JP2004115697A - α−オレフィン共重合体の製造方法 - Google Patents

α−オレフィン共重合体の製造方法 Download PDF

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Takeshi Ishihara
石原 毅
Hiroyuki Ozaki
尾崎 裕之
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Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

【課題】アルケニルアルコールをα−オレフィンと共重合させて、塗料、表面改質剤、プライマー或いはコーティング剤などとして有用なα−オレフィン共重合体を経済的に製造する方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される特定のアルケニルアルコールとα−オレフィンとを、特定の均一系金属錯体触媒(但し、メタロセン触媒を除く)の存在下で重合させることにより、アルケニルアルコールに由来するユニットが、ポリマー一分子鎖当り平均0.5〜200個結合し、かつ数平均分子量(Mn)が500〜500,000であるα−オレフィン共重合体を製造することを特徴とするα−オレフィン共重合体の製造方法。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、α−オレフィン共重合体の製造方法に関し、更に詳しくは、アルケニルアルコールとα−オレフィンとを共重合させて、塗料、表面改質剤、プライマー、接着剤、粘着剤、相溶化剤、インキ、反応性ポリマー或いはコーティング剤などとして有用なα−オレフィン共重合体を経済的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン樹脂は無極性であるが、ポリマー鎖中にOH基などの活性水素を有する官能基を導入すれば、ポリオレフィン樹脂に接着性、染色性、印刷性、他の樹脂との相溶性が発現されることから、このような変性ポリオレフィンを、塗料をはじめとした各種の用途に用いることが考えられている。
【0003】
上記の目的を達成するために、極性基含有ポリオレフィンの製造に関する研究が行われている。例えば、極性基を有するモノマーをα−オレフィンと共重合させることにより、目的の極性基を含有するα−オレフィン共重合体が得られ、更に極性基含有量が高く、ポリマー鎖構造も制御されている交互共重合体を製造するための研究も行われている。
【0004】
従来からオレフィン重合触媒として汎用されているチーグラー・ナッタ触媒を用い、α−オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとを共重合すると、極性基含有ビニルモノマーの極性基が重合触媒の活性点に配位するので、重合活性が損なわれ、活性が低く実用的ではない。
【0005】
更に、α−オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとをメタロセン系触媒を用いて共重合させる方法、例えば、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンを含酸素ビニルモノマーである10−ウンデセン−1−オール、9−デセン−1−オールなどのアルケニルアルコールと共重合する方法が報告されている。
【0006】
具体的には、メタロセン触媒として、ビス(置換シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドを用いメチルアルモキサン触媒と組合わせて、オレフィンを重合することが行われている(例えば、非特許文献1〜3参照。)。
【0007】
また、上記のようなα−オレフィンとビニル基を有する不飽和アルコールの共重合法には、特定のメタロセン触媒を用いて、ルイス酸化合物で錯化したアルケニルアルコールとα−オレフィンを共重合して、極性基含有量の多いα−オレフィン共重合体を製造する方法も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【非特許文献1】
Aaltonen,et al.,「(Eur.Polym.J.)」,Vol.33,No.8,pp.1187−1190,1997
【非特許文献2】
Hakala,et al.,「Eur.Polym.J.」,Vol.34,No.8,pp.1093−1097,1998
【非特許文献3】
George J.Jiang,et al.),「Polym.Prepr.(ACS,Div.Polym.Chem.))」,Vol.399,pp.318,1998
【特許文献1】
特開2001−329023号公報(特許請求の範囲)
【0009】
これらの方法によれば目的とするα−オレフィン共重合体を製造できるものの、使用するメタロセン化合物の合成法が煩雑なため、触媒自体が高価になり、共重合体の製造コストを引上げてしまい実用的ではないことから、前記用途に適したポリマーをより経済的に製造しうる方法の出現が切望されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような状況に鑑み、アルケニルアルコールをα−オレフィンと共重合させて、塗料、表面改質剤、プライマー或いはコーティング剤などとして有用なα−オレフィン共重合体を経済的に製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の均一系錯体触媒を用いて、アルケニルアルコールとα−オレフィンを容易に共重合でき、活性水素基(水酸基)を有するα−オレフィン共重合体を経済的に製造しうることを見出して本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明によれば、下記の一般式(1)で表されるアルケニルアルコールとα−オレフィンとを、均一系金属錯体触媒(メタロセン触媒を除く)の存在下で重合させることにより、アルケニルアルコールに由来するユニットが、ポリマー一分子鎖当り平均0.5〜200個結合し、かつ数平均分子量(Mn)が500〜500,000であるα−オレフィン共重合体を製造する方法が提供される。
【0013】
C=CH−R−OH …(1)
一般式(1)中、RはC2nで示される炭化水素基であり、nは2〜12の整数である。
【0014】
本発明の好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)一般式(1)のnが、5〜10の整数であるアルケニルアルコールを用いる前記α−オレフィン共重合体の製造方法。
(2)α−オレフィンが、エチレン又はプロピレンのいずれか少なくとも1種である前記α−オレフィン共重合体の製造方法。
(3)均一系金属錯体触媒が、バナジウム錯体と有機アルミニウム化合物からなる触媒である前記α−オレフィン共重合体の製造方法。
(4)アルケニルアルコールのユニットが、ポリマー一分子鎖当り平均1〜100個結合してなる前記α−オレフィン共重合体の製造方法。
(5)数平均分子量(Mn)が1000〜250,000である前記α−オレフィン共重合体の製造方法。
(6)分子量分布(Mw/Mn)が1.01〜3.00である前記α−オレフィン共重合体の製造方法。
(7)上記(1)〜(6)の方法で製造されたα−オレフィン共重合体を含んでなる塗料、表面改質剤、プライマー、コーティング剤、インキ、接着剤、粘着剤、反応性ポリマー又は相溶化剤。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるα−オレフィン共重合体の製造方法を詳細に説明する。
【0016】
本発明の製造方法は、特定のアルケニルアルコールを特定の均一系金属錯体触媒を用いてα−オレフィンと共重合させる方法である。
【0017】
(I)アルケニルアルコール
本発明において、アルケニルアルコールは、一般式(1)で表わされる極性の不飽和モノマーである。
C=CH−R−OH …(1)
一般式(1)中、RはC2nで示される炭化水素基であり、nは2〜12の整数である。
【0018】
アルケニルアルコールの具体例は、3−ブテン−1−オール;4−ペンテン−1−オール、4−ペンテン−2−オールなどのペンテノール類;5−ヘキセン−1−オール、5−ヘキセン−2−オール、5−ヘキセン−3−オールなどのヘキセノール類;6−ヘプテン−1−オール、6−ヘプテン−2−オール、6−ヘプテン−3−オール、1−ヘプテン−4−オール、4−メチル−6−ヘプテン−1−オール、5−メチル−6−ヘプテン−1−オールなどのヘプテノール類;7−オクテン−1−オール、7−オクテン−2−オール、7−オクテン−3−オール、7−オクテン−4−オール、5−ブチル−7−オクテン−1−オールなどのオクテノール類;ノネノール類、デセノール類、ウンデセノール類、ドデセノール類、テトラデセノール類などが挙げられ、ヘキセノール類、ヘプテノール類、オクテノール類、ノネノール類、デセノール類、ウンデセノール類が好ましく、特にオクテノール類、ドデセノール類が好ましい。
【0019】
通常は、不飽和モノマーとして、前記のアルケニルアルコール1種を用いるが2種以上を用いることもできる。2種以上を用いる場合、予め混合してから1段でα−オレフィンと反応させてもよいし、2段或いはそれ以上の多段で反応させてもよい。
【0020】
なお、本発明において、アルケニルアルコールは、そのままモノマーとして使用できるが、予め錯化剤、又は、その混合物で錯化させておくことができる。
【0021】
錯化剤が有機アルミニウム化合物であれば、例えばアルキル基が炭素数1〜10個のジアルキルアルミニウムモノハライドや、アルキル基が炭素数2〜8個のトリアルキルアルミニウム、その混合物または錯化合物を用いることができる。
中でも触媒系に用いるジアルキルアルミニウムモノハライド、トリアルキルアルミニウムが好ましい。
【0022】
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ビス(2,6−ジ−tBu−フェノキシ)メチルアルミニウム等が挙げられる。
【0023】
その他、ジエチル亜鉛、トリメチルシリルクロリド、tBu−ジメチルシリルクロリド、トリイソプロピルシリルクロリド、メチルリチウム、ブチルリチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド等の錯化剤を用いることができる。
【0024】
錯化剤は、アルケニルアルコールの1.0倍モル以上、好ましくは1.01〜10倍モル、さらに1.1〜3倍モルを使用することが好ましい。
【0025】
錯化反応には、反応溶媒として、共重合反応に対して不活性で、かつ共重合時に液状の溶媒を用いるのが望ましく、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が用いられる。
【0026】
錯化反応は、−100〜100℃の温度で0.5〜50時間、好ましくは−90〜50℃で1〜30時間、さらに好ましくは−80〜30℃で1〜15時間行うことができる。
【0027】
以上、アルケニルアルコールを錯化させる方法を説明したが、かかる錯化を行うか否かは任意である。
【0028】
(II)α−オレフィン
α−オレフィンは、炭素数2〜20のα−オレフィンであり、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4、4−ジメチル−1ペンテン、1−へプテン、4−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、4−エチル−1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられ、これらは単独で用いても、あるいは2種以上を任意の割合で用いてもよい。
好ましいのは、炭素数2〜8のα−オレフィン、特にエチレン又はプロピレンである。
【0029】
(III)重合触媒
本発明で用いられる均一系金属錯体触媒とは、有機金属化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒であるか、酸素、窒素等のヘテロ原子を含む有機化合物と遷移金属からなる金属錯体などであり、前記の理由によりメタロセン系触媒は除かれる。
【0030】
具体的には、
▲1▼バナジウム錯体と有機アルミニウム化合物からなる触媒、
▲2▼Ti、Zr、Hfのアルコキシ錯体及び/又はTi、Zr、Hfのアルキルアミノ錯体とアルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒、
▲3▼チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる群から選ばれる金属のシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体を1つとアルコキシ基あるいはアルキルアミノ基の少なくとも1つを有する化合物と、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒、
▲4▼ニッケル、パラジウム等のジイミン錯体と、アルミノキサン類からなる触媒、
▲5▼チタン、ジルコニウム、ハフニウム等のフェノキシイミン錯体と、アルミノキサン類からなる触媒、
▲6▼チタン等のピロールイミン錯体と、アルミノキサン類からなる触媒が挙げられる。
【0031】
上記▲1▼のバナジウム錯体と有機アルミニウム化合物からなる触媒において、バナジウム錯体としては、例えば、Makromol.Chem.180、57−64(1979)に記載されている触媒が挙げられる。
【0032】
具体的には、VOCl、VCl、V(アセチルアセトナート)、V(2−メチル−1,3−ブタンジオナト)、V(1,3−ブタンジオナト)、VO(アセチルアセトナート)、VOCl(アセチルアセトナート)、VOCl(アセチルアセトナート)、VO(OR)、V(ベンゾイルアセトナト)、V(ベンゾイルトリフルオロアセトナト)、V(ジベンゾイルメタナト)、V(フロイルアセトナト)、V(トリフルオロアセチルアセトナト)、V(3−フェニルアセチルアセトナト)、V(2,4−ヘキサンジナオト)、V(トリフルオロジメチル−2,4−ヘキサンジオナト)等が挙げられる。その他、アルキルイミド、或いはアリールイミドなどの配位子を有する一般式(2)及び(3)のようなバナジウム化合物も挙げられる。
【0033】
有機アルミニウム化合物としては、例えば、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムハライド類;メチルアルミノキサン等のアルミノキサン類が挙げられる。
【0034】
一般式(2)
【化1】
Figure 2004115697
【0035】
一般式(3)
【化2】
Figure 2004115697
【0036】
一般式(2)中、XはF、Cl、Br、I、炭素数1〜10の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基;R〜Rは、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、一般式(3)中、XはF、Cl、Br、I、炭素数1〜10の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基;Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。
【0037】
上記成分の使用量は、α−オレフィン及びアルケニルアルコールモノマーの合計使用量(以下、単にモノマー使用量という)1モル当り、バナジウム錯体が1×10−5〜0.1モル、好ましくは1×10−4〜5×10−2モルであり、有機アルミニウム化合物が1×10−4〜0.1モル、好ましくは5×10−3〜0.05モルである。
【0038】
反応溶媒としては、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に液状な溶媒を用いるのが望ましく、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
【0039】
また、▲1▼の触媒には、必要に応じて電子供与体を添加することもでき、電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸、マロン酸、有機酸もしくは無機酸のエステル類、モノエーテル、ジエーテルもしくはポリエーテル等の含酸素電子供与体や、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電子供与体を挙げることができる。電子供与体の使用量は、バナジウム錯体1モルに対して0.01〜20モルである。
【0040】
共重合反応は、−100〜100℃の温度で0.5〜50時間、好ましくは−90〜50℃で1〜30時間、さらに好ましくは−80〜30℃で1〜15時間行われる。得られるポリオレフィン共重合体の分子量、分子量分布及び収量は、反応温度及び反応時間をコントロールすることにより調節できる。
【0041】
前記▲2▼の触媒において、Ti、Zr、Hfのアルコキシ錯体及び/又はTi、Zr、Hfのアルキルアミノ錯体とアルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物からなる触媒としては、例えばM(OR)4−a、M(NR4−a、M(acac)が挙げられる(MはTi、Zr、Hf、aは2〜4の整数、Xは、F、Cl、Br、I、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、acacはアセチルアセトン配位子、メチルブタンジオン配位子、ブタンジオン配位子、ベンゾイルアセトン配位子、ベンゾイルトリフルオロアセトン配位子、ジベンゾイルメタン配位子、フロイルアセトン配位子、トリフルオロアセチルアセトン配位子、3−フェニルアセチルアセトン配位子、2,4−ヘキサンジオン配位子、トリフルオロジメチル−2,4−ヘキサンジオン配位子等を表わす。)。
【0042】
具体的な化合物としては、Ti(OC、Ti(O−n−C、Ti(O−i−C、Ti(O−n−C、Ti(O−i−C、Ti(O−s−C、Ti(O−t−C、Ti(O−cycloC、Ti(OC11、Ti(OC、Ti(O−cycloC11、Ti(OC13、Ti(OCCl、Ti(O−i−CCl、Ti(O−n−CBr、Ti(O−n−CCl、Ti(O−i−CBr、Ti(O−s−C、Ti(OC11Cl、Ti(O−cycloC11、Ti[N(C)]、Ti[N(n−C)]、Ti[N(i−C)]、Ti[N(n−C)]、Ti[N(i−C)]、Ti[N(s−C)]、Ti[N(t−C)]、Ti[N(cycloC)]、Ti[N(C11)]、Ti[N(C)]、Ti[N(cycloC11)]、Ti[N(C13)]、Ti[N(CCl、Ti[N(n−CCl、Ti[N(i−CBr、Ti[N(s−CCl、Ti[N(n−CBr、Ti[N(t−C、Ti[N(C11、Ti[N(C11Cl、Ti(アセチルアセトナト)Cl、Ti(メチルブタンジオナト)Cl、Ti(ブタンジオナト)Cl、Ti(ベンゾイルアセトナト)Br、Ti(ベンゾイルトリフルオロアセトナト)、Ti(ジベンゾイルメタナト)、Ti(フロイルアセトナト)Br、Ti(トリフルオロアセチルアセトナト)Br、Ti(2,4−ヘキサンジオナト)Cl、Zr(OC、Zr(O−n−C、Zr(O−i−C、Zr(O−n−C、Zr(O−i−C、Zr(O−s−C、Zr(O−t−C、Zr(O−cycloC、Zr(OC11、Zr(OC、Zr(O−cycloC11、Zr(OC13、Zr(OCCl、Zr(O−i−CCl、Zr(O−n−CBr、Zr(O−n−CCl、Zr(O−i−CBr、Zr(O−s−C、Zr(OC11Cl、Zr(O−cycloC11、Zr[N(C)]、Zr[N(n−C)]、Zr[N(i−C)]、Zr[N(n−C)]、Zr[N(i−C)]、Zr[N(s−C)]、Zr[N(t−C)]、Zr[N(cycloC)]、Zr[N(C11)]、Zr[N(C)]、Zr[N(cycloC11)]、Zr[N(C13)]、Zr[N(CCl、Zr[N(n−CCl、Zr[N(i−CBr、Zr[N(s−CCl、Zr[N(n−CBr、Zr[N(t−C、Zr[N(C11、Zr[N(C11Cl、Zr(アセチルアセトナト)Cl、Zr(メチルブタンジオナト)Cl、Zr(ブタンジオナト)Cl、Zr(ベンゾイルアセトナト)Br、Zr(ベンゾイルトリフルオロアセトナト)、Zr(ジベンゾイルメタナト)、Zr(フロイルアセトナト)Br、Zr(トリフルオロアセチルアセトナト)Br、Zr(2,4−ヘキサンジオナト)Cl、Hf(OC、Hf(O−n−C、Hf(O−i−C、Hf(O−n−C、Hf(O−i−C、Hf(O−s−C、Hf(O−t−C、Hf(O−cycloC、Hf(OC11、Hf(OC、Hf(O−cycloC11、Hf(OC13、Hf(OCCl、Hf(O−i−CCl、Hf(O−n−CBr、Hf(O−n−CCl、Hf(O−i−CBr、Hf(O−s−C、Hf(OC11Cl、Hf(O−cycloC11、Hf[N(C)]、Hf[N(n−C)]、Hf[N(i−C)]、Hf[N(n−C)]、Hf[N(i−C)]、Hf[N(s−C)]、Hf[N(t−C)]、Hf[N(cycloC)]、Hf[N(C11)]、Hf[N(C)]、Hf[N(cycloC11)]、Hf[N(C13)]、Hf[N(CCl、Hf[N(n−CCl、Hf[N(i−CBr、Hf[N(s−CCl、Hf[N(n−CBr、Hf[N(t−C、Hf[N(C11、Hf[N(C11Cl、Hf(アセチルアセトナト)Cl、Hf(メチルブタンジオナト)Cl、Hf(ブタンジオナト)Cl、Hf(ベンゾイルアセトナト)Br、Hf(ベンゾイルトリフルオロアセトナト)、Hf(ジベンゾイルメタナト)、Hf(フロイルアセトナト)Br、Hf(トリフルオロアセチルアセトナト)Br、Hf(2,4−ヘキサンジオナト)Cl、等が挙げられる。
【0043】
アルミノキサン類としては、例えば、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、及びこれらアルミノキサン中の未反応アルミニウム化合物を除去・精製した乾燥アルミノキサン等が挙げられる。なお、アルミノキサン類の代りにトリフェニルボラン、トリスペンタフルオロフェニルボラン、トリフェニルメチルトリスペンタフルオロボレート等のホウ素化合物を単独で、あるいはトリアルキルアルミニウムやアルキルアルミニウムハライドのような有機アルミニウム化合物を組み合わせて用いることができる。さらに、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジオクチルアルミニウムクロリド等の有機アルミニウム化合物を用いることもできる。
【0044】
上記成分の使用量は、モノマー使用量1モル当り、金属錯体が1×10−5〜0.5モル、好ましくは1×10−4〜0.1モルであり、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物が1×10−6〜0.5モル、好ましくは1×10−5〜0.1モルである。
【0045】
反応溶媒としては、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に液状な溶媒を用いるのが望ましく、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
共重合反応は、−100〜100℃の温度で0.5〜50時間、好ましくは−80〜80℃で1〜30時間行われる。
【0046】
前記▲3▼の触媒において、チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる群から選ばれる金属のシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体を1つとアルコキシ基あるいはアルキルアミノ基の少なくとも1つ有する化合物としては、一般式(4)〜(6)に示すような化合物が挙げられる。
【0047】
例えば、一般式(4)で表される化合物としては、CpTi(OMe)、CpTi(OEt)、CpTi(O・iPr)、CpTi(O・tBu)、CpTi(OC、CpTi(2−Me−OC、CpTi(2−Et−OC、CpTi(2−Pr−OC、CpTi(2−tBu−OC、CpTi(2,6−Me−OC、CpTi(2,6−Et−OC、CpTi(2,6−iPr−OC、CpTi(2,6−tBu−OC、CpTi(2−Me−6−tBu−OC、CpTi(3−Me−6−tBu−OC、CpTi(OMe)Cl、CpTi(OMe)Cl、CpTi(OC)Cl、CpTi(OCCl、CpTi(OMe)(OC)Cl、等が挙げられ、一般式(5)で表される化合物としては、(MeC)Cp(C)OTiCl、((CC)Cp(C)OTiCl、(MeC)Cp(3−Me−C)OTiCl、(MeC)Cp(5−Me−C)OTiCl、(MeC)Cp(3−tBu−C)OTiCl、(MeC)Cp(3,5−Me−C)OTiCl、(MeC)Cp(3,5−tBu−C)OTiCl、(MeC)Cp(3−Me−5−tBu−C)OTiCl、(MeC)Cp(3−tBu−5−Me−C)OTiCl、等が挙げられる。
【0048】
また、一般式(6)で表される化合物としては、MeNSiMe(Flu)TiCl、tBuNSiMe(Flu)TiCl、CNSiMe(Flu)TiCl、tBuNSi(C(Flu)TiCl、tBuNSiMe(Flu)TiMe、等が挙げられる。
上記の一般式(4)〜(6)の具体例において、TiをZr、Hfに代えた化合物を具体例として挙げることができる。
【0049】
一般式(4)〜(6)
【化3】
Figure 2004115697
【0050】
一般式(4)〜(6)中、Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウムのいずれかを、X、Y、Zは、F、Cl、Br、若しくはIから選択されるハロゲン、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、そのアルコキシ基、置換基を有しても良い炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、そのアルコキシ基;R〜Rは、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、置換基を有しても良い炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を示す。R〜R及びX、Y、Zは、それぞれ同時に同じであっても、異なっていても良い。
【0051】
また、アルミノキサン類、並びにホウ素化合物単独あるいは有機アルミニウム化合物と組み合わせたものが使用できるが、これらは、▲2▼で記載したものを用いることができる。
【0052】
チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる群から選ばれる金属のシクロアルカジエニル基あるいはその誘導体を1つとアルコキシ基あるいはアルキルアミノ基を少なくとも1つ有する化合物の使用量は、モノマー使用量1モル当り、1×10−8〜0.1モル、好ましくは1×10−7〜5×10−2モルであり、アルミノキサン類、ホウ素化合物又は有機アルミニウム化合物が1×10−8〜0.1モル、好ましくは1×10−7〜0.05モルである。
【0053】
反応溶媒としては、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に液状な溶媒を用いるのが望ましく、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
共重合反応は、−100〜90℃の温度で0.5〜100時間、好ましくは−50〜50℃で1〜50時間行われる。
【0054】
前記▲4▼のニッケル、パラジウム等のジイミン錯体と、アルミノキサン類からなる触媒において、ニッケル、パラジウム等のジイミン錯体としては、例えば、一般式(7)〜(10)で表される化合物などが挙げられる。
アルミノキサン類としては、例えば、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン等が挙げられる。
【0055】
一般式(7)〜(10)
【化4】
Figure 2004115697
【0056】
一般式(7)〜(10)中、XはClまたはメチル(Me)基;Rは、メチル(Me)基またはイソプロピル(iPr)基を示し、同時に同じであっても異なっていても良い。
【0057】
ニッケル、パラジウム等のジイミン錯体の使用量は、モノマー使用量1モル当り、1×10−6〜0.1モル、好ましくは5×10−6〜5×10−2モルであり、アルミノキサン類が1×10−6〜0.1モル、好ましくは5×10−4〜0.05モルである。
【0058】
反応溶媒としては、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に液状の溶媒を用いるのが望ましく、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
共重合反応は、−100〜90℃の温度で0.5〜100時間、好ましくは−50〜50℃で1〜50時間行われる。
【0059】
前記▲5▼のチタン、ジルコニウム、ハフニウム等のフェノキシイミン錯体と、アルミノキサン類からなる触媒において、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等のフェノキシイミン錯体としては、例えば、一般式(11)に示すような化合物などが挙げられる。
アルミノキサン類としては、例えば、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン等が挙げられる。
【0060】
一般式(11)
【化5】
Figure 2004115697
【0061】
一般式(11)中、Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウムのいずれかを、R、R’はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基で、XはF、Cl、Br、I又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。
【0062】
チタン、ジルコニウム、ハフニウム等のフェノキシイミン錯体の使用量は、モノマー使用量1モル当り、1×10−6〜0.1モル、好ましくは5×10−6〜5×10−2モルであり、アルミノキサン類が1×10−6〜0.1モル、好ましくは5×10−4〜0.05モルである。
【0063】
反応溶媒としては、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に液状な溶媒を用いるのが望ましく、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
共重合反応は、0〜200℃の温度で0.5〜100時間、好ましくは50〜150℃で1〜50時間行われる。
【0064】
前記▲6▼のチタン等のピロールイミン錯体と、アルミノキサン類からなる触媒において、チタン等のピロールイミン錯体としては、例えば、一般式(12)に示すような化合物などが挙げられる。
アルミノキサン類としては、例えば、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン等が挙げられる。
【0065】
一般式(12)
【化6】
Figure 2004115697
【0066】
一般式(12)中、XはF、Cl、Br、I又は炭素数1〜8のアルコキシ基;Rはフェニル基又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。
【0067】
チタン等のピロールイミン錯体の使用量は、モノマー使用量1モル当り、1×10−6〜0.1モル、好ましくは5×10−6〜5×10−2モルであり、アルミノキサン類が1×10−6〜0.1モル、好ましくは5×10−4〜0.05モルである。
【0068】
反応溶媒としては、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に液状な溶媒を用いるのが望ましく、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロプロパン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
共重合反応は、0〜200℃で0.5〜100時間、好ましくは50〜150℃で1〜50時間行われる。
【0069】
本発明は、上記の触媒を用いて製造する方法であるが、好ましくは▲1▼〜▲3▼、特に好ましくは▲1▼の触媒を用いて製造することができる。▲1▼〜▲6▼の触媒を用いる場合、分子量調節剤として、水素、ジエチル亜鉛、Si−H結合含有化合物を添加することができる。また、▲1▼〜▲6▼の触媒は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の担体に担持して用いることができる。
【0070】
アルケニルアルコール、α−オレフィン及び重合触媒の接触方法は、添加の順序などを任意に選択でき、例えば、アルケニルアルコール、α−オレフィンの溶液に、触媒を順次加えて接触させる方法、或いは触媒溶液にアルケニルアルコール、α−オレフィンを加えて接触させる方法等が挙げられる。重合触媒の溶液とその助触媒の溶液を別々に添加してもよい。
【0071】
(IV)α−オレフィン共重合体
本発明の製造方法で得られるα−オレフィン共重合体は、数平均分子量(Mn)が500〜500,000、好ましくは1,000〜250,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.01〜3.00、好ましくは1.01〜2.50である。
【0072】
このα−オレフィン共重合体は、ポリマー一分子鎖中に一般式(13)で表されるアルケニルアルコールに由来するユニットが0.5個〜200個、好ましくは1個〜100個存在するものである。
【0073】
【化7】
Figure 2004115697
【0074】
なお、本発明では、ポリマー一分子鎖中に存在するアルケニルアルコールに由来するユニットの数を導入量という。
例えば、ポリマー中にアルケニルアルコールに由来する前記ユニットが1つ結合した場合は、アルケニルアルコールによる導入量が1のポリマーとなり、また、ポリマー中にアルケニルアルコールに由来するユニットが10結合した場合は、導入量が10のポリマーとなる。
【0075】
本発明の製造方法で得られる共重合体においては、アルケニルアルコールに由来する水酸基は、側鎖の一部として存在している。生成した共重合体1分子中にアルケニルアルコールに由来するユニットが2ヶ所以上に存在する場合は、それらは通常、交互的あるいはブロック的ではなく、ランダムに存在している。
【0076】
このα−オレフィン共重合体は、α−オレフィンが特定のアルケニルアルコールと共重合しているので、ポリオレフィンと良好な親和性があるだけでなく、極性を有する樹脂に対しても親和性を有している。
【0077】
したがって、本発明の製造方法で得られるα−オレフィン共重合体は、ポリオレフィン樹脂と極性をもつポリマーとの相溶化剤、塗料、表面改質剤、プライマー、インキ、接着剤、粘着剤、反応性ポリマー或いはコーティング剤などとして使用することができる。特に好ましい用途は、塗料、表面改質剤、プライマー、或いはコーティング剤である。
【0078】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0079】
なお、本実施例中のポリマーの分析は、次に示す評価方法に基づいて行った。(1)分子量の測定
分子量の測定は、Waters社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)モデル150を用いた。その測定条件は、溶媒がo−ジクロルベンゼン、測定温度が135℃、溶媒流速が1.0ml/分である。カラムは、東ソー社製の単分散ポリスチレン標準試料を用い、ポリスチレンの検量線を求め、これによりユニバーサル法で検量線を作成し、α−オレフィン共重合体の分子量を測定した。
【0080】
(2)重合体の構造決定
H−NMRスペクトル):日本電子社製GSX−400(商品名)、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、400MHz、30℃、パルス間隔15秒の条件で測定した。試料は、重クロロホルムに溶解して調製した。
(赤外吸収スペクトル):重合体をKBr板上にキャストし、日本分光工業社製モデルIR−810(商品名)赤外分光光度計を用いて測定した。
【0081】
(3)ポリオレフィンへのアルケニルアルコール導入量の測定
アルケニルアルコールの導入量は、水酸基価及び分子量から決定した。水酸基価は、下記の方法に従って求めた。
予め想定した水酸基量の3〜5倍の無水酢酸と少量のピリジンを、ポリマーの3〜5%トルエン溶液に加えてアセチル化を行った。この溶液を水酸化カリウムのトルエン/エタノール(8/2)溶液で滴定して、過剰の無水酢酸量を算出し、仕込み量から差し引いて水酸基価を求めた。
【0082】
(実施例1)
オレフィンとアルケニルアルコールの共重合
窒素ガスで十分に置換した2Lの撹拌機付きフラスコにトルエンを入れ、−78℃に冷却した。同温度で2mmolの三塩化バナジルのトルエン溶液を添加した。続いて、10mmolのフタル酸ジメチルを加え7−オクテン−1−オール50mmol、プロピレン2.1molを加えた。最後にAl(CClを210mmol添加して重合を開始した。この時の系内の液量は1Lであった。−78℃で2時間重合を行った。
【0083】
【表1】
Figure 2004115697
その後、−60℃に冷却した2Lのメタノール中に反応溶液を入れ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをメタノールで5回洗浄し、室温で乾燥した。
得られたポリマーの収量は59gであった。得られたポリマーのGPC曲線は単峰性であり、数平均分子量Mnは9000、Mw/Mnの値は2.1であった。
IRにより生成したポリマーを分析したところ、3200〜3500cm−1付近にOHの伸縮振動に基づくブロードな吸収が観測された。また、H−NMRを測定したところ、プロピレンの連鎖に起因するピーク(δ=0.7〜1.7ppm)以外に下記の化学シフト値のピークが観測された。
【0084】
【化8】
Figure 2004115697
【0085】
得られたポリマーの水酸基価、ならびに数平均分子量を用いて計算した結果、ポリマー一分子中に3.7個の上記ユニットが結合している共重合体であることが確認できた。
【0086】
【表2】
Figure 2004115697
【0087】
(実施例2)
オレフィンとアルケニルアルコールの共重合
窒素ガスで十分に置換した2Lの撹拌機付きフラスコにトルエンを入れ、25℃に保持した。同温度で5.0mmolのテトラブトキシチタンのトルエン溶液を加え、11−ドデセン−1−オール 100mmol、MAO 150mmolを添加した。次に、25℃で撹拌しながら、系内を減圧脱気した後、プロピレンとアルゴンの分圧が、0.4atmと0.6atmとなるように溶液を飽和させて、重合を開始した。このときの系内の液量は1Lであった。重合は25℃で2時間行った。
その後、−60℃に冷却した2Lのメタノール中に反応溶液を入れ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをメタノールで5回洗浄し、室温で乾燥した。
得られたポリマーの収量は21gであった。得られたポリマーのGPC曲線は単峰性であり、数平均分子量Mnは56000、Mw/Mnの値は2.4であった。また、ポリマー一分子中に56個の11−ドデセン−1−オールに由来するユニットが結合している共重合体であることが確認できた。
【0088】
(実施例3)
共重合時の添加順序を、7−オクテン−1−オール200mmol、Al(i−CClを300mmol、プロピレン8.3mol、V(acac)を5.0mmolとした以外は、上記の実施例1と同様にして、−60℃で15時間共重合を行った。
その後、−60℃に冷却した2Lのメタノール中に反応溶液を入れ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをメタノールで5回洗浄し、室温で乾燥した。
得られたポリマーの収量は46gであった。得られたポリマーのGPC曲線は単峰性であり、数平均分子量Mnは110,000、Mw/Mnの値は1.1であった。
ポリマー一分子中に4.7個の7−オクテン−1−オールに由来するユニットが結合している共重合体であることが確認できた。
【0089】
(実施例4)
共重合時の添加順序を、プロピレン2.1mol、Al(C1.5Cl1.5を250mmol、アニソール5mmol、7−オクテン−1−オール100mmol、V(acac)を1.0mmolとした以外は、上記の実施例1と同様にして、−50℃で3.0時間の共重合を行った。。
その後、−60℃に冷却した2Lのメタノール中に反応溶液を入れ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをメタノールで5回洗浄し、室温で乾燥した。
得られたポリマーの収量は17gであった。得られたポリマーのGPC曲線は単峰性であり、数平均分子量Mnは27,000、Mw/Mnの値は1.9であった。
ポリマー一分子中に3.2個の7−オクテン−1−オールに由来するユニットが結合している共重合体であることが確認できた。
【0090】
(実施例5)
共重合時の添加順序を、Al(CClを150mmol、V(mbd)を2.0mmol、11−ドデセン−1−オール100mmol、プロピレン4.2molとした以外は、上記の実施例1と同様にして、−60℃で15時間共重合を行った。
その後、−60℃に冷却した2Lのメタノール中に反応溶液を入れ、ポリマーを析出させた。得られたポリマーをメタノールで5回洗浄し、室温で乾燥した。
得られたポリマーの収量は19gであった。得られたポリマーのGPC曲線は単峰性であり、数平均分子量Mnは84,000、Mw/Mnの値は1.2であった。
ポリマー一分子中に1.0個の11−ドデセン−1−オールに由来するユニットが結合している共重合体であることが確認できた。
【0091】
上記の実施例1〜5から、本発明の方法によって、ポリマー一分子中にアルケニルアルコールに由来するユニットが0.5個以上導入されたα−オレフィン共重合体を製造できることが理解される。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、水酸基を含有するα−オレフィン共重合体を容易、かつ経済的に製造できる。このポリマーは、塗料、表面改質剤、プライマー、接着剤、粘着剤、相溶化剤、反応性ポリマー、インキ或いはコーティング剤などとして好適である。

Claims (1)

  1. 下記の一般式(1)で表されるアルケニルアルコールとα−オレフィンとを、均一系金属錯体触媒(メタロセン触媒を除く)の存在下で重合させることにより、アルケニルアルコールに由来するユニットが、ポリマー一分子鎖当り平均0.5〜200個結合し、かつ数平均分子量(Mn)が500〜500,000であるα−オレフィン共重合体を製造することを特徴とするα−オレフィン共重合体の製造方法。
    C=CH−R−OH …(1)
    (式中、RはC2nで示される炭化水素基であり、nは2〜12の整数である。)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007254575A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Japan Polypropylene Corp 水酸基含有プロピレン共重合体及びその製造方法
JP2013166875A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Mitsui Chemicals Inc オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法
CN104341544A (zh) * 2013-08-09 2015-02-11 切弗朗菲利浦化学公司 用于控制与醇化合物的双功能催化剂烯烃聚合反应的方法
KR101823712B1 (ko) 2010-05-28 2018-01-30 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 열탈리성기 함유 화합물을 함유하는 액정 배향제 및 액정 배향막

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