JP2004311656A - 保持方法、保持装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁場を用いて半導体ウェハやマスクをチャックすることにより、真空環境(減圧雰囲気)下でも強力且つ均一に半導体ウェハやマスクを保持する方法及び装置を提供する。
【解決手段】半導体ウェハ11の裏面には、ニッケル膜12がコートされている。電磁石14の通電スイッチ15は閉じられており、電磁石14の磁場により永久磁石13の磁場はキャンセルされている。半導体ウェハ11はニッケル膜12の成膜されている面が永久磁石13に接するように載置される。そして、スイッチ15が開かれ、電磁石14の磁場が消滅し、永久磁石13の磁場により半導体ウェハ11がチャックされる。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体ウェハ11の裏面には、ニッケル膜12がコートされている。電磁石14の通電スイッチ15は閉じられており、電磁石14の磁場により永久磁石13の磁場はキャンセルされている。半導体ウェハ11はニッケル膜12の成膜されている面が永久磁石13に接するように載置される。そして、スイッチ15が開かれ、電磁石14の磁場が消滅し、永久磁石13の磁場により半導体ウェハ11がチャックされる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁場を用いて半導体ウェハやマスクをチャックする半導体ウェハやマスクの保持方法、保持装置等に関する。特には、真空環境(減圧雰囲気)下でもウェハやマスクを強力且つ均一に吸着することのできる半導体ウェハやマスクの保持方法、保持装置等に関する。さらに、そのような保持装置を有する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の微細化に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上させるために、現在主流である可視光や紫外光に代えて、これらよりも波長の短いEUV光(軟X線、波長11〜13nm)を使用した投影リソグラフィ技術が開発されている。
【0003】
光露光は大気中で行うことができるので、真空吸着により半導体ウェハを露光装置内のウェハステージに保持していた。一方、EUV露光では、EUV光が大気に吸収されて減衰するため、その光路をすべて所定の真空度に維持しておく必要がある。このような真空環境下では、真空チャックを用いることができない。
【0004】
そこで、真空環境下で半導体ウェハをチャックする方法として、静電チャックが提案されている。静電チャックとは、±数100V〜1kV程度の電圧を印加した電極を配置した面上に、チャックすべき物体(半導体ウェハ)を載置し、誘電体の誘電分極などを利用して該物体を吸着させる方法である。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−095932号公報
【特許文献2】
特開2002−299228号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、静電チャックの吸着力は比較的弱く、また、ばらつきがあるという問題がある。そのため、チャックされた半導体ウェハの各部分に不均一に力が負荷されて、ウェハの固定状態が不安定になるおそれがある。このようになると、吸着されたウェハの表面に歪みを生じることが懸念される。そして、最悪の場合には、吸着されたウェハが不安定になって、ウェハが脱離する危険性さえ生じ得る。
【0007】
上記の点に鑑み、本発明は、磁場を用いて半導体ウェハをチャックすることにより、真空環境(減圧雰囲気)下でも強力且つ均一に半導体ウェハを保持する方法及び装置を提供することを目的とする。また、本発明は、このようなウェハの保持方法等を用いることにより、より高い精度で露光・転写作業を行うことのできる露光装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明の保持方法は、非磁性体である対象物を真空中において保持する方法であって、該対象物の一面に磁性体の膜を成膜し、該対象物を載置するチャックの表面に磁場を発生させて前記磁性体膜を前記チャックに吸着することにより、該対象物を保持し、前記磁場を消滅させて前記対象物の保持を解除することを特徴とする。
上記の保持方法においては、前記対象物が半導体ウェハ又はウェハ露光用マスクであるものとすることができる。
本発明によれば、磁場を用いることにより、真空環境下であっても、半導体ウェハを強力且つ均一にチャックすることができる。
【0009】
本発明の保持装置は、一面に磁性体の膜が成膜された対象物をチャックに吸着・保持する装置であって、該チャックの表面に磁場を発生させる永久磁石と、該永久磁石の発生させる磁場を打ち消すキャンセル磁場を発生させる電磁石と、を具備することを特徴とする。
上記の保持装置においては、前記対象物が半導体ウェハ又はウェハ露光用マスクであるものとすることができる。
本発明によれば、永久磁石と電磁石を併せて用いることにより、電磁石に通電する時間を短縮することにより、消費電力を節約することができ、長時間の通電に伴って電磁石が発熱したりするのを回避することができる。
【0010】
上記の保持装置においては、前記永久磁石が前記ウェハ又はマスクの裏面のほぼ全面に対応する面積を有し、前記電磁石が、前記永久磁石の中央部分の磁場を打ち消す中央部電磁石と、前記永久磁石の外周部分の磁場を打ち消す外周部電磁石と、に分かれて形成されており、各電磁石の磁場を個別に制御する通電スイッチを備え、前記ウェハを吸着するときには、前記チャック表面の磁場を、前記永久磁石の中央部分から先に発現させるようにすることもできる。
この場合、外周よりも中央部を先にチャックすることにより、あたかもしわを外周にのばすようにチャックでき、チャック時に力が不均一にかかることによる歪みをなくすことができる。
【0011】
本発明の露光装置は、真空環境下でエネルギー線をマスクを用いて半導体ウェハ上に選択的に照射して該半導体ウェハ上にパターンを形成する露光装置であって、前記半導体ウェハ又はマスクを前記露光装置内で保持するチャックを備え、該チャックが、該チャックの表面に磁場を発生させる永久磁石と、該永久磁石の発生させる磁場を打ち消すキャンセル磁場を発生させる電磁石と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、感応基板(半導体ウェハなど)を歪みなく確実に露光装置にチャックすることができ、露光精度及びスループットの向上を図ることができる。
上記エネルギー線の種類は特に限定されないが、その代表例としては、前述のEUV光を挙げることができるが、そのほかに真空紫外光も対象と考えられる。また、露光の形式としては、縮小投影露光や近接等倍転写など、限定なく用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体ウェハの保持方法を模式的に示す図である。
図1に示すように、半導体ウェハ11の裏面(パターンの形成される表面の反対側の面)には、あらかじめニッケル(Ni)の膜12をコートすることにより、着磁性が付与されている。本実施形態においては、ウェハ11の裏面に成膜する磁性体膜の材料としてニッケルを用いているが、このほかにコバルト(Co)、鉄(Fe)などの着磁性金属、あるいは、これらの合金などを用いることもできる。なお、ニッケルめっきを用いる場合には、1〜数μmあるいはこれ以上の厚みがあれば、ウェハ11を固定するのに十分な吸着力を得ることができる。
【0013】
そして、ウェハ11の図中下方には、永久磁石13が、さらにその下方には電磁石14が配置されており、これらがウェハチャック100を構成している。この永久磁石13としては、タングステン鋼や炭素鋼、希土類、コバルト、ニッケル、銅合金等を用いることができる。
【0014】
本発明のように、磁場を用いてウェハをチャックする場合には、ウェハを保持している間に磁場を発生させ、ウェハの着脱時には磁場を消滅させるような機構が必要となる。本実施形態においては、ウェハを永久磁石13の磁場によりチャックし、電磁石14の磁場によって永久磁石13の磁場をキャンセルするようにする。
【0015】
図1に示す半導体ウェハ(以下、単にウェハともいう。)11、永久磁石13及び電磁石14は、図1上方から見てともに円盤状である。図1に示すように、永久磁石13の直径は、ウェハ11を安定して載置できるように、ウェハ11の直径よりもやや大きく設計されている。そして、電磁石14の直径は、ウェハ11の直径よりもやや大きく、且つ、永久磁石13の直径と等しいか、わずかに小さく設計されている(D11<D14≦D13)。これは、ウェハ11にかかる永久磁石13の磁場をすべてキャンセルできるようにし、且つ、電磁石14の磁場を発生させたときに、電磁石14の磁場が永久磁石13の磁場の及ぶ範囲からはみだして、ウェハ11に余計な力を加えないようにするためである。
【0016】
以下に、半導体ウェハ11をチャックする手順について説明する。
まず、スイッチ15を閉じて電磁石14の磁場(キャンセル磁場)を発生させる。ここで、電磁石14の磁場は、永久磁石13の磁場と逆向きで同じ大きさになるように設定されている。これにより、電磁石14と永久磁石13の磁場が相殺され、装置全体の磁場をみかけ上ゼロにすることができる。
次に、ウェハ11をニッケル膜12の面を永久磁石13側に向けて装着する。この際、装置全体の磁場はゼロになっており、磁場の影響を受けて、装着時に半導体ウェハ11に余計な力がかかって歪みを生じたりするのを防ぐことができる。
そして、スイッチ15を開いて電磁石14の磁場を消滅させる。これにより、ウェハ11は、永久磁石13の磁場によって吸着される。
【0017】
ウェハ11を取り出す際には、再度スイッチ15を閉じて電磁石14の磁場を生じさせて永久磁石13による磁場をキャンセルする。こうして、ウェハ11に対する永久磁石13の磁場による束縛を解いた上で、ウェハチャック100から脱離させて取り出す。
【0018】
本実施形態によれば、真空環境下においても、磁場を用いることにより半導体ウェハを強力且つ均一に吸着することができる。
【0019】
なお、図1及び図2(後述)において、スイッチ(15、251〜253)は機械的スイッチとして示されているが、リレースイッチなどの電気的スイッチ等を用いてもよい。
【0020】
上記の実施形態において、永久磁石のウェハを載置する側の面を平坦に形成することが困難な場合には、この面に十分平坦な面を加工した別の薄い板状の部材を載置してもよい。このような部材としては、磁性体を用いることもできるし、また、セラミックなどの非磁性体を用いることもできる。いずれにせよ、薄い板状で、表面が平坦になるように加工することが容易であり、ウェハを安定して載置することのできる強度を有する素材であればよい。
なお、この場合には、ウェハと永久磁石との間にこのような部材を挿入しても十分な吸着力が得られるように、永久磁石及び電磁石の磁場を調整する必要がある。また、磁性体を用いる場合には、この部材も磁気を帯びるため、永久磁石と同じ大きさにするほうが望ましい。
【0021】
ここで、磁場によりウェハをチャックする方法の例としては、電磁石の磁場によってウェハをチャックし、電磁石の磁場を消滅させてウェハを取り外すようにすることも考えられる。
しかしながら、一般に、ウェハを保持している時間のほうがウェハの着脱に要する時間よりもはるかに長いので、ウェハを保持している間ずっと電磁石に通電しているとすると、装置の消費電力が大きくなってしまう。また、長時間の通電に伴う電磁石からの発熱が露光装置内の近接するほかの機器の性能に影響を与えることが考えられる。例えば、ウェハが熱膨張することにより、露光精度が低下するなどの問題が生じ得る。
しかるに、上記の実施形態においては、チャックとして永久磁石を用い、ウェハの着脱に要する短い時間にのみ電磁石の磁力を発生させることにより、上述の電力の過剰消費と通電に伴う発熱の問題を回避している。
【0022】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る半導体ウェハの保持方法を模式的に示す図である。図2(A)は、ウェハ及びウェハチャックの断面図であり、図2(B)は、電磁石の平面図である。
図2(A)に示すウェハ210の裏面(図中下面)には、磁性体膜の一例としてニッケル膜220がコートされている。そして、ウェハ210の下方には、永久磁石230が図示されており、さらにその下方には電磁石240が配置されている。永久磁石230と電磁石240(スイッチ251〜253を含む。)は、ウェハチャック200を構成している。
【0023】
図2に示す半導体ウェハ210、永久磁石220及び電磁石240(241〜243)は、図2上方から見てともに円盤状である。第1の実施形態と同様に、電磁石240の直径は、永久磁石230の直径と等しいかわずかに小さく、ウェハ210の直径よりやや大きくなるように設計されている(D210<D240≦D230)。
【0024】
図2(B)に示すように、本実施形態においては、電磁石240は、同心円状の3つの領域(241〜243)に分けられている。中心の円が中心部電磁石241で、その外周に242、最外周に243が配置されている。
電磁石241〜243は、それぞれスイッチ251〜253を開閉することにより、個別に磁場を発生させたり、消滅させたりすることができる。これらの電磁石241〜243の磁場は、永久磁石230の対面する部分の磁場と反対の向きで、同じ大きさに設定されている。これにより、各電磁石241〜243の磁場により、永久磁石230の各電磁石241〜243と対面している部分の磁場を相殺することができる。
【0025】
以下に、半導体ウェハ210をチャックする手順について説明する。
まず、スイッチ251〜253を閉じて、電磁石241〜243の磁場(キャンセル磁場)を発生させる。これにより、電磁石241〜243と永久磁石230の磁場が相殺され、ウェハチャック200全体のみかけ上の磁場をゼロにすることができる。
次に、ウェハ210をニッケル膜220の面を永久磁石230側に向けて装着する。この際、装置全体の磁場はゼロになっているので、磁場の影響を受けて、装着時に半導体ウェハ210に歪みを生じたりするのを防ぐことができる。
そして、スイッチ251〜253を開いて電磁石241〜243の磁場を消滅させる。これにより、ウェハ210は、永久磁石230の磁場によって吸着される。
この際、251、252、253の順にスイッチを開く。すると、永久磁石230の磁場は、中央の部分から先に発現して、ウェハ210は先に中央の部分、次に外周部分が順次吸着されてチャックが完了する。この際、チャック時のウェハ210の不均一性をなくすように、いわばウェハ210の中央から外周にしわをのばすようにチャックすることになる。
【0026】
ウェハ210を取り出す際には、再度スイッチ251〜253を閉じて電磁石241〜243のキャンセル磁場を生じさせて永久磁石230による磁場をキャンセルする。こうして、ウェハ210に対する永久磁石230の磁場による束縛を解いた上で、ウェハチャック200から脱離させて取り出す。
【0027】
上記の実施形態によれば、ウェハ210の中央部分から外周へ順に磁場を発生させて吸着することにより、磁場によってチャックする際にウェハに歪みが生じるのを低減することができる。
【0028】
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、永久磁石230の表面(ウェハ210を載置する側の面)を平坦に形成することが困難な場合には、この面に十分平坦な面を加工した別の部材を載置してもよい。
【0029】
以下に、上述の磁場による半導体ウェハの保持方法を用いた露光装置の例としてEUV露光装置について説明する。
図3は、EUV露光装置(4枚投影系)の概略構成を示す図である。
図3に示すEUV露光装置は、光源を含む照明系ILを備えている。照明系ILから放射されたEUV光(一般に波長5〜20nmが用いられ、具体的には13nmや11nmの波長が用いられる)は、折り返しミラー301で反射してレチクル302に照射される。
【0030】
レチクル302は、レチクルステージ303に固定されたチャック303aに吸着・保持されている。このレチクルステージ303は、走査方向に100mm以上のストロークを持ち、レチクル面内の走査方向と直交する方向に微小ストロークを持ち、光軸方向にも微小ストロークを持っている。レチクルステージ303の走査方向及びこれに直交する方向の位置は図示せぬレーザ干渉計によって高精度にモニタされ、光軸方向はレチクルフォーカス送光系304とレチクルフォーカス受光系305からなるレチクルフォーカスセンサでモニタされている。
【0031】
レチクル302で反射したEUV光は、図中下側の光学鏡筒314内に入射する。このEUV光は、レチクル302に描かれた回路パターンの情報を含んでいる。レチクル302にはEUV光を反射する多層膜(例えばMo/SiやMo/Be)が形成されており、この多層膜の上に吸収層(例えばNiやAl)の有無でパターニングされている。
【0032】
光学鏡筒314内に入射したEUV光は、第一ミラー306で反射した後、第二ミラー307、第三ミラー308、第四ミラー309と順次反射し、最終的にはウェハ310に対して垂直に入射する。投影系の縮小倍率は、例えば1/4や1/5である。この図では、ミラーは4枚であるが、N.A.(Numerical Aperture)をより大きくするためには、ミラーを6枚あるいは8枚にすると効果的である。鏡筒314の近傍には、アライメント用のオフアクシス顕微鏡315が配置されている。
【0033】
ウェハ310は、裏面(パターンの形成される面の裏面)に磁性体膜が成膜されており、ウェハステージ311に固定されたチャック311aの上に磁場によりチャック・保持されている(チャック311aの構成の詳細については、図1及び図2参照。)。このウェハステージ311は、光軸と直交する面内を自由に移動することができ、ストロークは例えば300〜400mmである。同ウェハステージ311は、光軸方向にも微小ストロークの上下が可能で、光軸方向の位置はウェハオートフォーカス送光系312とウェハオートフォーカス受光系313からなるウェハフォーカスセンサでモニタされている。ウェハステージ311の光軸と直行する面内における位置は図示せぬレーザ干渉計によって高精度にモニタされている。露光動作において、レチクルステージ303とウェハステージ311は、投影系の縮小倍率と同じ速度比、すなわち、4:1あるいは5:1で同期走査する。
【0034】
上記の実施形態によれば、本発明の半導体ウェハの保持方法を用いることにより、ウェハ310をウェハステージ311に歪みなく確実に吸着・保持することができる。なお、レチクル302の裏面にもウェハ310と同様の磁性膜を成膜し、磁場を用いて保持するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明に係る半導体ウェハの保持方法及び保持装置によると、真空環境下においても、磁場を用いることにより、半導体ウェハを強力且つ均一な力で吸着することができる。
また、本発明に係る露光装置によると、ウェハをウェハステージに歪みなく確実にチャック・保持することができ、より高精度の露光作業を行うことができる。また、ウェハは、ステージ上にしっかりと固定されているので、ステージを高速で動作させることができ、露光装置のスループットの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体ウェハの保持方法を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る半導体ウェハの保持方法を模式的に示す図である。
(A) ウェハ及びウェハチャックの断面図である。
(B) 電磁石の平面図である。
【図3】EUV露光装置(4枚投影系)の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
11、210 半導体ウェハ
12、220 ニッケル膜
13、230 永久磁石
14、241、242、243 電磁石
15、251、252、253 通電スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁場を用いて半導体ウェハやマスクをチャックする半導体ウェハやマスクの保持方法、保持装置等に関する。特には、真空環境(減圧雰囲気)下でもウェハやマスクを強力且つ均一に吸着することのできる半導体ウェハやマスクの保持方法、保持装置等に関する。さらに、そのような保持装置を有する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の微細化に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上させるために、現在主流である可視光や紫外光に代えて、これらよりも波長の短いEUV光(軟X線、波長11〜13nm)を使用した投影リソグラフィ技術が開発されている。
【0003】
光露光は大気中で行うことができるので、真空吸着により半導体ウェハを露光装置内のウェハステージに保持していた。一方、EUV露光では、EUV光が大気に吸収されて減衰するため、その光路をすべて所定の真空度に維持しておく必要がある。このような真空環境下では、真空チャックを用いることができない。
【0004】
そこで、真空環境下で半導体ウェハをチャックする方法として、静電チャックが提案されている。静電チャックとは、±数100V〜1kV程度の電圧を印加した電極を配置した面上に、チャックすべき物体(半導体ウェハ)を載置し、誘電体の誘電分極などを利用して該物体を吸着させる方法である。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−095932号公報
【特許文献2】
特開2002−299228号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、静電チャックの吸着力は比較的弱く、また、ばらつきがあるという問題がある。そのため、チャックされた半導体ウェハの各部分に不均一に力が負荷されて、ウェハの固定状態が不安定になるおそれがある。このようになると、吸着されたウェハの表面に歪みを生じることが懸念される。そして、最悪の場合には、吸着されたウェハが不安定になって、ウェハが脱離する危険性さえ生じ得る。
【0007】
上記の点に鑑み、本発明は、磁場を用いて半導体ウェハをチャックすることにより、真空環境(減圧雰囲気)下でも強力且つ均一に半導体ウェハを保持する方法及び装置を提供することを目的とする。また、本発明は、このようなウェハの保持方法等を用いることにより、より高い精度で露光・転写作業を行うことのできる露光装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明の保持方法は、非磁性体である対象物を真空中において保持する方法であって、該対象物の一面に磁性体の膜を成膜し、該対象物を載置するチャックの表面に磁場を発生させて前記磁性体膜を前記チャックに吸着することにより、該対象物を保持し、前記磁場を消滅させて前記対象物の保持を解除することを特徴とする。
上記の保持方法においては、前記対象物が半導体ウェハ又はウェハ露光用マスクであるものとすることができる。
本発明によれば、磁場を用いることにより、真空環境下であっても、半導体ウェハを強力且つ均一にチャックすることができる。
【0009】
本発明の保持装置は、一面に磁性体の膜が成膜された対象物をチャックに吸着・保持する装置であって、該チャックの表面に磁場を発生させる永久磁石と、該永久磁石の発生させる磁場を打ち消すキャンセル磁場を発生させる電磁石と、を具備することを特徴とする。
上記の保持装置においては、前記対象物が半導体ウェハ又はウェハ露光用マスクであるものとすることができる。
本発明によれば、永久磁石と電磁石を併せて用いることにより、電磁石に通電する時間を短縮することにより、消費電力を節約することができ、長時間の通電に伴って電磁石が発熱したりするのを回避することができる。
【0010】
上記の保持装置においては、前記永久磁石が前記ウェハ又はマスクの裏面のほぼ全面に対応する面積を有し、前記電磁石が、前記永久磁石の中央部分の磁場を打ち消す中央部電磁石と、前記永久磁石の外周部分の磁場を打ち消す外周部電磁石と、に分かれて形成されており、各電磁石の磁場を個別に制御する通電スイッチを備え、前記ウェハを吸着するときには、前記チャック表面の磁場を、前記永久磁石の中央部分から先に発現させるようにすることもできる。
この場合、外周よりも中央部を先にチャックすることにより、あたかもしわを外周にのばすようにチャックでき、チャック時に力が不均一にかかることによる歪みをなくすことができる。
【0011】
本発明の露光装置は、真空環境下でエネルギー線をマスクを用いて半導体ウェハ上に選択的に照射して該半導体ウェハ上にパターンを形成する露光装置であって、前記半導体ウェハ又はマスクを前記露光装置内で保持するチャックを備え、該チャックが、該チャックの表面に磁場を発生させる永久磁石と、該永久磁石の発生させる磁場を打ち消すキャンセル磁場を発生させる電磁石と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、感応基板(半導体ウェハなど)を歪みなく確実に露光装置にチャックすることができ、露光精度及びスループットの向上を図ることができる。
上記エネルギー線の種類は特に限定されないが、その代表例としては、前述のEUV光を挙げることができるが、そのほかに真空紫外光も対象と考えられる。また、露光の形式としては、縮小投影露光や近接等倍転写など、限定なく用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体ウェハの保持方法を模式的に示す図である。
図1に示すように、半導体ウェハ11の裏面(パターンの形成される表面の反対側の面)には、あらかじめニッケル(Ni)の膜12をコートすることにより、着磁性が付与されている。本実施形態においては、ウェハ11の裏面に成膜する磁性体膜の材料としてニッケルを用いているが、このほかにコバルト(Co)、鉄(Fe)などの着磁性金属、あるいは、これらの合金などを用いることもできる。なお、ニッケルめっきを用いる場合には、1〜数μmあるいはこれ以上の厚みがあれば、ウェハ11を固定するのに十分な吸着力を得ることができる。
【0013】
そして、ウェハ11の図中下方には、永久磁石13が、さらにその下方には電磁石14が配置されており、これらがウェハチャック100を構成している。この永久磁石13としては、タングステン鋼や炭素鋼、希土類、コバルト、ニッケル、銅合金等を用いることができる。
【0014】
本発明のように、磁場を用いてウェハをチャックする場合には、ウェハを保持している間に磁場を発生させ、ウェハの着脱時には磁場を消滅させるような機構が必要となる。本実施形態においては、ウェハを永久磁石13の磁場によりチャックし、電磁石14の磁場によって永久磁石13の磁場をキャンセルするようにする。
【0015】
図1に示す半導体ウェハ(以下、単にウェハともいう。)11、永久磁石13及び電磁石14は、図1上方から見てともに円盤状である。図1に示すように、永久磁石13の直径は、ウェハ11を安定して載置できるように、ウェハ11の直径よりもやや大きく設計されている。そして、電磁石14の直径は、ウェハ11の直径よりもやや大きく、且つ、永久磁石13の直径と等しいか、わずかに小さく設計されている(D11<D14≦D13)。これは、ウェハ11にかかる永久磁石13の磁場をすべてキャンセルできるようにし、且つ、電磁石14の磁場を発生させたときに、電磁石14の磁場が永久磁石13の磁場の及ぶ範囲からはみだして、ウェハ11に余計な力を加えないようにするためである。
【0016】
以下に、半導体ウェハ11をチャックする手順について説明する。
まず、スイッチ15を閉じて電磁石14の磁場(キャンセル磁場)を発生させる。ここで、電磁石14の磁場は、永久磁石13の磁場と逆向きで同じ大きさになるように設定されている。これにより、電磁石14と永久磁石13の磁場が相殺され、装置全体の磁場をみかけ上ゼロにすることができる。
次に、ウェハ11をニッケル膜12の面を永久磁石13側に向けて装着する。この際、装置全体の磁場はゼロになっており、磁場の影響を受けて、装着時に半導体ウェハ11に余計な力がかかって歪みを生じたりするのを防ぐことができる。
そして、スイッチ15を開いて電磁石14の磁場を消滅させる。これにより、ウェハ11は、永久磁石13の磁場によって吸着される。
【0017】
ウェハ11を取り出す際には、再度スイッチ15を閉じて電磁石14の磁場を生じさせて永久磁石13による磁場をキャンセルする。こうして、ウェハ11に対する永久磁石13の磁場による束縛を解いた上で、ウェハチャック100から脱離させて取り出す。
【0018】
本実施形態によれば、真空環境下においても、磁場を用いることにより半導体ウェハを強力且つ均一に吸着することができる。
【0019】
なお、図1及び図2(後述)において、スイッチ(15、251〜253)は機械的スイッチとして示されているが、リレースイッチなどの電気的スイッチ等を用いてもよい。
【0020】
上記の実施形態において、永久磁石のウェハを載置する側の面を平坦に形成することが困難な場合には、この面に十分平坦な面を加工した別の薄い板状の部材を載置してもよい。このような部材としては、磁性体を用いることもできるし、また、セラミックなどの非磁性体を用いることもできる。いずれにせよ、薄い板状で、表面が平坦になるように加工することが容易であり、ウェハを安定して載置することのできる強度を有する素材であればよい。
なお、この場合には、ウェハと永久磁石との間にこのような部材を挿入しても十分な吸着力が得られるように、永久磁石及び電磁石の磁場を調整する必要がある。また、磁性体を用いる場合には、この部材も磁気を帯びるため、永久磁石と同じ大きさにするほうが望ましい。
【0021】
ここで、磁場によりウェハをチャックする方法の例としては、電磁石の磁場によってウェハをチャックし、電磁石の磁場を消滅させてウェハを取り外すようにすることも考えられる。
しかしながら、一般に、ウェハを保持している時間のほうがウェハの着脱に要する時間よりもはるかに長いので、ウェハを保持している間ずっと電磁石に通電しているとすると、装置の消費電力が大きくなってしまう。また、長時間の通電に伴う電磁石からの発熱が露光装置内の近接するほかの機器の性能に影響を与えることが考えられる。例えば、ウェハが熱膨張することにより、露光精度が低下するなどの問題が生じ得る。
しかるに、上記の実施形態においては、チャックとして永久磁石を用い、ウェハの着脱に要する短い時間にのみ電磁石の磁力を発生させることにより、上述の電力の過剰消費と通電に伴う発熱の問題を回避している。
【0022】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る半導体ウェハの保持方法を模式的に示す図である。図2(A)は、ウェハ及びウェハチャックの断面図であり、図2(B)は、電磁石の平面図である。
図2(A)に示すウェハ210の裏面(図中下面)には、磁性体膜の一例としてニッケル膜220がコートされている。そして、ウェハ210の下方には、永久磁石230が図示されており、さらにその下方には電磁石240が配置されている。永久磁石230と電磁石240(スイッチ251〜253を含む。)は、ウェハチャック200を構成している。
【0023】
図2に示す半導体ウェハ210、永久磁石220及び電磁石240(241〜243)は、図2上方から見てともに円盤状である。第1の実施形態と同様に、電磁石240の直径は、永久磁石230の直径と等しいかわずかに小さく、ウェハ210の直径よりやや大きくなるように設計されている(D210<D240≦D230)。
【0024】
図2(B)に示すように、本実施形態においては、電磁石240は、同心円状の3つの領域(241〜243)に分けられている。中心の円が中心部電磁石241で、その外周に242、最外周に243が配置されている。
電磁石241〜243は、それぞれスイッチ251〜253を開閉することにより、個別に磁場を発生させたり、消滅させたりすることができる。これらの電磁石241〜243の磁場は、永久磁石230の対面する部分の磁場と反対の向きで、同じ大きさに設定されている。これにより、各電磁石241〜243の磁場により、永久磁石230の各電磁石241〜243と対面している部分の磁場を相殺することができる。
【0025】
以下に、半導体ウェハ210をチャックする手順について説明する。
まず、スイッチ251〜253を閉じて、電磁石241〜243の磁場(キャンセル磁場)を発生させる。これにより、電磁石241〜243と永久磁石230の磁場が相殺され、ウェハチャック200全体のみかけ上の磁場をゼロにすることができる。
次に、ウェハ210をニッケル膜220の面を永久磁石230側に向けて装着する。この際、装置全体の磁場はゼロになっているので、磁場の影響を受けて、装着時に半導体ウェハ210に歪みを生じたりするのを防ぐことができる。
そして、スイッチ251〜253を開いて電磁石241〜243の磁場を消滅させる。これにより、ウェハ210は、永久磁石230の磁場によって吸着される。
この際、251、252、253の順にスイッチを開く。すると、永久磁石230の磁場は、中央の部分から先に発現して、ウェハ210は先に中央の部分、次に外周部分が順次吸着されてチャックが完了する。この際、チャック時のウェハ210の不均一性をなくすように、いわばウェハ210の中央から外周にしわをのばすようにチャックすることになる。
【0026】
ウェハ210を取り出す際には、再度スイッチ251〜253を閉じて電磁石241〜243のキャンセル磁場を生じさせて永久磁石230による磁場をキャンセルする。こうして、ウェハ210に対する永久磁石230の磁場による束縛を解いた上で、ウェハチャック200から脱離させて取り出す。
【0027】
上記の実施形態によれば、ウェハ210の中央部分から外周へ順に磁場を発生させて吸着することにより、磁場によってチャックする際にウェハに歪みが生じるのを低減することができる。
【0028】
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、永久磁石230の表面(ウェハ210を載置する側の面)を平坦に形成することが困難な場合には、この面に十分平坦な面を加工した別の部材を載置してもよい。
【0029】
以下に、上述の磁場による半導体ウェハの保持方法を用いた露光装置の例としてEUV露光装置について説明する。
図3は、EUV露光装置(4枚投影系)の概略構成を示す図である。
図3に示すEUV露光装置は、光源を含む照明系ILを備えている。照明系ILから放射されたEUV光(一般に波長5〜20nmが用いられ、具体的には13nmや11nmの波長が用いられる)は、折り返しミラー301で反射してレチクル302に照射される。
【0030】
レチクル302は、レチクルステージ303に固定されたチャック303aに吸着・保持されている。このレチクルステージ303は、走査方向に100mm以上のストロークを持ち、レチクル面内の走査方向と直交する方向に微小ストロークを持ち、光軸方向にも微小ストロークを持っている。レチクルステージ303の走査方向及びこれに直交する方向の位置は図示せぬレーザ干渉計によって高精度にモニタされ、光軸方向はレチクルフォーカス送光系304とレチクルフォーカス受光系305からなるレチクルフォーカスセンサでモニタされている。
【0031】
レチクル302で反射したEUV光は、図中下側の光学鏡筒314内に入射する。このEUV光は、レチクル302に描かれた回路パターンの情報を含んでいる。レチクル302にはEUV光を反射する多層膜(例えばMo/SiやMo/Be)が形成されており、この多層膜の上に吸収層(例えばNiやAl)の有無でパターニングされている。
【0032】
光学鏡筒314内に入射したEUV光は、第一ミラー306で反射した後、第二ミラー307、第三ミラー308、第四ミラー309と順次反射し、最終的にはウェハ310に対して垂直に入射する。投影系の縮小倍率は、例えば1/4や1/5である。この図では、ミラーは4枚であるが、N.A.(Numerical Aperture)をより大きくするためには、ミラーを6枚あるいは8枚にすると効果的である。鏡筒314の近傍には、アライメント用のオフアクシス顕微鏡315が配置されている。
【0033】
ウェハ310は、裏面(パターンの形成される面の裏面)に磁性体膜が成膜されており、ウェハステージ311に固定されたチャック311aの上に磁場によりチャック・保持されている(チャック311aの構成の詳細については、図1及び図2参照。)。このウェハステージ311は、光軸と直交する面内を自由に移動することができ、ストロークは例えば300〜400mmである。同ウェハステージ311は、光軸方向にも微小ストロークの上下が可能で、光軸方向の位置はウェハオートフォーカス送光系312とウェハオートフォーカス受光系313からなるウェハフォーカスセンサでモニタされている。ウェハステージ311の光軸と直行する面内における位置は図示せぬレーザ干渉計によって高精度にモニタされている。露光動作において、レチクルステージ303とウェハステージ311は、投影系の縮小倍率と同じ速度比、すなわち、4:1あるいは5:1で同期走査する。
【0034】
上記の実施形態によれば、本発明の半導体ウェハの保持方法を用いることにより、ウェハ310をウェハステージ311に歪みなく確実に吸着・保持することができる。なお、レチクル302の裏面にもウェハ310と同様の磁性膜を成膜し、磁場を用いて保持するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明に係る半導体ウェハの保持方法及び保持装置によると、真空環境下においても、磁場を用いることにより、半導体ウェハを強力且つ均一な力で吸着することができる。
また、本発明に係る露光装置によると、ウェハをウェハステージに歪みなく確実にチャック・保持することができ、より高精度の露光作業を行うことができる。また、ウェハは、ステージ上にしっかりと固定されているので、ステージを高速で動作させることができ、露光装置のスループットの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体ウェハの保持方法を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る半導体ウェハの保持方法を模式的に示す図である。
(A) ウェハ及びウェハチャックの断面図である。
(B) 電磁石の平面図である。
【図3】EUV露光装置(4枚投影系)の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
11、210 半導体ウェハ
12、220 ニッケル膜
13、230 永久磁石
14、241、242、243 電磁石
15、251、252、253 通電スイッチ
Claims (6)
- 非磁性体である対象物を真空中において保持する方法であって、
該対象物の一面に磁性体の膜を成膜し、
該対象物を載置するチャックの表面に磁場を発生させて前記磁性体膜を前記チャックに吸着することにより、該対象物を保持し、
前記磁場を消滅させて前記対象物の保持を解除することを特徴とする保持方法。 - 前記対象物が半導体ウェハ又はウェハ露光用マスクであることを特徴とする請求項1記載の保持方法。
- 一面に磁性体の膜が成膜された対象物をチャックに吸着・保持する装置であって、
該チャックの表面に磁場を発生させる永久磁石と、
該永久磁石の発生させる磁場を打ち消すキャンセル磁場を発生させる電磁石と、
を具備することを特徴とする保持装置。 - 前記対象物が半導体ウェハ又はウェハ露光用マスクであることを特徴とする請求項3記載の保持装置。
- 前記永久磁石が前記ウェハ又はマスクの裏面のほぼ全面に対応する面積を有し、
前記電磁石が、前記永久磁石の中央部分の磁場を打ち消す中央部電磁石と、前記永久磁石の外周部分の磁場を打ち消す外周部電磁石と、に分かれて形成されており、
各電磁石の磁場を個別に制御する通電スイッチを備え、
前記ウェハを吸着するときには、前記チャック表面の磁場を、前記永久磁石の中央部分から先に発現させることを特徴とする請求項4記載の保持装置。 - 真空環境下でエネルギー線をマスクを用いて半導体ウェハ上に選択的に照射して該半導体ウェハ上にパターンを形成する露光装置であって、
前記半導体ウェハ又はマスクを前記露光装置内で保持するチャックを備え、
該チャックが、
該チャックの表面に磁場を発生させる永久磁石と、
該永久磁石の発生させる磁場を打ち消すキャンセル磁場を発生させる電磁石と、
を有することを特徴とする露光装置。
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JP2003102145A JP2004311656A (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 保持方法、保持装置及び露光装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107710397A (zh) * | 2015-06-12 | 2018-02-16 | 株式会社爱发科 | 基板保持装置、成膜装置和基板保持方法 |
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-
2003
- 2003-04-04 JP JP2003102145A patent/JP2004311656A/ja active Pending
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