JP2004306012A - 重金属を含む土壌の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】重金属で汚染された土壌から高い除去率で重金属を除去することができるとともに、処理後に得られる固体分をセメント原料等として用い得るような重金属を含む土壌の処理方法を提供する。
【解決手段】鉛等の重金属を含む土壌に対して、該土壌中のCa/Siのモル比が0.1以上となる量のCa源(例えば、消石灰)、および塩素源(例えば、塩化カルシウム)を添加して、成分調整された土壌を得る工程と、成分調整された土壌を800〜1,400℃の温度および2〜10%の水分含有率の条件下で加熱して、重金属を塩化揮発させるとともに、重金属が除去されかつ塩素の含有率が小さい焼成物を得る工程とからなる。焼成物は、セメント原料等として用いることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、有害な重金属で汚染された土壌から、高い除去率で重金属を除去するための処理方法に関する。
従来より、有害な重金属で汚染された土壌から、重金属を分離するための種々の方法が知られている。例えば、物理的な分離方法として、(a)洗浄分級法、(b)磁力による選別方法、(c)比重による選別方法、(d)浮遊選鉱等が知られている。
これらの物理的な方法は、処理対象となる土壌の種類に制限があり、例えば、シルト質や粘土分等の微細粒子を多く含むものに対して、重金属の十分な分離を行なうことができないという問題がある。
一方、有害な重金属で汚染された土壌に対して、加熱処理を施し、重金属を水に溶けにくい酸化物の形態に変化させて、重金属の溶出および拡散を抑制する方法が提案されている(非特許文献1)。
また、有害な重金属を除去するための化学的な方法として、塩化揮発法が知られている。この塩化揮発法を利用した技術として、例えば、製鉄工場で発生する鉛等の塩化性非鉄金属を含む粉状鉄源(例えば、高炉ダスト等)に対して、後に添加するCaClからのCa量を予定して、CaO/SiOのモル比が1.2以下(好ましくは1.0以下)となるようにCaO或いはSiO量を調整する第一工程と、得られた調整原料を酸化焙焼処理する第二工程と、得られた酸化焙焼処理物に塩化カルシウムを添加してペレット化する第三工程と、得られたペレットを加熱焼成して、鉛等の塩化性非鉄金属を塩化揮発させる第四工程とからなる非鉄金属を含む粉状鉄源の精製方法が、提案されている(特許文献1)。
環境省環境管理局水環境部土壌環境課、"重金属汚染土壌の加熱処理技術"、[online]、2002年7月、[平成14年10月28日検索]、インターネット<URL : http://nett21.unep.or.jp/SGC_DATA/JP/html/sgcj-052.html> 特開昭54−38207号公報
上述の非特許文献1に記載された方法においては、加熱処理後の土壌は、pH7の溶出試験で鉛の土壌環境基準を満たすまでに浄化されているものの、加熱処理によってかなり性質が変わっており、敷き砂等の規定を満たしていないなどの理由から、再利用先が見出されていない。また、加熱処理後の土壌は、処理後に性状が変化していく可能性があるので、この点においても再利用の途が狭められている。さらに、加熱処理後の土壌は、鉛等の重金属自体が除去されているわけではないので、セメント原料として用いることが困難である。
一方、上述の特許文献1に記載された方法は、鉄を主成分とするダストを処理対象とするものであって、土壌を対象とするものではない。したがって、この方法を土壌に適用した場合に、どのような成分組成および性状を有する焼成物が得られるかは、不明である。
特に、焼成条件を種々変えた場合に、重金属や塩素の残留量の点で、例えばセメント原料として用い得るような土壌の焼成物を得ることができるかについては、予測が困難である。セメント原料として用いるためには、カルシウムとシリカのいずれか一つ以上が相当量で含まれている必要があるが、この点、特許文献1の方法は、鉄を主成分とするものを対象としており、セメント原料の調整方法とは明らかに技術分野を異にしている。
そこで、本発明は、重金属を含む土壌から高い除去率で重金属を除去することができるとともに、処理後に得られる固体分をセメント原料等として用い得るような重金属を含む土壌の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、重金属を含む土壌に対して、該土壌中のCa/Siのモル比が0.1以上となる量のCa源、および、塩素源を添加した後、この土壌を、ロータリーキルンの如き焼成炉内にて、所定の温度で加熱すれば、この土壌に含まれていた重金属が塩化揮発して、重金属および塩素の含有率が小さくセメント原料等として用い得る焼成物が得られること等を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の重金属を含む土壌の処理方法は、(A)鉛の如き重金属を含む土壌に対して、該土壌中のCa/Siのモル比が0.1以上となる量のCa源(カルシウムを含有する物質)、および塩素源(塩素を含有する物質)を添加して、成分調整された土壌を得る工程と、(B)該成分調整された土壌を焼成炉内で加熱して、前記重金属を塩化揮発させるとともに、焼成物を得る工程とを含むことを特徴とする。
本発明の方法の工程(B)において、焼成炉内のガスの水分含有率は、10%以下に調整することが好ましい。また、該水分含有率は、1%以上に調整することが好ましい。
工程(A)で用いられるCa源の好ましい具体例として、例えば、消石灰、炭酸カルシウム、生石灰および塩化カルシウムからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
工程(A)で用いられる塩素源の好ましい具体例として、例えば、塩化カルシウムが挙げられる。
本発明の方法は、工程(A)の前工程として、前記重金属を含む土壌に対して、75μm以下の粒度を有する粒子の含有率が30質量%以上となるように所定の処理を行なう粒度調整工程を含むことができる。
この場合、工程(A)で得られる成分調整された土壌中の75μm以下の粒度を有する粒子におけるCa/Siのモル比が0.2〜0.6となるように、重金属を含む土壌に添加される各材料(具体的には、工程(A)で添加されるCa源、および粒度調整工程で添加されるSi源)の添加量を定めることが好ましい。
前記粒度調整工程における処理の具体例として、(a)重金属を含む土壌を粉砕すること、(b)重金属を含む土壌に水を添加して、該土壌の凝集を解離すること、(c)Si源の粉末を添加すること、等が挙げられる。ここで、Si源の粉末の好ましい具体例として、例えば、珪石、粘土およびガラスからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明の重金属を含む土壌の処理方法によれば、重金属を含む土壌から高い除去率で重金属を除去することができる。
また、処理後に得られる焼成物は、重金属および塩素の含有率が小さいため、セメント原料等として好適に用いることができる。
特に、工程(B)において焼成炉内のガスの水分含有率を10%以下に調整すれば、重金属の塩化揮発を促進することができ、焼成物中の重金属の含有率をより一層小さくすることができる。また、該水分含有率を1%以上に調整すれば、焼成物中の塩素の含有率をより一層小さくすることができる。
また、本発明の処理方法において、工程(A)の前工程として、重金属を含む土壌に対して、75μm以下の粒度を有する粒子の含有率が30質量%以上となるように所定の処理を行なう粒度調整工程を設けると、工程(B)で得られる焼成物中の重金属および塩素の含有率をより一層小さくすることができる。
本発明の重金属を含む土壌の処理方法は、(A)重金属を含む土壌に対して、該土壌中のCa/Siのモル比が0.1以上となる量のCa源、および塩素源を添加して、成分調整された土壌を得る工程と、(B)該成分調整された土壌を焼成炉内で加熱して、前記重金属を塩化揮発させるとともに、焼成物を得る工程とを含むものである。
また、本発明の方法は、工程(A)の前工程として、重金属を含む土壌に対して、75μm以下の粒度を有する粒子の含有率が30質量%以上となるように所定の処理を行なう粒度調整工程を含むことができる。
本発明で処理対象となる土壌としては、有害な重金属を含むものであればよく、具体的には、工場の跡地の土壌や、廃棄物焼却場の周辺の土壌等が挙げられる。
ここで、有害な重金属としては、例えば、鉛、亜鉛、カドミウム、水銀等が挙げられる。
以下、各工程を詳しく説明する。
[粒度調整工程]
本工程は、工程(A)の前工程として、重金属を含む土壌に対して、75μm以下の粒度を有する粒子の含有率が30質量%以上、好ましくは35質量%以上となるように所定の処理を行なう工程である。
75μm以下の粒度を有する粒子の含有率を上記数値範囲内に調整することによって、焼成物中の重金属および塩素の含有率を効果的に減少させることができる。
なお、「75μm以下の粒度を有する粒子」とは、目開き寸法が75μmである篩を通過することのできる粒子をいう。
重金属を含む土壌の粒度の調整方法としては、例えば、(a)重金属を含む土壌をボールミル等の粉砕手段を用いて粉砕して、75μm以下の粒度を有する粒子の割合を増大させる方法、(b)重金属を含む土壌に水を添加して、スラリー化し、土壌の微粒の凝集体を解離することによって、75μm以下の粒度を有する粒子の割合を増大させる方法、(c)75μm以下の粒度を有するSi源の粉末(例えば、珪石、粘土、ガラス等の粉末)を添加して、75μm以下の粒度を有する粒子の割合を増大させる方法等が挙げられる。
[工程(A)]
本工程は、重金属を含む土壌に対して、該土壌中のCa/Siのモル比が0.1以上となる量のCa源、および塩素源を添加して、成分調整された土壌を得る工程である。
Ca源としては、例えば、消石灰、炭酸カルシウム、生石灰、塩化カルシウム等が挙げられる。
Ca源の添加量は、重金属を含む土壌中のCa/Siのモル比が、0.1以上、好ましくは0.2以上、特に好ましくは0.3以上となる量に定められる。該モル比が0.1未満では、土壌から重金属を十分に除去することができなくなる。
また、Ca源の添加量は、重金属を含む土壌中のCa/Siのモル比が、好ましくは1.2以下、より好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.6以下となる量に定められる。
該モル比が1.2を超えると、焼成物中の塩素の含有率が大きくなるので、好ましくない。
添加するCa源の量が比較的多い場合には、Ca源として塩化カルシウムを単独で用いると、土壌中の塩素の量が過大になって、焼成物中の塩素の含有率が大きくなることがあるので、塩化カルシウムと、塩素を含まないCa源(具体的には、消石灰、炭酸カルシウム、生石灰等)を併用するか、あるいは、塩素を含まないCa源のみを用いることが望ましい。
添加するCa源の量が比較的少ない場合には、Ca源として塩化カルシウムを単独で用いることができる。
本発明においては、重金属を含む土壌に対して、塩素源が添加される。
塩素源としては、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩素を含むプラスチック、塩酸等が挙げられる。また、ごみ焼却施設等で塩化水素の中和剤として使用されるCaO源(具体的には、消石灰、炭酸カルシウム、生石灰等)の使用後の廃棄物も、塩素源およびカルシウム源として使用することができる。
中でも、塩化カルシウムは、本発明におけるCa源にもなるので、本発明において好ましく用いられる。
塩素源の添加量は、土壌中の塩化揮発の対象となる元素(例えば、PbO、NaO、KO、CaO、MgO等)の合計量に応じて、適宜定めればよい。
重金属を含む土壌にCa源および塩素源を添加して、成分調整された土壌を得るには、(a)重金属を含む土壌とCa源と塩素源とを、混合機等の混合手段を用いて混合する方法や、(b)ロータリーキルンの如き可動式焼成炉内に、重金属を含む土壌とCa源と塩素源とを別々に投入し、可動式焼成炉の回転等によって、これらの材料の混合を行なうとともに、得られた混合物の焼成をこの炉内で行なう方法、等が挙げられる。
このうち、(a)の方法は、材料を均一に混合させることができるので、好ましく用いられる。
なお、(b)の方法を用いた場合には、各材料が混合されて土壌の成分が調整される工程と、成分調整された土壌が焼成される工程とが、同一の手段(焼成炉)によって連続的に行なわれることになる。
[工程(B)]
本工程は、工程(A)で成分調整された土壌を焼成炉内で加熱して、重金属を塩化揮発させるとともに、焼成物を得る工程である。
重金属を含む土壌とCa源と塩素源との混合物が焼成される際、焼成炉内のガスの水分含有率は、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、特に好ましくは3%以上に調整される。
ここで、ガスの水分含有率(%)は、次の式によって定義される。
ガスの水分含有率(%)
=[水蒸気量(mN)/湿り燃焼ガス量(mN)]×100
該水分含有率を上記好ましい数値範囲内に調整することによって、焼成物中の塩素の含有率を低く抑えることができる。
また、焼成炉内のガスの水分含有率は、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、特に好ましくは10%以下に調整される。
該水分含有率が20%を超えると、塩化揮発反応が十分に進まず、重金属の除去率が小さくなる傾向が見られるほか、焼成炉内に供給すべき水の量が大きくなり、コストや装置の負荷が増大するので好ましくない。
焼成炉内のガスの水分含有率を調整する方法としては、例えば、外熱式ロータリーキルンの如き外熱炉に対して、外部から水蒸気を含む空気を所定の流量で供給する方法等が挙げられる。
なお、内熱式ロータリーキルンの如き炉内で水分が発生する焼成炉においては、炉内に供給される燃料の種類および量を考慮して、炉内のガスの水分含有率を調整する必要がある。例えば、水分の発生源である重油と、水分の発生量の少ない活性炭とを適宜の割合で併用するなどの方法が用いられる。
焼成炉内の温度は、重金属の塩化揮発が生じる温度であればよく、例えば、800〜1,400℃である。
焼成炉としては、例えば、外熱式ロータリーキルン、内熱式ロータリーキルン、電気炉等が挙げられる。
本発明においては、上述のCa/Siのモル比や、焼成炉内の水分含有率を調整することによって、鉛の除去率や塩素の含有率を調整することができる。
例えば、Ca/Siのモル比が0.1〜0.6(好ましくは0.2〜0.6)であり、かつ、焼成炉内のガスの水分含有率が2〜10%(好ましくは3〜10%)であれば、鉛の大半が除去され、かつ塩素の含有率が非常に小さい焼成物を得ることができ、セメント原料として好適に用いることができる。
なお、鉛(Pb)の除去率は、次の式によって定義される。
鉛の除去率(%)
=100−[[焼成残渣中のPbO(%)/焼成残渣中のCaO(%)]
÷[調合原料中のPbO(%)/調合原料中のCaO(%)]×100]
本発明で得られる焼成物は、例えば、セメント原料として好適に用いることができる。
一方、焼成炉内で塩化揮発した重金属等の塩化物は、焼成炉の排ガスと共に、バグフィルタ等の集塵機に導かれ、捕集される。
以下、実験例に基づいて本発明を説明する。
[実施例1]
乾燥処理した関東ローム粘土の粉砕物100質量部に対し、酸化鉛0.3質量部を添加して混合し、試験用土壌とした。この試験用土壌の成分組成および75μm篩通過割合を表1に示す。
Figure 2004306012
得られた試験用土壌100質量部に対し、塩化カルシウム9.0質量部および消石灰微粉末13.8質量部を添加して混合し、焼成用試料とした。焼成用試料のCa/Siのモル比は、0.26であった。また、焼成用試料中の75μm以下の粒度を有する粒子におけるCa/Siのモル比は、0.30であった。
この焼成用試料を、ポリ塩化ビニル製の円環状の成形体(内径:30mm、高さ:5mm)内に充填して、プレス成形(圧力:140MPa)し、焼成用試料からなる塊状物を得た。この塊状物を砕いて、5mm角程度の粒状物にした。
得られた粒状物を、管状の電気炉(内径:30mm、長さ:1,500mm)内の白金製の皿(幅:25mm、長さ:700mm)上に敷き詰めた後、電気炉を閉じて、炉内の温度を800℃に上昇させ、かつ、炉内の雰囲気をガス流量1リットル/分、酸素濃度4%、水分含有率4.9%に調整した。
なお、ガス流量、および炉内の酸素濃度は、酸素濃度が異なる数種の標準ガスボンベ(酸素以外のガスとして窒素を含むもの)、およびフロー型流量計を用いることによって調整した。
一方、水分含有率は、炉内に供給される標準ガスを、マントルヒーターで温度調整されたフラスコ内の水でバブリングさせ、その温度および圧力下の飽和水蒸気ガスを電気炉に供給することによって、調整した。
電気炉内の温度を50分間で800℃から1,100℃まで上昇させた後、1,100℃の温度で10分間保ち、焼成用試料の粒状物を焼成させた。
焼成後、得られた粒状物(焼成物)を化学分析したところ、表2に示すように、PbOの含有率は0.018重量%であり、塩素(Cl)の含有率は0.027重量%であった。これらの分析結果から、焼成物をセメント原料として好適に用い得ることがわかった。
[実施例2〜9、比較例1、2]
塩化カルシウムおよび消石灰微粉末の添加量と、電気炉内の水分含有率を表2に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして実験した。結果を表2に示す。
Figure 2004306012
[実施例10]
乾燥処理した土壌100質量部に対し、酸化鉛0.3質量部を添加して混合した後、ボールミルで粗粉砕し、試験用土壌とした。この試験用土壌の成分組成および75μm篩通過割合を表3に示す。
Figure 2004306012
次いで、この試験用土壌100質量部に対し、石灰石微粉末20.0質量部および塩化カルシウム3.0質量部を添加して混合し、さらに試料の飛散防止のため散水し、焼成用試料とした。
得られた試料を、内熱式ロータリーキルン(内径:270mm、長さ:4,500mm)の窯尻側から供給して焼成した。キルン内の焼成条件は、焼点温度(バーナー付近の試料温度)が1,100℃、窯尻のガス温度が600℃、滞留時間が42分間、窯尻におけるガス速度が1.5〜3.0m/秒、充填率(キルン内の空間の体積に占める原料の体積の割合)が5.4%、酸素濃度が4.0%、水分含有率が7%であった。
得られた焼成物の化学分析の結果を表2に示す。表2から焼成物をセメント原料として好適に用い得ることがわかる。
[実施例11]
乾燥処理した土壌100質量部に対し、酸化鉛0.3質量部および珪石微粉末10.0質量部を添加して混合し、試験用土壌とした。この試験用土壌の成分組成および75μm篩通過割合を表4に示す。
Figure 2004306012
次いで、この試験用土壌100質量部に対し、石灰石微粉末20.0質量部および塩化カルシウム3.0質量部を添加して混合し、さらに試料の飛散防止のため散水し、焼成用試料とした。なお、このときの75μm篩通過割合は36質量%であった。
得られた試料を、実施例10と同様の条件で焼成した。得られた焼成物の化学分析の結果を表2に示す。表2から焼成物をセメント原料として好適に用い得ることがわかる。
[実施例12]
乾燥処理した土壌100質量部に対し、酸化鉛0.3質量部を添加して混合し、そのまま試験用土壌とした。この試験用土壌の成分組成および75μm篩通過割合を表5に示す。
Figure 2004306012
次いで、この試験用土壌100質量部に対し、石灰石微粉末20.0質量部および塩化カルシウム3.0質量部を添加して混合し、さらに試料の飛散防止のため散水し、焼成用試料とした。なお、このときの75μm篩通過割合は21質量%であった。得られた試料を、実施例10と同様の条件で焼成した。
得られた焼成物の化学分析の結果を表2に示す。表2から焼成物をセメント原料として好適に用い得ることがわかる。

Claims (11)

  1. (A)重金属を含む土壌に対して、該土壌中のCa/Siのモル比が0.1以上となる量のCa源、および塩素源を添加して、成分調整された土壌を得る工程と、
    (B)該成分調整された土壌を焼成炉内で加熱して、前記重金属を塩化揮発させるとともに、焼成物を得る工程と、
    を含むことを特徴とする重金属を含む土壌の処理方法。
  2. 前記工程(B)において、前記焼成炉内のガスの水分含有率を10%以下に調整する請求項1に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
  3. 前記工程(B)において、前記焼成炉内のガスの水分含有率を1%以上に調整する請求項2に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
  4. 前記工程(A)で用いられるCa源が、消石灰、炭酸カルシウム、生石灰および塩化カルシウムからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
  5. 前記工程(A)で用いられる塩素源が、塩化カルシウムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
  6. 前記工程(A)の前工程として、前記重金属を含む土壌に対して、75μm以下の粒度を有する粒子の含有率が30質量%以上となるように所定の処理を行なう粒度調整工程を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
  7. 前記工程(A)で得られる成分調整された土壌中の75μm以下の粒度を有する粒子におけるCa/Siのモル比が0.2〜0.6となるように、前記重金属を含む土壌に添加される各材料の添加量を定める請求項6に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
  8. 前記粒度調整工程における処理は、前記重金属を含む土壌を粉砕するものである請求項6又は7に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
  9. 前記粒度調整工程における処理は、前記重金属を含む土壌に水を添加して、該土壌の凝集を解離するものである請求項6又は7に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
  10. 前記粒度調整工程における処理は、Si源の粉末を添加するものである請求項6又は7に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
  11. 前記Si源の粉末が、珪石、粘土およびガラスからなる群より選ばれる1種以上である請求項10に記載の重金属を含む土壌の処理方法。
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