JP2004315766A - 加硫ゴムの分解方法および分解ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる加硫ゴムの分解方法、およびそれにより回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物の提供。
【解決手段】有機溶媒と、硫黄原子を有する分解剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に該分解剤および加硫ゴムを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法。
【選択図】なし
【解決手段】有機溶媒と、硫黄原子を有する分解剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に該分解剤および加硫ゴムを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加硫ゴムの分解方法およびそれにより回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物に関する。特に、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる加硫ゴムの分解方法およびそれにより回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物、特に産業廃棄物からの原材料回収またはそれらの再利用は重要な社会的課題である。排出量の多い使用済みのタイヤ等のゴム廃材についても、原材料回収または再利用が望まれるが、加硫安定化されたゴム廃材から原料として再利用可能な品質のゴムを回収することは容易ではない。
【0003】
ゴム廃材からゴム分を回収する方法としては、高温(500℃以上)または高圧(2MPa以上)でゴム廃材を分解する方法が一般的であり、この方法に用いるための触媒、溶媒等も種々提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
しかしながら、これらの方法では、ゴム成分はガス状の低分子炭化水素またはオイルとして回収することができるが、ゴム原料としてそのまま使用し得るような高分子量ゴムで回収することは困難であるという問題があった。
【0004】
一方、ゴム廃材に再生処理を施して可塑化させ、未加硫のゴムと混合して加硫成形し、再生ゴムとして再利用するなどの手法も広く研究されてきており、鎖状ゴム分子間の架橋構造の可塑化、硫黄架橋の切断、主鎖の切断(解重合)するといった、いわゆる脱硫処理(分解)が知られている。
しかしながら、熱や機械的せん断力だけでは、架橋構造の可塑化や硫黄架橋の切断が十分に進行せず、脱硫処理(分解)が施されたゴム(分解ゴム)や、この分解ゴムを未加硫のゴムと混合して得られる再生ゴムは、引張強さ、伸び、モジュラスおよび耐磨耗性等の特性が劣るという問題があった。
【0005】
上述した種々の問題を解決すべく、特定の再生剤もしくは脱硫剤を用い、ゴム廃材をロール機や密閉式混練機等を用いて素練りを施し、その際に生じる機械的せん断力や熱、あるいは外部から加えた熱によって硫黄架橋を切断させる加硫ゴムの再生方法もしくは脱硫方法が提案されている。(例えば、特許文献6、7参照。)。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第3,704,108号明細書
【特許文献2】
米国特許第3,996,022号明細書
【特許文献3】
欧州特許第71789号明細書
【特許文献4】
特開昭60−40139号公報
【特許文献5】
特開平7−310076号公報
【特許文献6】
特開平8−337603号公報
【特許文献7】
特開平11−323004号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献6および7に記載の方法において、本発明者らが検討した結果、これらの方法では架橋構造の可塑化や硫黄架橋の切断が十分に進行せず、溶媒で抽出される分解ゴムの回収率が低くなるということが明らかとなった。
そこで、本発明は、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる加硫ゴムの分解方法、およびそれにより回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の有機溶媒と、特定の分解剤または特定の老化防止剤とを用いた加硫ゴムの分解方法が、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができることを見出し、本発明の加硫ゴムの分解方法および分解ゴム組成物を完成した。すなわち、本発明は、下記(1)〜(6)に記載の加硫ゴムの分解方法、および(7)に記載の分解ゴム組成物を提供する。
【0009】
(1)有機溶媒と、硫黄原子を有する分解剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に該分解剤および加硫ゴムを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法(第1の態様)。
【0010】
(2)有機溶媒と、フェノール系老化防止剤および/または芳香族2級アミン系老化防止剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に、該フェノール系老化防止剤および/または該芳香族2級アミン系老化防止剤と、加硫ゴムとを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法(第2の態様)。
【0011】
(3)上記分解剤が、メルカプト基、S−S結合、S−N結合、S−金属原子結合およびC−S−C結合からなる群より選択される少なくとも1つを有する上記(1)に記載の加硫ゴムの分解方法。
【0012】
(4)上記加硫ゴムが、加硫ゴム組成物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の加硫ゴムの分解方法。
【0013】
(5)上記加硫ゴム組成物が、加硫ゴムとカーボンブラックとを含有する組成物である上記(4)に記載の加硫ゴムの分解方法。
【0014】
(6)上記加硫ゴムが、ジエン系ゴムである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の加硫ゴムの分解方法。
【0015】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の加硫ゴムの分解方法により回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物(第3の態様)。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の加硫ゴムの分解方法および分解ゴム組成物について詳細に説明する。
本発明の第1の態様に係る加硫ゴムの分解方法は、有機溶媒と、硫黄原子を有する分解剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に該分解剤および該加硫ゴムを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法である。
【0017】
また、本発明の第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法は、有機溶媒と、フェノール系老化防止剤および/または芳香族2級アミン系老化防止剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に、該フェノール系老化防止剤および/または該芳香族2級アミン系老化防止剤と、加硫ゴムとを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法である。
以下、本発明の第1の態様に係る加硫ゴムの分解方法および/または本発明の第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法のことを、単に「本発明の分解方法」ともいう。
【0018】
ここで、上記分解ゴムとは、上述したようにゴム廃材に再生処理(例えば、脱硫処理)を施すことにより回収される分解されたゴムのことをいい、本発明においては、本発明の分解方法を用いて加硫ゴムから回収される分解されたゴムのことである。
以下に、本発明の第1および第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法に用いる各成分(有機溶媒、分解剤、フェノール系老化防止剤、芳香族2級アミン系老化防止剤、加硫ゴム)について詳細に説明する。
【0019】
<有機溶媒>
本発明の分解方法に用いる上記有機溶媒は、常圧での沸点が、好ましくは100〜200℃、より好ましくは140〜180℃の範囲にある有機溶媒であれば特に限定されない。沸点の範囲がこの範囲であれば、後述する加熱工程の際に有機溶媒が揮発する恐れがない。
上記有機溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、オクタン、ノナン、デカン、エチルベンゼン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、本発明の効果を奏する範囲において、上記有機溶媒として、後述する分解剤(例えば、チオフェノール)を用いてもよい。
これらのうち、キシレンを用いることが、後述する加熱工程後に有機溶媒が除去しやすいため好ましい。
【0020】
また、このような有機溶媒を用いれば、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる。これは、後述する加熱工程において、加硫ゴムが容易に溶解および分解することから、分解した加硫ゴムの架橋部やゴム分子鎖分解部に分解剤が作用して、再結合を抑制するためと考えられる。
【0021】
<分解剤>
本発明の分解方法に用いる上記分解剤は、硫黄原子を有する分解剤であれば特に限定されず、メルカプト基、S−S結合、S−N結合、S−金属原子結合およびC−S−C結合からなる群より選択される少なくとも1つを有する分解剤であることが好ましい。
メルカプト基を有する分解剤としては、具体的には、例えば、チオフェノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリン−1−ジチオカルバミン酸ピペリジン塩等が挙げられる。
S−S結合を有する分解剤としては、具体的には、例えば、ジフェニルジスルフィド、2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、ベンゾチアゾールジスルフィド(2,2′−ジチオジベンゾチアゾール)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、4,4′−ジチオジモルフォリン、2−(4−モルフォルニルジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。S−N結合を有する分解剤としては、具体的には、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−(4−モルフォルニルジチオ)ベンゾチアゾール、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等が挙げられる。
S−金属原子結合を有する分解剤としては、具体的には、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩等が挙げられる。
C−S−C結合を有する分解剤としては、具体的には、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィドが挙げられる。
これらのうち、チオフェノール、ジフェニルジスルフィド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドを用いることが、より温和な条件(例えば、140℃、大気圧下)で、ラジカルをトラップすることができるため好ましい。また、例示した分解剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような分解剤を用いれば、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる。これは、後述する加熱工程において、分解した加硫ゴムや加硫ゴムの架橋部に対して分解剤が効果的に作用するためであると考えられる。
【0022】
<フェノール系老化防止剤>
本発明の分解方法に用いる上記フェノール系老化防止剤は、ゴム製品の劣化・老化を遅延させるためにゴムに配合、添加する従来公知の老化防止剤のうち、フェノール骨格(例えば、ヒドロキシフェニル基)を有するものであれば特に限定されない。
上記フェノール系老化防止剤としては、具体的には、例えば、スチレン化フェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−tertert−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、1−ヒドロキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、モノ−tert−ブチル−p−クレゾール、モノ−tert−ブチル−m−クレゾール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ブチル化ビスフェノールA、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ノニルフェノール)、2,2′−イソブチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−チオ−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(2−メチル−6−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼン)スルフィド、2,2′−チオ[ジエチル−ビス3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)酪酸]グリコールエステル、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−tert−ブチルベンゼン)−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、N,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、n−オクタデシル3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、モノ(α−メチルベンゼン)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチルベンジル)フェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸のジエチルエステル、カテコール、ハイドロキノン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、スチレン化フェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を用いることが好ましい。
【0023】
<芳香族2級アミン系老化防止剤>
本発明の分解方法に用いる上記芳香族2級アミン系老化防止剤は、ゴム製品の劣化・老化を遅延させるためにゴムに配合、添加する従来公知の老化防止剤のうち、フェニル基もしくはフェニレン基と結合した2級アミノ基(Ph−NH−もしくは−Ph−NH−)を有するものであれば特に限定されない。
上記芳香族2級アミン系老化防止剤としては、具体的には、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン(例えば、4,4′−ジオクチルジフェニルアミン)、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、n−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンを用いることが好ましい。
【0024】
<加硫ゴム>
本発明の分解方法に用いる上記加硫ゴムとは、側鎖を有していてもよい炭素主鎖からなる長い鎖状有機化合物の集合体である生ゴムに、硫黄または硫黄化合物を混合し、炭素主鎖間もしくは側鎖間にモノスルフィド結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合等の多種の硫黄架橋を形成させ,エラストマーまたはゴムの性状を呈するようにしたゴムのことである。
上記加硫ゴムとしては、具体的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR、NIR、NBIR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴムおよびエチレンプロピレンジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴムを含有するゴムの一部または全部を加硫させたジエン系ゴム等が好適に例示される。
【0025】
本発明の分解方法においては、上記加硫ゴムを単独で分解してもよく、該加硫ゴムを含有する加硫ゴム組成物を分解してもよい。また、加硫ゴム組成物は成形されたものであってもよい。
上記加硫ゴム組成物は、上記加硫ゴムの他に、充填剤、加硫剤、公知の樹脂、他のエラストマー、各種配合剤、ゴム副資材を含有していてもよく、さらに活性剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、粘着剤、粘着付与剤、硬化剤、発泡剤、発泡助剤、補強剤、老化防止剤、着色剤、顔料、難燃剤、離型剤等の添加剤を含有していてもよい。これらの各成分の含有量は、特に限定されない。
【0026】
また、上記加硫ゴム組成物は、充填剤としてカーボンブラックを含有していてもよい。
カーボンブラックを含有していると、回収される分解ゴムが、分子量分布が狭く、高分子量体となるため、該分解ゴムが再利用により適した品質を有する。これは、今日普及している工業用ゴムの大半にカーボンブラック等の充填剤が配合されているという現実を考慮すると、本発明の分解方法の産業上の利用価値が壮大なものであることが理解できる。
上記ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量は特に限定されないが、上記加硫ゴム100質量部に対して、25質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましい。
さらに、上記加硫ゴム組成物は、充填剤として、カーボンブラックの他にシリカ(SiO2 )を含有していてもよい。
上記ゴム組成物中のシリカの含有量は特に限定されないが、上記加硫ゴム100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。
【0027】
上記加硫ゴム組成物が成形されたものとしては、具体的には、例えば、天然ゴムタイヤ、合成ゴムタイヤ、ブラダー、ライナーなどの自動車用ゴム部品、ケーブル、ベルト、ホース、シート、パッキンなどのゴム製品、および精錬屑、加工屑などの成形屑ゴム等が挙げられる。これらは、必ずしも使用されたものでなくてもよいが、ゴム廃材であることがコストおよびリサイクルの点で望ましい。
未使用のゴム廃材としては、具体的には、例えば、タイヤ等のゴム製品を製造する際に、混錬・成形工程等で排出される早期加硫、加硫むら(焼け、スコーチ)を起こしたゴム破材、加硫工程で排出されるダレ等を起こした不良ゴム製品、加硫部分と未加硫部分とが混在したもの、全体的に加硫の程度が低いもの、鋼材、有機繊維等の他部材が付着したもの等の様々な形態の成形屑ゴムを挙げることができる。
これらのうち、タイヤあるいはその成形屑ゴムは、天然ゴムおよびイソプレンを高純度で回収することができるゴム廃材であるため好ましい。また、ブチルゴム原料の自動車用ゴム部品廃材等も好ましい。
【0028】
上記加硫ゴムまたは上記加硫ゴム組成物(以下、「加硫ゴム等」という)の形状は特に限定されないが、後述する加熱工程における分解剤との反応効率等を向上させるために、切断などにより細分化して用いることが好ましい。
【0029】
本発明の分解方法において、上記有機溶媒は、上記加硫ゴム等100質量部に対して50〜10000質量部含有されていることが好ましく、100〜1000質量部含有されていることがより好ましい。有機溶媒の含有割合がこの範囲であれば、上記加硫ゴム等が膨潤し、後述する加熱工程において上記加硫ゴム等が溶解するため分解ゴムを効率良く回収することができる理由から好ましい。
また、上記分解剤は、上記加硫ゴム等100質量部に対して0.1〜100質量部含有されていることが好ましく、1〜30質量部含有されていることがより好ましい。分解剤の含有割合がこの範囲であれば、回収される分解ゴムが、分子量分布が狭く、単なる熱分解よりも比較的高分子量体となる理由から好ましい。さらに、上記フェノール系老化防止剤および/または上記芳香族2級アミン系老化防止剤は、上記加硫ゴム等100質量部に対して0.1〜100質量部含有されていることが好ましく、1〜30質量部含有されていることがより好ましい。フェノール系老化防止剤および/または芳香族2級アミン系老化防止剤の含有割合がこの範囲であれば、回収される分解ゴムが、分子量分布が狭く、単なる熱分解よりも高分子量体となる理由から好ましい。
【0030】
本発明の第1の態様に係る加硫ゴムの分解方法は、上記有機溶媒中に、上記分解剤および上記加硫ゴム等を共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する加硫ゴムの分解方法である。
以下に、本発明の第1の態様に係る加硫ゴムの分解方法における加熱工程(以下、「第1の態様に係る加熱工程」ともいう)について詳細に説明する。
【0031】
上記第1の態様に係る加熱工程とは、上記有機溶媒中に上記分解剤および上記加硫ゴム等を共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する工程である。
ここで、共存とは、上記加硫ゴム等の分解が行われる際に、上記有機溶剤中に上記分解剤および該加硫ゴム等がともに存在している状態のことをいう。また、共存させる方法は特に限定されず、具体的には、有機溶媒中に分解剤および加硫ゴム等を浸漬もしくは浸漬攪拌する方法が好適に例示される。
上記共存後の加熱は、100〜200℃の範囲で行い、140〜180℃で行うことが好ましく、上記加熱の所要時間は、1〜48時間であることが好ましく、5〜24時間であることがより好ましい。加熱温度および加熱時間がこの範囲であれば、上記分解剤および上記加硫ゴム等が上記有機溶媒に溶解し、分解ゴムの生成が促進される理由から好ましい。
また、上記加熱中は、上記分解剤および上記加硫ゴム等を上記有機溶媒中において浸漬攪拌することが好ましい。
【0032】
一方、本発明の第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法は、上記有機溶媒中に、上記フェノール系老化防止剤および/または上記芳香族2級アミン系老化防止剤と、上記加硫ゴム等とを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する加硫ゴムの分解方法である。
ここで、本発明の第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法における加熱工程(以下、「第2の態様に係る加熱工程」ともいう)は、上述した第1の態様に係る加熱工程において、上記分解ゴムの代わりに上記フェノール系老化防止剤および/または上記芳香族2級アミン系老化防止剤を用いた以外は同様である。
【0033】
また、第1および第2の態様に係る上記加熱工程は、空気中もしくは窒素ガス等の不活性雰囲気下のいずれで行ってもよいが、加硫ゴム等および分解ゴムの変性(酸化)を避ける必要がある場合等には、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
【0034】
本発明の分解方法は、上記加熱工程を具備する加硫ゴムの分解方法であるが、該加熱工程後に、必要に応じて、上記有機溶媒中の不溶成分を分離する分離工程、該分離工程後の有機溶媒を濃縮させる有機溶媒濃縮工程、および、該有機溶媒濃縮工程後に濃縮された有機溶媒(以下、「分解ゴム溶液」ともいう)を貧溶媒に滴下することにより分解ゴムを精製・回収する分解ゴム精製回収工程を具備していることが好ましい。
上記分離工程は、上記加熱工程後の有機溶媒中における不溶成分(例えば、カーボンブラック、無機分等の固形分)を、有機溶媒から分離する工程である。ここで、上記不溶成分の分離は、ろ過による分離でも、デカンテーションによる分離でもよく、通常行われる条件等を選択することができる。
上記有機溶媒濃縮工程は、上記分離工程後の有機溶媒を濃縮する工程であり、具体的には、生成した分解ゴムが析出しない程度に該有機溶媒を濃縮する工程である。そのため、上記分離工程後の有機溶媒における分解ゴムの濃度が高ければ濃縮しなくてもよい。また、上記濃縮は通常行われる条件等を選択することができる。
上記分解ゴム精製回収工程には、上記分解ゴム溶液を貧溶媒に滴下することにより分解ゴムを精製(沈殿精製)・回収する工程である。ここで、上記貧溶媒とは、分解ゴムが溶解しない有機溶媒のことであり、具体的には、例えば、メタノール、エタノール等が挙げられる。また、上記沈殿精製および回収は、通常行われる条件を選択することができ、例えば、沈殿精製された分解ゴムをろ過、加熱乾燥することにより分解ゴムを回収することができる。
【0035】
本発明の分解方法を実施する際に使用する装置等は特に限定されず、一般的に用いられる反応器、加熱手段および攪拌装置を備えた反応器、ろ過装置、乾燥機などの装置等を用いることができる。
【0036】
以上のことより、上記有機溶媒と、上記分解剤あるいは上記フェノール系老化防止剤および/または上記芳香族2級アミン系老化防止剤と、を用いた本発明の分解方法を用いれば、分子量分布が狭く、高分子量体である分解ゴムを効率良く回収することができる。
具体的には、本発明の分解方法を用いれば、重量平均分子量が20000〜50000程度で、分子量分布が1.5〜3.0である分解ゴムを80〜95%の収率で得ることができる。
【0037】
次に、本発明の第3の態様に係る分解ゴム組成物(以下、「本発明の分解ゴム組成物」という)について説明する。
本発明の分解ゴム組成物は、上述した本発明の分解方法により回収された分解ゴムを含有する組成物であれば特に限定されず、所望により各種添加剤を添加してもよい。
上記添加剤としては、具体的には、例えば、上記分解ゴム以外のゴム、公知の樹脂、補強剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、粘着剤、粘着付与剤、硬化剤、発泡剤、発泡付与剤、老化防止剤、有機系活性剤、着色剤、顔料、難燃剤、離型剤等を挙げることができる。また、これらの添加剤の配合量は特に限定されず、本発明の分解ゴム組成物の用途、要求特性を考慮して、一般的な配合量とすることができる。
【0038】
また、本発明の分解ゴム組成物は、上記分解ゴムと、所望により加えられる上記添加剤とを、2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて、50〜180℃程度に加熱して混練することにより製造することができる。
【0039】
本発明の分解方法により回収される分解ゴムは、上述した種々の特性を有していることから、分解ゴム単体でゴム物性変性剤(例えば、可塑剤)として好適に用いることができ、また該分解ゴムを含有する本発明の分解ゴム組成物は、シーリング材等として好適に用いることができる。
【0040】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<加硫ゴム組成物>
本発明の分解方法により分解される加硫ゴムとして、天然ゴム、所望により添加されるカーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、硫黄および加硫促進剤を、下記表1に示す配合(質量部)で混合し、バンバリーミキサーで十分に混練し、加硫された加硫ゴム組成物1および2を得た。
【0041】
【表1】
【0042】
加硫ゴム組成物1および2に用いた上記表1中の各成分を以下に示す。
天然ゴム:RSS#3
カーボンブラック:ショウブラックS118(昭和キャボット社製)
亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本樹脂社製)
老化防止剤1:サントフレックス6PPD(フレキシス社製)
老化防止剤2:ノクラック224(大内新興化学工業)
硫黄:油処理硫黄(軽井沢精錬所製)
加硫促進剤:ノクセラーNS−P(大内新興化学工業)
【0043】
<加硫ゴム組成物の分解処理>
(実施例1〜3)
得られた加硫ゴム組成物1の1.0gを5mm角に切断してサイコロ状にしたものと、分解剤0.2mmolとをキシレン50ml中に共存させ、140℃、24時間加熱攪拌させて、加硫ゴム組成物1を分解した。分解後、キシレン不溶成分をデカンテーションにより分離し、さらに不溶成分分離後のキシレンを濃縮した分解ゴム溶液をメタノール中に滴下することにより分解ゴムを精製、回収した。
なお、分解剤としては、実施例1においてはチオフェノールを、実施例2においてはジフェニルジスルフィドを、実施例3においてはN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドを用いた。
【0044】
(実施例4)
得られた加硫ゴム組成物2の1.0gを5mm角に切断してサイコロ状にしたものと、分解剤0.2mmolとをキシレン50ml中に共存させ、140℃、24時間加熱攪拌させて、加硫ゴム組成物2を分解した。分解後、キシレン不溶成分をデカンテーションにより分離し、さらに不溶成分分離後のキシレンを濃縮した分解ゴム溶液をメタノール中に滴下することにより分解ゴムを精製、回収した。
なお、分解剤としては、チオフェノールを用いた。
【0045】
(実施例5および6)
得られた加硫ゴム組成物1の1.0gを5mm角に切断してサイコロ状にしたものと、フェノール系老化防止剤0.2mmolとをキシレン50ml中に共存させ、140℃、24時間加熱攪拌させて、加硫ゴム組成物1を分解した。分解後、キシレン不溶成分をデカンテーションにより分離し、さらに不溶成分分離後のキシレンを濃縮した分解ゴム溶液をメタノール中に滴下することにより分解ゴムを精製、回収した。
なお、フェノール系老化防止剤としては、実施例5においては2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール(スワノックス、精工化学工業社製)を、実施例6においてはスチレン化フェノール(アンテージSP、川口化学工業社製)を用いた。
【0046】
(実施例7)
得られた加硫ゴム組成物1の1.0gを5mm角に切断してサイコロ状にしたものと、芳香族2級アミン系老化防止剤0.2mmolとをキシレン50ml中に共存させ、140℃、24時間加熱攪拌させて、加硫ゴム組成物1を分解した。分解後、キシレン不溶成分をデカンテーションにより分離し、さらに不溶成分分離後のキシレンを濃縮した分解ゴム溶液をメタノール中に滴下することにより分解ゴムを精製、回収した。
なお、芳香族2級アミン系老化防止剤としては、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(サントフレックス6PPD、フレキシス社製)を用いた。
【0047】
(比較例1)
分解剤を用いない以外は、上記実施例1〜3と同様の方法で行った。
【0048】
回収された各分解ゴムの回収率、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)(以下、「Mw/Mn」という)を以下に示す方法により測定した。その結果を下記表2に示す。
【0049】
<回収率(%)>
上記加硫ゴム組成物1、2の生成に用いた天然ゴムの質量(天然ゴム重量)と、回収された分解ゴムの質量(回収ゴム重量)とを測定し、(回収ゴム重量)/(天然ゴム重量)×100から求めた。
【0050】
<Mw、Mw/Mnの測定>
回収された分解ゴムをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、濃度が0.5質量%で均一なTHF溶液を調製した。得られたTHF溶液を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析することにより、MwおよびMw/Mnを求めた。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
上記表2に示す結果から分かるように、実施例1〜7により回収された分解ゴムは、高分子量体となり、また分子量分布が3.0以下と狭くなることが明らかとなった。
【0054】
【発明の効果】
本発明により、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる加硫ゴムの分解方法、およびそれにより回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、加硫ゴムの分解方法およびそれにより回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物に関する。特に、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる加硫ゴムの分解方法およびそれにより回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物、特に産業廃棄物からの原材料回収またはそれらの再利用は重要な社会的課題である。排出量の多い使用済みのタイヤ等のゴム廃材についても、原材料回収または再利用が望まれるが、加硫安定化されたゴム廃材から原料として再利用可能な品質のゴムを回収することは容易ではない。
【0003】
ゴム廃材からゴム分を回収する方法としては、高温(500℃以上)または高圧(2MPa以上)でゴム廃材を分解する方法が一般的であり、この方法に用いるための触媒、溶媒等も種々提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
しかしながら、これらの方法では、ゴム成分はガス状の低分子炭化水素またはオイルとして回収することができるが、ゴム原料としてそのまま使用し得るような高分子量ゴムで回収することは困難であるという問題があった。
【0004】
一方、ゴム廃材に再生処理を施して可塑化させ、未加硫のゴムと混合して加硫成形し、再生ゴムとして再利用するなどの手法も広く研究されてきており、鎖状ゴム分子間の架橋構造の可塑化、硫黄架橋の切断、主鎖の切断(解重合)するといった、いわゆる脱硫処理(分解)が知られている。
しかしながら、熱や機械的せん断力だけでは、架橋構造の可塑化や硫黄架橋の切断が十分に進行せず、脱硫処理(分解)が施されたゴム(分解ゴム)や、この分解ゴムを未加硫のゴムと混合して得られる再生ゴムは、引張強さ、伸び、モジュラスおよび耐磨耗性等の特性が劣るという問題があった。
【0005】
上述した種々の問題を解決すべく、特定の再生剤もしくは脱硫剤を用い、ゴム廃材をロール機や密閉式混練機等を用いて素練りを施し、その際に生じる機械的せん断力や熱、あるいは外部から加えた熱によって硫黄架橋を切断させる加硫ゴムの再生方法もしくは脱硫方法が提案されている。(例えば、特許文献6、7参照。)。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第3,704,108号明細書
【特許文献2】
米国特許第3,996,022号明細書
【特許文献3】
欧州特許第71789号明細書
【特許文献4】
特開昭60−40139号公報
【特許文献5】
特開平7−310076号公報
【特許文献6】
特開平8−337603号公報
【特許文献7】
特開平11−323004号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献6および7に記載の方法において、本発明者らが検討した結果、これらの方法では架橋構造の可塑化や硫黄架橋の切断が十分に進行せず、溶媒で抽出される分解ゴムの回収率が低くなるということが明らかとなった。
そこで、本発明は、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる加硫ゴムの分解方法、およびそれにより回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の有機溶媒と、特定の分解剤または特定の老化防止剤とを用いた加硫ゴムの分解方法が、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができることを見出し、本発明の加硫ゴムの分解方法および分解ゴム組成物を完成した。すなわち、本発明は、下記(1)〜(6)に記載の加硫ゴムの分解方法、および(7)に記載の分解ゴム組成物を提供する。
【0009】
(1)有機溶媒と、硫黄原子を有する分解剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に該分解剤および加硫ゴムを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法(第1の態様)。
【0010】
(2)有機溶媒と、フェノール系老化防止剤および/または芳香族2級アミン系老化防止剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に、該フェノール系老化防止剤および/または該芳香族2級アミン系老化防止剤と、加硫ゴムとを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法(第2の態様)。
【0011】
(3)上記分解剤が、メルカプト基、S−S結合、S−N結合、S−金属原子結合およびC−S−C結合からなる群より選択される少なくとも1つを有する上記(1)に記載の加硫ゴムの分解方法。
【0012】
(4)上記加硫ゴムが、加硫ゴム組成物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の加硫ゴムの分解方法。
【0013】
(5)上記加硫ゴム組成物が、加硫ゴムとカーボンブラックとを含有する組成物である上記(4)に記載の加硫ゴムの分解方法。
【0014】
(6)上記加硫ゴムが、ジエン系ゴムである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の加硫ゴムの分解方法。
【0015】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の加硫ゴムの分解方法により回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物(第3の態様)。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の加硫ゴムの分解方法および分解ゴム組成物について詳細に説明する。
本発明の第1の態様に係る加硫ゴムの分解方法は、有機溶媒と、硫黄原子を有する分解剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に該分解剤および該加硫ゴムを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法である。
【0017】
また、本発明の第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法は、有機溶媒と、フェノール系老化防止剤および/または芳香族2級アミン系老化防止剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に、該フェノール系老化防止剤および/または該芳香族2級アミン系老化防止剤と、加硫ゴムとを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法である。
以下、本発明の第1の態様に係る加硫ゴムの分解方法および/または本発明の第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法のことを、単に「本発明の分解方法」ともいう。
【0018】
ここで、上記分解ゴムとは、上述したようにゴム廃材に再生処理(例えば、脱硫処理)を施すことにより回収される分解されたゴムのことをいい、本発明においては、本発明の分解方法を用いて加硫ゴムから回収される分解されたゴムのことである。
以下に、本発明の第1および第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法に用いる各成分(有機溶媒、分解剤、フェノール系老化防止剤、芳香族2級アミン系老化防止剤、加硫ゴム)について詳細に説明する。
【0019】
<有機溶媒>
本発明の分解方法に用いる上記有機溶媒は、常圧での沸点が、好ましくは100〜200℃、より好ましくは140〜180℃の範囲にある有機溶媒であれば特に限定されない。沸点の範囲がこの範囲であれば、後述する加熱工程の際に有機溶媒が揮発する恐れがない。
上記有機溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、オクタン、ノナン、デカン、エチルベンゼン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、本発明の効果を奏する範囲において、上記有機溶媒として、後述する分解剤(例えば、チオフェノール)を用いてもよい。
これらのうち、キシレンを用いることが、後述する加熱工程後に有機溶媒が除去しやすいため好ましい。
【0020】
また、このような有機溶媒を用いれば、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる。これは、後述する加熱工程において、加硫ゴムが容易に溶解および分解することから、分解した加硫ゴムの架橋部やゴム分子鎖分解部に分解剤が作用して、再結合を抑制するためと考えられる。
【0021】
<分解剤>
本発明の分解方法に用いる上記分解剤は、硫黄原子を有する分解剤であれば特に限定されず、メルカプト基、S−S結合、S−N結合、S−金属原子結合およびC−S−C結合からなる群より選択される少なくとも1つを有する分解剤であることが好ましい。
メルカプト基を有する分解剤としては、具体的には、例えば、チオフェノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリン−1−ジチオカルバミン酸ピペリジン塩等が挙げられる。
S−S結合を有する分解剤としては、具体的には、例えば、ジフェニルジスルフィド、2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、ベンゾチアゾールジスルフィド(2,2′−ジチオジベンゾチアゾール)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、4,4′−ジチオジモルフォリン、2−(4−モルフォルニルジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。S−N結合を有する分解剤としては、具体的には、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−(4−モルフォルニルジチオ)ベンゾチアゾール、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等が挙げられる。
S−金属原子結合を有する分解剤としては、具体的には、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩等が挙げられる。
C−S−C結合を有する分解剤としては、具体的には、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィドが挙げられる。
これらのうち、チオフェノール、ジフェニルジスルフィド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドを用いることが、より温和な条件(例えば、140℃、大気圧下)で、ラジカルをトラップすることができるため好ましい。また、例示した分解剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような分解剤を用いれば、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる。これは、後述する加熱工程において、分解した加硫ゴムや加硫ゴムの架橋部に対して分解剤が効果的に作用するためであると考えられる。
【0022】
<フェノール系老化防止剤>
本発明の分解方法に用いる上記フェノール系老化防止剤は、ゴム製品の劣化・老化を遅延させるためにゴムに配合、添加する従来公知の老化防止剤のうち、フェノール骨格(例えば、ヒドロキシフェニル基)を有するものであれば特に限定されない。
上記フェノール系老化防止剤としては、具体的には、例えば、スチレン化フェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−tertert−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、1−ヒドロキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、モノ−tert−ブチル−p−クレゾール、モノ−tert−ブチル−m−クレゾール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ブチル化ビスフェノールA、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ノニルフェノール)、2,2′−イソブチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−チオ−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(2−メチル−6−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼン)スルフィド、2,2′−チオ[ジエチル−ビス3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)酪酸]グリコールエステル、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−tert−ブチルベンゼン)−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、N,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、n−オクタデシル3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、モノ(α−メチルベンゼン)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチルベンジル)フェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸のジエチルエステル、カテコール、ハイドロキノン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、スチレン化フェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を用いることが好ましい。
【0023】
<芳香族2級アミン系老化防止剤>
本発明の分解方法に用いる上記芳香族2級アミン系老化防止剤は、ゴム製品の劣化・老化を遅延させるためにゴムに配合、添加する従来公知の老化防止剤のうち、フェニル基もしくはフェニレン基と結合した2級アミノ基(Ph−NH−もしくは−Ph−NH−)を有するものであれば特に限定されない。
上記芳香族2級アミン系老化防止剤としては、具体的には、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン(例えば、4,4′−ジオクチルジフェニルアミン)、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、n−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンを用いることが好ましい。
【0024】
<加硫ゴム>
本発明の分解方法に用いる上記加硫ゴムとは、側鎖を有していてもよい炭素主鎖からなる長い鎖状有機化合物の集合体である生ゴムに、硫黄または硫黄化合物を混合し、炭素主鎖間もしくは側鎖間にモノスルフィド結合、ジスルフィド結合、ポリスルフィド結合等の多種の硫黄架橋を形成させ,エラストマーまたはゴムの性状を呈するようにしたゴムのことである。
上記加硫ゴムとしては、具体的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR、NIR、NBIR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴムおよびエチレンプロピレンジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴムを含有するゴムの一部または全部を加硫させたジエン系ゴム等が好適に例示される。
【0025】
本発明の分解方法においては、上記加硫ゴムを単独で分解してもよく、該加硫ゴムを含有する加硫ゴム組成物を分解してもよい。また、加硫ゴム組成物は成形されたものであってもよい。
上記加硫ゴム組成物は、上記加硫ゴムの他に、充填剤、加硫剤、公知の樹脂、他のエラストマー、各種配合剤、ゴム副資材を含有していてもよく、さらに活性剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、粘着剤、粘着付与剤、硬化剤、発泡剤、発泡助剤、補強剤、老化防止剤、着色剤、顔料、難燃剤、離型剤等の添加剤を含有していてもよい。これらの各成分の含有量は、特に限定されない。
【0026】
また、上記加硫ゴム組成物は、充填剤としてカーボンブラックを含有していてもよい。
カーボンブラックを含有していると、回収される分解ゴムが、分子量分布が狭く、高分子量体となるため、該分解ゴムが再利用により適した品質を有する。これは、今日普及している工業用ゴムの大半にカーボンブラック等の充填剤が配合されているという現実を考慮すると、本発明の分解方法の産業上の利用価値が壮大なものであることが理解できる。
上記ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量は特に限定されないが、上記加硫ゴム100質量部に対して、25質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましい。
さらに、上記加硫ゴム組成物は、充填剤として、カーボンブラックの他にシリカ(SiO2 )を含有していてもよい。
上記ゴム組成物中のシリカの含有量は特に限定されないが、上記加硫ゴム100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。
【0027】
上記加硫ゴム組成物が成形されたものとしては、具体的には、例えば、天然ゴムタイヤ、合成ゴムタイヤ、ブラダー、ライナーなどの自動車用ゴム部品、ケーブル、ベルト、ホース、シート、パッキンなどのゴム製品、および精錬屑、加工屑などの成形屑ゴム等が挙げられる。これらは、必ずしも使用されたものでなくてもよいが、ゴム廃材であることがコストおよびリサイクルの点で望ましい。
未使用のゴム廃材としては、具体的には、例えば、タイヤ等のゴム製品を製造する際に、混錬・成形工程等で排出される早期加硫、加硫むら(焼け、スコーチ)を起こしたゴム破材、加硫工程で排出されるダレ等を起こした不良ゴム製品、加硫部分と未加硫部分とが混在したもの、全体的に加硫の程度が低いもの、鋼材、有機繊維等の他部材が付着したもの等の様々な形態の成形屑ゴムを挙げることができる。
これらのうち、タイヤあるいはその成形屑ゴムは、天然ゴムおよびイソプレンを高純度で回収することができるゴム廃材であるため好ましい。また、ブチルゴム原料の自動車用ゴム部品廃材等も好ましい。
【0028】
上記加硫ゴムまたは上記加硫ゴム組成物(以下、「加硫ゴム等」という)の形状は特に限定されないが、後述する加熱工程における分解剤との反応効率等を向上させるために、切断などにより細分化して用いることが好ましい。
【0029】
本発明の分解方法において、上記有機溶媒は、上記加硫ゴム等100質量部に対して50〜10000質量部含有されていることが好ましく、100〜1000質量部含有されていることがより好ましい。有機溶媒の含有割合がこの範囲であれば、上記加硫ゴム等が膨潤し、後述する加熱工程において上記加硫ゴム等が溶解するため分解ゴムを効率良く回収することができる理由から好ましい。
また、上記分解剤は、上記加硫ゴム等100質量部に対して0.1〜100質量部含有されていることが好ましく、1〜30質量部含有されていることがより好ましい。分解剤の含有割合がこの範囲であれば、回収される分解ゴムが、分子量分布が狭く、単なる熱分解よりも比較的高分子量体となる理由から好ましい。さらに、上記フェノール系老化防止剤および/または上記芳香族2級アミン系老化防止剤は、上記加硫ゴム等100質量部に対して0.1〜100質量部含有されていることが好ましく、1〜30質量部含有されていることがより好ましい。フェノール系老化防止剤および/または芳香族2級アミン系老化防止剤の含有割合がこの範囲であれば、回収される分解ゴムが、分子量分布が狭く、単なる熱分解よりも高分子量体となる理由から好ましい。
【0030】
本発明の第1の態様に係る加硫ゴムの分解方法は、上記有機溶媒中に、上記分解剤および上記加硫ゴム等を共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する加硫ゴムの分解方法である。
以下に、本発明の第1の態様に係る加硫ゴムの分解方法における加熱工程(以下、「第1の態様に係る加熱工程」ともいう)について詳細に説明する。
【0031】
上記第1の態様に係る加熱工程とは、上記有機溶媒中に上記分解剤および上記加硫ゴム等を共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する工程である。
ここで、共存とは、上記加硫ゴム等の分解が行われる際に、上記有機溶剤中に上記分解剤および該加硫ゴム等がともに存在している状態のことをいう。また、共存させる方法は特に限定されず、具体的には、有機溶媒中に分解剤および加硫ゴム等を浸漬もしくは浸漬攪拌する方法が好適に例示される。
上記共存後の加熱は、100〜200℃の範囲で行い、140〜180℃で行うことが好ましく、上記加熱の所要時間は、1〜48時間であることが好ましく、5〜24時間であることがより好ましい。加熱温度および加熱時間がこの範囲であれば、上記分解剤および上記加硫ゴム等が上記有機溶媒に溶解し、分解ゴムの生成が促進される理由から好ましい。
また、上記加熱中は、上記分解剤および上記加硫ゴム等を上記有機溶媒中において浸漬攪拌することが好ましい。
【0032】
一方、本発明の第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法は、上記有機溶媒中に、上記フェノール系老化防止剤および/または上記芳香族2級アミン系老化防止剤と、上記加硫ゴム等とを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する加硫ゴムの分解方法である。
ここで、本発明の第2の態様に係る加硫ゴムの分解方法における加熱工程(以下、「第2の態様に係る加熱工程」ともいう)は、上述した第1の態様に係る加熱工程において、上記分解ゴムの代わりに上記フェノール系老化防止剤および/または上記芳香族2級アミン系老化防止剤を用いた以外は同様である。
【0033】
また、第1および第2の態様に係る上記加熱工程は、空気中もしくは窒素ガス等の不活性雰囲気下のいずれで行ってもよいが、加硫ゴム等および分解ゴムの変性(酸化)を避ける必要がある場合等には、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
【0034】
本発明の分解方法は、上記加熱工程を具備する加硫ゴムの分解方法であるが、該加熱工程後に、必要に応じて、上記有機溶媒中の不溶成分を分離する分離工程、該分離工程後の有機溶媒を濃縮させる有機溶媒濃縮工程、および、該有機溶媒濃縮工程後に濃縮された有機溶媒(以下、「分解ゴム溶液」ともいう)を貧溶媒に滴下することにより分解ゴムを精製・回収する分解ゴム精製回収工程を具備していることが好ましい。
上記分離工程は、上記加熱工程後の有機溶媒中における不溶成分(例えば、カーボンブラック、無機分等の固形分)を、有機溶媒から分離する工程である。ここで、上記不溶成分の分離は、ろ過による分離でも、デカンテーションによる分離でもよく、通常行われる条件等を選択することができる。
上記有機溶媒濃縮工程は、上記分離工程後の有機溶媒を濃縮する工程であり、具体的には、生成した分解ゴムが析出しない程度に該有機溶媒を濃縮する工程である。そのため、上記分離工程後の有機溶媒における分解ゴムの濃度が高ければ濃縮しなくてもよい。また、上記濃縮は通常行われる条件等を選択することができる。
上記分解ゴム精製回収工程には、上記分解ゴム溶液を貧溶媒に滴下することにより分解ゴムを精製(沈殿精製)・回収する工程である。ここで、上記貧溶媒とは、分解ゴムが溶解しない有機溶媒のことであり、具体的には、例えば、メタノール、エタノール等が挙げられる。また、上記沈殿精製および回収は、通常行われる条件を選択することができ、例えば、沈殿精製された分解ゴムをろ過、加熱乾燥することにより分解ゴムを回収することができる。
【0035】
本発明の分解方法を実施する際に使用する装置等は特に限定されず、一般的に用いられる反応器、加熱手段および攪拌装置を備えた反応器、ろ過装置、乾燥機などの装置等を用いることができる。
【0036】
以上のことより、上記有機溶媒と、上記分解剤あるいは上記フェノール系老化防止剤および/または上記芳香族2級アミン系老化防止剤と、を用いた本発明の分解方法を用いれば、分子量分布が狭く、高分子量体である分解ゴムを効率良く回収することができる。
具体的には、本発明の分解方法を用いれば、重量平均分子量が20000〜50000程度で、分子量分布が1.5〜3.0である分解ゴムを80〜95%の収率で得ることができる。
【0037】
次に、本発明の第3の態様に係る分解ゴム組成物(以下、「本発明の分解ゴム組成物」という)について説明する。
本発明の分解ゴム組成物は、上述した本発明の分解方法により回収された分解ゴムを含有する組成物であれば特に限定されず、所望により各種添加剤を添加してもよい。
上記添加剤としては、具体的には、例えば、上記分解ゴム以外のゴム、公知の樹脂、補強剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、粘着剤、粘着付与剤、硬化剤、発泡剤、発泡付与剤、老化防止剤、有機系活性剤、着色剤、顔料、難燃剤、離型剤等を挙げることができる。また、これらの添加剤の配合量は特に限定されず、本発明の分解ゴム組成物の用途、要求特性を考慮して、一般的な配合量とすることができる。
【0038】
また、本発明の分解ゴム組成物は、上記分解ゴムと、所望により加えられる上記添加剤とを、2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて、50〜180℃程度に加熱して混練することにより製造することができる。
【0039】
本発明の分解方法により回収される分解ゴムは、上述した種々の特性を有していることから、分解ゴム単体でゴム物性変性剤(例えば、可塑剤)として好適に用いることができ、また該分解ゴムを含有する本発明の分解ゴム組成物は、シーリング材等として好適に用いることができる。
【0040】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<加硫ゴム組成物>
本発明の分解方法により分解される加硫ゴムとして、天然ゴム、所望により添加されるカーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、硫黄および加硫促進剤を、下記表1に示す配合(質量部)で混合し、バンバリーミキサーで十分に混練し、加硫された加硫ゴム組成物1および2を得た。
【0041】
【表1】
【0042】
加硫ゴム組成物1および2に用いた上記表1中の各成分を以下に示す。
天然ゴム:RSS#3
カーボンブラック:ショウブラックS118(昭和キャボット社製)
亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本樹脂社製)
老化防止剤1:サントフレックス6PPD(フレキシス社製)
老化防止剤2:ノクラック224(大内新興化学工業)
硫黄:油処理硫黄(軽井沢精錬所製)
加硫促進剤:ノクセラーNS−P(大内新興化学工業)
【0043】
<加硫ゴム組成物の分解処理>
(実施例1〜3)
得られた加硫ゴム組成物1の1.0gを5mm角に切断してサイコロ状にしたものと、分解剤0.2mmolとをキシレン50ml中に共存させ、140℃、24時間加熱攪拌させて、加硫ゴム組成物1を分解した。分解後、キシレン不溶成分をデカンテーションにより分離し、さらに不溶成分分離後のキシレンを濃縮した分解ゴム溶液をメタノール中に滴下することにより分解ゴムを精製、回収した。
なお、分解剤としては、実施例1においてはチオフェノールを、実施例2においてはジフェニルジスルフィドを、実施例3においてはN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドを用いた。
【0044】
(実施例4)
得られた加硫ゴム組成物2の1.0gを5mm角に切断してサイコロ状にしたものと、分解剤0.2mmolとをキシレン50ml中に共存させ、140℃、24時間加熱攪拌させて、加硫ゴム組成物2を分解した。分解後、キシレン不溶成分をデカンテーションにより分離し、さらに不溶成分分離後のキシレンを濃縮した分解ゴム溶液をメタノール中に滴下することにより分解ゴムを精製、回収した。
なお、分解剤としては、チオフェノールを用いた。
【0045】
(実施例5および6)
得られた加硫ゴム組成物1の1.0gを5mm角に切断してサイコロ状にしたものと、フェノール系老化防止剤0.2mmolとをキシレン50ml中に共存させ、140℃、24時間加熱攪拌させて、加硫ゴム組成物1を分解した。分解後、キシレン不溶成分をデカンテーションにより分離し、さらに不溶成分分離後のキシレンを濃縮した分解ゴム溶液をメタノール中に滴下することにより分解ゴムを精製、回収した。
なお、フェノール系老化防止剤としては、実施例5においては2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール(スワノックス、精工化学工業社製)を、実施例6においてはスチレン化フェノール(アンテージSP、川口化学工業社製)を用いた。
【0046】
(実施例7)
得られた加硫ゴム組成物1の1.0gを5mm角に切断してサイコロ状にしたものと、芳香族2級アミン系老化防止剤0.2mmolとをキシレン50ml中に共存させ、140℃、24時間加熱攪拌させて、加硫ゴム組成物1を分解した。分解後、キシレン不溶成分をデカンテーションにより分離し、さらに不溶成分分離後のキシレンを濃縮した分解ゴム溶液をメタノール中に滴下することにより分解ゴムを精製、回収した。
なお、芳香族2級アミン系老化防止剤としては、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(サントフレックス6PPD、フレキシス社製)を用いた。
【0047】
(比較例1)
分解剤を用いない以外は、上記実施例1〜3と同様の方法で行った。
【0048】
回収された各分解ゴムの回収率、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)(以下、「Mw/Mn」という)を以下に示す方法により測定した。その結果を下記表2に示す。
【0049】
<回収率(%)>
上記加硫ゴム組成物1、2の生成に用いた天然ゴムの質量(天然ゴム重量)と、回収された分解ゴムの質量(回収ゴム重量)とを測定し、(回収ゴム重量)/(天然ゴム重量)×100から求めた。
【0050】
<Mw、Mw/Mnの測定>
回収された分解ゴムをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、濃度が0.5質量%で均一なTHF溶液を調製した。得られたTHF溶液を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析することにより、MwおよびMw/Mnを求めた。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
上記表2に示す結果から分かるように、実施例1〜7により回収された分解ゴムは、高分子量体となり、また分子量分布が3.0以下と狭くなることが明らかとなった。
【0054】
【発明の効果】
本発明により、分子量分布の狭い高分子量体の分解ゴムを効率良く回収することができる加硫ゴムの分解方法、およびそれにより回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物を提供することができる。
Claims (7)
- 有機溶媒と、硫黄原子を有する分解剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に該分解剤および加硫ゴムを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法。 - 有機溶媒と、フェノール系老化防止剤および/または芳香族2級アミン系老化防止剤と、を用いた加硫ゴムの分解方法であって、
該有機溶媒中に、該フェノール系老化防止剤および/または該芳香族2級アミン系老化防止剤と、加硫ゴムとを共存させた後に、それらを100〜200℃に加熱する加熱工程を具備する、加硫ゴムの分解方法。 - 前記分解剤が、メルカプト基、S−S結合、S−N結合、S−金属原子結合およびC−S−C結合からなる群より選択される少なくとも1つを有する請求項1に記載の加硫ゴムの分解方法。
- 前記加硫ゴムが、加硫ゴム組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の加硫ゴムの分解方法。
- 前記加硫ゴム組成物が、加硫ゴムとカーボンブラックとを含有する組成物である請求項4に記載の加硫ゴムの分解方法。
- 前記加硫ゴムが、ジエン系ゴムである請求項1〜5のいずれかに記載の加硫ゴムの分解方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の加硫ゴムの分解方法により回収される分解ゴムを含有する分解ゴム組成物。
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2003
- 2003-04-23 JP JP2003118164A patent/JP2004315766A/ja not_active Withdrawn
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