JP2004307902A - 熱間圧延ままで球状化炭化物および黒鉛組織を有する機械構造用鋼の製造方法 - Google Patents

熱間圧延ままで球状化炭化物および黒鉛組織を有する機械構造用鋼の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間圧延ままで(黒鉛+球状セメンタイト)組織を有し、被削性、焼入性および冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.1 〜1.5 %、Si:0.15〜0.5 %、Mn:0.05〜0.3 %、Al:0.005 〜0.1 %、B:0.0003〜0.015 %、N:0.0015〜0.015 %、P:0.02%以下、S:0.035 %以下およびO:0.003 %以下を含有する組成になる鋼材を、オーステナイト単相域の温度で均熱したのち、熱間圧延の仕上圧延を、(Ar−50℃)〜(Ar+50℃)の温度域で20%以上の圧下率で施し、仕上圧延終了後、0.05〜0.5 ℃/sの冷却速度で少なくとも 500℃まで冷却する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車部品や電気部品等の機械部品に供して好適な、熱間圧延ままで球状化炭化物および黒鉛組織を有する機械構造用鋼の製造方法に関し、特に前処理としての焼鈍処理なしに、効果的に球状化炭化物および黒鉛組織を生成させることにより、鍛造性、被削性および焼入性などの有利の向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用部品、例えばギア部品やドライブシャフト、等速ジョイント等の製造に際しては、素材を熱間加工によって棒材や線材に加工したのち、冷間成形加工や切削等によって所定の部品形状に成形し、その後焼入れ焼戻し処理を施して、機械部品としての要求特性を確保するようにしている。
従って、素材である鋼材には高い冷間成形性および被削性が要求される。
【0003】
そこで、素材の冷間成形性と被削性を同時に向上させるために、鋼の組織中に黒鉛を分散させて(黒鉛+フェライト)組織または(黒鉛+球状化炭化物+フェライト)組織とすることが提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
これらの技術は、黒鉛の持つ潤滑性によって被削性を確保しようとするものである。但し、いずれの技術の場合にも、熱間圧延された鋼に焼鈍を施して、黒鉛を析出させ、さらには炭化物を球状化させる必要がある。このような長時間の焼鈍処理で黒鉛の析出および炭化物を球状化を図る場合、その加熱保持時間は十分長くする必要があり、20〜30h程度かかる場合もめずらしくはない。このような焼鈍処理の追加は、当然ながら、加熱炉等の設備が必要になるだけでなく、多大の熱エネルギーを必要とし、資源やコストの面でのロスが大きく、生産性向上の大きな障害となっていた。
【0004】
上記の問題を解決する手段として、鋼材製造工程のオンライン中で炭化物を球状化させようとする研究開発が行われてきた。
例えば、圧延によって発生する加工発熱を利用する技術が提案されている(例えば特許文献4、特許文献5、特許文献6)。
この技術は、一旦、Ar点以下に冷却したのち、仕上げ圧延加工によって発生する変形熱によって鋼材を再加熱し、特にオフラインでの球状化焼鈍を施すことなく圧延ままで、鋼材中の炭化物を球状化させようとするものである。しかしながら、この技術における加工発熱の制御は極めて難しく、棒鋼の場合、鋼材断面での組織のばらつきを引き起こし易いという問題があった。
【0005】
また、冷却中に引張応力を加えてある温度域まで冷却したのち、再加熱し、極短時間の焼鈍を施すことによって炭化物の球状化を達成する方法が提案されている(例えば特許文献7)。
この技術は、まずパーライト中のセメンタイトを引張応力にて機械的に分断しておくことにより、その後の球状化の促進を図った技術である。但し、この方法では、再加熱が必要となり、コストダウンの観点からは未達成といわざるを得ない。さらに、与える引張応力は冷却速度の関数として規定されており、このような応力を線材に的確に付与するには、特別の設備を必要とし、この点にも問題を残していた。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−140411号公報
【特許文献2】
特開2001−11570 号公報
【特許文献3】
特開2001−11571 号公報
【特許文献4】
特公平5−76524 号公報
【特許文献5】
特公平5−76525 号公報
【特許文献6】
特公平5−40006 号公報
【特許文献7】
特公平6−74453 号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような現状に鑑みて開発されたもので、通常行われる球状化焼鈍を省略し、熱間圧延ままでの状態で、十分な黒鉛の析出および炭化物の球状化分散状態を確保して、高い冷間鍛造性、被削性および焼入性を発現させることができる、機械構造用鋼の有利な製造方法を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、線材や棒鋼の熱間圧延工程とくに仕上圧延工程に工夫を加えると共に、その後の冷却条件を特定の範囲に制御することによって、熱間圧延ままで(黒鉛+球状セメンタイト)組織を有する鋼材を得ることができ、その結果、従来の焼鈍処理を行った場合と同等の組織および特性を有する線材、棒鋼が得られることの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0009】
すなわち、本発明は、質量%で、
C:0.1 〜1.5 %、
Si:0.15〜0.5 %、
Mn:0.05〜0.3 %、
Al:0.005 〜0.1 %、
B:0.0003〜0.015 %、
N:0.0015〜0.015 %、
P:0.02%以下、
S:0.035 %以下および
O:0.003 %以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼材を、オーステナイト単相域の温度で均熱したのち、熱間圧延の仕上圧延を、(Ar−50℃)〜(Ar+50℃)の温度域で20%以上の圧下率で施し、仕上圧延終了後、0.05〜0.5 ℃/sの冷却速度で少なくとも 500℃まで冷却することを特徴とする、熱間圧延ままで球状化炭化物および黒鉛組織を有する機械構造用鋼の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において鋼素材の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.1 〜1.5 %
Cは、黒鉛やセメンタイトを形成する上で不可欠な元素であり、含有量が 0.1%に満たないと焼入性の確保が難しいだけでなく、被削性確保に重要な所定量の黒鉛を析出させることが難しく、一方 1.5%を超えると軟質化が困難となって、冷間鍛造性が著しく低下したり、熱間圧延材で割れやキズが発生し易くなるので、Cは 0.1〜1.5 %の範囲に限定した。
【0011】
Si:0.15〜0.5 %
Siは、フェライト中に固溶して強度を確保する上で有用なだけでなく、セメンタイト中に固溶せずセメンタイトを不安定化させることで黒鉛の析出を促進する点でも有用な元素である。これらの効果を得るためには、0.15%以上の含有が必要であるが、0.5 %を超えて多量に含有させると鍛造時の変形抵抗が著しく上昇するため、Siは0.15〜0.5 %の範囲に限定した。
【0012】
Mn:0.05〜0.3 %
Mnは、脱酸に有効なだけでなく、焼入性の向上にも有用な元素である。しかしながら、含有量が0.05%に満たないとその添加効果に乏しく、一方 0.3%を超えると黒鉛化を著しく阻害するため、Mnは0.05〜0.3 %の範囲に限定した。
【0013】
Al:0.005 〜0.1 %
Alは、鋼中のNと反応してAlNを形成し、これが黒鉛析出の核として機能する。そのため、Alは黒鉛化に必要な元素であるが、含有量が 0.005%未満ではその添加効果に乏しい。一方、Alは、硬質のAl系酸化物を形成し、これが疲労破壊の起点となったり、切削時に工具磨耗を促進する等の悪影響を及ぼす。特にAl量が0.1 %を超えると、この悪影響が顕著になるので、Alは 0.005〜0.1 %の範囲に限定した。
【0014】
B:0.0003〜0.015 %
Bは、鋼中のNと反応してBNを形成し、これが黒鉛析出の核として機能すると共に、黒鉛を微細化する作用がある。また、Bは、鋼の焼入性を確保する上でも重要な元素である。しかしながら、含有量が0.0003%未満ではその効果が発揮されず、一方 0.015%を超えて含有すると逆にセメンタイトを安定化させ、黒鉛析出を阻害する悪影響の方が大きくなるので、Bは0.0003〜0.015 %の範囲に限定した。
【0015】
N:0.0015〜0.015 %
Nは、Al, Bと結合してAlN、BNを形成し、これらは黒鉛析出の核となるため重要な元素である。しかしながら、含有量が0.0015%に満たないとAlNやBNが十分に形成されず、一方 0.015%を超えて含有すると、連続鋳造時に鋳片の割れが多発するので、Nは0.0015〜0.015 %の範囲に限定した。
【0016】
P:0.02%以下
Pは、黒鉛化を阻害するだけでなく、冷間鍛造性を著しく劣化させるため、極力低減することが望ましいが、0.02%までは許容される。
【0017】
S:0.035 %以下
Sは、鋼中でMnSを形成し、被削性の向上に寄与すると共に黒鉛析出の核としても機能する。しかしながら、MnSは冷間鍛造時の割れの起点となったり、疲労特性の劣化を引き起こす悪影響の方が大きい。このため、Sも、極力低減することが望ましいが、0.035 %までは許容できる。
【0018】
O:0.003 %以下
Oは、酸化物系介在物を形成し、冷間鍛造性、被削性、疲労強度を共に低下させるためため、極力低減すべき元素であるが、0.003 %までは許容される。
【0019】
次に、製造条件について説明する。
上記の好適成分組成に調整した鋼を、転炉などで溶製し、連続鋳造等で鋼素材とする。
ついで、この鋼素材を、加熱・均熱処理後、粗圧延、中間圧延および仕上圧延からなる熱間圧延を施したのち、冷却処理を施すが、本発明では、上記した加熱・均熱処理、熱間圧延処理とくに仕上圧延処理および冷却処理を、以下に述べる所定の条件下で行うことが重要である。
【0020】
均熱温度:オーステナイト単相域の温度
この均熱処理は、鋼中の炭素を一旦固溶させるために行うものであるが、均熱温度がオーステナイト単相域となる温度、すなわちAc点またはAcm点に満たないと炭素が十分に固溶せず、その後の組織が不均一になるという不利が生じるので、均熱処理はAcまたはAcm点以上の温度で行うものとした。
【0021】
仕上圧延条件:(Ar−50℃)〜(Ar+50℃)の温度域で20%以上の圧下率
通常の方法で熱間圧延された鋼材は、(Ar+50℃)以下の温度ではパーライト変態が促進されて、層状パーライト組織が形成される。従って、(Ar+50℃)以下の温度で圧延加工を施せば、加工歪によって層状パーライトを構成している板状セメンタイトが微細に分断される。同時にパーライトおよび組織全体も加工を受けて、転位密度の上昇や各相間の界面エネルギーの増加を招く。また、セメンタイトが分断された近傍には微細な空隙ができ易く、このような場所にも黒鉛が析出し易くなる。すなわち、微細に分断されて高い界面エネルギーを持つセメンタイトが分散した状態が生成され、その後の黒鉛析出やセメンタイト球状化に大きく寄与することになる。しかしながら、加工温度が(Ar−50℃)を下回るとセメンタイトの分断効果がなくなる。
そこで、本発明では、(Ar−50℃)〜(Ar+50℃)の温度域で圧下率が20%以上の加工を施すものとした。
【0022】
冷却処理:0.05〜0.5 ℃/sの冷却速度で少なくとも 500℃まで冷却
冷却速度が0.05℃/s未満では、冷却に長時間を要し、生産性の面で不利となる。一方、0.5 ℃/sを超える速度では、亜共析の場合にはベイナイトやマルテンサイトが、過共析の場合にはマルテンサイトがそれぞれ生成し、強度の過度の上昇を招く。
また、冷却停止温度を少なくとも 500℃としたのは、上記の冷却速度で 500℃以下まで冷却しても炭化物の球状化に対する効果はさほど認められず、冷却時間が長くなるばかりで、生産性の点で好ましくないからである。
【0023】
【実施例】
表1に示す成分組成になる鋼を、真空溶解炉にて100 kg鋼塊として製造した。表中のAr点(℃)はフォーマスター試験によって求めた。
ついで、これらの鋼塊をそれぞれ、Ac点またはAcm点以上の温度である1100℃で均熱したのち、表2に示すパターンの仕上圧延条件で60mmφの棒鋼に熱間圧延し、引き続き同じく表2に示す条件で冷却した。
かくして得られた棒鋼の鋼組織、被削性、焼入性および鍛造性について調べた結果を、表3に示す。
【0024】
被削性については、以下に述べる条件で外周旋削試験を行い、使用工具の磨耗がある大きさになった時点での総切削時間で評価した。
工具:超硬P10
・切りこみ:2 mm
・送り:0.25 mm/rev.
・切削速度:200 m/min
・潤滑の有無:なし
・工具寿命:工具の逃げ面磨耗幅VB=0.2 mmになるまでの時間(秒)
【0025】
焼入性については、以下に述べる高周波焼入れ試験を行い、その時の表面硬さおよび有効硬化深さで評価した。
高周波焼入れ試験は、素材から30mmφ×100mm 長さの棒状試験片を切り出し、周波数:15 kHz、出力:114 kW、試験片移動速度:10mm/sの条件で高周波焼入れを行ったのち、 180℃,1hの焼戻しを行ったものについて、表面硬さおよび有効硬化深さ(Hv≧450 となる表面からの深さ)を測定した。
【0026】
鍛造性については、以下に述べるような冷間での端面拘束圧縮試験を行い、その時の圧縮率で評価した。
冷間鍛造試験片として、図1(a) に示すような直径:15mm、高さ:22.5mmのタブレットを高さ方向が圧延方向に一致するように切り出した。鍛造試験は種々の圧下率でn=10の圧縮を行い、割れの有無で判断した。割れの発生状況は、図1(b) に示すとおりである。各圧縮率での割れ発生率と圧縮率の関係をグラフにプロットし、試験片の50%(5個)が割れる圧縮率をもって、鍛造性の評価値とした。この値が大きいほど鍛造性が良いことになる。
【0027】
組織観察は、上記の鋼から圧延方向と直角な方向に試験片を切り出し、埋め込み試料として研磨後、ピクラールまたはナイタールで腐食して顕微鏡観察を行い、光学顕微鏡で観察した。
また、研磨後、腐食せずに、画像解析装置により×400 の倍率で50視野にわたり黒鉛の面積率を測定し、これをAとする。一方、同一C量の鋼をセメンタイトが完全に消えるまで黒鉛化させた場合の黒鉛面積率を、別途予備実験で求めておき、このCが全て黒鉛化したときの黒鉛量Bとする。そして、次式
黒鉛率=(A/B)×100 (%)
で黒鉛率を求めた。
【0028】
【表1】
Figure 2004307902
【0029】
【表2】
Figure 2004307902
【0030】
【表3】
Figure 2004307902
【0031】
まず、組成範囲が適正なNo.2〜No.17 (鋼記号B〜E)について見ると、熱間圧延条件が適切な発明例はいずれも、(球状化炭化物+黒鉛)組織となっており、冷間鍛造性も高く、被削性、焼入性にも優れた鋼材が得られている(No. 3,7, 11, 15)。
しかしながら、本発明の規定外の圧延条件によるものは、(フェライト+パーライト)組織またはベイナイト組織となっており、冷間鍛造性は急激に低下し、また被削性も顕著に低下している(No.2, 4〜6,8〜10, 12〜14, 16〜17)。なお、焼入性のみは組成で決まるので、いずれも良い結果を得られている。
上記の結果から、仕上圧延温度と冷却速度が適正範囲にあるもののみが、熱間圧延ままで(球状化炭化物+黒鉛)組織となり、優れた被削性、冷間鍛造性および焼入性を有することが分かる。
【0032】
以下、その他の鋼材について検討する。
Cが下限に満たないNo.1(鋼種A)は、焼入性が不足し、黒鉛も析出しないことから、被削性も十分には向上しない。
Cが上限を超えるNo.18(鋼種F)は、鋼が硬くなって被削性、鍛造性が低下する。
Mnが下限に満たないNo.19(鋼種G)は、脱酸が不足し、結果として酸化物が多くなって、被削性が低下する。
Mnが上限を超えるNo.20(鋼種H)は、黒鉛の析出がないため、十分な被削性が得られない。
Siが下限に満たないNo.21(鋼種I)は、やはり黒鉛の析出がないため、被削性が向上しない。
Siが上限を超えるNo.22(鋼種J)は、黒鉛の効果で高い被削性は維持するものの、Si過多による鍛造性の低下が大きい。また、Cが黒鉛になりすぎて焼入性も低下する。
Alが上限を超えるNo.23(鋼種K)は、Al系介在物によって被削性や鍛造性が低下する。
Bが下限に満たないNo.24(鋼種L)は、焼入性が低下すると同時に、黒鉛量も少ないため、被削性も十分には向上しない。
Bが上限を超えるNo.25(鋼種M)は、逆に黒鉛の析出が阻害され、黒鉛量が少なくなるため、被削性が十分には向上しない。
Nが下限に満たないNo.26(鋼種N)は、黒鉛析出の核が少なくなるため、結果として黒鉛析出量も少なくなり、被削性が十分には向上しない。
Nが上限を超えるNo.27(鋼種O)は、Nの固溶によって被削性および鍛造性が顕著に低下する。
【0033】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、熱間圧延ままで効果的に(球状化炭化物+黒鉛)組織とすることができ、その結果、被削性、焼入性および冷間鍛造性に優れた機械構造用鋼を、安価かつ高生産性の下で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間鍛造試験における圧縮割れの発生状況を示した図である。

Claims (1)

  1. 質量%で、
    C:0.1 〜1.5 %、
    Si:0.15〜0.5 %、
    Mn:0.05〜0.3 %、
    Al:0.005 〜0.1 %、
    B:0.0003〜0.015 %、
    N:0.0015〜0.015 %、
    P:0.02%以下、
    S:0.035 %以下および
    O:0.003 %以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼材を、オーステナイト単相域の温度で均熱したのち、熱間圧延の仕上圧延を、(Ar−50℃)〜(Ar+50℃)の温度域で20%以上の圧下率で施し、仕上圧延終了後、0.05〜0.5 ℃/sの冷却速度で少なくとも 500℃まで冷却することを特徴とする、熱間圧延ままで球状化炭化物および黒鉛組織を有する機械構造用鋼の製造方法。
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