JP2004328983A - 付加動力を内蔵したギャードモータ - Google Patents

付加動力を内蔵したギャードモータ Download PDF

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Abstract

【課題】昇降物を上下動させる昇降装置に採用されるギャードモータであり、ギャードモータの負荷を小さくするために、昇降物を吊下げる方向と反対方向にウェートを吊下げて小型化している。しかし、ウェートを吊下げるとウェートの昇降路が必要になり、支持フレームに昇降物とウェートの両重量が掛かるため剛性を強化いる。そのため昇降装置が大型になり、コストも高くなっていた。
本発明では、小型・軽量の昇降装置を目的にして、昇降物の自重で下降時に動力を蓄積して、昇降物の上昇時に放出させるギャードモータを提供する。
【解決手段】ギャードモータ3は、第1ケース13に接続したモータ15を備え、モータ15の回転を第1出力軸21に伝達する歯車装置Gを備え、第1ケース13に第2ケース14を備え、第2ケース14には第1出力軸21と連結した第2出力軸22を備え、第2出力軸22に巻ばね26を備え、昇降物のパネル2を下降させるときに第2出力軸22は巻ばね26に動力を蓄積し、パネル2を上昇させるときに第2出力軸22は巻ばね26の動力を放出する構成にしてある。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇降物品を上下動するギャードモータに採用したもので、昇降物品の下降時に付加動力を蓄積することができ、昇降物品の上昇時に蓄積した付加動力を放出することで、モータの容量を小型にすることができる付加動力を備えたギャードモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の昇降装置に採用されたギャードモータでは、出入口に備えられた開閉するパネルがあり、パネルを上下動させることで出入口を開閉するようにしてある。パネルの昇降装置は、パネルを索状体(チェン・ワイヤ・ロープ等)の一端で吊下げて、他端を開口部の上方の滑車(スプロケット・プーリ等)に巻き掛けて、ギャードモータに巻回してウェートを取付けて吊下げることでギャードモータに掛かる負荷を軽減している。
【0003】
パネルを上昇させるには、ギャードモータを逆回転させて、パネルを吊下げている側の索状体を巻上げ、反対側にウェートを下降することで、パネルの重量がウェートの重量分軽減されてギャードモータの駆動力を軽減させることで出力容量を小型にすることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−38748号公報(図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の開口部を車両の乗込口にして、乗込口を開閉するパネルが設けてある。ウェートは、パネルを上昇させるギャードモータの出力容量を小型にするために、パネルの重量に近いウェートの重量を、乗込口に隣接した位置に上下動するように吊下げてある。
【0006】
ところが、乗込口に隣接する左右開口位置を第2の乗込口としたとき、ウェートの上下動で出入できないために、ウェートを無くし、巻取りドラムで直接巻取る構成にしていた。この構成では、ギャードモータの容量が大きくないと巻上げ・巻戻しができなく、大型のギャードモータを採用していた。そのために、ギャードモータは高価になり設置場所も広く必要にして、また電気量に費用を費やしていた。
【0007】
本発明では、従来のようにギャードモータにウェートを吊下げて負荷を軽減させるのではなく、巻取りドラムで巻上げるギャードモータにして、ギャードモータに回転動力を機械的に蓄積・放出することができる付加動力手段を設ける構成にしている。この構成により、容量が少なく小型のギャードモータにして、付加動力手段により動力を蓄積と放出ができるために、ウェートを不要にして、設置場所の省スペース化と電気量の省エネ化を目的にしている。
【0008】
昇降物が下降するときは、昇降物の重量で蓄積手段を回転して出力を貯める。昇降物を上昇させるときは、蓄積した出力を付加動力手段により放出させることで、ギャードモータの出力に更に蓄積した動力を加えることができる付加動力を内蔵したギャードモータを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、第1出力軸を備えた第1ケースと、第1ケース内には入力回転を変速回転させる歯車装置と、歯車装置に入力回転するモータと、第1ケースに付設する第2ケースと、第2ケースには第1出力軸と連結して回転する第2出力軸と、第2出力軸が回転して蓄積又は放出する付加動力手段と、を設け第1出力軸に動力を伝達する構成とする。
【0010】
請求項2の発明では、蓄積する動力は、第1出力軸の正回転方向が第2出力軸に動力を蓄積させる回転に伝達する構成にする。
請求項3の発明では、放出する動力は、第1出力軸の逆回転方向が第2出力軸に動力を放出させる回転を伝達する構成とする。
【0011】
請求項4の発明では、付加動力手段は、第2出力軸に連結回転する巻ばねを巻掛け・巻戻しによる構成にする。
請求項5の発明では、付加動力手段の回転は、第1ケースの歯車装置により変速された動力の回転で第1出力軸と第2出力軸間に伝達する構成とする。
【0012】
請求項1の構成では、ギャードモータの出力軸に昇降物を下降する重量を蓄積し、昇降物を上昇させるとき蓄積された動力を放出して、出力軸の駆動力を増大させる作用がある。この作用により、モータの容量を小型にすることができ、設置場所を狭くして、電気量も少なくして、さらに、ウェートを不要にできるので、従来のウェートの吊下げ場所を乗込口として広げて採用することができる。
【0013】
請求項2の構成では、第1出力軸が巻戻しする正回転方向として、第1出力軸に動力を第2出力軸に蓄積させることで、複雑な機構にならず、重量物を巻戻して捨てる動力を、再生するエネルギーとして蓄えられる。
【0014】
請求項3の構成では、出力軸に吊下げた昇降物を下降させるときに、昇降物の自重で出力軸を回転させようとする動力と、モータの動力が加わり、余剰動力ができるので、その動力を蓄積できる作用があり、昇降物の下降速度を遅らせることが安全でスムーズな動作となる。
【0015】
請求項4の構成では、ばねに動力を蓄積するのに容易に安価にできる作用があり、巻ばねにより昇降距離を長くしても蓄積量を増加させることができる。
請求項5の構成では、第1出力軸の回転トルクを小さくして、蓄積することができるので、ばねを小型にできる作用があり、ばねの取扱いが容易にできる。
放出するときは、第2出力軸のトルクを減速機構により変速してトルクを高めた動力を第1出力軸に付加することができる作用があり、動力を滑らかに伝達することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のギャードモータ3を開閉装置1として開口部4に採用して、開閉動作を具体化した一実施形態を図1〜図3で示し説明する。
図1は、地上面GLに立設された駐車場の壁面5を開口してあり、その開口部4を通り抜け可能にした車両の乗込場にしている。
【0017】
開口部4には、開口を遮断するパネル2が上下動可能にして、天井部6から吊下げてあるところと、開口状態の開口部4aが隣接して設けられている。開口部4は、車両を搭載して走行する搬送機があり、人の出入りを規制するパネル2がある。開口部4aは、パネル2が無く、車両の出入りを規制していないので自由に通行できる。
【0018】
開口部4のパネル2を上下動するには、天井部6内に巻取りドラム7を回転可能に設置して、巻取りドラム7がワイヤ12を巻上げることで、ワイヤ12に吊下げたパネル2を上昇させる。また、巻取りドラム7を巻戻すことで、ワイヤ12に吊下げてパネル2を下降させる。パネル2は、開口部4を閉鎖することができる板状にして、ガラス・壁材・網状のもので、左右両側に回転自在にしたローラ11を備えている。ローラ11は、昇降案内される案内レール9に沿って上下動する。
【0019】
案内レール9は、開口部4の上方にパネル2を上昇させることができるように開口部4よりパネル2の高さを加えた位置まで鉛直方向に延長している。案内レール9の上部より上には、プーリ10が回転自在に軸着してあり、ワイヤ12を巻取りドラム7の方向に、方向転換させている。
【0020】
巻取りドラム7は、ギャードモータ3により駆動回転させられ、開口部4の近郊に操作盤8を備えている。操作盤8は、上昇ボタンと停止ボタンと下降ボタンを備えている。上昇ボタン又は下降ボタンは、パネル2が開口部4を上昇して開口させて停止状態になり、パネル2が開口状態から下降して開口部4を閉鎖させることができる。
【0021】
開口部4の開閉は、乗込場に配置してある搬送機が停車しているときに開口して、走行動作に入ると安全のために人の通行を遮断するように閉鎖する。隣接する開口部4aは、地上面GLと水平の床面にして、車両を運転して進行後退して乗入れ乗出しができる区画であり、常時開口状態にして遮断パネルを備えていない。
【0022】
図2は、巻取りドラム7を駆動回転させるギャードモータ3を示し、第1ケース13が全体のフレームにして、一方側に第1出力軸21を突出させ、他方側にモータ15を取付けている。第1ケース13は、アルミ材の外枠にして、内部を空洞化し、複数のギヤを噛合わせオイルを充填させたギヤケースであり、下部を取付け用のベースとして、コーナの4ヶ所に取付け穴を備えている。
【0023】
ベースの取付け穴は、ギャードモータ3を天井部6にボルトで固定できるようにしている。第2ケース14は、第1ケース13に隣接して備えられた筒型に板材を曲げて形成され、内部に第2出力軸22をフレームに固定させて、回りに巻ばね26を備え、巻ばね26の一端を第2出力軸22に摺動可能に介在されたプレート27に固定し、他端を第2出力軸22に回転自在に軸着された出力ギヤ24に固定している。
【0024】
図3は、ギャードモータ3の内部を説明するもので、第1出力軸21に駆動回転を伝達するモータ15を備え、モータ15には高速回転するモータ軸があり、モータ軸に設けられた歯数の少ないピニオン16に噛合う歯数が多い第1ギヤ18がある。第1ギヤ18は、シャフト17に固定されて、ピニオン16の回転数を減速している。
【0025】
シャフト17には、第1ギヤ18の外に第2ギヤ19と出力ギヤ23が固定されている。第2ギヤ19は、少ない歯数のもので、多い歯数の第3ギヤ20に噛合うことで、更に減速する。第3ギヤ20は、第1出力軸21と固定して、第1出力軸21に嵌着した巻取りドラム7を回転させている。
【0026】
出力ギヤ23は、歯車装置Gのシャフト17に嵌着された出力ギヤ23から第2出力軸22に回転自在に軸着された出力ギヤ24にベルト25により連結している。出力ギヤ24は、巻ばね26の一端を支持して、出力ギヤ23の回転により巻ばね26を巻上げる方向に回転する。巻ばね26は、出力ギヤ24の回転を蓄積することで、逆方向へ放出することができる。
【0027】
蓄積方向に回転するときは、開口部4のパネル2が開口状態の上部位置から閉鎖方向へ下降するときに行う。
巻ばね26は、巻上げる負荷によりパネル2の下降速度を抑え、パネル2の重量が巻上げる方向に働くために、小さな容量のモータ15で容易に巻上げることが出来る。
【0028】
蓄積された巻ばね26は、開口部4を閉鎖した状態から開口する方向にパネル2を上昇させるときに、放出することで出力ギヤ24に駆動回転を与え、出力ギヤ23に伝達される。出力ギヤ23の回転は、シャフト17を介して第2ギヤ19が回転して第3ギヤ20に減速して伝達する。巻ばね26の回転トルクは、第3ギヤ20により増幅され、第3ギヤ20に更にモータ15のトルクを歯車装置Gにより速比倍され、前記モータ15のトルクと巻ばね26の回転トルクとを加えて第1出力軸21に嵌着した巻取りドラム7を回転させる。
【0029】
(動作説明)
開閉装置1は、機械式である立体駐車塔の乗込場の出入口に昇降させて、開閉するように配置した装置を説明する。乗込場の出入口は、立体駐車塔に乗込む開口部4を備えて、車両が出入り可能な広さにして、開閉装置1であるパネル2の両側の上下位置にローラ11が軸着してあり、案内レール9内を転動して上下動する。
【0030】
案内レール9は、上下動するパネル2を案内する案内レール9が両側に鉛直させて備えられている。案内レール9の上端には、回転自在にしたプーリ10が回転自在に軸着されていて、プーリ10に巻き掛けられたワイヤ12が鉛直にパネル2を吊下げている。パネル2は、ワイヤ12の巻上げ・巻き戻しすることで上下移動して、開口部4の開口と閉鎖を行う。
【0031】
開口部4は、ギャードモータ3により回転する巻取りドラム7がワイヤ12を巻取り、パネル2を上昇させる。パネル2の上昇位置では、第2ケースに内蔵させた巻ばね26が拡径された状態で、ギャードモータ3を停止している。
【0032】
開口部4を閉鎖するときは、パネル2を上昇した位置から下方に降下させるように、ギャードモータ3を逆回転させる。ギャードモータ3は、巻取りドラム7にワイヤ12が巻回されてパネル2を吊下げた状態であるため、パネル2の重量がワイヤ12に掛かり、巻取りドラム7を回転させる作用により、ギャードモータ3のブレーキを解放することで、電源を不要にしてパネル2の自重により下降することができる。下降停止位置と上昇停止位置には、図示略のスイッチが備えられて、ギャードモータ3にブレーキを掛けて、巻取りドラム7の回転を停止させる。
【0033】
パネル2の下降は、パネル2の自重でワイヤ12が引き出されて、巻取りドラム7が逆回転されると、第2出力軸22が巻取りドラム7の逆回転により第3ギヤ20と第2ギヤ19の速比によって、巻取りドラム7の逆回転より高い回転で第2出力軸22を回転させる。第2出力軸22が回転すると巻ばね26を縮径させて、動力を蓄積することができる。この蓄積により、巻取りドラム7は逆回転に抵抗になり、パネル2の下降速度を低下させるため、安全性に効果がある。
【0034】
パネル2の上昇は、ギャードモータ3の回転に加えて、縮径した巻ばね26が前記パネル2の下降時に蓄積した駆動力を第2ギヤ19に伝達して、第3ギヤ20を回転して巻取りドラム7を正回転してワイヤ12を巻上げてパネル2を上昇させる。
【0035】
巻ばね26のトルク調整は、第一ケース13に固定された第2出力軸22の一方に回転自在に備えられた出力ギヤ23に巻ばね26の一端を取付け、他方にスプライン28に噛合う係合部を備えたプレート27を嵌合して巻ばね26の他端を取付ける。プレート27による調整は、パネル2の重量により異なるが、パネル2を上方にして、開口部4を開けた状態で負荷が掛からないようする。
【0036】
プレート27は、スプライン28から外し、巻ばね26を縮径する方向へ回し、上昇トルクが出る位置でプレート27をスプライン28に係合させる。
パネル2を下降させるとき、パネルの重量が出力ギヤ24を回転させて、巻ばね26を縮径して上昇トルクを蓄積する。このとき、上昇トルクが小さい場合には、再度、前記のプレート27の調整方法で説明したように、プレート27が巻ばね26を縮径方向に回して調整する。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の発明では、ギャードモータの駆動力を蓄積したり放出したりすることができ、しかも小型化することもでると共に、ウェートを不要にすることができるので、設置場所が省スペースにできる効果がある。
請求項2の発明では、昇降物品が下降するとき、昇降物品の重量で第1出力軸を回転させるので、付加動力手段に動力を蓄積させることで、下降速度を遅くさせることができ、インバータ・ブレーキ等の付属装置に頼らなくとも、安全に動作できる効果がある。
請求項3の発明では、昇降物品の下降時に蓄積した動力を、昇降物品の上昇時に放出して、巻上げ力を高めるのでモータの容量を小型にできる効果がある。
請求項4の発明では、巻ばねの採用でばね径を縮拡させることで蓄積・放出できるので小型化できる効果がある。
請求項5の発明では、巻取りドラムの回転を、昇降物品を下降すときには巻き戻しの抵抗を大きくして降下速度を遅くするので安全であり、巻上げるときには駆動力を高めることができ、昇降動作をスムーズに行う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の一例を示す正面説明図。
【図2】本発明のギャードモータを示す斜視図。
【図3】ギャードモータの機構を説明する構想図。
【符号の説明】
1 開閉装置
2 パネル
3 ギャードモータ
4 開口部
4a 開口部
7 巻取りドラム
8 操作盤
9 案内レール
13 第1ケース
14 第2ケース
21 第1出力軸
22 第2出力軸
26 巻ばね
G 歯車装置

Claims (5)

  1. 第1出力軸を備えた第1ケースと、第1ケース内には入力回転を変速回転させる歯車装置と、歯車装置に入力回転するモータと、第1ケースに付設する第2ケースと、第2ケース内には第1出力軸と連結して回転する第2出力軸と、第2出力軸の回転が動力を蓄積又は放出する付加動力手段と、
    を設けることを特徴とする付加動力を内蔵したギャードモータ。
  2. 付加動力手段の動力の蓄積は、第1出力軸の正回転方向が第2出力軸に動力を蓄積させる回転を伝達することを特徴とする請求項1記載の付加動力を内蔵したギャードモータ。
  3. 第2出力軸の逆回転方向は、第2出力軸に蓄積させた動力を放出する回転を第1出力軸に伝達することを特徴とする請求項1記載の付加動力を内蔵したギャードモータ。
  4. 付加動力手段は、第2出力軸の回転に係合する巻ばねを巻掛け・巻戻しすることを特徴とする請求項1記載の付加動力を内蔵したギャードモータ。
  5. 付加動力手段の回転は、第1ケースの歯車装置を介して回転を変速させ、第1出力軸と第2出力軸間を伝達することを特徴とする請求項3記載の付加動力を内蔵したギャードモータ。
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JP2014076526A (ja) * 2012-10-12 2014-05-01 Honda Motor Co Ltd 載置台装置およびそれを利用した台車装置
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