JP2004315135A - ロータリーフィーダー - Google Patents

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Manabu Yoshimi
学 吉見
Takashi Nishihara
隆 西原
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Abstract

【課題】本発明は、貯留容器から給送物をロータリーフィーダーを介して給送するに際し、給送物の噛込みを防止するロータリーフイーダーを提供する。
【解決手段】給送物を収容し給送するためのロータリーフィーダーにおいて、羽根板と側板で構成されたローターポケットを角錐台形状とし、および/または給送物供給部の上部邪魔板先端とローターポケットの羽根板先端との最短間隔で形成される給送物供給開口間隙を給送物の最大粒径との関係および給送物の計量精度との関係から適切な範囲内に設定したロータリーフィーダー。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯留容器から給送物をロータリーフィーダーを介して給送するに際し、給送物の噛込みを防止するためのロータリーフイーダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄鋼精錬の副原料として用いられる石灰石あるいは各種合金鉄・脱酸材のような塊・粒状固形物は、通常、例えばホッパーの如き貯留容器に一旦貯留された後、必要に応じて該ホッパー下部に設けられたフィーダーを介して、精錬容器内に装入され溶湯の精錬に供されている。
【0003】
このような固形物の給送作業において、前記塊・粒状固形物を前記ホッパーからロータリーフィーダーを用いて切出す際、時にはロータリーフィーダーの上部において該固形物の噛込みが発生し、場合によってはロータリーフィーダーを停止し、給送物の安定供給を阻害することがあった。
この噛込み現象はロータリーフイーダーの下部においても起こることがあり、前記と同様な問題を抱えていた。
【0004】
従来このようなロータリーフィーダーの噛込みが発生した場合、該装置を完全に停止させた後内部点検を行い、噛込み原因となった塊・粒状給送物を除去した後、再稼働を行っていた。
【0005】
しかして、ロータリーフィーダーは、ケーシング内に複数の羽根板により複数の仕切室(ローターポケット)が回転方向へ区画形成され、回転体を構成している。そして、前記各ローターポケットにはホッパーなどから給送物が上部から順次供給され、前期回転体の回転によって前記ローターポケットに収容された給送物を順次下部の排出口へ払出している。
【0006】
このようなロータリーフィーダーにおける噛込みを解消する方法については、多くの技術が開示されている。ロータリーフィーダーを介して貯留容器内から塊・粒状固形物を給送するに当り、前記固形物の噛込みによるロータリーフィーダーの運転停止信号を検出して、該検出信号を該ロータリーフィーダー駆動装置の逆転駆動系に入力させ、且つ予め設けた制御パターンに基づいて前記ロータリーフィーダーの正、逆転作動を行った後、通常の運転に復帰させる技術(例えば、特許文献1参照)がある。
【0007】
また、回転軸の外周に放射状に固着され半径方向に沿って貫通溝が設けられた複数の羽根と、上記貫通溝に取付けられて自重により摺動できる粉体掻き落とし具とを具えたことを特徴とする粉体供給用ロータリーフィーダー;および回転軸の外周に放射状に固着された複数の羽根と、それら羽根の間で上記回転軸に取付けられた半径方向に摺動できるピストンと、空間に固定されて同ピストンの一端に当接するカム機構とを具えたロータリーフィーダー(例えば、特許文献2参照)がある。
【0008】
【特許文献1】
特開昭58−17022号公報
【特許文献2】
実開平2−66524号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
給送物をロータリーフィーダーを介して給送するに当たっては、上記した特許文献1,2に記載された技術によっては解決できない問題点を有している。
本発明者らの実験によれば、特許文献1記載の技術では、給送物を噛込みんだ時にロータリーフイーダーの正・逆回転を繰り返し行ってみたが、噛込み給送物を除去することができず、給送物の噛込みを完全に防止する対策とは云えない。
また、特許文献2の技術は構造が複雑かつ摺動部のメンテナンスが必要であるなど実際の使用に不向きな点が多く存在する。
【0010】
実機装置においてはこれらの問題に対処するため、給送物の噛込みが生じない程度に給送物を小さいものに限定するか、ロータリーフィーダーを大型化する対策を採る必要があり、このことにより給送物が限定されることや、コストの増大が考えられる。また、設備費の増加、切出し精度の悪化等が起こる。
【0011】
本発明はこのような問題に起因するロータリーフイーダーの欠陥を解消すべく開発されたもので、給送物の供給部および給送物の排出部の形状を特定することにより、ロータリーフイーダーでの給送物の噛込みを防止し、スムーズな運転を図ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した従来方法における問題点を解決するためになされたものであって、その要旨するところは、下記手段にある。
(1) 給送物を収容し給送するためのロータリーフィーダーにおいて、羽根板と側板で構成されたローターポケットを角錐台形状としたロータリーフィーダー。
(2) 給送物を収容し給送するためのロータリーフィーダーにおいて、給送物供給部の上部邪魔板先端とローターポケットの羽根板先端との最短間隔で形成される給送物供給開口間隙を下記(1)式の範囲内に設定したロータリーフィーダー。
2.0<D/d<3.5 ・・・・・・(1)
ただし、D:給送物供給開口間隙
d:給送物の最大粒径
(3) 前記(1)と(2)の両設備を具備したロータリーフィーダー。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、ロータリーフィーダーにおける給送物の噛込みの原因について種々の検討を行った。しかして、噛込みの発生はロータリーフィーダーのローターポケットの上部に堆積した給送物の粒状固形物が、ローターの回転により給送されるとき、給送物の切出し量を加減するためにケーシング上方の給送物供給部に取付けられた上部邪魔板先端部とローターポケットの羽根板先端部との間に挟まり、架橋を形成したときに起る上部噛込みと、ロータリーフィーダーのローターポケットの給送物が下方まで進行しても、ローターポケット内の給送物の一部が何等かの原因で落下が遅れ、落下寸前の状態で上方へ運ばれて行き下部邪魔板先端部と羽根板先端部との間に粒状固形物が挟まり、噛込みが起こる下部噛込みがある。
【0014】
図1,2はロータリーフィーダー1における給送物の噛込み発生状態を示したもので、図1は給送物供給部5(上方)における給送物2の噛込み発生を示し、(a)は給送物供給部5の上部邪魔板3a先端部とローターポケットの羽根板4先端部との間に給送物2である二個の粒状固形物が架橋を作り(架橋した粒状固形物は黒塗りで示す、以下同様)ロータリーフィーダーを停止せしめた状態を示し、(b)は前記同様に三個の粒状固形物からなる架橋のためロータリーフィーダーが停止した状態を示したものであるが、(b)の場合は三個の粒状固形物のうち真中の固形物が変形、または変位することで架橋が崩れることが多く停止しても短時間で停止状態が解消される。(c)は(a)の粒状固形物による架橋部分を拡大して示したものである。なお、7はケーシングを示す。
【0015】
図2は給送物排出部6(下方)における給送物2の噛込み発生状態を示したもので、ローターポケット8の側板9間に給送物2である粒状固形物の架橋が発生し、粒状固形物の落下(払い出し)が遅れ、下部邪魔板3b先端部と羽根板4先端部との間に粒状固形物が挟まり、ロータリーフィーダー1を停止せしめたものである。
このようにロータリーフィーダーの回転を止める要因が二つ考えられるので、それぞれに対応した対策を施さなければ、ロータリーフィーダーの回転停止を防ぐことができない。
【0016】
そこで本発明者らはロータリーフィーダーの下方で起る粒状固形物の噛込みの解消を図るために、羽根板と側板で形成されるローターポケットの構造について考察を行い、ローターポケットの形状を変えることにより給送物である粒状固形物の落下がスムーズに行い得るよう改良を加えればよいことに思い至った。
【0017】
ロータリーフィーダーのローターポケットの形状は、前述したようにロータリーフィーダーの回転軸に沿った底面を有し、それに軸芯から放射状に羽根板が適宜間隔を持って取り付けられ、その両側面は平行な円盤状の側板で前記羽根板を挟み込んだバスケット状の構造となっている。このようにしてローターポケット(仕切室)が構成されているため、側板が平行面であると側面間で給送物の粒状固形物が架橋を作り易く、給送物の落下を阻害するため粒状固形物の落下が遅れることが起こる。
【0018】
そこで、本発明においてはローターポケットの側板が平行面になることを避けるため、ローターポケットの底面(ロータリーフィーダーの軸側)が上面(給送物の供給側)に対して、幅狭になるように角錐台形状のローターポケットを構成し、ローターポケットが下方に回転して来たときに給送物が落下し易い構造とした。
【0019】
すなわち、側板を底面に対し110〜140°、好ましくは120〜130°のテーパーを付与(従来は90°)したものである。
かくすることによりロータリーフィーダー下方側での粒状固形給送物の噛込みは防止され、ロータリーフィーダーが給送物を送給中にその回転を停止する惧れはなくなった。
【0020】
図3は本発明と従来のロータリーフィーダーのロータ構造の概要とローターポケットの一つを拡大して示した斜視図である。(a)は従来装置の全体図、(b)は(a)におけるローターポケット部を示し、(c)は本発明装置の全体図、(d)は(c)におけるローターポケット部を示した。
同図(b)にみられるように従来のローターポケット8の側板9a同士は、平行を保っているが本発明による(d)では、ローターポケット8の側板9bは、給送物供給部5において底面に対して垂直ではなく拡がりを有しており、給送物2である粒状固形物による架橋が発生し難いため、粒状固形物の落下に対して有効に作用する。
【0021】
図4は給送物の連続的な払出しを目的として、仕切の位置をずらした2列のローターポケットからなるローターの概要図(a)と、ローターポケットを拡大して示した斜視図(b)である。このようなローターポケットにおいて最外面の側板9bにテーパーを付与することで、上記と同等の効果が得られる。
【0022】
次に、本発明者らは多くの実験結果からロータリーフィーダーの上方で起こる給送物の粒状固形物の噛込みの解消を図るための対策として、前記図1に示した給送物供給部の上部邪魔板先端とローターポケットの羽根板先端との最短間隔で形成される給送物供給開口間隙を適切に設計してやることによって噛込みを防ぐことができることを見出した。
【0023】
ロータリーフィーダーによって供給する給送物の粒状固形物のサイズは略決まっているので、この粒状固形物との関係で下記(1)式の範囲内になるよう、給送物供給開口間隙を適切に設定する。
2.0<D/d<3.5 ・・・・・・(1)
ただし、D:給送物供給開口間隙
d:給送物の最大粒径
【0024】
ここで、ロータリーフィーダーの給送物供給部の上部邪魔板先端とローターポケットの羽根板先端との最短間隔で形成される給送物供給開口間隙(D)は、先に述べたようにして決められるが、本発明での給送物の最大粒径(d)とは、給送物を篩分けして粒状固形物の粒度分布を構成するが、そのときに所定の寸法を有する篩目を通過した粒状固形物について篩目の寸法を以って最大粒径とした。
【0025】
さらに、ロータリーフィーダーについては前記邪魔板で給送物供給開口間隙を形成するものと、図5に示す如くケーシング自体の円筒形内面の内径とローターポケットの羽根板先端とで給送物供給開口間隙を形成するものがあり、本発明での前記(D)はこの給送物供給開口間隙を含んだ両者を指す。
【0026】
しかして、ロータリーフィーダーで送給される給送物の計量は、ロータリーフィーダーの回転数から算出することが通常行われており、その点を考慮すると前記給送物供給開口間隙としては、狭い方がローターポケットの収容容量より多い給送物量が送給されることが少なくなるため好ましいが、前述したようにこの間隙を狭くすると粒状固形物の噛込みを発生する惧れが大きくなる。
【0027】
そこで、本発明者らが多くの実験により前記したD/dと計量精度(切出し量設定値に対する実績量との差違)の関係を調査した結果、図6の如き傾向が有ることを知見した。
図6より明らかな如くD/dを小さく執ると計量精度は向上するが、通常現場から要求されている5%の精度であれば、D/dの上限を3.5に規制することによりこの要求を満足せしめることができる。
【0028】
一方、D/dの値として2を下限としたのは、送給物である粒状固形物の粒子が二つ以下の間隙しかない場合は、前述のように給送物供給部の上部邪魔板先端部とローターポケットの羽根板先端部との間に粒状固形物によって架橋が形成され、ロータリーフィーダーの回転を停止する事態が起こる可能性が大きくなるので、本発明ではD/dを2を超える条件に規制した。
かくすることにより、ロータリーフィーダーの上方側の給送物の粒状固形物の噛込みは防止され、ロータリーフィーダーが給送物を給送中にその回転を停止する惧れはなくなる。
【0029】
ここで前記上部邪魔板に移動機能を付与すると、給送物の粒状固形物が異なった場合、また給送物が異質の供給物に置き変わった場合でも、粒状固形物のサイズに応じ邪魔板を移動させ、ローターポケットの羽根板先端との間隙を調整することによって、給送物供給側の噛込みを防止することができる。
また、本発明においてロータリーフィーダーによって計量給送される粒状固形物物質としては、主に製鋼操業工程において使用される合金鉄、石灰石等の副原料を対象とし、その粒状固形物は粉体を含まない1〜100mmの粒度を有する物質に用いるのに適している。また給送物の供給側と排出側に圧力差がある減圧脱ガス装置などに用いて好適である。
【0030】
【実施例】
以下、上記に説明した如きロータリーフィーダーを製鋼操業工程の減圧脱ガス装置において、給送物として脱酸材(再生Al)を用いた実例について示す。
実施例ではローターが一万回転した時に噛込み発生した発生率(=噛込み発生回数/ローター回転数)でその比較を行った。
表1はロータリーフイーダーにおける条件とその結果を示したものである。
【0031】
【表1】
Figure 2004315135
【0032】
実施例から明らかなように本発明条件を満たしたものは、給送物の噛込み発生が少なく、また、計量精度もよく良好な結果を示したが、これに対し本発明条件から外れた比較例では、上部,下部のどちらか、または両方で給送物の噛込みが発生していたか、計量精度が5%以下を満たさず、結果的に得られた溶鋼成分が適正範囲を外れるようなトラブルが発生した。
【0033】
【発明の効果】
以上に記述したように、本発明によれば給送物の噛込みによるロータリーフィーダーの運転停止を防止することができ、運転停止による作業効率の低下、設備保全のための労力が不要になる等生産性の向上が図られ、産業上の効果が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータリーフィーダーでの給送物供給部における給送物の噛込み発生状態を示した図。
【図2】ロータリーフィーダーでの給送物排出部における給送物の噛込み発生状態を示した図。
【図3】本発明と従来のロータリーフィーダーの構造の概略とローターポケット部の構造拡大斜視図。
【図4】仕切の位置をずらした2列のローターポケットからなるローターの概略とローターポケットの構造を拡大して示した斜視図。
【図5】他のロータリーフィーダーを示した図。
【図6】給送物供給開口間隙(D)/給送物の最大粒径(d)と計量精度の関係を示した図。
【符号の説明】
1 ロータリーフィーダー
2 給送物
3a 上部邪魔板
3b 下部邪魔板
4 羽根板
5 給送物供給部
6 給送物排出部
7 ケーシング
8 ローターポケット
9 側板
10 給送物供給開口部

Claims (3)

  1. 給送物を収容し給送するためのロータリーフィーダーにおいて、羽根板と側板で構成されたローターポケットを角錐台形状としたことを特徴とするロータリーフィーダー。
  2. 給送物を収容し給送するためのロータリーフィーダーにおいて、給送物供給部の上部邪魔板先端とローターポケットの羽根板先端との最短間隔で形成される給送物供給開口間隙を下記(1)式の範囲内に設定したことを特徴とするロータリーフィーダー。
    2.0<D/d<3.5 ・・・・・・(1)
    ただし、D:給送物供給開口間隙
    d:給送物の最大粒径
  3. 前記請求項1と請求項2の両設備を具備したことを特徴とするロータリーフィーダー。
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