JP2004305846A - トリガー式液体噴出器 - Google Patents

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義則 稲川
Shigeo Iizuka
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Abstract

【課題】噴射ノズルとスピンエレメントの位置ずれに起因した噴出パターンの変動を防止する。
【解決手段】本発明は、操作レバーを複数回にわたって繰り返し牽曳して容器内の液体を吸引、加圧するポンプを備えたボディと、このボディの送給経路内に収納され該送給経路を経て圧送された液体を旋回させるスピンエレメントと、このスピンエレメントに回動不能につながり該スピンエレメントと噴射ノズルの対向部位にて旋回させた液体を外界に向けて噴出する噴射ノズルとを備えたトリガー式液体噴出器において、前記スピンエレメントとこのスピンエレメントを収納する送給経路の相互間に、該スピンエレメントを噴射ノズルとともに回動させて噴射ノズルの噴出開孔と送給経路を連通させる通路を形成する溝部を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリガー式液体噴出器に関するものであり、液体の噴出パターンの安定化を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
黴取り剤や洗剤、整髪剤、芳香剤等を入れた容器に用いられているトリガー式噴出器は、噴射ノズルを装着したボディに液体の吸引、加圧、圧送を司るポンプ機構が組み込まれており、操作レバーの牽曳にてポンプ機構内のピストンを往復動させることによって液体の効率的な排出を可能にしている。
【0003】
噴射ノズルは、ボディの送給経路内に収納されたスピンエレメントの先端部分に嵌入保持されており、ボディの通路を経て圧送された液体はこのスピンエレメントを通過することによって良好な噴射形態(旋回流を形成する)となって噴射ノズルより噴出される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実公昭60−27484号公報
【0005】
ところで、この種の噴出器における噴射ノズルは、該噴射ノズルをスピンエレメントの周りで回動させて、噴射ノズルとスピンエレメントに溝等により形成された送給経路を位置合わせすることによりノズルを開状態とし、その送給経路をずらすことで閉状態に切り換えるのが普通であるところ、この切り換え操作が時として不完全になることがあった。
【0006】
切り換え操作が不完全であると、噴射ノズルとスピンエレメントの相互間に形成される通路がずれて連通することとなり、良好な旋回流が得られないため、結果として所望の噴出パターンを得ることができない不具合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、噴射ノズルの開閉操作に起因した上記のような不具合を解消できる新規なトリガー式液体噴出器を提案するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、操作レバーを複数回にわたって繰り返し牽曳して容器内の液体を吸引、加圧するポンプを備えたボディと、このボディの送給経路内に収納され該送給経路を経て圧送された液体を旋回させるスピンエレメントと、このスピンエレメントに回動不能につながり該スピンエレメントと噴射ノズルの対向部位にて旋回させた液体を外界に向けて噴出する噴射ノズルとを備えたトリガー式液体噴出器であって、
前記スピンエレメントとこのスピンエレメントを収納する送給経路の相互間に、該スピンエレメントを噴射ノズルとともに回動させて噴射ノズルの噴出開孔と送給経路を連通し噴射ノズルを開状態に保持する通路を設けたことを特徴とするトリガー式液体噴出器である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
【0010】
図1〜3は本発明に従うトリガー式液体噴出器の実施の形態を示したものであり、図1は噴射ノズルの開状態の断面を、また、図2は噴射ノズルの閉状態の断面をそれぞれ示したものであり、図3は図1のA−A断面を示したものである。
【0011】
図において1は容器の口部に保持されるねじ止め式あるいはアンダーカット式のベースキャップ、2はベースキャップ1を回転可能に保持するボディである。このボディ2の内部には容器内の液体を吸引、加圧するためのピストンとシリンダにて構成されるポンプが組み込まれている。ここで示したシリンダはボディ2により構成される外側シリンダの内側にさらに別体で形成された内側シリンダが挿入固定された公知の2重シリンダ構造のものとして例示してあり、内側シリンダの上部に設けられた開孔と、内側シリンダ外壁及び外側シリンダ内壁相互間の隙間にて容器内へとつながる空気流路が形成されていて、液体の噴出時に際して容器内が負圧になるのを防止する。
【0012】
また、3はボディ2に枢支軸を介して揺動可能に弾性支持された操作レバー、4はボディ2の送給経路2a内に収納されたスピンエレメント、5はスピンエレメント4にスプラインの如き結合手段にてつながり、該スピンエレメント4とともに回動可能(供回り)な噴射ノズルである。この噴射ノズル5は図示の如く噴射ノズル本体とこの本体に取り付けられたカバー部とで構成することができるもので、カバー部には図2に示される回動レバーLを一体に設けることが可能で、
該回動レバーLに噴射ノズル5の閉状態でシリンダの前端と操作レバー3の背面間に挟み込まれるように位置させて該操作レバー3の牽曳を阻止するストッパーとしての機能する突出部を一体的に形成する。スピンエレメント4は噴射ノズル5の内壁との相互間で液体の旋回流を形成する噴出路4aを有しており、ボディ2の送給経路2aを経て圧送された液体はここで旋回させられたのち所望のパターンとなって噴射ノズル5の噴出開孔5aを通して外界へ噴出される。なお、この実施の形態では、噴出開孔5aの前方に泡を生成させるための棒状障壁5bを複数本設けて噴出開孔5aからミスト状に噴出される液体を該棒状障壁5bに衝突させて乱流を生じさせ、噴射ノズル5の前方に設けた空気導入路5cを通して導入された空気と混合することによって発泡させて噴出させるようになっている。
【0013】
また、6はスピンエレメント4の後端部に90°の間隔で4つ設けられた溝部、7はスピンエレメント4の後端部が突き当たる送給経路2aの側壁に設けられた溝部、8は溝部7の前方で送給経路2aの側壁にやはり90°の間隔で4つ設けられた溝部であり、噴射ノズル5にてスピンエレメント4を送給経路2a内で回動させそれらの溝部6、8を、溝部7を介して相互に合致させることで噴射ノズル5噴出開孔5aと送給経路2aを連通させて噴射ノズル5を開状態に保持する通路を形成する。図4にスピンエレメント4とボディ2の分解斜視図を示す。図4において9はスピンエレメント4の前方小径筒部側壁に軸方向に沿って伸びるとともに対称位置に形成された複数の溝部、10はその先端部位に該溝部9に続いて形成され液体の旋回流路を形成するスピン溝部である。
【0014】
上記の構成になる噴出器は、溝部6と溝部8が合致しない状態にあるときは噴射ノズル5は閉状態に維持されており、この状態で操作レバー3を牽曳しても容器内の液体を吸引、加圧することは不可能であるが、スピンエレメント4を噴射ノズル5にてボディ2の送給経路2a内で回動させて溝部6と溝部8を合致させることで噴射ノズル5は開状態に保持されるものであり、噴射ノズル5の開閉操作を行っても該噴射ノズル5とスピンエレメント4の取り付け状態は常に一定に保たれことになるので(噴射ノズル5とスピンエレメント4に溝等により形成された送給経路2aの位置ずれがない)、液体の噴出パターンに変動を来すことはない。
【0015】
溝部6、溝部8について本発明の実施の形態では、90°間隔で4つ設けた場合について示したが、本発明では、溝部の個数はとくに限定されず、例えば、図5に示すように、180°の間隔で溝部6、8をそれぞれ2つずつ設けてもよい。また、溝部7の個数についても同様に限定されるとはない。
【0016】
ポンプを構成するシリンダは2重シリンダ構造のものを例示したが、通常のボディと一体に形成されたシリンダのみで構成することもでき、この点についても限定はされない。
【0017】
旋回流路を形成するスピン溝部10はスピンエレメント4の先端部位の他、その対向部位である噴射ノズル5の内面に形成してもよい。
【0018】
泡噴出機構として上掲図1では、噴出開孔5aの前方に棒状障壁を設けた例を示したが、噴出開孔5aの前方に位置する噴射ノズル5の内壁に溝を設けるなど公知の構造による泡噴出機構を採用することもできるし、このような泡噴出機構を備えない一般的な噴霧機構を有する噴出器へも勿論適用することが可能である。
【0019】
なお、本発明は図示あるいは上記したトリガー式の液体噴出器に適用する場合にのみ限定されるものではなく、ボディ、スピンエレメント及び噴出ノズルを有する噴出器であれば公知の縦型シリンダを有するトリガー式噴出器や送給経路2aと同軸にシリンダ及びピストンを組み込んだトリガー式噴出器にも適用できる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、噴射ノズルとスピンエレメントが供回りするようにし、該スピンエレメントとボディの送給経路との間で噴射ノズルの開閉を行うようにしたので、噴射ノズルとスピンエレメントの位置がずれることがなくなり、噴出パターンの安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う噴出器の実施の形態(開状態)を示した図である。
【図2】本発明に従う噴出器の実施の形態(閉状態)を示した図である。
【図3】図1のA−A断面を示した図である。
【図4】スピンエレメントとボディの分解斜視図を示した図である。
【図5】他の実施の形態に係るスピンエレメントとボディの送給経路の要部断面を示した図である。
【符号の説明】
1 ベースキャップ
2 ボディ
2a 送給経路
3 操作レバー
4 スピンエレメント
5 噴射ノズル
5a 噴出開孔
5b 棒状障壁
5c 空気導入路
6 溝部
7 溝部
8 溝部
9 溝部
10 スピン溝部
L 回動レバー

Claims (1)

  1. 操作レバーを複数回にわたって繰り返し牽曳して容器内の液体を吸引、加圧するポンプを備えたボディと、このボディの送給経路内に収納され該送給経路を経て圧送された液体を旋回させるスピンエレメントと、このスピンエレメントに回転不能につながり該スピンエレメントと噴射ノズルの対向部位にて旋回させた液体を外界に向けて噴出する噴射ノズルとを備えたトリガー式液体噴出器であって、
    前記スピンエレメントとこのスピンエレメントを収納する送給経路の相互間に、該スピンエレメントを噴射ノズルとともに回動させて噴射ノズルの噴出開孔と送給経路を連通し噴射ノズルを開状態に保持する通路を設けたことを特徴とするトリガー式液体噴出器。
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