JP4435365B2 - 薄膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学分野、コーティング分野、装飾分野で有効な無機薄膜及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸カルシウムの薄膜は、光学特性や強度に優れた材料である。自然界においては、貝類がこの特徴を利用して、独特の輝きを有し、かつ生体を守ることのできる強固な器として貝殻を形成させている。炭酸カルシウム薄膜は、工業的な観点からは、強度面、光学特性面のみならず、原料である炭酸カルシウムが自然に豊富にあるため、安価に製造できる可能性を持っている。また昨今、炭酸ガスによる環境問題が問題とされているが、炭酸塩の有効利用は、大気中の炭酸ガスの低減に多少なりとも寄与できる可能性がある。
【0003】
しかしながら、炭酸カルシウム薄膜の形成は容易ではなく、生体においては、数年の年月を要して徐々に膜を成長させている。生体での薄膜形成メカニズムを明らかにするために、活発な研究が行われており、例えばM. Fritzらは、貝類の有するある種のタンパク質が薄膜形成を制御していることを明らかにしているが、工業的に利用できる状況にはまだない。(M. Fritz et al.: Nature 371, 49-51 (1994))
このような状況に鑑み、本発明者らは、化学的な立場から炭酸カルシウムの薄膜の形成機構を明らかにすべく研究を開始した。その結果、キチンやキトサンといった生体由来の材料の表面で、良好な炭酸カルシウム薄膜を、タンパクや酵素を一切使わず人工的に調製できることを初めて見いだした。しかしながら、この方法では、下地となる材料が依然としてキチン、キトサンという天然由来のものに限定されており、また、これらの材料は溶解性に劣るため工業的に利用するのが困難であるという課題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、光学的性能及び機械的強度に優れた炭酸カルシウムを含む薄膜を工業的に容易に製造することができる新規な薄膜の製造法を提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、光学的性能及び機械的強度に優れ、且つ工業的に容易に製造でき、光学部品、装飾材料等として有用な薄膜及び積層体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、水に可溶なポリビニルアルコールを含む下地に、熱及び/又は架橋剤を適用して不溶化処理し、カルシウム塩を少なくとも含む溶液に浸漬し、該下地表面にアラゴナイト型の結晶構造を少なくとも有する炭酸カルシウムを含む薄膜を形成する工程を含む薄膜の製造法が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、該カルシウム塩を少なくとも含む溶液が、カルボキシル基及び/又はカルボキシル基の塩を有する有機化合物をさらに含むことを特徴とする前記薄膜の製造法が提供される。
【0010】
さらに、本発明によれば、前記製造法によって得た、炭酸カルシウムを含む薄膜が提供される。
【0011】
さらに、本発明によれば、前記炭酸カルシウムを含む薄膜を含む積層体が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の製造法では、下地上に炭酸カルシウムを含む薄膜を形成する。
【0013】
前記下地は、炭酸カルシウム結晶の薄膜形成の土台となる、重要な役割を担う。前記下地は、水に可溶なポリビニルアルコールを含み、好ましくは水に可溶なポリビニルアルコールから実質的になる。
【0015】
前記ポリビニルアルコールは、極性基を有する。前記極性基としては、具体的には、ヒドロキシル基;アミノ基、アミド基などの窒素を含んだ基;カルボキシル基;又はこれらの2種以上等を有することが好ましい。中でも、ヒドロキシル基及び/又はアミノ基を有するものが特に好ましい。これら極性基は、水溶性を付与して下地形成工程を容易にすると同時に、炭酸カルシウムの薄膜形成を促進する効果を奏することができる。
【0016】
前記ポリビニルアルコールの平均重合度は、特に限定されないが、好ましくは100以上5000以下、より好ましくは200以上3000以下、さらに好ましくは300以上2000以下である。前記ポリビニルアルコールのケン化度は、特に限定されないが、好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは60%以上99.8%以下、さらに好ましくは80%以上99.5%以下である。
【0017】
前記下地は、他の材料からなる基材の面上に下地層として設けることもでき、また前記ポリビニルアルコールを塊状、板状等の任意の形態とし、基材と下地とを兼ねたものを形成することもできる。適用範囲が広いという観点から、下地は基材の面上に下地層として設けることが好ましい。前記基材としては、具体的には例えばガラス板、シリコンウエハー、金属材料、ガラス繊維、フィルム状、シート状、繊維状の各種プラスチック等を用いることができる。
【0018】
前記下地層は、通常、前記水に可溶なポリビニルアルコールを溶媒に溶かして基材に塗布した後、溶媒を除去することにより形成することができる。溶媒は、通常水を単独で用いることが最も好ましいが、有機溶剤を含んでいても良い。ただし、有機溶媒を含んでいる場合、基材の材質によっては基材を侵してしまう恐れがあるので、有機溶媒の混合割合は、溶媒全体に占める重量比として、.好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは20%以下である。前記溶媒の除去は、乾燥操作などにより行うことができる。
【0019】
また、下地層の形成にあたり、基材面上に下地を特定のパターンで設ければ、それに応じたパターンを有する、炭酸カルシウムを含む薄膜を得ることが出来る。
【0020】
本発明の薄膜の形成方法は、前記下地を不溶化処理する工程を含む。前記不溶化処理とは、後述するカルシウム塩を含む溶液への浸漬の工程に際し、下地の一部又は全部が溶解しないようにする処理である。前記不溶化処理としては、ポリビニルアルコール及びカルシウム塩を含む溶液の種類に応じて、熱及び/又は架橋剤を適用する等の公知の方法を選択することができる。具体的には例えば、ポリビニルアルコールを用いた場合、熱による結晶化度の向上、放射線による架橋、アセタール化、アルデヒドやメチロール化合物などの各種架橋剤による架橋などの、公知の方法を挙げることが出来る。
【0021】
本発明の薄膜の製造法は、前記下地を、カルシウム塩を少なくとも含む溶液に浸漬する工程を含む。
【0022】
前記カルシウム塩を少なくとも含む溶液としては、炭酸イオンとカルシウムイオンとを含む溶液を用いることができる。前記カルシウム塩を少なくとも含む溶液の溶媒は、特に限定されないが、水、アルコール、水と水溶性有機溶剤との混合溶媒等を用いることができ、水が特に好ましい。
【0023】
前記カルシウム塩を少なくとも含む溶液は、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム等を水等の溶媒に溶解させて調製することができる。溶解させる際、これらの物質の溶解性を増加させるために、二酸化炭素ガスを溶液中に吹きこんでもよい。また、前記カルシウム塩を少なくとも含む溶液は、水への溶解性の高い、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸カルシウム、または酢酸カルシウムなどのカルシウム塩を水に溶解させて調製することもできる。この場合、炭酸イオンまたは重炭酸イオンを供給できる材料を、前記下地を浸漬する工程に際し、反応系内に共存させることが好ましい。かかる材料としては、炭酸アンモニウム塩、炭酸のアミン塩などを挙げることが出来る。また、これらの炭酸塩の代わりとして、炭酸ガスとアンモニアガス(またはアミン物質の蒸気)を系内に共存させる方法をとることも可能である。あるいは、炭酸ガスを、カルシウム塩を含む溶液に吹き込みつつ、pH調節のために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの塩基性物質を滴下することもできる。
【0024】
本発明の薄膜の製造法においては、前記カルシウム塩を少なくとも含む溶液が、有機化合物をさらに含むことが、炭酸カルシウムを含む薄膜の形成を促進するためにより望ましい。かかる有機化合物としては、カルボキシル基及び/又はカルボキシル基の塩を有するものが好ましく、具体的には、ポリアクリル酸、ポリグルタミン酸塩、水溶性タンパク貿などを例として挙げることができる。
【0025】
前記下地を、前記カルシウム塩を少なくとも含む溶液に浸漬する時間は、目的とする炭酸カルシウムを含む薄膜の膜厚に応じて適宜調節することができ、特に限定されないが、通常30分間以上1ヶ月間以下、より好ましくは2時間以上7日間以下、さらに好ましくは6時間以上3日間以下である。 30分間未満の時は、炭酸カルシウム膜が十分に成長できない恐れがあり、1ヶ月を超える場合は生産性が低くなり好ましくない。
【0026】
前記浸漬は、具体的には例えば図1の模式図に示すように、下地層1を有する基材2を、炭酸水素カルシウムなどのカルシウム塩を含む溶液3に浸漬し、下地層1上に、炭酸カルシウムを含む薄膜4を成長させることにより行うことができる。
【0027】
前記浸漬を行い、さらに必要に応じて水洗等により洗浄することにより、下地上に形成された炭酸カルシウムを含む薄膜を得ることができる。得られた炭酸カルシウムを含む薄膜は、下地上に形成されたまま製品とすることもでき、必要に応じてさらに表面へのコーティング処理、別の材料への転写等の追加の工程を行うこともできる。さらに、下地層の形成と炭酸カルシウムを含む薄膜の形成を繰り返せば、2種の層が交互に積み重なった特徴ある構造を得ることもできる。このような構造を有する積層体は、各層の膜厚を制御すれば、特定の波長の光を反射する反射板や、形態複屈折素子といった、光学部品として用いることが可能である。
【0028】
本発明の炭酸カルシウムを含む薄膜は、前記製造法によって得た炭酸カルシウムを含む薄膜であり、通常、炭酸カルシウムから実質的になるものとすることができる。
【0029】
一般に炭酸カルシウム結晶は、結晶構造で分類すると、カルサイト、アラゴナイト、バテライト等に分けられる。アラゴナイト結晶は、天然の貝殻の真珠層において見られる構造である。本発明の炭酸カルシウムを含む薄膜は、製造条件を適宜調節することにより各種の結晶構造とすることができるが、アラゴナイト型の結晶構造を少なくとも有し、その特異な物性は有用性が高い。
【0030】
本発明の炭酸カルシウムを含む薄膜は、強度に優れ、光学的な観点からも優れている。
【0031】
本発明の積層体は、前記本発明の炭酸カルシウムを含む薄膜を含む。
【0032】
本発明の積層体は、前記炭酸カルシウム薄膜に加え、前記下地層、前記基材の層、及びハードコート層、紫外線吸収層等のコーティング層等を含むことができる。特に、ポリビニルアルコール等の有機系物質である下地層と炭酸カルシウムを含む薄膜の積層した、新たな有機/無機複合体とすることができ、機能性の複合材料として利用することができる。前記の薄膜の製造法により下地上に形成された炭酸カルシウムを含む薄膜は、極めて強固に下地に接着したものとすることができることから、本発明の積層体は機械的強度にも優れたものとすることができる。
【0033】
本発明の積層体において前記炭酸カルシウムを含む薄膜は一層のみが含まれていてもよく、2層以上が含まれていてもよい。2層以上の炭酸カルシウムを含む薄膜が設けられている場合、前述の通り下地層と炭酸カルシウムを含む薄膜が交互に積み重なった構造とすることもでき、炭酸カルシウムを含む薄膜を転写することにより下地層を伴なわない炭酸カルシウムを含む薄膜を設けてもよい。
【0034】
本発明の積層体の層の構成の具体例としては、基材層上に下地層及び薄膜が順次設けられたもの、基材層上に下地層、薄膜及びコーティング層が順次設けられたもの、基材層上に下地層と薄膜とが交互に複数組設けられたもの、基材層上に下地層と薄膜とが交互に複数組設けられ、さらにその上にコーティング層が設けられたもの、又はこれらから基材層を除いた構成のもの等が挙げられる。
【0035】
本発明の積層体は、その光学的特性を利用した光学部品として、またはその外観を利用した装飾材料等として用いることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の薄膜の製造方法では、光学的性能及び機械的強度に優れた炭酸カルシウムを含む薄膜を工業的に容易に製造することができる。
【0037】
本発明の炭酸カルシウムを含む薄膜及び積層体は、光学的性能及び機械的強度に優れ、且つ工業的に容易に製造しうるので安価に提供することが可能であり、光学部品、装飾材料等として有用である。
【0038】
【実施例】
以下に実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
(実施例1)
基材として、10cm角のソーダガラス枚を用い、この上に、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製 PVA-124)の2重量%水溶液をスピンコート法により塗布した。 80℃で乾燥した後、180℃で1時間熱処理して下地層を不溶化し、不溶化ポリビニルアルコール下地層を有するガラス板を得た。
【0040】
一方、純水製造装置(ミリポア製、商品名Milli-XQ)により製造した水1リットルに炭酸カルシウムを2.0g加え、液を撹拌しながら、液温を約30℃に保ちつつ炭酸ガスを5時間バブリングした後、残った炭酸カルシウム粉末を濾過により除去し、炭酸水素カルシウムの水溶液を得た。この水溶液にさらにポリグルタミン酸ナトリウム(シグマ製)を0.05g添加して溶解させた。
【0041】
このようにして得たポリグルタミン酸ナトリウムを含む炭酸水素カルシウム水溶液中に、上記の不溶化ポリビニルアルコール下地層を有するガラス板を静かに入れ液温を30℃に保ちつつ、48時間静置させた。その後ガラス板を取り出し、純水で洗浄した。
【0042】
電子顕微鏡で観察した結果、下地層上に、厚さ約1μmの炭酸カルシウム薄膜が形成されていることが分かった。
【0043】
(実施例2)
ポリビニルアルコール(Aldrich製、重量平均分子量89,000〜98,000)と超純水を、ポリビニルアルコール含有量が5wt%になるように混合し、これを80℃に加熱して均一な水溶液を作製した。この水溶液を室温まで冷却した後、シリコンウェハー(5cmx5cm、厚さ1mm)上にスピンコーティングし、ポリビニルアルコールのフィルムを下地層として形成させた。この下地層を有するシリコンウエハーをホットプレート上にのせ、200℃に加熱することで、下地層を不溶化し、不溶化ポリビニルアルコール下地層を有するシリコンウエハーを得た。
【0044】
一方で、実施例1と同一の方法で作製した炭酸水素カルシウム溶液中に、ポリアクリル酸(Aldrich製、重量平均分子量2,000)を、濃度が2.4×10-3wt%になるように添加し、さらに炭酸ガスをバブリングしながら1時間撹拌し、ポリアクリル酸を含む炭酸水素カルシウム溶液を調製した。
【0045】
結晶成長容器の底に前記の不溶化下地層を有するシリコンウェハーを設置し、さらにその中に、前記のポリアクリル酸を含む炭酸水素カルシウム溶液を注いで、30℃で20時間放置して炭酸カルシウムの結晶成長を行った。
【0046】
結晶成長終了後、得られた積層体を取り出し、その表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、厚さ約0.2μmの炭酸カルシウムの薄膜状結晶が生成していることが確認された。
【0047】
得られたシリコンウエハー/下地層/炭酸カルシウム薄膜の3層からなる上記積層体は、炭酸カルシウムの層を爪でひっかいても全く傷はつかなかった。また、該積層体を水槽に入れ、超音波洗浄機(井内盛栄堂製、商品名US-6、出力600W、周波数36kHz)で超音波を10分間適用したが、層間の剥がれは全くなく、炭酸カルシウム層が下地層と密着していることがわかった。このように、強度面からも本発明の炭酸カルシウムを含む薄膜が優れていることが分かった。
【0048】
さらに、この炭酸カルシウム薄膜をシリコンウェハーから削ってすりつぶし、粉末状結晶とした後、X繰回折測定を行ったところ、アラゴナイト型の結晶構造を多く含んでいることが確認された。
【0049】
(実施例3)
粉末状のポリビニルアルコール(東京化成製、ケン化度:約80%、平均重合度:約2,000)を蒸留水中で撹拌しながら70℃に加熱して溶解させた。得られた水溶液(濃度3wt%)をガラス基板上にキャスティングし、ポリビニルアルコールのフィルムを有するガラス基板を作製した。このフィルムを有するガラス基板を乾燥器に入れて200℃で1時間熱処理を行った。
【0050】
一方で、超純水1,000ml中にポリアスパラギン酸60mgと塩化カルシウム1gを溶解させ、この溶液を、ポリスチレン製容器に注いだ。その後、この溶液中に、先ほどのポリビニルアルコールのフィルムを有するガラス基板を静かに浸し、密閉したデシケーターの中に静置させた。デシケーター内に固体の炭酸アンモニウムを共存させることで、炭酸アンモニウムの蒸気を拡散させ、塩化カルシウムとの化学反応により、室温で炭酸カルシウムの結晶成長を行った。
【0051】
48時間後、ポリスチレン製容器からポリビニルアルコールのフィルムを有するガラス基板を取り出し、光学顕微鏡、及び走査型電子顕微鏡を用いてフィルムの表面を観察したところ、炭酸カルシウムの薄膜状結晶が生成していることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜の製造法における、浸漬の工程を行う態様の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:下地層
2:基材層
3:カルシウム塩を少なくとも含む溶液
4:炭酸カルシウムを含む薄膜
Claims (4)
- 水に可溶なポリビニルアルコールを含む下地に、熱及び/又は架橋剤を適用して不溶化処理し、カルシウム塩を少なくとも含む溶液に浸漬し、該下地表面にアラゴナイト型の結晶構造を少なくとも有する炭酸カルシウムを含む薄膜を形成する工程を含む薄膜の製造法。
- 該カルシウム塩を少なくとも含む溶液が、カルボキシル基及び/又はカルボキシル基の塩を有する有機化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1の薄膜の製造法。
- 請求項1又は2に記載の製造法によって得た、炭酸カルシウムを含む薄膜。
- 請求項3記載の炭酸カルシウムを含む薄膜を含む積層体。
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