JP2004307826A - 透明容器用コーティング剤組成物およびコーティング剤が塗布された透明容器 - Google Patents

透明容器用コーティング剤組成物およびコーティング剤が塗布された透明容器 Download PDF

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智章 尾形
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Abstract

【課題】 日光による内容物の変質を抑制するために遮光性を有するとともに、塗布作業が容易で、且つ回収後の塗膜の剥離性が良く、その他コーティング剤として要求される各種性能にも優れ、ガラス瓶のリサイクル時のエネルギーロス抑制も加味した透明容器用コーティング剤組成物を提供する。
【解決手段】 (A) 特定のカルボニル基含有アクリル単量体と、(メタ)アクリル系化合物およびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の有機単量体とを重合させて得られる共重合体100重量部、(B) 紫外光および可視光の光線透過率を低下せしめる添加剤0.01〜50重量部、(C) シランカップリング剤0.01〜50重量部、(D) 硬化触媒0.02〜5重量部及び(E) 希釈溶剤10〜2000重量部を含有する透明容器用着色コーティング剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、傷隠蔽性、アルカリ剥離性、耐水性および遮光性等に優れる透明容器用コーティング剤組成物および該コーティング剤が塗布された容器に関する。
種々の食品において、紫外線及び/又は可視光及び/又は酸化により劣化することが過去の知見にて認められている(例えば、非特許文献1参照)。
例えばビールは、日光にさらされると劣化し、いわゆる「日光臭」と呼ばれる臭気が発生することが知られており、このため、ビールビンとしては一般に茶褐色のものが使用されている。
このうち、ビールビンを茶褐色にする手法としては、茶褐色に着色されたガラスを用いる方法と、透明ガラスビンの表面に各種被覆剤を塗布して茶褐色化する方法が知られている。
この内、ガラスのリサイクルを考慮した場合、できるだけ透明ガラスビンの利用が望まれ、被覆剤による着色化が各種研究されている。
一方、近年の研究により、「日光臭」は350〜550nmの範囲の波長の光によって発生することが確認され、現在利用されている茶褐色ビン(450nm以上の波長の光は透過)では、「日光臭」の発生を完全には抑制できないことが知られるようになった。
更に、一般的な食品(例えば、茶、肉、魚等の製品)も、上記ビールと同様に光劣化することが知られており、その波長は200〜600nmと紫外領域(400nm未満)から可視光領域(400nm以上)にわたる。
これらの現状に鑑み、ガラス容器用の着色被覆剤としてシリコーン等を主成分とする各種のものが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6)。
しかしながら、これら従来の被覆剤は、いずれも焼付け硬化させたり(特許文献1〜5)、紫外線硬化させるタイプのもの(特許文献6)であり、作業性が悪く、また、リサイクルして回収した際の被覆膜の剥離性が悪い等の問題があり、耐水性等の性能も十分ではなかった。
他方では、近年着色びんのリサイクル性向上のためにガラス瓶を高温昇華・分解による脱色できるコーティング剤も提案されている(前述特許文献1〜5)。しかしながら、着色剤等が昇華・分解し脱色できたとしてもその不純物が残存し精製することが難しく、良質なカレットとしてガラス瓶として再利用するためには多大なエネルギーロスを引き起こすものであった。
食品の光劣化防止技術 サイエンスフォーラム社(2001) 特開2001−81403号公報 特開2001−72888号公報 特開2000−26803号公報 特開2002−161237号公報 特開2002−167237号公報 特開2001−279185号公報
本発明は上記従来技術の問題点の解決を図るものであり、その目的は、日光による内容物の変質を抑制するために遮光性を有するとともに、塗布作業が容易で、且つ回収後の塗膜の剥離性が良く、その他コーティング剤として要求される各種性能にも優れ、ガラス瓶のリサイクル時のエネルギーロス抑制も加味した透明容器用コーティング剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、加水分解成分を必須の構成成分とする特定の共重合体を主剤とし、これに紫外光および可視光の光線透過率を低下せしめる添加剤並びに特定各成分を併用配合することにより優れた性能を有するコーティング剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、
(A) 下記一般式(1)
CH=CRCOOR (1)
[式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、1価の炭化水素基または−SiR5(R、R、R5はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価の炭化水素基を示す)で表されるシリル基含有有機基]で表される少なくとも1種のカルボニル基含有アクリル単量体と、(メタ)アクリル系化合物およびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の有機単量体とを重合させて得られる共重合体 100重量部
(B) 紫外光および可視光の光線透過率を低下せしめる添加剤 0.01〜50重量部
(C) シランカップリング剤 0.01〜50重量部
(D) 硬化触媒 0.02〜5重量部
(E) 希釈溶剤 10〜2000重量部
を含有する透明容器用コーティング剤組成物である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる(A) 成分は、下記一般式(1)
CH=CRCOOR (1)
[式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、1価の炭化水素基または−SiR5(R、R、R5はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価の炭化水素基を示す)で表されるシリル基含有有機基]で表される少なくとも1種のカルボニル基含有アクリル単量体と、(メタ)アクリル系化合物およびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の有機単量体とを重合度50〜10000程度に重合させることによって得られる共重合体である。
カルボニル基含有アクリル単量体と有機単量体との構成比は、特に限定されるものではないが、好ましくはカルボニル基含有アクリル単量体の量が1〜95重量%、さらに好ましくは3〜70重量%の範囲である。カルボニル基含有アクリル単量体の量が1重量%未満ではリターナブルビンとして使用するために必要なアルカリ剥離性を低下させ、また95重量%を超えると耐水性を悪くする傾向がある。
共重合体の一方の出発原料であるカルボニル基含有アクリル単量体において、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、1価の炭化水素基または−SiR5であり、R、R、R5はそれぞれ炭素数1〜18の独立した1価の炭化水素基で、直鎖状または分岐状のアルキル基、シクロアルキル基およびフェニル基から選ばれるものである。このアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ステアリル基等が例示され、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示される。
このようなカルボニル基含有アクリル単量体としては、Rが水素原子、1価の炭化水素基である場合の(メタ)アクリル酸系単量体、並びにRが−SiR5である場合の不飽和トリオルガノシリル単量体が挙げられ、後者としては、ジメチルブチルシリルアクリレート、ジメチルヘキシルシリルアクリレート、ジメチルオクチルシリルアクリレート、ジメチルデシルシリルアクリレート、ジメチルドデシルシリルアクリレート、ジメチルシクロヘキシルシリルアクリレート、ジメチルフェニルシリルアクリレート、ジメチルジブチルシリルアクリレート、エチルジブチルシリルアクリレート、ジブチルヘキシルシリルアクリレート、ジブチルフェニルシリルアクリレート、トリブチルシリルアクリレート、トリフェニルシリルアクリレート等;およびこれらに対応するメタクリレートが例示される。
これらのうち、加水分解速度が遅く、合成の容易なこと、造膜性の良いことと、耐水性を維持することでは、R、R、R5のすべてがメチル基であるものが優れている。
共重合体の他方の出発原料である有機単量体は、(メタ)アクリル系化合物およびビニル系化合物から選ばれるものである。この(メタ)アクリル系化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート(以上のアルキル基は直鎖でも分岐状でもよい)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリルニトリル等;およびこれらに対応するメタクリル化合物が例示され、ビニル系化合物としては、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルピロリドリン等が例示される。
重合は、例えば有機溶剤の存在下でカルボニル基含有アクリル単量体と有機単量体とを混合し、重合開始剤を用いて行われる。
その際の分子量については、造膜性、耐水性等を加味すると、重量平均分子量にて5,000〜100,000であることが望ましい。また、この分子量をコントロールするために連鎖移動剤を添加することも可能である。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、モノエチルハイドロキノン、p−ベンゾキノンなどのキノン類;メルカプトアセチックアシッド−エチルエステル、メルカプトアセチックアシッド−n−ブチルエステル、メルカプトアセチックアシッド−2−エチルヘキシルエステル、メルカプトシクロヘキサン、メルカプトシクロペンタン、2−メルカプトエタノールなどのチオール類;ジ−3−クロロベンゼンチオール、p−トルエンチオール、ベンゼンチオールなどのチオフェノール類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのチオール誘導体;フェニルピクリルヒドラジン;ジフェニルアミン;第3ブチルカテコールなどが使える。
有機溶剤は、重合の制御と反応中のゲル形成を防止するためのものであり、ベンゼン、トルエン、キシレンのような炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶剤;メタノール、エタノールのようなアルコール系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶剤;およびジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤が例示される。
有機溶剤の量は、単量体の合計100重量部に対して20〜1000重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜500重量部である。有機溶剤の量が20重量部未満では反応の制御が困難となり、また1000重量部を超えるとコーティング材を形成する際に濃縮工程が必要となる。
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物およびアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が例示される。重合開始剤の量は単量体の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部が一般的である。重合条件は特に限定されないが、窒素気流中で行うことが好ましく、また一般に重合開始剤が有機過酸化物の場合には60〜120℃、アゾ化合物の場合には45〜100℃の温度で行われる。
(A) 成分の共重合体として特に好ましいものは、アルカリ剥離性を有し、増膜性および皮膜の靭性の点から、トリメチルシリルメタクリレート、メチルメタクリレートおよびブチルメタクリレートの少なくとも3種の組み合わせによるもの、またはメタクリル酸、メチルメタクリレートおよびブチルメタクリレートの少なくとも3種の組み合わせによるものである。
本発明の(B) 成分は、紫外光および可視光の光線透過率を低下せしめる添加剤であり、塗料分野で通常使用される、有機系および無機系の着色顔料・染料および/または紫外線吸収剤が用いられる。
具体的には、チタン白、ベンガラ、チタン黄、モリブデン赤、カーボンブラック、黄鉛、各種焼成顔料などの無機系着色顔料;キナクリドンレッド、アゾ系赤、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、アゾ系黄色、アンスラピリミジンエロー、イソインドリノンエロー、フラバンスエロー、ペリレンマルーン、チオインジゴボルドーなどの有機系着色顔料が挙げられ、疎水性の着色剤が望ましい。
また、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ),チタン酸鉄等の無機赤色系顔料,γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄,黄土等の無機黄色系顔料黒酸化鉄、カーボンブラック,低次酸化チタン等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット,コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム,水酸化クロム,チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青,紺青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ,酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス,酸化チタンコーテッドタルク,着色酸化チタンコーテッドマイカ,オキシ塩化ビスマス,魚鱗箔等のパール顔料,アルミニウムパウダー,カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号,赤色202号,赤色204号,赤色205号,赤色220号,赤色226号,赤色228号,赤色405号,橙色203号,橙色204号,黄色205号,黄色401号及び青色404号などの有機顔料、赤色3号,赤色104号,赤色106号,赤色227号,赤色230号,赤色401号,赤色505号,橙色205号,黄色4号,黄色5号,黄色202号,黄色203号,緑色3号,青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル,β−カロリン、パプリカ色素等の天然色素等、チタンイエロー、カーサミン、紅花赤等の色剤等が挙げられる。
また、黄色染料、フタロシアニン系の青色染料、アゾ系の赤色染料等または天然色素、有機、無機顔料等の配合により意匠性に合わせた色を出すことができる。
上記顔料の使用量としては、被覆材の膜厚および顔料の吸光係数により適宜設定されるが、通常、被覆されたガラス容器内に透過する500nmの光線透過率が5%程度以下、好ましくは、約1%程度以下まで遮光する量が使用され、一般的には(A) 成分100重量部に対し0.01〜50重量部である。またこれらは、透明容器の意匠性を加味し、600〜800nmの透過率が70%以上あるものであることが望ましい。
また、紫外線吸収剤としては、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系紫外線吸収剤などが挙げられる。また光重合促進剤としては、N−メチルジエタノールアミン、4,4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノイソベンゾエート、4−ジメチルアミノエチルベンゾエートなどの2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。これら紫外光および可視光の光線透過率を低下せしめる添加剤の使用量としては、一般的には(A) 成分100重量部に対し0.01〜50重量部であり、上記顔料、染料、紫外線吸収剤の配合量と合わせて(B) 成分として(A) 成分100重量部に対し50重量部以下とすることが望ましい。
(C) 成分のシランカップリング剤としては、例えば、アミノ基含有アルコキシシラン、ビニル基含有アルコキシシラン、メルカプト基含有アルコキシシラン、グリシドキシ基含有アルコキシシラン等、及び、その部分加水分解物などのシランカップリング剤が挙げられる。
アミノ基含有アルコキシシランの具体例としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等、及び/又は、これらの部分加水分解物などが挙げられる。
ビニル基含有アルコキシシランの具体例としては、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルジアルコキシメチルシランなどが挙げられる。
メルカプト基含有アルコキシシランの具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジクロロシラン、γ−メルカプトプロピルフェニルジクロロシラン、γ−メルカプトプロピルジフェニルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルヒドロキシジメチルシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。これらの化合物の中でも、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
グリシドキシ基含有アルコキシシランの具体例としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリドキシプロピルエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グルシドキシプロピルメチルジイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン等、及び、これらの部分加水分解物などが挙げられる。
中でもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び/又は、その部分加水分解物及び/又は、アミノ基含有アルコキシシラン、及び/又は、その部分加水分解物が好適である。
(C) 成分のシランカップリング剤の使用量としては、一般的には(A) 成分100重量部に対し0.01〜50重量部である。
本発明の(D) 成分の硬化触媒としては、ポリオルガノシロキサンの硬化触媒として公知のものが使用可能である。具体的には、例えばトリエタノールアミンのような有機アミン;N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルジメトキシシランのようなアミノアルキルシラン;オクチル酸鉄、オクチル酸亜鉛のようなカルボン酸金属塩;ジオクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクトエート、ジオクチルスズジラウレートのような有機スズ化合物;テトライソプロポキシチタネート、テトラブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネートのようなチタン酸エステル;およびオルガノシリコン第四アンモニウム塩のような第四アンモニウム塩などが例示される。これらの中でも、硬化性や安全衛生上の観点からジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートおよびテトラブチルチタネートが特に好ましい。
硬化触媒(D) の使用量は、(A) 成分100重量部に対し0.02〜5重量部である。0.02重量部未満では被膜の硬化乾燥が遅く、実用に合わず、一方、5重量部を超えても被膜形成に特に効果はなく、むしろ組成物の保存安定性を悪くする不都合がある。
本発明に使用する(E) 希釈溶剤としては、安全衛生上の観点から、揮発性オルガノポリシロキサン、エタノール、メタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、イソパラフィン系溶剤が望ましい。
これらの希釈溶剤は2種類以上を混合使用してもよい。(E) 希釈溶剤の使用量は、(A) 成分100重量部に対し10〜2000重量部である。10重量部未満ではガラス容器に塗布される他成分、すなわち有効成分の比率が高くなり、被膜表面のレベリング性や所定時間内での硬化乾燥性が悪くなり、ゆず肌や表面のべとつきの原因となるおそれがある。また、2000重量部を超えると、容器表面に塗布される有効成分の量が不足し、十分な遮蔽効果が得られにくい。
本発明のコーティング剤組成物には、必要に応じて、前記以外の着色顔料、体質顔料、他の防汚剤、防食顔料、染料、タレ止め剤、可塑剤、色分かれ防止剤、沈降防止剤、消泡剤などの種々の配合剤を加えても差し支えない。
本発明のコーティング剤組成物の塗布対象である透明容器としては、透明ガラスビン、特にビールビン用のガラスビン、ポリエチレンテレフタレート等の透明プラスチックボトルが挙げられる。
本発明のコーティング剤組成物をガラス容器に塗布する方法としては、スプレーコーティング、刷毛塗り、パフ塗り、浸漬法、フローコーター法、転写法など、通常行われている手法を用いることができる。また、大量のガラス容器、通常このようなガラス容器は開口部が細口の壜体であるが、これらを処理する場合は、例えば特開昭58−213654号公報記載のローラー式コーティング装置や、特公平1−59221号公報記載のコーティングベルト式のコーティング装置が使用可能である。
被膜の厚さは任意であるが、適度の被膜強度、紫外光および可視光の光線透過率を低下せしめる観点から、0.5〜30μm 程度が適当である。本発明の目的・効果の観点から、5〜15μm とすることが好ましい。
本発明のコーティング剤組成物は硬化に際して特に加熱は必要でなく、塗布後、室温で0.5〜48時間程度放置すれば、表面粘着性の無い硬化被膜が容易に得られるが、必要に応じて硬化時間の短縮化などのために加熱しても差し支えない。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例中の部は重量部を示す。
合成例1
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートおよび加熱ジャケットを備えたフラスコに、表1に示す配合量のカルボニル基含有アクリル単量体と、有機単量体、有機溶剤、連鎖移動剤および重合開始剤を仕込み、80〜100℃にて8時間加熱攪拌することによって重合を行った。不揮発分(アルミシャーレに2g計量した時の150℃×1時間後の残存分)が45%を超えたところで反応を終了し、濾過、取り出し、それぞれ本発明の(A) 成分の共重合体(A)−1〜(A)−5、及び比較共重合体(A)−6〜(A)−11を得た。なお、分子量は日本分光製高速液体クロマトグラフィーを用いて測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を算出した。
<コーティング剤組成物の調製>
前述の合成例で合成した共重合体(A)−1〜(A)−11をベースポリマーとし、表2及び3に示す割合で各成分を配合することにより、実施例1〜12および比較例1〜10のコーティング剤組成物を得て、下記評価を行った。
使用した各成分の詳細は以下の通りである。
(B) 紫外光および可視光の光線透過率を低下せしめる添加剤
・超微粒子酸化鉄(粒径20nm)
・超微粒子酸化亜鉛(粒径20nm)
・超微粒子酸化チタン(粒径20nm)
・紫外線吸収剤[イソオクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−ヒドロキシフェニルプロピオネート]
(C) シランカップリング剤
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(D) 硬化触媒
・チタンエチルアセチルアセテート
(E) 希釈溶剤
・プロピレングリコールモノメチルエーテル
評価用壜体の作成条件、振盪テスト条件および被膜特性の評価方法は、次の通りである。
〔評価用ビン体の作成条件〕
透明ビン(内容量633ml)を用意し、これにコーティング剤を1本あたりの塗布量が0.30gとなるように塗布し、25℃、50%RH環境下にて7日間養生し、評価用ビン体とした。
(評価方法)
・皮膜外観
目視観察により皮膜の見た目(意匠性)を評価した。
・硬化性
コート後室温で放置し、タックフリーになるまでの時間を調査し、下記3段階で評価した。
○;タックフリーまで30分以内
△;タックフリーまで1時間以内
×;タックフリーまで1時間以上
・初期密着性
セロハンテープを貼り、剥離時皮膜が剥離するかどうかを下記3段階で評価した。
○;皮膜剥離無し
△;皮膜クラック、皮膜一部剥離
×;皮膜軽く剥離
・水没時の密着性
水没3日後、皮膜が擦って剥離するかどうか目視観察し、下記3段階で評価した。
○;皮膜剥離無し
△;皮膜クラック、皮膜一部剥離
×;皮膜軽く剥離
・水没時の色落ち
水没3日後、色が水に抜け落ちるどうか目視観察し、下記2段階で評価した。
た。
○;色溶出無し
×;色の溶出
・水没時の皮膜外観
水没3日後、皮膜が白濁するかどうかを目視観察し、下記2段階で評価した。
○;皮膜透明
×;皮膜白濁
・アルカリ洗浄性
4%NaOHaq.に80℃×10分浸漬し、そのときの皮膜の状態を観察し、下記3段階で評価した。
○;きれいに剥離
△;擦れば皮膜剥離
×;剥離なし
・ラベル札貼性
ビールびんで使用されているラベルに所定量糊を塗布し、札貼後室温にて1週間乾燥させた後に、ラベルが剥離するかどうか確認し、下記2段階で評価した。
○;ラベル剥離無し
×;ラベル剥離
・波長カット(透過率の測定)
日立製作所製分光光度計U−3310にて液および皮膜の透過率を測定し、250〜550nmの波長が10%以下であれば○、20%以下を△、30%以上を×とした。
・日光臭抑制効果
該評価用ビン体に所定量(633ml)のビールを充填し、日光臭抑制試験用サンプルとした。ウェザオメーター(キセノンランプ使用)を用い、該サンプルに所定時間、光を照射した。該サンプルを用い、下記3段階評価による官能評価法により日光臭抑制効果の強弱を調べた。
○;日光臭を感じない、もしくは殆ど感じない
△;日光臭を少し感じる
×;日光臭を感じる、若しくは強く感じる
Figure 2004307826
Figure 2004307826
Figure 2004307826

Claims (2)

  1. (A) 下記一般式(1)
    CH=CRCOOR (1)
    [式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、1価の炭化水素基または−SiR5(R、R、R5はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基およびフェニル基からなる群より選ばれる1価の炭化水素基を示す)で表されるシリル基含有有機基]で表される少なくとも1種のカルボニル基含有アクリル単量体と、(メタ)アクリル系化合物およびビニル系化合物から選ばれる少なくとも1種の有機単量体とを重合させて得られる共重合体 100重量部
    (B) 紫外光および可視光の光線透過率を低下せしめる添加剤 0.01〜50重量部
    (C) シランカップリング剤 0.01〜50重量部
    (D) 硬化触媒 0.02〜5重量部
    (E) 希釈溶剤 10〜2000重量部
    を含有する透明容器用コーティング剤組成物。
  2. 請求項1記載の透明容器用コーティング剤組成物により処理され、硬化生成物の被膜が容器の表面に形成されてなることを特徴とするコーティング剤が塗布された透明容器。
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