JP2004313339A - 遊技システム及び情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者に不公平感を抱かせることなく、長時間にわたって遊技にのめり込むことができるようにすること。
【解決手段】パチンコ遊技装置(遊技機)10A〜10Lからなる遊技機群110と、遊技機に対してデータの送受信が可能となるように接続された情報処理装置100とを備え、遊技機は、遊技履歴情報を情報処理装置に送信する遊技履歴情報送信手段を備える一方、情報処理装置は、遊技機群における複数の遊技機の各々から送信される共通抽選開始信号の受信に応じて、当該共通抽選開始信号を送信した上記遊技機に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定する共通抽選を行う共通抽選手段と、遊技機群の遊技機ごとに、遊技履歴情報を受信して記憶する遊技履歴記憶手段と、遊技機群の遊技機ごとに、遊技履歴情報に応じて、共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする遊技システム。
【選択図】 図1
【解決手段】パチンコ遊技装置(遊技機)10A〜10Lからなる遊技機群110と、遊技機に対してデータの送受信が可能となるように接続された情報処理装置100とを備え、遊技機は、遊技履歴情報を情報処理装置に送信する遊技履歴情報送信手段を備える一方、情報処理装置は、遊技機群における複数の遊技機の各々から送信される共通抽選開始信号の受信に応じて、当該共通抽選開始信号を送信した上記遊技機に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定する共通抽選を行う共通抽選手段と、遊技機群の遊技機ごとに、遊技履歴情報を受信して記憶する遊技履歴記憶手段と、遊技機群の遊技機ごとに、遊技履歴情報に応じて、共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする遊技システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、パチンコ遊技装置やパチスロ遊技装置からなる所謂遊技島といった、パチンコホール等における複数の遊技機からの遊技機群に適用される遊技システム、及び、遊技機群を構成する複数の遊技機に対してデータの送受信が可能な情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、遊技機群を構成する複数の遊技機で遊技を行っている遊技者により投入された遊技媒体の価値の一部又は全部を累積的にプールしていくとともに、遊技機からの所定の信号の受信に応じて共通抽選を行い、共通抽選に当選すると、プールされた価値に応じた有利な遊技状態を当該遊技機に提供する制御装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。この制御装置によれば、遊技者は、他の遊技者よりも早く共通抽選に当選することを期待しながら遊技を行うことができるようになるため、各遊技機により個別に抽選が行われる通常の遊技機と比較して、他の遊技者に対する競争心を喚起することができ、遊技にのめり込むことができるようになる。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−42914号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、一の遊技者が、遊技を開始してから程なく共通抽選に当選し、そのまま有利な遊技状態が提供されることとなると、上記一の遊技者が遊技を開始する以前から遊技を行っている他の遊技者は、不公平感を抱いてしまうことになる。特に、上記一の遊技者が遊技を開始する時点において、既に多数の遊技媒体(例えば、遊技球やメダル等)を購入して投入している遊技者は、著しく不公平感を抱いてしまうとともに、大きく落胆し、遊技を行わなくなってしまうことも充分に予測し得る。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技者に不公平感を抱かせることなく、長時間にわたって遊技にのめり込むことができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)複数の遊技機(例えば、パチンコ遊技装置10A〜10L)からなる遊技機群(例えば、遊技機群110)と、
上記複数の遊技機に対してデータの送受信が可能となるように接続された情報処理装置(例えば、情報処理装置100)とを備え、
上記遊技機は、遊技履歴情報を上記情報処理装置に送信する遊技履歴情報送信手段を備える一方、
上記情報処理装置は、上記遊技機群における上記複数の遊技機の各々から送信される共通抽選開始信号の受信に応じて、当該共通抽選開始信号を送信した上記遊技機に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定する共通抽選を行う共通抽選手段と、
上記遊技機群の遊技機ごとに、遊技履歴情報を受信して記憶する遊技履歴記憶手段と、
上記遊技機群の遊技機ごとに、上記遊技履歴情報に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする遊技システム(図1参照)。
【0007】
(1)の発明によれば、遊技機群における各遊技機の遊技履歴情報に応じて、共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、各遊技機の遊技結果をより均一化させて、ある程度平等な遊技を提供することが可能となる。例えば、長時間にわたって共通抽選に当選していない遊技者や、多くの遊技媒体を損失している遊技者について当選確率を高く設定することにより、平等な遊技を提供することができる。その結果、遊技者が不公平感を抱いてしまうことを抑制することができ、遊技者は長時間にわたって遊技にのめり込むことができる。
【0008】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)に記載の遊技システムであって、
上記遊技履歴記憶手段は、上記遊技機群の遊技機ごとに、当該遊技機における遊技回数を記憶し、
上記確率設定手段は、上記遊技機群の遊技機ごとに、上記遊技回数に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定することを特徴とする。
【0009】
(2)の発明によれば、遊技回数の多少に合わせて、当選確率の高低を設定することが可能であり、遊技回数に応じて共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、より平等な遊技を提供することが可能となる。例えば、遊技回数が少ない遊技機については、当選確率を低く設定し、遊技回数が多い遊技機については、当選確率を高く設定することにより、遊技を開始した一の遊技者は、当該一の遊技者が遊技を開始する以前から遊技を行っている他の遊技者よりも先に共通抽選に当選し難くなるため、上記一の遊技者が上記他の遊技者によりも先に共通抽選に当選し、有利な遊技状態が提供されることに対して、上記他の遊技者が不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。その結果、遊技者は遊技にのめり込むことができる。
【0010】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)に記載の遊技システムであって、
上記遊技履歴記憶手段は、上記遊技機群の遊技機ごとに、当該遊技機における差枚数又は差球数を記憶し、
上記確率設定手段は、上記遊技機群の遊技機ごとに、上記差枚数又は差球数に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定することを特徴とする。
【0011】
(3)の発明によれば、その時々の遊技結果に応じて共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、更に平等な遊技の提供、及び、不公平感の低減が可能となる。例えば、多くの遊技媒体を損失している一の遊技者について当選確率を高く設定することにより、共通抽選に当選し易くなるため、上記一の遊技者が更に多くの遊技媒体を損失してしまうことを抑制することができる。その結果、上記一の遊技者が、多くの遊技媒体を獲得している他の遊技者に対して、不公平感を抱いてしまうことを抑制することができ、遊技者は長時間にわたって遊技にのめり込むことができる。
【0012】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の遊技システムであって、
上記遊技機群の各遊技機に、上記共通抽選の当選確率を示す報知画像を表示させる報知画像表示手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
(4)の発明によれば、遊技者が現時点での当選確率を認識することができるため、当選確率が低い場合は、当選確率を高くしようという願望を遊技者に抱かせることができ、当選確率が高い場合は、早く共通抽選に当選しようという願望を遊技者に抱かせることができるようになる。その結果、遊技者に継続して遊技を行わせることができるようになる。
【0014】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(5)遊技機群(例えば、遊技機群110)を構成する複数の遊技機(例えば、パチンコ遊技装置10A〜10L)に対してデータの送受信が可能であり、
上記遊技機群における上記複数の遊技機の各々から送信される共通抽選開始信号の受信に応じて、当該共通抽選開始信号を送信した上記遊技機に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定する共通抽選を行う共通抽選手段と、
上記遊技機から受信した遊技履歴情報を、上記遊技機群の遊技機ごとに記憶する遊技履歴記憶手段と、
上記遊技機群の遊技機ごとに、上記遊技履歴情報に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置(図1参照)。
【0015】
(5)の発明によれば、遊技機群における各遊技機の遊技履歴情報に応じて、共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、各遊技機の遊技結果をより均一化させて、ある程度平等な遊技を提供することが可能となる。例えば、長時間にわたって共通抽選に当選していない遊技者や、多くの遊技媒体を損失している遊技者について当選確率を高く設定することにより、平等な遊技を提供することができる。その結果、遊技者が不公平感を抱くことを抑制することができ、遊技者は長時間にわたって遊技にのめり込むことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る遊技システムを模式的に示す概念図である。
なお、以下において説明する実施形態においては、本発明の遊技システムの好適な実施形態として、本発明を複数のパチンコ遊技装置からなる遊技機群に適用した場合を示す。
【0017】
遊技機群110は、12台のパチンコ遊技装置10(10A〜10L)からなり、これらパチンコ遊技装置10は、それぞれ配線網111を介して情報処理装置100に接続されている。
【0018】
パチンコ遊技装置10は、後述する通信用インターフェイス回路61等の送受信部を備えており、情報処理装置100に対してデータの送受信が可能である。また、パチンコ遊技装置10は、遊技履歴情報を前記情報処理装置に送信する遊技履歴情報送信手段を備えている。
【0019】
また、情報処理装置100は、遊技機群110の各パチンコ遊技装置10から供給される共通抽選開始信号の受信に応じて、パチンコ遊技装置10に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定するための共通抽選を行う共通抽選手段と、パチンコ遊技装置10により送信された上記遊技履歴情報を受信してパチンコ遊技装置10毎に記憶する遊技履歴記憶手段と、パチンコ遊技装置10毎に、上記遊技履歴情報に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えている。
なお、複数のPC等により情報処理装置100が構成されていてもよい。
【0020】
第1実施形態では、遊技機がパチンコ遊技装置である場合について説明するが、本発明の係る遊技機は、パチンコ遊技装置に限定されるものではなく、例えば、パチスロ遊技装置、スロットマシン等を挙げることができる。
また、以下においては、パチンコ遊技装置が配線網を介して情報処理装置と接続されている場合について説明するが、本発明において、遊技機と情報処理装置とは、例えば、公衆電話回線、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等の通信回線により接続されていてもよい。また、上記通信回線は、有線に限定されるものではなく、無線による伝送路も含むものである。
【0021】
図2は、図1に示したパチンコ遊技装置10を模式的に示す正面図である。
パチンコ遊技装置10には、本体枠12と、本体枠12に組み込まれた遊技盤14と、遊技盤14の前面に設けられた本体枠12の窓枠16と、窓枠16の下側で本体枠12の前面に設けられた上皿20及び下皿22と、下皿22の右側に設けられた発射ハンドル26とが配置されている。
【0022】
また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。なお、釘を打ち込むような構成とせず、遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に金属製の棒状体を遊技盤14の前方向に突出するように植設する構成としてもよく、上述したようなパチンコ遊技装置10(パチコン機)にも本発明を適用することができる。なお、本明細書において、パチンコ遊技装置10とは、パチコン機をも含む概念である。
【0023】
さらに、発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者は発射ハンドル26を操作することによりパチンコ遊技を進めることができるのである。発射ハンドル26の裏側には、遊技球を発射するための発射装置(例えば、モータ、ソレノイド等)28が設けられている。
発射ハンドル26が遊技者によって時計回り方向に回動操作されたときには、発射装置28に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
【0024】
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。
また、パチンコ遊技装置10の本体枠12の内部には、本体枠12のIDカード挿入部49を介して挿入されたIDカード15からのデータの読み取りを行うことが可能な読取装置53が設けられている。また、この読取装置53には、IDカード15をIDカード挿入部49から払い出すための返却ボタン53aが設けられている。
【0025】
遊技盤14の前面の略中央には、後述する如き表示部である表示装置32が設けられている。この表示装置32の上部の中央には、表示装置52が設けられている。この表示装置52は、例えば、7セグメント表示器で構成されており、表示情報である普通図柄が、変動と停止とを繰り返すように可変表示される。表示装置32の左右の側部には、球通過検出器55a及び55bが設けられている。この球通過検出器55a又は55bは、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、上述した表示装置52において、普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば、「0」から「9」までの数字や「☆」等の記号である。この普通図柄が所定の図柄、例えば、「7」となって停止して表示されたときには、後述する始動装置44の左右の両側に設けられている可動片58a及び58bを駆動するためのソレノイド57(図示せず)に電流を供給し、始動装置44に遊技球が入りやすくなるように可動片58a及び58bを駆動し、始動装置44を開放状態となるようにする。なお、始動装置44を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、可動片を駆動し始動装置44を閉鎖状態として、遊技球が入りにくくなるようにするのである。
【0026】
上述した表示装置52の左右の両側には4つの保留ランプ34a〜34dが設けられている。さらに、表示装置52の上部には一般入賞装置50が設けられている。また、遊技盤14の下部には、遊技球の大入賞装置38が設けられている。この大入賞装置38の近傍には、シャッタ40が開閉自在に設けられている。シャッタ40は大当たり状態が発生したときには、断続的に開放状態となるようにソレノイド48(図示せず)により駆動される。
また、大入賞装置38の下側には、アウト口(図示せず)が設けられており、入賞装置等に入らなかった遊技球は、アウト口から排出されることになる。
【0027】
表示装置32の左右の両側には一般入賞装置54a及び54bが設けられている。さらに、表示装置32の下部の両側には一般入賞装置54c及び54dが設けられている。また、遊技盤14の左右の端部には、特別入賞装置56a及び56bが設けられ、大入賞装置38の左右の両側には、特別入賞装置56c及び56dが設けられている。
【0028】
これらの大入賞装置38、一般入賞装置50及び54a〜54d、並びに、特別入賞装置56a〜56dには球検知センサ41、43(図示せず)が設けられている。大入賞装置38に遊技球が入ったとき、すなわち、大入賞装置38の内部を遊技球が通過したことを球検知センサ41が検知したときには、払出装置59(図示せず)により、予め設定されている数の遊技球が下皿22に払い出されるようになっている。
また、一般入賞装置50及び54a〜54d、並びに、特別入賞装置56a〜56dを遊技球が通過したことを球検知センサ43が検知したときには、予め設定されている数の遊技球が下皿22に払い出される。
【0029】
また、表示装置32の下方には、後述する可変表示ゲームが開始されて表示装置32に表示される複数、例えば、3つの識別情報である図柄を変動表示状態に移行する契機となる球検知センサ42を有する始動装置44が設けられている。
遊技球が通過したことを球検知センサ42が検知したときには、払出装置59により所定数の遊技球が払い出されるとともに、情報処理装置100に対して共通抽選信号を送信し、情報処理装置100からの応答信号を受信したことを受けて、当該応答信号に含まれる共通抽選の結果に応じて、表示装置32において複数の変動図柄が変動表示されて可変表示ゲームが開始される。
【0030】
さらにまた、表示装置32の左右の両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための転動誘導部材60a及び60bも設けられている。また、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには装飾ランプ36a及び36bが設けられている。
【0031】
なお、上述した表示装置32において後述する演出画像を表示する部分は、液晶ディスプレイパネルからなるものであってもブラウン管からなるものであってもよい。
【0032】
図3は、図1に示したパチンコ遊技装置10の制御回路を示すブロック図である。
発射ハンドル26は、制御回路60のインターフェイス回路群62に接続され、インターフェイス回路群62はと、入出力バス64に接続されている。発射ハンドル26の回動角度を示す角度信号は、インターフェイス回路群62により所定の信号に変換された後、入出力バス64に供給される。入出力バス64は、演算処理装置であるCPU66にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0033】
また、インターフェイス回路群62には、球検知センサ41〜43も接続されており、球検知センサ41又は球検知センサ43は、遊技球が大入賞装置38又は始動装置44を通過したときには、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。また、球検知センサ43は、遊技球が入賞装置(一般入賞装置50、一般入賞装置54、又は、特別入賞装置56)に入ったとき、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。さらに、インターフェイス回路群62には、球通過検出器55も接続されており、球通過検出器55は遊技球がその近傍を通過したことを検出したときには、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
【0034】
上述した入出力バス64には、インターフェイス回路群63が接続されており、このインターフェイス回路群63には、読取装置53が接続されている。この読取装置53は、本体枠12のIDカード挿入部49を介して挿入されたIDカード15に記憶されているIDの読み取りを行うことが可能である。また、図示しないが、読取装置53には返却ボタン53aが設けられている。この返却ボタン53aは、遊技者が遊技を終了するか、又は、遊技を行うパチンコ遊技装置10を変更する際、IDカード15をIDカード挿入部49から払い出すときに押下されるボタンである。
なお、この読取装置53は、必ずしもパチンコ遊技装置10に備えられる必要はなく、パチンコ遊技装置10と別体に設けられていてもよい。
【0035】
このIDカード15には、他のIDカードと区別するために、カード毎に異なる識別データ(以下、IDという)が記憶されており、遊技者はIDカード15をIDカード挿入部49に挿入することにより遊技を開始することができる。IDカード挿入部49にIDカードが挿入されると、読取装置53によりIDが読み取られ、情報処理装置100に送信される。また、遊技を終了するときには、上述した返却ボタン53aを押下して、IDカード15を払い出す。
第1実施形態に係る遊技システムに用いることができるIDカード15としては、特に限定されるものではなく、例えば、磁気ストライブを備えたカードや、ICカード等を用いることができる。
このIDカード15は、例えば、遊技場に設置されたカード発行機から発行されることとしてもよく、本発明に係るパチンコ遊技装置10から発行されることとしてもよい。なお、このIDカード15がIDカード挿入部49に挿入されることにより、遊技球の貸し出しが可能となるようにしてもよい。すなわち、IDを受信した情報処理装置100が、貸与可能な遊技球の数(例えば、1000球)をID毎に記憶することとしてもよい。また、IDカード15には、IDの他に、上記貸与可能な遊技球の数が記憶されていてもよい。この場合、読取装置53は、IDカード15に記憶されている遊技球の数を更新することが可能な書込機能を備える。
【0036】
入出力バス64には、ROM68及びRAM70も接続されている。ROM68は、パチンコ遊技装置10の遊技全体の流れを制御する遊技プログラムを記憶する。さらに、ROM68は、表示装置32において可変表示ゲームが実行される際に、変動表示や停止表示される変動図柄の画像データ、演出画面として表示されるキャラクタ画像データ、表示装置32の背景を構成する背景画像データ、並びに、遊技用いられる音データ、遊技プログラムを実行するための初期データや、装飾ランプ36の点滅動作パターンを制御するプログラム等を記憶する。
【0037】
また、ROM68は、情報処理装置40により共通抽選の結果に基づいて、停止表示される複数の変動図柄の組み合わせを決定する抽選を行うために必要な内部抽選用確率テーブルや、該内部抽選用確率テーブルを用いて内部抽選を行うためのプログラム(内部抽選プログラム)等を記憶する。
RAM70は、情報処理装置に対して共通抽選開始信号を送信した回数である抽選回数(n)を、ID毎に記憶する。このようにすることにより、一のパチンコ遊技装置10で遊技を行っている遊技者が、一旦、IDカードを払い出して遊技を中断した後、再度、上記一のパチンコ遊技装置10で遊技を再開する場合であっても、抽選回数(n)が上記一のパチンコ遊技装置10についてID毎に記憶されているため、中断前の抽選回数を引き継いで遊技を再開することができる。
【0038】
CPU66は、所定のプログラムを呼び出して実行することにより演算処理を行い、この演算処理の結果に基づいて各種画像データ及び音データを、電子データとして伝送その他の制御を行うのである。
【0039】
また、CPU66は、始動装置44の球検知センサ42からの検知信号を受信し、始動装置44に遊技球が入ったと判断した場合には、ROM68に記憶されたプログラム等に基づいて、所定数(例えば、5球)の遊技球を上皿20又は下皿22に払い出すように払出装置59の制御を行う。また、CPU66が始動装置44に遊技球が入ったと判断した場合には、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信する。
一方、球検知センサ41又は43からの検知信号を受信し、上述した各入賞装置のいずれかに遊技球が入ったと判断した場合、CPU66は、所定数の遊技球を上皿20又は下皿22に払い出すように払出装置59の制御を行う。また、各入賞装置のいずれかに遊技球が入ったと判断した場合には、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信することとしてもよく、送信しないこととしてもよい。
【0040】
さらに、入出力バス64には、インターフェイス回路群72も接続されている。インターフェイス回路群72には、表示装置32、表示装置52、スピーカ46、発射装置28、ソレノイド48、57、保留ランプ34、装飾ランプ36、並びに、払出装置59が接続されており、インターフェイス回路群72は、CPU66における演算処理の結果に応じて上述した装置の各々を制御すべく駆動信号や駆動電力を供給する。
【0041】
表示部である表示装置32の画面画像は、変動図柄が表示される識別画像と、演出画面が表示される演出画像とからなり、上記識別画像と上記演出画像とは、CPU66の制御によりこれらの2つの画像を重ね合わせて合成することにより、一つの画像として表示する。
【0042】
ソレノイド48は、上述した如きシャッタ40を開閉駆動するためのものであり、ソレノイド57は、始動装置44の左右の両側に設けられた可動片58a及び58bを開閉駆動するためのものである。
保留ランプ34は、表示装置32に表示する図柄の組み合わせが有効となった回数を示すものであり、装飾ランプ36は、遊技が大当たりとなったときやリーチとなったときに遊技者にその旨を示すべく点滅又は点灯するものである。
払出装置59は、CPU66からの制御信号により、遊技状況(例えば入賞装置等に遊技球が入ったこと等)に応じて、上皿20又は下皿22に、所定の数の遊技球を払い出すものである。
【0043】
また、入出力バス64には、通信用インターフェイス回路61も接続されている。この通信用インターフェイス回路61は、情報処理装置100との通信を行うためのものである。
【0044】
上述した演算処理装置(CPU66)から制御部が構成され、表示装置32から表示部が構成され、パチンコ遊技装置10から遊技機が構成される。
なお、本明細書では、制御部に含まれる演算処理装置が1つであるとして説明しているが、本発明の遊技機では、制御部に含まれる演算処理装置は1つである必要はなく、上記制御部は、例えば、主にパチンコ遊技装置10の各部を主導的に制御することにより遊技を進行させる演算処理装置Pと、演算処理装置Pからの命令信号等に基づいて、主に表示部に表示させる画像を生成する演算処理装置Qとを含んで構成されていてもよい。また、上記制御部に含まれるROM及びRAMも、必ずしも1つである必要はない。
【0045】
図4は、図1に示した情報処理装置100の内部構成を模式的に示すブロック図である。
情報処理装置100は、CPU102と、ROM104と、RAM106と、通信用インターフェイス回路108とを備えている。ROM104は、例えば、通信用インターフェイス回路108により配線網111を介してパチンコ遊技装置10との通信を行うためのプログラムや、共通抽選を行うためのプログラムや、乱数のサンプリングに用いられる共通抽選用確率テーブル等を記憶する。また、ROM104は、パチンコ遊技装置10から送信された抽選回数(n)に応じて、共通抽選用確率テーブルをパチンコ遊技装置10毎に設定するためのプログラム等を複数記憶する。上記共通抽選が行われると、CPU102は、抽選回数(n)に応じて、ROM104に記憶されている複数の共通抽選用確率テーブルのなかから一の共通抽選用確率テーブルを選択してRAM106に設定するとともに、乱数のサンプリングを行う。
【0046】
また、RAM106は、パチンコ遊技装置10が備える読取装置53により読み取られ、送信されるIDを、パチンコ遊技装置10毎に記憶する。
さらにまた、RAM106は、遊技機群110を構成する12台全てのパチンコ遊技装置10から共通抽選開始信号を受信した回数である抽選ストック数(N)を記憶する。
【0047】
以下、第1実施形態に係る遊技システムにおいて行われる遊技について、図5〜図12を用いて説明することにする。
(i)まず、遊技者は、上述したカード発行機等から発行されたIDカード15を、パチンコ遊技装置10に備えられた読取装置53のIDカード挿入部49に挿入することより遊技を開始する。
(ii)遊技が開始され、遊技盤14上に発射された遊技球が、始動装置44に入ることにより、共通抽選開始信号が情報処理装置100に送信されるとともに、当該共通抽選開始信号を送信した回数である上記抽選回数(n)が情報処理装置100に送信される。なお、上記抽選回数は、上記遊技履歴情報である。また、上記抽選回数は、上記遊技回数である。また、上記遊技履歴情報は、後述するように上記抽選回数に限定されるものではない。
(iii)上記共通抽選開始信号及び上記抽選回数(n)を受信した情報処理装置100は、上記抽選回数情報に含まれる抽選回数(n)に応じて共通抽選の当選確率を設定し、当該設定された当選確率に基づいて共通抽選を行う。そして、行われた共通抽選の結果を含む応答信号を、共通抽選開始信号を受信したパチンコ遊技装置10に送信する。
(iv)応答信号を受信したパチンコ遊技装置10は、当該応答信号に含まれる共通抽選の結果に基づいて可変表示ゲームを行い、表示装置32において、停止表示された図柄が所定の組み合わせであった場合には、特別遊技状態が発生する。
(v)特別遊技状態が発生すると、大入賞装置38が断続的に開放状態となる特別遊技が、上記抽選ストック数(N)に応じた数だけ繰り返され、大入賞装置38に遊技球が入ったときには、所定数(例えば、15球)の遊技球が払い出される。
【0048】
以下においては、パチンコ遊技装置10及び情報処理装置100は起動しており、CPU66及びCPU102は定常動作しているものとする。
図5は、図1に示したパチンコ遊技装置10において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、予め実行されているメインルーチンから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。
【0049】
まず、CPU66は、IDカードが挿入されたか否かを判断する(ステップS10)。すなわち、CPU66は、読取装置53に命令信号を送信して、IDカード挿入部49にIDカード15が挿入されているか否かを認識させる処理を行わせる。
ステップS10において、IDカードが挿入されていないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0050】
一方、ステップS10において、IDカードが挿入されたと判断した場合、次に、CPU66は、読取装置53に命令信号を送信して、IDカード15からIDの読み取りを行うとともに、読み取られたIDを情報処理装置100に送信する(ステップS14)。
【0051】
ステップS14の処理が実行されると、次に、CPU66は、遊技不能動処理を解除する(ステップS16)。この遊技不能動処理は、後述するステップS26において実行される処理であり、CPU66が発射ハンドル26に制御信号を送信することにより、発射ハンドル26が操作されても発射装置28に電力が供給されないように制御する処理である。
上記遊技不能動処理が解除されると、遊技者は発射ハンドル26を操作することにより、遊技盤14上に遊技球を発射することができるようになる。
【0052】
ステップS16の処理が実行されると、次に、CPU66は遊技球検出処理を実行する(ステップS20)。この遊技球検出処理では、発射ハンドル26が操作されて遊技盤14上に発射された遊技球が、入賞装置(一般入賞装置50、一般入賞装置54、又は、特別入賞装置56)に入ると、所定数の遊技球を払い出し、始動装置44に遊技球が入ると、所定数の遊技球を払い出すとともに、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信する処理等が行われる。
この遊技球検出処理については、後に図面(図6)を用いて詳述することにする。
【0053】
ステップS20の処理が実行されると、CPU66は、遊技が終了したか否かを判断する(ステップS22)。すなわち、遊技を終了しようとする遊技者により、返却ボタン53aが押下された否かを判断する。
ステップS22において、遊技が終了していないと判断すると、CPU66は、処理をステップS20に戻す。
一方、ステップS22において、遊技が終了したと判断すると、次に、CPU66は、読取装置53に命令信号を送信して、IDカード15をIDカード挿入部49から払い出す処理を行わせる(ステップS24)。
【0054】
ステップS24の処理が実行されると、次に、CPU66は、遊技不能動処理を実行して(ステップS26)、本サブルーチンを終了する。この遊技不能動処理では、上述したように、CPU66が発射ハンドル26に制御信号を送信することにより、発射ハンドル26が操作されても発射装置28に電力が供給されないように制御する処理を行う。
【0055】
図5を用いて説明したように、本発明の遊技システムに係るパチンコ遊技装置10では、IDカード15がIDカード挿入部49に挿入されることにより、遊技不能動処理が解除されて、遊技盤14上に遊技球を発射して遊技を行うことができるようになる。また、返却ボタン53aが押下されることにより、IDカード15がIDカード挿入部49から払い出されると、遊技不能動処理が実行されて、遊技球を発射することができないようになる。すなわち、遊技者は、IDカード15をIDカー挿入部49に挿入しているときにのみ、遊技を行うことができるのである。
【0056】
図6は、図5に示したサブルーチンのステップS20において呼び出されて実行される遊技球検出処理を示すフローチャートである。
まず、入賞装置に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS40)。この入賞装置は、例えば、上述した図2に示した例においては、一般入賞装置50及び一般入賞装置54a〜54d並びに特別入賞装置56a〜56dである。ステップS20において、入賞装置に遊技球が入ったと判断したときには、CPU66は、所定数(例えば5球)の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS42)。
【0057】
ステップS42の処理が実行されるか、又は、ステップS40において、入賞装置に遊技球が入っていないと判断した場合、次に、CPU66は、始動装置に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS44)。この始動装置は、例えば、上述した図2に示した例においては、始動装置44である。このステップS44において、始動装置に遊技球が入ったと判断したときには、CPU66は、所定数(例えば、5球)の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS46)。
【0058】
ステップS46の処理が実行されると、次に、CPU66は、共通抽選設定処理を実行する(ステップS48)。この共通抽選設定処理では、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信するとともに、情報処理装置100からの応答信号を受信し、後述する可変表示ゲーム処理を実行する。
この共通抽選設定処理については、後に図面(図7)を用いて詳述することにする。
【0059】
ステップS48の処理が実行されるか、又は、ステップS44において、始動装置44に遊技球が入っていないと判断したとき、次に、CPU66は、報知画像データを情報処理装置100から受信したか否かを判断する(ステップS50)。このステップS50における処理は、後述する図8に示すサブルーチンのステップS211の処理に対応するものである。上記報知画像データは、後述する確率設定処理により設定された共通抽選の当選確率を示す報知画像をパチンコ遊技装置10の表示装置32に表示させるための画像データが含まれる。
ステップS50において、報知画像データを情報処理装置10から受信していないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS50において、報知画像データを受信したと判断した場合、次に、CPU66は、報知画像を表示装置32に表示させて(ステップS52)、本サブルーチンを終了する。
【0060】
図7は、図6に示したサブルーチンのステップS48において呼び出されて実行される共通抽選設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU66は、RAM70に記憶されている抽選回数(n)に1を加算して、n=n+1となるように抽選回数(n)を更新する(ステップS60)。
【0061】
ステップS60の処理が実行されると、次に、CPU66は、抽選回数(n)、及び、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信する(ステップS61)。この共通抽選開始信号は、情報処理装置100に対して、後述する共通抽選処理の開始を要求する信号である。
このステップS61の処理が実行されているとき、パチンコ遊技装置10は、抽選回数(n)を情報処理装置100に送信する遊技履歴情報送信手段として機能する。
【0062】
ステップS60の処理が実行されると、次に、CPU66は、応答信号を情報処理装置100から受信したか否かを判断する(ステップS62)。この応答信号は、情報処理装置100において実行された共通抽選の結果を示す信号であり、共通抽選の結果が「特別大当たり」であったか、又は、共通抽選の結果が「はずれ」であったかの情報が含まれる。また、共通抽選の結果が「特別大当たり」であった場合、上記応答信号には上記抽選ストック数(N)の半数(N/2)を基準値とする旨の情報が含まれる。なお、この基準値は、後述する特別遊技状態において、提供される特別遊技の回数(以下、ラウンド数ともいう)を設定するための基準となる数値である。
【0063】
一方、ステップS62において、応答信号を情報処理装置100から受信したと判断した場合、次に、CPU66は、共通抽選の結果が「特別大当たり」であるか否かを判断する(ステップS64)。すなわち、CPU66は、情報処理装置100から受信した応答信号に含まれる共通抽選の結果が、「特別大当たり」であったか否かを判断する。
【0064】
ステップS64において、共通抽選に当選していないと判断した場合、すなわち、情報処理装置100から受信した応答信号に含まれる共通抽選の結果が「はずれ」であった場合、CPU66は、この抽選結果に関する情報を、RAM70に記憶する(ステップS68)。このとき、パチンコ遊技装置10において、はずれが発生したことになる。
一方、ステップS64において、情報処理装置100から受信した応答信号に含まれる共通抽選の結果が「特別大当たり」であった場合、この抽選結果に関する情報を、RAM70に記憶する(ステップS66)。このとき、特別大当たりが発生したことになる。
【0065】
ステップS66の処理が実行されると、次に、CPU66は、情報処理装置100から受信した応答信号に含まれる上記基準値に基づいて、特別遊技状態において提供されるラウンド数(A)を、(N/2)/10として設定し、RAM70に記憶する(ステップS67)。
例えば、抽選ストック数(N)が600であった場合、特別遊技状態において提供されるラウンド数は30となる。また、抽選ストック数(N)が800であった場合、特別遊技状態において提供されるラウンド数は40となる。すなわち、各パチンコ遊技装置10において始動装置44に入った遊技球の数が多い程、特別遊技状態において遊技者に付与される利益が大きくなるのである。
なお、特別遊技状態において提供されるラウンド数(A)は、抽選ストック数(N)が多くなる程、遊技者に付与される利益が大きくなるものであれば、上述した値に限定されるものではない。また、抽選ストック数(N)に応じて、払い出される遊技球の数が設定されることとしてもよく、抽選ストック数(N)に応じて、所定のラウンド数(例えば、15回)を1セットとするセット数が設定されることとしてもよい。また、特別遊技状態において遊技者に付与される利益は、抽選ストック数(N)に応じて設定されず、常に一定であってもよい。
【0066】
ステップS67又はステップS68の処理を実行した場合、次に、特別遊技状態が発生しているか否かを判断する(ステップS70)。
ステップS70において、特別遊技状態が発生していると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0067】
一方、ステップS70において、特別遊技状態が発生していないと判断した場合、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するか否かを判断する(ステップS72)。なお、進行(表示)中の可変表示ゲームとは、現在、表示装置32に表示され、遊技者が見ることが可能な状態にあり、変動図柄が停止表示される前の可変表示ゲームである。すなわち、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するということは、既に、後述する可変表示ゲーム処理ルーチンが実行されているということである。
【0068】
ステップS72において、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在しないと判断した場合、後述する可変表示ゲームを実行する(ステップS74)。
一方、進行(表示)の可変表示ゲームが存在すると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0069】
図8は、図1に示した情報処理装置100において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。このフローチャートは、予め実行されているメインルーチンから所定のタイミングで呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0070】
まず、CPU102は、パチンコ遊技装置10A〜10Lのうち、いずれかのパチンコ遊技装置10から、IDを受信したか否かを判断する(ステップS200)。このステップS200における処理は、図5に示したサブルーチンのステップS14の処理に対応するものである。
【0071】
ステップS200において、IDを受信したと判断した場合、次に、CPU102は、パチンコ遊技装置10から受信したIDが、RAM106に記憶されているIDと一致しているか否かを判断する(ステップS202)。なお、上述したように、このRAM106には、パチンコ遊技装置10A〜10Lから受信したIDが、パチンコ遊技装置10毎に記憶される。このステップS202の処理は、例えば、パチンコ遊技装置10Aから受信したIDが、前の時点において、パチンコ遊技装置10Aから受信してRAM102に記憶されているIDと一致するものがあるか否かを判断することにより行われる。
【0072】
ステップS202において、パチンコ遊技装置遊技装置10から受信したIDが、RAM106に当該パチンコ遊技装置10について記憶されているIDと一致していないと判断した場合、次に、CPU102は、パチンコ遊技装置10から受信したIDを、RAM106に新たに記憶する(ステップS204)。
【0073】
ステップS204の処理が実行されるか、又は、ステップS202においてIDが一致していると判断した場合、若しくは、ステップS200において、IDを受信していないと判断した場合、次に、CPU102は、抽選回数(n)、及び、共通抽選開始信号を、パチンコ遊技装置10A〜10Lのうち、いずれかのパチンコ遊技装置10から受信したか否かを判断する(ステップS206)。このステップS206の処理は、図7に示したサブルーチンのステップS61の処理に対応するものである。
ステップS206において、共通抽選開始信号を受信していないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0074】
ステップS206において、抽選回数(n)、及び、共通抽選開始信号を受信したと判断した場合、CPU102は、RAM106に記憶されている抽選回数(n)に、受信した抽選回数(n)を上書きして記憶させることによりRAM106に記憶されている抽選回数(n)を更新する(ステップS207)。
このステップS207の処理が実行されているとき、CPU102及びRAM106は、パチンコ遊技装置10により送信された抽選回数(n)を受信して記憶する遊技履歴情報記憶手段として機能する。
【0075】
ステップS207の処理が実行されると、次に、CPU102は、共通抽選開始信号を受信したことを受けて、RAM106に記憶されている抽選ストック数(N)に1を加算して、N=N+1となるように抽選ストック数(N)を更新する(ステップS208)。
【0076】
ステップS208の処理が実行されると、次に、CPU102は、確率設定処理を行う(ステップS210)。この確率設定処理では、ステップS207において、RAM106に記憶されている抽選回数(n)に応じて、RAM106に記憶されている複数の共通抽選用確率テーブルのなかから一の共通抽選用確率テーブルを選択してRAM70に設定する処理が行われる。
なお、この確率設定処理は、後に図面(図9)を用いて詳述することにする。
また、このステップS210の処理が実行されているとき、情報処理装置100は、確率設定手段として機能する。
【0077】
ステップS210の処理が実行されると、次に、CPU102は、報知画像データを、共通抽選開始信号を受信したパチンコ遊技装置10に送信する(ステップS211)。この報知画像データには、上述したように、ステップS210の処理により設定された共通抽選の当選確率を示す報知画像を、パチンコ遊技装置10の表示装置32に表示させるための画像データが含まれる。
【0078】
ステップS211の処理が実行されると、次に、CPU102は、特別大当たり設定処理を行い(ステップS212)、本サブルーチンを終了する。この特別大当たり設定処理では、受信した共通抽選開始信号に応じて共通抽選処理を実行するとともに、共通抽選の結果を、共通抽選開始信号を受信したパチンコ遊技装置10に送信する処理等が実行される。なお、この特別大当たり設定処理は、後に図面(図10)を用いて詳述することにする。
【0079】
次に、図8に示したサブルーチンのステップS210において実行される確率設定処理について、図9を用いて説明することにする。
図9は、上記確率設定処理において設定される確率の確率データを示すテーブルの一例を示す図である。
【0080】
このテーブルは、抽選回数(n)に応じて、RAM106に設定される上記共通抽選用確率テーブルの種類を示すものである。
ROM104には、8種類の共通抽選用確率テーブルが記憶されており、上記確率設定処理では、例えば、抽選回数(n)の範囲が、0≦n<50である場合には、上記8種類の共通抽選用確率テーブルのなかから、当選確率(P)が1/800である共通抽選用確率テーブルがRAM106に設定され、抽選回数(n)の範囲が、50≦n<100である場合には、当選確率(P)が1/700である共通抽選用確率テーブルがRAM106に設定されるというように、抽選回数(n)の増加に応じて、当選確率(P)が高くなるように設定されるのである。
【0081】
このように、第1実施形態に係る遊技システムでは、抽選回数(n)が少ないパチンコ遊技装置10については、当選確率(P)が低く設定され、抽選回数(n)が多いパチンコ遊技装置10については、当選確率(P)が高く設定されるため、遊技を開始した一の遊技者は、当該一の遊技者が遊技を開始する以前から遊技を行っている他の遊技者よりも共通抽選に当選し難くなるため、上記一の遊技者が先に共通抽選に当選し、特別遊技状態が提供されることに対して、上記他の遊技者が不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。
【0082】
また、抽選回数(n)の増加に応じて、共通抽選に当選し易くなるため、共通抽選に当選しないで多くの遊技球を損失している一の遊技者に対して、その損失数を抑制することができ、多くの遊技球を獲得している他の遊技者に対して不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。
【0083】
図10は、図8に示したサブルーチンのステップS212において呼び出されて実行される特別大当たり設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU102は、共通抽選処理を行う(ステップS300)。この共通抽選処理は、特別大当たり又ははずれを発生させることを決定する抽選を行う処理である。すなわち、CPU102は、図8に示したステップS210の処理において、RAM106に設定された共通抽選用確率テーブル中で、乱数のサンプリングを行う。このとき、情報処理装置100は、共通抽選手段として機能する。
【0084】
ステップS300の処理が実行されると、次に、CPU102は、共通抽選に当選したか否かを判断する(ステップS302)。すなわち、CPU102は、RAM106に設定された共通抽選用確率テーブル中で、乱数のサンプリングを行った結果により得られた数値が、「特別大当たり」に対応するか、又は、「はずれ」に対応するかを判断する。
【0085】
ステップS302において、共通抽選に当選していないと判断した場合、次に、CPU102は、はずれとなった共通抽選の結果を含む応答信号を、上記共通抽選に係るパチンコ遊技装置10に送信して(ステップS312)、本サブルーチンを終了する。
【0086】
一方、ステップS302において、共通抽選の結果が「特別大当たり」であったと判断した場合、次に、CPU102は、特別大当たりとなった共通抽選の結果、及び、上記基準値(N/2)を含む応答信号を、上記共通抽選に係るパチンコ遊技装置10に送信する(ステップS308)。
【0087】
ステップS308の処理が実行されると、次に、CPU102は、RAM106に記憶されている抽選ストック数(N)を、N=N/2となるように抽選ストック数(N)を更新して(ステップS310)、本サブルーチンを終了する。
【0088】
図11は、図7に示したステップS74において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
本サブルーチンが呼び出されることにより、表示装置32において表示されていた固定画面を通常画面へと切り替え、可変表示ゲームを開始するのである。ここで、可変表示ゲームは、スロットマシンにおいてなされる遊技を模したゲームであり、複数の識別情報である複数の図柄を表示装置32に表示し、その各々が変動するように表示した後、所定のタイミングでこれらの図柄が順次停止するように表示するゲームであり、複数の変動図柄の変動表示が開始されてから、複数の変動図柄が停止表示されるまでを1回とするゲームである。
また、可変表示ゲームにおいて停止表示された変動図柄の図柄の組み合わせが、所定の組み合わせに合致したとき、特別遊技状態が発生し、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行われる。
【0089】
上述した可変表示ゲームが開始されると、まず、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行する(ステップS500)。この内部抽選処理は、上述したステップS66又はステップS68においてRAM70に記憶した抽選データに基づいて、変動表示されていた複数の組に属する図柄を全て停止表示させて図柄が確定したときにおける図柄の組み合わせを予め定める処理である。
【0090】
次に、選択された背景画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS501)。すなわち、上記内部抽選処理が実行された後、CPU66によって、内部抽選処理の結果や、可変表示ゲームの進行状況等に応じて、背景画像を選択するプログラムが、ROM68から呼び出され実行される。
【0091】
次に、CPU66によって、実行され得られた結果に基づいて、選択された背景画像の画面構成情報が、随時、CPU66によって、RAM70に生成される。上記背景画像としては、特に限定されるものではなく、可変表示ゲームの進行状況や、上記内部抽選処理の結果に基づいて、CPU66によって、適宜選択される。
【0092】
次に、選択されたキャラクタ画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS502)。すなわち、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66により選択されたキャラクタ画像の画面構成情報が、RAM70に生成される。
【0093】
次いで、識別情報である変動図柄の画面構成情報が、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66によって、RAM70に生成される(ステップS503)。
【0094】
次に、一つの変動図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する(ステップS505)。すなわち、複数、例えば、三つの組のうち、一つの組に属する図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する。
変動図柄を停止表示させるタイミングであると判断したときには、CPU66によって、一つの変動図柄を停止表示させる態様で変動図柄画像が選択され、該変動図柄画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS506)。
【0095】
次いで、ステップS501〜506において、RAM70に生成された画面構成情報に基づいて、CPU66によって、ROM68から、上記画面構成情報に対応する各画像データが読み出される。
その後、上記画面構成情報内の表示される優先順位や、位置等に関する情報によって、表示装置32に表示される画像データとされた後、表示装置32に送信され、表示される(ステップS507)。
【0096】
上述したステップS501〜S507の処理は、後述するステップS508において複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判別されるまで繰り返し実行される。このように処理を繰り返し実行することにより、所定の態様でスクロールするように図柄を変動表示することができ、また、キャラクタ画像も所定の動作をするように表示することができる。
【0097】
ステップS507の処理を実行した後、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたか否かを判断する(ステップS508)。
複数の組に属する図柄の全てが停止表示されていないと判断したときには、処理をステップS501に戻す。一方、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判断したときには、1つの遊技球が始動装置に入ったことによる可変表示ゲームが終了したことになり、次に、複数の組に属する図柄の組み合わせが、上述したような所定の組み合わせか否かを判断する(ステップS509)。
【0098】
この停止表示された複数の組に属する図柄の組み合わせは、予めステップS500の内部抽選処理によって定められているのであるが、この内部抽選処理は、上述したように、図7に示した共通抽選設定処理ルーチンのステップS66又はステップS68の処理の結果、得られた抽選データに基づいて実行される。そのため、上記抽選データが特別大当たりに対応するものであると、上記停止表示された複数の組に属する図柄の組み合わせは、「7」−「7」−「7」のような特別遊技状態が発生する所定の組み合わせとなり、上記抽選データがはずれに対応するものであると、上記停止表示された複数の組に属する図柄の組み合わせは、特別遊技状態が発生する所定の組み合わせとはならない。
【0099】
ステップS509において、複数の組に属する図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ(「7」−「7」−「7」)であると判断した場合、特別遊技実行処理を実行し、遊技者に対して有利な遊技状態の提供を行う(ステップS512)。
すなわち、上述したソレノイド48に電流を供給して遊技盤14の前面に設けられている大入賞装置38のシャッタ40を開放して遊技球を大入賞装置38に入り易くし、遊技者が短時間で多量の遊技球を獲得することができるようにするのである。また、この特別遊技実行処理実行されている間、表示装置32では、特別遊技状態が発生していることを遊技者に認識させるとともに、遊技を盛り上げるための演出画像が表示される。
なお、この特別遊技実行処理については、後に図面(図12)を用いて詳述することにする。
【0100】
ステップS509において、変動図柄が所定の組み合わせで停止表示されていないと判断した場合、又は、ステップS512の処理を実行した場合、次に、RAM70に記憶された抽選データが存在するか否かを判断する(ステップS513)。RAM70に記憶された抽選データが存在しないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0101】
一方、ステップS513において、RAM70に記憶された抽選データが存在すると判断した場合、保留された可変表示ゲームが存在することになるので、RAM70に記憶された抽選データのうち、最も古い抽選データを読み出し(ステップS514)、処理をステップS500に戻す。その後、CPU66は、ステップS500において、読み出した抽選データに基づいて内部抽選処理を実行し、その内部抽選処理の結果に基づいて、ステップS502〜S508の処理を繰り返し実行することになる。
【0102】
図12は、図11に示したサブルーチンのステップS512において、特別遊技状態が発生した際に実行される特別遊技実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
なお、この特別遊技状態では、断続的に上述したラウンド数(A)に相当する回数の特別遊技が提供されることとする。また、当該特別遊技は、大入賞装置が開放状態となってから、当該大入賞装置に10球の遊技球が入るまで、又は、所定の時間が経過するまでを1ラウンド遊技であるとする。
【0103】
まず、CPU66は、特別遊技の回数であるmをm=1に設定する(ステップS601)。すなわち、CPU66は、RAM70に設けられた特別遊技の回数を記憶するテーブル(ラウンド数記憶テーブル)にm=1であることを記憶させる。
【0104】
次いで、大入賞装置38が開放状態となるタイミングであるか否かを判断する(ステップS602)。
大入賞装置38が開放状態となるタイミングであると判断したときは、大入賞装置38を開放する(ステップS603)。
すなわち、CPU66は、インターフェイス回路群72を介して、ソレノイド48に駆動信号を供給することにより、大入賞装置38を開放状態とする。これにより、遊技者が大入賞装置38へ遊技球を入れることが可能となる。
一方、上記大入賞装置38が開放状態となるタイミングではないと判断したときは、処理をステップS602に戻す。
【0105】
次に、大入賞装置38に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS604)。遊技球が大入賞装置38に入ったか否かを、例えば、大入賞装置38に設けられた球検知センサ41により遊技球が検出されたか否かにより判断される。
そして、大入賞装置38に設けられた球検知センサ41により遊技球が検知された際には、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。この検出信号を受け取ったCPU66は、RAM70に設けられた大入賞装置に入った遊技球の数を記憶するテーブル(大入賞装置遊技球記憶テーブル)に遊技球の数を記憶させ(ステップS605)、さらに、払出装置59を駆動させ、遊技球を所定数(例えば、15球)で払い出す処理を実行する(ステップS606)。
【0106】
ステップS604において、大入賞装置38に遊技球が入っていないと判断した場合、又は、ステップS606において遊技球を払い出す処理を実行したとき、次に、大入賞装置38に所定数の遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS607)。すなわち、CPU66は、大入賞装置遊技球記憶テーブルに記憶された遊技球の数とRAMの別の領域に記憶された上記所定数(10球)とを比較し、大入賞装置38に入った遊技球が所定数(10球)となっているか否かを判断する。
【0107】
大入賞装置38に所定数の遊技球が入っていないと判断したときには、大入賞装置38が開放状態となってから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS608)。すなわち、CPU66は、ステップS602において開始した経過時間のカウントが、所定の時間に達したか否かについて判断する。
大入賞装置38が開放状態となってから所定の時間が経過していないなと判断したときには、処理をステップS604に戻す。
【0108】
一方、ステップS607において、大入賞装置38に所定数の遊技球が入ったと判断したとき、又は、ステップS608において所定の時間が経過したと判断したときには、大入賞装置38を閉鎖する(ステップS609)。
このように、大入賞装置38の開放時間は、大入賞装置38に入った遊技球の数か、時間かのいずれかの要素により判断され、大入賞装置38に所定数の遊技球が入れば、所定の時間に達しなくとも大入賞装置38は閉鎖され、一方、大入賞装置38に入った遊技球の数が所定数に達していなくても、所定の時間が経過すれば、大入賞装置38は閉鎖されるのである。
また、大入賞装置38の閉鎖は、インターフェイス回路群72を介して、ソレノイド48に駆動信号を供給することにより行う。
【0109】
次に、大当たり遊技の回数であるmに1を加算して、m=m+1となるように設定する(ステップS610)。すなわち、CPU66は、RAM70に設けられたラウンド数記憶テーブルにm=m+1となるように特別遊技の回数を記憶させる。
そして、特別遊技の回数mが、図7のステップS67の処理により設定されたラウンド数(A)以下であるか否かを判断する(ステップS611)。すなわち、CPU66は、まずラウンド数記憶テーブルに記憶された特別遊技の回数を読み出し、この回数とRAM70の別の領域に記憶されたラウンド数(A)と比較し、m≦Aであるか否かを判断する。特別遊技の回数mがm≦Aであると判断したときには、処理をステップS602に戻す。従って、本サブルーチンでは、mがAを超えるまで、繰り返し特別遊技が行われることとなる。
そして、特別遊技の回数であるmがAを超えるときには、本サブルーチンを終了する。
【0110】
次に、パチンコ遊技装置10の表示装置32に表示される上記報知画像、及び、特別遊技状態が発生したときにパチンコ遊技装置10の表示装置32に表示される画面画像について、図13(a)〜(c)を用いて説明する。
図13(a)〜(c)は、パチンコ遊技装置10の表示装置32に表示される画面画像の一例を示す図である。
【0111】
図13(a)、(b)に示す画面画像の中央より上側には、3つの変動図柄が停止表示され、図柄の組み合わせ「2」−「6」−「2」で停止表示されている様子が示されている。なお、この図柄の組み合わせ「2」−「6」−「2」は、はずれに対応する図柄の組み合わせである。また、画面画像の下側には、宝箱を示す画像と、4匹の豚を示す画像が表示されている。
【0112】
図13(a)に示す画面画像は、抽選回数(n)が、150≦n<200であるときに、表示装置32に表示される上記報知画像を含む画面画像である。
図13(a)に示す画面画像の左上には、「1/500」という当選確率を示す報知画像が表示されている。
【0113】
一方、図13(b)に示す画面画像は、抽選回数(n)が、300≦n<500であるときに、表示装置32に表示される上記報知画像を含む画面画像である。図13(b)に示す画面画像の左上には、「1/300」という当選確率を示す報知画像が表示されている。
【0114】
図13(c)は、図7に示したサブルーチンのステップS66の処理において特別大当たりに対応する抽選データがRAM70に記憶されている状態で、3つの変動図柄が特別大当たりに対応する図柄の組み合わせ「7」−「7」−「7」で停止表示され、特別大当たりに基づく特別遊技状態が発生している様子を示す画面画像である。
また、画面画像の下側には、宝箱からコインが溢れ出すとともに、4匹の豚が大喜びする様子を示す画像が表示され、また、画面画像の中央には、「大当たり」を示す画像と、残りラウンド数を示す画像と、大入賞装置38に入り得る遊技球の数とを示す画像が表示されている。
【0115】
図1〜図13を用いて説明したように、第1実施形態に係る遊技システムによれば、始動装置44に遊技球が入り、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信した回数である抽選回数(n)が多いほど、共通抽選の当選確率が高く設定されるため、遊技を開始した一の遊技者は、当該一の遊技者が遊技を開始する以前から遊技を行っている他の遊技者よりも共通抽選に当選し難くなり、上記一の遊技者が先に共通抽選に当選し、特別遊技状態が提供されることに対して、上記他の遊技者が不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、抽選回数(n)の増加に応じて、共通抽選に当選し易くなるため、共通抽選に当選しないで多くの遊技球を損失している一の遊技者に対して、その損失数を抑制することができ、一の遊技者が多くの遊技球を獲得している他の遊技者に対して不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。
その結果、遊技者は長時間にわたって、遊技にのめり込むことができる。
【0116】
なお、第1実施形態に係る遊技システムにおいて、パチンコ遊技装置にIDカードが挿入されたことを受けて遊技が開始される場合について説明したが、遊技を開始する方法としては特に限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技装置10に備えられた遊技開始ボタン等が押下されたことを受けて遊技が開始されてもよいし、パチンコ遊技装置10の前方に座った遊技者が、パチンコ遊技装置10に備えられた人体検知センサ等により検知されたことを受けて遊技が開始されてもよい。
遊技開始ボタンや人体検知センサ等により遊技が開始される場合、遊技が開始される度に、抽選回数を初期値(例えば、0)に戻すことが望ましい。上記遊技開始ボタンや人体検知センサ等により遊技が開始される場合は、IDカードを挿入することにより遊技が開始される場合と異なり、ID毎(遊技者毎)に抽選回数がカウントされないため、一旦、遊技を終了した遊技者が、それまでに行った抽選回数を、他の遊技者が引き継いで遊技を開始し、程なく共通抽選に当選してしまうことを防止することができるからである。なお、遊技を開始する際、前の遊技者の抽選回数を引き継ぐか否かを決定する抽選を行ってもよい。
【0117】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る遊技システムは、差球数に応じて共通抽選の当選確率が設定されるように構成されている。上記差球数は、例えば、パチンコ遊技装置10において、払い出された遊技球の数と、遊技盤上に発射された遊技球との差である。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、遊技機がパチンコ遊技装置である場合について説明するが、上述したように、本発明に係る遊技機は、パチンコ遊技装置に限定されるものではなく、例えば、パチスロ遊技装置、スロットマシン等を挙げることができる。本発明に係る遊技機が、例えば、パチスロ遊技装置である場合、本発明に係る遊技システムは、差枚数に応じて共通抽選の当選確率が設定されるように構成される。なお、上記差枚数は、例えば、パチスロ遊技装置において、払い出されたメダルの枚数と、投入されたメダルの枚数との差である。
【0118】
ここで、遊技盤上に発射される遊技球の数(以下、発射球数という)をD(球)、払い出される遊技球の数(以下、払出球数という)をE(球)とした場合、差球数(X)は下記(1)式を用いて算出することができる。
X=E−D・・・(1)
なお、差球数(X)が負数である場合は、遊技球を損失している場合であり、差球数(X)が正数である場合は、遊技球を獲得している場合である。
【0119】
また、第2実施形態に係る遊技システムにおいて、図1に示したパチンコ遊技装置10の発射装置28の近傍のガイドレール30には、反射式の光センサ等の発射球検知センサが設けられており、これにより、発射球数(D)をカウントすることができる。
また、払出装置59には、払出球検知センサが設けられており、これにより、払出球数(E)をカウントすることができる。
【0120】
また、パチンコ遊技装置10は、上記発射球検知センサによりカウントされた発射球数(D)、及び、上記払出球検知センサによりカウントされた払出球数(E)から算出した差球数(X)を、所定時間(例えば、30分間)毎に情報処理装置100に送信する処理を行う。
さらに、情報処理装置100は、パチンコ遊技装置10から受信した差球数(X)を、パチンコ遊技装置10毎に記憶するとともに、確率設定処理(図8、図9参照)において、差球数(X)に応じて共通抽選の当選確率を設定する処理を行う。
【0121】
上述した以外の第2実施形態に係る遊技システムにシステム構成や各装置の内部構成(図1〜図4参照)は、第1実施形態に係る遊技システムと略同様であり、既に説明済であるのでここでの説明は省略する。また、上述した以外の第2実施形態に係る遊技システムにおいて行われる処理についても、第1実施形態に係る遊技システムと略同様であるので、ここでは、第2実施形態に係る遊技システムの情報処理装置100により、図8に示したサブルーチンのステップS210において呼び出されて実行される確率設定処理について、図9を用いて説明することにする。
【0122】
図14は、上記確率設定処理において設定される確率の確率データを示すテーブルの一例を示す図である。
このテーブルは、差球数(X)に応じて、RAM106に設定される上記共通抽選用確率テーブルの種類を示すものである。
【0123】
ROM104には、8種類の共通抽選用確率テーブルが記憶されており、上記確率設定処理では、例えば、差球数(X)の範囲が、X>3000である場合には、上記8種類の共通抽選用確率テーブルのなかから、当選確率(P)が1/800である共通抽選用確率テーブルがRAM106に設定され、差球数(X)の範囲が、2000<X≦3000である場合には、当選確率(P)が1/700である共通抽選用確率テーブルがRAM106に設定されるというように、差球数(X)の減少に応じて、当選確率(P)が高くなるように設定されるのである。
【0124】
図14を用いて説明したように、第2実施形態に係る遊技システムによれば、多くの遊技球を損失している遊技者については当選確率が高く設定され、共通抽選に当選し易くなるため、遊技者が更に多くの遊技球を損失してしまうことを抑制することができる。逆に、多くの遊技球を獲得している遊技者については当選確率が低く設定され、共通抽選に当選し難くなるため、遊技者が極端に多くの遊技球を獲得してしまうことを抑制することができる。その結果、多くの遊技球を損失している遊技者が、多くの遊技球を獲得している遊技者に対して、不公平感を抱いてしまうことを抑制することができるため、遊技者は長時間にわたって遊技にのめり込むことができる。
【0125】
第1〜第2実施形態に係る遊技システムでは、抽選回数(n)が遊技機により記憶されており、始動装置に遊技球が入ったことを受けて、抽選回数(n)が更新される場合について説明したが、本発明の遊技システムにおいては、例えば、情報処理装置において抽選回数(n)が記憶され、共通抽選開始信号の受信に応じて、当該抽選回数(n)が更新されることとしてもよい。
【0126】
第1実施形態に係る遊技システムでは、遊技履歴情報が遊技回数(抽選回数)であり、また、第2実施形態に係る遊技システムでは、遊技履歴情報が差球数(X)である場合について説明したが、本発明の遊技システムにおいて、遊技履歴情報としては特に限定されるものではなく、例えば、IDカードが挿入されていた時間の他、遊技機に備えられた人体検知センサ等により遊技者が検知された時間等を挙げることができる。
また、第1実施形態に係る遊技システムでは、遊技回数が抽選回数である場合について説明したが、本発明の遊技システムにおいて、上記遊技回数は、上記抽選回数に限定されず、例えば、始動装置と入賞装置とに遊技球が入った回数や、遊技盤上に遊技球が発射された回数等を挙げることができる。
【0127】
また、本発明の遊技システムは、パチンコホール等における複数の遊技機からなる遊技機群に適用されるほか、例えば、インターネットを利用した通信システムに適用することが可能である。すなわち、遊技機に代えて、パーソナルコンピュータやゲーム用端末装置等の端末機を用いるとともに、情報処理装置に代えて、管理用サーバを用い、上記端末機と上記管理用サーバとを通信回線を介して接続して、本発明の遊技システムを適用することが可能である。
さらに、本発明の遊技システムにおいて、複数の情報処理装置を通信回線を介して接続し、上記複数の情報処理装置のなかの一の情報処理装置において、共通抽選処理等が行われるようにしてもよい。このような構成とした場合、例えば、複数のパチンコホールにおける複数の遊技機に係る共通抽選等の各種処理を、上記一の情報処理装置において行うことができるようになる。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技機群における各遊技機の遊技履歴情報に応じて、共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって各遊技機の遊技結果をより均一化させて、ある程度平等な遊技を提供することにより、各遊技者に対して不公平感を低減させることが可能な遊技システムを提供することができる。
【0129】
また、本発明によれば、確率設定手段が、遊技機群の遊技機ごとに遊技回数に応じて、共通抽選の当選確率を設定するように構成すると、遊技回数の多少に合わせて、当選確率の高低を設定することも可能となり、遊技回数に応じて共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、より平等な遊技を提供することができ、各遊技者に対してさらに不公平感を低減させることが可能な遊技システムを提供することができる。
【0130】
また、本発明によれば、確率設定手段が、遊技機群の遊技機ごとに、差枚数又は差球数に応じて、共通抽選の当選確率を設定するように構成すると、その時々の遊技結果に応じて共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって更に平等な遊技の提供、及び、不公平感の低減が可能な遊技システムを提供することができる。
【0131】
また、本発明によれば、報知画像表示手段を備えた構成とすると、遊技者が現時点での当選確率を認識することができるため、当選確率が低い場合は、当選確率を高くしようという願望を遊技者に抱かせることができ、当選確率が高い場合は、早く共通抽選に当選しようという願望を遊技者に抱かせることが可能な遊技システムを提供することができる。
【0132】
また、本発明によれば、遊技機群における各遊技機の遊技履歴情報に応じて、共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって各遊技機の遊技結果をより均一化させて、ある程度平等な遊技を提供することにより、各遊技者に対して不公平感を低減させることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る遊技システムを模式的に示す概念図である。
【図2】図1に示したパチンコ遊技装置を模式的に示す斜視図である。
【図3】図1に示したパチンコ遊技装置の内部構造を模式的に示すブロック図である。
【図4】図1に示した情報処理装置の内部構成を模式的に示すブロック図である。
【図5】図1に示したパチンコ遊技装置において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図5に示したサブルーチンのステップS20において呼び出されて実行される遊技球検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図6に示したサブルーチンのステップS48において呼び出されて実行される共通抽選設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図1に示した情報処理装置において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図8に示したサブルーチンのステップS210の確率設定処理において設定される確率の確率データを示すテーブルの一例を示す図である
【図10】図8に示したサブルーチンのステップS212において呼び出されて実行される特別大当たり設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図7に示したステップS74において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】図11に示したサブルーチンのステップS512において、特別遊技状態が発生した際に実行される特別遊技実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】(a)〜(c)は、図1に示したパチンコ遊技装置の表示装置において表示される画面画像の一例を示す図である。
【図14】第2実施形態に係る遊技システムの情報処理装置により、図8に示したサブルーチンのステップS212において呼び出されて実行される確率設定処理において設定される確率の確率データを示すテーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
10(10A〜10L) パチンコ遊技装置(遊技機)
14 遊技盤
15 IDカード
32 表示装置
44 始動装置
49 IDカード挿入部
53 読取装置
53a 返却ボタン
59 払出装置
61、108 通信用インターフェイス回路
66、102 CPU
68、104 ROM
70、106 RAM
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、パチンコ遊技装置やパチスロ遊技装置からなる所謂遊技島といった、パチンコホール等における複数の遊技機からの遊技機群に適用される遊技システム、及び、遊技機群を構成する複数の遊技機に対してデータの送受信が可能な情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、遊技機群を構成する複数の遊技機で遊技を行っている遊技者により投入された遊技媒体の価値の一部又は全部を累積的にプールしていくとともに、遊技機からの所定の信号の受信に応じて共通抽選を行い、共通抽選に当選すると、プールされた価値に応じた有利な遊技状態を当該遊技機に提供する制御装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。この制御装置によれば、遊技者は、他の遊技者よりも早く共通抽選に当選することを期待しながら遊技を行うことができるようになるため、各遊技機により個別に抽選が行われる通常の遊技機と比較して、他の遊技者に対する競争心を喚起することができ、遊技にのめり込むことができるようになる。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−42914号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、一の遊技者が、遊技を開始してから程なく共通抽選に当選し、そのまま有利な遊技状態が提供されることとなると、上記一の遊技者が遊技を開始する以前から遊技を行っている他の遊技者は、不公平感を抱いてしまうことになる。特に、上記一の遊技者が遊技を開始する時点において、既に多数の遊技媒体(例えば、遊技球やメダル等)を購入して投入している遊技者は、著しく不公平感を抱いてしまうとともに、大きく落胆し、遊技を行わなくなってしまうことも充分に予測し得る。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技者に不公平感を抱かせることなく、長時間にわたって遊技にのめり込むことができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)複数の遊技機(例えば、パチンコ遊技装置10A〜10L)からなる遊技機群(例えば、遊技機群110)と、
上記複数の遊技機に対してデータの送受信が可能となるように接続された情報処理装置(例えば、情報処理装置100)とを備え、
上記遊技機は、遊技履歴情報を上記情報処理装置に送信する遊技履歴情報送信手段を備える一方、
上記情報処理装置は、上記遊技機群における上記複数の遊技機の各々から送信される共通抽選開始信号の受信に応じて、当該共通抽選開始信号を送信した上記遊技機に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定する共通抽選を行う共通抽選手段と、
上記遊技機群の遊技機ごとに、遊技履歴情報を受信して記憶する遊技履歴記憶手段と、
上記遊技機群の遊技機ごとに、上記遊技履歴情報に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする遊技システム(図1参照)。
【0007】
(1)の発明によれば、遊技機群における各遊技機の遊技履歴情報に応じて、共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、各遊技機の遊技結果をより均一化させて、ある程度平等な遊技を提供することが可能となる。例えば、長時間にわたって共通抽選に当選していない遊技者や、多くの遊技媒体を損失している遊技者について当選確率を高く設定することにより、平等な遊技を提供することができる。その結果、遊技者が不公平感を抱いてしまうことを抑制することができ、遊技者は長時間にわたって遊技にのめり込むことができる。
【0008】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)に記載の遊技システムであって、
上記遊技履歴記憶手段は、上記遊技機群の遊技機ごとに、当該遊技機における遊技回数を記憶し、
上記確率設定手段は、上記遊技機群の遊技機ごとに、上記遊技回数に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定することを特徴とする。
【0009】
(2)の発明によれば、遊技回数の多少に合わせて、当選確率の高低を設定することが可能であり、遊技回数に応じて共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、より平等な遊技を提供することが可能となる。例えば、遊技回数が少ない遊技機については、当選確率を低く設定し、遊技回数が多い遊技機については、当選確率を高く設定することにより、遊技を開始した一の遊技者は、当該一の遊技者が遊技を開始する以前から遊技を行っている他の遊技者よりも先に共通抽選に当選し難くなるため、上記一の遊技者が上記他の遊技者によりも先に共通抽選に当選し、有利な遊技状態が提供されることに対して、上記他の遊技者が不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。その結果、遊技者は遊技にのめり込むことができる。
【0010】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)に記載の遊技システムであって、
上記遊技履歴記憶手段は、上記遊技機群の遊技機ごとに、当該遊技機における差枚数又は差球数を記憶し、
上記確率設定手段は、上記遊技機群の遊技機ごとに、上記差枚数又は差球数に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定することを特徴とする。
【0011】
(3)の発明によれば、その時々の遊技結果に応じて共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、更に平等な遊技の提供、及び、不公平感の低減が可能となる。例えば、多くの遊技媒体を損失している一の遊技者について当選確率を高く設定することにより、共通抽選に当選し易くなるため、上記一の遊技者が更に多くの遊技媒体を損失してしまうことを抑制することができる。その結果、上記一の遊技者が、多くの遊技媒体を獲得している他の遊技者に対して、不公平感を抱いてしまうことを抑制することができ、遊技者は長時間にわたって遊技にのめり込むことができる。
【0012】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の遊技システムであって、
上記遊技機群の各遊技機に、上記共通抽選の当選確率を示す報知画像を表示させる報知画像表示手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
(4)の発明によれば、遊技者が現時点での当選確率を認識することができるため、当選確率が低い場合は、当選確率を高くしようという願望を遊技者に抱かせることができ、当選確率が高い場合は、早く共通抽選に当選しようという願望を遊技者に抱かせることができるようになる。その結果、遊技者に継続して遊技を行わせることができるようになる。
【0014】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(5)遊技機群(例えば、遊技機群110)を構成する複数の遊技機(例えば、パチンコ遊技装置10A〜10L)に対してデータの送受信が可能であり、
上記遊技機群における上記複数の遊技機の各々から送信される共通抽選開始信号の受信に応じて、当該共通抽選開始信号を送信した上記遊技機に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定する共通抽選を行う共通抽選手段と、
上記遊技機から受信した遊技履歴情報を、上記遊技機群の遊技機ごとに記憶する遊技履歴記憶手段と、
上記遊技機群の遊技機ごとに、上記遊技履歴情報に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置(図1参照)。
【0015】
(5)の発明によれば、遊技機群における各遊技機の遊技履歴情報に応じて、共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、各遊技機の遊技結果をより均一化させて、ある程度平等な遊技を提供することが可能となる。例えば、長時間にわたって共通抽選に当選していない遊技者や、多くの遊技媒体を損失している遊技者について当選確率を高く設定することにより、平等な遊技を提供することができる。その結果、遊技者が不公平感を抱くことを抑制することができ、遊技者は長時間にわたって遊技にのめり込むことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る遊技システムを模式的に示す概念図である。
なお、以下において説明する実施形態においては、本発明の遊技システムの好適な実施形態として、本発明を複数のパチンコ遊技装置からなる遊技機群に適用した場合を示す。
【0017】
遊技機群110は、12台のパチンコ遊技装置10(10A〜10L)からなり、これらパチンコ遊技装置10は、それぞれ配線網111を介して情報処理装置100に接続されている。
【0018】
パチンコ遊技装置10は、後述する通信用インターフェイス回路61等の送受信部を備えており、情報処理装置100に対してデータの送受信が可能である。また、パチンコ遊技装置10は、遊技履歴情報を前記情報処理装置に送信する遊技履歴情報送信手段を備えている。
【0019】
また、情報処理装置100は、遊技機群110の各パチンコ遊技装置10から供給される共通抽選開始信号の受信に応じて、パチンコ遊技装置10に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定するための共通抽選を行う共通抽選手段と、パチンコ遊技装置10により送信された上記遊技履歴情報を受信してパチンコ遊技装置10毎に記憶する遊技履歴記憶手段と、パチンコ遊技装置10毎に、上記遊技履歴情報に応じて、上記共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えている。
なお、複数のPC等により情報処理装置100が構成されていてもよい。
【0020】
第1実施形態では、遊技機がパチンコ遊技装置である場合について説明するが、本発明の係る遊技機は、パチンコ遊技装置に限定されるものではなく、例えば、パチスロ遊技装置、スロットマシン等を挙げることができる。
また、以下においては、パチンコ遊技装置が配線網を介して情報処理装置と接続されている場合について説明するが、本発明において、遊技機と情報処理装置とは、例えば、公衆電話回線、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等の通信回線により接続されていてもよい。また、上記通信回線は、有線に限定されるものではなく、無線による伝送路も含むものである。
【0021】
図2は、図1に示したパチンコ遊技装置10を模式的に示す正面図である。
パチンコ遊技装置10には、本体枠12と、本体枠12に組み込まれた遊技盤14と、遊技盤14の前面に設けられた本体枠12の窓枠16と、窓枠16の下側で本体枠12の前面に設けられた上皿20及び下皿22と、下皿22の右側に設けられた発射ハンドル26とが配置されている。
【0022】
また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。なお、釘を打ち込むような構成とせず、遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に金属製の棒状体を遊技盤14の前方向に突出するように植設する構成としてもよく、上述したようなパチンコ遊技装置10(パチコン機)にも本発明を適用することができる。なお、本明細書において、パチンコ遊技装置10とは、パチコン機をも含む概念である。
【0023】
さらに、発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者は発射ハンドル26を操作することによりパチンコ遊技を進めることができるのである。発射ハンドル26の裏側には、遊技球を発射するための発射装置(例えば、モータ、ソレノイド等)28が設けられている。
発射ハンドル26が遊技者によって時計回り方向に回動操作されたときには、発射装置28に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
【0024】
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。
また、パチンコ遊技装置10の本体枠12の内部には、本体枠12のIDカード挿入部49を介して挿入されたIDカード15からのデータの読み取りを行うことが可能な読取装置53が設けられている。また、この読取装置53には、IDカード15をIDカード挿入部49から払い出すための返却ボタン53aが設けられている。
【0025】
遊技盤14の前面の略中央には、後述する如き表示部である表示装置32が設けられている。この表示装置32の上部の中央には、表示装置52が設けられている。この表示装置52は、例えば、7セグメント表示器で構成されており、表示情報である普通図柄が、変動と停止とを繰り返すように可変表示される。表示装置32の左右の側部には、球通過検出器55a及び55bが設けられている。この球通過検出器55a又は55bは、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、上述した表示装置52において、普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば、「0」から「9」までの数字や「☆」等の記号である。この普通図柄が所定の図柄、例えば、「7」となって停止して表示されたときには、後述する始動装置44の左右の両側に設けられている可動片58a及び58bを駆動するためのソレノイド57(図示せず)に電流を供給し、始動装置44に遊技球が入りやすくなるように可動片58a及び58bを駆動し、始動装置44を開放状態となるようにする。なお、始動装置44を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、可動片を駆動し始動装置44を閉鎖状態として、遊技球が入りにくくなるようにするのである。
【0026】
上述した表示装置52の左右の両側には4つの保留ランプ34a〜34dが設けられている。さらに、表示装置52の上部には一般入賞装置50が設けられている。また、遊技盤14の下部には、遊技球の大入賞装置38が設けられている。この大入賞装置38の近傍には、シャッタ40が開閉自在に設けられている。シャッタ40は大当たり状態が発生したときには、断続的に開放状態となるようにソレノイド48(図示せず)により駆動される。
また、大入賞装置38の下側には、アウト口(図示せず)が設けられており、入賞装置等に入らなかった遊技球は、アウト口から排出されることになる。
【0027】
表示装置32の左右の両側には一般入賞装置54a及び54bが設けられている。さらに、表示装置32の下部の両側には一般入賞装置54c及び54dが設けられている。また、遊技盤14の左右の端部には、特別入賞装置56a及び56bが設けられ、大入賞装置38の左右の両側には、特別入賞装置56c及び56dが設けられている。
【0028】
これらの大入賞装置38、一般入賞装置50及び54a〜54d、並びに、特別入賞装置56a〜56dには球検知センサ41、43(図示せず)が設けられている。大入賞装置38に遊技球が入ったとき、すなわち、大入賞装置38の内部を遊技球が通過したことを球検知センサ41が検知したときには、払出装置59(図示せず)により、予め設定されている数の遊技球が下皿22に払い出されるようになっている。
また、一般入賞装置50及び54a〜54d、並びに、特別入賞装置56a〜56dを遊技球が通過したことを球検知センサ43が検知したときには、予め設定されている数の遊技球が下皿22に払い出される。
【0029】
また、表示装置32の下方には、後述する可変表示ゲームが開始されて表示装置32に表示される複数、例えば、3つの識別情報である図柄を変動表示状態に移行する契機となる球検知センサ42を有する始動装置44が設けられている。
遊技球が通過したことを球検知センサ42が検知したときには、払出装置59により所定数の遊技球が払い出されるとともに、情報処理装置100に対して共通抽選信号を送信し、情報処理装置100からの応答信号を受信したことを受けて、当該応答信号に含まれる共通抽選の結果に応じて、表示装置32において複数の変動図柄が変動表示されて可変表示ゲームが開始される。
【0030】
さらにまた、表示装置32の左右の両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための転動誘導部材60a及び60bも設けられている。また、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには装飾ランプ36a及び36bが設けられている。
【0031】
なお、上述した表示装置32において後述する演出画像を表示する部分は、液晶ディスプレイパネルからなるものであってもブラウン管からなるものであってもよい。
【0032】
図3は、図1に示したパチンコ遊技装置10の制御回路を示すブロック図である。
発射ハンドル26は、制御回路60のインターフェイス回路群62に接続され、インターフェイス回路群62はと、入出力バス64に接続されている。発射ハンドル26の回動角度を示す角度信号は、インターフェイス回路群62により所定の信号に変換された後、入出力バス64に供給される。入出力バス64は、演算処理装置であるCPU66にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0033】
また、インターフェイス回路群62には、球検知センサ41〜43も接続されており、球検知センサ41又は球検知センサ43は、遊技球が大入賞装置38又は始動装置44を通過したときには、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。また、球検知センサ43は、遊技球が入賞装置(一般入賞装置50、一般入賞装置54、又は、特別入賞装置56)に入ったとき、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。さらに、インターフェイス回路群62には、球通過検出器55も接続されており、球通過検出器55は遊技球がその近傍を通過したことを検出したときには、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
【0034】
上述した入出力バス64には、インターフェイス回路群63が接続されており、このインターフェイス回路群63には、読取装置53が接続されている。この読取装置53は、本体枠12のIDカード挿入部49を介して挿入されたIDカード15に記憶されているIDの読み取りを行うことが可能である。また、図示しないが、読取装置53には返却ボタン53aが設けられている。この返却ボタン53aは、遊技者が遊技を終了するか、又は、遊技を行うパチンコ遊技装置10を変更する際、IDカード15をIDカード挿入部49から払い出すときに押下されるボタンである。
なお、この読取装置53は、必ずしもパチンコ遊技装置10に備えられる必要はなく、パチンコ遊技装置10と別体に設けられていてもよい。
【0035】
このIDカード15には、他のIDカードと区別するために、カード毎に異なる識別データ(以下、IDという)が記憶されており、遊技者はIDカード15をIDカード挿入部49に挿入することにより遊技を開始することができる。IDカード挿入部49にIDカードが挿入されると、読取装置53によりIDが読み取られ、情報処理装置100に送信される。また、遊技を終了するときには、上述した返却ボタン53aを押下して、IDカード15を払い出す。
第1実施形態に係る遊技システムに用いることができるIDカード15としては、特に限定されるものではなく、例えば、磁気ストライブを備えたカードや、ICカード等を用いることができる。
このIDカード15は、例えば、遊技場に設置されたカード発行機から発行されることとしてもよく、本発明に係るパチンコ遊技装置10から発行されることとしてもよい。なお、このIDカード15がIDカード挿入部49に挿入されることにより、遊技球の貸し出しが可能となるようにしてもよい。すなわち、IDを受信した情報処理装置100が、貸与可能な遊技球の数(例えば、1000球)をID毎に記憶することとしてもよい。また、IDカード15には、IDの他に、上記貸与可能な遊技球の数が記憶されていてもよい。この場合、読取装置53は、IDカード15に記憶されている遊技球の数を更新することが可能な書込機能を備える。
【0036】
入出力バス64には、ROM68及びRAM70も接続されている。ROM68は、パチンコ遊技装置10の遊技全体の流れを制御する遊技プログラムを記憶する。さらに、ROM68は、表示装置32において可変表示ゲームが実行される際に、変動表示や停止表示される変動図柄の画像データ、演出画面として表示されるキャラクタ画像データ、表示装置32の背景を構成する背景画像データ、並びに、遊技用いられる音データ、遊技プログラムを実行するための初期データや、装飾ランプ36の点滅動作パターンを制御するプログラム等を記憶する。
【0037】
また、ROM68は、情報処理装置40により共通抽選の結果に基づいて、停止表示される複数の変動図柄の組み合わせを決定する抽選を行うために必要な内部抽選用確率テーブルや、該内部抽選用確率テーブルを用いて内部抽選を行うためのプログラム(内部抽選プログラム)等を記憶する。
RAM70は、情報処理装置に対して共通抽選開始信号を送信した回数である抽選回数(n)を、ID毎に記憶する。このようにすることにより、一のパチンコ遊技装置10で遊技を行っている遊技者が、一旦、IDカードを払い出して遊技を中断した後、再度、上記一のパチンコ遊技装置10で遊技を再開する場合であっても、抽選回数(n)が上記一のパチンコ遊技装置10についてID毎に記憶されているため、中断前の抽選回数を引き継いで遊技を再開することができる。
【0038】
CPU66は、所定のプログラムを呼び出して実行することにより演算処理を行い、この演算処理の結果に基づいて各種画像データ及び音データを、電子データとして伝送その他の制御を行うのである。
【0039】
また、CPU66は、始動装置44の球検知センサ42からの検知信号を受信し、始動装置44に遊技球が入ったと判断した場合には、ROM68に記憶されたプログラム等に基づいて、所定数(例えば、5球)の遊技球を上皿20又は下皿22に払い出すように払出装置59の制御を行う。また、CPU66が始動装置44に遊技球が入ったと判断した場合には、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信する。
一方、球検知センサ41又は43からの検知信号を受信し、上述した各入賞装置のいずれかに遊技球が入ったと判断した場合、CPU66は、所定数の遊技球を上皿20又は下皿22に払い出すように払出装置59の制御を行う。また、各入賞装置のいずれかに遊技球が入ったと判断した場合には、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信することとしてもよく、送信しないこととしてもよい。
【0040】
さらに、入出力バス64には、インターフェイス回路群72も接続されている。インターフェイス回路群72には、表示装置32、表示装置52、スピーカ46、発射装置28、ソレノイド48、57、保留ランプ34、装飾ランプ36、並びに、払出装置59が接続されており、インターフェイス回路群72は、CPU66における演算処理の結果に応じて上述した装置の各々を制御すべく駆動信号や駆動電力を供給する。
【0041】
表示部である表示装置32の画面画像は、変動図柄が表示される識別画像と、演出画面が表示される演出画像とからなり、上記識別画像と上記演出画像とは、CPU66の制御によりこれらの2つの画像を重ね合わせて合成することにより、一つの画像として表示する。
【0042】
ソレノイド48は、上述した如きシャッタ40を開閉駆動するためのものであり、ソレノイド57は、始動装置44の左右の両側に設けられた可動片58a及び58bを開閉駆動するためのものである。
保留ランプ34は、表示装置32に表示する図柄の組み合わせが有効となった回数を示すものであり、装飾ランプ36は、遊技が大当たりとなったときやリーチとなったときに遊技者にその旨を示すべく点滅又は点灯するものである。
払出装置59は、CPU66からの制御信号により、遊技状況(例えば入賞装置等に遊技球が入ったこと等)に応じて、上皿20又は下皿22に、所定の数の遊技球を払い出すものである。
【0043】
また、入出力バス64には、通信用インターフェイス回路61も接続されている。この通信用インターフェイス回路61は、情報処理装置100との通信を行うためのものである。
【0044】
上述した演算処理装置(CPU66)から制御部が構成され、表示装置32から表示部が構成され、パチンコ遊技装置10から遊技機が構成される。
なお、本明細書では、制御部に含まれる演算処理装置が1つであるとして説明しているが、本発明の遊技機では、制御部に含まれる演算処理装置は1つである必要はなく、上記制御部は、例えば、主にパチンコ遊技装置10の各部を主導的に制御することにより遊技を進行させる演算処理装置Pと、演算処理装置Pからの命令信号等に基づいて、主に表示部に表示させる画像を生成する演算処理装置Qとを含んで構成されていてもよい。また、上記制御部に含まれるROM及びRAMも、必ずしも1つである必要はない。
【0045】
図4は、図1に示した情報処理装置100の内部構成を模式的に示すブロック図である。
情報処理装置100は、CPU102と、ROM104と、RAM106と、通信用インターフェイス回路108とを備えている。ROM104は、例えば、通信用インターフェイス回路108により配線網111を介してパチンコ遊技装置10との通信を行うためのプログラムや、共通抽選を行うためのプログラムや、乱数のサンプリングに用いられる共通抽選用確率テーブル等を記憶する。また、ROM104は、パチンコ遊技装置10から送信された抽選回数(n)に応じて、共通抽選用確率テーブルをパチンコ遊技装置10毎に設定するためのプログラム等を複数記憶する。上記共通抽選が行われると、CPU102は、抽選回数(n)に応じて、ROM104に記憶されている複数の共通抽選用確率テーブルのなかから一の共通抽選用確率テーブルを選択してRAM106に設定するとともに、乱数のサンプリングを行う。
【0046】
また、RAM106は、パチンコ遊技装置10が備える読取装置53により読み取られ、送信されるIDを、パチンコ遊技装置10毎に記憶する。
さらにまた、RAM106は、遊技機群110を構成する12台全てのパチンコ遊技装置10から共通抽選開始信号を受信した回数である抽選ストック数(N)を記憶する。
【0047】
以下、第1実施形態に係る遊技システムにおいて行われる遊技について、図5〜図12を用いて説明することにする。
(i)まず、遊技者は、上述したカード発行機等から発行されたIDカード15を、パチンコ遊技装置10に備えられた読取装置53のIDカード挿入部49に挿入することより遊技を開始する。
(ii)遊技が開始され、遊技盤14上に発射された遊技球が、始動装置44に入ることにより、共通抽選開始信号が情報処理装置100に送信されるとともに、当該共通抽選開始信号を送信した回数である上記抽選回数(n)が情報処理装置100に送信される。なお、上記抽選回数は、上記遊技履歴情報である。また、上記抽選回数は、上記遊技回数である。また、上記遊技履歴情報は、後述するように上記抽選回数に限定されるものではない。
(iii)上記共通抽選開始信号及び上記抽選回数(n)を受信した情報処理装置100は、上記抽選回数情報に含まれる抽選回数(n)に応じて共通抽選の当選確率を設定し、当該設定された当選確率に基づいて共通抽選を行う。そして、行われた共通抽選の結果を含む応答信号を、共通抽選開始信号を受信したパチンコ遊技装置10に送信する。
(iv)応答信号を受信したパチンコ遊技装置10は、当該応答信号に含まれる共通抽選の結果に基づいて可変表示ゲームを行い、表示装置32において、停止表示された図柄が所定の組み合わせであった場合には、特別遊技状態が発生する。
(v)特別遊技状態が発生すると、大入賞装置38が断続的に開放状態となる特別遊技が、上記抽選ストック数(N)に応じた数だけ繰り返され、大入賞装置38に遊技球が入ったときには、所定数(例えば、15球)の遊技球が払い出される。
【0048】
以下においては、パチンコ遊技装置10及び情報処理装置100は起動しており、CPU66及びCPU102は定常動作しているものとする。
図5は、図1に示したパチンコ遊技装置10において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、予め実行されているメインルーチンから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。
【0049】
まず、CPU66は、IDカードが挿入されたか否かを判断する(ステップS10)。すなわち、CPU66は、読取装置53に命令信号を送信して、IDカード挿入部49にIDカード15が挿入されているか否かを認識させる処理を行わせる。
ステップS10において、IDカードが挿入されていないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0050】
一方、ステップS10において、IDカードが挿入されたと判断した場合、次に、CPU66は、読取装置53に命令信号を送信して、IDカード15からIDの読み取りを行うとともに、読み取られたIDを情報処理装置100に送信する(ステップS14)。
【0051】
ステップS14の処理が実行されると、次に、CPU66は、遊技不能動処理を解除する(ステップS16)。この遊技不能動処理は、後述するステップS26において実行される処理であり、CPU66が発射ハンドル26に制御信号を送信することにより、発射ハンドル26が操作されても発射装置28に電力が供給されないように制御する処理である。
上記遊技不能動処理が解除されると、遊技者は発射ハンドル26を操作することにより、遊技盤14上に遊技球を発射することができるようになる。
【0052】
ステップS16の処理が実行されると、次に、CPU66は遊技球検出処理を実行する(ステップS20)。この遊技球検出処理では、発射ハンドル26が操作されて遊技盤14上に発射された遊技球が、入賞装置(一般入賞装置50、一般入賞装置54、又は、特別入賞装置56)に入ると、所定数の遊技球を払い出し、始動装置44に遊技球が入ると、所定数の遊技球を払い出すとともに、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信する処理等が行われる。
この遊技球検出処理については、後に図面(図6)を用いて詳述することにする。
【0053】
ステップS20の処理が実行されると、CPU66は、遊技が終了したか否かを判断する(ステップS22)。すなわち、遊技を終了しようとする遊技者により、返却ボタン53aが押下された否かを判断する。
ステップS22において、遊技が終了していないと判断すると、CPU66は、処理をステップS20に戻す。
一方、ステップS22において、遊技が終了したと判断すると、次に、CPU66は、読取装置53に命令信号を送信して、IDカード15をIDカード挿入部49から払い出す処理を行わせる(ステップS24)。
【0054】
ステップS24の処理が実行されると、次に、CPU66は、遊技不能動処理を実行して(ステップS26)、本サブルーチンを終了する。この遊技不能動処理では、上述したように、CPU66が発射ハンドル26に制御信号を送信することにより、発射ハンドル26が操作されても発射装置28に電力が供給されないように制御する処理を行う。
【0055】
図5を用いて説明したように、本発明の遊技システムに係るパチンコ遊技装置10では、IDカード15がIDカード挿入部49に挿入されることにより、遊技不能動処理が解除されて、遊技盤14上に遊技球を発射して遊技を行うことができるようになる。また、返却ボタン53aが押下されることにより、IDカード15がIDカード挿入部49から払い出されると、遊技不能動処理が実行されて、遊技球を発射することができないようになる。すなわち、遊技者は、IDカード15をIDカー挿入部49に挿入しているときにのみ、遊技を行うことができるのである。
【0056】
図6は、図5に示したサブルーチンのステップS20において呼び出されて実行される遊技球検出処理を示すフローチャートである。
まず、入賞装置に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS40)。この入賞装置は、例えば、上述した図2に示した例においては、一般入賞装置50及び一般入賞装置54a〜54d並びに特別入賞装置56a〜56dである。ステップS20において、入賞装置に遊技球が入ったと判断したときには、CPU66は、所定数(例えば5球)の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS42)。
【0057】
ステップS42の処理が実行されるか、又は、ステップS40において、入賞装置に遊技球が入っていないと判断した場合、次に、CPU66は、始動装置に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS44)。この始動装置は、例えば、上述した図2に示した例においては、始動装置44である。このステップS44において、始動装置に遊技球が入ったと判断したときには、CPU66は、所定数(例えば、5球)の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS46)。
【0058】
ステップS46の処理が実行されると、次に、CPU66は、共通抽選設定処理を実行する(ステップS48)。この共通抽選設定処理では、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信するとともに、情報処理装置100からの応答信号を受信し、後述する可変表示ゲーム処理を実行する。
この共通抽選設定処理については、後に図面(図7)を用いて詳述することにする。
【0059】
ステップS48の処理が実行されるか、又は、ステップS44において、始動装置44に遊技球が入っていないと判断したとき、次に、CPU66は、報知画像データを情報処理装置100から受信したか否かを判断する(ステップS50)。このステップS50における処理は、後述する図8に示すサブルーチンのステップS211の処理に対応するものである。上記報知画像データは、後述する確率設定処理により設定された共通抽選の当選確率を示す報知画像をパチンコ遊技装置10の表示装置32に表示させるための画像データが含まれる。
ステップS50において、報知画像データを情報処理装置10から受信していないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS50において、報知画像データを受信したと判断した場合、次に、CPU66は、報知画像を表示装置32に表示させて(ステップS52)、本サブルーチンを終了する。
【0060】
図7は、図6に示したサブルーチンのステップS48において呼び出されて実行される共通抽選設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU66は、RAM70に記憶されている抽選回数(n)に1を加算して、n=n+1となるように抽選回数(n)を更新する(ステップS60)。
【0061】
ステップS60の処理が実行されると、次に、CPU66は、抽選回数(n)、及び、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信する(ステップS61)。この共通抽選開始信号は、情報処理装置100に対して、後述する共通抽選処理の開始を要求する信号である。
このステップS61の処理が実行されているとき、パチンコ遊技装置10は、抽選回数(n)を情報処理装置100に送信する遊技履歴情報送信手段として機能する。
【0062】
ステップS60の処理が実行されると、次に、CPU66は、応答信号を情報処理装置100から受信したか否かを判断する(ステップS62)。この応答信号は、情報処理装置100において実行された共通抽選の結果を示す信号であり、共通抽選の結果が「特別大当たり」であったか、又は、共通抽選の結果が「はずれ」であったかの情報が含まれる。また、共通抽選の結果が「特別大当たり」であった場合、上記応答信号には上記抽選ストック数(N)の半数(N/2)を基準値とする旨の情報が含まれる。なお、この基準値は、後述する特別遊技状態において、提供される特別遊技の回数(以下、ラウンド数ともいう)を設定するための基準となる数値である。
【0063】
一方、ステップS62において、応答信号を情報処理装置100から受信したと判断した場合、次に、CPU66は、共通抽選の結果が「特別大当たり」であるか否かを判断する(ステップS64)。すなわち、CPU66は、情報処理装置100から受信した応答信号に含まれる共通抽選の結果が、「特別大当たり」であったか否かを判断する。
【0064】
ステップS64において、共通抽選に当選していないと判断した場合、すなわち、情報処理装置100から受信した応答信号に含まれる共通抽選の結果が「はずれ」であった場合、CPU66は、この抽選結果に関する情報を、RAM70に記憶する(ステップS68)。このとき、パチンコ遊技装置10において、はずれが発生したことになる。
一方、ステップS64において、情報処理装置100から受信した応答信号に含まれる共通抽選の結果が「特別大当たり」であった場合、この抽選結果に関する情報を、RAM70に記憶する(ステップS66)。このとき、特別大当たりが発生したことになる。
【0065】
ステップS66の処理が実行されると、次に、CPU66は、情報処理装置100から受信した応答信号に含まれる上記基準値に基づいて、特別遊技状態において提供されるラウンド数(A)を、(N/2)/10として設定し、RAM70に記憶する(ステップS67)。
例えば、抽選ストック数(N)が600であった場合、特別遊技状態において提供されるラウンド数は30となる。また、抽選ストック数(N)が800であった場合、特別遊技状態において提供されるラウンド数は40となる。すなわち、各パチンコ遊技装置10において始動装置44に入った遊技球の数が多い程、特別遊技状態において遊技者に付与される利益が大きくなるのである。
なお、特別遊技状態において提供されるラウンド数(A)は、抽選ストック数(N)が多くなる程、遊技者に付与される利益が大きくなるものであれば、上述した値に限定されるものではない。また、抽選ストック数(N)に応じて、払い出される遊技球の数が設定されることとしてもよく、抽選ストック数(N)に応じて、所定のラウンド数(例えば、15回)を1セットとするセット数が設定されることとしてもよい。また、特別遊技状態において遊技者に付与される利益は、抽選ストック数(N)に応じて設定されず、常に一定であってもよい。
【0066】
ステップS67又はステップS68の処理を実行した場合、次に、特別遊技状態が発生しているか否かを判断する(ステップS70)。
ステップS70において、特別遊技状態が発生していると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0067】
一方、ステップS70において、特別遊技状態が発生していないと判断した場合、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するか否かを判断する(ステップS72)。なお、進行(表示)中の可変表示ゲームとは、現在、表示装置32に表示され、遊技者が見ることが可能な状態にあり、変動図柄が停止表示される前の可変表示ゲームである。すなわち、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するということは、既に、後述する可変表示ゲーム処理ルーチンが実行されているということである。
【0068】
ステップS72において、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在しないと判断した場合、後述する可変表示ゲームを実行する(ステップS74)。
一方、進行(表示)の可変表示ゲームが存在すると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0069】
図8は、図1に示した情報処理装置100において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。このフローチャートは、予め実行されているメインルーチンから所定のタイミングで呼び出されて実行されるサブルーチンである。
【0070】
まず、CPU102は、パチンコ遊技装置10A〜10Lのうち、いずれかのパチンコ遊技装置10から、IDを受信したか否かを判断する(ステップS200)。このステップS200における処理は、図5に示したサブルーチンのステップS14の処理に対応するものである。
【0071】
ステップS200において、IDを受信したと判断した場合、次に、CPU102は、パチンコ遊技装置10から受信したIDが、RAM106に記憶されているIDと一致しているか否かを判断する(ステップS202)。なお、上述したように、このRAM106には、パチンコ遊技装置10A〜10Lから受信したIDが、パチンコ遊技装置10毎に記憶される。このステップS202の処理は、例えば、パチンコ遊技装置10Aから受信したIDが、前の時点において、パチンコ遊技装置10Aから受信してRAM102に記憶されているIDと一致するものがあるか否かを判断することにより行われる。
【0072】
ステップS202において、パチンコ遊技装置遊技装置10から受信したIDが、RAM106に当該パチンコ遊技装置10について記憶されているIDと一致していないと判断した場合、次に、CPU102は、パチンコ遊技装置10から受信したIDを、RAM106に新たに記憶する(ステップS204)。
【0073】
ステップS204の処理が実行されるか、又は、ステップS202においてIDが一致していると判断した場合、若しくは、ステップS200において、IDを受信していないと判断した場合、次に、CPU102は、抽選回数(n)、及び、共通抽選開始信号を、パチンコ遊技装置10A〜10Lのうち、いずれかのパチンコ遊技装置10から受信したか否かを判断する(ステップS206)。このステップS206の処理は、図7に示したサブルーチンのステップS61の処理に対応するものである。
ステップS206において、共通抽選開始信号を受信していないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0074】
ステップS206において、抽選回数(n)、及び、共通抽選開始信号を受信したと判断した場合、CPU102は、RAM106に記憶されている抽選回数(n)に、受信した抽選回数(n)を上書きして記憶させることによりRAM106に記憶されている抽選回数(n)を更新する(ステップS207)。
このステップS207の処理が実行されているとき、CPU102及びRAM106は、パチンコ遊技装置10により送信された抽選回数(n)を受信して記憶する遊技履歴情報記憶手段として機能する。
【0075】
ステップS207の処理が実行されると、次に、CPU102は、共通抽選開始信号を受信したことを受けて、RAM106に記憶されている抽選ストック数(N)に1を加算して、N=N+1となるように抽選ストック数(N)を更新する(ステップS208)。
【0076】
ステップS208の処理が実行されると、次に、CPU102は、確率設定処理を行う(ステップS210)。この確率設定処理では、ステップS207において、RAM106に記憶されている抽選回数(n)に応じて、RAM106に記憶されている複数の共通抽選用確率テーブルのなかから一の共通抽選用確率テーブルを選択してRAM70に設定する処理が行われる。
なお、この確率設定処理は、後に図面(図9)を用いて詳述することにする。
また、このステップS210の処理が実行されているとき、情報処理装置100は、確率設定手段として機能する。
【0077】
ステップS210の処理が実行されると、次に、CPU102は、報知画像データを、共通抽選開始信号を受信したパチンコ遊技装置10に送信する(ステップS211)。この報知画像データには、上述したように、ステップS210の処理により設定された共通抽選の当選確率を示す報知画像を、パチンコ遊技装置10の表示装置32に表示させるための画像データが含まれる。
【0078】
ステップS211の処理が実行されると、次に、CPU102は、特別大当たり設定処理を行い(ステップS212)、本サブルーチンを終了する。この特別大当たり設定処理では、受信した共通抽選開始信号に応じて共通抽選処理を実行するとともに、共通抽選の結果を、共通抽選開始信号を受信したパチンコ遊技装置10に送信する処理等が実行される。なお、この特別大当たり設定処理は、後に図面(図10)を用いて詳述することにする。
【0079】
次に、図8に示したサブルーチンのステップS210において実行される確率設定処理について、図9を用いて説明することにする。
図9は、上記確率設定処理において設定される確率の確率データを示すテーブルの一例を示す図である。
【0080】
このテーブルは、抽選回数(n)に応じて、RAM106に設定される上記共通抽選用確率テーブルの種類を示すものである。
ROM104には、8種類の共通抽選用確率テーブルが記憶されており、上記確率設定処理では、例えば、抽選回数(n)の範囲が、0≦n<50である場合には、上記8種類の共通抽選用確率テーブルのなかから、当選確率(P)が1/800である共通抽選用確率テーブルがRAM106に設定され、抽選回数(n)の範囲が、50≦n<100である場合には、当選確率(P)が1/700である共通抽選用確率テーブルがRAM106に設定されるというように、抽選回数(n)の増加に応じて、当選確率(P)が高くなるように設定されるのである。
【0081】
このように、第1実施形態に係る遊技システムでは、抽選回数(n)が少ないパチンコ遊技装置10については、当選確率(P)が低く設定され、抽選回数(n)が多いパチンコ遊技装置10については、当選確率(P)が高く設定されるため、遊技を開始した一の遊技者は、当該一の遊技者が遊技を開始する以前から遊技を行っている他の遊技者よりも共通抽選に当選し難くなるため、上記一の遊技者が先に共通抽選に当選し、特別遊技状態が提供されることに対して、上記他の遊技者が不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。
【0082】
また、抽選回数(n)の増加に応じて、共通抽選に当選し易くなるため、共通抽選に当選しないで多くの遊技球を損失している一の遊技者に対して、その損失数を抑制することができ、多くの遊技球を獲得している他の遊技者に対して不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。
【0083】
図10は、図8に示したサブルーチンのステップS212において呼び出されて実行される特別大当たり設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
まず、CPU102は、共通抽選処理を行う(ステップS300)。この共通抽選処理は、特別大当たり又ははずれを発生させることを決定する抽選を行う処理である。すなわち、CPU102は、図8に示したステップS210の処理において、RAM106に設定された共通抽選用確率テーブル中で、乱数のサンプリングを行う。このとき、情報処理装置100は、共通抽選手段として機能する。
【0084】
ステップS300の処理が実行されると、次に、CPU102は、共通抽選に当選したか否かを判断する(ステップS302)。すなわち、CPU102は、RAM106に設定された共通抽選用確率テーブル中で、乱数のサンプリングを行った結果により得られた数値が、「特別大当たり」に対応するか、又は、「はずれ」に対応するかを判断する。
【0085】
ステップS302において、共通抽選に当選していないと判断した場合、次に、CPU102は、はずれとなった共通抽選の結果を含む応答信号を、上記共通抽選に係るパチンコ遊技装置10に送信して(ステップS312)、本サブルーチンを終了する。
【0086】
一方、ステップS302において、共通抽選の結果が「特別大当たり」であったと判断した場合、次に、CPU102は、特別大当たりとなった共通抽選の結果、及び、上記基準値(N/2)を含む応答信号を、上記共通抽選に係るパチンコ遊技装置10に送信する(ステップS308)。
【0087】
ステップS308の処理が実行されると、次に、CPU102は、RAM106に記憶されている抽選ストック数(N)を、N=N/2となるように抽選ストック数(N)を更新して(ステップS310)、本サブルーチンを終了する。
【0088】
図11は、図7に示したステップS74において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理を行うサブルーチンを示すフローチャートである。
本サブルーチンが呼び出されることにより、表示装置32において表示されていた固定画面を通常画面へと切り替え、可変表示ゲームを開始するのである。ここで、可変表示ゲームは、スロットマシンにおいてなされる遊技を模したゲームであり、複数の識別情報である複数の図柄を表示装置32に表示し、その各々が変動するように表示した後、所定のタイミングでこれらの図柄が順次停止するように表示するゲームであり、複数の変動図柄の変動表示が開始されてから、複数の変動図柄が停止表示されるまでを1回とするゲームである。
また、可変表示ゲームにおいて停止表示された変動図柄の図柄の組み合わせが、所定の組み合わせに合致したとき、特別遊技状態が発生し、遊技者に対して所定の利益及び/又は有利な状態の提供が行われる。
【0089】
上述した可変表示ゲームが開始されると、まず、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行する(ステップS500)。この内部抽選処理は、上述したステップS66又はステップS68においてRAM70に記憶した抽選データに基づいて、変動表示されていた複数の組に属する図柄を全て停止表示させて図柄が確定したときにおける図柄の組み合わせを予め定める処理である。
【0090】
次に、選択された背景画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS501)。すなわち、上記内部抽選処理が実行された後、CPU66によって、内部抽選処理の結果や、可変表示ゲームの進行状況等に応じて、背景画像を選択するプログラムが、ROM68から呼び出され実行される。
【0091】
次に、CPU66によって、実行され得られた結果に基づいて、選択された背景画像の画面構成情報が、随時、CPU66によって、RAM70に生成される。上記背景画像としては、特に限定されるものではなく、可変表示ゲームの進行状況や、上記内部抽選処理の結果に基づいて、CPU66によって、適宜選択される。
【0092】
次に、選択されたキャラクタ画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS502)。すなわち、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66により選択されたキャラクタ画像の画面構成情報が、RAM70に生成される。
【0093】
次いで、識別情報である変動図柄の画面構成情報が、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66によって、RAM70に生成される(ステップS503)。
【0094】
次に、一つの変動図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する(ステップS505)。すなわち、複数、例えば、三つの組のうち、一つの組に属する図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する。
変動図柄を停止表示させるタイミングであると判断したときには、CPU66によって、一つの変動図柄を停止表示させる態様で変動図柄画像が選択され、該変動図柄画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS506)。
【0095】
次いで、ステップS501〜506において、RAM70に生成された画面構成情報に基づいて、CPU66によって、ROM68から、上記画面構成情報に対応する各画像データが読み出される。
その後、上記画面構成情報内の表示される優先順位や、位置等に関する情報によって、表示装置32に表示される画像データとされた後、表示装置32に送信され、表示される(ステップS507)。
【0096】
上述したステップS501〜S507の処理は、後述するステップS508において複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判別されるまで繰り返し実行される。このように処理を繰り返し実行することにより、所定の態様でスクロールするように図柄を変動表示することができ、また、キャラクタ画像も所定の動作をするように表示することができる。
【0097】
ステップS507の処理を実行した後、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたか否かを判断する(ステップS508)。
複数の組に属する図柄の全てが停止表示されていないと判断したときには、処理をステップS501に戻す。一方、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたと判断したときには、1つの遊技球が始動装置に入ったことによる可変表示ゲームが終了したことになり、次に、複数の組に属する図柄の組み合わせが、上述したような所定の組み合わせか否かを判断する(ステップS509)。
【0098】
この停止表示された複数の組に属する図柄の組み合わせは、予めステップS500の内部抽選処理によって定められているのであるが、この内部抽選処理は、上述したように、図7に示した共通抽選設定処理ルーチンのステップS66又はステップS68の処理の結果、得られた抽選データに基づいて実行される。そのため、上記抽選データが特別大当たりに対応するものであると、上記停止表示された複数の組に属する図柄の組み合わせは、「7」−「7」−「7」のような特別遊技状態が発生する所定の組み合わせとなり、上記抽選データがはずれに対応するものであると、上記停止表示された複数の組に属する図柄の組み合わせは、特別遊技状態が発生する所定の組み合わせとはならない。
【0099】
ステップS509において、複数の組に属する図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ(「7」−「7」−「7」)であると判断した場合、特別遊技実行処理を実行し、遊技者に対して有利な遊技状態の提供を行う(ステップS512)。
すなわち、上述したソレノイド48に電流を供給して遊技盤14の前面に設けられている大入賞装置38のシャッタ40を開放して遊技球を大入賞装置38に入り易くし、遊技者が短時間で多量の遊技球を獲得することができるようにするのである。また、この特別遊技実行処理実行されている間、表示装置32では、特別遊技状態が発生していることを遊技者に認識させるとともに、遊技を盛り上げるための演出画像が表示される。
なお、この特別遊技実行処理については、後に図面(図12)を用いて詳述することにする。
【0100】
ステップS509において、変動図柄が所定の組み合わせで停止表示されていないと判断した場合、又は、ステップS512の処理を実行した場合、次に、RAM70に記憶された抽選データが存在するか否かを判断する(ステップS513)。RAM70に記憶された抽選データが存在しないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。
【0101】
一方、ステップS513において、RAM70に記憶された抽選データが存在すると判断した場合、保留された可変表示ゲームが存在することになるので、RAM70に記憶された抽選データのうち、最も古い抽選データを読み出し(ステップS514)、処理をステップS500に戻す。その後、CPU66は、ステップS500において、読み出した抽選データに基づいて内部抽選処理を実行し、その内部抽選処理の結果に基づいて、ステップS502〜S508の処理を繰り返し実行することになる。
【0102】
図12は、図11に示したサブルーチンのステップS512において、特別遊技状態が発生した際に実行される特別遊技実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
なお、この特別遊技状態では、断続的に上述したラウンド数(A)に相当する回数の特別遊技が提供されることとする。また、当該特別遊技は、大入賞装置が開放状態となってから、当該大入賞装置に10球の遊技球が入るまで、又は、所定の時間が経過するまでを1ラウンド遊技であるとする。
【0103】
まず、CPU66は、特別遊技の回数であるmをm=1に設定する(ステップS601)。すなわち、CPU66は、RAM70に設けられた特別遊技の回数を記憶するテーブル(ラウンド数記憶テーブル)にm=1であることを記憶させる。
【0104】
次いで、大入賞装置38が開放状態となるタイミングであるか否かを判断する(ステップS602)。
大入賞装置38が開放状態となるタイミングであると判断したときは、大入賞装置38を開放する(ステップS603)。
すなわち、CPU66は、インターフェイス回路群72を介して、ソレノイド48に駆動信号を供給することにより、大入賞装置38を開放状態とする。これにより、遊技者が大入賞装置38へ遊技球を入れることが可能となる。
一方、上記大入賞装置38が開放状態となるタイミングではないと判断したときは、処理をステップS602に戻す。
【0105】
次に、大入賞装置38に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS604)。遊技球が大入賞装置38に入ったか否かを、例えば、大入賞装置38に設けられた球検知センサ41により遊技球が検出されたか否かにより判断される。
そして、大入賞装置38に設けられた球検知センサ41により遊技球が検知された際には、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。この検出信号を受け取ったCPU66は、RAM70に設けられた大入賞装置に入った遊技球の数を記憶するテーブル(大入賞装置遊技球記憶テーブル)に遊技球の数を記憶させ(ステップS605)、さらに、払出装置59を駆動させ、遊技球を所定数(例えば、15球)で払い出す処理を実行する(ステップS606)。
【0106】
ステップS604において、大入賞装置38に遊技球が入っていないと判断した場合、又は、ステップS606において遊技球を払い出す処理を実行したとき、次に、大入賞装置38に所定数の遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS607)。すなわち、CPU66は、大入賞装置遊技球記憶テーブルに記憶された遊技球の数とRAMの別の領域に記憶された上記所定数(10球)とを比較し、大入賞装置38に入った遊技球が所定数(10球)となっているか否かを判断する。
【0107】
大入賞装置38に所定数の遊技球が入っていないと判断したときには、大入賞装置38が開放状態となってから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS608)。すなわち、CPU66は、ステップS602において開始した経過時間のカウントが、所定の時間に達したか否かについて判断する。
大入賞装置38が開放状態となってから所定の時間が経過していないなと判断したときには、処理をステップS604に戻す。
【0108】
一方、ステップS607において、大入賞装置38に所定数の遊技球が入ったと判断したとき、又は、ステップS608において所定の時間が経過したと判断したときには、大入賞装置38を閉鎖する(ステップS609)。
このように、大入賞装置38の開放時間は、大入賞装置38に入った遊技球の数か、時間かのいずれかの要素により判断され、大入賞装置38に所定数の遊技球が入れば、所定の時間に達しなくとも大入賞装置38は閉鎖され、一方、大入賞装置38に入った遊技球の数が所定数に達していなくても、所定の時間が経過すれば、大入賞装置38は閉鎖されるのである。
また、大入賞装置38の閉鎖は、インターフェイス回路群72を介して、ソレノイド48に駆動信号を供給することにより行う。
【0109】
次に、大当たり遊技の回数であるmに1を加算して、m=m+1となるように設定する(ステップS610)。すなわち、CPU66は、RAM70に設けられたラウンド数記憶テーブルにm=m+1となるように特別遊技の回数を記憶させる。
そして、特別遊技の回数mが、図7のステップS67の処理により設定されたラウンド数(A)以下であるか否かを判断する(ステップS611)。すなわち、CPU66は、まずラウンド数記憶テーブルに記憶された特別遊技の回数を読み出し、この回数とRAM70の別の領域に記憶されたラウンド数(A)と比較し、m≦Aであるか否かを判断する。特別遊技の回数mがm≦Aであると判断したときには、処理をステップS602に戻す。従って、本サブルーチンでは、mがAを超えるまで、繰り返し特別遊技が行われることとなる。
そして、特別遊技の回数であるmがAを超えるときには、本サブルーチンを終了する。
【0110】
次に、パチンコ遊技装置10の表示装置32に表示される上記報知画像、及び、特別遊技状態が発生したときにパチンコ遊技装置10の表示装置32に表示される画面画像について、図13(a)〜(c)を用いて説明する。
図13(a)〜(c)は、パチンコ遊技装置10の表示装置32に表示される画面画像の一例を示す図である。
【0111】
図13(a)、(b)に示す画面画像の中央より上側には、3つの変動図柄が停止表示され、図柄の組み合わせ「2」−「6」−「2」で停止表示されている様子が示されている。なお、この図柄の組み合わせ「2」−「6」−「2」は、はずれに対応する図柄の組み合わせである。また、画面画像の下側には、宝箱を示す画像と、4匹の豚を示す画像が表示されている。
【0112】
図13(a)に示す画面画像は、抽選回数(n)が、150≦n<200であるときに、表示装置32に表示される上記報知画像を含む画面画像である。
図13(a)に示す画面画像の左上には、「1/500」という当選確率を示す報知画像が表示されている。
【0113】
一方、図13(b)に示す画面画像は、抽選回数(n)が、300≦n<500であるときに、表示装置32に表示される上記報知画像を含む画面画像である。図13(b)に示す画面画像の左上には、「1/300」という当選確率を示す報知画像が表示されている。
【0114】
図13(c)は、図7に示したサブルーチンのステップS66の処理において特別大当たりに対応する抽選データがRAM70に記憶されている状態で、3つの変動図柄が特別大当たりに対応する図柄の組み合わせ「7」−「7」−「7」で停止表示され、特別大当たりに基づく特別遊技状態が発生している様子を示す画面画像である。
また、画面画像の下側には、宝箱からコインが溢れ出すとともに、4匹の豚が大喜びする様子を示す画像が表示され、また、画面画像の中央には、「大当たり」を示す画像と、残りラウンド数を示す画像と、大入賞装置38に入り得る遊技球の数とを示す画像が表示されている。
【0115】
図1〜図13を用いて説明したように、第1実施形態に係る遊技システムによれば、始動装置44に遊技球が入り、共通抽選開始信号を情報処理装置100に送信した回数である抽選回数(n)が多いほど、共通抽選の当選確率が高く設定されるため、遊技を開始した一の遊技者は、当該一の遊技者が遊技を開始する以前から遊技を行っている他の遊技者よりも共通抽選に当選し難くなり、上記一の遊技者が先に共通抽選に当選し、特別遊技状態が提供されることに対して、上記他の遊技者が不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、抽選回数(n)の増加に応じて、共通抽選に当選し易くなるため、共通抽選に当選しないで多くの遊技球を損失している一の遊技者に対して、その損失数を抑制することができ、一の遊技者が多くの遊技球を獲得している他の遊技者に対して不公平感を抱いてしまうことを抑制することができる。
その結果、遊技者は長時間にわたって、遊技にのめり込むことができる。
【0116】
なお、第1実施形態に係る遊技システムにおいて、パチンコ遊技装置にIDカードが挿入されたことを受けて遊技が開始される場合について説明したが、遊技を開始する方法としては特に限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技装置10に備えられた遊技開始ボタン等が押下されたことを受けて遊技が開始されてもよいし、パチンコ遊技装置10の前方に座った遊技者が、パチンコ遊技装置10に備えられた人体検知センサ等により検知されたことを受けて遊技が開始されてもよい。
遊技開始ボタンや人体検知センサ等により遊技が開始される場合、遊技が開始される度に、抽選回数を初期値(例えば、0)に戻すことが望ましい。上記遊技開始ボタンや人体検知センサ等により遊技が開始される場合は、IDカードを挿入することにより遊技が開始される場合と異なり、ID毎(遊技者毎)に抽選回数がカウントされないため、一旦、遊技を終了した遊技者が、それまでに行った抽選回数を、他の遊技者が引き継いで遊技を開始し、程なく共通抽選に当選してしまうことを防止することができるからである。なお、遊技を開始する際、前の遊技者の抽選回数を引き継ぐか否かを決定する抽選を行ってもよい。
【0117】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る遊技システムは、差球数に応じて共通抽選の当選確率が設定されるように構成されている。上記差球数は、例えば、パチンコ遊技装置10において、払い出された遊技球の数と、遊技盤上に発射された遊技球との差である。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、遊技機がパチンコ遊技装置である場合について説明するが、上述したように、本発明に係る遊技機は、パチンコ遊技装置に限定されるものではなく、例えば、パチスロ遊技装置、スロットマシン等を挙げることができる。本発明に係る遊技機が、例えば、パチスロ遊技装置である場合、本発明に係る遊技システムは、差枚数に応じて共通抽選の当選確率が設定されるように構成される。なお、上記差枚数は、例えば、パチスロ遊技装置において、払い出されたメダルの枚数と、投入されたメダルの枚数との差である。
【0118】
ここで、遊技盤上に発射される遊技球の数(以下、発射球数という)をD(球)、払い出される遊技球の数(以下、払出球数という)をE(球)とした場合、差球数(X)は下記(1)式を用いて算出することができる。
X=E−D・・・(1)
なお、差球数(X)が負数である場合は、遊技球を損失している場合であり、差球数(X)が正数である場合は、遊技球を獲得している場合である。
【0119】
また、第2実施形態に係る遊技システムにおいて、図1に示したパチンコ遊技装置10の発射装置28の近傍のガイドレール30には、反射式の光センサ等の発射球検知センサが設けられており、これにより、発射球数(D)をカウントすることができる。
また、払出装置59には、払出球検知センサが設けられており、これにより、払出球数(E)をカウントすることができる。
【0120】
また、パチンコ遊技装置10は、上記発射球検知センサによりカウントされた発射球数(D)、及び、上記払出球検知センサによりカウントされた払出球数(E)から算出した差球数(X)を、所定時間(例えば、30分間)毎に情報処理装置100に送信する処理を行う。
さらに、情報処理装置100は、パチンコ遊技装置10から受信した差球数(X)を、パチンコ遊技装置10毎に記憶するとともに、確率設定処理(図8、図9参照)において、差球数(X)に応じて共通抽選の当選確率を設定する処理を行う。
【0121】
上述した以外の第2実施形態に係る遊技システムにシステム構成や各装置の内部構成(図1〜図4参照)は、第1実施形態に係る遊技システムと略同様であり、既に説明済であるのでここでの説明は省略する。また、上述した以外の第2実施形態に係る遊技システムにおいて行われる処理についても、第1実施形態に係る遊技システムと略同様であるので、ここでは、第2実施形態に係る遊技システムの情報処理装置100により、図8に示したサブルーチンのステップS210において呼び出されて実行される確率設定処理について、図9を用いて説明することにする。
【0122】
図14は、上記確率設定処理において設定される確率の確率データを示すテーブルの一例を示す図である。
このテーブルは、差球数(X)に応じて、RAM106に設定される上記共通抽選用確率テーブルの種類を示すものである。
【0123】
ROM104には、8種類の共通抽選用確率テーブルが記憶されており、上記確率設定処理では、例えば、差球数(X)の範囲が、X>3000である場合には、上記8種類の共通抽選用確率テーブルのなかから、当選確率(P)が1/800である共通抽選用確率テーブルがRAM106に設定され、差球数(X)の範囲が、2000<X≦3000である場合には、当選確率(P)が1/700である共通抽選用確率テーブルがRAM106に設定されるというように、差球数(X)の減少に応じて、当選確率(P)が高くなるように設定されるのである。
【0124】
図14を用いて説明したように、第2実施形態に係る遊技システムによれば、多くの遊技球を損失している遊技者については当選確率が高く設定され、共通抽選に当選し易くなるため、遊技者が更に多くの遊技球を損失してしまうことを抑制することができる。逆に、多くの遊技球を獲得している遊技者については当選確率が低く設定され、共通抽選に当選し難くなるため、遊技者が極端に多くの遊技球を獲得してしまうことを抑制することができる。その結果、多くの遊技球を損失している遊技者が、多くの遊技球を獲得している遊技者に対して、不公平感を抱いてしまうことを抑制することができるため、遊技者は長時間にわたって遊技にのめり込むことができる。
【0125】
第1〜第2実施形態に係る遊技システムでは、抽選回数(n)が遊技機により記憶されており、始動装置に遊技球が入ったことを受けて、抽選回数(n)が更新される場合について説明したが、本発明の遊技システムにおいては、例えば、情報処理装置において抽選回数(n)が記憶され、共通抽選開始信号の受信に応じて、当該抽選回数(n)が更新されることとしてもよい。
【0126】
第1実施形態に係る遊技システムでは、遊技履歴情報が遊技回数(抽選回数)であり、また、第2実施形態に係る遊技システムでは、遊技履歴情報が差球数(X)である場合について説明したが、本発明の遊技システムにおいて、遊技履歴情報としては特に限定されるものではなく、例えば、IDカードが挿入されていた時間の他、遊技機に備えられた人体検知センサ等により遊技者が検知された時間等を挙げることができる。
また、第1実施形態に係る遊技システムでは、遊技回数が抽選回数である場合について説明したが、本発明の遊技システムにおいて、上記遊技回数は、上記抽選回数に限定されず、例えば、始動装置と入賞装置とに遊技球が入った回数や、遊技盤上に遊技球が発射された回数等を挙げることができる。
【0127】
また、本発明の遊技システムは、パチンコホール等における複数の遊技機からなる遊技機群に適用されるほか、例えば、インターネットを利用した通信システムに適用することが可能である。すなわち、遊技機に代えて、パーソナルコンピュータやゲーム用端末装置等の端末機を用いるとともに、情報処理装置に代えて、管理用サーバを用い、上記端末機と上記管理用サーバとを通信回線を介して接続して、本発明の遊技システムを適用することが可能である。
さらに、本発明の遊技システムにおいて、複数の情報処理装置を通信回線を介して接続し、上記複数の情報処理装置のなかの一の情報処理装置において、共通抽選処理等が行われるようにしてもよい。このような構成とした場合、例えば、複数のパチンコホールにおける複数の遊技機に係る共通抽選等の各種処理を、上記一の情報処理装置において行うことができるようになる。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技機群における各遊技機の遊技履歴情報に応じて、共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって各遊技機の遊技結果をより均一化させて、ある程度平等な遊技を提供することにより、各遊技者に対して不公平感を低減させることが可能な遊技システムを提供することができる。
【0129】
また、本発明によれば、確率設定手段が、遊技機群の遊技機ごとに遊技回数に応じて、共通抽選の当選確率を設定するように構成すると、遊技回数の多少に合わせて、当選確率の高低を設定することも可能となり、遊技回数に応じて共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって、より平等な遊技を提供することができ、各遊技者に対してさらに不公平感を低減させることが可能な遊技システムを提供することができる。
【0130】
また、本発明によれば、確率設定手段が、遊技機群の遊技機ごとに、差枚数又は差球数に応じて、共通抽選の当選確率を設定するように構成すると、その時々の遊技結果に応じて共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって更に平等な遊技の提供、及び、不公平感の低減が可能な遊技システムを提供することができる。
【0131】
また、本発明によれば、報知画像表示手段を備えた構成とすると、遊技者が現時点での当選確率を認識することができるため、当選確率が低い場合は、当選確率を高くしようという願望を遊技者に抱かせることができ、当選確率が高い場合は、早く共通抽選に当選しようという願望を遊技者に抱かせることが可能な遊技システムを提供することができる。
【0132】
また、本発明によれば、遊技機群における各遊技機の遊技履歴情報に応じて、共通抽選に当選し易くしたり、共通抽選に当選し難くしたりすることによって各遊技機の遊技結果をより均一化させて、ある程度平等な遊技を提供することにより、各遊技者に対して不公平感を低減させることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る遊技システムを模式的に示す概念図である。
【図2】図1に示したパチンコ遊技装置を模式的に示す斜視図である。
【図3】図1に示したパチンコ遊技装置の内部構造を模式的に示すブロック図である。
【図4】図1に示した情報処理装置の内部構成を模式的に示すブロック図である。
【図5】図1に示したパチンコ遊技装置において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図5に示したサブルーチンのステップS20において呼び出されて実行される遊技球検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図6に示したサブルーチンのステップS48において呼び出されて実行される共通抽選設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図1に示した情報処理装置において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図8に示したサブルーチンのステップS210の確率設定処理において設定される確率の確率データを示すテーブルの一例を示す図である
【図10】図8に示したサブルーチンのステップS212において呼び出されて実行される特別大当たり設定処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図7に示したステップS74において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】図11に示したサブルーチンのステップS512において、特別遊技状態が発生した際に実行される特別遊技実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】(a)〜(c)は、図1に示したパチンコ遊技装置の表示装置において表示される画面画像の一例を示す図である。
【図14】第2実施形態に係る遊技システムの情報処理装置により、図8に示したサブルーチンのステップS212において呼び出されて実行される確率設定処理において設定される確率の確率データを示すテーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
10(10A〜10L) パチンコ遊技装置(遊技機)
14 遊技盤
15 IDカード
32 表示装置
44 始動装置
49 IDカード挿入部
53 読取装置
53a 返却ボタン
59 払出装置
61、108 通信用インターフェイス回路
66、102 CPU
68、104 ROM
70、106 RAM
Claims (5)
- 複数の遊技機からなる遊技機群と、
前記複数の遊技機に対してデータの送受信が可能となるように接続された情報処理装置とを備え、
前記遊技機は、遊技履歴情報を前記情報処理装置に送信する遊技履歴情報送信手段を備える一方、
前記情報処理装置は、前記遊技機群における前記複数の遊技機の各々から送信される共通抽選開始信号の受信に応じて、当該共通抽選開始信号を送信した前記遊技機に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定する共通抽選を行う共通抽選手段と、
前記遊技機群の遊技機ごとに、遊技履歴情報を受信して記憶する遊技履歴記憶手段と、
前記遊技機群の遊技機ごとに、前記遊技履歴情報に応じて、前記共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする遊技システム。 - 前記遊技履歴記憶手段は、前記遊技機群の遊技機ごとに、当該遊技機における遊技回数を記憶し、
前記確率設定手段は、前記遊技機群の遊技機ごとに、前記遊技回数に応じて、前記共通抽選の当選確率を設定する請求項1に記載の遊技システム。 - 前記遊技履歴記憶手段は、前記遊技機群の遊技機ごとに、当該遊技機における差枚数又は差球数を記憶し、
前記確率設定手段は、前記遊技機群の遊技機ごとに、前記差枚数又は差球数に応じて、前記共通抽選の当選確率を設定する請求項1に記載の遊技システム。 - 前記遊技機群の各遊技機に、前記共通抽選の当選確率を示す報知画像を表示させる報知画像表示手段を備えた請求項1〜3のいずれか1に記載の遊技システム。
- 遊技機群を構成する複数の遊技機に対してデータの送受信が可能であり、
前記遊技機群における前記複数の遊技機の各々から送信される共通抽選開始信号の受信に応じて、当該共通抽選開始信号を送信した前記遊技機に対して有利な遊技状態を提供するか否かを決定する共通抽選を行う共通抽選手段と、
前記遊技機から受信した遊技履歴情報を、前記遊技機群の遊技機ごとに記憶する遊技履歴記憶手段と、
前記遊技機群の遊技機ごとに、前記遊技履歴情報に応じて、前記共通抽選の当選確率を設定する確率設定手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003109433A JP2004313339A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 遊技システム及び情報処理装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003109433A JP2004313339A (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | 遊技システム及び情報処理装置 |
Publications (1)
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ID=33470599
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004313339A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006187347A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-20 | Aruze Corp | 遊技システム |
JP2006296545A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-02 | Daio Denshi Kk | 遊技装置管理システム及びその管理方法 |
-
2003
- 2003-04-14 JP JP2003109433A patent/JP2004313339A/ja not_active Withdrawn
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