JP2004315348A - 高熱伝導キャスタブル耐火物及びその製造方法 - Google Patents

高熱伝導キャスタブル耐火物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 常温での曲げ強さ8[MPa]以上かつ常温での熱伝導率20[W/m・K]以上を満足するキャスタブル耐火物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 質量%で金属骨材を20〜96%、水分を3%以下含有し、残部耐火性骨材からなることを特徴とする高強度高熱伝導キャスタブル耐火物であり、金属骨材は金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、又は鉄の1種以上であり、耐火性骨材はアルミナ、マグネシア、珪酸質、シリカ−アルミナ質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−スピネル−マグネシア質、粘土質、クロム質、ろう石質、ジルコン質、ジルコニア質、炭素質、炭化珪素質、クロム質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、ジルコニア−カーボン質1種又は2種以上であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は高熱伝導性キャスタブル耐火物及びその製造方法に関する。
不定形耐火物(キャスタブル耐火物)は施工が容易で、耐食性も向上してきたため、近年使用量が増加している。
しかし、従来のキャスタブル耐火物の熱伝導率は主原料に比較的高い熱伝導率のSiCを使用しても20[W/m・K]程度であり、高熱伝導性のキャスタブル耐火物を供給できなかった。このため、高炉炉壁部など、高熱伝導性つまり冷却性能が求められる箇所への不定形耐火物の採用は困難であった。また、このSiCを多量に含有する耐火物は常温での曲げ強度が6[MPa]程度と低いため、耐用性が低い点も問題であった。
前記のSiCを含有するキャスタブル耐火物にSiCの酸化防止剤として金属Si又はフェロシリコン粉末を1〜7%添加したものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、高熱伝導性を得るために、例えば金属を10%以上添加したキャスタブル耐火物の発明は見当たらない。
一方、金属を多量に含有するコンクリートに関する発明はいくつか開示されている(例えば、特許文献2参照。)。例えば、圧縮強度と耐久性を向上させるためにスチールショット等の金属製骨材を多量に含有し、セメント、減水剤、シリカ粉末、天然砂からなる高強度コンクリートが開示されており、実施例中の金属製骨材の含有量を計算すると、45%(=金属製骨材150重量部/全体333重量部、実施例1)、58%(=金属製骨材250重量部/全体433重量部、実施例7)となる。
また、放射線、X線防護に用いるコンクリートとして、金属鉛、酸化鉛、金属ビスマス、酸化ビスマスの1種類以上からなる混合物にセメント、不分離材を配合したものが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。例えば、実施例から計算するとこれら金属成分の含有量は73.7%(=1000/1356.5)となる。
また、圧縮強さ、曲げ強さ及び延性を改善するために、長さ1〜45mm、厚み15〜30ミクロンの金属ストリップで強化されたコンクリート組成物が開示されており(例えば、特許文献4参照。)、金属ストリップの含有量は4〜40%と記載されている。
特開昭58−2270号公報 特開平7−237956号公報(段落0021、表1) 特開平6−64953号公報(段落0022、表1) 特開平11−71158号公報
特許文献1に開示された発明はSiCの酸化防止剤として金属Si又はフェロシリコン粉末を1〜7%添加したものであり、金属Si又はフェロシリコン粉末の含有量が低いため、常温での曲げ強さ8[MPa]以上かつ常温での熱伝導率20[W/m・K]を満足することはできない。
一方、特許文献2〜4には圧縮強さを高めたり、放射線の防護のために40〜70%程度の金属を含有するコンクリートが開示されているが、コンクリートはアルミナ−シリカ系のポルトランドセメントにしろ、アルミナセメントにしろ、スラグセメントにしろ、水分を約6〜15%程度含有するものであり、熱間強度、耐食性等が要求される耐火物とは性質も組成も異なることは当業者の技術常識であり、これらの文献にも熱伝導性を高めるために金属を多量に含有する耐火物を示唆する記載はない。
本発明は、高強度かつ熱伝導性の高い耐火物、例えば冷却が必要で且つ耐火性能が要求される高炉炉底底盤下やステーブ前面の耐火物、特に常温での曲げ強さ8[MPa]以上かつ常温での熱伝導率20[W/m・K]以上を満足するキャスタブル耐火物及びその製造方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、本発明の要旨は下記のとおりである。
(1) 質量%で金属骨材を20〜96%、水分を3%以下含有し、残部耐火性骨材からなることを特徴とする高熱伝導キャスタブル耐火物。
(2) 常温での曲げ強さ8[MPa]以上かつ常温での熱伝導率20[W/m・K]以上を満足することを特徴とする(1)記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
(3) 金属骨材が金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、又は鉄の1種以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
(4) 耐火性骨材がアルミナ、マグネシア、珪酸質、シリカ−アルミナ質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−スピネル−マグネシア質、粘土質、クロム質、ろう石質、ジルコン質、ジルコニア質、炭素質、炭化珪素質、クロム質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、ジルコニア−カーボン質の1種又は2種以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
(5) 金属骨材の形状が球状、楕円状、または粉状であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
(6) 金属骨材の形状が金属母材を削ることによって作製される形状であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
(7) 金属骨材、耐火性骨材及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の高熱伝導キャスタブル耐火物の製造方法。
(8) 施工空間を充填する量の前記金属骨材と、耐火性骨材及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の高熱伝導キャスタブル耐火物の製造方法。
(9) 金属骨材を予め型枠に投入し、施工空間を前記金属骨材で充填した後、耐火性骨材及び水を混練したスラリーを前記型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の高熱伝導キャスタブル耐火物の製造方法。
本発明により、熱伝導性の高い耐火物を得ることができ、例えば冷却が必要で且つ耐火性能が要求される高炉炉底底盤下やステーブ前面の耐火物として数10〜数100[W/m・K]程度の熱伝導率を有するキャスタブル耐火物を得ることが可能である。
前記(1)に係る発明では、質量%で金属骨材を20〜96%、水分を3%以下含有し、残部耐火性骨材からなることを特徴とする。
本発明のキャスタブル耐火物は金属骨材を多量に含有することを特徴とするものであるが、後述の製造方法にあるように、養生硬化中に金属骨材が沈殿分離しない量の添加を行うためには、もともとの施工空間を充填できる量の金属骨材が必要である。本発明においては、高熱伝導性を得るために、耐火物の全容積に金属骨材を充填することが必要であり、そのためには金属骨材の含有量を20%以上とする。好ましくは30%以上とし、更に40%以上とすることが好適である。一方、金属骨材の形状としては球状、片状、ファイバー状の何れでも構わないが、不定形耐火物が金属骨材に充分充填され、耐火性を発現するためには、質量%で金属骨材の含有量は96%以下とする。好ましくは90%以下とし、さらに80%以下とすることが好適である。金属骨材の形状は特に限定するものではない。
本発明に係るキャスタブル耐火物はコンクリートと違い、高温環境で使用する際の爆裂防止のために、水分量は3%以下と規定する。好ましくは2%以下とし、更に1%以下であることが好適である。水分量を3%以下に制御するためには、後述する公知の手段である養生、乾燥により適宜実施することができる。尚、水分の下限値は0%を含む。
耐火性骨材の種類は特に限定することなく本発明の効果を得ることができるが、施工上最大粒径1mm以上とすることにより、簡易にスラリー状の混練物が得られるので好適である。一方、最大粒径が10mmを超えると金属骨材の空間に耐火性骨材が充填されにくくなり、施工後空間として残り、高強度高熱伝導性が得られにくくなるので、最大粒径は1〜10mmとすることが好ましい。
前記(2)に係る発明は常温での曲げ強さ8[MPa]以上かつ常温での熱伝導率20[W/m・K]を満足することを特徴とする。
本発明にかかるキャスタブル耐火物は金属骨材を耐火物の施工空間の全容積に含有するために、常温での曲げ強さが8[MPa]以上という高強度を有し、さらに金属の有する高熱伝導性のため、耐火物全体としても熱伝導度が20[W/m・K]以上を満足することを特徴とする。曲げ強さは8[MPa]以上、好ましくは10[MPa]以上、さらに好ましくは15[MPa]以上が望ましい。
上限は高いほど好ましいので特に規定しないが、材料の制約上30[MPa]超を実現することは困難であると考えられる。また、熱伝導度は20[W/m・K]以上、好ましくは50[W/m・K]以上、さらに好ましくは100[W/m・K]以上が望ましい。上限は高い程好ましいので特に規定しないが、金属骨材である銅の熱伝導率300[W/m・K]を越えることは困難である。
金属骨材は熱伝導性を高めるために添加するものであり、特に種類を限定するものではないが、前記(3)に係る発明では、金属骨材を金、銀、銅、アルミニウム、鉄、タングステン、モリブデンの1種以上とする。これらは何れも熱伝導性が40[W/m・K]以上と高く、更に、銅、アルミニウム、鉄は比較的安価であるので好適である。
前記(4)に係る発明では、耐火性骨材をアルミナ、マグネシア、珪酸質、シリカ−アルミナ質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−スピネル−マグネシア質、粘土質、クロム質、ろう石質、ジルコン質、ジルコニア質、炭素質、炭化珪素質、クロム質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、ジルコニア−カーボン質の1種又は2種以上とする。
使用環境に応じ、これらの何れかの耐火性骨材を使用することにより、熱伝導性の高い耐火物を得ることができる。
また、必要に応じ、これら耐火性骨材100質量部に対し、最大粒径0.5mm以下の同種の耐火性骨材を60質量部以下含有させることにより耐火物の充填密度が上がり、耐火性能を向上させることができるので好ましい
前記(5)に係る発明では、金属骨材の形状が球状、楕円状、または粉状であることを特徴とする。
金属骨材の形状としては、金属骨材自体が密に充填され、かつ金属骨材間の間隙を有する形状であれば良いが、これを実現するには球状であることが最も好ましい。ここで球状とは必ずしも完全な球体である必要はなく、基本的な形状が球体のものをすべて含む。また、球状の金属骨材の大きさは、球相当直径で0.01mm〜10mmが、金属球の熱伝導率を有効に活かす点で好ましい。
また、金属骨材の形状が楕円状でも良く、その長軸の長さは、0.01mm〜10mmが好ましい。
上記の球状や楕円状の金属骨材は、主にアトマイズ法等により、得ることができる。(一例として、アトマイズ法により得られた球状の銅粉を図5の写真に示す。)
さらに、金属骨材の形状は粉状でも良い。ここで粉状とは、フレーク状、ファイバー(金属片)状、樹枝状等の、球状や楕円状以外の形状のものを意味している。また、金属骨材の大きさは、例えば、最大長が0.05mm〜1mmのフレーク状、又は断面積0.05mm〜1mmで長さ1.0mm〜50mmのファイバー状とすることが施工上好ましい。
フレーク状の場合、最大長が1mmより大きくなると均一に密充填することが困難になるので、最大長は1mm以下とすることが好ましい。
また、ファイバー状の場合には、断面積又は長さが上記の範囲を超えると、金属骨材の均一な密充填が困難になり、高強度高熱伝導性が得られにくくなるので、上記の範囲とすることが好ましい。
上記の粉状の金属骨材は、主に電解析出法等により、得ることができる。(一例として、電解析出法により得られた粉状の銅粉を図6の写真に示す。また、同様に電解析出法により得られた粉状のタングステン粉を図7の写真に、モリブデン粉を図8の写真に、それぞれ示す。)
前記(6)に係る発明では、金属骨材の形状が金属母材を削ることによって作製される形状であることを特徴とする。
ここで、金属骨材の形状が金属母材を削ることによって作製される形状とは、一概にその形状を規定しにくいため、この様な表現で表している。金属母材を削る方法としては、例えば、金属母材に穴を開ける場合、金属母材を切断する場合、金属母材の一部を掻き削る場合等が挙げられる。ここでの金属骨材の形状は、上記の様な場合に作製される形状(切り粉状と記載することがある)をすべて含む。
例えば、図3の写真に示す切り粉は、銅を切削加工することによって得られたものであり、図4の写真に示す切り粉は、銅を孔開け切削して得られたものである。
また、切り粉状の金属骨材の大きさは、例えば、断面積0.5mm〜10mm以下で長さ0.5mm〜30mmとすることが施工上好ましい。断面積又は長さが上記の範囲を超えると金属骨材の均一な密充填が困難になり、高強度高熱伝導性が得られにくくなるので、上記の範囲とすることが好ましい。
金属骨材の体積充填量としては、その形状に起因するところが大きく、金属骨材を均一に密充填するためには、最大長が1mm以下のフレーク状又は球状では60〜70vol.%、断面積10mm以下で長さ30mm以下の切り粉状、又は断面積1mm以下で最大長さ50mm以下のファイバー状では10〜50vol.%とすることが好ましい。
次に、本発明のキャスタブル耐火物の製造方法について説明する。
前記(7)に係る発明は、金属骨材、耐火性骨材及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする。特に、金属骨材が上記フレーク状又は球状のときには、事前に金属骨材と耐火性骨材等を混ぜたスラリーとして型枠に流し込むことによって、空隙のない金属骨材が空間に均一に密充填されたキャスタブル耐火物を容易に施工することができるので、好ましい。
流し込み成形時に型枠に振動を加えながら行うと充填が効率的に進むので好ましく、特に金属骨材が切り粉状又はファイバー状のときは好適である。
養生乾燥は公知の方法で実施すればよく、使用時の爆裂防止のため水分を3質量%以下に調整する。
前記(8)に係る発明では施工空間を充填する量の前記金属骨材と、耐火性骨材及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする。施工空間を金属骨材で充填することにより、良好な熱伝導度を有する耐火物を得ることができる。施工空間を充填する金属骨材の量は予め試験を行い、適切な添加量を決定することができる。流し込み成形時に型枠に振動を加えながら、又は圧入を行うと好ましいのは、上記(7)に係る発明と同様である。
前記(9)に係る発明は、金属骨材を予め型枠に投入し、施工空間を前記金属骨材で充填した後、耐火性骨材及び水を混練したスラリーを前記型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする。特に金属骨材が上記フレーク状又はファイバー状のときには、予め金属骨材を型枠に投入することにより、金属骨材の充填密度を容易に高めることができるので好ましく、またこの後に不定形耐火物を流し込むことが施工の面で容易であり、且つ耐火物を金属骨材の周囲に効率的に充填できるので好ましい。流し込み成形時に型枠に振動を加えながら、又は圧入を行うと好ましいのは、上記(7)に係る発明と同様である。
本発明に係るキャスタブル耐火物は必要に応じ結合剤を添加することができる。結合剤は焼結剤、分散剤、界面活性剤、硬化剤、硬化調整剤等の何れか1種以上を添加すればよい。養生収縮による崩壊防止のため、結合剤の含有量は合計で65質量%以下とすることが好ましい。
焼結剤として、超微粉アルミナ、超微粉SiC、超微粉SiOなどを使用できる。
分散剤としては、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリ酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、フミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、有機リン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、タンニン酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウムなどがある。
界面活性剤として、例えばトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、カルボキシル基含有ポリエーテル系分散剤、酒石酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウム等から選ばれる1種または2種以上が使用できる。
硬化剤はアルミナセメントが最も好ましいが、これに限らず、例えばケイ酸ナトリウム、シリカゾル、アルミナゾル、リン酸アルミニウム、乳酸アルミニウムなどから選ばれる1種または2種以上が使用できる。
適当な可使時間を得るために、必要に応じて硬化調整剤を添加することができるが、これには例えばホウ酸、シュウ酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸アンモニウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、炭酸リチウム、消石灰、リチウム塩、オキルカルボン酸、ジカルボン酸、第一リン酸カルシウム、レゾルシンなどから選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
これらの結合剤を添加する場合は、上記(7)〜(9)の何れの製造方法においても、結合剤を耐火性骨材及び水と共に混練すればよい。
本発明のキャスタブル耐火物は高熱伝導性が求められかつ不定形材料のみでしか施工できないような箇所へ適用可能である。例えば、逆テーパー形状の高炉ステーブや高炉炉体底部の冷却構造体中の冷却パイプ廻りへの適用である。
(実施例1)
本発明例1として、最大長さ1mm以下、厚さ0.2mmのフレーク状である銅の切削屑35質量%(15体積%)、SiC60質量%−アルミナ40質量%の超微粉(最大粒径0.5mm以下)58質量%からなる原料に水7質量%を添加、混練してスラリーとしたものを、図1に示す逆テーパー形状の高炉ステーブ耐火物(長さ100mm×深さ50mm×幅1000mm)の代替として、銅製ステーブの空間に流し込み、3日間室温で養生した後110℃で24時間乾燥し、キャスタブル耐火物を得た。乾燥後の組成は、銅製金属骨材36質量%、SiC60質量%−アルミナ40質量%質耐火性骨材62質量%、水分2質量%であった。
また、比較例1として、金属骨材を添加せずに本発明例1と同じ条件で製造し、SiC60質量%−アルミナ40質量%の超微粉(最大粒径0.5mm以下)98質量%、水分2質量%からなるキャスタブル耐火物を用いた。
これらの耐火物の室温での熱伝導率及び室温での曲げ強さを測定したところ、本発明例1は60[W/m・K]、10[MPa]であったのに対し、比較例1は14[W/m・K]、6[MPa]であり、本発明例1のキャスタブル耐火物は、比較例1に比べ、炉内前面に配置される耐火物の冷却性能は4倍以上向上させることができ、曲げ強さも良好な値を示した。
(実施例2)
本発明例2として、最大長さ1mm以下、厚さ0.2mmのフレーク状である銅の切削屑60質量%(32体積%)、SiC60質量%−アルミナ40質量%の超微粉(最大粒径0.5mm以下)32質量%からなる原料に水8質量%を添加、混練してスラリーとしたものを、図2に示す高炉炉体底部の冷却構造体中の冷却パイプ廻り耐火物の代替として、冷却構造体の空間に流し込み、3日間室温で養生した後110℃で24時間乾燥し、キャスタブル耐火物を得た。乾燥後の組成は、銅製金属骨材62質量%、SiC60質量%−アルミナ40質量%質耐火性骨材35質量%、水分3質量%であった。
比較例2として、本発明例2と同じ寸法のフェノール系樹脂30質量%−人造C(カーボン)67質量%−水分3質量%からなるCスタンプ材を用いた。
これらの耐火物を高炉底盤下冷却パイプ部位に施工・適用した。
これらの耐火物の室温での熱伝導率及び室温での曲げ強さを測定したところ、本発明例2は120[W/m・K]、10[MPa]であったのに対し、比較例2は15[W/m・K]、0.4[MPa]であり、本発明例2のキャスタブル耐火物は、比較例2に比べ、炉内前面に配置される耐火物の冷却性能は8倍向上させることができ、曲げ強さも良好な値を示した。
逆テーパー形状の高炉ステーブ耐火物の一例の外観図である(単位はmm)。 高炉炉体底部の冷却構造体中の冷却パイプ廻り耐火物の一例の外観図である(単位はmm)。 銅を切削加工することによって得られた切り粉の一例を示す写真である。 銅を孔開け切削して得られ切り粉の一例を示す写真である。 アトマイズ法により得られた球状の銅粉の一例を示す写真である。 電解析出法により得られた粉状の銅粉の一例を示す写真である。 電解析出法により得られた粉状のタングステン粉の一例を示す写真である。 電解析出法により得られた粉状のモリブデン粉の一例を示す写真である。
符号の説明
1…銅製ステーブ、
2…本発明のキャスタブル耐火物、
3…冷却パイプ、
4…H形鋼。

Claims (9)

  1. 質量%で金属骨材を20〜96%、水分を3%以下含有し、残部耐火性骨材からなることを特徴とする高熱伝導キャスタブル耐火物。
  2. 常温での曲げ強さ8[MPa]以上かつ常温での熱伝導率20[W/m・K]以上を満足することを特徴とする請求項1記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
  3. 金属骨材が金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、又は鉄の1種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
  4. 耐火性骨材がアルミナ、マグネシア、珪酸質、シリカ−アルミナ質、アルミナ−マグネシア質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−スピネル−マグネシア質、粘土質、クロム質、ろう石質、ジルコン質、ジルコニア質、炭素質、炭化珪素質、クロム質、マグネシア質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−カーボン質、アルミナ−炭化珪素−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、ジルコニア−カーボン質の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
  5. 金属骨材の形状が球状、楕円状、または粉状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
  6. 金属骨材の形状が金属母材を削ることによって作製される形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高熱伝導キャスタブル耐火物。
  7. 金属骨材、耐火性骨材及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高熱伝導キャスタブル耐火物の製造方法。
  8. 施工空間を充填する量の前記金属骨材と、耐火性骨材及び水を混練した後、型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高熱伝導キャスタブル耐火物の製造方法。
  9. 金属骨材を予め型枠に投入し、施工空間を前記金属骨材で充填した後、耐火性骨材及び水を混練したスラリーを前記型枠に流し込み、養生乾燥することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高熱伝導キャスタブル耐火物の製造方法。
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