JP2004311519A - 沸騰冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒容器に歪が発生した場合であっても、発熱体が発する熱を冷媒に伝達し確実に冷却性能を発揮することが可能な沸騰冷却装置を提供すること。
【解決手段】沸騰冷却装置1は、発熱体100の形状に対応した取付面71を有し、受熱側プレート部材20より剛性が高いブロック体の受熱部70を冷媒容器10とは別体で備えている。したがって、冷媒容器10の受熱側プレート部材20が歪むことがあったとしても、受熱部70の取付面71は歪み難い。これにより、受熱部70の取付面71に発熱体100を取り付けたときに発熱体100を密着させ易い。
【選択図】 図6
【解決手段】沸騰冷却装置1は、発熱体100の形状に対応した取付面71を有し、受熱側プレート部材20より剛性が高いブロック体の受熱部70を冷媒容器10とは別体で備えている。したがって、冷媒容器10の受熱側プレート部材20が歪むことがあったとしても、受熱部70の取付面71は歪み難い。これにより、受熱部70の取付面71に発熱体100を取り付けたときに発熱体100を密着させ易い。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒の沸騰と凝縮による潜熱移動によって発熱体を冷却する沸騰冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、下記特許文献1に開示された沸騰冷却装置がある。この沸騰冷却装置は、内部に冷媒を貯留する冷媒容器を備えている。この冷媒容器は、受熱プレート、放熱プレート、および両プレート間に挟まれる中間プレートを積層して形成されている。そして、発熱体を冷却するときには、発熱体が冷媒容器の受熱プレート面に取り付けられ、冷媒容器内の冷媒が発熱体から受熱するようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−42671号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の沸騰冷却装置では、受熱プレートをプレス加工等により形成するとき、あるいは受熱プレートを他のプレートとろう付け等により接合して冷媒容器を形成するときに、受熱プレートに歪が発生する場合がある。冷媒容器の発熱体を取り付ける部位に歪が発生すると、発熱体を冷媒容器に取り付けたときに発熱体と冷媒容器とが密着し難く、発熱体が発する熱を冷媒に伝え難いという不具合が発生する。このような不具合が発生すると沸騰冷却装置の冷却性能が充分に発揮できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点を鑑みてなされたものであって、冷媒容器に歪が発生した場合であっても、発熱体が発する熱を冷媒に確実に伝達し冷却性能を発揮することが可能な沸騰冷却装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
冷媒を内部に貯留する冷媒容器(10)を備え、
冷媒が発熱体(100)から受熱して沸騰気化し、その冷媒蒸気が有する潜熱を外部に放出して発熱体(100)を冷却する沸騰冷却装置において、
発熱体(100)の形状に対応した取付面(71)に発熱体(100)が取り付けられる取付部材(70)を、冷媒容器(10)とは別体で備え、
取付部材(70)は冷媒容器(10)に接合され、冷媒は取付部材(70)を介して前記発熱体(100)から受熱することを特徴としている。
【0007】
これによると、冷媒容器(10)に歪が発生したとしても、冷媒容器(10)と別体の取付部材(70)には歪が発生し難い。したがって、取付部材(70)の取付面(71)に発熱体(100)を密着させ易く、発熱体(100)が発する熱を冷媒に伝達し易い。このようにして、冷却性能を確実に発揮することが可能である。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、冷媒容器(10)は、複数のプレート部材(20、30、40、50、60)を積層配置して形成されていることを特徴としている。
【0009】
これによると、複数のプレート部材(20、30、40、50、60)を積層することで、冷媒容器(10)を容易に構成することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、取付部材(70)は、プレート部材(20)より剛性が高いことことを特徴としている。
【0011】
これによると、冷媒容器(10)を構成するプレート部材(20)に歪が発生した場合であっても、冷媒容器(10)に接合された取付部材(70)の取付面(71)が歪むことを確実に防止することが可能である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、
複数のプレート部材(20、30、40、50、60)は、積層方向の最外方に配置される外側プレート部材(20、60)と、外側プレート部材(20、60)間に配置されるとともに、冷媒の貯留空間となる開口(31、41、51)を有する中間プレート部材(30、40、50)とからなり、
取付部材(70)は、中間プレート部材(30)に対し開口(31a)を覆うように接合されていることを特徴としている。
【0013】
これによると、取付部材(70)が開口(31a)を覆う部位において、取付部材(70)と冷媒とを直接接触させることができる。したがって、取付部材(70)は発熱体(100)が発する熱を効率良く冷媒に伝達することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明では、中間プレート部材(30)は、表面にろう材層を有し、取付部材(70)は、ろう材層のろう材により接合されていることを特徴としている。
【0015】
これによると、取付部材(70)を、冷媒容器(10)の中間プレート(30)に、中間プレート部材(30)の表面のろう材層を利用して容易に接合することができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明では、取付部材(170)には、前記開口(31a)と連通する凹部(174)が形成されていることを特徴としている。
【0017】
これによると、凹部(174)内において取付部材(170)と冷媒とを直接接触させることができる。したがって、取付部材(170)は発熱体が発する熱を一層効率良く冷媒に伝達することができる。
【0018】
また、請求項7に記載の発明では、外側プレート部材(20)は、取付部材(70)の外形に対応した開口部(21)を有し、取付部材(70)は、開口部(21)内に挿設されつつ中間プレート部材(30)に接合されていることを特徴としている。
【0019】
これによると、開口部(21)により、取付部材(70)の冷媒容器(10)への接合位置を決定し易い。
【0020】
また、請求項8に記載の発明では、外側プレート部材(20)は、開口部(21)の内側方向に突出した突出部(22)を有し、突出部(22)は、開口部(21)に挿設された取付部材(70)に当接していることを特徴としている。
【0021】
これによると、突出部(22)により、開口部(21)に挿設された取付部材(70)を位置決めし易い。また、接合時の仮固定も容易である。
【0022】
また、請求項9に記載の発明では、取付部材(270)は、取付面(271)から立設され、取付面(271)に発熱体(100)を取り付けたときに発熱体(100)の外周面に密接する壁部(276)を有することを特徴としている。
【0023】
これによると、発熱体(100)を取付部材(270)の取付面(271)に取り付けたときに、発熱体(100)を取付面(271)だけでなく壁部(276)とも接触させることができる。すなわち、取付部材(270)と発熱体(100)との接触面積を増加することが可能である。したがって、取付部材(270)は発熱体(100)が発する熱をより一層効率良く冷媒に伝達することができる。
【0024】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す図であり、(a)は、概略側面図、(b)は、沸騰冷却装置を図1(a)の下方側から見た図である。
【0027】
図1(a)に示すように、沸騰冷却装置1は、例えば、半導体素子等の発熱体100を冷却するもので、内部空間に冷媒を貯留する冷媒容器10と、この冷媒容器10の図1(a)中下面側に設けられ、発熱体100が取り付けられる受熱部70とで構成されている。ここで、受熱部70が本実施形態における取付部材である。
【0028】
図1(a)に示すように、冷媒容器10は、発熱体100が取り付けられる側の最外部に配置される外側プレート部材である受熱側プレート20、受熱側プレート20とは反対側の最外部に配置される外側プレート部材である放熱側プレート60、および受熱側プレート20と放熱側プレート60との間に積層される3枚の中間プレート部材である中間プレート30、40、50により構成されている。
【0029】
図2に示すように、受熱側プレート20には、受熱部70を挿設するための矩形状の開口部21が形成されており、開口部21の内側面には、各辺に開口部21の内側方向に突出した突出部22がそれぞれ2つ設けられている。この突出部22は、開口部21内に受熱部70が挿設されたときに、受熱部70の側面73(図1(b)参照)に当接するようになっている。
【0030】
図3に示すように、中間プレート30には、図中左右方向(図1(b)の左右方向に対応)に延びるスリット状の開口31が複数本並設されている。また、図4に示すように、中間プレート40には、図中上下方向(図1(b)の上下方向に対応)に延びるスリット状の開口41が複数本並設され、図5に示すように、中間プレート50には、図中左右方向(図1(b)の左右方向に対応)に延びるスリット状の開口51が複数本並設されている。
【0031】
詳細な図示は省略しているが、放熱側プレート60は、受熱側プレート20、中間プレート30、40、50と外形を同一とし、開口を有しないプレート部材である。
【0032】
そして、中間プレート30、40、50は、受熱側プレート20、放熱側プレート60とともに重ね合わせられ、開口31と開口41とが直交するように配置されるとともに、開口41と開口51とが直交するように配置されている。これにより、開口31、開口41、開口51がすべて連通し、冷媒容器10内に冷媒を貯留および循環するための空間(後述する冷媒室11)が形成されている。
【0033】
受熱部70は、方体形状のブロック体であり、図1(a)中下方側の発熱体100の取付面71とは反対側の端部(後述する接合側面72)が、冷媒容器10の受熱側プレート20の開口部21内に挿設され、中間プレート20に接合されている。なお、受熱部70は、厚さ(図1(a)中上下方向の寸法)が、受熱側プレート20の厚さより厚くなっており、冷媒容器10の図1(a)中下面より突設されている。また、取付面71は、取り付けられる発熱体100に対応したサイズおよび面形状となっている。
【0034】
これにより、受熱部70の取付面71に発熱体100を取り付けたときには、発熱体100は取付面71に密着するとともに、発熱体100と結合する図示しない他の構成(例えば発熱体が実装された基板や基板上の他の素子)と冷媒容器10とが干渉し難くなっている。
【0035】
受熱側プレート20、中間プレート30、40、50、および放熱側プレート60は、それぞれろう付けが可能で、熱伝導性に優れる金属板(例えばアルミニウム板もしくはアルミニウム合金板)からなり、それぞれ平面形状が同一な矩形に形成されている。また、受熱部70は、ろう付けが可能で、熱伝導性に優れる金属ブロック(例えばアルミニウムブロックもしくはアルミニウム合金ブロック)からなっており、各プレート20、30、40、50、60より厚く、剛性が高くなっている。
【0036】
具体的には、受熱側プレート20、放熱側プレート60、受熱部70には熱伝導性よりアルミニウム材を使用し、中間プレート30、40、50には母材となるアルミニウム合金板の表面にろう材層が形成されたクラッド材を使用している。
【0037】
そして、冷媒容器10を構成する複数のプレート部材である各プレート20、30、40、50、60および取付部材である受熱部70を仮固定した後一体ろう付けして沸騰冷却装置1は形成されている。ろう付け前の仮固定時には、受熱部70は受熱側プレート20の開口部21内において、受熱部70に当接する突出部22により確実に位置決めされ、突出部22の若干の弾性変形により確実に仮固定される。
【0038】
一体ろう付けにより形成された沸騰冷却装置1は、図6に断面構造(図1(a)のA−A線断面図)を示すように、各プレート20、30、40、50、60間は中間プレート30、40、50の表面に形成されたろう材層のろう材によりろう付け接合されている。
【0039】
また、受熱部70は、取付面71と反対側の接合側面72が、中間プレート30に対し、中間プレート30の表面に形成されたろう材層のろう材によりろう付け接合されている。さらに、中間プレート30の表面のろう材は、ろう付け時に受熱部70と受熱側プレート20の突出部22との当接部位(図1(b)参照)に進行し、両者間も確実にろう付けされている。
【0040】
受熱部70は、中間プレート30の開口31のうち、受熱側プレート20の開口部21に対応する位置に形成された開口31aを覆うようにろう付け接合されている。したがって、受熱部70の接合側面72は、開口31、41、51により形成された冷媒容器10内の冷媒室11の内壁の一部を構成している。
【0041】
本実施形態では、上述の各プレート20、30、40、50に設けられた開口部およびスリット状開口は、プレス加工により形成した。プレス加工以外に、切削加工、エッチング加工等により形成することも可能である。なお、図示を省略しているが、冷媒容器10には、その内部空間(冷媒室11)に通じる注入パイプが設けられており、冷媒室11内に注入パイプを通じて所定量の冷媒が注入され、注入後、注入パイプの先端を封じ切って密閉されている。また、冷媒として、本例ではフロンが用いられるがこれに限られるものではない。
【0042】
次に、上記構成の沸騰冷却装置1の作動について説明する。
【0043】
ここでは、受熱部70の取付面71が下方となるように沸騰冷却装置1が配置されている場合(所謂ボトムヒートで使用された場合)について説明する。
【0044】
図6に示すように、受熱部70の取付面71に発熱体100が取り付けられ、発熱体100が発熱すると、その熱を受熱部70が取付面71から受熱し接合側面72に伝導する。この受熱部70によって伝えられた熱により、冷媒室11内の受熱側プレート20寄りに貯留されている液冷媒は、接合側面72の近傍領域において沸騰気化し、冷媒室11中に拡散する。
【0045】
そして、拡散した冷媒蒸気は、冷媒室11内の主に放熱側プレート60近傍において外部に放熱して凝縮し、液冷媒となって受熱側プレート20寄りに還流する。このようにして、発熱体100は冷媒の潜熱移動により冷却される。
【0046】
なお、受熱部70の取付面71が側方となるように沸騰冷却装置1が配置されている場合(所謂サイドヒートで使用された場合)には、冷媒の循環方向は若干異なるが、ボトムヒート時と同様の作動により発熱体100は冷却される。
【0047】
上述の構成および作動によれば、沸騰冷却装置1は、発熱体100の形状に対応した取付面71を有し、受熱側プレート部材20等より剛性が高いブロック体の受熱部70を冷媒容器10とは別体で備えている。したがって、受熱側プレート部材20をプレス加工等により形成するとき、もしくは一体ろう付け時に、受熱側プレート部材20が歪むことがあったとしても、受熱部70の取付面71は歪み難い。これにより、受熱部70の取付面71に発熱体100を取り付けたときに発熱体100を密着させ易い。
【0048】
また、受熱部70は、中間プレート30の開口31aを覆うように中間プレート30に接合されており、この部位において、受熱部70は冷媒容器10内の冷媒と直接接触している。
【0049】
これらにより、沸騰冷却装置1は、発熱体100の熱を受熱部70を介して冷媒容器10内の冷媒に効率良く伝達することができる。このようにして、沸騰冷却装置1は冷却性能を確実に発揮することができる。
【0050】
また、冷媒容器10は、複数のプレート20、30、40、50、60を積層し、一部のプレート30、40、50の表面に形成されたろう材層のろう材により接合している。したがって、冷媒容器10を容易に形成することができる。
【0051】
また、受熱部70と冷媒容器10と間のろう付け接合には、中間プレート部材30の表面のろう材層のろう材を利用することができる。したがって、ろう付け時に、接合部位に新たにろう材を供給する必要がない。さらに、一体ろう付け接合するときには、受熱側プレート20の開口部21に設けた突出部22により、受熱部70を冷媒容器10の構成部材に対し位置決め仮固定することが容易にできる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図7に基づいて説明する。本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、受熱部の形状が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0053】
図7に断面図を示すように、本実施形態の沸騰冷却装置1の取付部材である受熱部170には、取付面71と反対側の面に、中間プレート30の開口31aと連通する複数の凹部174が形成されている。そして、接合側面72は周縁部だけでなく隣接する凹部174間の凸部175も、中間プレート30とろう付け接合され、接合強度を確保している。
【0054】
上述の構成によれば、凹部174内においても、受熱部170と冷媒室11内の冷媒とを直接接触させることができる。したがって、受熱部170と冷媒との接触面積が増加できるとともに、発熱体100からの熱の伝導距離を低減することができる。これらにより、受熱部170は発熱体100が発生する熱を一層効率良く冷媒に伝達することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図8に基づいて説明する。本第3の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、受熱部の形状が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0056】
図8に断面図を示すように、本実施形態の沸騰冷却装置1の取付部材である受熱部270には、取付面271の周縁部に、本実施形態における壁部である立設壁276が設けられている。そして、立設壁276の内側の凹部に発熱体100を取り付けると、発熱体100は、取付面271だけでなく立設壁276とも密着するようになっている。
【0057】
上述の構成によれば、受熱部270と発熱体100との接触面積を増加することができる。したがって、受熱部270は発熱体100が発生する熱を一層効率良く冷媒に伝達することができる。
【0058】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、取付部材である受熱部を冷媒容器10の中間プレート20にろう付け接合していたが、冷媒容器とは別体の受熱部を接合するものであれば、これらに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、受熱部370を受熱側プレート20にピン部378等により位置決め仮固定してろう付け等により接合するものであってもよい。これによっても、発熱体の取付面が歪むことを防止できる。すなわち、発熱体と取付面とを密着させ易い。
【0059】
また、上記各実施形態では、冷媒容器10の下面側略中央に受熱部を配置していたが、冷媒の良好な循環等を考慮して中央からオフセットして配置するものであってもよい。特にサイドヒートの姿勢で用いる場合には、注入冷媒量や冷媒循環を考慮して下方側にオフセットして配置させてもよい。
【0060】
また、上記各実施形態では、冷媒を冷媒容器10内で循環させ、主に放熱側プレート60近傍において外部に放熱して凝縮させていたが、放熱効率を向上するために冷媒容器10の表面に放熱フィンを設けるものであってもよい。また、冷媒容器10内の冷媒室11と連通するチューブと、チューブ表面に形成された放熱フィンとを有する放熱部を設け、放熱部に冷媒を循環して冷媒の凝縮を行なうものであってもよい。
【0061】
また、上記第2の実施形態では、受熱部170に冷媒室11内と連通する複数の凹部174を形成していたが、凹部を1つあるいは複数設け、この中にインナフィンを配設するものであってもよい。
【0062】
また、上記各実施形態では、沸騰冷却装置1は、ボトムヒートもしくはサイドヒートの姿勢で使用するもの、すなわち、発熱体の取付面は下方側あるいは側方側とするものであったが、冷媒を強制循環する沸騰冷却装置であれば、発熱体の取付面を上方側に設けるものであってもよい。
【0063】
また、上記各実施形態では、冷媒容器10を5枚のプレートを積層して構成していたが、積層枚数が限定されるものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す図であり、(a)は、概略側面図、(b)は、(a)の下方側から見た図である。
【図2】受熱側プレート20の平面図である。
【図3】中間プレート30の平面図である。
【図4】中間プレート40の平面図である。
【図5】中間プレート50の平面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における沸騰冷却装置の図1(a)A−A断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 沸騰冷却装置
10 冷媒容器
20 受熱側プレート(プレート部材、外側プレート部材)
21 開口部
22 突出部
30、40、50 中間プレート(プレート部材、中間プレート部材)
31、31a、41、51 開口
60 放熱側プレート(プレート部材、外側プレート部材)
70、170、270、370 受熱部(取付部材)
71、271 取付面
100 発熱体
174 凹部
276 立設壁(壁部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒の沸騰と凝縮による潜熱移動によって発熱体を冷却する沸騰冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、下記特許文献1に開示された沸騰冷却装置がある。この沸騰冷却装置は、内部に冷媒を貯留する冷媒容器を備えている。この冷媒容器は、受熱プレート、放熱プレート、および両プレート間に挟まれる中間プレートを積層して形成されている。そして、発熱体を冷却するときには、発熱体が冷媒容器の受熱プレート面に取り付けられ、冷媒容器内の冷媒が発熱体から受熱するようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−42671号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の沸騰冷却装置では、受熱プレートをプレス加工等により形成するとき、あるいは受熱プレートを他のプレートとろう付け等により接合して冷媒容器を形成するときに、受熱プレートに歪が発生する場合がある。冷媒容器の発熱体を取り付ける部位に歪が発生すると、発熱体を冷媒容器に取り付けたときに発熱体と冷媒容器とが密着し難く、発熱体が発する熱を冷媒に伝え難いという不具合が発生する。このような不具合が発生すると沸騰冷却装置の冷却性能が充分に発揮できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点を鑑みてなされたものであって、冷媒容器に歪が発生した場合であっても、発熱体が発する熱を冷媒に確実に伝達し冷却性能を発揮することが可能な沸騰冷却装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
冷媒を内部に貯留する冷媒容器(10)を備え、
冷媒が発熱体(100)から受熱して沸騰気化し、その冷媒蒸気が有する潜熱を外部に放出して発熱体(100)を冷却する沸騰冷却装置において、
発熱体(100)の形状に対応した取付面(71)に発熱体(100)が取り付けられる取付部材(70)を、冷媒容器(10)とは別体で備え、
取付部材(70)は冷媒容器(10)に接合され、冷媒は取付部材(70)を介して前記発熱体(100)から受熱することを特徴としている。
【0007】
これによると、冷媒容器(10)に歪が発生したとしても、冷媒容器(10)と別体の取付部材(70)には歪が発生し難い。したがって、取付部材(70)の取付面(71)に発熱体(100)を密着させ易く、発熱体(100)が発する熱を冷媒に伝達し易い。このようにして、冷却性能を確実に発揮することが可能である。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、冷媒容器(10)は、複数のプレート部材(20、30、40、50、60)を積層配置して形成されていることを特徴としている。
【0009】
これによると、複数のプレート部材(20、30、40、50、60)を積層することで、冷媒容器(10)を容易に構成することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、取付部材(70)は、プレート部材(20)より剛性が高いことことを特徴としている。
【0011】
これによると、冷媒容器(10)を構成するプレート部材(20)に歪が発生した場合であっても、冷媒容器(10)に接合された取付部材(70)の取付面(71)が歪むことを確実に防止することが可能である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、
複数のプレート部材(20、30、40、50、60)は、積層方向の最外方に配置される外側プレート部材(20、60)と、外側プレート部材(20、60)間に配置されるとともに、冷媒の貯留空間となる開口(31、41、51)を有する中間プレート部材(30、40、50)とからなり、
取付部材(70)は、中間プレート部材(30)に対し開口(31a)を覆うように接合されていることを特徴としている。
【0013】
これによると、取付部材(70)が開口(31a)を覆う部位において、取付部材(70)と冷媒とを直接接触させることができる。したがって、取付部材(70)は発熱体(100)が発する熱を効率良く冷媒に伝達することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明では、中間プレート部材(30)は、表面にろう材層を有し、取付部材(70)は、ろう材層のろう材により接合されていることを特徴としている。
【0015】
これによると、取付部材(70)を、冷媒容器(10)の中間プレート(30)に、中間プレート部材(30)の表面のろう材層を利用して容易に接合することができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明では、取付部材(170)には、前記開口(31a)と連通する凹部(174)が形成されていることを特徴としている。
【0017】
これによると、凹部(174)内において取付部材(170)と冷媒とを直接接触させることができる。したがって、取付部材(170)は発熱体が発する熱を一層効率良く冷媒に伝達することができる。
【0018】
また、請求項7に記載の発明では、外側プレート部材(20)は、取付部材(70)の外形に対応した開口部(21)を有し、取付部材(70)は、開口部(21)内に挿設されつつ中間プレート部材(30)に接合されていることを特徴としている。
【0019】
これによると、開口部(21)により、取付部材(70)の冷媒容器(10)への接合位置を決定し易い。
【0020】
また、請求項8に記載の発明では、外側プレート部材(20)は、開口部(21)の内側方向に突出した突出部(22)を有し、突出部(22)は、開口部(21)に挿設された取付部材(70)に当接していることを特徴としている。
【0021】
これによると、突出部(22)により、開口部(21)に挿設された取付部材(70)を位置決めし易い。また、接合時の仮固定も容易である。
【0022】
また、請求項9に記載の発明では、取付部材(270)は、取付面(271)から立設され、取付面(271)に発熱体(100)を取り付けたときに発熱体(100)の外周面に密接する壁部(276)を有することを特徴としている。
【0023】
これによると、発熱体(100)を取付部材(270)の取付面(271)に取り付けたときに、発熱体(100)を取付面(271)だけでなく壁部(276)とも接触させることができる。すなわち、取付部材(270)と発熱体(100)との接触面積を増加することが可能である。したがって、取付部材(270)は発熱体(100)が発する熱をより一層効率良く冷媒に伝達することができる。
【0024】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す図であり、(a)は、概略側面図、(b)は、沸騰冷却装置を図1(a)の下方側から見た図である。
【0027】
図1(a)に示すように、沸騰冷却装置1は、例えば、半導体素子等の発熱体100を冷却するもので、内部空間に冷媒を貯留する冷媒容器10と、この冷媒容器10の図1(a)中下面側に設けられ、発熱体100が取り付けられる受熱部70とで構成されている。ここで、受熱部70が本実施形態における取付部材である。
【0028】
図1(a)に示すように、冷媒容器10は、発熱体100が取り付けられる側の最外部に配置される外側プレート部材である受熱側プレート20、受熱側プレート20とは反対側の最外部に配置される外側プレート部材である放熱側プレート60、および受熱側プレート20と放熱側プレート60との間に積層される3枚の中間プレート部材である中間プレート30、40、50により構成されている。
【0029】
図2に示すように、受熱側プレート20には、受熱部70を挿設するための矩形状の開口部21が形成されており、開口部21の内側面には、各辺に開口部21の内側方向に突出した突出部22がそれぞれ2つ設けられている。この突出部22は、開口部21内に受熱部70が挿設されたときに、受熱部70の側面73(図1(b)参照)に当接するようになっている。
【0030】
図3に示すように、中間プレート30には、図中左右方向(図1(b)の左右方向に対応)に延びるスリット状の開口31が複数本並設されている。また、図4に示すように、中間プレート40には、図中上下方向(図1(b)の上下方向に対応)に延びるスリット状の開口41が複数本並設され、図5に示すように、中間プレート50には、図中左右方向(図1(b)の左右方向に対応)に延びるスリット状の開口51が複数本並設されている。
【0031】
詳細な図示は省略しているが、放熱側プレート60は、受熱側プレート20、中間プレート30、40、50と外形を同一とし、開口を有しないプレート部材である。
【0032】
そして、中間プレート30、40、50は、受熱側プレート20、放熱側プレート60とともに重ね合わせられ、開口31と開口41とが直交するように配置されるとともに、開口41と開口51とが直交するように配置されている。これにより、開口31、開口41、開口51がすべて連通し、冷媒容器10内に冷媒を貯留および循環するための空間(後述する冷媒室11)が形成されている。
【0033】
受熱部70は、方体形状のブロック体であり、図1(a)中下方側の発熱体100の取付面71とは反対側の端部(後述する接合側面72)が、冷媒容器10の受熱側プレート20の開口部21内に挿設され、中間プレート20に接合されている。なお、受熱部70は、厚さ(図1(a)中上下方向の寸法)が、受熱側プレート20の厚さより厚くなっており、冷媒容器10の図1(a)中下面より突設されている。また、取付面71は、取り付けられる発熱体100に対応したサイズおよび面形状となっている。
【0034】
これにより、受熱部70の取付面71に発熱体100を取り付けたときには、発熱体100は取付面71に密着するとともに、発熱体100と結合する図示しない他の構成(例えば発熱体が実装された基板や基板上の他の素子)と冷媒容器10とが干渉し難くなっている。
【0035】
受熱側プレート20、中間プレート30、40、50、および放熱側プレート60は、それぞれろう付けが可能で、熱伝導性に優れる金属板(例えばアルミニウム板もしくはアルミニウム合金板)からなり、それぞれ平面形状が同一な矩形に形成されている。また、受熱部70は、ろう付けが可能で、熱伝導性に優れる金属ブロック(例えばアルミニウムブロックもしくはアルミニウム合金ブロック)からなっており、各プレート20、30、40、50、60より厚く、剛性が高くなっている。
【0036】
具体的には、受熱側プレート20、放熱側プレート60、受熱部70には熱伝導性よりアルミニウム材を使用し、中間プレート30、40、50には母材となるアルミニウム合金板の表面にろう材層が形成されたクラッド材を使用している。
【0037】
そして、冷媒容器10を構成する複数のプレート部材である各プレート20、30、40、50、60および取付部材である受熱部70を仮固定した後一体ろう付けして沸騰冷却装置1は形成されている。ろう付け前の仮固定時には、受熱部70は受熱側プレート20の開口部21内において、受熱部70に当接する突出部22により確実に位置決めされ、突出部22の若干の弾性変形により確実に仮固定される。
【0038】
一体ろう付けにより形成された沸騰冷却装置1は、図6に断面構造(図1(a)のA−A線断面図)を示すように、各プレート20、30、40、50、60間は中間プレート30、40、50の表面に形成されたろう材層のろう材によりろう付け接合されている。
【0039】
また、受熱部70は、取付面71と反対側の接合側面72が、中間プレート30に対し、中間プレート30の表面に形成されたろう材層のろう材によりろう付け接合されている。さらに、中間プレート30の表面のろう材は、ろう付け時に受熱部70と受熱側プレート20の突出部22との当接部位(図1(b)参照)に進行し、両者間も確実にろう付けされている。
【0040】
受熱部70は、中間プレート30の開口31のうち、受熱側プレート20の開口部21に対応する位置に形成された開口31aを覆うようにろう付け接合されている。したがって、受熱部70の接合側面72は、開口31、41、51により形成された冷媒容器10内の冷媒室11の内壁の一部を構成している。
【0041】
本実施形態では、上述の各プレート20、30、40、50に設けられた開口部およびスリット状開口は、プレス加工により形成した。プレス加工以外に、切削加工、エッチング加工等により形成することも可能である。なお、図示を省略しているが、冷媒容器10には、その内部空間(冷媒室11)に通じる注入パイプが設けられており、冷媒室11内に注入パイプを通じて所定量の冷媒が注入され、注入後、注入パイプの先端を封じ切って密閉されている。また、冷媒として、本例ではフロンが用いられるがこれに限られるものではない。
【0042】
次に、上記構成の沸騰冷却装置1の作動について説明する。
【0043】
ここでは、受熱部70の取付面71が下方となるように沸騰冷却装置1が配置されている場合(所謂ボトムヒートで使用された場合)について説明する。
【0044】
図6に示すように、受熱部70の取付面71に発熱体100が取り付けられ、発熱体100が発熱すると、その熱を受熱部70が取付面71から受熱し接合側面72に伝導する。この受熱部70によって伝えられた熱により、冷媒室11内の受熱側プレート20寄りに貯留されている液冷媒は、接合側面72の近傍領域において沸騰気化し、冷媒室11中に拡散する。
【0045】
そして、拡散した冷媒蒸気は、冷媒室11内の主に放熱側プレート60近傍において外部に放熱して凝縮し、液冷媒となって受熱側プレート20寄りに還流する。このようにして、発熱体100は冷媒の潜熱移動により冷却される。
【0046】
なお、受熱部70の取付面71が側方となるように沸騰冷却装置1が配置されている場合(所謂サイドヒートで使用された場合)には、冷媒の循環方向は若干異なるが、ボトムヒート時と同様の作動により発熱体100は冷却される。
【0047】
上述の構成および作動によれば、沸騰冷却装置1は、発熱体100の形状に対応した取付面71を有し、受熱側プレート部材20等より剛性が高いブロック体の受熱部70を冷媒容器10とは別体で備えている。したがって、受熱側プレート部材20をプレス加工等により形成するとき、もしくは一体ろう付け時に、受熱側プレート部材20が歪むことがあったとしても、受熱部70の取付面71は歪み難い。これにより、受熱部70の取付面71に発熱体100を取り付けたときに発熱体100を密着させ易い。
【0048】
また、受熱部70は、中間プレート30の開口31aを覆うように中間プレート30に接合されており、この部位において、受熱部70は冷媒容器10内の冷媒と直接接触している。
【0049】
これらにより、沸騰冷却装置1は、発熱体100の熱を受熱部70を介して冷媒容器10内の冷媒に効率良く伝達することができる。このようにして、沸騰冷却装置1は冷却性能を確実に発揮することができる。
【0050】
また、冷媒容器10は、複数のプレート20、30、40、50、60を積層し、一部のプレート30、40、50の表面に形成されたろう材層のろう材により接合している。したがって、冷媒容器10を容易に形成することができる。
【0051】
また、受熱部70と冷媒容器10と間のろう付け接合には、中間プレート部材30の表面のろう材層のろう材を利用することができる。したがって、ろう付け時に、接合部位に新たにろう材を供給する必要がない。さらに、一体ろう付け接合するときには、受熱側プレート20の開口部21に設けた突出部22により、受熱部70を冷媒容器10の構成部材に対し位置決め仮固定することが容易にできる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図7に基づいて説明する。本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、受熱部の形状が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0053】
図7に断面図を示すように、本実施形態の沸騰冷却装置1の取付部材である受熱部170には、取付面71と反対側の面に、中間プレート30の開口31aと連通する複数の凹部174が形成されている。そして、接合側面72は周縁部だけでなく隣接する凹部174間の凸部175も、中間プレート30とろう付け接合され、接合強度を確保している。
【0054】
上述の構成によれば、凹部174内においても、受熱部170と冷媒室11内の冷媒とを直接接触させることができる。したがって、受熱部170と冷媒との接触面積が増加できるとともに、発熱体100からの熱の伝導距離を低減することができる。これらにより、受熱部170は発熱体100が発生する熱を一層効率良く冷媒に伝達することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図8に基づいて説明する。本第3の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、受熱部の形状が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0056】
図8に断面図を示すように、本実施形態の沸騰冷却装置1の取付部材である受熱部270には、取付面271の周縁部に、本実施形態における壁部である立設壁276が設けられている。そして、立設壁276の内側の凹部に発熱体100を取り付けると、発熱体100は、取付面271だけでなく立設壁276とも密着するようになっている。
【0057】
上述の構成によれば、受熱部270と発熱体100との接触面積を増加することができる。したがって、受熱部270は発熱体100が発生する熱を一層効率良く冷媒に伝達することができる。
【0058】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、取付部材である受熱部を冷媒容器10の中間プレート20にろう付け接合していたが、冷媒容器とは別体の受熱部を接合するものであれば、これらに限定されるものではない。例えば、図9に示すように、受熱部370を受熱側プレート20にピン部378等により位置決め仮固定してろう付け等により接合するものであってもよい。これによっても、発熱体の取付面が歪むことを防止できる。すなわち、発熱体と取付面とを密着させ易い。
【0059】
また、上記各実施形態では、冷媒容器10の下面側略中央に受熱部を配置していたが、冷媒の良好な循環等を考慮して中央からオフセットして配置するものであってもよい。特にサイドヒートの姿勢で用いる場合には、注入冷媒量や冷媒循環を考慮して下方側にオフセットして配置させてもよい。
【0060】
また、上記各実施形態では、冷媒を冷媒容器10内で循環させ、主に放熱側プレート60近傍において外部に放熱して凝縮させていたが、放熱効率を向上するために冷媒容器10の表面に放熱フィンを設けるものであってもよい。また、冷媒容器10内の冷媒室11と連通するチューブと、チューブ表面に形成された放熱フィンとを有する放熱部を設け、放熱部に冷媒を循環して冷媒の凝縮を行なうものであってもよい。
【0061】
また、上記第2の実施形態では、受熱部170に冷媒室11内と連通する複数の凹部174を形成していたが、凹部を1つあるいは複数設け、この中にインナフィンを配設するものであってもよい。
【0062】
また、上記各実施形態では、沸騰冷却装置1は、ボトムヒートもしくはサイドヒートの姿勢で使用するもの、すなわち、発熱体の取付面は下方側あるいは側方側とするものであったが、冷媒を強制循環する沸騰冷却装置であれば、発熱体の取付面を上方側に設けるものであってもよい。
【0063】
また、上記各実施形態では、冷媒容器10を5枚のプレートを積層して構成していたが、積層枚数が限定されるものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す図であり、(a)は、概略側面図、(b)は、(a)の下方側から見た図である。
【図2】受熱側プレート20の平面図である。
【図3】中間プレート30の平面図である。
【図4】中間プレート40の平面図である。
【図5】中間プレート50の平面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における沸騰冷却装置の図1(a)A−A断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態における沸騰冷却装置の概略構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 沸騰冷却装置
10 冷媒容器
20 受熱側プレート(プレート部材、外側プレート部材)
21 開口部
22 突出部
30、40、50 中間プレート(プレート部材、中間プレート部材)
31、31a、41、51 開口
60 放熱側プレート(プレート部材、外側プレート部材)
70、170、270、370 受熱部(取付部材)
71、271 取付面
100 発熱体
174 凹部
276 立設壁(壁部)
Claims (9)
- 冷媒を内部に貯留する冷媒容器(10)を備え、
前記冷媒が発熱体(100)から受熱して沸騰気化し、その冷媒蒸気が有する潜熱を外部に放出して前記発熱体(100)を冷却する沸騰冷却装置において、
前記発熱体(100)の形状に対応した取付面(71)に前記発熱体(100)が取り付けられる取付部材(70)を、前記冷媒容器(10)とは別体で備え、
前記取付部材(70)は前記冷媒容器(10)に接合され、前記冷媒は前記取付部材(70)を介して前記発熱体(100)から受熱することを特徴とする沸騰冷却装置。 - 前記冷媒容器(10)は、複数のプレート部材(20、30、40、50、60)を積層配置して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の沸騰冷却装置。
- 前記取付部材(70)は、前記プレート部材(20)より剛性が高いことを特徴とする請求項2に記載の沸騰冷却装置。
- 前記複数のプレート部材(20、30、40、50、60)は、積層方向の最外方に配置される外側プレート部材(20、60)と、前記外側プレート部材(20、60)間に配置されるとともに、前記冷媒の貯留空間となる開口(31、41、51)を有する中間プレート部材(30、40、50)とからなり、
前記取付部材(70)は、前記中間プレート部材(30)に対し前記開口(31a)を覆うように接合されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の沸騰冷却装置。 - 前記中間プレート部材(30)は、表面にろう材層を有し、
前記取付部材(70)は、前記ろう材層のろう材により接合されていることを特徴とする請求項4に記載の沸騰冷却装置。 - 前記取付部材(170)には、前記開口(31a)と連通する凹部(174)が形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の沸騰冷却装置。
- 前記外側プレート部材(20)は、前記取付部材(70)の外形に対応した開口部(21)を有し、
前記取付部材(70)は、前記開口部(21)内に挿設されつつ前記中間プレート部材(30)に接合されていることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1つに記載の沸騰冷却装置。 - 前記外側プレート部材(20)は、前記開口部(21)の内側方向に突出した突出部(22)を有し、
前記突出部(22)は、前記開口部(21)に挿設された前記取付部材(70)に当接していることを特徴とする請求項7に記載の沸騰冷却装置。 - 前記取付部材(270)は、前記取付面(271)から立設され、前記取付面(271)に前記発熱体(100)を取り付けたときに前記発熱体(100)の外周面に密接する壁部(276)を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の沸騰冷却装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050517 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060327 |