JP2004307675A - ジカルボン酸変性ポリプロピレン - Google Patents

ジカルボン酸変性ポリプロピレン Download PDF

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Abstract

【課題】ポリプロピレン及び極性ポリマーヘの親和性が高く、低温で溶液性状の悪化や保存時に粘度の急激な上昇が起こらず、プライマー、塗料、粘着剤、接着剤、インキ、反応性ポリマーあるいは相溶化剤等として有用なジカルボン酸変性ポリプロピレンを提供すること。
【解決手段】13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]の値が0.12〜0.88(ただし、0.50を除く)であるポリプロピレンの1分子あたり、ジカルボン酸が平均0.5個以上結合し、かつ重量平均分子量(Mw)が5,000〜400,000であることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレンを提供した。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジカルボン酸変性ポリプロピレンに関し、更に詳しくは、ポリプロピレン及び極性ポリマーヘの親和性が高く、低温で溶液性状の悪化や保存時に粘度の急激な上昇が起こらず、プライマー、塗料、粘着剤、接着剤、インキ、反応性ポリマーあるいは相溶化剤等として有用なジカルボン酸変性ポリプロピレンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンは、結晶性が高いこと及び無極性であることから、他の基材、例えば、アクリル樹脂や酢酸ビニル樹脂などの極性を有する樹脂との親和性がほとんどない。そのため、塗装や接着、印刷が困難であるという問題がある。
【0003】
この問題を解決するため、ポリマーの塩素化ならびにジカルボン酸無水物による変性に関して多くの検討が為され、例えばポリプロピレン系樹脂を無水マレイン酸などのジカルボン酸無水物とグラフト共重合し、次いで塩素化することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところが、ジカルボン酸無水物で変性した塩素化ポリプロピレンは、塩素含量が多いとポリオレフィンに対する親和性が低下し、その結果、ポリオレフィンヘの付着能が悪化する。一方、塩素含量が少ないと、溶剤に溶解した場合、特に低温で固体が析出し流動性が低下して溶液性状の悪化をもたらす。
そのため、これらジカルボン酸無水物を導入したポリマーであっても、主鎖の塩素化ポリマーに由来する上記の問題が解決できず、使用しにくいケースがある。
【0005】
そこで、溶媒への溶解度を向上させるため、ベースのポリマーとして、他のα−オレフィンと共重合したものを用いることが検討されている。しかしながら、他のα−オレフィンと共重合したポリマーを用いても、ポリプロピレンと十分な親和性を得ることはできない。
【0006】
また、アイソタクチックポリプロピレンを用いることも提案されている(特許文献2参照)。しかし、提案されているような立体規則性の高いアイソタクチックポリプロピレンでは、たとえ低分子量化しても、溶媒への溶解度が低く使いにくいという問題がある。
【0007】
このような理由から、ポリオレフィン並びに極性を有するポリマーや化合物との親和性が高い性能に加え、溶媒に対する溶解度が高く、溶媒に溶解した際の溶液安定性がよいといった性能を併せもつ変性ポリプロピレンの開発が必要とされている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−20674(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平11−100412号公報(要約)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような事情に鑑み、特定の範囲のラセミダイアド分率[r]を有し有機溶剤に可溶なポリプロピレンをジカルボン酸で変性することにより、ポリプロピレンならびに極性ポリマーヘの親和性が高く、有機溶媒に対する溶解性が高く、しかも低温での溶液性状の悪化や溶液保存時に粘度の急激な上昇が起こらないジカルボン酸変性ポリプロピレンを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリプロピレンの立体規則性の度合を示すラセミダイアド分率[r]が特定範囲にある可溶性ポリプロピレンを有機溶媒に溶解するか混練機中で、ラジカル反応開始剤の存在下、不飽和ジカルボン酸を反応させて得られるジカルボン酸変性ポリプロピレンは、極性を有する材料に対して十分な親和性をもち、有機溶媒への高い溶解度を有するとともに溶液保存時に急激な粘度上昇が起こらないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]の値が0.12〜0.88(但し、0.50を除く)であるポリプロピレンの1分子あたり、ジカルボン酸が平均0.5個以上結合し、かつ重量平均分子量(Mw)が5,000〜400,000であることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレンが提供される。
【0012】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、ポリプロピレンが、常温におけるポリプロピレンのトルエンに対する溶解度が5g以上の可溶性ポリプロピレンであることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレンが提供される。
【0013】
本発明は、上記した如く、13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]が特定の範囲にあるポリプロピレンの1分子あたり、特定数のジカルボン酸を結合し、特定の重量平均分子量を有するジカルボン酸変性ポリプロピレンに係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)本発明の第1の発明において、重量平均分子量(Mw)が10,000〜250,000であることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(2)本発明の第1の発明において、分子量分布(Mw/Mn)が1.01〜3.00であることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(3)本発明の第1の発明において、分子量分布(Mw/Mn)が1.01〜2.50であることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(4)本発明の第1の発明において、ジカルボン酸が平均0.5〜100個結合していることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(5)本発明の第1の発明において、ジカルボン酸が平均0.5〜30個結合していることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(6)本発明の第2の発明において、ポリプロピレンが、常温におけるポリプロピレンのトルエンに対する溶解度が10g以上の可溶性ポリプロピレンであることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(7)本発明の第2の発明において、ポリプロピレンが、常温におけるポリプロピレンのトルエンに対する溶解度が15g以上の可溶性ポリプロピレンであることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(8)本発明の第1又は2の発明において、ポリプロピレンが、常温のIR測定において、ポリプロピレンの結晶部に由来する吸収ピークが観測されず、かつ973cm−1、及び/又は962cm−1と977cm−1に吸収ピークが観測されることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(9)上記(8)において、ポリプロピレンの結晶部に由来する吸収ピークが770cm−1、842cm−1及び998cm−1、又は870cm−1と1022cm−1であることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(10)本発明の第1の発明において、13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]が0.12〜0.49の可溶性アイソタクチックポリプロピレンであることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(11)本発明の第1の発明において、13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]が0.51〜0.88の可溶性シンジオタクチックポリプロピレンであることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(12)本発明の第1又は2の発明において、ジカルボン酸がフマル酸、イタコン酸、メサコン酸、又はグルタコン酸から選ばれる1種以上であることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
(13)本発明の第1又は2の発明に係るジカルボン酸変性ポリプロピレンを含んでなるプライマー、塗料、粘着剤、接着剤、インキ、相溶化剤、表面改質剤及び反応性ポリマー。
(14)ポリプロピレンは、金属錯体触媒を用いて重合することを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかのジカルボン酸変性ポリプロピレンを製造する方法。
(15)金属錯体触媒が、バナジウム錯体と有機アルミニウム化合物であることを特徴とする上記(14)のジカルボン酸変性ポリプロピレンを製造する方法。
(16)金属錯体触媒が、Ti、Zr、Hfから選ばれる金属のアルコキシ錯体及び/又はTi、Zr、Hfから選ばれる金属のアルキルアミノ錯体とアルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒であることを特徴とする上記(14)のジカルボン酸変性ポリプロピレンを製造する方法。
(17)金属錯体触媒が、Ti、Zr、Hfから選ばれる金属のシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体を2つとハロゲンまたはアルキル基を有する錯体と、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒であることを特徴とする上記(14)のジカルボン酸変性ポリプロピレンを製造する方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のジカルボン酸変性ポリプロピレンについて各項目毎に詳細に説明する。
【0015】
1.ベースポリマー(ポリプロピレン)
本発明のジカルボン酸変性ポリプロピレンの原料となるベースポリマーとしては、13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]が0.12〜0.88(ただし、0.50を除く)の範囲にあるポリプロピレンが用いられる。
【0016】
本発明で規定したラセミダイアド分率[r]は、ポリプロピレンの立体規則性の度合を示すものである。例えば、100%シンジオタクチック構造を有するポリプロピレンの場合は、ラセミダイアド分率[r]が1となる。また、アタクチックポリプロピレンの場合には、[r]の値は0.50となる。尚、ラセミダイアド分率[r]は、当業者に周知の方法、即ち13C−NMRで測定した立体規則性の構造に起因するピーク強度から得られる値が用いられる。
【0017】
本発明で用いるポリプロピレンのラセミダイアド分率[r]は、0.12〜0.88である。ただし、ラセミダイアド分率[r]が0.50は、アタクチックポリプロピレンになるので上記範囲からは除外される。
ポリプロピレンのラセミダイアド分率[r]が0.12未満であるか、0.88を超えるとポリプロピレンの結晶性が高くなるため、有機溶媒に対する溶解性が低下し、本発明に用いるポリプロピレンには適さない。
【0018】
本発明において、ポリプロピレンは、可溶性ポリプロピレンを2種類以上混合して使用することもできる。2種類以上を混合する場合は、可溶性アイソタクチックポリプロピレンと可溶性シンジオタクチックポリプロピレンといった組み合わせのように、立体規則性の大きく異なるものを混合することが望ましい。混合した結果、ラセミダイアド分率[r]が0.50になった場合、これはアタクチックポリプロピレンではないので、本発明に用いられるポリプロピレンの対象範囲に含まれるものとする。
【0019】
ポリプロピレンの有機溶剤に対する溶解性の指標として、ポリプロピレンのIR測定結果を用いることができる。結晶性アイソタクチックポリプロピレンに由来する770cm−1、842cm−1及び998cm−1に吸収ピークが観測されるポリプロピレン、結晶性シンジオタクチックポリプロピレンに由来する870cm−1、及び1022cm−1に吸収ピークが観測されるポリプロピレンは、トルエン等の有機溶剤に対する溶解性が著しく低いので、本発明に使用することができない。上記のような結晶性ポリプロピレンの結晶部に由来する吸収ピークが観測されず、かつアイソタクチックポリプロピレンの非晶部に由来する973cm−1、及び/又はシンジオタクチックポリプロピレンの非晶部に由来する962cm−1、及び977cm−1に吸収ピークが存在するポリプロピレンが、本発明のベースポリマーとして使用するのに好適である。
ただし、結晶性ポリプロピレンに由来する吸収ピークが存在しない場合であっても、アイソタクチックポリプロピレンの非晶部及び/又はシンジオタクチックポリプロピレンの非晶部に起因する吸収ピークが観測されず、規則性に由来する吸収ピークとして、アタクチックポリプロピレンに由来する968cm−1のピークのみが観測されるようなポリプロピレンは、本発明の対象外である。
これらIRの吸収ピークは、測定条件や測定機器によって多少のシフトをすることがある。
【0020】
本発明の意図するところは、有機溶剤に難溶な結晶性ポリプロピレン、かつ本発明の目的を達成することが困難なアタクチックポリプロピレンが含まれない、特定のラセミダイアド分率[r]を有する有機溶剤に可溶なポリプロピレン、すなわち常温におけるポリプロピレンのトルエンに対する溶解度が特定の可溶性ポリプロピレンを用いることであり、これによって本発明の目的とする効果を発現できる変性ポリプロピレンを得ることができる。
常温におけるポリプロピレンのトルエンに対する溶解度とは、溶媒であるトルエン100g中に溶けている溶質であるポリプロピレンのグラム数である。一般には、常温(25℃)で過剰の溶質を溶媒に加え、完全に飽和するまで溶解させる。次に、この溶液の一定量を正確に測り、溶媒を完全に飛ばしたのち、残りを測る。そして、溶媒であるトルエン100g中の溶質ポリプロピレンのグラム数を求める。本発明では、この溶解度が5g以上の可溶性ポリプロピレンでなければならない。
【0021】
本発明において、ベースのポリプロピレンは、ラセミダイアド分率[r]、トルエンに対する溶解度、及びIR測定(常温)の吸収ピークが上記のようなポリプロピレンであり、このようなポリプロピレンが製造できれば製造方法は特に限定されない。通常は、金属錯体触媒を用い、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、THF等の溶媒中でプロピレンを重合して得られる。
【0022】
金属錯体触媒とは、有機金属化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒であるか、酸素、窒素等のヘテロ原子を含む有機化合物と遷移金属からなる金属錯体を一成分とする触媒であり、例えば、
▲1▼バナジウム錯体と有機アルミニウム化合物からなる触媒、
▲2▼Ti、Zr、Hfのアルコキシ錯体及び/又はTi、Zr、Hfのアルキルアミノ錯体とアルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒、
▲3▼チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる群から選ばれる金属のシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体を2つとハロゲンまたはアルキル基を有する錯体と、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒、
▲4▼チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる群から選ばれる金属のシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体を1つとアルコキシ基あるいはアルキルアミノ基の少なくとも1つを有する化合物と、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒、
▲5▼ニッケル、パラジウム等のジイミン錯体と、アルミノキサン類からなる触媒、が挙げられる。
【0023】
上記▲1▼のバナジウム錯体と有機アルミニウム化合物からなる触媒において、バナジウム錯体としては、例えば、Makromol.Chem.180、57−64(1979)に記載されている触媒が挙げられる。
【0024】
具体的には、VOCl、VCl、V(アセチルアセトナート)、V(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)、V(1,3−ブタンジオナト)、VO(アセチルアセトナート)、VOCl(アセチルアセトナート)、VOCl(アセチルアセトナート)、VO(OR)、V(ベンゾイルアセトナト)、V(ベンゾイルトリフルオロアセトナト)、V(ジベンゾイルメタナト)、V(フロイルアセトナト)、V(トリフルオロアセチルアセトナト)、V(3−フェニルアセチルアセトナト)、V(2,4−ヘキサンジナオト)、V(トリフルオロジメチル−2,4−ヘキサンジオナト)等が挙げられる。その他、アルキルイミド、或いはアリールイミドなどの配位子を有する一般式(1)及び(2)のようなバナジウム化合物も挙げられる。
【0025】
有機アルミニウム化合物としては、例えば、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムハライド類;メチルアルミノキサン等のアルミノキサン類が挙げられる。
【0026】
【化1】
Figure 2004307675
【0027】
【化2】
Figure 2004307675
【0028】
一般式(1)中、XはF、Cl、Br、I、炭素数1〜10の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基;R〜Rは、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、一般式(2)中、XはF、Cl、Br、I、炭素数1〜10の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基;Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0029】
上記成分の使用量は、α−オレフィン及びアルカジエニルアルコールモノマーの合計使用量(以下、単にモノマー使用量という)1モル当り、バナジウム錯体が1×10−5〜0.1モル、好ましくは1×10−4〜5×10−2モルであり、有機アルミニウム化合物が1×10−4〜0.1モル、好ましくは5×10−3〜0.05モルである。
【0030】
また、▲1▼の触媒には、必要に応じて電子供与体を添加することもでき、電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸、マロン酸、有機酸もしくは無機酸のエステル類、モノエーテル、ジエーテルもしくはポリエーテル等の含酸素電子供与体や、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電子供与体を挙げることができる。電子供与体の使用量は、バナジウム錯体1モルに対して0.01〜20モルである。
【0031】
共重合反応は、−100〜100℃の温度で0.5〜50時間、好ましくは−90〜50℃で1〜30時間、さらに好ましくは−80〜30℃で1〜15時間行われる。得られるポリオレフィン共重合体の分子量、分子量分布及び収量は、反応温度及び反応時間をコントロールすることにより調節できる。
【0032】
前記▲2▼の触媒において、Ti、Zr、Hfのアルコキシ錯体及び/又はTi、Zr、Hfのアルキルアミノ錯体とアルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒としては、例えばM(OR)4−a、M(NR4−a、M(acac)が挙げられる(MはTi、Zr、Hf、aは2〜4の整数、Xは、F、Cl、Br、I、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、acacはアセチルアセトン配位子、メチルブタンジオン配位子、ブタンジオン配位子、ベンゾイルアセトン配位子、ベンゾイルトリフルオロアセトン配位子、ジベンゾイルメタン配位子、フロイルアセトン配位子、トリフルオロアセチルアセトン配位子、3−フェニルアセチルアセトン配位子、2,4−ヘキサンジオン配位子、トリフルオロジメチル−2,4−ヘキサンジオン配位子等を表わす。)。
【0033】
具体的な化合物としては、Ti(OC、Ti(O−n−C、Ti(O−i−C、Ti(O−n−C、Ti(O−i−C、Ti(O−s−C、Ti(O−t−C、Ti(O−cycloC、Ti(OC11、Ti(OC、Ti(O−cycloC11、Ti(OC13、Ti(OCCl、Ti(O−i−CCl、Ti(O−n−CBr、Ti(O−n−CCl、Ti(O−i−CBr、Ti(O−s−C、Ti(OC11Cl、Ti(O−cycloC11、Ti[N(C)]、Ti[N(n−C)]、Ti[N(i−C)]、Ti[N(n−C)]、Ti[N(i−C)]、Ti[N(s−C)]、Ti[N(t−C)]、Ti[N(cycloC)]、Ti[N(C11)]、Ti[N(C)]、Ti[N(cycloC11)]、Ti[N(C13)]、Ti[N(CCl、Ti[N(n−CCl、Ti[N(i−CBr、Ti[N(s−CCl、Ti[N(n−CBr、Ti[N(t−C、Ti[N(C11、Ti[N(C11Cl、Ti(アセチルアセトナト)Cl、Ti(メチルブタンジオナト)Cl、Ti(ブタンジオナト)Cl、Ti(ベンゾイルアセトナト)Br、Ti(ベンゾイルトリフルオロアセトナト)、Ti(ジベンゾイルメタナト)、Ti(フロイルアセトナト)Br、Ti(トリフルオロアセチルアセトナト)Br、Ti(2,4−ヘキサンジオナト)Cl、Zr(OC、Zr(O−n−C、Zr(O−i−C、Zr(O−n−C、Zr(O−i−C、Zr(O−s−C、Zr(O−t−C、Zr(O−cycloC、Zr(OC11、Zr(OC、Zr(O−cycloC11、Zr(OC13、Zr(OCCl、Zr(O−i−CCl、Zr(O−n−CBr、Zr(O−n−CCl、Zr(O−i−CBr、Zr(O−s−C、Zr(OC11Cl、Zr(O−cycloC11、Zr[N(C)]、Zr[N(n−C)]、Zr[N(i−C)]、Zr[N(n−C)]、Zr[N(i−C)]、Zr[N(s−C)]、Zr[N(t−C)]、Zr[N(cycloC)]、Zr[N(C11)]、Zr[N(C)]、Zr[N(cycloC11)]、Zr[N(C13)]、Zr[N(CCl、Zr[N(n−CCl、Zr[N(i−CBr、Zr[N(s−CCl、Zr[N(n−CBr、Zr[N(t−C、Zr[N(C11、Zr[N(C11Cl、Zr(アセチルアセトナト)Cl、Zr(メチルブタンジオナト)Cl、Zr(ブタンジオナト)Cl、Zr(ベンゾイルアセトナト)Br、Zr(ベンゾイルトリフルオロアセトナト)、Zr(ジベンゾイルメタナト)、Zr(フロイルアセトナト)Br、Zr(トリフルオロアセチルアセトナト)Br、Zr(2,4−ヘキサンジオナト)Cl、Hf(OC、Hf(O−n−C、Hf(O−i−C、Hf(O−n−C、Hf(O−i−C、Hf(O−s−C、Hf(O−t−C、Hf(O−cycloC、Hf(OC11、Hf(OC、Hf(O−cycloC11、Hf(OC13、Hf(OCCl、Hf(O−i−CCl、Hf(O−n−CBr、Hf(O−n−CCl、Hf(O−i−CBr、Hf(O−s−C、Hf(OC11Cl、Hf(O−cycloC11、Hf[N(C)]、Hf[N(n−C)]、Hf[N(i−C)]、Hf[N(n−C)]、Hf[N(i−C)]、Hf[N(s−C)]、Hf[N(t−C)]、Hf[N(cycloC)]、Hf[N(C11)]、Hf[N(C)]、Hf[N(cycloC11)]、Hf[N(C13)]、Hf[N(CCl、Hf[N(n−CCl、Hf[N(i−CBr、Hf[N(s−CCl、Hf[N(n−CBr、Hf[N(t−C、Hf[N(C11、Hf[N(C11Cl、Hf(アセチルアセトナト)Cl、Hf(メチルブタンジオナト)Cl、Hf(ブタンジオナト)Cl、Hf(ベンゾイルアセトナト)Br、Hf(ベンゾイルトリフルオロアセトナト)、Hf(ジベンゾイルメタナト)、Hf(フロイルアセトナト)Br、Hf(トリフルオロアセチルアセトナト)Br、Hf(2,4−ヘキサンジオナト)Cl、等が挙げられる。
【0034】
アルミノキサン類としては、例えば、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、及びこれらアルミノキサン中の未反応アルミニウム化合物を除去・精製した乾燥アルミノキサン等が挙げられる。なお、アルミノキサン類の代りにトリフェニルボラン、トリスペンタフルオロフェニルボラン、トリフェニルメチルトリスペンタフルオロボレート等のホウ素化合物を単独で、あるいはトリアルキルアルミニウムやアルキルアルミニウムハライドのような有機アルミニウム化合物を組み合わせて用いることができる。さらに、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジオクチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等の有機アルミニウム化合物を用いることもできる。
【0035】
上記成分の使用量は、モノマー使用量1モル当り、金属錯体が1×10−5〜0.5モル、好ましくは1×10−4〜0.1モルであり、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物が1×10−6〜0.5モル、好ましくは1×10−5〜0.1モルである。
【0036】
共重合反応は、−100〜100℃の温度で0.5〜50時間、好ましくは−80〜80℃で1〜30時間行われる。
【0037】
前記▲3▼のチタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる群から選ばれる金属のシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体を2つとハロゲンまたはアルキル基を有する錯体と、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒において、該錯体は、2つのシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体が架橋されていないか若しくは2ヶ所で架橋されているものが選ばれる。
【0038】
非架橋性メタロセン化合物としては、例えば、一般式(3)で示される化合物が挙げられ、具体的には、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジエチル、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド等が挙げられる。その他、例えば、(CZr(C、(C−i−CZrCl、(C−t−CZrCl、(C−t−CZrBr、(C−t−CZrI、(C−t−CZrF、(C−t−CZr(CH、(C−t−CZr(C、[C−CH(CH)(C)]ZrCl、等を挙げることができる。
【0039】
また、2架橋性メタロセンとしては、例えば、一般式(4)で示され、J.Am.Chem.Soc.、Vol.121、No.3、565(1999)に記載されている化合物が挙げられ、具体的には、(1,2−MeSi)(η―CZrCl、(1,2−MeSi)(η―C)(η―C−3−CH)ZrCl、(1,2−MeSi)(η―C){η―C−3−CH(CH}ZrCl、(1,2−MeSi)(η―C){η―CH−3,5−(CH(CHZrCl、(1,2−MeSi)(η―C−4−CH){η―CH−3,5−(CH(CH}ZrCl、(1,2−MeSi){η―C−4−CH(CH}{η―CH−3,5−(CH(CH}ZrCl、(1,2−MeSi){η―C−4−Si(CH}{η―CH−3,5−(CH(CH}ZrCl、(1,2−(CSi){η―C−4−Si(CH}{η―CH−3,5−(CH(CH}ZrCl、(1,2−MeSi){η―C−4−Si(CH}{η―CH−3,5−(CH(CH}Zr(CH、(1,2−MeSi)(η―CHfCl、(1,2−MeSi)(η―C)(η―C−3−CH)HfCl、(1,2−MeSi)(η―CTiCl、(1,2−MeSi)(η―C)(η―C−3−CH)TiCl、等が挙げられる。
【0040】
一般式(3)
【化3】
Figure 2004307675
【0041】
一般式(4)
【化4】
Figure 2004307675
【0042】
一般式(3)、(4)中、R〜Rは、それぞれH若しくは炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を示す。Xは、ハロゲン、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、炭素数8〜10の芳香族炭化水素基を示す。Mは、Ti、Zr、Hfのいずれかの金属である。R〜Rは、同時に同じであっても、異なっていても良い。
【0043】
また、アルミノキサン類、並びにホウ素化合物単独あるいは有機アルミニウム化合物と組み合わせたものが使用できるが、これらは、▲2▼で記載したものを用いることができる。
上記成分の使用量は、モノマー使用量1モル当り、メタロセン化合物が5.0×10−7〜5.0×10−3モル、好ましくは1.0×10−6〜1.0×10−4モルであり、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物が1.0×10−5〜5.0モル、好ましくは1.0×10−3〜0.1モルである。
【0044】
共重合反応は、−100〜90℃の温度で0.1〜100時間、好ましくは−50〜50℃で1〜50時間行われる。
【0045】
前記▲4▼の触媒において、チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる群から選ばれる金属のシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体を1つとアルコキシ基あるいはアルキルアミノ基の少なくとも1つ有する化合物としては、一般式(5)〜(7)に示すような化合物が挙げられる。
【0046】
例えば、一般式(5)で表される化合物としては、CpTi(OMe)、CpTi(OEt)、CpTi(O・iPr)、CpTi(O・tBu)、CpTi(OC、CpTi(2−Me−OC、CpTi(2−Et−OC、CpTi(2−Pr−OC、CpTi(2−tBu−OC、CpTi(2,6−Me−OC、CpTi(2,6−Et−OC、CpTi(2,6−iPr−OC、CpTi(2,6−tBu−OC、CpTi(2−Me−6−tBu−OC、CpTi(3−Me−6−tBu−OC、CpTi(OMe)Cl、CpTi(OMe)Cl、CpTi(OC)Cl、CpTi(OCCl、CpTi(OMe)(OC)Cl、等が挙げられ、一般式(6)で表される化合物としては、(MeC)Cp(C)OTiCl、((CC)Cp(C)OTiCl、(MeC)Cp(3−Me−C)OTiCl、(MeC)Cp(5−Me−C)OTiCl、(MeC)Cp(3−tBu−C)OTiCl、(MeC)Cp(3,5−Me−C)OTiCl、(MeC)Cp(3,5−tBu−C)OTiCl、(MeC)Cp(3−Me−5−tBu−C)OTiCl、(MeC)Cp(3−tBu−5−Me−C)OTiCl、等が挙げられる。
【0047】
また、一般式(7)で表される化合物としては、MeNSiMe(Flu)TiCl、tBuNSiMe(Flu)TiCl、CNSiMe(Flu)TiCl、tBuNSi(C(Flu)TiCl、tBuNSiMe(Flu)TiMe、等が挙げられる。
【0048】
一般式(5)〜(7)
【化5】
Figure 2004307675
【0049】
一般式(5)〜(7)中、X、Y、Zは、F、Cl、Br、若しくはIから選択されるハロゲン、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、そのアルコキシ基、置換基を有しても良い炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、そのアルコキシ基;R〜Rは、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、置換基を有しても良い炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を示す。R〜R及びX、Y、Zは、それぞれ同時に同じであっても、異なっていても良い。
【0050】
また、アルミノキサン類、並びにホウ素化合物単独あるいは有機アルミニウム化合物と組み合わせたものが使用でき、これらは、▲2▼で記載したものを用いることができる。
【0051】
チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる群から選ばれる金属のシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体を1つとアルコキシ基あるいはアルキルアミノ基を少なくとも1つ有する化合物の使用量は、モノマー使用量1モル当り、1×10−8〜0.1モル、好ましくは1×10−7〜5×10−2モルであり、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物が1×10−8〜0.1モル、好ましくは1×10−7〜0.05モルである。
【0052】
共重合反応は、−100〜90℃の温度で0.5〜100時間、好ましくは−50〜50℃で1〜50時間行われる。
【0053】
前記▲5▼のニッケル、パラジウム等のジイミン錯体と、アルミノキサン類からなる触媒において、ニッケル、パラジウム等のジイミン錯体としては、例えば、一般式(8)〜(11)で表される化合物などが挙げられる。
アルミノキサン類としては、例えば、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン等が挙げられる。
【0054】
一般式(8)〜(11)
【化6】
Figure 2004307675
【0055】
一般式(8)〜(11)中、XはClまたはメチル(Me)基;Rは、メチル(Me)基またはイソプロピル(iPr)基を示し、同時に同じであっても異なっていても良い。
【0056】
ニッケル、パラジウム等のジイミン錯体の使用量は、モノマー使用量1モル当り、1×10−6〜0.1モル、好ましくは5×10−6〜5×10−2モルであり、アルミノキサン類が1×10−6〜0.1モル、好ましくは5×10−4〜0.05モルである。
【0057】
共重合反応は、−100〜90℃の温度で0.5〜100時間、好ましくは−50〜50℃で1〜50時間行われる。
【0058】
本発明においてポリプロピレンは、上記の触媒を用いて製造することができるが、好ましくは▲1▼〜▲3▼、特に好ましくは▲1▼の触媒を用いて製造することができる。▲1▼〜▲5▼の触媒を用いる場合、分子量調節剤として、水素、ジエチル亜鉛、Si−H結合含有化合物を添加することができる。また、▲1▼〜▲5▼の触媒は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の担体に担持して用いることができる。
【0059】
本発明に係るポリプロピレンは、13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]が0.12〜0.88(ただし、0.50を除く)の範囲であれば、10モル%未満のエチレン、α−オレフィンまたはジオレフィンとの共重合体であっても良い。α−オレフィンは、炭素数4〜8のものが好ましく、ジオレフィンは、炭素数4〜14のものが好ましい。具体的には、α−オレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、ジオレフィンは、ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン等が挙げられる。ポリプロピレンとの十分な親和性を得るにはプロピレンの単独重合体が好ましい。
また、このようにして得られる本発明のポリプロピレンは、例えばペンタン、へキサン、へプタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素に可溶であり、好ましくは常温におけるポリプロピレンのトルエンに対する溶解度が5g以上、より好ましくは10g以上100g以下、特に好ましくは15g以上50g以下である。
【0060】
2.ジカルボン酸変性ポリプロピレン
本発明のジカルボン酸変性ポリプロピレンは、13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]が0.12〜0.88(ただし、0.50を除く)の範囲にあり、IR測定の吸収ピークが上記のとおりであるポリプロピレンを有機溶媒に溶解するか混練機中で、ラジカル反応開始剤の存在下、不飽和ジカルボン酸の1種または2種以上と反応させることにより得ることができる。
【0061】
有機溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が使用される。
【0062】
また、ラジカル反応開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンなどの過酸化物を使用することができる。
【0063】
本発明で用いられる不飽和ジカルボン酸は、炭素数が4〜12の不飽和脂肪族ジカルボン酸、不飽和脂環式ジカルボン酸のいずれかである。不飽和ジカルボン酸の不飽和結合は、2重結合でも3重結合でも良く、また不飽和結合は単数に限らず複数でも良い。
さらに、不飽和ジカルボン酸は、カルボキシル基以外にエステル基、エーテル基、ケトン基、水酸基、あるいはアミノ基などの置換基を有していても良い。
【0064】
不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、エチレンジカルボン酸、プロピレンジカルボン酸などのアルケンジカルボン酸、アルカジエンジカルボン酸、アルカトリエンジカルボン酸、アルキンジカルボン酸等が挙げられる。
【0065】
具体的には、エチレンジカルボン酸としては、フマル酸、プロピレンジカルボン酸としては、イタコン酸[CH=C(COOH)−CH−COOH]、メサコン酸[trans−CH−C(COOH)=CHCOOH]、グルタコン酸[(COOH)−CH−CH=CHCOOH:シス体及びトランス体がある]が挙げられる。
【0066】
アルケンジカルボン酸としては、上記の他に、ビニルコハク酸[CH=CH−CH(COOH)−CH−COOH]のようなブテンジカルボン酸類、アリルコハク酸[CH=CH−CHCH(COOH)−CHCOOH]のようなペンテンジカルボン酸類、ヘキセンジカルボン酸類、ヘプテンジカルボン酸類、オクテンジカルボン酸類、ノネンジカルボン酸類、デセンジカルボン酸類およびこれらの誘導体が使用できる。
【0067】
さらに、アルカジエンジカルボン酸としては、プロパンジエンジカルボン酸(HOOC−CH=C=CH−COOH)、ビニルフマル酸、ビニルマレイン酸のようなブタジエンジカルボン酸類、ペンタジエンジカルボン酸類、ブテニルマレイン酸等のヘキサジエンジカルボン酸類、ヘプタジエンジカルボン酸類、オクタジエンジカルボン酸類、ノナジエンジカルボン酸類、デカジエンジカルボン酸類およびこれらの誘導体などが挙げられる。
【0068】
一方、不飽和脂環式ジカルボン酸としては、シクロアルケンジカルボン酸、シクロアルカジエンジカルボン酸、シクロアルカトリエンジカルボン酸、シクロアルキンジカルボン酸等が使用できる。
【0069】
例えばシクロアルケンジカルボン酸としては、シクロペンテンジカルボン酸類、シクロヘキセンジカルボン酸類、シクロヘプテンジカルボン酸類、シクロオクテンジカルボン酸類、シクロノネンジカルボン酸類、シクロデセンジカルボン酸類およびこれらの誘導体がある。
【0070】
シクロヘキセンジカルボン酸類の具体例としては、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,4−ジカルボン酸、シクロへキセン−1,5−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,6一ジカルボン酸、シクロヘキセン−2,5−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸、シクロへキセン−3,5−ジカルボン酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸等が挙げられる。
【0071】
また、シクロアルカジエンジカルボン酸の具体例としては、ジヒドロフタル酸、ジヒドロイソフタル酸、ジヒドロテレフタル酸等のシクロヘキサジエンジカルボン酸類およびこれらの誘導体以外に、シクロペンタジエンジカルボン酸類、シクロヘプタジエンジカルボン酸類、シクロオクタジエンジカルボン酸類、シクロノナジエンジカルボン酸類、シクロデカジエンジカルボン酸類およびこれらの誘導体などが挙げられる。
さらに、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の複脂環式アルケンジカルボン酸を用いてもよい。
【0072】
本発明において特に好ましいジカルボン酸は、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、グルタコン酸である。
以上、ジカルボン酸について詳述したが、本発明では、これに限らず3個以上のカルボキシル基を有したトリカルボン酸、テトラカルボン酸のような化合物が排除されるものではない。
【0073】
本発明に係る製造方法において、ジカルボン酸をポリプロピレンへ導入するには、例えば、ポリプロピレンをヘプタンなどの有機溶媒に溶解し、窒素雰囲気下において、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどのラジカル反応開始剤の存在下、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸、または2種以上の不飽和ジカルボン酸と反応させる。反応温度としては、50〜200℃が好ましく、より好ましくは70〜180℃である。また、反応時間は3〜200分で、5〜100分が特に好ましい。
【0074】
上記の方法により、13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]が0.12〜0.88(ただし、0.50を除く)の範囲にあるポリプロピレンの1分子あたり、ジカルボン酸を平均0.5個以上、好ましくは平均0.5〜100個、特に平均0.5〜30個有するポリマー、即ちジカルボン酸変性ポリプロピレンを製造することができる。
【0075】
本発明に係るジカルボン酸変性ポリプロピレンの重量平均分子量(Mw)は、5,000〜400,000であり、好ましくは10,000〜250,000である。分子量分布(Mw/Mn)は1.01〜3.00、好ましくは1.1〜2.5である。
【0076】
この変性ポリプロピレンは、ラセミダイアド分率[r]が0.12〜0.88(ただし、0.50を除く)の可溶性ポリプロピレンがジカルボン酸で変性されたものなので、トルエン等の有機溶剤への溶解性が高く、ポリプロピレンと良好な親和性を有すると同時に極性を有する樹脂とも高い親和性を有し、変性剤としてジカルボン酸無水物ではなく、不飽和ジカルボン酸を用いることにより、粘度上昇等の溶液性状の悪化を引き起こさないという特徴を有している。
【0077】
したがって、本発明の変性ポリプロピレンは、プライマー、塗料、粘着剤、接着剤、インキ、反応性ポリマー、表面改質剤、コーティング剤或いはポリプロピレンと他のポリマーとの相溶化剤などとして使用することができる。特に好ましい用途は、プライマー、塗料、粘着剤、接着剤、インキ、反応性ポリマー、或いは相溶化剤である。
【0078】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、本実施例、比較例中のポリマーの分析は、次に示す評価方法に基づいて行った。
【0079】
(1)分子量の測定
分子量の測定は、Waters社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)モデル150を用いた。その測定条件は、溶媒としてo−ジクロルベンゼンを用い、測定温度を135℃、溶媒流速を1.0ml/分とした。カラムは、東ソー社製の単分散ポリスチレン標準試料を用い、ポリスチレンの検量線を求め、これによりユニバーサル法によってポリプロピレンの検量線を作成し、ポリプロピレンの分子量を測定した。
【0080】
(2)立体規則性の測定
13C−NMRは、PFTパルスフーリエ変換装置付きVarian社製XL−200型を用い、50MHz、120℃、パルス幅8.2μsπ/3、パルス間隔4秒、積算回数5000の条件で、立体規則性を測定した。試料は、トリクロルベンゼンとベンゼン(2:1)の混合溶液に溶解して調整した。
【0081】
(3)ジカルボン酸のポリプロピレンへの導入量の測定(ジカルボン酸/ポリプロピレン1分子)
ジカルボン酸の導入量は、赤外線吸収スペクトル(IR)測定により、吸収ピークを解析して決定した。IR測定には、日本分光社製のFT/IR−470を用いて、フィルム状にしたポリマーを使用した。
【0082】
(4)溶解性
溶媒へのポリマーの溶解性は、トルエンへの溶解度を測定することにより評価した。その測定方法と評価基準は、25℃のトルエン100gに対し、ポリプロピレンの溶解度(g)を測定し、ポリプロピレンの溶解度≧15g:○、15g>溶解度≧5g:△、5g>溶解度:×とした。ジカルボン酸変性ポリプロピレンも同様に溶解度(g)を測定し、ジカルボン酸変性ポリプロピレンの溶解度≧15g:○、15g>溶解度≧5g:△、5g>溶解度:×とした。
【0083】
(5)粘度
粘度は、ポリマーの15%トルエン溶液を試料として、B型粘度計を用いて測定した。−10℃で2週間保存した溶液は、25℃に温度を上げてから粘度を測定した。
【0084】
(6)親和性
ポリプロピレンに対する親和性は、得られたポリマーのトルエン溶液を室温でPP板に塗布し、100℃で1時間乾燥した後、JIS K−5400に従って、基盤目テープ法テストを行った。○:密着率=100%、△:密着率≧90%、×:密着率<90%とした。
【0085】
(実施例1)
(1)プロピレンの重合
窒素ガスで十分置換した2Lの攪拌機付きオートクレーブにトルエンを150mL入れ、−60℃に保った。同温度で2mol/Lのジエチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液30mLを加えた。次に、フタル酸ジイソブチルを12mmol添加した。その後、攪拌しながらプロピレンを8.3mol導入した。最後に0.1mol/LのV(mbd)のトルエン溶液を7mL加え、重合を開始した。重合は8時間行った(表1参照)。
−60℃に冷却した5Lのメタノール中に反応溶液を入れ、ポリマーを析出させることにより重合を停止した。得られたポリマーはメタノールで5回洗浄し、室温で乾燥した。ポリマーの収量は46gであった。ポリマーのGPC曲線は単峰性であり、重量平均分子量Mwは130,000、Mw/Mnの値は1.4であった。ポリマーの解析結果を表2に示す。
IRで観測したところ、962cm−1と977cm−1に吸収ピークが存在したが、973cm−1の位置に吸収ピークが存在せず、770cm−1、842cm−1、870cm−1、998cm−1、及び1022cm−1の位置にも吸収ピークが観測されなかったことから、実施例1で得られたポリプロピレンは、可溶性シンジオタクチックポリプロピレンであることが確認できた。また、常温におけるポリプロピレンのトルエンに対する溶解度は、15g以上であった。
【0086】
【表1】
Figure 2004307675
【0087】
【表2】
Figure 2004307675
【0088】
(2)ポリプロピレンヘのジカルボン酸の導入
東洋精機製作所(株)製のラボプラストミルmodel50C150を用い、上記(1)で得られたポリプロピレンをフマル酸で変性した。混練温度を170℃に設定し、ミキサー内を十分窒素置換した後、窒素気流下で上記ポリプロピレン35gとフマル酸6gを導入し、150rpmで3分間混練した。その後、窒素気流下でラジカル反応開始剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンを0.6g添加し、150rpmで3分間混練した(表3参照)。
この2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンの添加と混練の操作を計三回繰り返した後、ポリマーを回収した。回収したポリマー10gを90mLのトルエンに溶解し、不溶な未反応のフマル酸を濾別した。濾液を4Lのアセトンに注ぎ、ポリマーを析出させた。析出したポリマーは2Lのアセトンで5回洗浄し、室温で減圧乾燥した。
ポリマーのIR測定を行ったところ、1720cm−1にジカルボン酸のカルボニル基に基づく吸収が観測された。
また、1H−NMRを測定したところ、3ppm付近にコハク酸のメチレンに由来するピークが観測された。これらIRとNMRの結果より、フマル酸がポリプロピレン鎖に導入されていることが確認された。
IRで観測された1720cm−1の吸収とPPに起因する1460cm−1の吸収の強度比から、ポリプロピレンへのジカルボン酸の導入量を求めることができる。この値と分子量より、ポリプロピレン一分子あたり3.7個のフマル酸が導入されていることが明らかとなった(表4参照)。
【0089】
【表3】
Figure 2004307675
【0090】
【表4】
Figure 2004307675
【0091】
(3)ジカルボン酸変性ポリプロピレンの評価
(2)で得られたフマル酸変性ポリプロピレンについて、トルエンヘの溶解度と、15wt%トルエン溶液の粘度を測定した。また、ポリプロピレンに対する親和性を測定した。結果を表5に示す。本ポリマーはトルエンによく溶解し、低粘度であり、保存による粘度の上昇も起こらないことが分かる。
【0092】
【表5】
Figure 2004307675
【0093】
(実施例2〜4)
(1)プロピレンの重合
実施例1と同様な方法で、表1に示した条件でプロピレンの重合を行い、表2のポリマーを得た。
(2)ポリプロピレンヘのフマル酸の導入
実施例1と同様な方法で、表3に示した条件で、ポリプロピレンの変性を行い、表4に示すフマル酸変性ポリプロピレンを得た。この変性ポリプロピレンを同様にして評価し、結果を表5に示した。
【0094】
(実施例5)
(1)プロピレンの重合
実施例1と同様な方法で、表1に示した条件でプロピレンの重合を行い、表2のポリマーを得た。
(2)ポリプロピレンヘのジカルボン酸の導入
窒素ガスで系内を置換した攪拌機付きの100mLのオートクレーブを用い、あらかじめ窒素でバブリングした20gのデカンに上記のポリマーを5g溶解し、これにイタコン酸を3g加えた。
反応系を110℃に昇温し、20分攪拌した。0.2gの2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンを添加し、さらに20分攪拌した。この2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンの添加と、その後の20分の攪拌を計10回繰り返した。
この後、室温のデカン50gを添加し、さらにオートクレーブを急冷することにより、反応を停止した。未反応のイタコン酸を濾別した後、濾液を4Lのアセトンに注ぎ、ポリマーを析出させた。析出したポリマーは2Lのアセトンで5回洗浄し、室温で減圧乾燥した。
この操作により、表4に記載のポリマーを得た。このイタコン酸変性ポリプロピレンを前記と同様にして評価し、結果を表5に示した。
【0095】
(実施例6〜12)
(1)プロピレンの重合
実施例1と同様な方法で、表1に示した条件でプロピレンの重合を行い、表2のポリマーを得た。
(2)ポリプロピレンへのジカルボン酸の導入
実施例8、11以外は、実施例5と同様な方法で、表3に示した条件で、溶媒を用いてポリプロピレンの変性を行い、表4に示すジカルボン酸変性ポリプロピレンを得た。実施例8、11は、実施例1と同様な方法により、表3に示した条件で、無溶媒(混練)でポリプロピレンの変性を行った。このジカルボン酸変性ポリプロピレンを同様にして評価し、結果を表5に示した。
【0096】
(比較例1、2)
(1)プロピレンの重合
実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。
(2)ポリプロピレンへのジカルボン酸無水物の導入
比較例1は、得られたポリマーを実施例5と同様な方法で、表3に示した条件において、無水マレイン酸を用いてポリプロピレンの変性を行った(得られた変性ポリプロピレンの物性は表4参照)。比較例2は、比較例1と同様にして製造した変性ポリプロピレンをTHF/水混合系で5時間リフラックスして、無水マレイン酸を開環した。この変性ポリプロピレンの評価結果を表5に示した。
【0097】
(比較例3、4)
(1)プロピレンの重合
触媒を変えた以外は実施例1と同様な方法により、表1に示した条件でプロピレンの重合を行い、表2に示すポリマーを得た。
(2)ポリプロピレンへのジカルボン酸の導入
得られたポリマーを実施例5と同様な方法により、表3に示した条件で、ポリプロピレンの変性を行い、表4に示すフマル酸変性ポリプロピレンを得た。この変性ポリプロピレンの評価結果を表5に示した。
【0098】
表4から明らかなように、実施例1〜12で得られたジカルボン酸変性ポリプロピレンは、ラセミダイアド分率[r]の値が0.12〜0.88の範囲にあるポリプロピレンをベースとして用いたことにより、重量平均分子量(Mw)が8,000〜70,000で、ポリプロピレン1分子あたりの変性率(ジカルボン酸の導入)が0.5〜10個/鎖の変性ポリプロピレンであることが分かる。また、表5から明らかなように、実施例1〜12で得られたジカルボン酸変性ポリプロピレンは、溶媒への溶解性が良好であり、長期間保存しても粘度の上昇がなく、ポリプロピレンとの親和性が高いものである。
【0099】
これに対して比較例1は、ベースポリマーとして実施例1に記載された可溶性ポリプロピレンを用いても、無水マレイン酸で変性したので、保存時に粘度の著しい上昇が観測された。また、比較例1で得られた無水マレイン酸変性ポリマーのジカルボン酸無水物部分を水で開環させると、比較例2に示したようにポリマーのトルエンに対する溶解度が減少し、粘度は著しく上昇した。さらに、比較例3、4のようにベースポリマーとして結晶性ポリプロピレンを用いると、変性反応が起こりにくく、しかもトルエンヘの溶解性が低くなった。
【0100】
【発明の効果】
本発明の変性ポリプロピレンは、ポリプロピレンにジカルボン酸を導入したポリマーであり、有機溶媒への溶解性が高く、保存時の粘度上昇がほとんどない非常に良好な溶液性状を有し、しかもポリプロピレンとの親和性が高い。したがって、塗装や接着、印刷が容易になるから、プライマー、塗料、粘着剤、接着剤、インキ、反応性ポリマー、或いは相溶化剤等として極めて有用である。

Claims (2)

  1. 13C−NMRで測定したラセミダイアド分率[r]が0.12〜0.88(但し、0.50を除く)のポリプロピレン1分子当り、ジカルボン酸が平均0.5個以上結合し、かつ重量平均分子量(Mw)が5,000〜400,000であることを特徴とするジカルボン酸変性ポリプロピレン。
  2. ポリプロピレンが、常温におけるポリプロピレンのトルエンに対する溶解度が5g以上の可溶性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1に記載のジカルボン酸変性ポリプロピレン。
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