JP2004316084A - 床材の補間部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルカプロセスにて発泡させた木質樹脂発泡成形体を基材とする床材の施工にあたり、室内の床下地面の柱、ドア枠等による凹凸形状に合わせて床材を切断・切削加工すべき部位に使用して、施工時間の短縮及び安全性の向上に寄与する切削加工性に優れた床材の補間部材を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂からなる平板形状の発泡倍率が2〜40倍の発泡成形体1と、それと同系のポリオレフィン系樹脂を主体とする曲げ初期弾性率80〜1600MPa、厚さ0.3〜2.0mmの薄板2と、それらと同系のポリオレフィン系樹脂を主体とする化粧シート3とがこの順に積層されてなり、該積層体の曲げ初期弾性率が80〜1000MPaである床材の補間部材である。望ましくは、薄板2及び化粧シート3が前記発泡成形体1よりも、施工時に外側に当たる方向に2〜30mm突き出した形状とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、戸建て住宅やマンション、アパート、保養所、オフィスビル、店舗等の建築物における室内床面に使用するための床材の補間部材に関するものであり、特に、例えば賃貸マンションや学生寮等の様に、居住者の交代等に伴うリフォームによる張り替えのサイクルの短い用途にも好適な、施工性に優れた床材の補間部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、室内床面用の床材としては、合板の表面に天然木の突板を貼り塗装を施した木質系フローリング材が最も一般的である。この天然木材を使用した木質系フローリング材は、その表面の意匠が天然木材の木目という、最も自然で親しみやすく美麗な意匠であることから、従来広く需要者に受け入れられている。しかし、日光に当たると変色し易いことや、水に濡れると膨れや割れ、反り、腐蝕、突板の剥離等を起こし易く、特に浴室脱衣所や洗面所、厨房等の様な水廻りの部位への使用には問題があること、天然素材なので色調や木目形状などの品質や価格、供給量などが不安定であることなどの問題点も指摘されている。
【0003】
特に近年では、地球環境保護問題への社会的関心が高まるにつれて、環境破壊に繋がる天然木材の大量消費は白眼視される様になり、床材などの建築材料の分野においても、資源のリサイクル利用への取り組みが求められる様になっている。しかし、木質系フローリング材を再度床材としてリサイクル利用することは、技術的にも経済的にも極めて困難であり、せいぜい粉砕してパーティクルボード用原料としてリサイクル利用される程度に留まっているが、これも近年の急激な供給増に見合った用途開発が進まないために過剰在庫を抱え、リサイクル利用は行き詰まりの状況にあり、大半は埋め立てや焼却による最終処分が行われているのが現状である。
【0004】
そこで、床材を使用後に再度、同種の床材の原料として再利用可能な、リサイクル適性のある床材の開発が、社会的に強く要望される様になっている。こうした要望に応えるものとして、本発明者らは既に、熱可塑性樹脂と木質系充填剤を含有する木質樹脂成形体の表面に、該木質樹脂成形体に含有される熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シートを積層してなる床材を提案した。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−353815号公報
【0006】
この床材は、熱可塑性樹脂を主成分とするので耐水性や耐候性に優れ、物性的にも意匠的にも品質の安定した製品を安価に大量供給可能であり、切削や釘打ち等の加工性も木質系フローリング材と同等であり、しかも、使用後はそのまま粉砕して前記木質樹脂成形体の成形材料として再利用できるという、優れたリサイクル適性を備えたものである。
【0007】
また、本発明者らはさらに、木質感、断熱性、切削や釘打ち等の加工性が良く且つ軽量で優れたリサイクル性を併せ持つ、上記木質樹脂成形体をセルカプロセスにて発泡させた木質樹脂発泡成形体を基材とした床材をも、既に提案した(特願2001−357384号)。
【0008】
しかしながら、これらの床材を用いるにあたって、以下の様な問題点を抱えている。まず、床材施工時においては、建築物の室内の床下地面の柱、ドア枠、サッシ枠、出隅部、入隅部等による凹凸の形状に合わせて床材を切断又は切削加工する必要があり、その際、工具としては鋸、鉋、鐫などの使用も考えられるが、現場で施工部の複雑な形状と照らし合わせながら加工することを考慮すると、現場での細かい作業に適したカッターナイフが最も作業性が良い。
【0009】
しかし、床材はその上を人が歩いたり荷物を引きずったり重量家具を置いたりすることによる摩耗や荷重に耐える様に、表面には一定以上の硬度が要求されるものであり、そのために例えば上述したセルカプロセスによって表面には非常に硬いスキン層を設けているのであるが、この非常に硬い表面層の存在が施工時には、施工部の複雑な形状に合わせて行う切削加工を困難にしており、長時間の作業により作業員を疲労させたり、カッターナイフの刃が欠けて破片が目に入る危険な事故の原因となったりすることなどの問題を孕んでいる。
【0010】
また、係る床材は熱可塑性樹脂を主成分としたものであるために、周囲の温度変化により寸法変化を起こして、繰り返される環境温度変化に伴って床材が伸縮し、その際、床面に多数枚並べて施工された各床材同士は嵌合部分で連結されているために、個々の床材の伸縮が累積された形で壁面との境界部分に現れ、床材が収縮する低温時には大きな目隙きが発生するという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記の様な問題点を解決するためになされたものであり、本発明者らが既に提案しているセルカプロセスにて発泡させた木質樹脂発泡成形体を基材とする床材を施工する場合において、建築物室内の床下地面の柱、ドア枠、サッシ枠、出隅部、入隅部等による凹凸の形状に合わせて床材を切断又は切削加工する必要がある部位に使用して、施工時間の短縮及び安全性の向上に寄与するための、切削加工性に優れた床材の補間部材を提供することを目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂からなる平板形状の発泡倍率が2〜40倍の発泡成形体と、該発泡成形体と同系のポリオレフィン系樹脂を主体とする曲げ初期弾性率が80〜1600MPaで厚さ0.3〜2.0mmの薄板と、前記発泡成形体及び前記薄板と同系のポリオレフィン系樹脂を主体とする化粧シートとがこの順に積層されてなり、当該積層体の曲げ初期弾性率が80〜1000MPaであることを特徴とする床材の補間部材である。
【0013】
また本発明は、上記の床材の補間部材において、前記薄板及び前記化粧シートが前記発泡成形体よりも、施工時において外側に当たる方向に向かって2〜30mm突き出した形状であることを特徴とする床材の補間部材である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の床材の補間部材の基本構成は、図1に示すように、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡成形体1の表面側に、該発泡成形体1と同系のポリオレフィン系樹脂からなる厚さ0.3〜2.0mmの薄板2を有し、更に該薄板2の表面上に、該発泡成形体1及び該薄板2と同系のポリオレフィン系樹脂からなる化粧シート3を有する積層構造をなしている。
【0015】
本発明において発泡成形体1の発泡倍率は2〜40倍、好ましくは10〜30倍であることが重要である。なぜなら本発明の目的は施工性の良い切削加工性に優れた床材の補間部材を提供することにあり、発泡倍率が2倍よりも低いと発泡成形体1が硬質になって十分な切削加工性が得られず、上記目的を達成出来ないからである。
【0016】
また、本発明において発泡成形体1と薄板2、化粧シート3の全てを貼り合わせてなる積層体の曲げ初期弾性率は80〜1000MPaであることが重要である。なぜなら曲げ初期弾性率が80MPaよりも低いと柔らかすぎて床面への使用に適さず、一方1000MPaよりも高いと発泡成形体1が硬質になって十分な切削加工性が得られず、上記目的を達成できないからである。さらに、薄板2の曲げ初期弾性率が80〜1600MPaであることが重要である。
【0017】
また、本発明は床材の補間部材であり、床材施工時において、室内の床下地面の隅部の形状に合わせて切断又は切削加工して使用するものであるため、常時住人が足を踏み入れる部位ではないことから、通常の床材に要求される様な高い水準の表面硬度は必要とされず、後述する薄板2を積層することによって最低限必要な硬度は確保することができる。
【0018】
本発明において、発泡成形体1に使用するポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上の目的で酸変性したもの、あるいはアイオノマー等から適宜選択が可能で、単一でも複数種の混合でも構わない。
【0019】
中でも例えば、重合段階で直接生産されるオレフィン系エラストマーで、ホモポリプロピレン樹脂100重量部に平均粒径0.1〜0.5μmの高濃度のエチレン−プロピレン共重合体ゴム微粒子が30〜70重量部が均一に微分散されてなるポリオレフィン系樹脂組成物や、高溶融張力で、伸長歪みの増加に伴って粘度が上昇するポリプロピレンなどは、均一なセルを伴う高発泡の発泡成形体が得られるので適している。
【0020】
発泡の手法については公知の手法がいずれも利用できる。一般的には、熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡と、低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡とに分類でき、化学発泡剤としては無機系の重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属、アジド化合物等、また有機発泡剤としてはアゾ系、ニトロソ系、ヒドラジド系、セミカルバジド系、ヒドラゾ系、テトラゾール系、トリアジン系、エステル系等が、任意の組み合わせで使用できる。
【0021】
また、特に高発泡倍率での発泡には主に物理発泡が用いられる。発泡剤としては炭酸ガスや水、脂肪族炭化水素が主に用いられ、外部加熱高圧押出成形又は射出成形による圧力開放などでこれらの発泡剤を気化させてポリマー中に含有させる。また、物理発泡に際しても発泡体のセル形状を整えるため化学発泡剤を併用する場合が多い。
【0022】
また、本発明においては成形時のポリマーの状態による分類としては、原料を溶融状態にして発泡成形する溶融発泡成形が適している。この場合、溶融したポリマーの溶融特性が重要であり、粘度−温度曲線勾配が出来るだけ緩やかな方が良い。即ち温度上昇に伴う粘度の低下が緩やかで、発泡適性粘度範囲が広い方が良い。結晶性の高いポリオレフィン系樹脂は融点を過ぎると急激に粘度低下が起こるので発泡適性粘度範囲が狭い。このようなポリマーの溶融時の粘度の急激な低下を防止するために、例えばポリエチレンの場合には、化学架橋または電子線架橋などによりポリエチレン分子間を架橋する方法が採られている。
【0023】
本発明において、発泡成形体1の成形方法及び発泡方法は特に問わず、押出成形法、射出成形法、常圧発泡法などが挙げられる。
【0024】
常圧発泡法は一般的に、発泡剤を練り込んだポリマーを押出機やカレンダーロール、コーター等でシート状や異形状に成形し、これを連続式発泡炉で加熱し、二次元あるいは三次元に自由発泡させる方法である。発泡倍率は2〜3倍の低発泡のものから、30〜40倍の高発泡のものまで得られる。成形方法は押出成型法、カレンダー加工法、コーティング法等があり、連続生産できるという特徴がある。
【0025】
発泡成形体1の主成分として用いるポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンの場合は、発泡成形時に電子線架橋法で架橋させると良い。これは、樹脂、発泡剤以外に多官能性モノマーの架橋助剤を添加して押出シーティング後、電子線照射により架橋させ熟成した後、加熱して発泡させる。発泡剤としてはアゾジカルボンアミド系が使用されるが、混練温度が高いため、中でも特に分解温度の高い、分散性の優れたタイプが使用される。
【0026】
難燃性を上げるため、加工適性を向上させるため、または環境変化に対する寸法安定性を向上させるために、発泡成形体1に使用するポリオレフィン系樹脂に充填剤を混合することも可能である。充填剤としては、例えば木粉、紙粉等の木質系充填剤や、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナ、マイカ、珪酸マグネシウム、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化鉄、ガラス、カーボンブラック、金属粉等の無機系充填剤等がある。
【0027】
木質系充填剤の素材としては、特に制限されることなく選択が可能であるが、一般的には木材をカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどにより粉砕して、微粉状にしたもの(木粉)などを用いる。平均粒径は1〜200μm、好ましくは10〜150μmである。
【0028】
充填剤を添加した場合にはポリオレフィン系樹脂との接着性を上げるために例えばマレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト共重合させたポリエチレン又はポリプロピレン等の様に、酸変性した樹脂の配合比を高め、樹脂自体に極性を持たせると共に、充填剤との接着性を高めることが望ましい。
【0029】
また、充填剤の配合量については、高発泡倍率を保つためにポリオレフィン系樹脂100重量部に対して25重量部以下の配合量とすることが望ましい。
【0030】
充填剤の配合量が多すぎると、発泡剤のガス抜けなどにより発泡セルが生成しにくいという問題と共に、床材の曲げ弾性率が上がり、しなやかさが失われるために、施工性が悪化したり(特に、隅部への施工時や一枚交換時に、床材を撓ませて施工することが難しくなる)、曲げた時に割れ易くなるためである。
【0031】
本発明において、発泡成形体1の成形時には、必要に応じて熱安定剤、酸中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料などの着色剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、脱水剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することもできる。
【0032】
これらの添加剤のうち熱安定剤としてはヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系等、酸中和剤としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等があり、光安定剤としてはヒンダードアミン系等がある。
【0033】
難燃剤としてはハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、塩素系難燃剤等がある。
【0034】
滑剤としては炭化水素系滑剤、脂肪酸、高級アルコール系、脂肪酸アマイド系、金属石鹸系、エステル系、フッ素系等、造核剤としてはカルボン酸金属塩系、ソルビトール系、リン酸エステル金属塩系等があり、顔料としては縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリノン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等があり、これらの添加剤を任意の組み合わせで用いるのが一般的である。
【0035】
発泡成形体1の表面に積層される薄板2は、発泡成形体1と同系のポリオレフィン系樹脂を主体とする板状成形体であり、曲げ初期弾性率が80〜1600MPaであり、厚みは0.3〜2.0mmであることが重要である。本発明は切削加工性に優れた床材の補間部材を提供するものであるから、曲げ初期弾性率が1600MPaよりも高かったり、2.0mmを越える厚みがあると、切削加工性が低下し、好ましくないためである。また、曲げ初期弾性率が80MPaよりも低かったり、厚みが0.3mmに満たないと、成形体を保持するための必要最低な表面強度を持たないためである。
【0036】
また本発明の床材の補間部材は、薄板2及び化粧シート3が発泡成形体1よりも、施工時において外側に当たる方向に向かって2〜30mm、好ましくは2〜10mm突き出した形状であることも重要である。なぜなら、ポリオレフィン系樹脂は温度変化による寸法変化を起こすため、繰り返される環境温度変化に伴って床材が伸縮し、各床材同士は嵌合部分で連結されているために床面全体の外側部分(部屋の隅部分)で目隙きが大きくなる可能性があり、本発明の床材の補間部材は薄板2及び化粧シート3が発泡成形体1よりも外側へ突き出した形状であることで、その目隙きを隠せるという効果があるからである。
【0037】
また、薄板2に使用するポリオレフィン系樹脂には必要に応じて、発泡成形体1に使用するものとして列挙したものと同様の充填剤やその他各種の添加剤を混合して使用することができる。この薄板2の成形方法としては、シート押出成形法が適している。また、必要に応じて発泡させることも可能であるが、その発泡倍率は発泡成形体1の発泡倍率よりも低くすることが必要であり、2倍以下、特に1.5倍以下が望ましい。
【0038】
薄板2の発泡成形体1への積層方法は特に問わず、例えば接着剤を介したドライラミネート法又はウェットラミネート法や、接着剤を介した又は介さない熱ラミネート法、超音波融着法や高周波融着法、発泡成形体1の発泡押出成形と同時に薄板2を導入して貼り合わせる成形同時ラミネート法、発泡成形体1及び薄板2の成形材料をそれぞれ押出機により押し出すと同時に貼り合わせる共押出法等、従来公知の方法を任意に用いることができる。
【0039】
薄板2の表面に積層される化粧シート3について重要な点は、上記した通り主に発泡成形体1及び薄板2と同系のポリオレフィン系樹脂を用いることと、木目、石目、布目、抽象柄などの意匠の印刷が施されていることで、化粧シート自体の構成については何ら制約を受けるものではない。
【0040】
この化粧シート3は、例えば着色シートに印刷を施した単層化粧シート、着色シートに印刷を施したシートに、透明シートをドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法、熱ラミネート法などによって貼り合わせた複層化粧シートや、透明シートの裏面に印刷を施したバック刷りの単層化粧シートなどから用途に応じて適宜選択が可能である。
【0041】
化粧シート3の木目柄等のパターン、絵柄、彩色等の印刷に用いるインキは、バインダーとしては硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独若しくは各変性物の中から適宜選択すればよい。これらは、水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでも問題なく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでも任意に選定可能である。さらに紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能である。
【0042】
中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキでイソシアネートで硬化させる方法である。これらバインダー以外には通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料には縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリノン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等がある。
【0043】
また、いずれの化粧シート3においても、薄板2への貼り合わせのためのプライマーコートや、表面保護や艶調整のためのトップコート、エンボス法やグロスマット法等による導管表現等が施されていても構わない。また、化粧シート3におけるポリオレフィン系樹脂層に用いる添加剤も、発泡成形体1に使用するものと同様なものが適宜使用可能である。
【0044】
化粧シート3の厚さは特に問わないが、0.05〜0.3mm程度の範囲内とされるのが通例である。化粧シート3と発泡成形体1及び薄板2との積層方法は特に問わず、例えば接着剤を介したドライラミネート法又はウェットラミネート法や、接着剤を介した又は介さない熱ラミネート法、超音波融着法や高周波融着法、発泡成形体1の発泡押出成形と同時に薄板2と共に化粧シート3を貼り合わせる成形同時ラミネート法等、従来公知の方法を任意に用いることができる。
【0045】
また、本発明の床材の補間部材には、発泡成形体1及び薄板2の化粧シート3を積層していない面の一部もしくは全部に、前記発泡成形体1と同系のポリオレフィン系樹脂を主体とする発泡層(図示せず)が積層されていてもよい。例えば、床材の裏面側に発泡層を積層しておくと、床下地面の不陸を吸収してがたつきを防止したり、床面への物品の衝突音や歩行音を吸収して騒音を防止したりするなどの効果がある。
【0046】
上記発泡層の積層手法については公知の手法が利用でき、例えば発泡成形体1と同系のポリオレフィン系樹脂に、上記熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡剤又は低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡剤のいずれかの発泡剤によりシート状に発泡成形した発泡体を、発泡成形体1の化粧シート3を積層していない面の一部もしくは全部に貼り合わせることにより形成できる。
【0047】
本発明の床材の補間部材をリサイクルする場合には、表面に積層された薄板2や化粧シート3を発泡成形体1から剥離除去することなくそのまま破砕し、必要に応じて充填剤、ポリオレフィン系樹脂、各種添加剤等を適宜添加して、再度ペレット化し、これを発泡成形体1や薄板2の成形用材料として再利用することができる。
【0048】
また、本発明において特定する曲げ初期弾性率を確保できる限りにおいて、本発明の床材の補間部材と組み合わせて施工されていたポリオレフィン系樹脂製の床材とを分別せずに混合した状態で破砕して再利用することも出来るし、得られた成形用材料を本発明の床材の補間部材の製造用原料とするほか、本発明の床材の補間部材と組み合わせて施工するための床材の製造用原料としても共用することも可能である。
【0049】
上記再利用にあたって、破砕物の混練方法やペレット化方法、成形方法等については、特に方法を問わない。また、再ペレット化する代わりに、破砕物をそのまま発泡成形体1の成形材料として成形機に投入したり、発泡成形体1の成形時に破砕物と共に充填剤やポリオレフィン系樹脂を同時に成形機に投入し、成形機内で混練しつつ成形したりしても、勿論構わない。
【0050】
【実施例】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0051】
実施例1
高溶融張力で、伸長歪みの増加に伴って粘度が上昇する性質を持つ曲げ初期弾性率1600MPa、メルトフローレート(MFR)が3.0g/10分のホモポリプロピレン樹脂に、重曹−クエン酸系発泡剤を添加して、1軸押出機でフリープロセス(発泡性樹脂組成物を押出金型から押出した後、十分に発泡させてから冷却サイジング金型に導入する発泡押出成形法)にて押出成形することによって、巾150mm、厚さ5mm、発泡倍率20倍の連続長尺状に成形し、流れ方向に長さ900mm毎に切断して発泡成形体を作製した。その後さらに表面にコロナ放電処理を施した。
【0052】
一方で、上記発泡成形体に使用したものと同一のポリプロピレン樹脂を1軸押出機で押出シート成形することによって、厚さ0.8mmの薄板を作製し、表面にコロナ放電処理を施した。その後、この薄板を巾155mm、長さ905mmに切断して、上記発泡成形体の表面にウレタン系接着剤にて貼り合わせた。このとき、隣り合う2辺では発泡成形体の端部と薄板の端部とが一致し、それらに対向する2辺では薄板の端部が発泡成形体の端部から5mm突き出した形状になるようにして貼り合わせた。
【0053】
一方、ランダムポリプロピレンに酸化鉄、酸化チタン等の顔料を配合して製膜した厚さ100μmの着色ポリプロピレン樹脂シートにウレタン系インキで木目印刷をして、その印刷面にエクストルージョンラミネート法にてホモポリプロピレン樹脂を100μmの厚みでエンボス同時ラミネートし、その裏面にプライマーコートを、表面にトップコートを施して、厚み0.2mmのポリプロピレン系樹脂製化粧シートを作製した。しかる後、この化粧シートを上記発泡成形体と薄板との積層体における薄板の表面にラッピング加工法にて貼り合わせることにより、薄板及び化粧シートが発泡成形体よりも施工時における外側に5mmずつ突き出した巾155mm、長さ900mm(以上は有効寸法)、厚さ6mm、曲げ初期弾性率500MPaの本発明の床材の補間部材を作製した。
【0054】
比較例1
上記実施例1において発泡成形体の発泡倍率を1.4倍に変更し、その他は上記実施例1と同一の要領で同形状の曲げ初期弾性率が1400MPaの床材の補間部材を作製した。
【0055】
比較例2
上記実施例1において、発泡成形体及び薄板の原材料であるポリプロピレン樹脂を曲げ初期弾性率が3000MPaのものに変更し、その他は上記実施例1と同一の要領にて同形状の曲げ初期弾性率が1300MPaの床材の補間部材を作製した。
【0056】
比較例3
上記実施例1において、発泡成形体の成形方法をフリープロセスに代えてセルカプロセスに変更して、表層部の発泡倍率1.1倍、芯部の発泡倍率1.5倍の発泡成形体を作製し、以下上記実施例1と同一の要領にて同形状の曲げ初期弾性率が1600MPaの床材の補間部材を作製した。
【0057】
なお、上記セルカプロセスとは、冷却サイジング金型の入口寸法とほぼ同一若しくは僅かに小さめの出口寸法を有する押出金型を使用して、冷却サイジング金型をほぼ密着させた状態で、前記押出金型から発泡性樹脂組成物を押し出すことで、発泡性樹脂組成物を発泡が殆ど進行していない状態で冷却サイジング金型に導入して、主に該冷却サイジング金型の内部で発泡させる発泡押出成形法であり、高発泡倍率の芯部の周囲を低発泡倍率又は実質的に非発泡状態の表層部が取り囲んだ構造の発泡成形体が得られる。
【0058】
比較例4
上記実施例1において、発泡成形体の厚みを2.5mm、薄板の厚みを3.3mmに変更し、その他は上記実施例1と同一の要領にて曲げ初期弾性率が1600MPaの床材の補間部材を作製した。
【0059】
性能テスト
上記実施例1及び比較例1〜4の床材の補間部材について、性能テストを実施した。テスト1では切削加工性の評価、テスト2においては施工性の評価を行った。評価結果は下記の表1のとおりである。
【0060】
【表1】
Figure 2004316084
【0061】
テスト1;切削加工性の評価
巾150mm、長さ900mm(以上は有効寸法)、厚さ6mmの形状をした床材の補間部材を、カッターナイフにて完全に切断するまでに必要なカット数により、カッターナイフ切削性の評価を行った。カット数の少ないもの程、切削加工性に優れている。
【0062】
テスト2;施工性の評価
同一の平面形状をした床面積15mのワンルームマンションにおける床材の施工時間(単位;時間)を測定することによって施工性の評価を行った。施工時間の短いもの程施工性に優れている。使用した床材の形状は、巾100mm、長さ900mm、厚さ6mmの平板形状であり、実施例1及び比較例1〜4の床材の補間部材は、部屋の隅部のみに現場にてカッターナイフで所要の形状にカットして使用した。
【0063】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の床材の補間部材は、本発明者らが既に提案した、セルカプロセスにて発泡させた木質樹脂発泡成形体を基材とする床材を室内床面に施工する際に、室内の床下地面の柱、ドア枠、サッシ枠、出隅部、入隅部等による凹凸の形状に合わせて切断又は切削加工して、部屋の隅部に施工するに好適なものであって、本発明において特定する樹脂物性、発泡倍率、形状を特に採用したことにより、上記切断又は切削加工の際の作業性及び安全性が向上し、作業時間の短縮が可能な優れた施工性を有するものである。
【0064】
本発明の床材の補間部材が切削加工性に優れている理由は、本発明が特定するように、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡成形体が、発泡倍率が2〜40倍と高発泡であり、曲げ初期弾性率が80〜1000MPaで柔らかく、また、該発泡成形体の表面上に積層されている薄板の曲げ初期弾性率が80〜1600MPaで且つ厚み0.3〜2mmと薄いことによるものである。
【0065】
また、本発明の床材の補間部材を構成する発泡成形体、薄板、化粧シートの全てが同系のポリオレフィン系樹脂を主成分としていることから、これらを分離せずにそのまま破砕して再利用可能な優れたリサイクル適性をも有している。更には、発泡成形体の表面に積層された薄板及び化粧シートが、発泡成形体よりも施工時に外側に当たる方向に向かって2〜30mm突き出した形状であることから、周囲の温度変化による床材の伸縮によって生じる目隙きを、この突き出した薄板及び化粧シートによって隠すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床材の補間部材の実施の形態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 発泡成形体
11 ポリオレフィン系樹脂
12 気泡
2 薄板
3 化粧シート

Claims (2)

  1. ポリオレフィン系樹脂からなる平板形状の発泡倍率が2〜40倍の発泡成形体と、該発泡成形体と同系のポリオレフィン系樹脂を主体とする曲げ初期弾性率が80〜1600MPaで厚さ0.3〜2.0mmの薄板と、前記発泡成形体及び前記薄板と同系のポリオレフィン系樹脂を主体とする化粧シートとがこの順に積層されてなり、当該積層体の曲げ初期弾性率が80〜1000MPaであることを特徴とする床材の補間部材。
  2. 前記薄板及び前記化粧シートが前記発泡成形体よりも、施工時において外側に当たる方向に向かって2〜30mm突き出した形状であることを特徴とする請求項1に記載の床材の補間部材。
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