JP2004311686A - 磁気検出素子およびその製造方法 - Google Patents

磁気検出素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004311686A
JP2004311686A JP2003102712A JP2003102712A JP2004311686A JP 2004311686 A JP2004311686 A JP 2004311686A JP 2003102712 A JP2003102712 A JP 2003102712A JP 2003102712 A JP2003102712 A JP 2003102712A JP 2004311686 A JP2004311686 A JP 2004311686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
bias
magnetic layer
free magnetic
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003102712A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Oshima
正弘 大嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2003102712A priority Critical patent/JP2004311686A/ja
Publication of JP2004311686A publication Critical patent/JP2004311686A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】フリー磁性層の磁化方向を揃いやすくして狭トラック化を図り、さらには素子全体の小型化を図ることができる磁気検出素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】多層膜20の両側部にバイアス下地層9,9とバイアス層10,10が形成されている。バイアス下地層9,9の側面部9b、9bの、フリー磁性層7の膜面と平行な方向における最大膜厚bを、前記バイアス下地層9,9の底面部9a,9aの最大膜厚aより小さく形成する。またバイアス層10,10は、フリー磁性層7のトラック幅方向の側方におけるトラック幅方向の幅寸法W1,W2,Wxが、バイアス層10,10の延出部10b、10bの膜面方向の膜厚よりも大きく形成され、延出部10b、10bは前記フリー磁性層7の下面7aよりも下方側に位置しているため、前記延出部10b,10bでの膜面方向の膜厚を非常に小さくできる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定磁性層の磁化の方向と外部磁界の影響を受けるフリー磁性層の磁化の方向との関係で電気抵抗が変化するいわゆるスピンバルブ型薄膜素子に係り、特に、バイアス磁界をフリー磁性層に効果的に印加することにより前記フリー磁性層を安定な磁化状態に保つことができ、狭トラック化に対応可能な磁気検出素子、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下記に示す特許文献1には、基板上に反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層およびフリー磁性層が積層された多層膜を有し、この多層膜のトラック幅方向の両側部に、バイアス下地層を介して前記フリー磁性層にバイアス磁界を与えるバイアス層が形成されたスピンバルブ型薄膜素子と呼ばれる磁気検出が開示されている。
【0003】
この特許文献1の図1に示された磁気検出素子は、バイアス層の表面が、前記多層膜を構成する膜面と平行な上面である水平面と、前記多層膜の両側の側面に沿う傾斜面とが連続して形成されている。前記水平面の部分ではバイアス層は、前記膜面方向の膜厚が一定に形成されているのに対し、傾斜面の部分では、前記膜面方向の膜厚が、上方に向かうにしたがって徐々に薄くなるように形成されている。
【0004】
一方、下記に示す特許文献2にも、基板上に反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層およびフリー磁性層が積層された多層膜を有し、この多層膜のトラック幅方向の両側部に、前記フリー磁性層にバイアス磁界を与えるバイアス層がバイアス下地層を介して形成されたスピンバルブ型薄膜素子と呼ばれる磁気検出が開示されている。
【0005】
この特許文献2の図19に示された磁気検出素子は、バイアス層の表面が、前記多層膜を構成する膜面と平行な上面である水平面と、前記多層膜の両側の側面の近傍で、上方に向って突状に形成された突状面とが連続して形成されており、前記水平面の部分ではバイアス層は、前記膜面方向の膜厚が一定に形成されている。また、この磁気検出素子では、前記多層膜の側面と前記バイアス層との間に位置する部分の前記バイアス下地層は、膜面と直交する方向における膜厚が、膜面方向に向って一定に形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された磁気検出素子は、前記バイアス層の傾斜面の部分では、膜面方向の膜厚が、上方に向かうにしたがって徐々に薄くなるように形成されており、フリー磁性層のトラック幅方向の側方部分では、前記バイアス層の膜面と直交する方向における膜厚が小さくなっている。したがって、この部分からフリー磁性層にトラック幅方向への十分なバイアス磁界を与えることができない構造となっており、前記フリー磁性層の磁化の方向がトラック幅方向へ安定しにくく、バルクハウゼンノイズが発生しやすく、狭トラック化を図ることができないという問題があった。
【0007】
一方、特許文献2に記載された発明では、バイアス層の前記水平面の部分では、前記膜面方向の膜厚が厚く、前記バイアス層の上に形成された電極層との界面から前記多層膜までの間隔が大きい。したがって、電極層からの電流が前記バイアス層を通過して前記多層膜に流れる際、前記バイアス層の抵抗によって前記電流が減少してしまい、多層膜に流れる電流が少なくなってしまう。そのため、磁気検出素子の出力を大きくするには限界があった。
【0008】
また、前記バイアス層の前記水平面の部分では、膜面方向の膜厚が厚く構成されているため、前記バイアス層の上に他の構成要素、例えば電極層などを形成した場合、前記基板の上面から電極層の上面までの寸法が大きくなってしまい、素子全体の寸法が大きなものとなってしまう。
【0009】
さらに、この磁気検出素子では、前記多層膜の側面と前記バイアス層との間に位置する部分の前記バイアス下地層は、膜面と直交する方向における膜厚が、膜面方向に向って一定に形成されている。したがって、前記フリー磁性層のトラック幅方向における側方部でも前記バイアス下地層の前記膜厚が大きく、前記バイアス層と前記フリー磁性層との距離が大きい。そのため、前記バイアス層からのバイアス磁界が前記フリー磁性層に大きく印加されにくく、前記フリー磁性層の磁化の方向がトラック幅方向へ安定しにくいため、バルクハウゼンノイズが発生しやすく、狭トラック化を図ることができないという問題があった。
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、ハードバイアス層からのバイアス磁界をフリー磁性層に適切に印加できるようにして前記フリー磁性層の磁化方向を揃いやすくし、その結果バルクハウゼンノイズの発生を低減して狭トラック化を図ることができるようにし、さらには素子全体の小型化を図ることができる磁気検出素子、およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に、固定磁性層と、非磁性導電層と、フリー磁性層が積層されて構成される多層膜が形成され、前記多層膜のトラック幅方向両側に前記フリー磁性層の磁化方向を揃えるバイアス層が形成された磁気検出素子において、
前記バイアス層は非磁性材料からなるバイアス下地層上に形成され、前記バイアス下地層は前記多層膜の側面に沿って形成されている側面部と前記バイアス層の下層で前記基板の表面にほぼ平行な方向に沿って形成されている底面部とを有し、前記フリー磁性層の両側に位置する前記側面部の、前記フリー磁性層の膜面と平行な方向における最大膜厚が前記底面部の最大膜厚より小さく形成されており、
前記バイアス層は、その上面が、前記多層膜の両側から、前記多層膜の上面よりも上方に向けて一旦盛り上がりつつトラック幅方向に離れるに従って下方に落ち込む突出部と、前記突出部の基端から、さらに前記多層膜の両側からトラック幅方向に離れる方向に向けて延びる延出部とを有して構成され、
前記延出部は前記フリー磁性層の下面よりも下方側に位置し、且つ前記突出部が前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方に位置しており、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きいことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の磁気検出素子では、前記バイアス下地層の前記側面部の膜面方向と平行な方向の最大膜厚が、前記底面部の最大膜厚より小さく形成されている。したがって、前記バイアス層と前記フリー磁性層との間隔を小さく抑えることが可能となるため、前記バイアス層をフリー磁性層に近い位置に形成することができるため、フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができる。よって、前記フリー磁性層は単磁区化されやすくなり、バルクハウゼンノイズの発生を低減させることが可能となり、狭トラック化を図ることができる。
【0013】
また、前記バイアス層の上面が、前記多層膜の両側から、前記多層膜の上面よりも上方に向けて一旦盛り上がりつつトラック幅方向に離れるに従って下方に落ち込む突出部と、前記突出部の基端からトラック幅方向に離れる方向に向けて延びる延出部とを有して構成されている。この延出部は前記フリー磁性層の下面よりも下方側に位置し、且つ前記突出部が前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方に位置しており、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きく形成されている。
【0014】
このように構成された本発明の磁気検出素子では、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きく形成され、この延出部は前記フリー磁性層の下面よりも下方側に位置しているため、前記延出部での膜面方向の膜厚を非常に小さくできる。したがって、前記バイアス層の上に電極層などの他の構成要素を形成した場合、前記基板の上面から電極層の上面までの寸法を小さくすることができ、素子全体の寸法を小さくすることが可能となる。
【0015】
しかも、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きく形成されているため、この延出部の膜面方向の膜厚を小さくしても、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の膜厚を大きくすることができる。したがって、素子全体を小型化しても、フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができ、狭トラック化をさらに図ることが可能となる。
【0016】
この場合、前記多層膜は、前記基板上に下から、固定磁性層、非磁性導電層、フリー磁性層の順に積層されているものとして構成することができる。
【0017】
この場合、前記バイアス下地層は、前記側面部の、前記多層膜の各層の膜面と平行な方向における膜厚寸法が下方から上方に向って徐々に小さくなるように構成することが好ましい。
【0018】
このように構成すると、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方部において、バイアス下地層の側面部での、前記多層膜の各層の膜面と平行な方向の膜厚寸法を小さくすることができるため、前記バイアス層と前記フリー磁性層との間隔を小さくすることができ、フリー磁性層に対してより強いバイアス磁界を与えることができる。
【0019】
また、前記バイアス層の上に電極層が形成されているものとして構成することができる。
【0020】
また、前記バイアス下地層の前記底面部の最大膜厚は15Å〜50Åの範囲内であるものとして構成することが好ましい。
【0021】
前記バイアス下地層の前記底面部の最大膜厚を前記範囲内として構成すると、前記バイアス下地層の前記側面部での、前記フリー磁性層の膜面と平行な方向の膜厚寸法を小さくすることができ、前記フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができる。
【0022】
また、前記多層膜には反強磁性層が設けられ、前記固定磁性層は前記反強磁性層との交換異方性結合磁界により磁化方向が固定されるものとして構成することもできる。
【0023】
また本発明は、以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法に関するものである。
(a)基板上に、固定磁性層、非磁性導電層、及びフリー磁性層を積層して多層膜を成膜する工程と、
(b)前記多層膜のトラック幅方向における両側端面を除去して前記多層膜の両側に前記基板を露出させ、前記両側端面に上方から下方にかけて連続した側面を形成する工程と、
(c)前記多層膜の側面から前記基板上にかけてバイアス下地層を成膜し、前記基板上の表面に形成される前記バイアス下地層の底面部の最大膜厚を、前記多層膜の側面に沿って形成される前記バイアス下地層の側面部の、前記フリー磁性層の膜面と平行な方向における最大膜厚よりも大きく形成する工程と、
(d)前記バイアス下地層の前記側面部から前記底面部にかけてバイアス層を成膜し、このとき前記バイアス層を、その上面が、前記多層膜の両側から、前記多層膜の上面よりも上方に向けて一旦盛り上がりつつトラック幅方向に離れるに従って下方に落ち込む突出部と、前記突出部の基端から、さらに前記多層膜の両側からトラック幅方向に離れる方向に向けて延びる延出部とを有して構成されるように形成し、
さらに前記延出部は前記フリー磁性層の下面よりも下方に位置し、且つ前記突出部が前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方に位置するように形成するとともに、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きくなるように形成する工程。
【0024】
本発明の磁気検出素子の製造方法では、前記(c)工程で、前記バイアス下地層の前記側面部の、前記フリー磁性層の膜面と平行な方向における最大膜厚を、前記底面部の最大膜厚より小さく形成することができる。したがって、前記バイアス層と前記フリー磁性層との間隔を小さく抑えることが可能となるため、前記バイアス層をフリー磁性層に近い位置に形成することができるため、フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができる。よって、前記フリー磁性層は単磁区化されやすくなり、バルクハウゼンノイズの発生を低減させることが可能となり、狭トラック化を図ることができる。
【0025】
また、前記(d)工程で、前記バイアス層の上面が、前記多層膜の両側から、前記多層膜の上面よりも上方に向けて一旦盛り上がりつつトラック幅方向に離れるに従って下方に落ち込む突出部と、前記突出部の基端からトラック幅方向に離れる方向に向けて延びる延出部とを有して構成されるように形成する。この延出部は前記フリー磁性層の下面よりも下方側に位置するように形成し、且つ前記突出部が前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方に位置するように形成し、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きく形成される。
【0026】
このようにして形成された磁気検出素子では、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きく形成され、この延出部は前記フリー磁性層の下面よりも下方側に位置しているため、前記延出部での膜面方向の膜厚を非常に小さくできる。したがって、前記バイアス層の上に電極層などの他の構成要素を形成した場合、前記基板の上面から電極層の上面までの寸法を小さくすることができ、素子全体の寸法を小さくすることが可能となる。
【0027】
しかも、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きく形成されているため、この延出部の膜面方向の膜厚を小さくしても、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の膜厚を大きくすることができる。したがって、素子全体を小型化しても、フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができ、狭トラック化をさらに図ることが可能となる。
【0028】
この場合、前記(a)工程で、前記基板上に下から、固定磁性層、非磁性導電層、フリー磁性層の順に積層して前記多層膜を成膜するものとして構成することができる。
【0029】
また、前記(c)工程で、前記バイアス下地層を、基板表面に対して垂直方向から第1の角度θ1だけ傾けてスパッタ成膜し、このとき前記第1の角度θ1を0〜10°の範囲内とするものとして構成することが好ましい。
【0030】
前記第1の角度θ1を前記範囲内とすると、前記バイアス下地層の前記側面部の、前記多層膜の各層の膜面と平行な方向における膜厚寸法を、下方から上方に向って小さく形成することが可能となる。したがって、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方部において、バイアス下地層の膜面と直交する方向の膜厚を小さくすることができるため、前記バイアス層と前記フリー磁性層との間隔を小さくすることができ、フリー磁性層に対してより強いバイアス磁界を与えることができる。
【0031】
さらに、前記(d)工程で、前記バイアス層を、基板表面に対して垂直方向から第2の角度θ2だけ傾けてスパッタ成膜し、このとき前記第2の角度θ2を40〜50°の範囲内とするものとして構成することが好ましい。
【0032】
前記第2の角度θ2を前記範囲内とすると、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法を、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きく形成することができるため、フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができ、狭トラック化をさらに図ることが可能となる。
【0033】
また、前記(d)工程の後、前記バイアス層の上に電極層を形成するものとして構成することもできる。
【0034】
また、前記(c)工程で、前記バイアス下地層を、その底面部の最大膜厚が15Å〜50Åの範囲内となるように形成するものとして構成することが好ましい。
【0035】
前記バイアス下地層の前記底面部の最大膜厚を前記範囲内となるように形成すると、前記バイアス下地層の前記側面部の前記フリー磁性層の膜面と平行な方向における膜厚寸法を小さくすることができ、前記フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができる。
【0036】
また、前記(a)工程で、前記固定磁性層、前記非磁性導電層、及び前記フリー磁性層に加え、前記基板上に反強磁性層を積層して前記多層膜を成膜するものとして構成することもできる。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態である磁気検出素子1の構造を示した断面図である。図1に示す前記磁気検出素子1は、スピンバルブ型薄膜素子と呼ばれるものである。図1ではX方向に延びる素子の中央部分のみを破断して示している。
【0038】
この磁気検出素子1は、ハードディスク装置に設けられる浮上式スライダのトレーリング側端部などに設けられてハードディスクなどの記録磁界を検出するものであり、ハードディスクなどの磁気記録媒体の移動方向はZ方向であり、磁気記録媒体からの洩れ磁界の方向はY方向である。
【0039】
図1の基板2上にTa(タンタル)などの非磁性材料で形成された下地層3が形成されている。この下地層3の上に反強磁性層4、固定磁性層5、非磁性導電層6、およびフリー磁性層7が積層されている。そして、前記フリー磁性層7の上にTa(タンタル)などの保護層8が形成されている。前記下地層3から保護層8までの各層によって、多層膜20が構成されている。
【0040】
固定磁性層5は反強磁性層4と接して形成され、磁場中アニールが施されることにより、前記反強磁性層4と固定磁性層5との界面にて交換結合による交換異方性磁界が生じ、固定磁性層5の磁化がハイト方向(図示Y方向)に固定される。
【0041】
本実施の形態では、反強磁性層4がPt−Mn(白金−マンガン)合金膜により形成されている。また、前記Pt−Mn合金に代えて、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ruのいずれか1種または2種以上の元素である)で、あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Agのいずれか1種または2種以上の元素である)で形成されていてもよい。
【0042】
固定磁性層5およびフリー磁性層7は、Ni−Fe(ニッケル−鉄)合金、Co(コバルト)、Fe−Co(鉄−コバルト)合金、Fe−Co−Ni合金などで形成されており、前記非磁性導電層6は、Cu(銅)などの電気抵抗の低い非磁性導電材料で形成されている。
【0043】
多層膜20のトラック幅方向(図示X方向)両側には、バイアス下地層9,9が形成されている。さらにバイアス下地層9,9の上には、Co−Pt(コバルト−白金)合金で形成されたバイアス層10,10が形成されている。
【0044】
バイアス層10,10はトラック幅方向に着磁されており、バイアス層10,10からのトラック幅方向へのバイアス磁界により、フリー磁性層7の磁化はトラック幅方向に揃えられている。
【0045】
またバイアス層10,10上には、Taなどの非磁性材料で形成された中間層11を介してCr、Au、Ta、Wなどで形成された電極層12,12が形成されている。
【0046】
前記バイアス下地層9,9は、バイアス層10,10の下層で前記基板1の表面にほぼ平行な方向に沿って形成されている底面部9a,9aと、多層膜20の側面20a,20aに沿って形成されている側面部9b,9bとを有している。
【0047】
前記底面部9a,9aの膜面方向の最大膜厚aは一定の寸法で形成されているのに対し、前記側面部9b、9bの膜面方向の厚さ寸法は図示下方から上方に向って徐々に小さくなるように構成されている。ここで図1に示すように、前記バイアス下地層9の前記側面部9b,9bのうち、前記フリー磁性層7の下面7aのトラック幅方向の側方における最大膜厚bは、前記底面部9a,9aの最大膜厚aよりも小さく形成されている。すなわち、a/b<1である。
【0048】
前記側面部9b,9bの前記最大膜厚bが前記底面部9a,9aの最大膜厚aより小さく形成されると、前記バイアス層9,9と前記フリー磁性層7との間隔を小さく抑えることが可能となるため、バイアス層9,9をフリー磁性層7に近い位置に形成することができるため、フリー磁性層7に対して強いバイアス磁界を与えることができる。よって、前記フリー磁性層7はトラック幅方向に単磁区化されやすくなり、バルクハウゼンノイズの発生を低減させることが可能となり、狭トラック化を図ることができる。
【0049】
本実施の形態では、バイアス下地層9,9はCrによって形成されているが、バイアス下地層9,9をCr,W,Mo,V,Mn,Nb,Taのうちいずれか1種または2種以上から選択された非磁性材料によって形成しても良い。
【0050】
また、本実施の形態では、バイアス下地層9,9の側面部9b,9bの前記最大膜厚bは10Å以上30Å以下の範囲内とすることが好ましい。バイアス下地層9,9の側面部9b,9bの前記最大膜厚bが10Åより小さくなると、バイアス下地層9,9の表面付近の結晶配向に乱れが生じ、バイアス下地層9,9の底面部9a,9aに適切な結晶配向を有するバイアス層10,10を形成できなくなる。すると、バイアス下地層9,9の側面部9b,9bに接する部位で、バイアス層10,10が十分なバイアス磁界を発生することができなくなる。
【0051】
また、バイアス下地層9,9の側面部9b,9bの前記最大膜厚bが30Åより大きくなると、バイアス下地層9,9がバイアス層10,10が発生するバイアス磁界を遮断してしまい、かえってフリー磁性層の磁化方向を揃えることが困難になる。
【0052】
また、バイアス下地層9,9の底面部9a,9aの前記最大膜厚aは15Å以上50Å以下の範囲内であると、前記バイアス下地層9,9の前記側面部9b、9bでの、前記最大最大膜厚bの寸法を小さくすることができ、前記フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができる。
【0053】
また、バイアス下地層9,9の結晶構造は体心立方構造であり、このバイアス下地層9,9の(200)面が、バイアス下地層9,9の底面部9a,9aとバイアス層10,10との界面に平行な方向(図示X方向)に配向し、さらに、バイアス層10,10の結晶構造は稠密六方構造であり、バイアス層10,10の{100}面がフリー磁性層7の膜面方向と平行な方向(図示X方向)に配向している。
【0054】
バイアス下地層9,9の結晶構造が体心立方構造であり、このバイアス下地層9,9の(200)面がバイアス下地層9,9の底面部9a,9aとバイアス層10,10との界面に平行な方向に配向していると、バイアス下地層9,9の上層に積層されるバイアス層10,10は、{100}面がバイアス下地層9,9の底面部9a,9aとバイアス層10,10との界面に平行な方向に配向した稠密六方構造の結晶構造を有するようになる。
【0055】
バイアス層10,10の{100}面が、バイアス下地層9,9の底面部9a,9abとバイアス層10,10との界面に平行な方向に配向すると、バイアス層10,10の{100}面を、フリー磁性層7の膜面方向と平行な方向に配向させることができる。すなわちバイアス層10,10の結晶軸のc軸をフリー磁性層7の膜面方向に平行な方向(図示X方向)を向かせることができ、バイアス磁界を効果的に発生させることができる。また、バイアス層10,10の保磁力Hc及び角型比Sを向上させることができ、薄膜磁気素子のバルクハウゼンノイズを低減して磁界検出感度を向上させることができるとともに、狭トラック化を図ることが可能となる。
【0056】
図1に示すように、前記バイアス層10,10は、上面10a,10aが前記多層膜20の上面20aよりも上方に向けて一旦盛り上がりつつ、トラック幅方向に離れるにしたがって下方に落ち込む突出部10cと、この突出部10cの基端10c1から、さらに前記多層膜の両側からトラック幅方向に離れる方向に向けて延びる延出部10bとを有している。
【0057】
前記延出部10bは前記フリー磁性層7の下面7aよりも下方(図示Z方向と反対方向)側に位置し、且つ前記突出部10cの一部が前記フリー磁性層7のトラック幅方向の側方に位置している。
【0058】
また、前記フリー磁性層7の上面7bのトラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法W1が、前記延出部10bの膜面方向の膜厚tよりも大きく構成されている。また、前記フリー磁性層7の下面7aのトラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法W2も、前記延出部10bの膜面方向の膜厚tよりも大きく構成されている。さらに、前記フリー磁性層7の上面7bから下面7aの間の任意の位置において、トラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法Wxも、前記延出部10bの膜面方向の膜厚tよりも大きく構成されている。
【0059】
すなわち、このように構成された本発明の磁気検出素子1では、前記フリー磁性層7のトラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法W1、W2およびWxが、前記延出部10bの膜面方向の膜厚tよりも大きく形成され、しかもこの延出部10bは前記フリー磁性層7の下面7aよりも下方側に位置しているため、前記延出部10bでの前記膜厚tを非常に小さくできる。したがって、前記バイアス層10,10の上に電極層12,12などの他の構成要素を形成した場合、前記基板1の上面から電極層12,12の上面までの寸法を小さくすることができ、素子全体の寸法を小さくすることが可能となる。
【0060】
しかも、前記フリー磁性層7のトラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法W1、W2およびWxが、前記延出部10bの前記膜厚tよりも大きく形成されているため、この延出部10bの前記膜厚tを小さくしても、前記フリー磁性層7のトラック幅方向の側方部で、前記バイアス層10,10のトラック幅方向における膜厚を十分大きくすることができる。したがって、素子全体を小型化しても、フリー磁性層7に対して強いバイアス磁界を与えることができ、狭トラック化をさらに図ることが可能となる。
【0061】
また、バイアス層10,10の前記延出部10bでは、前記膜面方向の膜厚tがうすく、前記バイアス層10,10と前記電極層12,12との界面である前記バイアス層10,10の上面10a,10aから、前記多層膜20までの距離を小さくできる。したがって、電極層12,12からの電流が前記バイアス層10,10を通過して前記多層膜20に流れる際、前記バイアス層10,10の抵抗によって前記電流が減少することを抑えることができるため、磁気検出素子の出力を大きくすることが可能となる。
【0062】
上述した磁気検出素子1の製造方法を説明する。
まず、図2に示すように、基板2上に、Ta(タンタル)などの非磁性材料で下地層3を形成し、この下地層3の上に反強磁性層4、固定磁性層5、非磁性導電層6、およびフリー磁性層7を積層し、前記フリー磁性層7の上にTa(タンタル)などの保護層8を積層して、磁気抵抗効果を発揮する多層膜20を形成する。
【0063】
次に、図3に示すように、前記多層膜20上にリフトオフ用のレジスト層50を形成する。そして、前記レジスト層50によって覆われていない領域である、図示破線の外側、すなわち前記多層膜20のトラック幅方向における両側端面をイオンミリングなどを用いて除去し、前記多層膜20の両側に基板を露出し、前記多層膜20を略台形状に成型する。
【0064】
次に、図4の矢印に示すように、基板2の表面の法線方向に対して所定の角度θ1から、多層膜20の両側に、Crからなるターゲットを用いてバイアス下地層9,9を成膜する。成膜方法として、イオンビームスパッタ法、ロングスロースパッタ法、コリメーションスパッタ法などの方法を用いることができる。
【0065】
または、バイアス下地層9,9をCr,W,Mo,V,Mn,Nb,Taのうちいずれか1種または2種以上から選択された非磁性材料によって形成されたターゲットを用いて成膜してもよい。なお、このときレジスト層50の上層には、バイアス下地層9,9と同じ組成の層59が成膜される。
【0066】
このとき、前記角度θ1を0〜10°の範囲内とすると、前記基板の表面にほぼ平行な方向に沿って形成される底面部9a,9aの膜面方向の最大膜厚aは一定の寸法で形成されるのに対し、バイアス下地層9,9の多層膜20の側面20a,20aに沿って形成される側面部9b,9bの膜面方向の厚さ寸法が、図示下方から上方に向って徐々に小さくなるように形成される。
【0067】
ここで図4に示すように、前記バイアス下地層9の前記側面部9b,9bのうち、前記フリー磁性層7の下面7aのトラック幅方向の側方における最大膜厚bを、前記底面部9a,9aの最大膜厚aよりも小さく形成する。すなわち、a/b<1となるように形成する。
【0068】
前記側面部9b,9bの前記最大膜厚bを前記底面部9a,9aの前記最大膜厚aより小さく形成すると、後記する図5に示す工程で成膜されるバイアス層9,9と前記フリー磁性層7との間隔を小さく抑えることが可能となるため、バイアス層9,9をフリー磁性層7に近い位置に形成することができ、フリー磁性層7に対して強いバイアス磁界を与えることができる。よって、前記フリー磁性層7はトラック幅方向に単磁区化されやすくなり、バルクハウゼンノイズの発生を低減させることが可能となり、狭トラック化を図ることができる。
【0069】
また、本実施の形態では、バイアス下地層9,9の側面部9b,9bの前記最大膜厚bは10Å以上30Å以下の範囲内に形成することが好ましい。バイアス下地層9,9の側面部9b,9bの前記最大膜厚bが10Åより小さくなると、バイアス下地層9,9の表面付近の結晶配向に乱れが生じ、バイアス下地層9,9の側面部9b,9bに適切な結晶配向を有するバイアス層10,10を形成できなくなる。すると、バイアス下地層9,9の側面部9b,9bに接する部位で、バイアス層10,10が十分なバイアス磁界を発生することができなくなる。また、バイアス下地層9,9の側面部9b,9bの前記最大膜厚bが30Åより大きくなると、バイアス下地層9,9がバイアス層10,10が発生するバイアス磁界を遮断してしまい、かえってフリー磁性層の磁化方向を揃えることが困難になる。
【0070】
また、バイアス下地層9,9の底面部9a,9aの前記最大膜厚aを15Å以上50Å以下の範囲内に形成すると、前記バイアス下地層9,9の前記側面部9b、9bでの、前記最大膜厚bの寸法を小さくすることができ、保磁力Hcを大きくすることができる。
【0071】
また、バイアス下地層9,9の結晶構造は体心立方構造であり、このバイアス下地層9,9の(200)面が、バイアス下地層9,9の底面部9a,9aとバイアス層10,10との界面に平行な方向(図示X方向)に配向し、さらに、バイアス層10,10の結晶構造は稠密六方構造であり、バイアス層10,10の{100}面がフリー磁性層7の膜面方向と平行な方向(図示X方向)に配向している。
【0072】
バイアス下地層9,9の結晶構造が体心立方構造であり、このバイアス下地層9,9の(200)面がバイアス下地層9,9の底面部9a,9aとバイアス層10,10との界面に平行な方向に配向していると、バイアス下地層9,9の上層に積層されるバイアス層10,10は、{100}面がバイアス下地層9,9の底面部9a,9aとバイアス層10,10との界面に平行な方向に配向した稠密六方構造の結晶構造を有するようになる。
【0073】
バイアス層10,10の{100}面が、バイアス下地層9,9の底面部9a,9abとバイアス層10,10との界面に平行な方向に配向すると、バイアス層10,10の{100}面を、フリー磁性層7の膜面方向と平行な方向に配向させることができる。すなわちバイアス層10,10の結晶軸のc軸をフリー磁性層7の膜面方向に平行な方向(図示X方向)を向かせることができ、バイアス磁界を効果的に発生させることができる。また、バイアス層10,10の保磁力Hc及び角型比Sを向上させることができ、薄膜磁気素子のバルクハウゼンノイズを低減して磁界検出感度を向上させることができるとともに、狭トラック化を図ることが可能となる。
【0074】
次に図5の矢印に示すように、基板2の表面の法線方向に対して所定の角度θ2から、バイアス下地層9,9上であって、前記多層膜20のトラック幅方向両側に、CoPtからなるターゲットを用いてバイアス層10,10を成膜する。なお、このときレジスト層50に形成された前記層59の上には、バイアス10,10と同じ組成の層60が成膜される。
【0075】
このとき、前記第2の角度θ2を40〜50°の範囲内とすると、図5に示すように、前記バイアス層10,10は、上面10a,10aが前記多層膜20の上面20aよりも上方に向けて一旦盛り上がりつつ、トラック幅方向に離れるにしたがって下方に落ち込む突出部10cと、この突出部10cの基端10c1から、さらに前記多層膜の両側からトラック幅方向に離れる方向に向けて延びる延出部10bとを有するように形成される。
【0076】
前記延出部10bは前記フリー磁性層7の下面7aよりも下方(図示Z方向と反対方向)側に位置するように形成され、且つ前記突出部10cの一部が前記フリー磁性層7のトラック幅方向の側方に位置するように形成される。
【0077】
前記フリー磁性層7の上面7bトラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法W1が、前記延出部10bの膜面方向の膜厚tよりも大きく形成される。また、前記フリー磁性層7の下面7aのトラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法W2も、前記延出部10bの膜面方向の膜厚tよりも大きく形成される。さらに、前記フリー磁性層7の上面7bから下面7aの間の任意の位置において、トラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法Wxも、前記延出部10bの膜面方向の膜厚tよりも大きく形成される。
【0078】
すなわち、このようにして形成すると、前記フリー磁性層7のトラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法W1、W2およびWxが、前記延出部10bの膜面方向の膜厚tよりも大きく形成され、しかもこの延出部10bは前記フリー磁性層7の下面7aよりも下方側に位置しているため、前記延出部10bでの前記膜厚tを非常に小さくできる。
【0079】
したがって、前記バイアス層10,10の上に電極層12,12などの他の構成要素を形成した場合、前記基板1の上面から電極層12,12の上面までの寸法を小さくすることができ、素子全体の寸法を小さくすることが可能となる。
【0080】
しかも、前記フリー磁性層7のトラック幅方向の側方における前記バイアス層10,10のトラック幅方向の幅寸法W1、W2およびWxが、前記延出部10bの前記膜厚tよりも大きく形成されているため、この延出部10bの前記膜厚tを小さくしても、前記フリー磁性層7のトラック幅方向の側方部で、前記バイアス層10,10のトラック幅方向における膜厚を十分大きくすることができる。したがって、素子全体を小型化しても、フリー磁性層7に対して強いバイアス磁界を与えることができ、狭トラック化をさらに図ることが可能となる。
【0081】
また、バイアス層10,10の前記延出部10bでは、前記膜面方向の膜厚tをうすく形成できるため、後記する図6に示す工程でバイアス層10,10の上に形成される電極層12,12との界面から前記多層膜20までの間隔を小さく形成することができる。したがって、電極層12,12からの電流が前記バイアス層10,10を通過して前記多層膜20に流れる際、前記バイアス層10,10の抵抗によって前記電流が減少することを抑えることができるため、磁気検出素子の出力を大きくすることが可能となる。
【0082】
次に図6に示すように、バイアス層10,10上に、Taなどの非磁性材料で中間層11を形成した後、この中間層11上にCr、Au、Ta、Wなどからなるターゲットを用いて電極層12,12を成膜する。
【0083】
なお、このときレジスト層50に形成された前記層60の上には、中間層11、11と同じ組成の層61、及び電極層12,12と同じ組成の層62が成膜される。
【0084】
バイアス層10,10、中間層11および電極層12,12の成膜には、イオンビームスッタ法、ロングスロースパッタ法、コリメーションスパッタ法などの方法を用いることができる。
【0085】
そして、レジスト層50を除去した後、バイアス層10,10をトラック幅方向に着磁すると図1に示す磁気検出素子1を製造できる。
【0086】
【実施例】
図1に示す形状のスピンバルブ型磁気検出素子を製作し、バイアス下地層の膜面方向の膜厚と保磁力Hc、および角型比Sとの関係を測定した。
【0087】
また、バイアス層の成膜角度と保磁力Hc、および角型比Sとの関係を測定した。
【0088】
図7および図8は、バイアス下地層の成膜角度と保磁力Hc、および角型比Sとの関係の測定結果である。ここで、両図において、四角形は保磁力Hcを、三角形は角型比Sを表している。
【0089】
図7で測定を行なった磁気検出素子の膜構成は、バイアス下地層としてCrを用い、バイアス層としてCoPtを270Å、バイアス層の上に成膜した中間層としてTaを50Åで成膜したものを用いた。また、バイアス下地層であるCrを、前記角度θ1として50°で成膜し、バイアス層であるCoPtを前記角度θ2として20°で成膜したものである。なお、図7に示すCr下地膜厚(a)とは、前記図1に示す磁気検出素子1の前記バイアス下地層9の底面部9aの前記最大膜厚aに相当するものである。
【0090】
一方、図8で測定を行なった磁気検出素子の膜構成は、バイアス下地層としてCrを用い、バイアス層としてCoPtを115Å、バイアス層の上に成膜した中間層としてTaを50Åで成膜したものを用いた。また、バイアス下地層であるCrを、前記角度θ1として5°で成膜し、バイアス層であるCoPtを前記角度θ2として20°で成膜したものである。なお、図8に示すCr下地膜厚(a)とは、前記図1に示す磁気検出素子1の前記バイアス下地層9の底面部9aの前記最大膜厚aに相当するものである。
【0091】
図7および図8に示すように、バイアス下地層であるCrの成膜角度が50°の場合よりも5°の場合の方が、Cr下地膜厚がより薄い状態でも、保磁力Hc、および角型比Sが大きくなっていることが分かる。
【0092】
したがって、Crの成膜角度が50°の場合よりも5°の場合の方がCr下地膜厚を薄くできるため、バイアス層とフリー磁性層との間隔を短くでき、より強くバイアス磁界を印加できることとなる。
【0093】
また、図9はバイアス層の成膜角度と保磁力Hc、および角型比Sとの関係の測定結果である。
【0094】
図9で測定を行なった磁気検出素子の膜構成は、バイアス下地層としてCrを20Å、バイアス層としてCoPtを200Å、バイアス層の上に成膜した中間層としてTaを50Åで成膜したものを用いた。また、バイアス下地層であるCrを、前記角度θ1として50°で成膜したものである。
【0095】
図9に示すように、バイアス層であるCoPtを40°〜50°の範囲内で成膜すると、保磁力Hcが向上することが分かる。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、バイアス下地層の側面部の、フリー磁性層の膜面と平行な方向における最大膜厚が、前記バイアス下地層の底面部の膜面方向の最大膜厚より小さく形成されているため、前記バイアス層と前記フリー磁性層との間隔を小さく抑えることが可能となり、フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができる。よって、前記フリー磁性層は単磁区化されやすくなり、バルクハウゼンノイズの発生を低減させることが可能となり、狭トラック化を図ることができる。
【0097】
また前記バイアス層は、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、多層膜の膜面にほぼ平行な方向に沿って形成された延出部の膜面方向の膜厚よりも大きく形成され、この延出部は前記フリー磁性層の下面よりも下方側に位置しているため、前記延出部での膜面方向の膜厚を非常に小さくできる。したがって、前記バイアス層の上に電極層などの他の構成要素を形成した場合、前記基板の上面から電極層の上面までの寸法を小さくすることができ、素子全体の寸法を小さくすることが可能となるとともに、延出部の膜面方向の膜厚を小さくしても、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の膜厚を大きくすることができる。したがって、素子全体を小型化しても、フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができ、狭トラック化をさらに図ることが可能となる。
【0098】
本発明の磁気検出素子の製造方法では、バイアス下地層の側面部の、フリー磁性層の膜面と平行な方向における最大膜厚を、前記バイアス下地層の底面部の膜面方向の最大膜厚より小さく形成することができる。したがって、バイアス層をフリー磁性層に近い位置に形成することができるため、フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与えることができる。よって、前記フリー磁性層は単磁区化されやすくなり、バルクハウゼンノイズの発生を低減させることが可能となり、狭トラック化を図ることができる。
【0099】
また、前記バイアス層は、多層膜の膜面にほぼ平行な方向に沿って形成された延出部が前記フリー磁性層の下面よりも下方側に位置するように形成し、且つ前記突出部が前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方に位置するように形成し、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きく形成することができる。このようにして形成された磁気検出素子では、前記延出部での膜面方向の膜厚を非常に小さくできる。したがって、前記バイアス層の上に電極層などの他の構成要素を形成した場合、前記基板の上面から電極層の上面までの寸法を小さくすることができ、素子全体の寸法を小さくすることが可能となるとともに、延出部の膜面方向の膜厚を小さくしても、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の膜厚を大きく形成することができる。したがって、素子全体を小型化しても、フリー磁性層に対して強いバイアス磁界を与え、狭トラック化をさらに図ることが可能な磁気検出素子を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピンバルブ型薄膜素子の構造を示す断面図、
【図2】図1に示す磁気検出素子の製造方法を示す一工程図、
【図3】図2に示す工程の次の工程を示す一工程図、
【図4】図3に示す工程の次の工程を示す一工程図、
【図5】図4に示す工程の次の工程を示す一工程図、
【図6】図5に示す工程の次の工程を示す一工程図、
【図7】バイアス下地層の成膜角度と保磁力Hc、および角型比Sとの関係の測定結果を示すグラフ、
【図8】バイアス下地層の成膜角度と保磁力Hc、および角型比Sとの関係の測定結果を示すグラフ、
【図9】バイアス層の成膜角度と保磁力Hc、および角型比Sとの関係の測定結果を示すグラフ、
【符号の説明】
1 磁気検出素子
2 基板
3 下地層
4 反強磁性層
5 固定磁性層
6 非磁性導電層
7 フリー磁性層
8 保護層
9 バイアス下地層
9a 側面部
9b 底面部
10 バイアス層
10a 上面
10b 延出部
10c 突出部
10c1 基端
12 電極層
20 多層膜
20a 上面

Claims (13)

  1. 基板上に、固定磁性層と、非磁性導電層と、フリー磁性層が積層されて構成される多層膜が形成され、前記多層膜のトラック幅方向両側に前記フリー磁性層の磁化方向を揃えるバイアス層が形成された磁気検出素子において、
    前記バイアス層は非磁性材料からなるバイアス下地層上に形成され、前記バイアス下地層は前記多層膜の側面に沿って形成されている側面部と前記バイアス層の下層で前記基板の表面にほぼ平行な方向に沿って形成されている底面部とを有し、前記フリー磁性層の両側に位置する前記側面部の、前記フリー磁性層の膜面と平行な方向における最大膜厚が前記底面部の最大膜厚より小さく形成されており、
    前記バイアス層は、その上面が、前記多層膜の両側から、前記多層膜の上面よりも上方に向けて一旦盛り上がりつつトラック幅方向に離れるに従って下方に落ち込む突出部と、前記突出部の基端から、さらに前記多層膜の両側からトラック幅方向に離れる方向に向けて延びる延出部とを有して構成され、
    前記延出部は前記フリー磁性層の下面よりも下方側に位置し、且つ前記突出部が前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方に位置しており、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜面方向の膜厚よりも大きいことを特徴とする磁気検出素子。
  2. 前記多層膜は、前記基板上に下から、固定磁性層、非磁性導電層、フリー磁性層の順に積層されている請求項1記載の磁気検出素子。
  3. 前記バイアス下地層は、前記側面部の、前記多層膜の各層の膜面と平行な方向における膜厚寸法が下方から上方に向って徐々に小さくなる請求項1または2記載の磁気検出素子。
  4. 前記バイアス層の上に電極層が形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気検出素子。
  5. 前記バイアス下地層の前記底面部の最大膜厚は15Å〜50Åの範囲内である請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気検出素子。
  6. 前記多層膜には反強磁性層が設けられ、前記固定磁性層は前記反強磁性層との交換異方性結合磁界により磁化方向が固定される請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気検出素子。
  7. 以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
    (a)基板上に、固定磁性層、非磁性導電層、及びフリー磁性層を積層して多層膜を成膜する工程と、
    (b)前記多層膜のトラック幅方向における両側端面を除去して前記多層膜の両側に前記基板を露出させ、前記両側端面に上方から下方にかけて連続した側面を形成する工程と、
    (c)前記多層膜の側面から前記基板上にかけてバイアス下地層を成膜し、前記基板上の表面に形成される前記バイアス下地層の底面部の最大膜厚を、前記多層膜の側面に沿って形成される前記バイアス下地層の側面部の、前記フリー磁性層の膜面と平行な方向における最大膜厚よりも大きく形成する工程と、
    (d)前記バイアス下地層の前記側面部から前記底面部にかけてバイアス層を成膜し、このとき前記バイアス層を、その上面が、前記多層膜の両側から、前記多層膜の上面よりも上方に向けて一旦盛り上がりつつトラック幅方向に離れるに従って下方に落ち込む突出部と、前記突出部の基端から、さらに前記多層膜の両側からトラック幅方向に離れる方向に向けて延びる延出部とを有して構成されるように形成し、
    さらに前記延出部は前記フリー磁性層の下面よりも下方に位置し、且つ前記突出部が前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方に位置するように形成するとともに、前記フリー磁性層のトラック幅方向の側方における前記バイアス層のトラック幅方向の幅寸法が、前記延出部の膜厚よりも大きくなるように形成する工程。
  8. 前記(a)工程で、前記基板上に下から、固定磁性層、非磁性導電層、フリー磁性層の順に積層して前記多層膜を成膜する請求項7記載の磁気検出素子の製造方法。
  9. 前記(c)工程で、前記バイアス下地層を、基板表面に対して垂直方向から第1の角度θ1だけ傾けてスパッタ成膜し、このとき前記第1の角度θ1を0〜10°の範囲内とする請求項7または8記載の磁気検出素子の製造方法。
  10. 前記(d)工程で、前記バイアス層を、基板表面に対して垂直方向から第2の角度θ2だけ傾けてスパッタ成膜し、このとき前記第2の角度θ2を40〜50°の範囲内とする請求項7ないし9のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  11. 前記(d)工程の後、前記バイアス層の上に電極層を形成する請求項7ないし10のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  12. 前記(c)工程で、前記バイアス下地層を、その底面部の最大膜厚が15Å〜50Åの範囲内となるように形成する請求項7ないし11のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  13. 前記(a)工程で、前記固定磁性層、前記非磁性導電層、及び前記フリー磁性層に加え、前記基板上に反強磁性層を積層して前記多層膜を成膜する請求項7ないし12のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
JP2003102712A 2003-04-07 2003-04-07 磁気検出素子およびその製造方法 Pending JP2004311686A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003102712A JP2004311686A (ja) 2003-04-07 2003-04-07 磁気検出素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003102712A JP2004311686A (ja) 2003-04-07 2003-04-07 磁気検出素子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004311686A true JP2004311686A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33466063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003102712A Pending JP2004311686A (ja) 2003-04-07 2003-04-07 磁気検出素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004311686A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09115114A (ja) * 1995-10-18 1997-05-02 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果素子並びにそれを用いた磁気ヘッド及び磁気記録再生装置
JP2002092828A (ja) * 2000-09-18 2002-03-29 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
JP2002151757A (ja) * 2000-11-09 2002-05-24 Alps Electric Co Ltd 薄膜磁気素子及びその製造方法
JP2002230717A (ja) * 2001-01-26 2002-08-16 Hitachi Ltd Gmrヘッド
JP2002232037A (ja) * 2001-02-01 2002-08-16 Alps Electric Co Ltd 磁気抵抗効果素子及びその製造方法
JP2002280644A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子及びその製造方法
JP2003086861A (ja) * 2001-09-14 2003-03-20 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子及びその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09115114A (ja) * 1995-10-18 1997-05-02 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果素子並びにそれを用いた磁気ヘッド及び磁気記録再生装置
JP2002092828A (ja) * 2000-09-18 2002-03-29 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果型薄膜磁気ヘッド。
JP2002151757A (ja) * 2000-11-09 2002-05-24 Alps Electric Co Ltd 薄膜磁気素子及びその製造方法
JP2002230717A (ja) * 2001-01-26 2002-08-16 Hitachi Ltd Gmrヘッド
JP2002232037A (ja) * 2001-02-01 2002-08-16 Alps Electric Co Ltd 磁気抵抗効果素子及びその製造方法
JP2002280644A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子及びその製造方法
JP2003086861A (ja) * 2001-09-14 2003-03-20 Alps Electric Co Ltd 磁気検出素子及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6791804B2 (en) Magnetoresistive-effect device and method for manufacturing the same
JP2004022614A (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
US7440240B2 (en) Magnetic head with domain stabilization and magnetic recording/reproducing apparatus using the same
JPH0973611A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3657487B2 (ja) スピンバルブ型薄膜磁気素子およびその製造方法、およびこのスピンバルブ型薄膜磁気素子を備えた薄膜磁気ヘッド
JP2002076472A (ja) スピンバルブ型薄膜磁気素子およびこのスピンバルブ型薄膜磁気素子を備えた薄膜磁気ヘッド
JP3939503B2 (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
JP3706793B2 (ja) スピンバルブ型薄膜磁気素子及びその製造方法並びにこのスピンバルブ型薄膜磁気素子を備えた薄膜磁気ヘッド
JP2002151757A (ja) 薄膜磁気素子及びその製造方法
US6783874B2 (en) Magnetic sensor having second antiferromagnetic layers and two types of electrode layers on free magnetic layer and manufacturing method thereof
JP3227116B2 (ja) スピンバルブ型薄膜素子およびその製造方法
JP2003086861A (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
JP2001160208A (ja) 磁気抵抗効果素子及びその製造方法
JP3872958B2 (ja) 磁気抵抗効果素子及びその製造方法
JP3965110B2 (ja) 磁気抵抗効果装置の製造方法ならびに薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2004311686A (ja) 磁気検出素子およびその製造方法
JP3325853B2 (ja) スピンバルブ型薄膜磁気素子及び薄膜磁気ヘッド及びスピンバルブ型薄膜磁気素子の製造方法
JPH10163545A (ja) 磁気抵抗効果素子及びその製造方法
JP3766600B2 (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
JP3939519B2 (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
JP2002329903A (ja) 磁気検出素子及びその製造方法
JP3330891B2 (ja) 磁気抵抗効果素子
JP3854167B2 (ja) 磁気検出素子の製造方法
JP3603023B2 (ja) 磁気抵抗効果型素子およびその製造方法
JP2002123915A (ja) スピンバルブ型薄膜磁気素子及び薄膜磁気ヘッド及び浮上式磁気ヘッド並びにスピンバルブ型薄膜磁気素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051202

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080111

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101012