JP2004312378A - 撮影指示プログラム及び撮影システム - Google Patents
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Abstract
【課題】コンピュータとデジタルカメラとがデータ通信可能に接続された環境で、コンピュータからデジタルカメラに対して撮影指示を与える場合に、撮影動作が必ず撮影準備動作の後に行われるようにして撮影画像の画質低下を抑制するとともに、その際の操作性を向上させること。
【解決手段】コンピュータ１０は撮影指示プログラム２６ａを実行することにより、キーボード１３やマウス１４等や入力する入力信号に基づき、所定の一連の操作が最終段階に至るまでの中間段階であることが検知されたときに、デジタルカメラ３０に対して撮影準備指令を送出する。また、さらに一連の操作が継続され、最終段階まで行われたことが検知されたときに、デジタルカメラ３０に対して撮影開始指令を送出するように構成される。
【選択図】 図２
【解決手段】コンピュータ１０は撮影指示プログラム２６ａを実行することにより、キーボード１３やマウス１４等や入力する入力信号に基づき、所定の一連の操作が最終段階に至るまでの中間段階であることが検知されたときに、デジタルカメラ３０に対して撮影準備指令を送出する。また、さらに一連の操作が継続され、最終段階まで行われたことが検知されたときに、デジタルカメラ３０に対して撮影開始指令を送出するように構成される。
【選択図】 図２
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータとデジタルカメラとがデータ通信可能に接続された環境で、コンピュータからデジタルカメラに対して撮影指示を与えるための技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般的なデジタルカメラでは、例えばレリーズボタン（シャッタボタン）が２段階の押し込みスイッチとなっており、半押し状態（これをＳ１状態という。）で自動露出制御（ＡＥ）や自動合焦制御（ＡＦ）等の撮影準備動作が行われ、全押し状態（これをＳ２状態という。）で記録用の画像を撮影するための撮影動作が行われるようになっている。
【０００３】
また、パーソナルコンピュータ（以下、単に「コンピュータ」という。）に専用カメラ（いわゆるＰＣカメラ等）を接続し、コンピュータのユーザインタフェースを用いて撮影タイミングの指示を行うことにより、コンピュータからカメラに対して撮影指示を与える撮影システムも従来から知られている。
【０００４】
ところが、携行して撮影を行うことも可能なデジタルカメラをコンピュータに接続してコンピュータから撮影指示を与える場合、コンピュータにはレリーズボタンのような２段階押し込みスイッチが設けられていないのが実状であり、何らかの操作を撮影準備動作及び撮影動作のそれぞれに割り当てる必要が生じる。
【０００５】
従来、この種の割り当てとして、例えばマウスに対する１回のクリック操作（ワンクリック操作）で撮影準備動作を開始し、連続する２回のクリック操作（ダブルクリック操作）で撮影動作を行うものが知られている（例えば、特許文献１）。このような割り当てによれば、コンピュータユーザが撮影指示を与える際には、まずマウスをワンクリック操作して撮影準備動作を行わせ、その後ダブルクリック操作して記録のための撮影動作を行わせることになる。
【０００６】
【特許文献１】
特開平８−２６３１９９号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような割り当てを行うと、撮影準備動作と撮影動作とが全く関連性のない別の操作によって実行されることになるため、撮影動作によって取得される撮影画像の画質が低下するとともに、操作性が著しく低いという問題がある。
【０００８】
すなわち、従来の割り当てでは、ユーザが意図的に撮影準備動作を行わせるための操作を行わなければならず、操作性が低いものとなっている。また、撮影準備動作が行われていない状態でも、マウスのダブルクリック操作が行われる可能性があり、そのような操作が行われた場合には、露出アンダー若しくはオーバー、又は暈け状態の撮影画像が取得され、低画質の画像しか得られない。
【０００９】
また、ワンクリック操作の後、ダブルクリック操作が行われるまでに長時間が経過すると、撮影準備動作によって固定された撮影条件が被写体の変動等によって適切なものとなくなる可能性があり、その場合にも良好な撮影画像を取得することができなくなる。これを防止するためには、ダブルクリック操作前に撮影条件が固定された状態を解除し、その後あらためてワンクリック操作を行うことが考えられる。しかしこの場合、撮影条件の固定状態を解除するために、上記ワンクリック操作やダブルクリック操作とは異なる特別な操作を意図的に行う必要が生じる。このような解除操作はデジタルカメラを単独使用する場合には存在しない操作であり、デジタルカメラをコンピュータに接続した場合と単独使用する場合とで撮影時の操作感が著しく異なることとなって、操作性が低下する。
【００１０】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、コンピュータからデジタルカメラに撮影指示を与える場合に、撮影動作が必ず撮影準備動作の後に行われるようにして撮影画像の画質低下を抑制し、かつ、その際の操作性がデジタルカメラ単独使用の場合と同様の操作性となる技術の提供を目的としている。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、デジタルカメラとデータ通信可能に接続されたコンピュータにおいて実行され、表示手段及び操作入力手段を備える前記コンピュータから、前記デジタルカメラに対して撮影指示を与えるための撮影指示プログラムであって、前記コンピュータを、前記操作入力手段からの前記入力信号に基づき、所定の一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影開始指令を送出する撮影開始指令送信手段、及び、前記入力信号に基づき、前記一連の操作が前記最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影準備指令を送出する撮影準備指令送信手段、として機能させるように構成される。
【００１２】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記表示手段の画面内の特定領域に撮影指示領域を表示させるとともに、前記入力信号に応じて前記画面内を移動するポインタ画像を表示させる表示制御手段、として機能させ、前記ポインタ画像が前記撮影指示領域内に移動した場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、前記ポインタ画像が前記撮影指示領域内にあり、かつ、所定のボタン操作が検知された場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴としている。
【００１３】
請求項３に記載の発明は、請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記表示手段の画面に、前記操作入力手段に対するドラッグ操作によって所定経路を移動させることが可能な操作オブジェクトを表示させる表示制御手段、として機能させ、前記操作オブジェクトが前記ドラッグ操作によって前記経路上の中間点を通過したことが検知された場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、前記操作オブジェクトが前記ドラッグ操作によって前記経路上の最終点に至ったことが検知された場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴としている。
【００１４】
請求項４に記載の発明は、請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記一連の操作が、前記操作入力手段に含まれる第１のボタン及び第２のボタンがともに押下された状態に至る操作であり、前記第１のボタンの押下操作が行われた場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、前記第１のボタンが押下された状態で、前記第２のボタンの押下操作が行われた場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴としている。
【００１５】
請求項５に記載の発明は、デジタルカメラとコンピュータとが互いにデータ通信可能に接続され、前記コンピュータから、前記デジタルカメラに対して撮影指示を与える撮影システムであって、前記コンピュータが、所定の操作入力手段からの前記入力信号に基づき、所定の一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影開始指令を送出する撮影開始指令送信手段と、前記入力信号に基づき、前記一連の操作が前記最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影準備指令を送出する撮影準備指令送信手段と、を備え、前記デジタルカメラが、前記コンピュータから前記撮影準備指令を受信した場合に、撮影動作時における撮影条件を決定する為の撮影準備動作を行う手段と、前記コンピュータから前記撮影開始指令を受信した場合に、前記撮影条件を適用して撮影動作を行う手段と、を備えて構成される。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【００１７】
＜１．第１の実施の形態＞
図１は本実施形態にかかる撮影システム１の構成例を示す図である。また、図２は撮影システム１の機能構成の一例を示すブロック図である。
【００１８】
図１に示すように、この撮影システム１は、コンピュータ１０とデジタルカメラ３０とがＵＳＢ規格等のケーブル２によって接続され、互いにデータ通信可能なように構成される。ただし、ケーブル２を介した有線通信の他に、無線通信によってデータ通信が可能なように構成されてもよい。
【００１９】
撮影システム１では、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して撮影指示が与えられるようになっており、デジタルカメラ３０はコンピュータ１０から撮影指示に応答して撮影動作を行い、記録用の撮影画像を取得する。また、デジタルカメラ３０はコンピュータ１０との接続状態を切り離してカメラ単独でも使用することができるようになっている。そのためデジタルカメラ３０には、一般的なデジタルカメラと同様に、２段階押し込み式のレリーズボタン３１が設けられ、カメラ単独使用時にはレリーズボタン３１の押下操作が行われることにより、撮影画像を取得することができる。
【００２０】
コンピュータ１０は、例えば、卓上型の一般的なパーソナルコンピュータによって構成され、ＬＣＤやＣＲＴ等を用いて形成される表示部１１と、内部にＣＰＵ２０や記憶部２６等が設けられた本体部１２と、キーボード１３やマウス１４等を備えて構成される操作入力部１５と、を含む構成となっている。また、本体部１２には、図２に示すように、撮影指示プログラム２６ａを実行するＣＰＵ２０、ハードディスク等で構成される記憶部２６、ＣＤ−ＲＯＭ等の記録媒体９から撮影指示プログラム等を読み込む入出力インタフェース２８、及び、デジタルカメラ３０とのデータ通信を行う通信インタフェース２９が設けられる。
【００２１】
撮影指示プログラム２６ａは、例えばＣＰＵ２０によるインストール動作によって記録媒体９から記憶部２６に格納される。そしてコンピュータ１０の、デジタルカメラ３０に対する撮影指示機能は、ＣＰＵ２０が記憶部２６に格納された撮影指示プログラム２６ａを読み込み、それを実行することによって実現される。ただし、ＣＰＵ２０によるプログラム実行時に、記録媒体９に格納される撮影指示プログラムを、ＣＰＵ２０が直接読み出して実行するようにしてもよい。また、図示しないネットワーク等を介して他のコンピュータ等から撮影指示プログラムを取得するようにしてもよい。
【００２２】
ＣＰＵ２０において撮影指示プログラム２６ａが実行されると、ＣＰＵ２０は主に、表示制御部２１、撮影制御部２２及び記録処理部２３として機能する。
【００２３】
表示制御部２１は、コンピュータユーザ（以下、単にユーザという。）がキーボード１３やマウス１４等から撮影指示操作を行う際の操作性を向上させるために表示部１１に撮影指示用画面（図３等参照）を表示するものである。
【００２４】
撮影制御部２２は、通信インタフェース２９を介してデジタルカメラ３０とのデータ通信を行うように構成される。具体的には、ユーザの撮影指示操作によってキーボード１３やマウス１４等から入力する入力信号に基づき、通信インタフェース２９を介してデジタルカメラ３０に各種指令信号を送出したり、デジタルカメラ３０からステイタス信号を入力してデジタルカメラ３０の状態を把握するようになっている。
【００２５】
そして、キーボード１３やマウス１４等から入力する入力信号に基づき、所定の一連の操作が中間段階まで行われたことが検知された場合、撮影制御部２２では撮影準備指令送信部２２ａが機能し、デジタルカメラ３０に対して撮影準備指令が送出される。さらにその一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合には、撮影制御部２２において撮影開始指令送信部２２ｂが機能し、デジタルカメラ３０に対して撮影開始指令が送出される。このため、撮影制御部２２では撮影開始指令送信部２２ｂが機能する前には必ず撮影準備指令送信部２２ａが機能するようになっている。
【００２６】
さらに撮影制御部２２は、表示部１１における撮影指示用画面の表示内容を変更する必要が生じた場合には表示制御部２１に対して変更指示を与えることにより、その表示内容を変更させるようにも構成される。
【００２７】
記録処理部２３は、撮影制御部２２によって撮影指示が与えられた結果、デジタルカメラ３０で撮影された撮影画像を、通信インタフェース２９を介して入力すると、それを記憶部２６に記憶する。これにより、記憶部２６にはデジタルカメラ３０で取得された撮影画像２６ｂが格納される。
【００２８】
一方、デジタルカメラ３０は、その内部構成として通信インタフェース３２、制御部３３、撮像素子３４及び撮影レンズ３５を備えている。撮像素子３４は例えばＣＣＤイメージセンサ等で構成され、制御部３３から与えられる信号に基づいて撮像処理（露光動作）を行う。また、撮影レンズ３５は可動レンズ及び可変絞りを含んで構成され、制御部３３から与えられる信号に基づいてレンズ位置や絞り径等を変化させる。
【００２９】
制御部３３は、撮像素子３４及び撮影レンズ３５の駆動制御を行うことにより、被写体のリアルタイム像を表示するために行われるライブビュー画像取得動作、自動露出制御（ＡＥ）及び自動合焦制御（ＡＦ）等の撮影準備動作、並びに記録用の撮影画像を取得する際の撮影動作を統括的に制御する。
【００３０】
ライブビュー画像取得動作は、撮影動作が行われていないときに行われる動作であり、比較的簡単な撮影動作で例えば１秒間に数十フレームの画像取得が行われる。
【００３１】
例えば、カメラ単独使用時には、制御部３３は、レリーズボタン３１が半押し状態（Ｓ１状態）とされるまでの間、ライブビュー画像取得動作を行い、図示しない表示部に被写体のリアルタイム像を表示する。そしてレリーズボタン３１が半押し状態（Ｓ１状態）とされたときに、撮影準備動作を行って記録用の撮影画像を取得する際の撮影条件を決定し、その撮影条件を適用した状態（いわゆるロック状態）でレリーズボタン３１が全押し状態（Ｓ２状態）とされるのを待機する。そしてレリーズボタン３１が全押し操作されると、ロック状態の撮影条件を適用して撮影画像を取得するための撮影動作を行うようになっている。また、レリーズボタン３１が全押し操作されることなく、半押し状態が解除された場合、制御部３３は、撮影準備動作にて決定された撮影条件のロック状態を解除する。
【００３２】
これに対し、撮影システム１として、デジタルカメラ３０がコンピュータ１０と接続された状態にある場合には、制御部３３は、通信インタフェース３２を介してコンピュータ１０から受信する各種指令信号に基づいて各部の制御動作を行うようになる。具体的には、コンピュータ１０からの指令に基づいてライブビュー取得動作を行い、それによって取得されるライブビュー画像をコンピュータ１０に逐次送信するようになっている。そしてコンピュータ１０から撮影準備指令が与えられた場合に、撮影準備動作を行って記録用の撮影画像を取得する際の撮影条件を決定し、その撮影条件を適用した状態（ロック状態）で待機する。そして次に、コンピュータ１０から撮影開始指令が与えられると、制御部３３は、ロック状態の撮影条件を適用して撮影画像を取得するための撮影動作を行うことになる。そして撮影動作によって取得される撮影画像に対し、所定の画像処理を施した後、通信インタフェース３２を介してコンピュータ１０に撮影画像を送信する。また、撮影準備指令が与えられた後、コンピュータ１０から解除指令が与えられた場合、制御部３３は撮影条件のロック状態を解除する。
【００３３】
また制御部３３は、コンピュータ１０からその他の指令信号を受信したときには、その指令に対応する処理を行い、必要に応じてコンピュータ１０への信号の返信を行う。例えば、コンピュータ１０から解像度設定等の設定信号を受信したときには、制御部３３は撮影時の解像度設定を指定された解像度に設定し、設定変更後の解像度信号をコンピュータ１０に返信する。
【００３４】
以上のように撮影システム１では、ユーザが表示部１１に表示される画面を視認しつつキーボード１３又はマウス１４等の操作を行い、それによって予め定められた連続して行われる一連の操作が行われた場合に、コンピュータ１０がデジタルカメラ３０に対して撮影指示を与えるようになっている。
【００３５】
図３は表示部１１に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。図３に示す撮影指示用画面１００は、コンピュータ１０において撮影指示プログラム２６ａが起動されると表示部１１に表示される画面であり、ユーザは撮影指示用画面１００を視認しながら、キーボード１３やマウス１４等を操作することにより、デジタルカメラ３０の諸条件や撮影指示等の入力操作を行う。
【００３６】
撮影指示用画面１００には、図３に示すように、デジタルカメラ３０の動作状態を表示する状態表示項目１１０、コンピュータ１０とデジタルカメラ３０との接続状態をデータ通信可能な状態にするための接続ボタン１２０、記録用の撮影動作時に適用されるシャッタースピード等の撮影パラメータを希望の値に設定するためのパラメータ設定欄１３０、デジタルカメラ３０から受信するステイタス信号に基づきデジタルカメラ３０の現在の設定状態を表示するパラメータ表示欄１４０、デジタルカメラ３０から入力する画像を表示する画像表示欄１５０、及び、ユーザが撮影指示を与えるために撮影指示用画面１００の一部の領域に設けられたレリーズボタン表示１６０が表示される。また、撮影指示用画面１００には、ユーザがマウス１４を操作した場合に、その入力信号に応じて画面内の任意の位置に移動するポインタ画像９０が表示される。
【００３７】
このような画面１００に基づき、ユーザがポインタ画像９０を接続ボタン１２０上に移動させて、クリック操作を行うことにより、撮影制御部２２はデジタルカメラ３０が撮影指示プログラム２６ａに対応しているか否かの判定を行い、対応している場合に、コンピュータ１０とデジタルカメラ３０とのデータ通信を確立させる。そして撮影制御部２２はデジタルカメラ３０に対してライブビュー画像送信指令を送出する。これにより、デジタルカメラ３０は直ちにライブビュー画像取得動作を開始し、状態表示項目１１０には「ライブビュー中」である旨が表示されるとともに、画像表示欄１５０には逐次更新されるライブビュー画像が表示される。したがって、ユーザはコンピュータ１０の表示部１１を視認するだけで、リアルタイムな被写体像の確認を行うことができる。なお、表示制御部２１は、デジタルカメラ３０からライブビュー画像を入力した際に、表示部１１に適合したカラーマッチング処理を行い、表示部１１の表示特性に適した状態でライブビュー画像の表示を行う。
【００３８】
この状態において、ユーザがデジタルカメラ３０の撮影パラメータを変更したい場合にはパラメータ設定欄１３０に表示される各項目の値（図示せず）をマウス操作等によって希望する値に変更すればよい。そして変更操作が行われると、撮影制御部２２はデジタルカメラ３０に対してパラメータ設定変更指令を送出する。そしてデジタルカメラ３０においてパラメータの設定変更が行われるとともに、変更後の状態を示すステイタス信号が撮影制御部２２に返信される。また、変更後に取得されるライブビュー画像はパラメータの設定変更が反映された画像となる。ただし、ライブビュー画像取得動作に関係しないパラメータの設定変更である場合には、ライブビュー画像にその設定変更が反映されることはない。
【００３９】
撮影制御部２２はステイタス信号を受信すると、表示制御部２１を介してパラメータ表示欄１４０の表示内容を変更する。これにより、ユーザはデジタルカメラ３０において希望の設定が行われたことを認識できる。またこれに伴い、ライブビュー画像の画質が変わった場合には、その画質の適否をあらためて判断することができる。
【００４０】
以上のように、ユーザが撮影指示用画面１００に基づいて操作を行うことにより、デジタルカメラ３０を所望する状態に設定することができる。そしてデジタルカメラ３０に対して撮影指示が与えられるときには、マウス操作によって、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に移動され、その状態でマウスボタンの押下操作（クリック操作）が行われる。すなわち、図４に示すように、マウス１４によるポインタ画像９０（より厳密にはポインタの指示点）がレリーズボタン１６０の表示される領域（撮影指示領域）に含まれており、この状態でマウスボタンが押下されたときに、撮影開始指令が撮影制御部２２からデジタルカメラ３０に送出されるようになっている。
【００４１】
そして本実施形態では、ポインタ画像９０が画面１００内の任意の位置から移動を開始して、レリーズボタン１６０によって規定される撮影指示領域内に移動し、その状態でマウスボタンの押下操作が行われる、という一連の操作のうち、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０によって規定される撮影指示領域内に移動したときに、撮影準備指令送信部２２ａが機能して撮影準備指令を送出し、さらにその状態のままでマウスボタンが押下されたときに、撮影開始指令送信部２２ｂが機能して撮影開始指令を送出するように構成される。
【００４２】
したがって、デジタルカメラ３０では、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に移動したときに、撮影準備動作が開始され、自動露出制御や自動合焦制御が行われる。このとき、制御部３３はステイタス信号として撮影準備動作中である旨の信号をコンピュータ１０に対して送信する。これにより、コンピュータ１０の表示部１１で表示される撮影指示用画面１００において、状態表示項目１１０に「撮影準備中」である旨が表示される（図示せず）。
【００４３】
そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。また、撮影準備動作が完了すると、その結果はステイタス信号としてコンピュータ１０に送信される。ただし、被写体の種類等によっては合焦レンズ位置を正確に特定できない場合があり、そのような場合には撮影準備動作の完了を通知する際に、非合焦である旨が通信される。
【００４４】
さらにデジタルカメラ３０では、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に位置し、かつ、マウスボタンの押下操作が行われたときに、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。このとき撮影動作は、撮影指示用画面１００に対して予め設定された解像度等に基づいて行われる。よって、撮影動作により、ユーザの所望する条件での撮影画像が取得されることになる。
【００４５】
一方、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０によって規定される撮影指示領域内に移動した後、マウスボタンの押下操作が行われることなく、撮影指示領域の外側に移動した場合には、撮影準備指令送信部２２ａがデジタルカメラ３０に対し、解除指令を送出するようになっている。この解除指令は、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作の中断又は撮影条件のロック状態を解除させるための指令である。
【００４６】
次に、上述したような処理を実現するための具体的な処理シーケンスについて説明する。図５及び図６はコンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の処理シーケンスを示すフローチャートであり、コンピュータ１０で行われる処理を実線ブロックで、デジタルカメラ３０で行われる処理を破線ブロックで示している。
【００４７】
まず、撮影制御部２２は、キーボード１３又はマウス１４からの入力信号に基づいて、レリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在するか否かを判断する（ステップＳ１）。そしてレリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在する場合は、デジタルカメラ３０に対して撮影準備指令を送信する（ステップＳ２）。これにより、デジタルカメラ３０では撮影準備動作が行われ、撮影準備動作が完了すると、その結果がコンピュータ１０に送信される（ステップＳ３）。
【００４８】
撮影制御部２２はデジタルカメラ３０から撮影準備結果を受信すると（ステップＳ４）、その受信情報を基に撮影準備動作によって被写体の合焦状態が実現されたか否かを判断する（ステップＳ５）。そして合焦状態が実現されている場合、撮影指示用画面１００に合焦サインを表示する（ステップＳ６）。また、合焦状態が実現されていない場合、撮影指示用画面１００に非合焦サインを表示する（ステップＳ７）。これらの表示は、例えば状態表示項目１１０にその旨の表示を行ったり、レリーズボタン１６０の表示色を判断結果に応じて変化させることにより、行われる。
【００４９】
そして再び、撮影制御部２２が、キーボード１３又はマウス１４からの入力信号に基づいて、レリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在するか否かを判断する（ステップＳ８）。そしてレリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在すれば、マウスボタンの押下操作（クリック操作）が行われたか否かを判断する（ステップＳ９）。クリック操作が行われていない場合は、ステップＳ８に戻り、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に存在するか否かを監視する状態を継続させる。これに対し、クリック操作が行われた場合は、デジタルカメラ３０に対して撮影開始指令を送信する（ステップＳ１０）。これにより、デジタルカメラ３０では記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が行われ（ステップＳ１１）、撮影動作が終了して画像データの転送準備が整うと、その旨のメッセージがコンピュータ１０に送信される（ステップＳ１２）。
【００５０】
撮影制御部２２はデジタルカメラ３０から画像データの転送準備完了メッセージを受信すると（ステップＳ１２）、記録処理部２３を機能させる。そして記録処理部２３が記憶部２６にアクセスして指定フォルダ内に撮影画像を記録するためのファイルをオープンさせる（ステップＳ１３）。その後、撮影画像の受信が開始され（ステップＳ１４）、記憶部２６のファイルに撮影画像が書き込まれる（ステップＳ１５）。そして画像データの転送完了メッセージを受信すると（ステップＳ１６）、書き込まれたファイルがクローズされ、記録処理が終了する（ステップＳ１７）。
【００５１】
一方、ステップＳ８において、レリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在しない状態となっていれば、撮影準備指令送信部２２ａが撮影準備解除指令をデジタルカメラ３０に送信する（ステップＳ２０）。これにより、ステップＳ３における撮影準備動作によって設定された撮影条件がロックされた状態から解除されることになる。そしてステップＳ６又はＳ７で表示した、合焦又は非合焦のサイン表示がオフ状態とされ、元の表示状態に戻される（ステップＳ２１）。
【００５２】
その後、ステップＳ１に戻り、上述した処理が繰り返されることになる。
【００５３】
以上のように、本実施形態においては、コンピュータ１０が撮影指示プログラム２６ａを実行することによって、キーボード１３やマウス１４等からの入力信号に基づいて、所定の一連の操作が最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、デジタルカメラ３０に対して撮影準備指令を送出し、最終段階まで行われたことが検知された場合に、デジタルカメラ３０に対して撮影開始指令を送出するように構成される。
【００５４】
そのため、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【００５５】
また、ユーザが撮影指示を与える際には、所定の一連の操作を最終段階に至るまで連続して行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラ３０に送出されるので、ユーザは特に意識をすることなく、撮影動作の開始前に必ず撮影準備動作を行わせるための操作をすることができる。これにより、デジタルカメラ３０を単独使用する場合に共通する操作性で撮影指示を行うことができ、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の操作性が向上する。
【００５６】
さらに、本実施形態では、コンピュータ１０における表示部１１の画面内に撮影指示領域となるレリーズボタン１６０を表示させるとともに、マウス１４等からの入力信号に応じて画面内を移動するポインタ画像９０を表示させるようになっている。そして、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に移動した場合に撮影準備指令を送出するとともに、その状態で所定のボタン操作が検知された場合に撮影開始指令を送出するようになっている。
【００５７】
このようなユーザ操作は、近年のコンピュータにおけるＧＵＩとして、一般的な操作であって、複雑な操作ではない。そしてユーザが画面上に表示されるレリーズボタン１６０をマウス操作によって押下しようとすれば、それだけで撮影動作の前に必ず撮影準備動作が行われることになる。したがって、上記のように構成することで、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の操作性が特に向上することになる。
【００５８】
また、本実施形態では、コンピュータ１０に対する所定の一連の操作が最終段階に至るまでに、一連の操作手順に沿わない操作が行われた場合には、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作を解除する解除指令が送信されるようになっている。このため、デジタルカメラ３０を単独使用する場合に共通する操作性で、デジタルカメラ３０における撮影準備状態の解除を行うことができる。よって、ユーザが意識的に特別な解除操作を行う必要はなくなるので、この点でも操作性が向上することになる。
【００５９】
＜２．第２の実施の形態＞
次に、第２の実施の形態として、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の具体的操作形態として、上述したものとは異なる形態について説明する。なお、本実施形態においても、撮影システム１、コンピュータ１０及びデジタルカメラ３０の構成は、第１の実施の形態で説明したものと同様である。
【００６０】
図７は、本実施形態において表示部１１に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。なお、図７においては、図３に示したものと同様の表示内容であるものには同一符号を付している。
【００６１】
図７に示す撮影指示用画面１０１は、コンピュータ１０において撮影指示プログラム２６ａが起動されると表示部１１に表示される画面であり、ユーザがマウス１４を操作した場合に、その入力信号に応じて画面内の任意の位置に移動するポインタ画像９０が表示される。また、画面１０１の下部所定位置には、ユーザがレリーズ操作を行うためのレリーズ用表示１７０が表示される。
【００６２】
レリーズ用表示１７０は、ユーザ操作に基づいて移動可能な操作オブジェクト１７１と、操作オブジェクト１７１が画面内で移動可能な経路（軌跡）１７２とを表示することによって形成される。経路１７２は、その左端位置に操作オブジェクト１７１に対するユーザ操作が与えられていない状態での初期位置が規定され、中間位置にレリーズボタン３１の半押し状態に対応するＳ１状態の位置（Ｓ１位置）が規定される。そして経路１７２の右端位置に、レリーズボタン３１の全押し状態に対応するＳ２状態の位置（Ｓ２位置）が規定される。
【００６３】
そしてデジタルカメラ３０に対して撮影指示が与えられるときには、マウス操作によって、ポインタ画像９０が操作オブジェクト１７１上に移動され、その状態でマウスボタンが押下操作（クリック操作）され、押下した状態のまま、経路１７２に沿ったドラッグ操作が行われることになる。これにより、図８（ａ）及び（ｂ）に示すように、操作オブジェクト１７１が経路１７２に沿って右方向に移動し、Ｓ１位置を必ず経由してＳ２位置に移動することになる。
【００６４】
そして本実施形態におけるコンピュータ１０では、操作オブジェクト１７１が経路１７２上の初期位置から移動を開始して、Ｓ１位置を経由し、Ｓ２位置に移動させる、という一連の操作のうち、操作オブジェクト１７１がＳ１位置に達したときに（図８（ａ）参照）、撮影準備指令送信部２２ａが機能し、撮影準備指令を送出する。そしてさらにドラッグ操作が継続され、Ｓ２位置に達したときに（図８（ｂ）参照）、撮影開始指令送信部２２ｂが機能し、撮影開始指令を送出するようになっている。
【００６５】
したがって、デジタルカメラ３０では、操作オブジェクト１７１がＳ１位置に移動したときに、撮影準備動作が開始され、自動露出制御や自動合焦制御が行われる。そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。
【００６６】
また、デジタルカメラ３０では、操作オブジェクト１７１がＳ２位置に移動したときに、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。
【００６７】
また、ユーザのドラッグ操作によって操作オブジェクト１７１が初期位置からＳ１位置までの間に位置しているとき、ユーザがドラッグ操作を解除すると、操作オブジェクト１７１は初期位置に復帰する。このときコンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して指令信号は送出されない。
【００６８】
さらに、ユーザのドラッグ操作によって操作オブジェクト１７１がＳ１位置からＳ２位置までの間に位置しているときに、ユーザがドラッグ操作を解除した場合も、操作オブジェクト１７１は初期位置に復帰する。ただし、このときデジタルカメラ３０では既に撮影準備動作が開始されているので、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令が送出される。
【００６９】
以上のように、本実施形態では、コンピュータ１０の表示部１１に、ドラッグ操作によって所定経路１７２を移動可能な操作オブジェクト１７１が表示され、操作オブジェクト１７１がドラッグ操作によって経路１７２上の中間点を通過したことが検知された場合に撮影準備指令が送出され、操作オブジェクト１７１がドラッグ操作によって経路１７２上の最終点に至ったことが検知された場合に撮影開始指令が送出されるようになっている。
【００７０】
したがって、本実施形態においても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【００７１】
また、ユーザが撮影指示を与える際には、経路１７２に沿って操作オブジェクト１７１を移動させるという、一連のドラッグ操作をＳ２位置に至るまで連続して行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラ３０に送出されるので、ユーザは特に意識をすることなく、撮影動作の開始前に必ず撮影準備動作を行わせるための操作をすることができる。また、上記のようなドラッグ操作もまた、近年のコンピュータにおけるＧＵＩとして一般的な操作であって、複雑な操作ではない。よって、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の操作性が向上する。
【００７２】
また、本実施形態では、操作オブジェクト１７１がＳ１位置からＳ２位置の間にあるときに、ドラッグ操作が解除されると、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作を解除する解除指令が自動的に送信されるようになっている。このため、第１の実施の形態と同様に、デジタルカメラ３０を単独使用する場合と同様に、ユーザが特に意識することなく、デジタルカメラ３０における撮影準備状態の解除を行うことができる。
【００７３】
＜３．第３の実施の形態＞
次に、第３の実施の形態として、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の具体的操作形態として、上述したものとはさらに異なる形態について説明する。なお、本実施形態においても、撮影システム１、コンピュータ１０及びデジタルカメラ３０の構成は、第１の実施の形態で説明したものと同様である。
【００７４】
図９は、本実施形態において表示部１１に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。なお、図９においては、図３に示したものと同様の表示内容に関するものには同一符号を付している。
【００７５】
図９に示す撮影指示用画面１０２は、コンピュータ１０において撮影指示プログラム２６ａが起動されると表示部１１に表示される画面であり、ユーザがマウス１４を操作した場合に、その入力信号に応じて画面内の任意の位置に移動するポインタ画像９０が表示される。また、画面１０１の下部所定位置には、ユーザがレリーズ操作を行うための入力エリア１８０が表示される。
【００７６】
入力エリア１８０は、ユーザがマウス操作を行うことによって描画可能な領域であり、例えばポインタ画像９０が入力エリア１８０内の任意の位置にあるときに、マウスボタンが押下され、その状態のままドラッグ操作が行われると、ポインタ画像９０の軌跡に沿って線画が表示されることになる。そしてユーザがマウスボタンの押下状態を解除すると、描画処理が終了する。
【００７７】
そしてデジタルカメラ３０に対して撮影指示が与えられるときには、マウス操作によって、ポインタ画像９０が入力エリア１８０内に移動され、任意の始点においてマウスボタンが押下操作（クリック操作）され、ドラッグ操作による描画操作が行われた後、最終的に始点と略一致する位置において描画操作が終了される。
【００７８】
そして本実施形態におけるコンピュータ１０では、入力エリア１８０においてある始点から終点までの一筆書きの描画操作という一連の操作のうち、入力エリア１８０においてマウスボタンが押下され、描画始点の指定が行われたときに、撮影準備指令送信部２２ａが機能し、撮影準備指令を送出する。そしてさらにドラッグ操作（描画操作）が継続された後、描画終点が指定され、その描画終点が描画始点と略一致するときに、撮影開始指令送信部２２ｂが機能し、撮影開始指令を送出するようになっている。
【００７９】
したがって、デジタルカメラ３０では、入力エリア１８０内に描画始点が指定されたときに、撮影準備動作を開始し、自動露出制御や自動合焦制御を行う。そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。
【００８０】
また、デジタルカメラ３０では、入力エリア１８０において描画始点にほぼ一致する位置で描画操作が終了されたとき、言い換えれば、描画始点と描画終点とが一定領域内に含まれるときに、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。
【００８１】
また、ユーザの描画操作が、描画始点とは異なる位置で終了すると、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令が送出される。つまり、このときデジタルカメラ３０では既に撮影準備動作が開始されているので、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令を送出することにより、撮影準備動作を停止させるのである。
【００８２】
なお、上記のように、描画始点及び描画終点が指定されたときに、撮影準備指令及び撮影開始指令を送出する形態の他にも、予め撮影指示用図形（例えば図９に示すような星形図形等）を定めておき、撮影制御部２２が入力図形と予め定められた図形とのパターンマッチングを行い、入力図形が撮影指示用図形を半完成させた時点で撮影準備指令を送出し、全完成させた時点で撮影開始指令を送出するようにしてもよい。
【００８３】
以上のように、本実施形態では、コンピュータ１０の表示部１１に、マウス操作によって描画可能な入力エリア１８０が表示され、図形の描画が開始されたとき、若しくは図形が半完成したときに、撮影準備指令が送出され、図形が予め定められた条件で描画終了となったときに撮影開始指令が送出されるようになっている。
【００８４】
したがって、本実施形態においても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【００８５】
また、ユーザが撮影指示を与える際には、入力エリア１８０内にポインタ画像９０を移動させ、ある始点から描画操作を開始してその始点とほぼ同一の位置で描画操作を終了させるという、一連の操作を行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラ３０に送出されるので、ユーザは特に意識をすることなく、撮影動作の開始前に必ず撮影準備動作を行わせるための操作をすることができる。また、上記のようなドラッグ操作もまた、近年のコンピュータにおけるＧＵＩとして、描画操作を行う場合の一般的な操作であって、複雑な操作ではない。よって、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の操作性が向上する。
【００８６】
また、本実施形態では、描画操作が途中で終了すると、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作を解除する解除指令が自動的に送信されるようになっている。このため、上述した実施形態と同様に、デジタルカメラ３０を単独使用する場合と同様に、ユーザが特に意識することなく、デジタルカメラ３０における撮影準備状態の解除を行うことができる。
【００８７】
＜４．第４の実施の形態＞
次に、第４の実施の形態として、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の具体的操作形態として、主としてキーボード１３を用いた操作形態について説明する。なお、本実施形態においても、撮影システム１、コンピュータ１０及びデジタルカメラ３０の構成は、第１の実施の形態で説明したものと同様である。
【００８８】
図１０は、本実施形態において表示部１１に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。なお、図１０においては、図３に示したものと同様の表示内容に関するものには同一符号を付している。
【００８９】
図１０に示す撮影指示用画面１０３は、コンピュータ１０において撮影指示プログラム２６ａが起動されると表示部１１に表示される画面であり、ユーザがキーボード１３を操作してコマンド入力を行うためのコマンド入力エリア１３１が表示される。
【００９０】
コマンド入力エリア１３１は、撮影指示プログラム２６ａによって規定されたコマンドを入力することにより、ＣＰＵ２０に対して各種指令を与えるための入力エリアである。このため、ユーザがコンピュータ１０に接続されたデジタルカメラ３０の諸条件を設定変更したり、デジタルカメラ３０に対して撮影指示を与える際には、キーボード１３を介してコマンド入力エリア１３１に所定の文字列を入力することになる。
【００９１】
そしてデジタルカメラ３０に対して撮影指示を与えるときには、キーボード操作によって、コマンド入力エリア１３１に所定文字列の撮影指示コマンド１３１ａが入力される。図１０に示す例では、撮影指示コマンド１３１ａは「ｃａｐｔｕｒｅ」なる文字列によって構成されている。
【００９２】
そして、この場合コンピュータ１０では、コマンド入力エリア１３１において「ｃａｐｔｕｒｅ」なる文字列の１文字目から入力が開始され、最終文字までの文字入力が行われるという、一連の操作のうち、例えば「ｃａｐ」の中間段階の文字列入力が検出されたときに、撮影準備指令送信部２２ａが機能し、撮影準備指令を送出する。そしてさらに文字入力が継続され、最終的に「ｃａｐｔｕｒｅ」なる最終段階の文字列入力が検出されたときに、撮影開始指令送信部２２ｂが機能して、撮影開始指令を送出するようになっている。
【００９３】
したがって、デジタルカメラ３０では、コマンド入力エリア１３１に対して予め定められた撮影指示文字列のうちの先頭文字から中間文字までの入力が行われた時点で、撮影準備動作を開始し、自動露出制御や自動合焦制御を行う。そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。
【００９４】
また、デジタルカメラ３０では、コマンド入力エリア１３１に対して予め定められた撮影指示文字列のうちの先頭文字から最終文字までの入力が行われた時点で、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。
【００９５】
また、コンピュータ１０から撮影準備指令が送出された後、ユーザによるコマンドが、所定の撮影指示コマンド１３１ａとは一致しなくなった場合（例えば、「ｃａｐ」の後の文字列が「ｔｕｒｅ」に一致しない場合）には、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令が送出される。つまり、このときデジタルカメラ３０では既に撮影準備動作が開始されているので、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令を送出することにより、撮影準備動作を停止させるのである。
【００９６】
このように、コンピュータ１０の表示部１１に、コマンド入力エリア１３１を表示し、所定文字列で規定される撮影指示コマンド１３１ａのうちの中間文字列までの入力が検知されたときに撮影準備指令を送出し、最終文字列までの入力が検知されたときに撮影開始指令が送出するように構成しても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【００９７】
次に、文字列入力でない場合の操作形態について説明する。例えば、キーボード１３がＪＩＳ規格キーボードである場合、ローマ字入力モードにおいて、「！」のような特定文字を入力しようとすると、シフトキーを押下しつつ、「！」キーを押下することが必要になる。したがって、このような一連の操作を、撮影指示を与える際のキーボード操作として割り当ててもよい。ただし、その場合、キーボード１３において使用するボタンは、シフトキーと「！」キーとに限られるものではない。
【００９８】
つまり、デジタルカメラ３０に対して撮影指示を与えるときには、キーボード１３における第１のボタン（例えばシフトキー）を押下しつつ、さらに第２のボタン（例えば「！」キー）を押下するというキーボード操作が行われる。
【００９９】
そして、この場合コンピュータ１０では、第１のボタンが押下され、その状態でさらに第２のボタンが押下されるという一連の操作のうち、第１のボタンが押下されたときに、撮影準備指令送信部２２ａが機能し、撮影準備指令を送出する。そしてさらに第１のボタンが押下されたまま第２のボタンが押下されたときに、撮影開始指令送信部２２ｂが機能して、撮影開始指令を送出するようになっている。
【０１００】
したがって、デジタルカメラ３０では、第１のボタンが押下された時点で、撮影準備動作を開始し、自動露出制御や自動合焦制御を行う。そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。
【０１０１】
また、デジタルカメラ３０では、第１のボタンが押下された状態のままで第２のボタンが押下された時点で、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。
【０１０２】
また、コンピュータ１０から撮影準備指令が送出された後、ユーザによる第２のボタンの押下操作が行われず、第１のボタンの押下状態が解除された場合には、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令が送出される。つまり、このときデジタルカメラ３０では既に撮影準備動作が開始されているので、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令を送出することにより、撮影準備動作を停止させるのである。
【０１０３】
このように、コンピュータ１０がデジタルカメラ３０に対して撮影指示を与える際の一連の操作を、キーボード１３に含まれる第１のボタン及び第２のボタンがともに押下された状態に至る操作として規定し、第１のボタンの押下操作が行われた場合に撮影準備指令を送出するとともに、第１のボタンが押下された状態で、第２のボタンの押下操作が行われた場合に撮影開始指令を送出するように構成しても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになる。そのため、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【０１０４】
以上のように、本実施形態においても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになり、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【０１０５】
また、ユーザが撮影指示を与える際に、上記一連の操作を行うだけでデジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われるため、デジタルカメラ３０に撮影準備動作を行わせることを意識せずともよいので、操作性が向上する。
【０１０６】
また、本実施形態でも、上記一連の操作が最終段階まで行わなかった場合、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作を解除する解除指令が自動的に送信されるようになっているので、デジタルカメラ３０を単独使用する場合と同様に、ユーザが特に意識することなく、デジタルカメラ３０における撮影準備状態の解除を行うことができる。
【０１０７】
＜５．変形例＞
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【０１０８】
例えば、上記実施形態においては、コンピュータ１０がいわゆる卓上型コンピュータである例を示したが、これに限定されるものではなく、ノート型コンピュータであっても構わない。またその他にも、ＰＤＡや携帯電話機等の携帯用小型コンピュータであってもよい。
【０１０９】
また、上記実施形態においては、マウス操作が行われる場合の一連の操作についても説明したが、そのような操作が行われるのはマウス１４を使用した場合に限定されない。例えば、近年のノート型コンピュータに搭載されているようなパッド型ポインティングデバイスであってもよいし、ＰＤＡ等に用いられるペン入力用デバイスであってもよい。つまり、上述したマウス操作の例は、マウス１４を用いる場合に限られず、その他のポインティングデバイスを用いた場合にも適用されうるものである。
【０１１０】
なお、上述した実施形態には、以下の発明概念が含まれる。
【０１１１】
（１）請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記表示手段の画面内に、前記入力信号に応じて前記画面内を移動するポインタ画像を表示させるとともに、前記ポインタ画像の移動軌跡に沿った描画を行う描画領域を表示させる表示制御手段として機能させ、前記描画領域において前記ポインタ画像の移動軌跡による描画が所定の中間段階まで行われた場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、前記描画領域において前記ポインタ画像の移動軌跡による描画が所定の最終段階まで行われた場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴とする撮影指示プログラム。
【０１１２】
これにより、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、撮影画像の画質低下を抑制することができるとともに、撮影指示を与える際の操作性が向上する。
【０１１３】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１に記載の発明によれば、デジタルカメラに対して撮影指示を与えるための撮影指示プログラムが実行されることにより、コンピュータを介してユーザが撮影指示を与える際には、所定の一連の操作を最終段階に至るまで連続して行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラに送出されることになる。それ故、ユーザが操作を行う際の操作性が向上するとともに、デジタルカメラで取得される撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【０１１４】
また、請求項２乃至４に記載の各発明によれば、撮影指示プログラムが実行されることにより、ユーザが撮影指示を与える際の操作が特に簡単なものとなる。
【０１１５】
また、請求項５に記載の発明によれば、コンピュータに対して、所定の一連の操作が最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、デジタルカメラにおいて撮影準備動作が行われ、その一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合に、デジタルカメラにおいて撮影動作が行われるので、コンピュータを介してユーザが撮影指示を与える際には、所定の一連の操作を最終段階に至るまで連続して行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラに送出されることになる。それ故、ユーザが操作を行う際の操作性が向上するとともに、デジタルカメラで取得される撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】撮影システムの構成例を示す図である。
【図２】撮影システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【図３】第１の実施の形態において表示部に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。
【図４】ポインタ画像が撮影指示領域に配置された状態を示す図である。
【図５】コンピュータからデジタルカメラに撮影指示を与える際の処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図６】コンピュータからデジタルカメラに撮影指示を与える際の処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図７】第２の実施の形態において表示部に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。
【図８】操作オブジェクトを所定経路に沿って移動させる状態を示す図である。
【図９】第３の実施の形態において表示部に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。
【図１０】第４の実施の形態において表示部に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
１ 撮影システム
２ ケーブル
１０ コンピュータ
１１ 表示部
１２ 本体部
１３ キーボード
１４ マウス
１５ 操作入力部
２０ ＣＰＵ
２１ 表示制御部
２２ 撮影制御部
２２ａ 撮影準備指令送信部
２２ｂ 撮影開始指令送信部
２６ 記憶部
２６ａ 撮影指示プログラム
３０ デジタルカメラ
３３ 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータとデジタルカメラとがデータ通信可能に接続された環境で、コンピュータからデジタルカメラに対して撮影指示を与えるための技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般的なデジタルカメラでは、例えばレリーズボタン（シャッタボタン）が２段階の押し込みスイッチとなっており、半押し状態（これをＳ１状態という。）で自動露出制御（ＡＥ）や自動合焦制御（ＡＦ）等の撮影準備動作が行われ、全押し状態（これをＳ２状態という。）で記録用の画像を撮影するための撮影動作が行われるようになっている。
【０００３】
また、パーソナルコンピュータ（以下、単に「コンピュータ」という。）に専用カメラ（いわゆるＰＣカメラ等）を接続し、コンピュータのユーザインタフェースを用いて撮影タイミングの指示を行うことにより、コンピュータからカメラに対して撮影指示を与える撮影システムも従来から知られている。
【０００４】
ところが、携行して撮影を行うことも可能なデジタルカメラをコンピュータに接続してコンピュータから撮影指示を与える場合、コンピュータにはレリーズボタンのような２段階押し込みスイッチが設けられていないのが実状であり、何らかの操作を撮影準備動作及び撮影動作のそれぞれに割り当てる必要が生じる。
【０００５】
従来、この種の割り当てとして、例えばマウスに対する１回のクリック操作（ワンクリック操作）で撮影準備動作を開始し、連続する２回のクリック操作（ダブルクリック操作）で撮影動作を行うものが知られている（例えば、特許文献１）。このような割り当てによれば、コンピュータユーザが撮影指示を与える際には、まずマウスをワンクリック操作して撮影準備動作を行わせ、その後ダブルクリック操作して記録のための撮影動作を行わせることになる。
【０００６】
【特許文献１】
特開平８−２６３１９９号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような割り当てを行うと、撮影準備動作と撮影動作とが全く関連性のない別の操作によって実行されることになるため、撮影動作によって取得される撮影画像の画質が低下するとともに、操作性が著しく低いという問題がある。
【０００８】
すなわち、従来の割り当てでは、ユーザが意図的に撮影準備動作を行わせるための操作を行わなければならず、操作性が低いものとなっている。また、撮影準備動作が行われていない状態でも、マウスのダブルクリック操作が行われる可能性があり、そのような操作が行われた場合には、露出アンダー若しくはオーバー、又は暈け状態の撮影画像が取得され、低画質の画像しか得られない。
【０００９】
また、ワンクリック操作の後、ダブルクリック操作が行われるまでに長時間が経過すると、撮影準備動作によって固定された撮影条件が被写体の変動等によって適切なものとなくなる可能性があり、その場合にも良好な撮影画像を取得することができなくなる。これを防止するためには、ダブルクリック操作前に撮影条件が固定された状態を解除し、その後あらためてワンクリック操作を行うことが考えられる。しかしこの場合、撮影条件の固定状態を解除するために、上記ワンクリック操作やダブルクリック操作とは異なる特別な操作を意図的に行う必要が生じる。このような解除操作はデジタルカメラを単独使用する場合には存在しない操作であり、デジタルカメラをコンピュータに接続した場合と単独使用する場合とで撮影時の操作感が著しく異なることとなって、操作性が低下する。
【００１０】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、コンピュータからデジタルカメラに撮影指示を与える場合に、撮影動作が必ず撮影準備動作の後に行われるようにして撮影画像の画質低下を抑制し、かつ、その際の操作性がデジタルカメラ単独使用の場合と同様の操作性となる技術の提供を目的としている。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、デジタルカメラとデータ通信可能に接続されたコンピュータにおいて実行され、表示手段及び操作入力手段を備える前記コンピュータから、前記デジタルカメラに対して撮影指示を与えるための撮影指示プログラムであって、前記コンピュータを、前記操作入力手段からの前記入力信号に基づき、所定の一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影開始指令を送出する撮影開始指令送信手段、及び、前記入力信号に基づき、前記一連の操作が前記最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影準備指令を送出する撮影準備指令送信手段、として機能させるように構成される。
【００１２】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記表示手段の画面内の特定領域に撮影指示領域を表示させるとともに、前記入力信号に応じて前記画面内を移動するポインタ画像を表示させる表示制御手段、として機能させ、前記ポインタ画像が前記撮影指示領域内に移動した場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、前記ポインタ画像が前記撮影指示領域内にあり、かつ、所定のボタン操作が検知された場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴としている。
【００１３】
請求項３に記載の発明は、請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記表示手段の画面に、前記操作入力手段に対するドラッグ操作によって所定経路を移動させることが可能な操作オブジェクトを表示させる表示制御手段、として機能させ、前記操作オブジェクトが前記ドラッグ操作によって前記経路上の中間点を通過したことが検知された場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、前記操作オブジェクトが前記ドラッグ操作によって前記経路上の最終点に至ったことが検知された場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴としている。
【００１４】
請求項４に記載の発明は、請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記一連の操作が、前記操作入力手段に含まれる第１のボタン及び第２のボタンがともに押下された状態に至る操作であり、前記第１のボタンの押下操作が行われた場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、前記第１のボタンが押下された状態で、前記第２のボタンの押下操作が行われた場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴としている。
【００１５】
請求項５に記載の発明は、デジタルカメラとコンピュータとが互いにデータ通信可能に接続され、前記コンピュータから、前記デジタルカメラに対して撮影指示を与える撮影システムであって、前記コンピュータが、所定の操作入力手段からの前記入力信号に基づき、所定の一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影開始指令を送出する撮影開始指令送信手段と、前記入力信号に基づき、前記一連の操作が前記最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影準備指令を送出する撮影準備指令送信手段と、を備え、前記デジタルカメラが、前記コンピュータから前記撮影準備指令を受信した場合に、撮影動作時における撮影条件を決定する為の撮影準備動作を行う手段と、前記コンピュータから前記撮影開始指令を受信した場合に、前記撮影条件を適用して撮影動作を行う手段と、を備えて構成される。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【００１７】
＜１．第１の実施の形態＞
図１は本実施形態にかかる撮影システム１の構成例を示す図である。また、図２は撮影システム１の機能構成の一例を示すブロック図である。
【００１８】
図１に示すように、この撮影システム１は、コンピュータ１０とデジタルカメラ３０とがＵＳＢ規格等のケーブル２によって接続され、互いにデータ通信可能なように構成される。ただし、ケーブル２を介した有線通信の他に、無線通信によってデータ通信が可能なように構成されてもよい。
【００１９】
撮影システム１では、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して撮影指示が与えられるようになっており、デジタルカメラ３０はコンピュータ１０から撮影指示に応答して撮影動作を行い、記録用の撮影画像を取得する。また、デジタルカメラ３０はコンピュータ１０との接続状態を切り離してカメラ単独でも使用することができるようになっている。そのためデジタルカメラ３０には、一般的なデジタルカメラと同様に、２段階押し込み式のレリーズボタン３１が設けられ、カメラ単独使用時にはレリーズボタン３１の押下操作が行われることにより、撮影画像を取得することができる。
【００２０】
コンピュータ１０は、例えば、卓上型の一般的なパーソナルコンピュータによって構成され、ＬＣＤやＣＲＴ等を用いて形成される表示部１１と、内部にＣＰＵ２０や記憶部２６等が設けられた本体部１２と、キーボード１３やマウス１４等を備えて構成される操作入力部１５と、を含む構成となっている。また、本体部１２には、図２に示すように、撮影指示プログラム２６ａを実行するＣＰＵ２０、ハードディスク等で構成される記憶部２６、ＣＤ−ＲＯＭ等の記録媒体９から撮影指示プログラム等を読み込む入出力インタフェース２８、及び、デジタルカメラ３０とのデータ通信を行う通信インタフェース２９が設けられる。
【００２１】
撮影指示プログラム２６ａは、例えばＣＰＵ２０によるインストール動作によって記録媒体９から記憶部２６に格納される。そしてコンピュータ１０の、デジタルカメラ３０に対する撮影指示機能は、ＣＰＵ２０が記憶部２６に格納された撮影指示プログラム２６ａを読み込み、それを実行することによって実現される。ただし、ＣＰＵ２０によるプログラム実行時に、記録媒体９に格納される撮影指示プログラムを、ＣＰＵ２０が直接読み出して実行するようにしてもよい。また、図示しないネットワーク等を介して他のコンピュータ等から撮影指示プログラムを取得するようにしてもよい。
【００２２】
ＣＰＵ２０において撮影指示プログラム２６ａが実行されると、ＣＰＵ２０は主に、表示制御部２１、撮影制御部２２及び記録処理部２３として機能する。
【００２３】
表示制御部２１は、コンピュータユーザ（以下、単にユーザという。）がキーボード１３やマウス１４等から撮影指示操作を行う際の操作性を向上させるために表示部１１に撮影指示用画面（図３等参照）を表示するものである。
【００２４】
撮影制御部２２は、通信インタフェース２９を介してデジタルカメラ３０とのデータ通信を行うように構成される。具体的には、ユーザの撮影指示操作によってキーボード１３やマウス１４等から入力する入力信号に基づき、通信インタフェース２９を介してデジタルカメラ３０に各種指令信号を送出したり、デジタルカメラ３０からステイタス信号を入力してデジタルカメラ３０の状態を把握するようになっている。
【００２５】
そして、キーボード１３やマウス１４等から入力する入力信号に基づき、所定の一連の操作が中間段階まで行われたことが検知された場合、撮影制御部２２では撮影準備指令送信部２２ａが機能し、デジタルカメラ３０に対して撮影準備指令が送出される。さらにその一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合には、撮影制御部２２において撮影開始指令送信部２２ｂが機能し、デジタルカメラ３０に対して撮影開始指令が送出される。このため、撮影制御部２２では撮影開始指令送信部２２ｂが機能する前には必ず撮影準備指令送信部２２ａが機能するようになっている。
【００２６】
さらに撮影制御部２２は、表示部１１における撮影指示用画面の表示内容を変更する必要が生じた場合には表示制御部２１に対して変更指示を与えることにより、その表示内容を変更させるようにも構成される。
【００２７】
記録処理部２３は、撮影制御部２２によって撮影指示が与えられた結果、デジタルカメラ３０で撮影された撮影画像を、通信インタフェース２９を介して入力すると、それを記憶部２６に記憶する。これにより、記憶部２６にはデジタルカメラ３０で取得された撮影画像２６ｂが格納される。
【００２８】
一方、デジタルカメラ３０は、その内部構成として通信インタフェース３２、制御部３３、撮像素子３４及び撮影レンズ３５を備えている。撮像素子３４は例えばＣＣＤイメージセンサ等で構成され、制御部３３から与えられる信号に基づいて撮像処理（露光動作）を行う。また、撮影レンズ３５は可動レンズ及び可変絞りを含んで構成され、制御部３３から与えられる信号に基づいてレンズ位置や絞り径等を変化させる。
【００２９】
制御部３３は、撮像素子３４及び撮影レンズ３５の駆動制御を行うことにより、被写体のリアルタイム像を表示するために行われるライブビュー画像取得動作、自動露出制御（ＡＥ）及び自動合焦制御（ＡＦ）等の撮影準備動作、並びに記録用の撮影画像を取得する際の撮影動作を統括的に制御する。
【００３０】
ライブビュー画像取得動作は、撮影動作が行われていないときに行われる動作であり、比較的簡単な撮影動作で例えば１秒間に数十フレームの画像取得が行われる。
【００３１】
例えば、カメラ単独使用時には、制御部３３は、レリーズボタン３１が半押し状態（Ｓ１状態）とされるまでの間、ライブビュー画像取得動作を行い、図示しない表示部に被写体のリアルタイム像を表示する。そしてレリーズボタン３１が半押し状態（Ｓ１状態）とされたときに、撮影準備動作を行って記録用の撮影画像を取得する際の撮影条件を決定し、その撮影条件を適用した状態（いわゆるロック状態）でレリーズボタン３１が全押し状態（Ｓ２状態）とされるのを待機する。そしてレリーズボタン３１が全押し操作されると、ロック状態の撮影条件を適用して撮影画像を取得するための撮影動作を行うようになっている。また、レリーズボタン３１が全押し操作されることなく、半押し状態が解除された場合、制御部３３は、撮影準備動作にて決定された撮影条件のロック状態を解除する。
【００３２】
これに対し、撮影システム１として、デジタルカメラ３０がコンピュータ１０と接続された状態にある場合には、制御部３３は、通信インタフェース３２を介してコンピュータ１０から受信する各種指令信号に基づいて各部の制御動作を行うようになる。具体的には、コンピュータ１０からの指令に基づいてライブビュー取得動作を行い、それによって取得されるライブビュー画像をコンピュータ１０に逐次送信するようになっている。そしてコンピュータ１０から撮影準備指令が与えられた場合に、撮影準備動作を行って記録用の撮影画像を取得する際の撮影条件を決定し、その撮影条件を適用した状態（ロック状態）で待機する。そして次に、コンピュータ１０から撮影開始指令が与えられると、制御部３３は、ロック状態の撮影条件を適用して撮影画像を取得するための撮影動作を行うことになる。そして撮影動作によって取得される撮影画像に対し、所定の画像処理を施した後、通信インタフェース３２を介してコンピュータ１０に撮影画像を送信する。また、撮影準備指令が与えられた後、コンピュータ１０から解除指令が与えられた場合、制御部３３は撮影条件のロック状態を解除する。
【００３３】
また制御部３３は、コンピュータ１０からその他の指令信号を受信したときには、その指令に対応する処理を行い、必要に応じてコンピュータ１０への信号の返信を行う。例えば、コンピュータ１０から解像度設定等の設定信号を受信したときには、制御部３３は撮影時の解像度設定を指定された解像度に設定し、設定変更後の解像度信号をコンピュータ１０に返信する。
【００３４】
以上のように撮影システム１では、ユーザが表示部１１に表示される画面を視認しつつキーボード１３又はマウス１４等の操作を行い、それによって予め定められた連続して行われる一連の操作が行われた場合に、コンピュータ１０がデジタルカメラ３０に対して撮影指示を与えるようになっている。
【００３５】
図３は表示部１１に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。図３に示す撮影指示用画面１００は、コンピュータ１０において撮影指示プログラム２６ａが起動されると表示部１１に表示される画面であり、ユーザは撮影指示用画面１００を視認しながら、キーボード１３やマウス１４等を操作することにより、デジタルカメラ３０の諸条件や撮影指示等の入力操作を行う。
【００３６】
撮影指示用画面１００には、図３に示すように、デジタルカメラ３０の動作状態を表示する状態表示項目１１０、コンピュータ１０とデジタルカメラ３０との接続状態をデータ通信可能な状態にするための接続ボタン１２０、記録用の撮影動作時に適用されるシャッタースピード等の撮影パラメータを希望の値に設定するためのパラメータ設定欄１３０、デジタルカメラ３０から受信するステイタス信号に基づきデジタルカメラ３０の現在の設定状態を表示するパラメータ表示欄１４０、デジタルカメラ３０から入力する画像を表示する画像表示欄１５０、及び、ユーザが撮影指示を与えるために撮影指示用画面１００の一部の領域に設けられたレリーズボタン表示１６０が表示される。また、撮影指示用画面１００には、ユーザがマウス１４を操作した場合に、その入力信号に応じて画面内の任意の位置に移動するポインタ画像９０が表示される。
【００３７】
このような画面１００に基づき、ユーザがポインタ画像９０を接続ボタン１２０上に移動させて、クリック操作を行うことにより、撮影制御部２２はデジタルカメラ３０が撮影指示プログラム２６ａに対応しているか否かの判定を行い、対応している場合に、コンピュータ１０とデジタルカメラ３０とのデータ通信を確立させる。そして撮影制御部２２はデジタルカメラ３０に対してライブビュー画像送信指令を送出する。これにより、デジタルカメラ３０は直ちにライブビュー画像取得動作を開始し、状態表示項目１１０には「ライブビュー中」である旨が表示されるとともに、画像表示欄１５０には逐次更新されるライブビュー画像が表示される。したがって、ユーザはコンピュータ１０の表示部１１を視認するだけで、リアルタイムな被写体像の確認を行うことができる。なお、表示制御部２１は、デジタルカメラ３０からライブビュー画像を入力した際に、表示部１１に適合したカラーマッチング処理を行い、表示部１１の表示特性に適した状態でライブビュー画像の表示を行う。
【００３８】
この状態において、ユーザがデジタルカメラ３０の撮影パラメータを変更したい場合にはパラメータ設定欄１３０に表示される各項目の値（図示せず）をマウス操作等によって希望する値に変更すればよい。そして変更操作が行われると、撮影制御部２２はデジタルカメラ３０に対してパラメータ設定変更指令を送出する。そしてデジタルカメラ３０においてパラメータの設定変更が行われるとともに、変更後の状態を示すステイタス信号が撮影制御部２２に返信される。また、変更後に取得されるライブビュー画像はパラメータの設定変更が反映された画像となる。ただし、ライブビュー画像取得動作に関係しないパラメータの設定変更である場合には、ライブビュー画像にその設定変更が反映されることはない。
【００３９】
撮影制御部２２はステイタス信号を受信すると、表示制御部２１を介してパラメータ表示欄１４０の表示内容を変更する。これにより、ユーザはデジタルカメラ３０において希望の設定が行われたことを認識できる。またこれに伴い、ライブビュー画像の画質が変わった場合には、その画質の適否をあらためて判断することができる。
【００４０】
以上のように、ユーザが撮影指示用画面１００に基づいて操作を行うことにより、デジタルカメラ３０を所望する状態に設定することができる。そしてデジタルカメラ３０に対して撮影指示が与えられるときには、マウス操作によって、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に移動され、その状態でマウスボタンの押下操作（クリック操作）が行われる。すなわち、図４に示すように、マウス１４によるポインタ画像９０（より厳密にはポインタの指示点）がレリーズボタン１６０の表示される領域（撮影指示領域）に含まれており、この状態でマウスボタンが押下されたときに、撮影開始指令が撮影制御部２２からデジタルカメラ３０に送出されるようになっている。
【００４１】
そして本実施形態では、ポインタ画像９０が画面１００内の任意の位置から移動を開始して、レリーズボタン１６０によって規定される撮影指示領域内に移動し、その状態でマウスボタンの押下操作が行われる、という一連の操作のうち、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０によって規定される撮影指示領域内に移動したときに、撮影準備指令送信部２２ａが機能して撮影準備指令を送出し、さらにその状態のままでマウスボタンが押下されたときに、撮影開始指令送信部２２ｂが機能して撮影開始指令を送出するように構成される。
【００４２】
したがって、デジタルカメラ３０では、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に移動したときに、撮影準備動作が開始され、自動露出制御や自動合焦制御が行われる。このとき、制御部３３はステイタス信号として撮影準備動作中である旨の信号をコンピュータ１０に対して送信する。これにより、コンピュータ１０の表示部１１で表示される撮影指示用画面１００において、状態表示項目１１０に「撮影準備中」である旨が表示される（図示せず）。
【００４３】
そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。また、撮影準備動作が完了すると、その結果はステイタス信号としてコンピュータ１０に送信される。ただし、被写体の種類等によっては合焦レンズ位置を正確に特定できない場合があり、そのような場合には撮影準備動作の完了を通知する際に、非合焦である旨が通信される。
【００４４】
さらにデジタルカメラ３０では、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に位置し、かつ、マウスボタンの押下操作が行われたときに、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。このとき撮影動作は、撮影指示用画面１００に対して予め設定された解像度等に基づいて行われる。よって、撮影動作により、ユーザの所望する条件での撮影画像が取得されることになる。
【００４５】
一方、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０によって規定される撮影指示領域内に移動した後、マウスボタンの押下操作が行われることなく、撮影指示領域の外側に移動した場合には、撮影準備指令送信部２２ａがデジタルカメラ３０に対し、解除指令を送出するようになっている。この解除指令は、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作の中断又は撮影条件のロック状態を解除させるための指令である。
【００４６】
次に、上述したような処理を実現するための具体的な処理シーケンスについて説明する。図５及び図６はコンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の処理シーケンスを示すフローチャートであり、コンピュータ１０で行われる処理を実線ブロックで、デジタルカメラ３０で行われる処理を破線ブロックで示している。
【００４７】
まず、撮影制御部２２は、キーボード１３又はマウス１４からの入力信号に基づいて、レリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在するか否かを判断する（ステップＳ１）。そしてレリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在する場合は、デジタルカメラ３０に対して撮影準備指令を送信する（ステップＳ２）。これにより、デジタルカメラ３０では撮影準備動作が行われ、撮影準備動作が完了すると、その結果がコンピュータ１０に送信される（ステップＳ３）。
【００４８】
撮影制御部２２はデジタルカメラ３０から撮影準備結果を受信すると（ステップＳ４）、その受信情報を基に撮影準備動作によって被写体の合焦状態が実現されたか否かを判断する（ステップＳ５）。そして合焦状態が実現されている場合、撮影指示用画面１００に合焦サインを表示する（ステップＳ６）。また、合焦状態が実現されていない場合、撮影指示用画面１００に非合焦サインを表示する（ステップＳ７）。これらの表示は、例えば状態表示項目１１０にその旨の表示を行ったり、レリーズボタン１６０の表示色を判断結果に応じて変化させることにより、行われる。
【００４９】
そして再び、撮影制御部２２が、キーボード１３又はマウス１４からの入力信号に基づいて、レリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在するか否かを判断する（ステップＳ８）。そしてレリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在すれば、マウスボタンの押下操作（クリック操作）が行われたか否かを判断する（ステップＳ９）。クリック操作が行われていない場合は、ステップＳ８に戻り、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に存在するか否かを監視する状態を継続させる。これに対し、クリック操作が行われた場合は、デジタルカメラ３０に対して撮影開始指令を送信する（ステップＳ１０）。これにより、デジタルカメラ３０では記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が行われ（ステップＳ１１）、撮影動作が終了して画像データの転送準備が整うと、その旨のメッセージがコンピュータ１０に送信される（ステップＳ１２）。
【００５０】
撮影制御部２２はデジタルカメラ３０から画像データの転送準備完了メッセージを受信すると（ステップＳ１２）、記録処理部２３を機能させる。そして記録処理部２３が記憶部２６にアクセスして指定フォルダ内に撮影画像を記録するためのファイルをオープンさせる（ステップＳ１３）。その後、撮影画像の受信が開始され（ステップＳ１４）、記憶部２６のファイルに撮影画像が書き込まれる（ステップＳ１５）。そして画像データの転送完了メッセージを受信すると（ステップＳ１６）、書き込まれたファイルがクローズされ、記録処理が終了する（ステップＳ１７）。
【００５１】
一方、ステップＳ８において、レリーズボタン１６０上にポインタ画像９０が存在しない状態となっていれば、撮影準備指令送信部２２ａが撮影準備解除指令をデジタルカメラ３０に送信する（ステップＳ２０）。これにより、ステップＳ３における撮影準備動作によって設定された撮影条件がロックされた状態から解除されることになる。そしてステップＳ６又はＳ７で表示した、合焦又は非合焦のサイン表示がオフ状態とされ、元の表示状態に戻される（ステップＳ２１）。
【００５２】
その後、ステップＳ１に戻り、上述した処理が繰り返されることになる。
【００５３】
以上のように、本実施形態においては、コンピュータ１０が撮影指示プログラム２６ａを実行することによって、キーボード１３やマウス１４等からの入力信号に基づいて、所定の一連の操作が最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、デジタルカメラ３０に対して撮影準備指令を送出し、最終段階まで行われたことが検知された場合に、デジタルカメラ３０に対して撮影開始指令を送出するように構成される。
【００５４】
そのため、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【００５５】
また、ユーザが撮影指示を与える際には、所定の一連の操作を最終段階に至るまで連続して行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラ３０に送出されるので、ユーザは特に意識をすることなく、撮影動作の開始前に必ず撮影準備動作を行わせるための操作をすることができる。これにより、デジタルカメラ３０を単独使用する場合に共通する操作性で撮影指示を行うことができ、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の操作性が向上する。
【００５６】
さらに、本実施形態では、コンピュータ１０における表示部１１の画面内に撮影指示領域となるレリーズボタン１６０を表示させるとともに、マウス１４等からの入力信号に応じて画面内を移動するポインタ画像９０を表示させるようになっている。そして、ポインタ画像９０がレリーズボタン１６０上に移動した場合に撮影準備指令を送出するとともに、その状態で所定のボタン操作が検知された場合に撮影開始指令を送出するようになっている。
【００５７】
このようなユーザ操作は、近年のコンピュータにおけるＧＵＩとして、一般的な操作であって、複雑な操作ではない。そしてユーザが画面上に表示されるレリーズボタン１６０をマウス操作によって押下しようとすれば、それだけで撮影動作の前に必ず撮影準備動作が行われることになる。したがって、上記のように構成することで、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の操作性が特に向上することになる。
【００５８】
また、本実施形態では、コンピュータ１０に対する所定の一連の操作が最終段階に至るまでに、一連の操作手順に沿わない操作が行われた場合には、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作を解除する解除指令が送信されるようになっている。このため、デジタルカメラ３０を単独使用する場合に共通する操作性で、デジタルカメラ３０における撮影準備状態の解除を行うことができる。よって、ユーザが意識的に特別な解除操作を行う必要はなくなるので、この点でも操作性が向上することになる。
【００５９】
＜２．第２の実施の形態＞
次に、第２の実施の形態として、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の具体的操作形態として、上述したものとは異なる形態について説明する。なお、本実施形態においても、撮影システム１、コンピュータ１０及びデジタルカメラ３０の構成は、第１の実施の形態で説明したものと同様である。
【００６０】
図７は、本実施形態において表示部１１に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。なお、図７においては、図３に示したものと同様の表示内容であるものには同一符号を付している。
【００６１】
図７に示す撮影指示用画面１０１は、コンピュータ１０において撮影指示プログラム２６ａが起動されると表示部１１に表示される画面であり、ユーザがマウス１４を操作した場合に、その入力信号に応じて画面内の任意の位置に移動するポインタ画像９０が表示される。また、画面１０１の下部所定位置には、ユーザがレリーズ操作を行うためのレリーズ用表示１７０が表示される。
【００６２】
レリーズ用表示１７０は、ユーザ操作に基づいて移動可能な操作オブジェクト１７１と、操作オブジェクト１７１が画面内で移動可能な経路（軌跡）１７２とを表示することによって形成される。経路１７２は、その左端位置に操作オブジェクト１７１に対するユーザ操作が与えられていない状態での初期位置が規定され、中間位置にレリーズボタン３１の半押し状態に対応するＳ１状態の位置（Ｓ１位置）が規定される。そして経路１７２の右端位置に、レリーズボタン３１の全押し状態に対応するＳ２状態の位置（Ｓ２位置）が規定される。
【００６３】
そしてデジタルカメラ３０に対して撮影指示が与えられるときには、マウス操作によって、ポインタ画像９０が操作オブジェクト１７１上に移動され、その状態でマウスボタンが押下操作（クリック操作）され、押下した状態のまま、経路１７２に沿ったドラッグ操作が行われることになる。これにより、図８（ａ）及び（ｂ）に示すように、操作オブジェクト１７１が経路１７２に沿って右方向に移動し、Ｓ１位置を必ず経由してＳ２位置に移動することになる。
【００６４】
そして本実施形態におけるコンピュータ１０では、操作オブジェクト１７１が経路１７２上の初期位置から移動を開始して、Ｓ１位置を経由し、Ｓ２位置に移動させる、という一連の操作のうち、操作オブジェクト１７１がＳ１位置に達したときに（図８（ａ）参照）、撮影準備指令送信部２２ａが機能し、撮影準備指令を送出する。そしてさらにドラッグ操作が継続され、Ｓ２位置に達したときに（図８（ｂ）参照）、撮影開始指令送信部２２ｂが機能し、撮影開始指令を送出するようになっている。
【００６５】
したがって、デジタルカメラ３０では、操作オブジェクト１７１がＳ１位置に移動したときに、撮影準備動作が開始され、自動露出制御や自動合焦制御が行われる。そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。
【００６６】
また、デジタルカメラ３０では、操作オブジェクト１７１がＳ２位置に移動したときに、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。
【００６７】
また、ユーザのドラッグ操作によって操作オブジェクト１７１が初期位置からＳ１位置までの間に位置しているとき、ユーザがドラッグ操作を解除すると、操作オブジェクト１７１は初期位置に復帰する。このときコンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して指令信号は送出されない。
【００６８】
さらに、ユーザのドラッグ操作によって操作オブジェクト１７１がＳ１位置からＳ２位置までの間に位置しているときに、ユーザがドラッグ操作を解除した場合も、操作オブジェクト１７１は初期位置に復帰する。ただし、このときデジタルカメラ３０では既に撮影準備動作が開始されているので、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令が送出される。
【００６９】
以上のように、本実施形態では、コンピュータ１０の表示部１１に、ドラッグ操作によって所定経路１７２を移動可能な操作オブジェクト１７１が表示され、操作オブジェクト１７１がドラッグ操作によって経路１７２上の中間点を通過したことが検知された場合に撮影準備指令が送出され、操作オブジェクト１７１がドラッグ操作によって経路１７２上の最終点に至ったことが検知された場合に撮影開始指令が送出されるようになっている。
【００７０】
したがって、本実施形態においても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【００７１】
また、ユーザが撮影指示を与える際には、経路１７２に沿って操作オブジェクト１７１を移動させるという、一連のドラッグ操作をＳ２位置に至るまで連続して行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラ３０に送出されるので、ユーザは特に意識をすることなく、撮影動作の開始前に必ず撮影準備動作を行わせるための操作をすることができる。また、上記のようなドラッグ操作もまた、近年のコンピュータにおけるＧＵＩとして一般的な操作であって、複雑な操作ではない。よって、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の操作性が向上する。
【００７２】
また、本実施形態では、操作オブジェクト１７１がＳ１位置からＳ２位置の間にあるときに、ドラッグ操作が解除されると、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作を解除する解除指令が自動的に送信されるようになっている。このため、第１の実施の形態と同様に、デジタルカメラ３０を単独使用する場合と同様に、ユーザが特に意識することなく、デジタルカメラ３０における撮影準備状態の解除を行うことができる。
【００７３】
＜３．第３の実施の形態＞
次に、第３の実施の形態として、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の具体的操作形態として、上述したものとはさらに異なる形態について説明する。なお、本実施形態においても、撮影システム１、コンピュータ１０及びデジタルカメラ３０の構成は、第１の実施の形態で説明したものと同様である。
【００７４】
図９は、本実施形態において表示部１１に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。なお、図９においては、図３に示したものと同様の表示内容に関するものには同一符号を付している。
【００７５】
図９に示す撮影指示用画面１０２は、コンピュータ１０において撮影指示プログラム２６ａが起動されると表示部１１に表示される画面であり、ユーザがマウス１４を操作した場合に、その入力信号に応じて画面内の任意の位置に移動するポインタ画像９０が表示される。また、画面１０１の下部所定位置には、ユーザがレリーズ操作を行うための入力エリア１８０が表示される。
【００７６】
入力エリア１８０は、ユーザがマウス操作を行うことによって描画可能な領域であり、例えばポインタ画像９０が入力エリア１８０内の任意の位置にあるときに、マウスボタンが押下され、その状態のままドラッグ操作が行われると、ポインタ画像９０の軌跡に沿って線画が表示されることになる。そしてユーザがマウスボタンの押下状態を解除すると、描画処理が終了する。
【００７７】
そしてデジタルカメラ３０に対して撮影指示が与えられるときには、マウス操作によって、ポインタ画像９０が入力エリア１８０内に移動され、任意の始点においてマウスボタンが押下操作（クリック操作）され、ドラッグ操作による描画操作が行われた後、最終的に始点と略一致する位置において描画操作が終了される。
【００７８】
そして本実施形態におけるコンピュータ１０では、入力エリア１８０においてある始点から終点までの一筆書きの描画操作という一連の操作のうち、入力エリア１８０においてマウスボタンが押下され、描画始点の指定が行われたときに、撮影準備指令送信部２２ａが機能し、撮影準備指令を送出する。そしてさらにドラッグ操作（描画操作）が継続された後、描画終点が指定され、その描画終点が描画始点と略一致するときに、撮影開始指令送信部２２ｂが機能し、撮影開始指令を送出するようになっている。
【００７９】
したがって、デジタルカメラ３０では、入力エリア１８０内に描画始点が指定されたときに、撮影準備動作を開始し、自動露出制御や自動合焦制御を行う。そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。
【００８０】
また、デジタルカメラ３０では、入力エリア１８０において描画始点にほぼ一致する位置で描画操作が終了されたとき、言い換えれば、描画始点と描画終点とが一定領域内に含まれるときに、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。
【００８１】
また、ユーザの描画操作が、描画始点とは異なる位置で終了すると、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令が送出される。つまり、このときデジタルカメラ３０では既に撮影準備動作が開始されているので、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令を送出することにより、撮影準備動作を停止させるのである。
【００８２】
なお、上記のように、描画始点及び描画終点が指定されたときに、撮影準備指令及び撮影開始指令を送出する形態の他にも、予め撮影指示用図形（例えば図９に示すような星形図形等）を定めておき、撮影制御部２２が入力図形と予め定められた図形とのパターンマッチングを行い、入力図形が撮影指示用図形を半完成させた時点で撮影準備指令を送出し、全完成させた時点で撮影開始指令を送出するようにしてもよい。
【００８３】
以上のように、本実施形態では、コンピュータ１０の表示部１１に、マウス操作によって描画可能な入力エリア１８０が表示され、図形の描画が開始されたとき、若しくは図形が半完成したときに、撮影準備指令が送出され、図形が予め定められた条件で描画終了となったときに撮影開始指令が送出されるようになっている。
【００８４】
したがって、本実施形態においても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【００８５】
また、ユーザが撮影指示を与える際には、入力エリア１８０内にポインタ画像９０を移動させ、ある始点から描画操作を開始してその始点とほぼ同一の位置で描画操作を終了させるという、一連の操作を行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラ３０に送出されるので、ユーザは特に意識をすることなく、撮影動作の開始前に必ず撮影準備動作を行わせるための操作をすることができる。また、上記のようなドラッグ操作もまた、近年のコンピュータにおけるＧＵＩとして、描画操作を行う場合の一般的な操作であって、複雑な操作ではない。よって、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の操作性が向上する。
【００８６】
また、本実施形態では、描画操作が途中で終了すると、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作を解除する解除指令が自動的に送信されるようになっている。このため、上述した実施形態と同様に、デジタルカメラ３０を単独使用する場合と同様に、ユーザが特に意識することなく、デジタルカメラ３０における撮影準備状態の解除を行うことができる。
【００８７】
＜４．第４の実施の形態＞
次に、第４の実施の形態として、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に撮影指示を与える際の具体的操作形態として、主としてキーボード１３を用いた操作形態について説明する。なお、本実施形態においても、撮影システム１、コンピュータ１０及びデジタルカメラ３０の構成は、第１の実施の形態で説明したものと同様である。
【００８８】
図１０は、本実施形態において表示部１１に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。なお、図１０においては、図３に示したものと同様の表示内容に関するものには同一符号を付している。
【００８９】
図１０に示す撮影指示用画面１０３は、コンピュータ１０において撮影指示プログラム２６ａが起動されると表示部１１に表示される画面であり、ユーザがキーボード１３を操作してコマンド入力を行うためのコマンド入力エリア１３１が表示される。
【００９０】
コマンド入力エリア１３１は、撮影指示プログラム２６ａによって規定されたコマンドを入力することにより、ＣＰＵ２０に対して各種指令を与えるための入力エリアである。このため、ユーザがコンピュータ１０に接続されたデジタルカメラ３０の諸条件を設定変更したり、デジタルカメラ３０に対して撮影指示を与える際には、キーボード１３を介してコマンド入力エリア１３１に所定の文字列を入力することになる。
【００９１】
そしてデジタルカメラ３０に対して撮影指示を与えるときには、キーボード操作によって、コマンド入力エリア１３１に所定文字列の撮影指示コマンド１３１ａが入力される。図１０に示す例では、撮影指示コマンド１３１ａは「ｃａｐｔｕｒｅ」なる文字列によって構成されている。
【００９２】
そして、この場合コンピュータ１０では、コマンド入力エリア１３１において「ｃａｐｔｕｒｅ」なる文字列の１文字目から入力が開始され、最終文字までの文字入力が行われるという、一連の操作のうち、例えば「ｃａｐ」の中間段階の文字列入力が検出されたときに、撮影準備指令送信部２２ａが機能し、撮影準備指令を送出する。そしてさらに文字入力が継続され、最終的に「ｃａｐｔｕｒｅ」なる最終段階の文字列入力が検出されたときに、撮影開始指令送信部２２ｂが機能して、撮影開始指令を送出するようになっている。
【００９３】
したがって、デジタルカメラ３０では、コマンド入力エリア１３１に対して予め定められた撮影指示文字列のうちの先頭文字から中間文字までの入力が行われた時点で、撮影準備動作を開始し、自動露出制御や自動合焦制御を行う。そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。
【００９４】
また、デジタルカメラ３０では、コマンド入力エリア１３１に対して予め定められた撮影指示文字列のうちの先頭文字から最終文字までの入力が行われた時点で、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。
【００９５】
また、コンピュータ１０から撮影準備指令が送出された後、ユーザによるコマンドが、所定の撮影指示コマンド１３１ａとは一致しなくなった場合（例えば、「ｃａｐ」の後の文字列が「ｔｕｒｅ」に一致しない場合）には、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令が送出される。つまり、このときデジタルカメラ３０では既に撮影準備動作が開始されているので、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令を送出することにより、撮影準備動作を停止させるのである。
【００９６】
このように、コンピュータ１０の表示部１１に、コマンド入力エリア１３１を表示し、所定文字列で規定される撮影指示コマンド１３１ａのうちの中間文字列までの入力が検知されたときに撮影準備指令を送出し、最終文字列までの入力が検知されたときに撮影開始指令が送出するように構成しても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【００９７】
次に、文字列入力でない場合の操作形態について説明する。例えば、キーボード１３がＪＩＳ規格キーボードである場合、ローマ字入力モードにおいて、「！」のような特定文字を入力しようとすると、シフトキーを押下しつつ、「！」キーを押下することが必要になる。したがって、このような一連の操作を、撮影指示を与える際のキーボード操作として割り当ててもよい。ただし、その場合、キーボード１３において使用するボタンは、シフトキーと「！」キーとに限られるものではない。
【００９８】
つまり、デジタルカメラ３０に対して撮影指示を与えるときには、キーボード１３における第１のボタン（例えばシフトキー）を押下しつつ、さらに第２のボタン（例えば「！」キー）を押下するというキーボード操作が行われる。
【００９９】
そして、この場合コンピュータ１０では、第１のボタンが押下され、その状態でさらに第２のボタンが押下されるという一連の操作のうち、第１のボタンが押下されたときに、撮影準備指令送信部２２ａが機能し、撮影準備指令を送出する。そしてさらに第１のボタンが押下されたまま第２のボタンが押下されたときに、撮影開始指令送信部２２ｂが機能して、撮影開始指令を送出するようになっている。
【０１００】
したがって、デジタルカメラ３０では、第１のボタンが押下された時点で、撮影準備動作を開始し、自動露出制御や自動合焦制御を行う。そして撮影準備動作が良好に完了すると、シャッタスピード（撮像素子３４の露光時間）、絞り値、合焦レンズ位置等の撮影条件が決定され、それら撮影条件が適用されたロック状態となる。
【０１０１】
また、デジタルカメラ３０では、第１のボタンが押下された状態のままで第２のボタンが押下された時点で、記録用の撮影画像を取得するための撮影動作が開始される。
【０１０２】
また、コンピュータ１０から撮影準備指令が送出された後、ユーザによる第２のボタンの押下操作が行われず、第１のボタンの押下状態が解除された場合には、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令が送出される。つまり、このときデジタルカメラ３０では既に撮影準備動作が開始されているので、コンピュータ１０からデジタルカメラ３０に対して解除指令を送出することにより、撮影準備動作を停止させるのである。
【０１０３】
このように、コンピュータ１０がデジタルカメラ３０に対して撮影指示を与える際の一連の操作を、キーボード１３に含まれる第１のボタン及び第２のボタンがともに押下された状態に至る操作として規定し、第１のボタンの押下操作が行われた場合に撮影準備指令を送出するとともに、第１のボタンが押下された状態で、第２のボタンの押下操作が行われた場合に撮影開始指令を送出するように構成しても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになる。そのため、デジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われずに撮影動作が開始されることがなく、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【０１０４】
以上のように、本実施形態においても、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになり、撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【０１０５】
また、ユーザが撮影指示を与える際に、上記一連の操作を行うだけでデジタルカメラ３０において撮影準備動作が行われるため、デジタルカメラ３０に撮影準備動作を行わせることを意識せずともよいので、操作性が向上する。
【０１０６】
また、本実施形態でも、上記一連の操作が最終段階まで行わなかった場合、デジタルカメラ３０に対して撮影準備動作を解除する解除指令が自動的に送信されるようになっているので、デジタルカメラ３０を単独使用する場合と同様に、ユーザが特に意識することなく、デジタルカメラ３０における撮影準備状態の解除を行うことができる。
【０１０７】
＜５．変形例＞
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【０１０８】
例えば、上記実施形態においては、コンピュータ１０がいわゆる卓上型コンピュータである例を示したが、これに限定されるものではなく、ノート型コンピュータであっても構わない。またその他にも、ＰＤＡや携帯電話機等の携帯用小型コンピュータであってもよい。
【０１０９】
また、上記実施形態においては、マウス操作が行われる場合の一連の操作についても説明したが、そのような操作が行われるのはマウス１４を使用した場合に限定されない。例えば、近年のノート型コンピュータに搭載されているようなパッド型ポインティングデバイスであってもよいし、ＰＤＡ等に用いられるペン入力用デバイスであってもよい。つまり、上述したマウス操作の例は、マウス１４を用いる場合に限られず、その他のポインティングデバイスを用いた場合にも適用されうるものである。
【０１１０】
なお、上述した実施形態には、以下の発明概念が含まれる。
【０１１１】
（１）請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、前記表示手段の画面内に、前記入力信号に応じて前記画面内を移動するポインタ画像を表示させるとともに、前記ポインタ画像の移動軌跡に沿った描画を行う描画領域を表示させる表示制御手段として機能させ、前記描画領域において前記ポインタ画像の移動軌跡による描画が所定の中間段階まで行われた場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、前記描画領域において前記ポインタ画像の移動軌跡による描画が所定の最終段階まで行われた場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴とする撮影指示プログラム。
【０１１２】
これにより、撮影開始指令は必ず撮影準備指令の後に発せられることになるので、撮影画像の画質低下を抑制することができるとともに、撮影指示を与える際の操作性が向上する。
【０１１３】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１に記載の発明によれば、デジタルカメラに対して撮影指示を与えるための撮影指示プログラムが実行されることにより、コンピュータを介してユーザが撮影指示を与える際には、所定の一連の操作を最終段階に至るまで連続して行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラに送出されることになる。それ故、ユーザが操作を行う際の操作性が向上するとともに、デジタルカメラで取得される撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【０１１４】
また、請求項２乃至４に記載の各発明によれば、撮影指示プログラムが実行されることにより、ユーザが撮影指示を与える際の操作が特に簡単なものとなる。
【０１１５】
また、請求項５に記載の発明によれば、コンピュータに対して、所定の一連の操作が最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、デジタルカメラにおいて撮影準備動作が行われ、その一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合に、デジタルカメラにおいて撮影動作が行われるので、コンピュータを介してユーザが撮影指示を与える際には、所定の一連の操作を最終段階に至るまで連続して行うだけで、撮影準備指令と撮影開始指令とが順次にデジタルカメラに送出されることになる。それ故、ユーザが操作を行う際の操作性が向上するとともに、デジタルカメラで取得される撮影画像の画質低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】撮影システムの構成例を示す図である。
【図２】撮影システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【図３】第１の実施の形態において表示部に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。
【図４】ポインタ画像が撮影指示領域に配置された状態を示す図である。
【図５】コンピュータからデジタルカメラに撮影指示を与える際の処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図６】コンピュータからデジタルカメラに撮影指示を与える際の処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図７】第２の実施の形態において表示部に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。
【図８】操作オブジェクトを所定経路に沿って移動させる状態を示す図である。
【図９】第３の実施の形態において表示部に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。
【図１０】第４の実施の形態において表示部に表示される撮影指示用画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
１ 撮影システム
２ ケーブル
１０ コンピュータ
１１ 表示部
１２ 本体部
１３ キーボード
１４ マウス
１５ 操作入力部
２０ ＣＰＵ
２１ 表示制御部
２２ 撮影制御部
２２ａ 撮影準備指令送信部
２２ｂ 撮影開始指令送信部
２６ 記憶部
２６ａ 撮影指示プログラム
３０ デジタルカメラ
３３ 制御部
Claims (5)
- デジタルカメラとデータ通信可能に接続されたコンピュータにおいて実行され、表示手段及び操作入力手段を備える前記コンピュータから、前記デジタルカメラに対して撮影指示を与えるための撮影指示プログラムであって、前記コンピュータを、
前記操作入力手段からの前記入力信号に基づき、所定の一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影開始指令を送出する撮影開始指令送信手段、及び、
前記入力信号に基づき、前記一連の操作が前記最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影準備指令を送出する撮影準備指令送信手段、
として機能させる撮影指示プログラム。 - 請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、
前記表示手段の画面内の特定領域に撮影指示領域を表示させるとともに、前記入力信号に応じて前記画面内を移動するポインタ画像を表示させる表示制御手段、
として機能させ、
前記ポインタ画像が前記撮影指示領域内に移動した場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、
前記ポインタ画像が前記撮影指示領域内にあり、かつ、所定のボタン操作が検知された場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴とする撮影指示プログラム。 - 請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、前記コンピュータを、さらに、
前記表示手段の画面に、前記操作入力手段に対するドラッグ操作によって所定経路を移動させることが可能な操作オブジェクトを表示させる表示制御手段、
として機能させ、
前記操作オブジェクトが前記ドラッグ操作によって前記経路上の中間点を通過したことが検知された場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、
前記操作オブジェクトが前記ドラッグ操作によって前記経路上の最終点に至ったことが検知された場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴とする撮影指示プログラム。 - 請求項１に記載の撮影指示プログラムにおいて、
前記一連の操作は、前記操作入力手段に含まれる第１のボタン及び第２のボタンがともに押下された状態に至る操作であり、
前記第１のボタンの押下操作が行われた場合に前記撮影準備指令を送出するように、前記撮影準備指令送信手段を機能させるとともに、
前記第１のボタンが押下された状態で、前記第２のボタンの押下操作が行われた場合に前記撮影開始指令を送出するように、前記撮影開始指令送信手段を機能させることを特徴とする撮影指示プログラム。 - デジタルカメラとコンピュータとが互いにデータ通信可能に接続され、前記コンピュータから、前記デジタルカメラに対して撮影指示を与える撮影システムであって、
前記コンピュータは、
所定の操作入力手段からの前記入力信号に基づき、所定の一連の操作が最終段階まで行われたことが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影開始指令を送出する撮影開始指令送信手段と、
前記入力信号に基づき、前記一連の操作が前記最終段階に至るまでの中間段階であることが検知された場合に、前記デジタルカメラに対して撮影準備指令を送出する撮影準備指令送信手段と、
を備え、
前記デジタルカメラは、
前記コンピュータから前記撮影準備指令を受信した場合に、撮影動作時における撮影条件を決定する為の撮影準備動作を行う手段と、
前記コンピュータから前記撮影開始指令を受信した場合に、前記撮影条件を適用して撮影動作を行う手段と、
を備えて構成される撮影システム。
Priority Applications (1)
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| JP2003103189A JP2004312378A (ja) | 2003-04-07 | 2003-04-07 | 撮影指示プログラム及び撮影システム |
Applications Claiming Priority (1)
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