JP2004315335A - 酸化物薄膜の製造方法及び酸化物薄膜 - Google Patents

酸化物薄膜の製造方法及び酸化物薄膜 Download PDF

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宏 冨永
Isamu Onishi
勇 大西
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Abstract

【課題】真空容器などの特殊な装置を用いることなく、金属酸化物薄膜を基材上に容易に製造する。
【解決手段】周期律表の4族〜14族に属する金属の酸化物薄膜を基材1上に製造する方法であり、少なくとも1種の極性官能基を有する第1のポリマーを用いて下地ポリマー層2を基材1上に形成する工程と、上記極性官能基と相互作用する官能基を有する水溶性の第2のポリマーと、酸化物の金属塩とが溶解された水溶液を下地ポリマー層2に接触させ、該下地ポリマー層2の上に金属塩の金属酸化物を析出させて、酸化物薄膜3を形成する工程とを備えることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化物薄膜の製造方法及びこの方法により製造された酸化物薄膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業界においては省エネルギーが求められており、薄膜形成においても常温常圧で形成できる方法が求められている。
【0003】
特許文献1においては、炭酸カルシウム薄膜を工業的に容易に製造することができる方法として、高分子材料からなる下地層を、カルシウム塩を含む溶液に浸漬し、下地層の表面に炭酸カルシウム薄膜を形成する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−261332号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
炭酸カルシウムは、その基本的特性から酸性雰囲気における耐久性に問題があり、特に屋外で使用する用途では、酸性雨などの影響が懸念される。耐光性及び耐候性等に優れた薄膜としては、金属酸化物の薄膜が考えられる。しかしながら、金属酸化物の薄膜は、従来CVD法や真空蒸着などの薄膜形成方法や、ゾルゲル法などにより従来から形成されている。CVD法などの薄膜形成方法では、真空容器などの特殊な装置が必要であり、薄膜形成にコストがかかるという問題がある。また、ゾルゲル法などの溶液を用いた方法では、装置コストは安価であるが、原料である金属アルコキシド等が高価であり、また薄膜形成後に高温で焼成しなければならないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、真空容器などの特殊な装置を用いることなく、金属酸化物薄膜を基材上に容易に製造することができる酸化物薄膜の製造方法及びこの方法により製造された酸化物薄膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の酸化物薄膜の製造方法は、周期律表の4族〜14族に属する金属の酸化物薄膜を基材上に製造する方法であり、少なくとも1種の極性官能基を有する第1のポリマーを用いて下地ポリマー層を基材上に形成する工程と、上記極性官能基と相互作用する官能基を有する水溶性の第2のポリマーと、酸化物の金属塩とが溶解された水溶液を下地ポリマー層に接触させ、該下地ポリマー層の上に金属塩の金属酸化物を析出させて、酸化物薄膜を形成する工程とを備えることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、酸化物薄膜を容易に基材上に形成することができる。なお、本発明において酸化物薄膜は、水和酸化物の薄膜をも含むものである。酸化物薄膜が、水和酸化物の薄膜として形成される場合には、熱処理することにより水和酸化物中の水を除去することが好ましい。なお、このときの熱処理の温度は、下地ポリマー層及び基材が分解しない温度まで上げられるが、一般的にその上限温度は250℃程度である。従って、500℃といった従来のゾルゲル法などのように高い温度で熱処理する必要がない。なお、熱処理の時間は例えば、数時間とすることができる。
【0009】
本発明において酸化物薄膜が基材上に容易に形成できる理由についてその詳細は明らかでないが、おそらく下地ポリマー層の極性官能基と、水溶液中の金属イオン及び第2ポリマーの官能基が相互作用することにより、基材表面に沿って酸化物が析出され、酸化物薄膜を形成するものと思われる。
【0010】
本発明において下地ポリマー層を形成する第1のポリマーは、極性官能基を有している。極性官能基の具体例としては、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、及び有機酸基からなるグループより選ばれる少なくとも1種の官能基が挙げられる。有機酸基には、有機酸基の塩も含まれる。有機酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びリン酸基などが挙げられる。有機酸基は、金属イオンとイオン結合を形成し得るものであればどのようなものでもよい。
【0011】
また、第1のポリマーは、2種以上の官能基を有するものであることが好ましい。第1のポリマーは、合成高分子であっても天然高分子であってもよい。合成高分子としては、ポリビニルアルコールや上記の極性官能基を有するアクリルモノマーを重合して得られるものが挙げられる。このようなアクリルモノマーとしては、カルボキシル基を有するものとして、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などを、アミド基を有するものとして、(メタ)アクリルアミドなどを、ヒドロキシル基を有するものとして、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物などをそれぞれ挙げられる。
【0012】
天然高分子としては、多糖類、タンパク質、核酸及びこれらにコレステロール基やアルキル基のような疎水性置換基を導入した誘導体が挙げられる。上記多糖類の具体例としては、アラビアゴム、アルギン酸、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、キチン、キトサン、ジェランガム、セルロース、デンプン、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガムなどが挙げられる。
【0013】
第1のポリマーは、基材上に下地ポリマー層を形成し得るものであり、このような観点からは、室温で固体状となるものであり、水または有機溶剤に溶解または分散し得るものであることが好ましい。
【0014】
第1のポリマーの分子量は、特に限定されるものではないが、一般には、重量平均分子量で2000〜100万の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは3000〜80万の範囲内である。
【0015】
第1のポリマーを用いて下地ポリマー層を形成する方法としては、第1のポリマーを溶解または分散した溶液を、基材上に塗布した後、乾燥または加熱することにより塗膜を形成する方法が好ましい。
【0016】
上記乾燥または加熱のための条件は、用いた材料に応じて適宜決定することができる。また、第1のポリマーのみからなる膜が水に対して溶解してしまう場合には、第1のポリマーを架橋させる成分を第1のポリマーに加えて塗布を行ない、所定条件で乾燥または加熱することによって、下地ポリマー層を水に溶解させなくすることができる。このような架橋させる成分は、第1のポリマーが有する極性官能基と化学反応するものであればよく、例えば、第1のポリマーがキトサンであり、これのみからなる膜が水に溶解するときには、これを架橋させるものとして、グルタミン酸を用いることができる。
【0017】
このようにして得られる下地ポリマー層の厚みは例えば、nmからミクロンのオーダーのものであってもよい。
また、基材としては、金属塩水溶液中で反応あるいは溶解し難いものであればよく、例えば、ガラス、金属、セラミック、プラスチックなどが挙げられる。また、その形状として、表面に凹凸のあるようなものでも使用することができる。
【0018】
本発明においては、下地ポリマー層を形成した後、この下地ポリマー層に、酸化物の金属塩と第2ポリマーとが溶解された水溶液を接触させる。
接触時間は、溶液の濃度や用いた材料の種類により異なるが、通常30分以上である。接触時間が短すぎると、均一な膜とならないおそれがある。この接触時間は目的とする膜厚により決定すればよく、例えば1ヶ月程度接触させてもよい。また、1回の接触で必要な膜厚を得られない場合には、接触を繰り返し行うことによって、必要な膜厚まで積層することも可能である。
【0019】
接触時の温度は室温から90℃程度の間が好ましい。室温以下では成膜に時間がかかりすぎ、また、高温にしすぎると、溶液の揮発が進み、均一な膜が得られなくなるおそれがある。
【0020】
接触の終了は、基材を溶液中から取り出すことにより行われ、その後、通常、水洗して乾燥することにより酸化物薄膜が得られる。
酸化物の金属塩としては、酸化物の金属を含む塩化物、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、オキシ塩化物などが挙げられる。
【0021】
酸化物の金属としては、周期律表の4族〜14族に属する金属が挙げられる。4族に属する金属としては、Ti、Zr、及びHfが挙げられる。5族に属する金属としては、V、Nb、及びTaが挙げられる。6族に属する金属としては、Cr、Mo、及びWが挙げられる。7族に属する金属としては、Mn、Tc、及びReが挙げられる。8族に属する金属としては、Fe、Ru、及びOsが挙げられる。9族に属する金属としては、Co、Rh、及びIrが挙げられる。10族に属する金属としては、Ni、Pd、及びPtが挙げられる。11族に属する金属としては、Cu、Ag、及びAuが挙げられる。12族に属する金属としては、Zn、Cd、及びHgが挙げられる。13族に属する金属としては、Al、Ga、In、及びTlが挙げられる。14族に属する金属としては、Si、Ge、Sn、及びPbが挙げられる。
【0022】
上記の金属の中でも、特に有用な酸化物という観点からは、Ti、Zr、Fe、Ni、Cu、Zn、及びAlが挙げられる。
【0023】
本発明における第2のポリマーは、少なくともカルボキシル基を有する水溶性のポリマーである。本発明において、カルボキシル基には、カルボキシル基の塩も含まれる。第2のポリマーには、カルボキシル基以外の官能基が含まれていてもよい。このような官能基としては、アミド基、アミノ基、ヒドロキシル基などが挙げられる。
【0024】
第2のポリマーの具体例としては、ポリアクリル酸、ポリグルタミン酸、水溶性タンパク質、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、水溶性タンパク質、及び第1のポリマーのところで挙げたカルボキシル基を有するアクリルモノマーの単独及び共重合体を挙げることができる。なお、これらは塩の形で存在するものであってもよい。
【0025】
第2のポリマーの分子量は、水溶性(水分散性も含む)である範囲であれば特に限定されるものでなく、むしろ、カルボキシル基1個当たりの分子量が40〜200であることが好ましい。これらの範囲外では、目的とする酸化物薄膜が得られないおそれがある。
【0026】
本発明においては、下地ポリマー層に上記水溶液を接触させる前に、水溶液に塩基性水溶液を添加することが好ましい。このような塩基性水溶液の添加は、金属塩のみが溶解された水溶液に対して行われてもよいし、金属塩と第2のポリマーとが溶解された水溶液に対して行われてもよい。このような塩基性水溶液を添加しておくことにより、下地ポリマー層の表面上での金属酸化物の析出を促進させることができる。これは、塩基性水溶液を添加することにより、水溶液中に酸化物の結晶成長の核が予め形成されるためであると考えられる。
【0027】
塩基性水溶液の添加量は、塩基性水溶液が添加された水溶液のpHが0.5〜5の範囲内となるような量であることが好ましい。塩基性水溶液の添加により、沈殿が生じるような量とならないように注意することが必要である。すなわち、水溶液の透明性が保持できる程度の量であることが好ましい。
【0028】
塩基性水溶液の具体例としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、炭酸水素ナトリウムなどの塩基性化合物が含有された水溶液が挙げられる。
【0029】
水溶液中における金属塩の濃度は、用いる金属塩の種類によっても異なってくるため、特に限定されない。基本的に濃度が低いほど均一な膜は得られ易い傾向にあるが、析出の効率を考えれば、濃度の下限値は例えば0.05質量%である。一方、上限値は、用いる金属塩の溶解度に影響されるが、一般的に20質量%とすることができる。
【0030】
一方、第2のポリマーは、水溶液中で0.001〜10質量%の濃度であることが好ましく、0.005〜5質量%であることがさらに好ましい。濃度が低すぎると、基材上で膜が形成されないで粒子が生成するおそれがあり、濃度が高すぎると、第2のポリマーが酸化物薄膜中に多く取り込まれ、その結果として、酸化物薄膜の強度が弱くなるおそれがある。
【0031】
上記金属塩及び第2のポリマーの濃度は、それぞれ用いる材料の種類に影響されるので、これらは種々変化させることにより、最適値を求めることができる。
このようにして基材上に形成された酸化物薄膜は、X線回折、X線光電子スペクトル、赤外線吸収スペクトル、電子顕微鏡観察など、一般によく知られた金属酸化物の分析手法によって、その組成及び形態を確認することができる。
【0032】
本発明の酸化物薄膜は、上記本発明の方法で製造されたことを特徴とする酸化物薄膜である。その厚みは、例えばサブミクロンから数ミクロンのオーダーである。
【0033】
図1は、本発明の製造方法を説明するための模式図である。本発明の製造方法では、例えば、基材1の上に第1のポリマーの溶液を塗布した後乾燥することにより、下地ポリマー層2を形成する。次に、酸化物の金属塩と、第2のポリマーと、必要に応じて塩基性水溶液が溶解された水溶液に、下地ポリマー層2を形成した基材1を浸漬するなどの方法により、下地ポリマー層2に水溶液を接触させる。これにより、下地ポリマー層2の上に、金属塩の金属の酸化物が析出し、酸化物薄膜3が形成される。酸化物薄膜3中には、第2のポリマーが含まれていてもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0035】
(実施例1)
5cm角のガラス基板に、キトサン(甲陽ケミカル社製、商品名「SK−10」)を酢酸で中和しながら溶解した1重量%の水溶液を塗布した後、100℃のオーブンで5時間乾燥させて、下地ポリマー層を形成した。
【0036】
次に、0.05mol/lのFeCl水溶液150mlに、0.03mol/lの(NHCO水溶液150mlを攪拌しながら徐々に加えた。この混合液に、ポリアスパラギン酸ナトリウム0.06gを加え、均一になるまで攪拌し水溶液を調製した。この水溶液に、上記の下地ポリマー層を形成した基板を直ちに垂直に浸漬し、密閉したデシケーター中に静置した。なお、デシケーター中には、炭酸アンモニウムを共存させ、デシケーター中の雰囲気をアルカリ性に調整した。48時間静置した後、基板を引き上げて水で洗浄し、乾燥した。基板上には鉄系酸化物の薄膜が形成されていた。
【0037】
(実施例2)
5cm角のアルミニウム板を基板として用いる以外は、上記実施例1と同様にして基板上に下地ポリマー層を形成した。
【0038】
次に、0.01mol/lの硫酸チタニル水溶液500mlに、0.005mol/lの炭酸ナトリウム水溶液300mlを攪拌しながら徐々に加えた。この混合液に、ポリアクリル酸0.03gを加え、均一になるまで攪拌し水溶液を調製した。この水溶液に、上記の下地ポリマー層を形成した基板を直ちに垂直に浸漬し、密閉したデシケーター中に静置した。なお、デシケーター中には、炭酸アンモニウムを共存させ、デシケーター中の雰囲気をアルカリ性に調整した。96時間静置した後、基板を引き上げて水で洗浄し、乾燥した。基板上には、水和酸化チタンの薄膜が形成されていた。
【0039】
(実施例3)
5cm角のガラス基板に、キトサン(甲陽ケミカル社製、商品名「DAK−50」)を酢酸で中和しながら溶解した1重量%の水溶液を塗布した後、100℃のオーブンで1時間乾燥させて、基板上に第1のポリマーからなる膜を形成した。この膜は、実施例1及び2に比べて乾燥時間が短く、このままでは水に溶解してしまうため、さらに5質量%のグルタミン酸水溶液に基板を浸漬した後、再度乾燥を行って、下地ポリマー層を形成した。
【0040】
次に、0.05mol/lのCrCl水溶液150mlに、0.03mol/lのNaOH水溶液150mlを攪拌しながら加えた。この混合液に、ポリグルタミン酸ナトリウム0.5gを加え、均一になるまで攪拌し水溶液を調製した。この水溶液に、上記の下地ポリマー層を形成した基板を直ちに垂直に浸漬し、密閉したデシケーター中に静置した。デシケーター中には、炭酸アンモニウムを共存させ、デシケーター中の雰囲気をアルカリ性に調整した。48時間静置した後、基板を引き上げて水で洗浄し、乾燥した。基板上には、水和酸化クロムの薄膜が形成されていた。次に、得られた薄膜を150℃で1時間熱処理することにより、酸化クロムの薄膜とした。
【0041】
(実施例4)
実施例3と同様にして、ガラス基板の上に下地ポリマー層を形成した。次に、金属塩として塩化アルミニウムを用い、塩基性水溶液としてアンモニア水を使用した以外は、実施例3と同様にして水和酸化アルミニウムの薄膜を形成した。次に、この薄膜を220℃で1時間熱処理することにより、酸化アルミニウムの薄膜とした。
【0042】
(実施例5)
実施例1と同様にして、ガラス基板の上に下地ポリマー層を形成した。次に、金属塩としてオキシ塩化ジルコニウムを用い、塩基性水溶液として炭酸水素アンモニウムを使用した以外は、実施例1と同様にして、水和酸化ジルコニウムの薄膜を形成した。次に、この薄膜を100℃で3時間熱処理することにより、酸化ジルコニウムの薄膜とした。
【0043】
(実施例6)
実施例1と同様にして、下地ポリマー層をガラス基板の上に形成した。次に、金属塩として硝酸コバルトを用い、塩基性水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、水和酸化コバルトの薄膜を形成した。次に、この薄膜を150℃で1時間熱処理することにより、酸化コバルトの薄膜とした。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、真空容器などの特殊な装置を用いることなく、金属酸化物薄膜を基材上に容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明するための模式図。
【符号の説明】
1…基材
2…下地ポリマー層
3…酸化物薄膜

Claims (10)

  1. 周期律表の4族〜14族に属する金属の酸化物薄膜を基材上に製造する方法であって、
    少なくとも1種の極性官能基を有する第1のポリマーを用いて下地ポリマー層を前記基材上に形成する工程と、
    前記極性官能基と相互作用する官能基を有する水溶性の第2のポリマーと、前記酸化物の金属塩とが溶解された水溶液を前記下地ポリマー層に接触させ、該下地ポリマー層の上に前記金属塩の金属酸化物を析出させて、酸化物薄膜を形成する工程とを備えることを特徴とする酸化物薄膜の製造方法。
  2. 前記下地ポリマー層に接触させる前に、塩基性水溶液を前記水溶液に添加することを特徴とする請求項1に記載の酸化物薄膜の製造方法。
  3. 前記水溶液のpHが0.5〜5の範囲内となるように前記塩基性水溶液を添加することを特徴とする請求項2に記載の酸化物薄膜の製造方法。
  4. 前記下地ポリマー層の形成が、前記第1のポリマーを架橋させるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化物薄膜の製造方法。
  5. 前記極性官能基は、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基及び有機酸基からなるグループより選ばれるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化物薄膜の製造方法。
  6. 前記第1のポリマーの有機酸基がカルボキシル基、スルホン酸基、及びリン酸基からなるグループより選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の酸化物薄膜の製造方法。
  7. 前記第1のポリマーが2種以上の官能基を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸化物薄膜の製造方法。
  8. 前記酸化物薄膜が水和酸化物の薄膜であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸化物薄膜の製造方法。
  9. 前記水和酸化物の薄膜を熱処理する工程をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の酸化物薄膜の製造方法。
  10. 請求項1〜9に記載の方法で製造されたことを特徴とする酸化物薄膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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