JP2004089628A - パチンコ遊技機、サーバ及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】いわゆる「権利モノ」のパチンコ遊技機において、大当たり遊技に移行することに対する期待感を高め、さらに、大当たり遊技中でもさらなる期待感を遊技者に抱かせることが可能なパチンコ遊技機を提供する。
【解決手段】いわゆる「権利モノ」のパチンコ遊技機において複数回分の大当たり遊技に移行する権利が獲得されたときに、その一部を実際の大当たり遊技には移行させずにストックしておき、所定の条件をみたしたことを契機にそれらのストックを段階的に消化することのできるパチンコ遊技機を提供する。
【選択図】   図17

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、サーバ、及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、遊技場に設置されているパチンコ遊技機は、大きく分けて3つの種類に分類される。
【0003】
1つは、かつては「セブン機」、「フィーバー機」とも言われた、現在の主流である第1種遊技機であり、1つは、いわゆる「羽根モノ」と呼ばれる第2種遊技機であり、そしてもう1つが、いわゆる「権利モノ」と呼ばれる第3種遊技機である。
【0004】
この「権利モノ」遊技機は、遊技球が始動口に入球又は通過することで抽選が行われ、当該抽選に当選することにより大当たり遊技に移行する権利が得られ、その後所定の位置に遊技球を入球させることにより大当たり遊技に移行するといった遊技機である。
【0005】
一般に、当該大当たり遊技に移行する権利には、当該抽選の結果によって「1回の大当たりに移行する権利」、「3回の大当たりに移行する権利」等のように複数のものが設定されており、遊技者は抽選結果を表示する表示装置上の画像によって、当該権利がどのようなものであるか知ることができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−161921号公報(第17−第18頁、第23図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような態様により遊技が進行する権利モノの遊技機では、その抽選結果によっては、1度に複数回分の大当たりが保証される上にそのことが遊技者にも認識されるため、複数回分の大当たりが生じることが確約された場合には、大当たりの獲得に対する緊張感や期待感などに欠けてしまい、遊技者の遊技に対する高揚が薄れてしまうこととなる恐れがある。
【0008】
すなわち、このような態様の権利モノの遊技機では、抽選結果によりどのような大当たり態様が生じるか否かが全てであり、大当たり遊技中における更なる期待感には欠けることとなっているのが現状なのである。
【0009】
本発明は,以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、いわゆる「権利モノ」のパチンコ遊技機において、大当たり遊技に移行することに対する期待感を高め、さらに、大当たり遊技中でもさらなる期待感を遊技者に抱かせることが可能なパチンコ遊技機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、いわゆる「権利モノ」のパチンコ遊技機において複数回分の大当たり遊技に移行する権利が獲得されたときに、その一部を実際の大当たり遊技には移行させずにストックしておき、所定の条件をみたしたことを契機にそれらのストックを段階的に消化することのできるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0012】
(1) 遊技者の発射する遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段で行われる抽選結果により前記遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するパチンコ遊技機であって、前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を累積的に記憶する累積回数記憶手段と、前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定手段と、前記消化回数決定手段により決定された消化回数を前記遊技者に報知する報知手段と、前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定手段と、を有することを特徴とするパチンコ遊技機。
【0013】
この発明によると、「遊技者の発射する遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段で行われる抽選結果により前記遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するパチンコ遊技機」に「前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を累積的に記憶する累積回数記憶手段と、前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定手段と、前記消化回数決定手段により決定された消化回数を前記遊技者に報知するための報知手段と、前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定手段と」を有するように構成することが可能となる。
【0014】
本発明のパチンコ遊技機は、大当たり状態に複数回移行することが決定した場合にその全てを実行せずに、大当たり状態に移行させなかった分の回数をストックしておき、それらを後の遊技で消化するように構成している。これにより、遊技者に違和感を感じさせることなく大当たりをストックし、さらにこれらが放出されるという期待感を遊技者に持たせることができるのである。
【0015】
また、本発明のパチンコ遊技機は、大当たり状態に移行させなかった分のストックを消化する際に、何回分消化するかを抽選により決定している。また、その決定した回数の大当たり遊技が終了する際に、さらに連続して消化遊技を行うか否かを決定している。これにより本発明のパチンコ遊技機は、遊技者に対して、これから何回分の大当たり遊技が消化されるのかという期待感と、さらにその消化遊技が連続して行われるのかという期待感の二つの期待感を持たせながら遊技を行わせることが可能となるのである。
【0016】
(2) 通信回線を介して端末装置と接続可能であって、当該端末装置の表示部にパチンコ遊技情報を画像として表示させ、かつ、前記端末装置の前記表示部において遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段で行われる抽選結果により遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するサーバであって、前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を累積的に記憶する累積回数記憶手段と、前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定手段と、前記消化回数決定手段により決定された消化回数を前記遊技者に報知する報知手段と、前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定手段と、を有することを特徴とするサーバ。
【0017】
この発明によると、「通信回線を介して端末装置と接続可能であって、当該端末装置の表示部にパチンコ遊技情報を画像として表示させ、かつ、前記端末装置の前記表示部において遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段で行われる抽選結果により遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するサーバ」に「前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を累積的に記憶する累積回数記憶手段と、前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定手段と、前記消化回数決定手段により決定された消化回数を前記遊技者に報知する報知手段と、前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定手段と、を有する」ように構成することができる。
【0018】
このサーバを用いることにより、このサーバと通信回線を介して接続可能な端末装置に表示されたパチンコ遊技情報の画像上では、大当たり状態に複数回移行することが決定した場合にその全てを実行せずに、大当たり状態に移行させなかった分の回数をストックしておき、それらを後の遊技で消化することができる。これにより、端末装置で遊技を行う遊技者に違和感を感じさせることなく大当たりをストックし、さらにこれらが放出されるという期待感をこれらの遊技者に持たせることができるのである。
【0019】
また、本発明のサーバにより端末装置に表示されるパチンコ遊技情報の画像上では、大当たり状態に移行させなかった分のストックを消化する際に、何回分消化するかを抽選により決定するようにし、また、その決定した回数の大当たり遊技が終了する際に、さらに連続して消化遊技を行うか否かを決定することができる。これにより本発明により端末装置で行われるパチンコ遊技は、これから何回分の大当たり遊技が消化されるのかという期待感と、さらにその消化遊技が連続して行われるのかという期待感の二つの期待感を端末装置でパチンコ遊技を行う遊技者に対して持たせることが可能となるのである。
【0020】
(3) 遊技者の発射する遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段で行われる抽選結果により前記遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するパチンコ遊技機に対して、前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を前記パチンコ遊技機に設けられた累積回数記憶手段に累積的に記憶する累積記憶ステップと、前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定ステップと、前記消化回数決定ステップにおいて決定された消化回数を前記遊技者に報知する報知ステップと、前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定ステップと、を実行させるためのプログラム。
【0021】
この発明によると、「遊技者の発射する遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段で行われる抽選結果により前記遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するパチンコ遊技機」に「前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を前記パチンコ遊技機に設けられた累積回数記憶手段に累積的に記憶する累積記憶ステップと、前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定ステップと、前記消化回数決定ステップにおいて決定された消化回数を前記遊技者に報知する報知ステップと、前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定ステップと、を実行させる」ことが可能となる。
【0022】
本発明のプログラムを用いて遊技を進行するパチンコ遊技機は、大当たり状態に複数回移行することが決定した場合にその全てを実行せずに、大当たり状態に移行させなかった分の回数をストックしておき、それらを後の遊技で消化することができる。これにより、遊技者に違和感を感じさせることなく大当たりをストックし、さらにこれらが放出されるという期待感を遊技者に持たせることができるのである。
【0023】
また、本発明のプログラムを用いて遊技を進行するパチンコ遊技機は、大当たり状態に移行させなかった分のストックを消化する際に、何回分消化するかを抽選により決定し、また、その決定した回数の大当たり遊技が終了する際に、さらに連続して消化遊技を行うか否かを決定することができる。これにより本発明のプログラムを用いたパチンコ遊技機は、遊技者に対して、これから何回分の大当たり遊技が消化されるのかという期待感と、さらにその消化遊技が連続して行われるのかという期待感の二つの期待感を持たせながら遊技を行わせることが可能となるのである。
【0024】
[用語の定義等]
本発明に係る「遊技者に有利な状態」とは、遊技者がより多くの利益を得ることができる可能性のある状態を示す概念である。
【0025】
また、「当選」とは、遊技機内部で行われる抽選により、遊技機が遊技者に有利な状態に移行し得ることが決定されることを指すものであり、具体的には、大当たり状態へ移行する権利を獲得するために、Vゾーンを入球可能な状態へと移行させることが決定されることを指すものである。
【0026】
また、「大当たり状態」とは、具体的には、遊技盤に設けられた入賞口が開放状態とされ、当該入賞口に遊技球を入賞させることにより、遊技者が大量の賞球を獲得する状態のことを示すものである。
【0027】
本明細書中における「識別情報」とは、文字、記号、絵柄又は模様(図柄)等の視覚によって識別可能な情報をいう。また、「識別情報画像」とは、この識別情報画像を示す画像をいう。この識別情報画像は、後述する図柄の画像に対応するものである。
【0028】
また、「表示」とは、識別情報画像が遊技者に視認され得る状態におかれることをいう。また、「表示部」とは、上述の如き識別情報画像を表示するものであり、例えば、表面に識別情報画像が描かれたドラム体,リール体等の可動体や、これらに限らず、識別情報画像が変動表示及び停止表示される液晶ディスプレイ(以下、LCDパネルと称する)やブラウン管等の表示装置をも含む概念である。
【0029】
また、「変動表示」とは、識別情報が順次変化する場合、例えば1つの識別情報である図柄「7」から他の識別情報である図柄「8」へ変更する場合や、図柄「9」から他の図柄「☆」へ変更して表示する場合と、識別情報を表示し得る表示領域において1つの識別情報が表示されたままその識別情報が移動して表示されるような場合、例えば、1つの図柄「7」が表示領域内において表示されつつ移動する場合と、の双方又はいずれか一方を含む概念である。
【0030】
更に、識別情報の表示態様が変化する場合、例えば1つの図柄「7」が変形して横長に表示されたり縦長に表示されたりする場合や、図柄が拡大されて表示されたり、縮小されて表示される場合等も含む概念である。
【0031】
これに対して、「停止表示」とは、ある識別情報を示す識別情報画像を所定の位置に停止させて表示する態様をいう。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0033】
[パチンコ遊技機の構成]
本発明による遊技機の概観を示す正面図を図1に示す。
【0034】
パチンコ遊技機10には、本体枠12と、本体枠12に組み込まれた遊技盤14と、遊技盤14の前面に設けられた本体枠12の窓枠16と、窓枠16の下側で本体枠12の前面に設けられた上皿20及び下皿22と、下皿22の右側に設けられた発射ハンドル26と、前面から見て本体枠12の四隅に設けられたスピーカ46(46a〜46d)と、が配置されている。
【0035】
また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ちこまれている。尚、釘を打ち込むような構成とせず、遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に金属製の棒状体を遊技盤14の前方向に突出するように植設する構成としてもよく、上述した如き構成したパチンコ遊技機10(パチコン機)にも本発明を適用することができる。尚、本明細書においては、パチンコ遊技機10とは、パチコン機をも含む概念である。
【0036】
更に、発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者は発射ハンドル26を操作することによりパチンコ遊技を進めることができるのである。発射ハンドル26の裏側には、発射モータ28が設けられている。
【0037】
更にまた、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ29が設けられている。遊技者の手がタッチセンサ29に触れたときには、タッチセンサ29から触接検出信号が発せられ、この信号が発せられたことにより遊技者が発射ハンドル26を握持したとされるのである。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータ28に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
【0038】
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。
【0039】
遊技盤14を拡大した拡大正面図を図2に示す。尚、上述した図1に示した構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付した。また、図2は、上述した障害釘について一部省略したものを示した。
【0040】
遊技盤14の前面の略中央には、後述する如き表示部である表示装置32が設けられている。
【0041】
上述した表示装置32の左右の両側には4つの保留ランプ34(34a〜34d)が設けられている。これらの保留ランプ(34a〜34d)は、遊技者の操作により遊技球が始動口44に入球されたことにより、遊技球が始動口44に入球したことが蓄積された場合には、その蓄積されている内部抽選データの数に基づいて点灯されることとなるのである。
【0042】
また、遊技盤14の下部には、権利獲得入賞口(Vゾーン)38が設けられている。この権利獲得入賞口38の近傍には、シャッタ40が開閉自在に設けられている。シャッタ40は後述する権利獲得チャンスになったときには開放状態となるようにソレノイド48(図3参照)により駆動される。尚、シャッタ40は、後述する如く、開放状態に移行後、所定の時間の経過、或いは、権利獲得入賞口38に遊技球が1個入球した場合には、ソレノイド48により駆動され、閉鎖状態となる。
【0043】
また、上述した表示装置32の右側には、回転入賞口51が設けられている。この回転入賞口51は、上方に遊技球の通過可能な開口部を有する円筒状の枠と、該枠に内接し、遊技球の通過可能な開口を有する回転体と、から成り、当該回転体は該枠内において常に一定方向に一定の速度で回転をしている。そして、回転する当該回転体の開口が上方に位置し、該枠の開口部と当該回転体の開口とが合致したときに限り、当該回転体内部に位置する入賞口に遊技球は入球可能となるのである。尚、回転入賞口51は、通常時に遊技球が入球した場合には一定数量の賞球が行われ、権利獲得入賞口38に入球がなされたことにより遊技者が大当たり移行の権利を獲得した後、最初に入球があったときには、大当たり遊技の開始のきっかけとなるのである。
【0044】
また、回転入賞口51の下方には、大入賞口52が設けられている。大入賞口52の左右には可動片58a及び58bが設けられており、通常はこの大入賞口52は可動片58a及び58bによって閉鎖状態となっている。そして、遊技者が大当たり移行の権利を獲得後、遊技球が回転入賞口51に入球した場合には、大当たり状態への移行となり、ソレノイド57(図3参照)に電流が供給されることにより可動片58a及び58bが駆動され、大入賞口52は開放状態となるのである。尚、この可動片58a及び58bは、大当たり状態において所定のタイミングで開閉を行うのである。
【0045】
上述した表示装置32の上部には一般入賞口50が設けられており、表示装置32の左側には一般入賞口54aが設けられている。更に、表示装置32の下部の左右の両側には一般入賞口54b及び54cが設けられている。また、遊技盤14の左右の端部には、特別入賞口56a及び56bが設けられ、権利獲得入賞口38の左右の両側には、特別入賞口56c及び56dが設けられている。
【0046】
また、遊技球を入球させることにより、後述する可変表示ゲームが開始されて表示装置32に表示される複数の図柄、例えば3つの識別情報である図柄を変動表示状態に移行する始動口44が設けられている。更に、始動口44の左側下方には通過口45が設けられており、始動口44に入球した遊技球はここから盤面上に排出される。
【0047】
更に、シャッタ40の下方には排出口53が設けられており、上述した権利獲得入賞口38、一般入賞口50、回転入賞口51、大入賞口52、一般入賞口54a〜54c及び特別入賞口56a〜56dに遊技球が入賞しなかった遊技球がこの排出口53を介して盤面外へ排出され、パチンコ遊技機10内に回収される。
【0048】
また、上述した権利獲得入賞口38、始動口44、一般入賞口50、回転入賞口51、大入賞口52、一般入賞口54a〜54c及び特別入賞口56a〜56dには、それぞれ入球された遊技球を算出するべく、球検知センサ42(図3参照)が設けられている。
【0049】
上述した権利獲得入賞口38、一般入賞口50、回転入賞口51、一般入賞口54a〜54c及び特別入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したときには、入賞口の種類に応じて遊技球が下皿22に払い出されるようになされている。また、後述する如く、大入賞口52に遊技球が入球した場合では、遊技状況に応じて払い出される遊技球の数が変化する。
【0050】
更にまた、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには装飾ランプ36(36a及び36b)が設けられている。
【0051】
尚、上述した表示装置32において後述する演出画像を表示する部分は、液晶ディスプレイパネルからなるものであってもブラウン管からなるものであってもよい。また、上述した実施形態においては、表示装置32は、パチンコ遊技機10の遊技盤14の前面の略中央に設けられている場合を示したが、遊技者が視認し得るような位置であれば遊技機の何処の位置に表示装置32を設けることとしてもよい。
【0052】
[パチンコ遊技機の制御部の構成]
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図を図3に示す。
【0053】
上述した発射ハンドル26は、主制御回路60のインターフェイス回路群62に接続され、インターフェイス回路群62は、入出力バス64に接続されている。発射ハンドル26の回動角度を示す角度信号は、インターフェイス回路群62により所定の信号に変換された後、入出力バス64に供給される。入出力バス64は、中央処理回路(以下、CPUと称する)66にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0054】
また、発射ハンドル26に備えられたタッチセンサ29も、主制御回路60のインターフェイス回路群62に接続されている。タッチセンサ29は、遊技者の手が触れたことを検出する触接検出信号をインターフェイス回路群62に発した後、入出力バス64に供給される。
【0055】
また、上述したインターフェイス回路群62には、入賞口の各々に対して設置された球検知センサ42も接続されており、遊技球が上述した権利獲得入賞口38、始動口44、一般入賞口50、回転入賞口51、大入賞口52、一般入賞口54a〜54c及び特別入賞口56a〜56dに入球したときには、球検知センサ42は、各検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
【0056】
上述した入出力バス64には、ROM(リード・オンリー・メモリ)68及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)70も接続されている。ROM68は、パチンコ遊技機の遊技全体の流れを制御する制御プログラムを記録する。更に、ROM68は、制御プログラムを実行するための初期データや、装飾ランプ36の点滅動作パターンを制御するプログラムや、表示装置32における表示制御をするプログラム等を記憶する。また、RAM70は、上述したプログラムで使用するフラグや変数の値を記憶する。
【0057】
本実施形態における表示制御をするプログラムは、具体的には、「抽選結果により大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を前記パチンコ遊技機に設けられた累積回数記憶手段に累積的に記憶する」もの、「前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する」もの、「決定された消化回数を前記遊技者に報知する」もの、「決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する」ものを含んでいる。
【0058】
更に、入出力バス64には、インターフェイス回路群72も接続されている。インターフェイス回路群72には、スピーカ46(46a〜46d)、発射モータ28、ソレノイド48及び57、保留ランプ34(34a〜34d)及び装飾ランプ36が接続されており、インターフェイス回路群72は、CPU66における演算処理の結果に応じて上述した装置の各々を制御すべく駆動信号や駆動電力を供給する。
【0059】
また、ソレノイド48は、上述した如きシャッタ40を開閉駆動するためのものであり、ソレノイド57は、上述した如き可動片58a及び58bを駆動するためのものである。更に、保留ランプ34(34a〜34d)は、表示装置32に表示する識別情報画像を変動表示させる機会が蓄積された回数を示すものである。更にまた、装飾ランプ36は、遊技が大当たりとなったときやリーチとなったときに遊技者にその旨を示すべく点滅又は点灯するものである。
【0060】
更にまた、入出力バス64には、通信用インターフェイス回路74も接続されており、通信用インターフェイス回路74は、公衆電話回線網やローカルエリアネットワーク(LAN)等の通信回線を介して、サーバ80等との通信をするためのものである。
【0061】
更にまた、インターフェイス回路群72には、表示制御装置200も接続されており、表示制御装置200は、主制御回路60から発せられる画像表示命令に基づいて表示制御装置200に接続されている表示装置32を駆動するための駆動信号を発する。
【0062】
更にまた、入出力バス64には、乱数を発生されるための乱数発生部65が接続されている。
【0063】
後述する遊技機処理においては内部抽選が行われるが、当該内部抽選は、乱数を発生させ得られた乱数に基づき内部抽選データを得ることとなる。
【0064】
内部抽選における乱数の発生方法に関しては、主として、外部乱数方式と、ソフトウエア乱数方式と、が用いられている。外部乱数方式とは、CPUとは別個に基板上に設けられた、例えばバイナリカウンタICなどの乱数発生部によって、乱数を発生させるものである。また、ソフトウエア乱数方式とは、CPU自身がカウンタを作り、ROMに記憶されたプログラムに従って当該カウンタの数値を更新させ、当該数値を乱数として用いるものである。
【0065】
本実施形態におけるゲーム機においては、外部乱数方式により乱数を発生させるものとする。但し、本発明に係るゲーム機における乱数発生方法は、外部乱数方式によるものには限らず、ソフトウエア乱数方式によるもの等、遊技者に対して規則性を感じさせることなく複数の数値の中から1を抽出することができるものによって構成してもよい。
【0066】
上述の乱数発生部65は、当該外部乱数方式による乱数を発生させるための装置であり、乱数を発生させるための命令がCPU66から乱数発生部65へ発せられたときには、乱数発生部65は所定の範囲の乱数を発生させ、その乱数の値を示す信号を入出力バス64に発するのである。CPU66は、この発生された乱数により遊技の進行状況を決定する。これにより、後述する内部抽選処理が行われるのである。
【0067】
[内部抽選方法]
上述する如き乱数発生部65から発せられた乱数は、抽選結果を示すデータとしてRAM70に記録される。例えば、図4に示す如きデータマップを用いて抽選結果を示すデータの記録処理について説明する。図4は、抽選結果を示すデータであり、それらデータの各々の記憶領域を、小さい四角で示す。
【0068】
抽選結果を示すデータは、図4(A)に示す如く、RAM70には、図の符号A0の位置から抽選された順に符号A1、符号A2、符号A3、符号A4と記録される。その際には、符号A0の位置に記録されている内部抽選データを読み出し、その内部抽選データに基づいて現在の行程における図柄の変動表示が開始される。尚、内部抽選データが記録されていない場所には、空きデータとして「FFFFFFFF」が記録されている。また、図柄が停止表示されるまでに抽選が行われた場合には、図4(B)に示す如く、符号A0の位置から順に空きデータを検索し、空きデータがあると判別した場合には、その場所(図4(A)の場合では、符号A1の位置に該当する)に内部抽選データが記録される。また、順次記録され、図4(C)に示す如く、符号A0の位置から符号A4の位置、つまり、最大5つの抽選結果データが記録された場合には、抽選が行われても記録されない。更にまた、抽選結果に基づいて、変動表示されていた図柄が停止表示されることにより、その図柄の変動表示が停止表示となった際には、図4(D)に示す如く、符号A0の位置を空きデータとして「FFFFFFFF」が記録される。そして、図4(E)に示す如く、符号A1の位置に記録されている内部抽選データを符号A0の位置に記録させる。尚、符号A1の位置以降の内部抽選データも同様に記録され、最後のデータが記録されていた位置(図4(E)の符号A1の位置に該当する)に空きデータ「FFFFFFFF」を記録する。これによって、符号A0の位置に内部抽選データが記録されることとなる。尚、図4(D)に示す如く、符号A0の位置を空きデータとして記録する処理は、通常状態では変動表示されていた識別情報画像が全て停止表示されたとき、即ち、現在の行程が終了したタイミングで行われ、大当たり状態では、その大当たり状態が終了し、若しくは、その大当たり状態が中止され、通常状態への移行のタイミングで行われる。
【0069】
また、図4(A)に示す状態であった場合には、現在の行程における遊技が終了した場合、即ち、変動表示されていた図柄が停止表示されることにより、図4(F)に示す如く、符号A0の位置に「FFFFFFFF」が記録されることとなり、再び遊技球が始動口44に入球した場合には、内部抽選処理が行われ、図4(A)の如く、符号A0の位置には、現在の行程における内部抽選データが記録されるのである。また、符号A1の位置には、次の行程における内部抽選データが記録される、つまり1個の保留球が蓄積され、また、符号A2〜A4の位置に内部抽選データが記録された場合には、2〜4個の保留球が蓄積されることとなる。
【0070】
これにより、上述した保留ランプ34(34a〜34d)は、後述する如く、内部抽選処理により記録された内部抽選データが2つ記録されている場合には、1つ目が点灯し、内部抽選データが3つ記録されている場合には、2つ目が点灯し、内部抽選データが4つ記録されている場合には、3つ目が点灯し、内部抽選データが5つ記録されている場合には、4つ目が点灯することとなる。
【0071】
[内部抽選データの変換]
上述の如く得られた内部抽選データは、ROM68に記録されている確率テーブルによって照合され、表示装置32に表示される複数の識別情報画像が停止表示されたときに描かれている画像の組合せ態様を決定するデータに変換される。この確率テーブルは少なくとも2種以上がROM68には記録されており、その内の1つは抽選に対する当選を示す組合せ態様が多く含まれる「高確率用テーブル」であり、1つは抽選に対する当選を示す組合せ態様が少ししか含まれていない「低確率用テーブル」である。これらの確率テーブルのうち、どのテーブルを用いるかによって、抽選に当選する確率が変更されるのである。
【0072】
具体的には、通常の遊技状態においては、「低確率用テーブル」が設定されており、当選する確率が低く設定されている。しかし、抽選に当選し、且つ当選結果が複数回の大当たり状態に移行する権利の取得であり、当該権利の一部がまだ遊技機に留保されている場合には、「高確率用テーブル」を設定することにより、遊技者が当選しやすいように設定がなされるのである。これによって、実質的に、遊技者は連続して大当たり状態に移行することが可能となるのである。
【0073】
[パチンコ遊技機の表示制御装置の構成]
上述した表示制御装置200の回路を示すブロック図を図5に示す。
【0074】
インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続されており、上述した主制御回路60から発せられた画像表示命令は、インターフェイス回路202を介して入出力バス204に供給される。入出力バス204は、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0075】
上述した入出力バス204には、ROM(リード・オンリー・メモリ)208及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)210も接続されている。ROM208は、主制御回路60から発せられた画像表示命令に基づいて表示装置32に供給する駆動信号を生成するための表示制御プログラムを記憶する。一方、RAM210は、上述したプログラムで使用するフラグや変数の値を記憶する。
【0076】
更に、入出力バス204には、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)212も接続されている。このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる処理装置である。
【0077】
上述したVDP212には、主制御回路60から発せられた画像表示命令に応じた画像データを記憶するためのビデオRAM214と、背景の画像データや、図柄の画像データや、キャラクタの画像データ等の画像データを記憶する画像データ用ROM216と、が接続されている。更に、VDP212には、表示装置32を駆動するための駆動信号を発する駆動回路218も接続されている。
【0078】
上述したCPU206は、ROM208に記憶されている表示制御プログラムを読み出して実行することにより、主制御回路60から発せられた画像表示命令に応じて表示装置32に表示する画像データをビデオRAM214に記憶させる。主制御回路60から発せられる画像表示命令には、背景表示命令や、図柄表示命令、キャラクタ表示命令等の表示命令が含まれる。
【0079】
また、画像データ用ROM216は、上述した如く、識別情報画像である図柄の画像のデータや、演出画面として表示される動体物等のキャラクタのキャラクタ画像データ、表示装置32の背景を構成する背景画像データ等の画像データを記憶する。
【0080】
上述した図柄の画像データは、表示装置32において図柄を変動表示するときや、停止表示する際に用いるものであり、多様の表示態様、例えば、拡大した画像、縮小した画像、変形した画像等に応じた画像データを含むものである。また、上述したキャラクタ画像データは、キャラクタが一連の動作をする態様を表示するのに必要となる画像データを含むものである。
【0081】
次に、上述したビデオRAM214に生成される画像データの概念を示す概略図を図6に示す。
【0082】
図6に示す如く、画面表示命令によってビデオRAM214に生成される画像データの大きさ(以下、画面画像領域R1と称する)は、表示装置32に表示される表示領域R2より大きくなるように設定されている。尚、図6においては、画面画像領域R1は、実線で囲まれた領域を示し、表示領域R2は、破線で囲まれた領域を示す。このように設定することにより、後述する如く、表示装置32に表示すべき画像を円滑にスクロール表示させることができるのである。
【0083】
主制御回路60から図柄表示命令が発せられたときには、VDP212は、識別情報画像である図柄を示す各画像D1〜D3の画像データを画像データ用ROM216から読み出した後、表示装置32に図柄の画像を表示すべき位置に対応するビデオRAM214における位置に読み出した画像データを配置する。
【0084】
また、主制御回路60からキャラクタ表示命令が発せられたときには、VDP212は、キャラクタ画像C1〜C3の各々の画像データを画像データ用ROM216から読み出した後、表示装置32にキャラクタの画像を表示すべき位置に対応するビデオRAM214における位置に読み出した画像データを配置する。
【0085】
更にまた、主制御回路60から背景表示命令が発せられたときには、VDP212は、背景の画像B1の画像データを画像データ用ROM216から読み出した後、表示装置32に背景の画像を表示すべき位置に対応するビデオRAM214における位置に読み出した画像データを配置する。
【0086】
VDP212は、ビデオRAM214に画像データを生成した後、表示領域R2に記憶されている画像データのみをビデオRAM214から読み出し、これを表示信号として駆動回路218に供給するのである。そして、上述した如く、1コマ毎画像を表示させ、その画像の表示位置を変更させることによって、「識別情報画像」である図柄が「変動表示若しくは停止表示される」のである。
【0087】
[画像の表示例]
上述した如く画像データをビデオRAM214上に記録することによって表示装置32に画像が表示され、遊技が進められる。この遊技において表示される画像の表示例については図7から図13に示すようになる。
【0088】
図7は、遊技における複数の識別情報画像が変動表示されている状態を示す表示例である。尚、図7に示す識別情報画像の各々は静止画像として描かれているが、変動表示されていることが明確に表現できないため、実際に変動表示されているかの如く描かれている。
【0089】
表示装置32の下部には、図7に示す如く、3つの識別情報画像が変動表示されており、表示装置32の中央部には、キャラクタが表示されている。3つの識別情報画像における図柄の各々は、縦方向に回転する3枚のボードに描かれており、そのボードが半回転する毎に別の図柄が現れることにより識別情報画像の変動表示が実行される。当該3枚のボードは、遊技者が遊技球を始動口に入球させたこと、または保留球が消費されたこと、を契機に回転を始め、所定の時間を経過することにより、停止表示されるのである。
【0090】
尚、本実施例においては、識別情報画像は縦方向に回転する3枚のボードに描かれているが、横方向に回転するボードに描かれているもの、画面上をスクロールするボードに描かれているもの、等であってもよい。また、識別情報画像の数も3つに限定するものではない。
【0091】
更に、表示装置32の略中央部には、アニメーション画像としてキャラクタが描かれており、遊技状態に応じて様々な動きが描写され、遊技者の興趣を惹きつけるよう演出がなされている。尚、本実施形態においてはキャラクタはアニメーション画像として表示されているが、本発明はこれに限らず、静止画像や実写映像などによって構成されていてもよい。
【0092】
図8は、表示装置32上に表示された3つの識別情報画像が停止表示され、当該3つの識別情報画像における図柄の全てが一致したことにより、大当たり状態へ移行する権利が遊技機に内部留保され、遊技者に対して当該権利を獲得するチャンスが与えられた場合の画像の表示例である。本実施形態においては、当該図柄の一致に併せてキャラクタが刀を構えた姿が拡大表示されることにより、遊技状態に変化があったことを遊技者に対して知らしめるよう画像演出がなされているのである。
【0093】
図9は、大当たり遊技中における画像の表示例である。本実施形態においては、表示装置32中央部のやや右寄りには、キャラクタが敵と戦いを続ける場面のアニメーションが映し出されている。これにより、大当たり遊技中の遊技者をより楽しませるような演出がなされるのである。
【0094】
また、表示装置32の画面左側には、大当たり遊技におけるラウンド数、及び、各ラウンドにおいて大入賞口52へ入球した遊技球の数が表示されている。当該入球した数は、大入賞口52への遊技球の入球が検知される毎に1つずつ加算される。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技の進行状況を報知するのである。
【0095】
図10は、1回の大当たり遊技における最終ラウンドにおける画像の表示例である。本実施形態においては、1回の大当たりにおけるラウンド数は最大16回である。ここでは、表示装置32上に描かれたキャラクタと敵との戦いが、敵の敗北により終焉を迎えたことによって、当該大当たり遊技も終了することを遊技者に対して報知するよう演出がなされているのである。
【0096】
図11は、累積的に記憶された大当たり遊技の消化を行っているときの表示装置32における画像の表示例である。表示装置32の略中央部には、上述した図7から図10と同様に、アニメーション画像としてキャラクタが描かれており、遊技状態に応じて様々な動きが描写されている。
【0097】
また、表示装置32の画面左側には、上述した大当たり遊技におけるラウンド数や各ラウンドにおいて大入賞口52へ入球した遊技球の数の他に、大当たり遊技の消化(図ではBonusとしている)が何回分約束されていて、そのうち現在何回目の大当たり状態に移行されているのかが表示されている。具体的には、図11においては、現在、3回のボーナスゲームが約束されたうちの一回目の大当たり状態に移行していることを報知している。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技の進行状況を報知するのである。
【0098】
更に、図11の表示例では、表示装置32上に描かれたキャラクタと敵との戦いは、一区切りがついたものの、敵の逃走が為に決着がまだついていないことによって、当該大当たり遊技が終了した後、再び大当たり状態へ移行し得ることを遊技者に対して報知するよう演出がなされているのである。
【0099】
図12は、図11で約束された3回のボーナスゲームが終了後、再び新たなボーナスゲームへ移行する権利が内部留保されている状態における画像の表示例である。本実施形態においては、キャラクタが逃走した敵を追い求めている場面の背景が、通常の画面(図7参照)と異なることによって、遊技者に対してさらに新たなボーナスゲームが開始するかもしれない状態であることを報知するよう演出がなされているのである。
【0100】
尚、図12に示す識別情報画像の各々は静止画像として描かれているが、変動表示されていることが明確に表現できないため、実際に変動表示されているかの如く描かれている。
【0101】
図13は、図12に示された状態の後の画像表示例である。図13で示す表示例では、表示装置32の画面上に、また新たな敵が現れて戦いが開始されていることにより、新たなボーナスゲームが開始したことを遊技者に報知する画像演出がなされている。図13に示すように、新たなボーナスゲームでは7回大当たり状態に移行することが約束されている。このように、大当たり状態を消化するためのボーナスゲームが連続して起こる場合があることにより、遊技者は期待感を感じながら遊技を進めることになるのである。
【0102】
[パチンコ遊技機の動作]
上述した主制御回路60において実行されるパチンコ遊技機10を制御するサブルーチンを図14から図17に示す。尚、図14及び図16に示すサブルーチンは、予め実行されているパチンコ遊技機10のメインプログラムから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。
【0103】
以下においては、パチンコ遊技機10は予め起動されており、上述したCPU66において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【0104】
[遊技球検出処理]
最初に、遊技球検出ルーチンでは、図14に示す如く、入賞口に遊技球が入球したか否かの判断処理が行われる(ステップS11)。この入賞口は、例えば、上述した図2に示した例においては、一般入賞口50、回転入賞口51、大入賞口52、一般入賞口54a〜54c及び特別入賞口56a〜56dである。この処理において、CPU66は、各入賞口に設けられた球検知センサ42からの遊技球入賞検知信号の有無により、入賞口に遊技球が入球したか否かを判断する。CPU66は、球検知センサ42からの遊技球入賞検知信号を受信した場合、即ち、遊技球の入賞口への入球があったと判別したときには、ステップS12に処理を移し、球検知センサ42からの遊技球入賞検知信号を受信していない場合、即ち、遊技球の入賞口への入球がなかったと判別したときには、ステップS13に処理を移す。
【0105】
次いでステップS12の処理では、賞球処理が行われる。この処理において、CPU66は、遊技球の入球した入賞口の位置に対応する数量の賞球を行う。この処理が終了した後、ステップS13に処理を移す。
【0106】
次いでステップS13の処理では、遊技球が始動口に入球したか否かの判断が行われる。この始動口は、例えば、上述した図2に示した例においては、始動口44である。この処理において、CPU66は、始動口44に設けられた球検知センサ42からの遊技球入球検知信号の有無により、始動口44に遊技球が入球したか否かを判断する。CPU66は、球検知センサ42からの遊技球入球検知信号を受信していない場合、即ち、遊技球の始動口への入球がなかったと判別したときは、何ら処理を行うことなく直ちに本サブルーチンを終了させ、球検知センサ42からの遊技球入球検知信号を受信した場合、即ち、遊技球の始動口への入球があったと判別したときは、ステップS14に処理を移す。
【0107】
次いでステップS14の処理では、内部抽選処理が行われる。この処理において、CPU66は、乱数発生部65に乱数を発生させ、得られた乱数に基づく内部抽選データをRAM70に記録する。この処理により得られた内部抽選データに従って、当該抽選の結果が「当選」であるか、「はずれ」であるかが決定されるのである。この処理の具体的な実施形態については後述する。この処理を終了させた後、直ちに本サブルーチンを終了させる。
【0108】
[内部抽選処理]
ステップS14の処理では、図15に示す内部抽選サブルーチンが呼び出される。
【0109】
最初に、ステップS21の処理では、図4に示すA4の位置、即ち5番目の内部抽選データが記録されているか否かの処理がおこなわれる。この処理において、CPU66は、上述した図4に示した如きRAM70の符号A4の位置に内部抽選データが記録されているか否かを判断する。CPU66は、符号A4の位置のデータが「FFFFFFFF」ではない場合、即ち、5番目の内部抽選データが記録されていると判別した場合には、これ以上内部抽選を行っても、データの記録ができないため、何ら処理を行うことなく直ちに本サブルーチンを終了させ、符号A4の位置のデータが「FFFFFFFF」である場合、即ち、5番目の内部抽選データが記録されていないと判別した場合には、ステップS22に処理を移す。
【0110】
次いでステップS22の処理では、内部抽選処理が行われる。この処理において、CPU66は、乱数発生部65により乱数を発生させ、その乱数に基づいて内部抽選データをRAM70に記録する。
【0111】
本実施形態における内部抽選データは、例えば、図4に示す如く、8桁の数値からなり、また、各桁毎の数値はそれぞれ0から9及びAからFの16個の数字または文字からなる、いわゆる8桁の16進数による数値である。CPU66から乱数発生命令を受けた乱数発生部65は、1回の命令につき8度、0からFの16個の数値のいずれかの数値となる乱数を発生させる。そして、CPU66は、乱数発生部65から発せられた乱数の値を示す信号をRAM70に送り、各乱数を発生した順序に並べることにより生じる1個の8桁の乱数からなるデータを、内部抽選データとしてRAM70の所定の位置に記録する。
【0112】
この所定の位置とは、図4に示す如く、符号A0の位置からA4の位置まで順に空きデータ「FFFFFFFF」が記録されているか否かを検索し、最初にあきデータがあると判別された位置である。例えば、図4(A)においては符号A1の位置であり、図4(B)においては符号A2の位置である。
【0113】
この処理が終了した後、ステップS23に処理を移す。
【0114】
次いでステップS23の処理では、ステップS22で行われた内部抽選の結果得られたデータが、当選態様となる複数の識別情報画像の組合せ態様を表示させるデータであるか否かの判断が行われる。この処理において、CPU66は、ステップS22において記録された内部抽選データが、当該データに基づいて複数の識別情報画像を停止表示させたときに表示される識別情報画像の組合せ態様が当選態様となるデータであるか否かの判断を行う。CPU66は、当該データが当選態様を表示させるデータでないと判別した場合には、何ら処理を行うことなく直ちに本サブルーチンを終了させ、当該データが当選態様を表示させるデータであると判別した場合には、ステップS24に処理を移す。
【0115】
次いでステップS24の処理では、当選内容に応じて内部留保される大当たり遊技へ移行する権利の数に応じたフラグの設定が行われる。この処理において、CPU66は、上述したステップS22において行われた抽選結果である当選の内容に応じて遊技機内部に留保されることとなる大当たり遊技へ移行する権利の数をフラグとして、RAM70の所定の位置にデータを記録する。
【0116】
例えば、当該抽選結果が「1回権利」であった場合には遊技機内部に留保される大当たり状態へ移行する権利は1回分であるので、フラグの値は「1」としてRAM70の所定の位置に記録される。また、当該抽選結果が「3回権利」であった場合には遊技機内部に留保される大当たり状態へ移行する権利は3回分であるので、フラグの値は「3」としてRAM70の所定の位置に記録されるのである。
【0117】
以上の処理が終了した後、直ちに本サブルーチンを終了させる。
【0118】
[遊技機処理]
次に、遊技機処理においては、図16に示す如く、最初に識別情報画像が停止表示されているか否かの判断が行われる(ステップS31)。この処理において、CPU66は、表示装置32上の複数の識別情報画像が停止表示されているか否かを判断する。CPU66は、当該複数の識別情報画像が停止表示されていない、即ち当該複数の識別情報画像が変動表示されている、または、大当たり遊技中であると判別した場合には、何ら処理を行うことなく直ちに本サブルーチンを終了し、当該複数の識別情報画像が停止表示されていると判別した場合には、ステップS32に処理を移す。
【0119】
次いでステップS32の処理では、1番目の内部抽選データが記録されているか否かの判断が行われる。この処理において、CPU66は、図4に示す如きRAM70の符号A0の位置に内部抽選データが記録されているか否かを判断する。CPU66は、符号A0の位置のデータが「FFFFFFFF」である、即ち、1番目の内部抽選データが記録されていないと判別した場合には、図柄の変動表示を開始させる状態ではないと判別されるので、何ら処理を行うことなく直ちに本サブルーチンを終了し、符号A0の位置のデータが「FFFFFFFF」出ない、即ち、1番目の内部抽選データが記録されていると判別した場合には、図柄の変動表示を開始させる状態であると判別されるので、ステップS33に処理を移す。
【0120】
次いでステップS33の処理では、識別情報画像の変動表示が開始される。この処理において、CPU66は、表示装置32上の複数の識別情報画像の変動表示を開始させるための信号を表示制御装置200に伝送する。また、この信号には、当該識別表示画像が停止表示された場合に表示する図柄の組合せ態様を決定する、RAM70の符号A0の位置に記録された内部抽選データも含まれるものとする。そして、表示制御装置200は、当該信号に従い表示装置32上で当該複数の識別情報画像の変動表示を開始する。そして、所定の時間が経過した後、各識別情報画像は順次停止表示される。
【0121】
3つ識別情報画像が停止表示されるとき、3つのうちの2つの識別情報画像が停止表示された時点で当該2つの識別情報画像の図柄が同一であった場合には、「リーチ状態」となり、様々な画像演出が実行される。CPU66は、表示装置32上においてリーチ状態を演出する画像を表示するための命令を示す信号を表示制御装置200に対して伝送し、当該信号を受けた表示制御装置200内のCPU206は、VDP212において当該リーチ状態を演出する画像を合成させ、表示装置32に表示させるのである。尚、「リーチ状態」となった場合であっても、何ら特別な画像演出を行うことなく残りの1つの識別情報画像を停止表示させるように構成してもよい。
【0122】
以上の処理が終了した後、ステップS34に処理を移す。
【0123】
次いでステップS34の処理では、停止表示された複数の識別情報画像の組合せ態様が当選態様であるか否かの判断が行われる。この処理において、CPU66は、表示装置32上に停止表示された複数の識別情報画像に描かれた図柄の組合せ態様が当選態様であるか否かを判断する。CPU66は、当該複数の識別情報画像に描かれた図柄の組合せ態様が当選態様でないと判別した場合には、後述するステップS44に処理を移し、当該複数の識別情報画像に描かれた図柄の組合せ態様が当選態様であると判別した場合には、ステップS35に処理を移す。
【0124】
次いでステップS35の処理では、フラグ値の設定が行われる。この処理において、CPU66は、上述したステップS34において停止表示された複数の識別情報画像に描かれた図柄の組合せを示す内部抽選データに含まれる、当該当選において遊技機内に内部留保される大当たり状態へ移行する権利の数をフラグ値としてRAM70の所定の位置に記録する。例えば、当該当選が1回のみの権利獲得となる当選であった場合にはフラグ値Fとして「1」が記録され、当該当選が3回分の権利獲得となる当選であった場合にはフラグ値Fとして「3」が記録されるのである。なお、後述するように、ここで記録されるフラグ値は一時的なものであり、ステップS41における権利設定処理において、この時点で実際に遊技者に還元されるフラグの値は改めてRAM70に記録されることとなる。
【0125】
尚、本実施形態においては、停止表示される複数の識別情報画像に描かれる図柄の組合せ態様を決定するための内部抽選データに、獲得される大当たり状態へ移行する権利の数も含まれるものとしているが、本発明はこれに限らず、当選が決定した後改めて抽選を別途行い、当該権利の数を決定するように構成してもよい。
【0126】
以上の処理が終了した後、ステップS36に処理を移す。
【0127】
次いでステップS36の処理では、Vゾーンの開放が行われる。この処理において、CPU66は、Vゾーンである権利獲得入賞口38に遊技球が入球可能となるよう、シャッタ40の開放を行う。CPU66は、ソレノイド48を駆動させることを意味する信号を発し当該信号に基づきソレノイド48には電流が供給され、これによりソレノイド48が駆動し、シャッタ40が開放され、権利獲得入賞口38に遊技球の入球が可能となるのである。この処理が終了した後、ステップS37に処理を移す。
【0128】
次いでステップS37の処理では、Vゾーンに遊技球の入球があったか否かの判断が行われる。この処理において、CPU66は、Vゾーンである権利獲得入賞口38に遊技球の入球があったか否かの判断を行う。CPU66は、権利獲得入賞口38奥に設けられた球検知センサ42から入球を検知した旨の信号を受信した場合、即ち、権利獲得入賞口38に遊技球の入球があったと判別した場合には、遊技機内に内部保留されている大当たり状態へ移行する権利を獲得したことになるので、ステップS41に処理を移し、権利獲得入賞口38奥に設けられた球検知センサ42から入球を検知した旨の信号を受信していない場合、即ち、権利獲得入賞口38に遊技球の入球がまだないと判別した場合には、ステップS38に処理を移す。
【0129】
次いでステップS38の処理では、Vゾーン開放後所定の時間が経過したか否かの判断が行われる。この処理において、CPU66は、ステップS36において権利獲得入賞口38が開放されてから所定の時間が経過したか否かの判断を行う。CPU66は、まだ所定の時間が経過していないと判別した場合には、まだ遊技者に対して当該Vゾーンへの遊技球を入球させる機会を与えるために、ステップS37に処理を戻し、もう所定の時間が経過したと判別した場合には、当該Vゾーンの開放時間が経過してしまったので、ステップS39に処理を移す。
【0130】
次いでステップS39の処理では、Vゾーンの閉鎖が行われる。この処理において、CPU66は、Vゾーンである権利獲得入賞口38に遊技球が入球不能となるよう、シャッタ40の閉鎖を行う。CPU66は、ソレノイド48を駆動させることを意味する信号を発し当該信号に基づきソレノイド48には電流が供給され、これによりソレノイド48が駆動し、シャッタ40が閉鎖され、権利獲得入賞口38に遊技球の入球が不能となるのである。この処理が終了した後、ステップS40に処理を移す。
【0131】
次いでステップS40の処理では、フラグ値Fの値が0に書き換えられる。この処理において、CPU66は、上述したステップS35においてRAM70の所定の位置に記録したフラグ値Fの値を0に書き換える。遊技機内に留保されていた大当たり状態へ移行する権利は全て無効となるのである。この処理が終了した後、直ちに本サブルーチンを終了させる。
【0132】
一方、ステップS41の処理では、遊技者に対して大当たり状態へ移行する権利を設定する処理を行う。この処理において、CPU66は、遊技機内に留保されていた大当たり状態へ移行する権利のうち、その一部を遊技者に付与するのか、或いはその全てを遊技者に付与するのかを抽選により決定し、決定された権利の数をRAM70の所定の位置に記録する。これにより、以後最初に回転入賞口51に遊技球が入球した際には、当該決定された数に相当する権利が行使され、大当たり状態へ移行することとなるのである。なお、先のステップS35で記録されたフラグ値と、本ステップの処理で決定された権利の数に差が生じている場合には、その差をRAM70の所定の位置に後述するストックフラグ値として記録する。以上の処理が終了した後、ステップS42に処理を移す。
【0133】
次いでステップS42の処理では、所定位置に遊技球が入球したか否かの判断が行われる。この処理において、CPU66は、回転入賞口51に遊技球の入球があったか否かの判断を行う。CPU66は、回転入賞口51の奥に設置された球検知センサ42からの遊技球の検知をした旨の信号を受信していない場合には、回転入賞口51に遊技球の入球がまだ無いと判別し、ステップS42に処理を戻し、回転入賞口51の奥に設置された球検知センサ42からの遊技球の検知をした旨の信号を受信した場合には、回転入賞口51に遊技球の入球があったものと判別し、ステップS43に処理を移す。
【0134】
次いでステップS43の処理では、大当たり遊技処理が行われる。この処理において、CPU66は、表示制御装置200に大当たり態様の画像演出を行うように信号を伝送し、スピーカ46に必要な音声演出を行うよう音声信号を伝送し、所定のタイミングでソレノイド57を駆動し、可動片58a及び58bを開閉させることで、大入賞口52に遊技球が入賞し得るようにするのである。尚、この処理については後述することとする。また、CPU66は、上述したステップS41においてRAM70に記録されたデータを消去する。
【0135】
一方、上述したステップS34において、停止図柄が当選態様でないものと判別された場合には、CPU66は、ストック消化態様であるか否かを判断する処理を実行する(ステップS44)。
【0136】
「ストック消化」とは、先に説明したステップS41においてストックフラグ値として記録されている大当たり状態に移行する権利を消化することをさすものであり、「ストック消化態様」とは、そのストック消化を開始する契機となる所定の図柄をさすものである。
【0137】
本ステップにおいて肯定結果が得られると、このことは「前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う」ことが決定したことを意味するものであり、そのときCPU66は、ステップS45に処理を移す。一方、本ステップにおいて否定結果が得られると、このことは「前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う」ことが決定しなかったことを意味するものであり、CPU66は、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0138】
次いで、CPU66は、ストック消化遊技処理を実行する(ステップS45)。
【0139】
「ストック消化遊技」とは、上述したように、ステップS41においてRAM70に記録されたストックフラグ値に相当する大当たり状態へ移行する権利を消化する遊技をさすものである。なお、ストック消化遊技処理の詳細については、後述することとする。
【0140】
以上の処理が終了した後、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0141】
[ストック消化遊技処理]
上述したステップS45においては、図17に示すストック消化遊技処理ルーチンが呼び出される。
【0142】
最初に、CPU66は、ストックフラグ値を読み出す処理を実行する(ステップS51)。
【0143】
「ストックフラグ値」とは、先の図16のステップS41においてRAM70に記録されたフラグの値をさすものであり、CPU66は、このストックフラグ値を読み出し、その数値を参照することにより後の処理を実行する。ストックフラグ値を読み出す処理が終了すると、CPU66は、ステップS52に処理を移す。
【0144】
次いで、CPU66は、消化回数決定抽選を行う処理を実行する(ステップS52)。
【0145】
「消化回数決定抽選」とは、ストック消化のための大当たり遊技を何回行うかを決定するための抽選であり、先のステップS51において読み出されたストックフラグ値以下の数値の中から乱数発生部65を用いて抽選が行われ、決定されるものである。消化回数決定抽選を行う処理が終了すると、CPU66は、ステップS53に処理を移す。
【0146】
次いで、CPU66は、消化フラグ値の設定を行う処理を実行する(ステップS53)。
【0147】
「消化フラグ値の設定」とは、先のステップS52における消化回数決定抽選により決定された消化回数に相当するフラグを設定する処理のことを指すものである。この処理において、CPU66は、消化回数決定抽選により決定された数をRAM70に記録する。消化フラグ値を設定する処理が終了すると、CPU66は、ステップS54に処理を移す。
【0148】
次いで、CPU66は、連続消化決定抽選を行う処理を実行する(ステップS54)。
【0149】
「連続消化決定抽選」とは、先のステップS52において決定された回数だけのストックフラグを消化する大当たり遊技(本実施形態においては、ボーナスゲームと称している)を終了した後に、さらに連続してボーナスゲームを行うか否かを決定する抽選のことを指すものである。連続消化決定抽選は、CPU66の指示を受けて、乱数発生部65において行われる。連続消化決定抽選を行う処理が終了すると、CPU66は、ステップS55に処理を移す。
【0150】
次いで、CPU66は、連続消化を行うか否かを判断する処理を実行する(ステップS55)。
【0151】
連続消化を行うか否かは、先のステップS54において行われた抽選の結果により判断される。例えば、CPU66は、乱数発生部65が「0」という乱数を発生させた場合には連続消化を行わないものと判別し、逆に「1」という乱数を発生させた場合には連続消化を行うものと判別するようにしている。本ステップにおいて肯定結果が得られると、このことは、「前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行う」ことを意味しており、CPU66は、再びステップS51に処理を移し、改めてストックフラグ値を読み出し(ステップS51)、消化回数決定抽選を行い(ステップS52)、決定されたフラグ値をRAM70に記録し(ステップS53)、さらに連続消化決定抽選を行うのである(ステップS54)。
【0152】
一方、本ステップにおいて否定結果が得られると、このことは、連続して前記消化を行わないことが決定したことを意味しており、CPU66は、ステップS56に処理を移す。
【0153】
本発明のパチンコ遊技機においては、このように「前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する」ことにより、ボーナスゲームが連続して行われるという楽しみを遊技者に与えることが可能となるばかりでなく、ボーナスゲームを連続して行わないことになってしまった場合でも、連続してボーナスゲームが行われるのではないかという高い期待感を遊技者に持たせることが可能となるのである。
【0154】
次いで、CPU66は、入球があったか否かを判断する処理を実行する(ステップS56)。
【0155】
入球とは、Vゾーンへの遊技球の入球をさすものである。この処理において、CPU66は、Vゾーンである権利獲得入賞口38に遊技球の入球があったか否かの判断を行う。CPU66は、権利獲得入賞口38奥に設けられた球検知センサ42から入球を検知した旨の信号を受信した場合、即ち、権利獲得入賞口38に遊技球の入球があったと判別した場合には、遊技機内に内部保留されている大当たり状態へ移行する権利を獲得したことになるので、ステップS57に処理を移し、権利獲得入賞口38奥に設けられた球検知センサ42から入球を検知した旨の信号を受信していない場合、即ち、権利獲得入賞口38に遊技球の入球がまだないと判別した場合には、再びステップS56に処理を移す。
【0156】
次いで、CPU66は、権利獲得、すなわち遊技者に対して大当たり状態へ移行する権利を付与する処理を実行する(ステップS57)。
【0157】
この処理において、CPU66は、RAM70の所定の位置に遊技者が当該権利を獲得したことを示すデータを記録する。これにより、以後最初に回転入賞口51に遊技球が入球した際には、当該権利が行使され、大当たり状態へ移行することとなるのである。遊技者に対して大当たり状態へ移行する権利を付与する処理が終了すると、CPU66は、ステップS58に処理を移す。
【0158】
次いで、CPU66は所定の位置に入球したか否かを判断する処理を実行する(ステップS58)。
【0159】
この処理において、CPU66は、回転入賞口51に遊技球の入球があったか否かの判断を行う。CPU66は、回転入賞口51の奥に設置された球検知センサ42からの遊技球の検知をした旨の信号を受信していない場合には、回転入賞口51に遊技球の入球がまだ無いと判別し、再びステップS58に処理を戻し、回転入賞口51の奥に設置された球検知センサ42からの遊技球の検知をした旨の信号を受信した場合には、回転入賞口51に遊技球の入球があったものと判別し、直ちに本サブルーチンを終了させる。
【0160】
以上述べたように、本発明のパチンコ遊技機は、「累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに消化回数決定手段により決定された消化回数を前記遊技者に報知する」ようにし、さらに「前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定手段と、を有する」ように構成しているため、報知手段により現在の遊技状況を確認しながらも、決定された消化回数の大当たり遊技が終了しそうになると、さらに消化遊技が連続して行われるのではないかという期待感を遊技者に抱かせることが可能となるのである。
【0161】
また、遊技状態を報知するための報知手段として、画像や音声等を用いることにより、消化遊技が終了しそうであることを見逃すことなく遊技者が遊技を続行できるだけでなく、消化遊技が終了しそうでない状態のときにも遊技者に飽きさせることなく遊技を続けさせることが可能となるのである。
【0162】
[サーバ処理]
上述した実施形態においては、パチンコ遊技機10のみからなる構成としたものであったが、図18に示す如く、パチンコ遊技機10がサーバ80に接続されて、所定の情報の送受信をサーバ80と行うことができる構成とすることとしてもよい。具体的には、サーバ80が、上述した如き内部抽選を行い、その内部抽選データを端末装置であるパチンコ遊技機10に供給し、内部抽選データを受け取ったパチンコ遊技機10は、その内部抽選データに基づいて画像を表示させてもよい。もちろん、サーバ80は、内部抽選データに基づき表示させる画像を選択した上で、その画像データをパチンコ遊技機10に供給し、画像データを受け取ったパチンコ遊技機10は、その画像データに基づいて画像を表示させてもよい。
【0163】
このようにサーバ80がパチンコ遊技機10を制御するように構成されることで、いわゆる「権利モノ」のパチンコ遊技機と通信回線を介して接続可能なサーバにおいて、遊技場で遊技を行う場合と同様の効果が得られるばかりでなく、遊技者が遊技を行いたい時にいつでも遊技を行えるという新たな効果が生じ、さらには、遊技者が好むパチンコ遊技機を自由に選択できるという効果も生じることとなる。
【0164】
また、サーバ80に接続されている端末装置としては、パーソナルコンピュータや、携帯電話等の携帯端末を用いてもよく、サーバ80は、表示させるための画像データ、その画像データを示すデータ及び音声データ等を端末装置に送信することによっても、本発明の目的は実現できるものである。
【0165】
更にまた、図18に示す如き構成を行うことにより、複数のパチンコ遊技機10を複数のサーバ80から1本の通信ケーブルではデータ送受信が不可能な距離の場所に設置した場合、更には、複数のパチンコ遊技機の各々をそれぞれ離れた場所に設置させた場合であっても、公衆電話回線網等の通信回線を介して、一元的に複数のパチンコ遊技機10を管理することができるのである。
【0166】
なお、本明細書に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は本明細書に記載されたものに限定されるものではない。
【0167】
【発明の効果】
本発明によれば、「遊技者の発射する遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段で行われる抽選結果により前記遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するパチンコ遊技機」に「前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を累積的に記憶する累積回数記憶手段と、前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定手段と、前記消化回数決定手段により決定された消化回数を前記遊技者に報知するための報知手段と、前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定手段と」を有するように構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパチンコ遊技機の概観を示す正面図である。
【図2】本発明によるパチンコ遊技機の遊技盤面の拡大正面図である。
【図3】本発明の実施例であるパチンコ遊技機の主制御回路を示すブロック図である。
【図4】本発明によるパチンコ遊技機の抽選結果の記録方法を示す概略図である。
【図5】本発明の実施形態であるパチンコ遊技機の表示制御装置を示すブロック図である。
【図6】表示制御装置のビデオRAMにおける画像データの配置の概念を示す概略図である。
【図7】本発明によるパチンコ遊技機の画面表示を示す概略図である。
【図8】本発明によるパチンコ遊技機の画面表示を示す概略図である。
【図9】本発明によるパチンコ遊技機の画面表示を示す概略図である。
【図10】本発明によるパチンコ遊技機の画面表示を示す概略図である。
【図11】本発明によるパチンコ遊技機の画面表示を示す概略図である。
【図12】本発明によるパチンコ遊技機の画面表示を示す概略図である。
【図13】本発明によるパチンコ遊技機の画面表示を示す概略図である。
【図14】本発明によるパチンコ遊技機において実行される制御処理のフローチャートを示す図である。
【図15】本発明によるパチンコ遊技機において実行される制御処理のフローチャートを示す図である。
【図16】本発明によるパチンコ遊技機において実行される制御処理のフローチャートを示す図である。
【図17】本発明によるパチンコ遊技機において実行される制御処理のフローチャートを示す図である。
【図18】ネットワークを介してサーバとパチンコ遊技機とが接続された構成とした場合における概略を示す図である。
【符号の説明】
10 パチンコ遊技機
32 表示装置
38 権利獲得入賞口
40 シャッタ
42 球検知センサ
44 始動口
45 通過口
48、57 ソレノイド
50、54 一般入賞口
51 回転入賞口
52 大入賞口
53 排出口
56 特別入賞口
58 可動片
60 主制御回路
62、72 インターフェイス回路群
64、204 入出力バス
65 乱数発生部
66、206 CPU
68、208 ROM
70、210 RAM
74 通信用インターフェイス回路
80 サーバ
200 表示制御装置
202 インターフェイス回路
204 入出力バス
212 VDP

Claims (3)

  1. 遊技者の発射する遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、
    前記抽選手段で行われる抽選結果により前記遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するパチンコ遊技機であって、
    前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を累積的に記憶する累積回数記憶手段と、
    前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定手段と、
    前記消化回数決定手段により決定された消化回数を前記遊技者に報知する報知手段と、
    前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定手段と、を有することを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 通信回線を介して端末装置と接続可能であって、当該端末装置の表示部にパチンコ遊技情報を画像として表示させ、かつ、
    前記端末装置の前記表示部において遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、
    前記抽選手段で行われる抽選結果により遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するサーバであって、
    前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を累積的に記憶する累積回数記憶手段と、
    前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定手段と、
    前記消化回数決定手段により決定された消化回数を前記遊技者に報知する報知手段と、
    前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定手段と、を有することを特徴とするサーバ。
  3. 遊技者の発射する遊技球が所定の位置を通過又は入球することに応じて抽選を行う抽選手段と、
    前記抽選手段で行われる抽選結果により前記遊技者に有利な大当たり状態に一回或いは複数回移行させ得る大当たり移行制御手段と、を有するパチンコ遊技機に対して、
    前記抽選結果により前記大当たり状態に複数回移行することが決定した場合に、前記大当たり移行制御手段が、前記複数回の全てを前記大当たり状態に移行させない制御を行う場合があって、そのときには前記大当たり状態に移行させない制御を行った回数を前記パチンコ遊技機に設けられた累積回数記憶手段に累積的に記憶する累積記憶ステップと、
    前記大当たり移行制御手段は、前記累積回数記憶手段に記憶された前記回数の消化を行うために前記大当たり状態に移行させる制御を行う場合があって、そのときに、前記消化の回数を決定する消化回数決定ステップと、
    前記消化回数決定ステップにおいて決定された消化回数を前記遊技者に報知する報知ステップと、
    前記消化回数決定手段により決定された回数の前記大当たり状態を終了したときに、さらに連続して前記消化を行うか否かを決定する連続消化決定ステップと、を実行させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016198324A (ja) * 2015-04-10 2016-12-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2019171182A (ja) * 2019-07-17 2019-10-10 株式会社三洋物産 遊技機

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