JP2004305304A - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】普通図柄の図柄変動遊技の遊技性に重要な役割を担わせることにより、興趣に富んだ遊技性を有するパチンコ遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技盤４のゲート９への打球の通過により、普通図柄表示装置１６の普通図柄が変動し所定態様で停止表示され、入賞口１０が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、入賞口１０の打球の入賞により、特別図柄表示装置１４の特別図柄が変動し所定態様で停止表示され、入賞口１０が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、ゲート９および入賞口１０に打球が通過する毎に保留個数を記憶する普通図柄および特別図柄保留記憶表示装置１７、１５とを備えたパチンコ遊技機１において、普通図柄および特別図柄保留記憶表示装置１７、１５の保留個数が、予め設定された個数関係と一致したことを条件として、特別演出または特典の付与が行なわれる。
【選択図】 図１
【解決手段】遊技盤４のゲート９への打球の通過により、普通図柄表示装置１６の普通図柄が変動し所定態様で停止表示され、入賞口１０が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、入賞口１０の打球の入賞により、特別図柄表示装置１４の特別図柄が変動し所定態様で停止表示され、入賞口１０が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、ゲート９および入賞口１０に打球が通過する毎に保留個数を記憶する普通図柄および特別図柄保留記憶表示装置１７、１５とを備えたパチンコ遊技機１において、普通図柄および特別図柄保留記憶表示装置１７、１５の保留個数が、予め設定された個数関係と一致したことを条件として、特別演出または特典の付与が行なわれる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ店に設置されるパチンコ遊技機に関し、特に特別図柄保留記憶表示および普通図柄保留記憶表示を備えたパチンコ遊技機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、パチンコ遊技機において、弾発された遊技球が始動口に入賞または通過ゲートを通過する等により、図柄表示装置の画面上で特別図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、この停止表示した特別図柄が予め定められた所定の特別図柄の組合せであれば遊技者に有利な特典を与える特別遊技状態を生起している。ここで入賞等から停止表示まで時間を要することから、次の条件成立を４個まで保留記憶する特別図柄保留記憶部と特別図柄保留記憶表示部（ＬＥＤ）を設けている。一方、弾発された遊技球が通過ゲートを通過する等により、図柄表示装置の画面上で普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、この停止表示した普通図柄が予め定められた所定の普通図柄であれば遊技者に有利な特典を与える特別遊技状態を生起している。ここで前述した特別図柄と同様、次の条件成立を４個まで保留記憶する普通図柄保留記憶部と普通図柄保留記憶表示部（ＬＥＤ）を設けている。これらの特別図柄保留記憶に関する制御は、遊技の進行を制御するメイン制御基板が実行し、このメイン制御基板が特別図柄保留記憶表示用のＬＥＤを点灯あるいは点滅している。また、普通図柄の変動制御もこのメイン制御基板からコマンドを送信し、特別図柄表示装置の表示部（液晶画面等）とは別の普通図柄表示用の表示部（ＬＥＤ等）で表示しているのが一般的である。
【０００３】
しかしながら、このような従来の構成では、特別図柄保留記憶表示部および普通図柄保留記憶表示部をそれぞれ異なる表示領域に設けているため、メイン制御基板等の出力ボードおよび配線が煩雑になり、電気回路構成が複雑化して、遊技機のコストの高騰を招来するだけでなく、遊技者にとってもそれぞれの表示部が特別図柄の保留記憶なのか普通図柄の保留記憶なのかが認識し難く混乱を招く恐れがあった。また、遊技機の盤面のスペースが制約される中で、これら各図柄保留記憶表示部の設置スペースも最小限に抑制しなければならないといった課題があり、各図柄における保留記憶の表示方法に工夫を凝らす必要があった。
【０００４】
こうした課題を解決するものとして、図９に示すものが知られている。このパチンコ遊技機は、第１の契機、すなわち遊技球が始動口に入賞等した際、ゲーム内容を遊技者に有利とするか否かを決定する制御基板と、画面を備えた可変表示装置と、遊技者に有利な特別のゲーム内容とする否かを決定する毎に画面上の特別図柄を変動表示した後、特別のゲーム内容であるか否かを示す特定図柄で停止表示するよう制御すると共に、第１の契機に関連するゲーム内容を遊技者に有利とするか否かを決定する毎に画面上の普通図柄を変動表示した後、有利であるか否かを示す特定図柄で停止表示するよう制御する画像制御基板と、を含むパチンコ遊技機であって、可変表示装置３２の一つの画面３２ａに、特別図柄を表示する特別図柄表示領域５０ａ〜５０ｃと、普通図柄を表示する表示部５３ａ〜５３ｄの中央部に表示される普通図柄表示領域５２と、特別図柄の変動表示についての特別図柄保留記憶個数を表示する特別図柄保留記憶個数表示領域５１と、普通図柄の変動表示についての普通図柄保留記憶個数を表示する普通図柄保留記憶個数表示領域５３と、をそれぞれ区分して表示するようにしている。
【０００５】
こうした構成を採用することにより、１つの画面で特別図柄および普通図柄を変動表示し、さらに各保留記憶についても記憶個数を報知するよう表示することができるので、メイン制御基板等の出力ボードおよび配線の削減により電気回路構成を簡素化することができる（例えば、特許文献１参照。）。
【０００６】
【特許文献１】
特開２００１―２８６６３３号公報（第３、４頁、第６図）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来のパチンコ遊技機において、１つの画面上で特別図柄および普通図柄を変動表示し、さらに各保留記憶についても記憶個数を報知するよう表示するようにしたので、メイン制御基板等の出力ボードおよび配線の削減により電気回路構成を簡素化して低コスト化を図ることができるも、特別図柄表示領域５０ａ〜５０ｃによる図柄変動遊技が遊技性の中枢部分を担っている一方、普通図柄表示領域５２で行なわれる図柄変動遊技は付随程度の存在として遊技性に余り寄与していなかったのが現状であった。
【０００８】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、普通図柄の図柄変動遊技の遊技性に重要な役割を担わせることにより、興趣に富んだ遊技性を有するパチンコ遊技機を提供することを目的としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項１に記載の発明は、遊技盤に設けられた通過ゲートを弾発した遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置に表示された普通図柄が変動を開始し、この普通図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、前記遊技盤に設けられた始動口に弾発した遊技球が入賞することにより、特別図柄表示装置に表示された特別図柄が変動を開始し、この特別図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、前記通過ゲートに遊技球が通過する毎にこの通過個数を記憶する普通図柄保留記憶表示装置と、前記始動口に遊技球が入賞する毎にこの入賞個数を記憶する特別図柄保留記憶表示装置と、を備えたパチンコ遊技機において、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるように構成を採用した。
【００１０】
このように、普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるようにしたので、普通図柄が遊技性に大きく貢献するようになり、遊技者の興趣が格段に増大する。
【００１１】
また、請求項２に記載の発明は、遊技盤に設けられた通過ゲートを弾発した遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置に表示された普通図柄が変動を開始し、この普通図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、前記遊技盤に設けられた始動口に弾発した遊技球が入賞することにより、特別図柄表示装置に表示された特別図柄が変動を開始し、この特別図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、前記通過ゲートに遊技球が通過する毎にこの通過個数を記憶する普通図柄保留記憶表示装置と、前記始動口に遊技球が入賞する毎にこの入賞個数を記憶する特別図柄保留記憶表示装置と、を備えたパチンコ遊技機において、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを累積的に記憶し、この記憶に係る累積値が所定値に達したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるように構成を採用した。
【００１２】
このように、普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを累積的に記憶し、この記憶に係る累積値が所定値に達したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるようにしても、普通図柄が遊技性に大きく貢献するようになり、遊技者の興趣が格段に増大する。
【００１３】
また、請求項３に記載の発明は、前記特別演出が、前記特別図柄表示装置の表示部において、大当たりの際に表示される演出用表示画面が、通常演出用表示画面から特別演出用表示画面へと変更されることとし、興趣に富んだ表示上の工夫を凝らしているので、一層遊技性の向上を図ることができる。
【００１４】
好ましくは、請求項４に記載の発明のように、前記特別演出が、前記特別図柄表示装置の表示部において、複数列に配設した複数の数字または絵を所定方向に向かって循環移動するようにして表示すると共に、さらにキャラクタの動画を表示し、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致した時に前記動画が１つ加算され、この動画の累積値が予め設定した所定数に達した時に大当たり状態になるようにすれば、大当たりの演出効果が高まり遊技性が向上する。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係るパチンコ遊技機１は、図１に示すように、ガラス板２が取り付けられた前面枠３を有しており、ガラス板２から遊技者が遊技盤４を目視できるように構成されている。前面枠３の下側には、前板５が発射レール（図示せず）を覆うように上皿６が設けられ、さらに前面枠３の下部には、ハンドル７が設けられると共に、上皿６で貯留できなくなった賞球を貯留する下皿８が設けられている。
【００１６】
９は打球が通過することにより検出スイッチ（図示せず）が作動するように遊技盤４上に設けられた通過ゲート、１０は図示しないソレノイドの作動により一対の翼片１０ａが開閉動するチューリップ型の電動開閉入賞口（始動口）、１１は図示しないソレノイドの作動により開閉扉１１ａが開閉動するように設けられ、この開閉扉１１ａが前方に開成することにより打球を極めて入り易くする電動開閉大入賞口である。その他普通入賞口１２、風車１３および図示しない遊技釘等が遊技盤上４上に設けられている。
【００１７】
遊技盤４には、その中央部に、例えば３列に配置された複数の図柄を順次上から下に循環移動させて変動表示する特別図柄（以下特図という）表示装置１４が配設されている。この特図表示装置１４は、カラー液晶表示器等からなる表示部１４ａに３列に配設した複数の数字や絵を、上から下に流して表示すると共に、その下方にキャラクタ等の動画を表示することができる。また、表示部１４ａの上方には、特図保留個数記憶表示装置１５が設けられている。この特図保留記憶表示装置１５は、複数のＬＥＤ（またはランプ）からなる表示部１５ａが並べて配設されている。
【００１８】
電動開閉入賞口１０に打球が入賞すると、それを検知するセンサ（図示せず）からの信号が後述するＣＰＵ１９に入力され、特図表示装置１４の表示部１４ａに複数の数字や絵を上から下に流して表示される。そして、その図柄変動は変動表示が開始してから所定時間経過後に３列に配設した複数の数字や絵が順次停止する。この停止図柄が数百分の１の確立をもって偶然にも例えば「０００」、「１１１」、「２２２」、…「７７７」等、横一列に全て揃うと、大当たり状態となって電動開閉大入賞口１１の開閉扉１１ａがソレノイドの作動により開成され、この電動開閉大入賞口１１に打球が極めて入り易い状況をもたらす。
【００１９】
特図保留記憶表示装置１５は、図柄の変動時に、さらに電動開閉入賞口１０に入賞した打球の数（保留個数）を記憶・表示するもので、例えば最大で２５５個の保留個数を記憶して表示する。この保留個数の表示形態としては、４個の表示部１５ａのＬＥＤで行ない、入賞球の保留個数が１〜４個の場合は、表示部１５ａをその数だけ点灯し、保留個数が５個の場合は２個の表示部１５ａを点滅表示すると共に、１個の表示部１５ａが点灯して表示し、保留個数が８個の場合は４個の表示部１５ａを全て点滅して表示する。すなわち、１個の表示部１５ａの点灯は保留個数１個に相当し、１個の表示部１５ａの点滅は保留個数２個に相当するように設定されている。
【００２０】
特図保留記憶表示装置１５の表示部１５ａの上方には普通図柄（以下普図という）表示装置１６が設けられている。この普図表示装置１６は、例えば１桁の数字の表示部１６ａに４、５、６、７等、０〜９の数字を高速で順次循環・表示するようになっている。そして、遊技盤４上に設けた通過ゲート９を打球が通過し、図示しないゲートセンサがそれを検出した時、表示部１６ａにはこれらの数値が順次高速で変動し数秒後に不特定な数字で停止する。この停止した数字が偶然にも予め定められた「３」「５」「７」等の所定図柄であった場合、電動開閉入賞口１０のソレノイドの作動により翼片１０ａを短時間開成し、打球が多少入賞し易くなるようにしている。
【００２１】
普図表示装置１６の表示部１６ａの両側には、普図保留記憶表示装置１７が設けられ、複数のＬＥＤ（またはランプ）からなる表示部１７ａが並べて配設されている。この表示部１７ａは、１桁の数字の表示部１６ａに数字が変動・表示される間に、通過ゲート９を通過した打球をゲートセンサが検出した時、ＬＥＤを点灯または点滅してそれを表示する。また、普図保留記憶表示装置１７は変動中に通過した打球を保留個数として記憶する。
【００２２】
パチンコ遊技機１の内部には、図２に示すように、メイン制御基板１８が配設されている。このメイン制御基板１８は、特図保留記憶および普図保留記憶に関する制御をはじめとして、パチンコ遊技機１の全般にわたる遊技内容を制御するもので、例えば乱数を取得して大当たりか否かの抽選を行なうものである。このメイン制御基板１８および各基板（図示せず）はそれぞれ透明樹脂からなるケース（図示せず）内に収容され、所定の基板や素子と電気的に接続されている。具体的には、メイン制御基板１８はＣＰＵ１９を備え、遊技制御プログラムを記憶したＲＯＭおよび演算等の作業領域として働くＲＡＭを内蔵した論理演算回路として構成されている。その他各基板または各種スイッチ類および各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路が設けられている。
【００２３】
メイン制御基板１８の入力側には、特図始動スイッチ２０、普図始動スイッチ２１、カウントスイッチ２２、特定領域スイッチ２３等がＩ／Ｏを介して接続されている。また、出力側には、特図表示装置１４、特図保留記憶表示装置１５、普図表示装置１６、普図保留記憶表示装置１７、大入賞口ソレノイド２４、普通入賞口ソレノイド２５等がＩ／Ｏを介して接続されている。なお、メイン制御基板１８のＣＰＵ１９は、図柄変動制御部、特典判定・動作制御部、特別演出判定・動作制御部、普図・特図記憶数相関認識手段等から構成されている。
【００２４】
次に、前述したパチンコ遊技機１による制御内容について、図３および図４に示すフローチャートに基いて説明する。この処理は例えば２ｍｓ毎の割り込み処理によって行なわれている。図３のフローチャートにおいて、遊技中、通常のゲーム状態で、通過ゲート９を打球が通過した場合、それが普図表示装置１６の表示部１６ａの図柄が変動中であれば、普図保留記憶表示装置１７が保留個数を記憶していく訳であるが、ステップ１００では、普図保留記憶表示装置１７が記憶する保留個数があるか否か、つまり普図表示装置１６の図柄変動中に、通過ゲート９を通過した打球があるか否かを判定する。保留個数がある場合はステップ１１０に進む。さらに特図保留記憶表示装置１５が記憶した入賞球の保留個数があるか否かを判定する。ここでも保留個数がある場合はステップ１２０に進む。一方、普図保留記憶表示装置１７および特図保留記憶表示装置１５に保留個数がない場合はそれぞれリターンし、保留個数があると判定されるまでループしてその動作を繰り返す。
【００２５】
ステップ１２０では、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数と特図保留記憶表示装置１５が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係（例えば７−７のようなゾロ目）に一致した時、ステップ１３０に進んで特別演出を発生させるか、または遊技者に有利な特典を付与する。なお、一致しない時は通常演出を発生させる（ステップ１４０）。ここで、特別演出として、通常とは異なる表示態様での図柄変動や通常とは異なるキャラクタの登場、あるいは通常とは異なる大当たり画面等が例示できる。また、遊技者に付与される特典として、普通電動役物の開放および開放時間の延長、高確率変動、時間短縮あるいは大当たり等が例示できる。
【００２６】
図３に示したフローチャートでは以下のような態様が考えられる。すなわち、普図表示装置１６が図柄変動を開始する前に、特図保留記憶表示装置１５が記憶した入賞球の保留個数が、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数よりも１つ多い場合（例えば、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が４個、普図保留記憶表示装置１７の保留個数が３個）（図５）と、普図表示装置１６が図柄変動を開始する前に、特図保留記憶表示装置１５が記憶した入賞球の保留個数が、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数よりも１つ少ない場合（例えば、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が２個、普図保留記憶表示装置１７の保留個数が３個）（図６）、若しくは同じ場合（例えば、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が３個、普図保留記憶表示装置１７の保留個数が３個）の場合がある（図７）。
【００２７】
図５に例示した場合、特図表示装置１４の表示部１４ａの図柄が変動開始されると、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が１個減算され、特図保留記憶表示装置１５と普図保留記憶表示装置１７が記憶する保留個数が同数になる。この時、変動開始から一定秒数経過後、変動パターンとは別に特定の演出を行なう。
【００２８】
また、図６に例示した場合、特図表示装置１４の表示部１４ａの図柄が変動開始されると、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が１個減算され、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が普図保留記憶表示装置１７の保留個数よりもさらに少なくなる。この図柄変動中に打球が普通電動開閉入賞口１０に入賞する毎に特図保留記憶表示装置１５の保留個数が増え、特図保留記憶表示装置１５と普図保留記憶表示装置１７の保留個数が同数になっていれば、そこから一定秒数経過後、特定の演出を行なう。但し、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が普図保留記憶表示装置１７の保留個数よりも多くなれば特定の演出は行なわれない。
【００２９】
また。図４のフローチャートでは、遊技中、通常のゲーム状態で、通過ゲート９を打球が通過した場合、ステップ１００で普図保留記憶表示装置１７が記憶する保留個数、つまり普図表示装置１６の図柄変動中に、通過ゲート９に遊技球が通過し、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数があるか否かを判定する。保留個数がある場合はステップ１１０に進み、特図保留記憶表示装置１５が記憶した入賞球の保留個数があるか否かを判定する。ここでも保留個数がある場合はステップ１２０に進む。一方、普図保留記憶表示装置１７および特図保留記憶表示装置１５に保留個数がない場合はそれぞれリターンし、保留個数があると判定されるまでその動作を繰り返す。ここまでは、前述した図３のフローチャートと同様である。
【００３０】
ステップ１２０では、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数と特図保留記憶表示装置１５が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係（例えば７−７のようなゾロ目）に一致した時、次のステップ１５０に進む。ここで、ステップ１５０では、一致したその累積記憶数に１を加算し、ステップ１７０で、累積記憶数が予め設定した所定値に一致するか否かを判定する。加算された累積記憶数が所定値に一致した時は、ステップ１３０で特別演出を発生させるかまたは遊技者に有利な特典を付与する。また、加算された累積記憶数が所定値に一致しなかった時は、ステップ１４０で通常演出を発生させ、遊技者への特典付与はない。
【００３１】
一方、ステップ１２０で、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数と特図保留記憶表示装置１５が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係に一致しなかった時は、ステップ１６０で累積記憶数は変わらず、無論ステップ１７０でも累積記憶数が所定値に一致することはない。したがって、ステップ１４０で通常演出を発生させて遊技者への特典の付与はない。
【００３２】
図８は前述した特定の演出（特別演出）の実施形態を示している。（ａ）に示すように、特図表示装置１４において、カラー液晶表示器等からなる表示部１４ａに３列に配設した複数の数字を、それぞれ上から下に流して表示すると共に、その下方にコインの動画を表示するように構成している。例えば、この３列の数字が全て揃って停止した時、赤短、すなわち、花札の赤色の短冊を描いた札のうち、松・梅・桜の札を画面一面に降らせると共に、前述したように、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数と、特図保留記憶表示装置１５が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致した時に金色のコインを１枚獲得する仕組みになっている。なお、コインを１枚ずつ表示する以外に、コインの枚数をカウントする態様であっても良い。ここで、このコインの数が所定数、例えば５枚揃えば大当たり状態を生起すると共に、表示部１４ａは大当たり演出用の豪華３Ｄアニメからなる特別演出用表示画面（１４ｂ）に変わる。一方、コインの数が５枚以下の場合は当たり状態を生起すると共に、表示部１４ａは通常の２Ｄアニメからなる通常演出用表示画面（１４ｃ）へと変更させて興趣に富んだ表示上の工夫を凝らし、遊技性の高揚を図っている。
【００３３】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【００３４】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るパチンコ遊技機にあっては、遊技盤に設けられた通過ゲートを弾発した遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置に表示された普通図柄が変動を開始し、この普通図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、前記遊技盤に設けられた始動口に弾発した遊技球が入賞することにより、特別図柄表示装置に表示された特別図柄が変動を開始し、この特別図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、前記通過ゲートに遊技球が通過する毎にこの通過個数を記憶する普通図柄保留記憶表示装置と、前記始動口に遊技球が入賞する毎にこの入賞個数を記憶する特別図柄保留記憶表示装置と、を備えたパチンコ遊技機において、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるようにしたので、普通図柄が遊技性に大きく貢献するようになり、遊技者の興趣が格段に増大する。
【００３５】
また、本発明に係るパチンコ遊技機は、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを累積的に記憶し、この記憶に係る累積値が所定値に達したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるようにすることによっても、普通図柄が遊技性に大きく貢献するようになり、遊技者の興趣が格段に増大する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るパチンコ遊技機の実施形態を示す正面図である。
【図２】同上、内部構造を示すブロック図である。
【図３】本発明に係るパチンコ遊技機におけるメイン制御基板の処理工程を示すフローチャートである。
【図４】同上、他の処理工程を示すフローチャートである。
【図５】本発明に係るパチンコ遊技機の態様を示す説明図である。
【図６】同上
【図７】同上
【図８】本発明に係るパチンコ遊技機における特別演出の実施形態を示す説明図である。
【図９】従来のパチンコ遊技機を示す要部正面図である。
【符号の説明】
１・・・・・・・・パチンコ遊技機
２・・・・・・・・ガラス板
３・・・・・・・・前面枠
４・・・・・・・・遊技盤
５・・・・・・・・前板
６・・・・・・・・上皿
７・・・・・・・・ハンドル
８・・・・・・・・下皿
９・・・・・・・・通過ゲート
１０・・・・・・・電動開閉入賞口
１０ａ・・・・・・翼片
１１・・・・・・・電動開閉大入賞口
１１ａ・・・・・・開閉扉
１２・・・・・・・普通入賞口
１３・・・・・・・風車
１４・・・・・・・特別図柄表示装置
１４ａ・・・・・・表示部
１４ｂ、１４ｃ・・演出画面
１５・・・・・・・特別図柄保留記憶表示装置
１５ａ・・・・・・表示部
１６・・・・・・・普通図柄表示装置
１６ａ・・・・・・表示部
１７・・・・・・・普通図柄保留記憶表示装置
１７ａ・・・・・・表示部
１８・・・・・・・メイン制御基板
１９・・・・・・・ＣＰＵ
２０・・・・・・・特別図柄始動スイッチ
２１・・・・・・・普通図柄始動スイッチ
２２・・・・・・・カウントスイッチ
２３・・・・・・・特定領域スイッチ
２４・・・・・・・大入賞口ソレノイド
２５・・・・・・・通常入賞口ソレノイド
３２・・・・・・・可変表示装置
３２ａ・・・・・・ＬＣＤパネルユニット
５０ａ〜５０ｃ・・特別図柄表示領域
５１・・・・・・・特別図柄保留記憶個数表示領域
５１ａ〜５１ｄ・・表示部
５２・・・・・・・普通図柄表示領域
５３・・・・・・・普通図柄保留記憶個数表示領域
５３ａ〜５３ｄ・・表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ店に設置されるパチンコ遊技機に関し、特に特別図柄保留記憶表示および普通図柄保留記憶表示を備えたパチンコ遊技機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、パチンコ遊技機において、弾発された遊技球が始動口に入賞または通過ゲートを通過する等により、図柄表示装置の画面上で特別図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、この停止表示した特別図柄が予め定められた所定の特別図柄の組合せであれば遊技者に有利な特典を与える特別遊技状態を生起している。ここで入賞等から停止表示まで時間を要することから、次の条件成立を４個まで保留記憶する特別図柄保留記憶部と特別図柄保留記憶表示部（ＬＥＤ）を設けている。一方、弾発された遊技球が通過ゲートを通過する等により、図柄表示装置の画面上で普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、この停止表示した普通図柄が予め定められた所定の普通図柄であれば遊技者に有利な特典を与える特別遊技状態を生起している。ここで前述した特別図柄と同様、次の条件成立を４個まで保留記憶する普通図柄保留記憶部と普通図柄保留記憶表示部（ＬＥＤ）を設けている。これらの特別図柄保留記憶に関する制御は、遊技の進行を制御するメイン制御基板が実行し、このメイン制御基板が特別図柄保留記憶表示用のＬＥＤを点灯あるいは点滅している。また、普通図柄の変動制御もこのメイン制御基板からコマンドを送信し、特別図柄表示装置の表示部（液晶画面等）とは別の普通図柄表示用の表示部（ＬＥＤ等）で表示しているのが一般的である。
【０００３】
しかしながら、このような従来の構成では、特別図柄保留記憶表示部および普通図柄保留記憶表示部をそれぞれ異なる表示領域に設けているため、メイン制御基板等の出力ボードおよび配線が煩雑になり、電気回路構成が複雑化して、遊技機のコストの高騰を招来するだけでなく、遊技者にとってもそれぞれの表示部が特別図柄の保留記憶なのか普通図柄の保留記憶なのかが認識し難く混乱を招く恐れがあった。また、遊技機の盤面のスペースが制約される中で、これら各図柄保留記憶表示部の設置スペースも最小限に抑制しなければならないといった課題があり、各図柄における保留記憶の表示方法に工夫を凝らす必要があった。
【０００４】
こうした課題を解決するものとして、図９に示すものが知られている。このパチンコ遊技機は、第１の契機、すなわち遊技球が始動口に入賞等した際、ゲーム内容を遊技者に有利とするか否かを決定する制御基板と、画面を備えた可変表示装置と、遊技者に有利な特別のゲーム内容とする否かを決定する毎に画面上の特別図柄を変動表示した後、特別のゲーム内容であるか否かを示す特定図柄で停止表示するよう制御すると共に、第１の契機に関連するゲーム内容を遊技者に有利とするか否かを決定する毎に画面上の普通図柄を変動表示した後、有利であるか否かを示す特定図柄で停止表示するよう制御する画像制御基板と、を含むパチンコ遊技機であって、可変表示装置３２の一つの画面３２ａに、特別図柄を表示する特別図柄表示領域５０ａ〜５０ｃと、普通図柄を表示する表示部５３ａ〜５３ｄの中央部に表示される普通図柄表示領域５２と、特別図柄の変動表示についての特別図柄保留記憶個数を表示する特別図柄保留記憶個数表示領域５１と、普通図柄の変動表示についての普通図柄保留記憶個数を表示する普通図柄保留記憶個数表示領域５３と、をそれぞれ区分して表示するようにしている。
【０００５】
こうした構成を採用することにより、１つの画面で特別図柄および普通図柄を変動表示し、さらに各保留記憶についても記憶個数を報知するよう表示することができるので、メイン制御基板等の出力ボードおよび配線の削減により電気回路構成を簡素化することができる（例えば、特許文献１参照。）。
【０００６】
【特許文献１】
特開２００１―２８６６３３号公報（第３、４頁、第６図）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来のパチンコ遊技機において、１つの画面上で特別図柄および普通図柄を変動表示し、さらに各保留記憶についても記憶個数を報知するよう表示するようにしたので、メイン制御基板等の出力ボードおよび配線の削減により電気回路構成を簡素化して低コスト化を図ることができるも、特別図柄表示領域５０ａ〜５０ｃによる図柄変動遊技が遊技性の中枢部分を担っている一方、普通図柄表示領域５２で行なわれる図柄変動遊技は付随程度の存在として遊技性に余り寄与していなかったのが現状であった。
【０００８】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、普通図柄の図柄変動遊技の遊技性に重要な役割を担わせることにより、興趣に富んだ遊技性を有するパチンコ遊技機を提供することを目的としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項１に記載の発明は、遊技盤に設けられた通過ゲートを弾発した遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置に表示された普通図柄が変動を開始し、この普通図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、前記遊技盤に設けられた始動口に弾発した遊技球が入賞することにより、特別図柄表示装置に表示された特別図柄が変動を開始し、この特別図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、前記通過ゲートに遊技球が通過する毎にこの通過個数を記憶する普通図柄保留記憶表示装置と、前記始動口に遊技球が入賞する毎にこの入賞個数を記憶する特別図柄保留記憶表示装置と、を備えたパチンコ遊技機において、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるように構成を採用した。
【００１０】
このように、普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるようにしたので、普通図柄が遊技性に大きく貢献するようになり、遊技者の興趣が格段に増大する。
【００１１】
また、請求項２に記載の発明は、遊技盤に設けられた通過ゲートを弾発した遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置に表示された普通図柄が変動を開始し、この普通図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、前記遊技盤に設けられた始動口に弾発した遊技球が入賞することにより、特別図柄表示装置に表示された特別図柄が変動を開始し、この特別図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、前記通過ゲートに遊技球が通過する毎にこの通過個数を記憶する普通図柄保留記憶表示装置と、前記始動口に遊技球が入賞する毎にこの入賞個数を記憶する特別図柄保留記憶表示装置と、を備えたパチンコ遊技機において、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを累積的に記憶し、この記憶に係る累積値が所定値に達したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるように構成を採用した。
【００１２】
このように、普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを累積的に記憶し、この記憶に係る累積値が所定値に達したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるようにしても、普通図柄が遊技性に大きく貢献するようになり、遊技者の興趣が格段に増大する。
【００１３】
また、請求項３に記載の発明は、前記特別演出が、前記特別図柄表示装置の表示部において、大当たりの際に表示される演出用表示画面が、通常演出用表示画面から特別演出用表示画面へと変更されることとし、興趣に富んだ表示上の工夫を凝らしているので、一層遊技性の向上を図ることができる。
【００１４】
好ましくは、請求項４に記載の発明のように、前記特別演出が、前記特別図柄表示装置の表示部において、複数列に配設した複数の数字または絵を所定方向に向かって循環移動するようにして表示すると共に、さらにキャラクタの動画を表示し、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致した時に前記動画が１つ加算され、この動画の累積値が予め設定した所定数に達した時に大当たり状態になるようにすれば、大当たりの演出効果が高まり遊技性が向上する。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係るパチンコ遊技機１は、図１に示すように、ガラス板２が取り付けられた前面枠３を有しており、ガラス板２から遊技者が遊技盤４を目視できるように構成されている。前面枠３の下側には、前板５が発射レール（図示せず）を覆うように上皿６が設けられ、さらに前面枠３の下部には、ハンドル７が設けられると共に、上皿６で貯留できなくなった賞球を貯留する下皿８が設けられている。
【００１６】
９は打球が通過することにより検出スイッチ（図示せず）が作動するように遊技盤４上に設けられた通過ゲート、１０は図示しないソレノイドの作動により一対の翼片１０ａが開閉動するチューリップ型の電動開閉入賞口（始動口）、１１は図示しないソレノイドの作動により開閉扉１１ａが開閉動するように設けられ、この開閉扉１１ａが前方に開成することにより打球を極めて入り易くする電動開閉大入賞口である。その他普通入賞口１２、風車１３および図示しない遊技釘等が遊技盤上４上に設けられている。
【００１７】
遊技盤４には、その中央部に、例えば３列に配置された複数の図柄を順次上から下に循環移動させて変動表示する特別図柄（以下特図という）表示装置１４が配設されている。この特図表示装置１４は、カラー液晶表示器等からなる表示部１４ａに３列に配設した複数の数字や絵を、上から下に流して表示すると共に、その下方にキャラクタ等の動画を表示することができる。また、表示部１４ａの上方には、特図保留個数記憶表示装置１５が設けられている。この特図保留記憶表示装置１５は、複数のＬＥＤ（またはランプ）からなる表示部１５ａが並べて配設されている。
【００１８】
電動開閉入賞口１０に打球が入賞すると、それを検知するセンサ（図示せず）からの信号が後述するＣＰＵ１９に入力され、特図表示装置１４の表示部１４ａに複数の数字や絵を上から下に流して表示される。そして、その図柄変動は変動表示が開始してから所定時間経過後に３列に配設した複数の数字や絵が順次停止する。この停止図柄が数百分の１の確立をもって偶然にも例えば「０００」、「１１１」、「２２２」、…「７７７」等、横一列に全て揃うと、大当たり状態となって電動開閉大入賞口１１の開閉扉１１ａがソレノイドの作動により開成され、この電動開閉大入賞口１１に打球が極めて入り易い状況をもたらす。
【００１９】
特図保留記憶表示装置１５は、図柄の変動時に、さらに電動開閉入賞口１０に入賞した打球の数（保留個数）を記憶・表示するもので、例えば最大で２５５個の保留個数を記憶して表示する。この保留個数の表示形態としては、４個の表示部１５ａのＬＥＤで行ない、入賞球の保留個数が１〜４個の場合は、表示部１５ａをその数だけ点灯し、保留個数が５個の場合は２個の表示部１５ａを点滅表示すると共に、１個の表示部１５ａが点灯して表示し、保留個数が８個の場合は４個の表示部１５ａを全て点滅して表示する。すなわち、１個の表示部１５ａの点灯は保留個数１個に相当し、１個の表示部１５ａの点滅は保留個数２個に相当するように設定されている。
【００２０】
特図保留記憶表示装置１５の表示部１５ａの上方には普通図柄（以下普図という）表示装置１６が設けられている。この普図表示装置１６は、例えば１桁の数字の表示部１６ａに４、５、６、７等、０〜９の数字を高速で順次循環・表示するようになっている。そして、遊技盤４上に設けた通過ゲート９を打球が通過し、図示しないゲートセンサがそれを検出した時、表示部１６ａにはこれらの数値が順次高速で変動し数秒後に不特定な数字で停止する。この停止した数字が偶然にも予め定められた「３」「５」「７」等の所定図柄であった場合、電動開閉入賞口１０のソレノイドの作動により翼片１０ａを短時間開成し、打球が多少入賞し易くなるようにしている。
【００２１】
普図表示装置１６の表示部１６ａの両側には、普図保留記憶表示装置１７が設けられ、複数のＬＥＤ（またはランプ）からなる表示部１７ａが並べて配設されている。この表示部１７ａは、１桁の数字の表示部１６ａに数字が変動・表示される間に、通過ゲート９を通過した打球をゲートセンサが検出した時、ＬＥＤを点灯または点滅してそれを表示する。また、普図保留記憶表示装置１７は変動中に通過した打球を保留個数として記憶する。
【００２２】
パチンコ遊技機１の内部には、図２に示すように、メイン制御基板１８が配設されている。このメイン制御基板１８は、特図保留記憶および普図保留記憶に関する制御をはじめとして、パチンコ遊技機１の全般にわたる遊技内容を制御するもので、例えば乱数を取得して大当たりか否かの抽選を行なうものである。このメイン制御基板１８および各基板（図示せず）はそれぞれ透明樹脂からなるケース（図示せず）内に収容され、所定の基板や素子と電気的に接続されている。具体的には、メイン制御基板１８はＣＰＵ１９を備え、遊技制御プログラムを記憶したＲＯＭおよび演算等の作業領域として働くＲＡＭを内蔵した論理演算回路として構成されている。その他各基板または各種スイッチ類および各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路が設けられている。
【００２３】
メイン制御基板１８の入力側には、特図始動スイッチ２０、普図始動スイッチ２１、カウントスイッチ２２、特定領域スイッチ２３等がＩ／Ｏを介して接続されている。また、出力側には、特図表示装置１４、特図保留記憶表示装置１５、普図表示装置１６、普図保留記憶表示装置１７、大入賞口ソレノイド２４、普通入賞口ソレノイド２５等がＩ／Ｏを介して接続されている。なお、メイン制御基板１８のＣＰＵ１９は、図柄変動制御部、特典判定・動作制御部、特別演出判定・動作制御部、普図・特図記憶数相関認識手段等から構成されている。
【００２４】
次に、前述したパチンコ遊技機１による制御内容について、図３および図４に示すフローチャートに基いて説明する。この処理は例えば２ｍｓ毎の割り込み処理によって行なわれている。図３のフローチャートにおいて、遊技中、通常のゲーム状態で、通過ゲート９を打球が通過した場合、それが普図表示装置１６の表示部１６ａの図柄が変動中であれば、普図保留記憶表示装置１７が保留個数を記憶していく訳であるが、ステップ１００では、普図保留記憶表示装置１７が記憶する保留個数があるか否か、つまり普図表示装置１６の図柄変動中に、通過ゲート９を通過した打球があるか否かを判定する。保留個数がある場合はステップ１１０に進む。さらに特図保留記憶表示装置１５が記憶した入賞球の保留個数があるか否かを判定する。ここでも保留個数がある場合はステップ１２０に進む。一方、普図保留記憶表示装置１７および特図保留記憶表示装置１５に保留個数がない場合はそれぞれリターンし、保留個数があると判定されるまでループしてその動作を繰り返す。
【００２５】
ステップ１２０では、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数と特図保留記憶表示装置１５が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係（例えば７−７のようなゾロ目）に一致した時、ステップ１３０に進んで特別演出を発生させるか、または遊技者に有利な特典を付与する。なお、一致しない時は通常演出を発生させる（ステップ１４０）。ここで、特別演出として、通常とは異なる表示態様での図柄変動や通常とは異なるキャラクタの登場、あるいは通常とは異なる大当たり画面等が例示できる。また、遊技者に付与される特典として、普通電動役物の開放および開放時間の延長、高確率変動、時間短縮あるいは大当たり等が例示できる。
【００２６】
図３に示したフローチャートでは以下のような態様が考えられる。すなわち、普図表示装置１６が図柄変動を開始する前に、特図保留記憶表示装置１５が記憶した入賞球の保留個数が、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数よりも１つ多い場合（例えば、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が４個、普図保留記憶表示装置１７の保留個数が３個）（図５）と、普図表示装置１６が図柄変動を開始する前に、特図保留記憶表示装置１５が記憶した入賞球の保留個数が、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数よりも１つ少ない場合（例えば、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が２個、普図保留記憶表示装置１７の保留個数が３個）（図６）、若しくは同じ場合（例えば、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が３個、普図保留記憶表示装置１７の保留個数が３個）の場合がある（図７）。
【００２７】
図５に例示した場合、特図表示装置１４の表示部１４ａの図柄が変動開始されると、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が１個減算され、特図保留記憶表示装置１５と普図保留記憶表示装置１７が記憶する保留個数が同数になる。この時、変動開始から一定秒数経過後、変動パターンとは別に特定の演出を行なう。
【００２８】
また、図６に例示した場合、特図表示装置１４の表示部１４ａの図柄が変動開始されると、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が１個減算され、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が普図保留記憶表示装置１７の保留個数よりもさらに少なくなる。この図柄変動中に打球が普通電動開閉入賞口１０に入賞する毎に特図保留記憶表示装置１５の保留個数が増え、特図保留記憶表示装置１５と普図保留記憶表示装置１７の保留個数が同数になっていれば、そこから一定秒数経過後、特定の演出を行なう。但し、特図保留記憶表示装置１５の保留個数が普図保留記憶表示装置１７の保留個数よりも多くなれば特定の演出は行なわれない。
【００２９】
また。図４のフローチャートでは、遊技中、通常のゲーム状態で、通過ゲート９を打球が通過した場合、ステップ１００で普図保留記憶表示装置１７が記憶する保留個数、つまり普図表示装置１６の図柄変動中に、通過ゲート９に遊技球が通過し、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数があるか否かを判定する。保留個数がある場合はステップ１１０に進み、特図保留記憶表示装置１５が記憶した入賞球の保留個数があるか否かを判定する。ここでも保留個数がある場合はステップ１２０に進む。一方、普図保留記憶表示装置１７および特図保留記憶表示装置１５に保留個数がない場合はそれぞれリターンし、保留個数があると判定されるまでその動作を繰り返す。ここまでは、前述した図３のフローチャートと同様である。
【００３０】
ステップ１２０では、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数と特図保留記憶表示装置１５が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係（例えば７−７のようなゾロ目）に一致した時、次のステップ１５０に進む。ここで、ステップ１５０では、一致したその累積記憶数に１を加算し、ステップ１７０で、累積記憶数が予め設定した所定値に一致するか否かを判定する。加算された累積記憶数が所定値に一致した時は、ステップ１３０で特別演出を発生させるかまたは遊技者に有利な特典を付与する。また、加算された累積記憶数が所定値に一致しなかった時は、ステップ１４０で通常演出を発生させ、遊技者への特典付与はない。
【００３１】
一方、ステップ１２０で、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数と特図保留記憶表示装置１５が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係に一致しなかった時は、ステップ１６０で累積記憶数は変わらず、無論ステップ１７０でも累積記憶数が所定値に一致することはない。したがって、ステップ１４０で通常演出を発生させて遊技者への特典の付与はない。
【００３２】
図８は前述した特定の演出（特別演出）の実施形態を示している。（ａ）に示すように、特図表示装置１４において、カラー液晶表示器等からなる表示部１４ａに３列に配設した複数の数字を、それぞれ上から下に流して表示すると共に、その下方にコインの動画を表示するように構成している。例えば、この３列の数字が全て揃って停止した時、赤短、すなわち、花札の赤色の短冊を描いた札のうち、松・梅・桜の札を画面一面に降らせると共に、前述したように、普図保留記憶表示装置１７が記憶した保留個数と、特図保留記憶表示装置１５が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致した時に金色のコインを１枚獲得する仕組みになっている。なお、コインを１枚ずつ表示する以外に、コインの枚数をカウントする態様であっても良い。ここで、このコインの数が所定数、例えば５枚揃えば大当たり状態を生起すると共に、表示部１４ａは大当たり演出用の豪華３Ｄアニメからなる特別演出用表示画面（１４ｂ）に変わる。一方、コインの数が５枚以下の場合は当たり状態を生起すると共に、表示部１４ａは通常の２Ｄアニメからなる通常演出用表示画面（１４ｃ）へと変更させて興趣に富んだ表示上の工夫を凝らし、遊技性の高揚を図っている。
【００３３】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【００３４】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るパチンコ遊技機にあっては、遊技盤に設けられた通過ゲートを弾発した遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置に表示された普通図柄が変動を開始し、この普通図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、前記遊技盤に設けられた始動口に弾発した遊技球が入賞することにより、特別図柄表示装置に表示された特別図柄が変動を開始し、この特別図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、前記通過ゲートに遊技球が通過する毎にこの通過個数を記憶する普通図柄保留記憶表示装置と、前記始動口に遊技球が入賞する毎にこの入賞個数を記憶する特別図柄保留記憶表示装置と、を備えたパチンコ遊技機において、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるようにしたので、普通図柄が遊技性に大きく貢献するようになり、遊技者の興趣が格段に増大する。
【００３５】
また、本発明に係るパチンコ遊技機は、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを累積的に記憶し、この記憶に係る累積値が所定値に達したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるようにすることによっても、普通図柄が遊技性に大きく貢献するようになり、遊技者の興趣が格段に増大する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るパチンコ遊技機の実施形態を示す正面図である。
【図２】同上、内部構造を示すブロック図である。
【図３】本発明に係るパチンコ遊技機におけるメイン制御基板の処理工程を示すフローチャートである。
【図４】同上、他の処理工程を示すフローチャートである。
【図５】本発明に係るパチンコ遊技機の態様を示す説明図である。
【図６】同上
【図７】同上
【図８】本発明に係るパチンコ遊技機における特別演出の実施形態を示す説明図である。
【図９】従来のパチンコ遊技機を示す要部正面図である。
【符号の説明】
１・・・・・・・・パチンコ遊技機
２・・・・・・・・ガラス板
３・・・・・・・・前面枠
４・・・・・・・・遊技盤
５・・・・・・・・前板
６・・・・・・・・上皿
７・・・・・・・・ハンドル
８・・・・・・・・下皿
９・・・・・・・・通過ゲート
１０・・・・・・・電動開閉入賞口
１０ａ・・・・・・翼片
１１・・・・・・・電動開閉大入賞口
１１ａ・・・・・・開閉扉
１２・・・・・・・普通入賞口
１３・・・・・・・風車
１４・・・・・・・特別図柄表示装置
１４ａ・・・・・・表示部
１４ｂ、１４ｃ・・演出画面
１５・・・・・・・特別図柄保留記憶表示装置
１５ａ・・・・・・表示部
１６・・・・・・・普通図柄表示装置
１６ａ・・・・・・表示部
１７・・・・・・・普通図柄保留記憶表示装置
１７ａ・・・・・・表示部
１８・・・・・・・メイン制御基板
１９・・・・・・・ＣＰＵ
２０・・・・・・・特別図柄始動スイッチ
２１・・・・・・・普通図柄始動スイッチ
２２・・・・・・・カウントスイッチ
２３・・・・・・・特定領域スイッチ
２４・・・・・・・大入賞口ソレノイド
２５・・・・・・・通常入賞口ソレノイド
３２・・・・・・・可変表示装置
３２ａ・・・・・・ＬＣＤパネルユニット
５０ａ〜５０ｃ・・特別図柄表示領域
５１・・・・・・・特別図柄保留記憶個数表示領域
５１ａ〜５１ｄ・・表示部
５２・・・・・・・普通図柄表示領域
５３・・・・・・・普通図柄保留記憶個数表示領域
５３ａ〜５３ｄ・・表示部
Claims (4)
- 遊技盤に設けられた通過ゲートに弾発した遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置に表示された普通図柄が変動を開始し、この普通図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、前記遊技盤に設けられた始動口に弾発した遊技球が入賞することにより、特別図柄表示装置に表示された特別図柄が変動を開始し、この特別図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、前記通過ゲートに遊技球が通過する毎にこの通過個数を記憶する普通図柄保留記憶表示装置と、前記始動口に遊技球が入賞する毎にこの入賞個数を記憶する特別図柄保留記憶表示装置と、を備えたパチンコ遊技機において、
前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるように構成したことを特徴とするパチンコ遊技機。 - 遊技盤に設けられた通過ゲートを弾発した遊技球が通過することにより、普通図柄表示装置に表示された普通図柄が変動を開始し、この普通図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる普通図柄制御部と、前記遊技盤に設けられた始動口に弾発した遊技球が入賞することにより、特別図柄表示装置に表示された特別図柄が変動を開始し、この特別図柄が所定態様で停止表示された場合に、電動開閉入賞口が所定時間開成状態となる特別図柄制御部と、前記通過ゲートに遊技球が通過する毎にこの通過個数を記憶する普通図柄保留記憶表示装置と、前記始動口に遊技球が入賞する毎にこの入賞個数を記憶する特別図柄保留記憶表示装置と、を備えたパチンコ遊技機において、
前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致したことを累積的に記憶し、この記憶に係る累積値が所定値に達したことを条件として、特別演出または遊技者への特典の付与が行なわれるように構成したことを特徴とするパチンコ遊技機。 - 前記特別演出が、前記特別図柄表示装置の表示部において、大当たりの際に表示される演出用表示画面が、通常演出用表示画面から特別演出用表示画面へと変更されることとした請求項１または２に記載のパチンコ遊技機。
- 前記特別演出が、前記特別図柄表示装置の表示部において、複数列に配設した複数の数字または絵を所定方向に向かって循環移動するようにして表示すると共に、さらにキャラクタの動画を表示し、前記普通図柄保留記憶表示装置が記憶した保留個数と、前記特別図柄保留記憶装置が記憶した保留個数とが、予め設定された個数関係と一致した時に前記動画が１つ加算され、この動画の累積値が予め設定した所定数に達した時に大当たり状態になるようにした請求項３に記載のパチンコ遊技機。
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| JP2013230388A (ja) * | 2013-07-11 | 2013-11-14 | Heiwa Corp | 遊技機 |
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2003
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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