電した場合には、商用電源等と並列に接続されている前記バッテリーBが前記モータ30Aを駆動するようになっている。
その他の構成は、図27に示した構成と略同一であり、図28の構成による効果と同一の作用効果を奏する。
【0065】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの手動巻取機構3B]
次に、前記スラット1の昇降、停止及び揺動を手動で行うことができる手動巻取機構3Bの構成例を図30〜図38に基いて説明する。
図30は、手動巻取機構3Bが収容されているスラット巻取部30の断面図、図31は同手動巻取機構3Bを構成する差動ギアの正面図、図32は同手動巻取機構3Bを構成するスプリングクラッチの横断面図、図33は同スプリングクラッチの分解図、図34は同スプリングクラッチの要部斜視図である。
【0066】
前記差動ギア30Dは、後に詳述する前記スプリングクラッチ30Eと協働して、前記モータ30A(ここではACモータを用いている)の駆動時に、その回転力を前記スラット巻取部30に伝達して、回転させると共に、前記モータ30Aの停止時に、前記手動巻取機構3Bを構成するボールチェーン31を操作できるようにするものである。
【0067】
この差動ギア30Dは、図30に示したように、入力側に位置し、且つ、前記モータ30Aの出力側端部に連結固定された内歯車302と、出力側に位置し、且つ、前記スラット巻取部30を取付固定するキャリア303と、前記内歯車302に軸支されている太陽ギア304と、この太陽ギア304の回りを公転すると共に自転可能に前記キャリア303に軸支されている遊星ギア305、305、305からなっている。
【0068】
前記スプリングクラッチ30Eは、前記モータ30Aの駆動時には、前記モータ30Aの回転力を前記スラット巻取部30側に伝達させるため、前記太陽ギア304の回転を規制し、且つ、前記ボールチェーン31が前記モータ30Aに連動して回転してしまうことを防止する。また、前記モータ30Aの停止時には、前記太陽ギア304の回転を許容して、前記ボールチェーン31を操作できるようにするものである。
【0069】
このスプリングクラッチ30Eは、図30等に示したように、スプリング306と入力側スリーブ307と出力側スリーブ308からなる。
【0070】
前記スプリング306は、図33及び図34に示したように、前記スラット取付部30の取付枠30Fに凸設された円柱部309に空回り可能に配置されており、その一端306a及び他端306bが前記入力側スリーブ307の切欠部307a(後述)に臨んでいる。
【0071】
前記スプリング306の各端306a、306bは、前記切欠部307aの各切欠面に当接し、スプリング306は各端306a、306bから前記切欠部307aに折返すように巻かれている。
よって、前記一端306a又は他端306bに対し、力がスプリング306の巻回方向の逆方向に加われば、前記スプリング306の内径が狭まり、前記円柱部309を締め付ける。
一方、力がスプリング306の巻回方向に加われば、前記スプリング306の内径が広がり、締付け力を解消させることができる。
前記スプリングクラッチ30Eは、このようなスプリング306の作用により、前記太陽ギア304の回転を規制したり、許容している。
【0072】
前記入力側スリーブ307は、前記ボールチェーン31と歯合する歯車32を一端に固定し、且つ、その中心軸にそって外周面を切欠いた切欠部306a設け、円筒状に成形されている。そして、前記円柱部309に対し、前記スプリング306の外側に、回動可能に、且つ、同軸的に配置されている。
【0073】
一方、出力側スリーブ308は、前記入力側スリーブ306の切欠部306aに嵌合する嵌合部308aを内周面に形成して、円筒状に成形されている。そして、前記円柱部309に対し、前記入力側スリーブ307の外側に、前記嵌合部308aを介して前記入力側スリーブ307に同調して回動可能に、且つ、同軸的に配置されている。
この出力側スリーブ308の前記差動ギア30D側に、連結ロッド310を設けており、この連結ロッド310は、前記太陽ギア304に取付固定されている。
【0074】
前記差動ギア30D及びスプリングクラッチ30Eの作用動作は次のようである。前記モータ30Aが正転或は逆転すると、その回転力が前記内歯車302、前記遊星ギア305、前記太陽ギア304、前記連結ロッド310、前記出力側スリーブ308と伝達され、前記スプリング306がその内径を縮小させる方向に捻転される。
その結果、前記スプリング306が前記円柱部309を締付けるので、前記入力側スリーブ307、出力側スリーブ308、連結ロッド310、太陽ギア304の回転を規制する。
【0075】
太陽ギア304の回転が規制されると、前記モータ30Aの回転力が前記内歯車302を回転させ、前記遊星ギア305を太陽ギア304の回りに公転させ且つ自転させ、前記キャリア303に固着されている各遊星ギア305の軸を介して、前記キャリア303を回転させる。
その結果、そのキャリア303に固着されているスラット取付部30が回転し、スラット1を巻上げたり、巻戻したりする。
【0076】
前記太陽ギア304の回転が規制されているので、前記モータ30Aが駆動されても、前記入力側スリーブ307及びボールチェーン31が回転することはなく、ボールチェーン31等の回転による騒音を発生を防ぐことができる。
【0077】
次に、手動に切換えた場合の作用動作を説明する。
上述のように、前記モータ30Aが駆動されている間は、前記スプリング306が前記円柱部309を締付けている。
この状態からモータ30Aを停止させると、そのモータ30Aにブレーキが働くので、前記内歯車302の回転が規制されることになる。
そして、前記ボールチェーン31を上方又は下方に引くと、前記入力側スリーブ307が回動し、スプリング306の捻着を緩和させる方向に力が働き、前記スプリング306の前記円柱部309に対する捻着力を緩和させる。
その結果、入力側スリーブ307の回転力は、前記出力側スリーブ308、連結バー310、太陽ギア304、遊星ギア305、キャリア303に伝達され、前記スラット巻取部305を回転させることになる。
【0078】
よって、停電等により、モータ30Aが動かない時でも、スラット1を巻上げたり、巻戻したりすることができる。
また、停電等の場合以外に、電動から手動への切換えの際には、単にモータ30Aを停止させるだけでよく、逆に手動から電動に切換える際には、特別な操作を必要としない。
【0079】
前記ボールチェーン31は、前記モータ30Aの停止時に、スラット巻取部30に回転力を付与するもので、図6に示したように、このボールチェーン31の操作部位P(図示せず)を室内側に臨ませるため、前記ボールチェーン31は、前記スプロケット歯車32から導出手段33を介して、室内側に導出されている。
【0080】
よって、前記歯車32からボールチェーン31を鉛直に降ろした場合に、ボールチェーン31の操作部位Pが室内側に導かれず、スラット巻取部30を駆動させることができなくなるという、問題点を解決できるようになっている。
以下、前記導出手段33の構成例を図35〜図38に基づいて詳細に説明する。
【0081】
この導出手段33は、4個のリール330,331,332,333と、これらのリール330〜333を回転可能な状態に取付ける取付台334からなっている。
前記リール330と331が、前記リール332と333がそれぞれ対になり、且つ、各リール330と331の各リムに設けられた溝330aと331aを、各リール332と333の各リムに設けられた溝332aと333aを、それぞれ対向させつつ、配置されている。
そして、前記各溝330aと331aによって形成された孔335にループ状の前記ボールチェーン31を通し、前記各溝332aと333aによって形成された孔336に他方の前記ボールチェーン31を通している。
【0082】
前記取付台334は、図6に示したように、前記各孔335,336の位置が前記ガイド機構4に沿って設けられた縦枠34の室内側面340に臨むように、横枠35に固定されている。
【0083】
よって、前記ボールチェーン31は、そのループ一端が歯合する前記歯車32から前記孔335,336を介して、そのループ他端がガイド機構4に沿って室内側に導出されている。
【0084】
なお、前記ボールチェーン31の他端は、前記縦枠34の室内側面340に回転可能に取付けられた張着手段としての滑車36(図6参照)に取付けられている。
この滑車36は、前記ボールチェーン31の引張り操作の際に、そのボールチェーン31が前記縦枠34等に当たって生じる衝突音の発生を防止するもので、ボールチェーン31が所定の張力を保てるようにしている。
【0085】
前記滑車36の周囲は、この滑車36と同軸的に前記縦枠34に取付けられた半円形のカバー37で覆われており、子供のイタズラ等による不測の事故の発生を防ぐようにしている。
【0086】
この実施形態では、4個の回転可能なリール330,331,332,333を導出手段に用いることにより、ボールチェーン31の引張り操作の容易性及び消音を図っているが、導出手段としては、これに限定されるものではない。例えば、パイプ状の導管でもよい。また、駆動手段として前記歯車32に歯合するボールチェーン31を用いているが、ベルトとベルト車でもよい。
【0087】
次に、前記ボールチェーン31用のホルダー317について図37及び図38に基づいて説明する。
このホルダー317は、ボールチェーン31の各ボール間の接続部313aをホールドするもので、前記各リール330と331の孔335に連続する板体317aに、ボールチェーン31の接続部313aの径に対応する切欠き317dを設けることによって構成されている。
このホルダー317は、手動操作状態において前記ボールチェーン31を操作する場合に有効であり、簡単な構造により、ボールチェーン31の動きを規制し、スラット1の昇降、揺動の動きを規制するホルダー317とすることができる。
【0088】
以上のように構成されている手動巻取機構3Bにおいて、前記スラット1により開口部Oを閉鎖したり、開放するには、室内側に臨んでいる前記ボールチェーン31の操作部位(図7のP)を引下げたり、引上げればよい。
途中で閉鎖を止める場合には、ボールチェーン31の所定の接続部313aを前記ホルダー317の切欠き317dにホールドさせればよい。
【0089】
各スラット1の揺動は、前記最下段のボトムスラット1Aが前記ロック機構6を介してロックされるまで、前記ボールチェーン31を操作した後、スラット1を開放する方向に前記ボールチェーン31を操作すればよい。
【0090】
[第1及び第2実施形態に係るシャッターの前記ロック機構6の解除]
次ぎに、図39に基づいて、手動による前記ロック機構6の解除装置及び解除方法について説明する。
通常、前記ロック機構6は閉の状態にセットされ、前記各係合部60の終端には、前記バネ61,61が巻かれたガイド棒65,65が設けられ、それらのガイド棒65,65は、前記収納部62,62から、それぞれ中央に向かって突出し、その中間において、前記ボトムスラット1Aに配置されたロック解除装置66に接続されている。
【0091】
このロック解除装置66は、回動レバー660と、この回動レバー660を取付けると共に、その軸661を中心に、略点対称の位置に設けられた係止突起662,662を回転させる回転板663と、この回転板663を軸着すると共に、前記係止突起662,662の回動軌跡に一致させた係止突起用ガイド孔664,664を備えた本体665と、前記係止突起662,662を取付ける係止孔666,666を一端に設けると共に、他端に前記ガイド棒65,65を取付けた連結棒667,667からなっている。
【0092】
この解除装置は、次のように操作される。
前記回動レバー660を図39の紙面上、反時計周りに回動させると、前記係止突起662,662が係止突起用ガイド孔664,664にガイドされて、やはりそれぞれ反時計周りに回動し、係止突起662,662が連結棒667,667をそれぞれ引き寄せる。
その結果、前記バネ61,61の付勢力に抗して、前記係合部60,60が、係合ピン63,63から離れ、ロックが解除されるようになっている。
【0093】
なお、前記回転体663の下部には停止爪663aが形成され、その停止爪663aが、本体665に固着されている板バネ665aの山を乗り越えることにより、ロックの解除状態を保持できるようになっている。
このように、ロック解除装置66を設けることにより、スラット1により開口部Oを閉鎖しても、前記回動レバー660の回動という単純な操作により、ロックを解除できる。よって、火災等の緊急事態にも、迅速に対処できる。
【0094】
前記各スラット1の開放状態においても、ロック状態を保持できることが好ましい。その保持装置の構成例について、同図40及び図41を参照しつつ説明する。
この保持装置は、前記回動レバー660を回転体663から着脱自在な構成とし、またロック位置にある回動レバー660の回動を規制する規制装置67からなっている。
【0095】
まず、前記回動レバー660の着脱自在な構成は、回転体663に前記回動レバー660用のポケット660aを設けたことにより達成される。
また、規制装置67は、前記ボトムスラット1Aの次段スラット1C裏面に設けられたレール溝670と、このレール溝670をスライドするスライド板671からなっている。
【0096】
上記保持装置の使用方法は次の通りである。
まずロック状態にある回動レバー660を回転体663のポケット660aから引き抜く。
次に、前記スライド板671を前記レール溝670に沿って、図面上、右位置から左位置にスライドさせる。
その後、引き抜いた回動レバー660を前記ポケット660aに差戻し、スラット1を揺動して開放状態にすればよい。
【0097】
この保持装置によれば、図40に示すように、回動レバー660の回動がスライド板671に規制されて、ロック状態が維持され、スラットを開放状態にしても、防犯性を維持できる。
もちろん、スラットを開放状態とする前の閉鎖状態、即ち、各スラット1が図7に示したような状態においても、上記保持装置を同様に作用させることにより、防犯性を高めることができる。
【0098】
上記実施態様では、第1,第2の伸縮自在手段として、第1,第2のボールチェーン52,55を用いていたが、図42(イ)に示したように可撓性の第1,第2のワイヤー52A,55Aにより構成してもよい。
これらの第1,第2のワイヤー52A,55Aには、外吊金具51A…,内吊金具54A…が、各スラットを揺動可能な間隔で、複数、配置されている。
前記外吊金具51A及び内吊金具54Aは、前記前記外吊金具51及び内吊金具54と同様の機能を果たすもので、第1,第2のワイヤー52A,55Aにそれぞれ固着されている。
そして、各ワイヤー52A,55Aは、可撓性を備えているので、図42(ロ),(ハ)に示したように、それぞれ上下端間において伸長又は短縮する伸縮機能を備えている。
【0099】
[第3実施形態に係るシャッター]
第3実施形態に係るシャッターは、そのスラットに特徴があるもので、前記揺動機構5により動作される揺動スラット部10と、前記揺動機構5に動作されず、且つ、それぞれ上下方向に隣接されて連結される吊下スラット部11に分割されて構成されているスラット1と、ボトムスラット1Aと、通常のスラット1Bから構成されている。
これらのスラット1〜1Bは、それぞれ両端が前記ガイド機構4にガイドされつつ、前記巻上巻戻機構3Aによりスラット巻取部3に巻上げられ、またスラット巻取部3から巻戻される。
【0100】
また、前記スラット1〜1Bが巻上巻戻機構3Aにより巻戻されて、建物の開口部を閉鎖した場合(図43(イ))、前記揺動機構5によりスラット1の揺動スラット部10が揺動され、建物の開口部の略全面が開放され、通風、採光或いは調光が可能となる(図44(イ)及び(ロ))。
一方、この場合、前記スラット1の吊下スラット部11は、揺動されず、スラット1を吊り下げ支持し、揺動スラット部10のたわみを抑える(図44(イ)及び(ハ))。
【0101】
よって、風などの外力によりスラット1が騒音を発することもなく、また上下に隣接する各スラット1が巧く重合し、またスラット1の巻取径が大きくなることもなく、さらに中間柱による出入りの邪魔、その取付け、取外しの煩雑さを解消できる。
【0102】
前記スラット1の揺動スラット部10は、各図に示したように、中空状のアルミニウム等の押出型材よりなり、その両端にエンドキャップ100,101を取付けている。なお、上述のように、揺動スラット部10は前記吊下スラット部11を中心に左右に分割されているので、図43の図面上、左側に配置された揺動スラット部10の構成例を中心に説明する。
【0103】
前記揺動スラット部10の上部には、図47等に示したように、スラット1の室外側に幅広の傾斜面102を有し、室内側に幅狭の傾斜面103を有した凸部104が形成されている。一方、その下部には、前記凸部104の幅広傾斜面102の肩に当接する壁面105と、前記凸部104の幅狭傾斜面103の肩に当接する壁面106を有した下開き凹部(単に凹部という)107が形成されている。
よって、図45(イ)のように、上段に位置する揺動スラット部10の凹部107に、その下段に位置する揺動スラット部10の凸部104が入り込み、シャッターのスラット1を閉鎖するようになっている。
また、図46(イ)のように、上段の揺動スラット部10の凹部107から、その下段の揺動スラット部10の凸部104が上下方向に離れることにより、各揺動スラット部10が揺動可能にされる。
【0104】
左右の前記エンドキャップ100,101は、それぞれ揺動スラット部10の中空部108に嵌込み可能なようにその断面が形成されている。
また、前記エンドキャップ101には、前記吊下スラット部11のエンドキャップ110に重合する上片101Aと、下片101Bが形成されている。
【0105】
前記スラット1の吊下スラット部11は、各図に示したように、中空状のアルミニウム等の押出型材よりなり、その両端に前記エンドキャップ110,110を備えている。
【0106】
前記吊下スラット部11の上部には、図47等に示したように、スラット1の室外側に肩を有する凸部111が形成され、その上部に略T字状の吊下部112が形成されている。一方、その下部には、前記凸部111の肩に当接する壁面113と、前記凸部111の上面に接する壁面114を有した下開き凹部(単に凹部という)115が形成されている。
そして、前記略T字状の吊下部112には、下向きフック部112Aが形成され、一方、前記凹部115の壁面114には、前記フック部112Aに係合する上向きフック部114Aが形成されている。
【0107】
よって、図45(ロ)のように、上段に位置する吊下スラット部11の凹部115のスペースに、その下段に位置する吊下スラット部11の吊下部112が入り込み、シャッターのスラット1を閉鎖するようになっている。
また、図46(ロ)のように、上段の吊下スラット部11の上向きフック部114Aに、その下段の吊下スラット部11の下向きフック部112Aが係止され、上下方向の各吊下スラット部11,11,11・・・が連結されて、前記スラット1を吊下げ保持している。
なお、前記吊下部112のピッチ間隔は前記揺動スラット10の揺動の揺動間隔(後述)と略同間隔である。
【0108】
前記エンドキャップ110は、図47のように、吊下スラット部11の中空部116に嵌込み可能なようにその端面が形成されている。また、前記エンドキャップ101の上片101Aと重合する上片110Aと、同下片101Bと重合する下片110Bがそれぞれ形成されている。
よって、シャッターをスラット1により閉鎖した場合において、前記揺動スラット10と前記吊下スラット11の境界から光が漏れることを防ぐことができる。
【0109】
上記のように構成された前記揺動スラット10と前記吊下スラット11の動作につき、その同期を図るため、図47に示したような連結管12が配置されている。
即ち、前記連結管12は、その両端が左右の揺動スラット部10に固定され、前記吊下スラット部11に対しては、その孔120、121を介して空転可能に取付けられている。そして、前記連結管12の取付位置は、後述のスラット1の短ピン53の位置に略一致している。
よって、左右の揺動スラット部10と吊下スラット部11は、スラット1の巻取及び巻戻の際にも、同期して動作され、またスラット1の揺動の際にも、左右の揺動スラット10は同期して揺動されるが、吊下スラット部11は揺動されず、揺動を円滑に行わせることができる。
【0110】
上記実施形態では、スラット1の略中央に1つの吊下スラット部11を形成しているが、開口部の幅に応じて、1枚のスラット1に複数個の吊下スラット部11を形成してもよい。
【0111】
その他の構成は、第1,第2実施形態と同様であるので、同様の作用効果を奏する。
【0112】
【発明の効果】
請求項1及び2に記載の発明によれば、シャッターを構成するシャッターボックス、スラット巻取部及びガイド機構が室内側に配置されたことで、シャッターが窓枠より室外側に現れることがない。
即ち、ガラス障子より室内側にシャッターのスラットを設置することで、上述の「ガラス破り」に対する有効な防犯対策にすることができる。
また、建物の外観に影響を与えるシャッター等の設置に制約がある場合には、防犯上の不安があるが、本発明によれば、設置の制約に抵触することなく、防犯上の不安を解消できる。即ち、窓からの防犯対策が不充分なマンション等に取付けることで、防犯機能を高めることができる。
【0113】
また請求項2に記載の発明の場合、スラット巻取部及びシャッターボックスの室内側への出っ張りを抑えることができる。
【0114】
請求項3に記載の発明によれば、カーテンレールの設置が不要となり、またシャッターボックスの下部がカーテン類の設置に最適な位置となる。
【0115】
請求項4に記載の発明によればスラットの揺動を習慣に馴染んだ方法で行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るシャッターの縦断面図、
【図2】同横断面図、
【図3】同横断面図、
【図4】第2実施形態に係るシャッターの縦断面図、
【図5】同横断面図、
【図6】第1及び第2実施形態のシャッターの概略構成を示す正面図、
【図7】同シャッター下部の詳細図、
【図8】同シャッターの下部スラットの要部正面図、
【図9】同側面断面図、
【図10】同シャッターの上部スラットの要部正面図、
【図11】同側面断面図、
【図12】Aは、実施形態に係るシャッターの揺動機構の要部斜視図、Bは、同分解斜視図、
【図13】(イ)は、同横断面図、(ロ)は、同縦断面図、
【図14】(イ)は、同横断面図、(ロ)は、同縦断面図、
【図15】実施形態に係るロック機構の要部正面図、
【図16】実施形態に係るロック機構の要部正面図、
【図17】実施形態に係る制御部の構成例図、
【図18】実施形態に係る制御部によって実行されるフローチャート図、
【図19】同フローチャート図、
【図20】同フローチャート図、
【図21】同シャッターの揺動機構の作用説明図、
【図22】同フローチャート図、
【図23】同シャッターの揺動機構の作用説明図、
【図24】別例の制御部の構成例図、
【図25】別例の制御部の構成例図、
【図26】別例の制御部の構成例図、
【図27】制御部の電源回路にバッテリーを組込んだ構成例図、
【図28】制御部の電源回路にバッテリーを組込んだ別例の構成例図、
【図29】制御部の電源回路にバッテリーを組込んだ別例の構成例図、
【図30】手動巻取機構の構成例図、
【図31】手動巻取機構の構成例図、
【図32】手動巻取機構の構成例図、
【図33】手動巻取機構の構成例図、
【図34】手動巻取機構の構成例図、
【図35】手動巻取機構の構成例図、
【図36】手動巻取機構の構成例図、
【図37】手動巻取機構の構成例図、
【図38】手動巻取機構の構成例図、
【図39】実施形態に係るロック機構を示したボトムスラットの構成図、
【図40】実施形態に係るシャッターの保持装置の正面図、
【図41】同側面図、
【図42】(イ)は、別例に係る伸縮自在手段の構成斜視図、(ロ)は、同手段の要部斜視図、(ハ)は、同手段の作用説明図、
【図43】(イ)〜(ハ)は、第3実施形態のシャッターの閉鎖状態の正面図、揺動スラット部の断面図、吊下スラット部の断面図、
【図44】同(イ)〜(ハ)は、同シャッターの開放状態の正面図、揺動スラット部の断面図、吊下スラット部の断面図、
【図45】(イ)、(ロ)は、シャッターの閉鎖状態での揺動スラット部の断面図、吊下スラット部の断面図、
【図46】(イ)、(ロ)は、シャッターの開放状態での揺動スラット部の断面図、吊下スラット部の断面図、
【図47】スラットの要部斜視図。
【符号の説明】
1 1C 1D スラット
1A ボトムスラット 1B 通常スラット
13B 最上端のスラット
10 揺動スラット部 11 吊下スラット部
1a 上端部 1b 下端部
2 シャッターボックス
2A チェーン 2B 上限センサ
2C 下限センサ
3 スラット巻取部 30 巻胴
3A 巻上巻戻機構 3B 手動巻取機構
4 ガイド機構
5 揺動機構 6 電動ロック機構
7 移行調整機構 8 障害物検知機構
20 カバー本体 21 躯体側取付部
22 ガイド片(ガイド部材) 23 カーテンレール
30 スラット巻取部
30A 電動モータ 30B 制御部
30D 差動ギア
30E スプリングクラッチ 30F 取付枠
31 ボールチェーン(駆動手段)
32 歯車 33 導出手段
34 縦枠 35 横枠
36 滑車 37 カバー
40 ガイド縦枠 41 ガイド下枠
50 長ピン 51 外吊金具
52 第1のボールチェーン 53 短ピン
54 内吊金具 55 第2のボールチェーン
56 中間金具 57 腕部材
58 バネ
60 係合部 61 バネ
62 収納部 63 係合ピン
64 固定枠 60a 摺動カーブ
65 ガイド棒 66 ロック解除装置
67 規制装置 68 ソレノイド
70 モヘヤ
80 障害物接触部材 81 加圧部材
82 テープセンサ
100 101 エンドキャップ 102 傾斜面
103 傾斜面 104 凸部
105 壁面 106 壁面
107 下開き凹部 108 中空部
101A 上片 101B 下片
110 エンドキャップ 111 凸部
112 吊下部 113 壁面
114 壁面 115 下開き凹部
112A 下向きフック部 114A 上向きフック部
116 中空部 110A 上片
110B 下片 12 連結管
120、121 孔
300 出力軸
302 内歯車 303 キャリア
304 太陽ギア 305 遊星ギア
306 スプリング
307 入力側スリーブ 307a 切欠部
308 出力側スリーブ 308a 嵌合部
309 円柱部 310 連結ロッド
316 繰出口 313a 接続部
317b 板体 317d 切欠
330,331,332,333 リール
330a,331a,332a,333a 溝
334 取付台 335 336 孔
340 室内側面
400 半導体スイッチ
510 ボールチェーン用孔
511 ストッパ用孔 511a 511b 段差部
512 長ピン用孔
513 ストッパ 513a フック
520 ボール 521 孔
522 ピン 542 短ピン用孔
660 回動レバー 661 軸
662 係止突起 663 回転板
664 係止突起用ガイド孔 665 本体
666 係止孔 667 連結棒
663a 停止爪 665a 板バネ
670 レール溝 671 スライド板
Claims (4)
- 建物の開口部の室内側上方に、スラット巻取部及びこのスラット巻取部をカバーするシャッターボックスを配置し、このスラット巻取部から巻上又は巻戻される複数枚のスラットをガイドするガイド機構を前記開口部の窓枠より室内側に配置すると共に、これらスラットを揺動させる揺動機構を設けたことを特徴とする室内用防犯シャッター。
- 建物の開口部の上部に、スラット巻取部及びこのスラット巻取部をカバーするシャッターボックスを配置し、このスラット巻取部から巻上又は巻戻される複数枚のスラットをガイドするガイド機構を前記開口部の窓枠より室内側に配置すると共に、これらスラットを揺動させる揺動機構を設けたことを特徴とする室内用防犯シャッター。
- 前記シャッターボックスの下部にカーテンレールを配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の室内用防犯シャッター。
- 前記揺動機構は、スラットの回転軸を中心としてスラット上部端を室内側に、スラット下部端を室外側に回動動作させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の室内用防犯シャッター。
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