JP2004304923A - パワーコントロールユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】外部接続端子に対する良好な組み付け作業性を確保することのできるパワーコントロールユニットを提供する。
【解決手段】インバータ装置21を構成するインバータケース50と、DC−DCコンバータ22を構成するコンバータケース51とを偏平なケースで構成し、インバータケース50の前側面にコンバータケース51を併設する。インバータケース50の上面及びコンバータケース51の上面を端子面として設定し、インバータケース50の端子面に各交流端子56a〜56c及び直流端子57a,57bを配設するとともに、コンバータケース51の端子面に直流端子83を配設することにより、各外部接続端子をパワーコントロールユニット20の上方に露呈することができ、良好な組み付け作業性を確保することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】インバータ装置21を構成するインバータケース50と、DC−DCコンバータ22を構成するコンバータケース51とを偏平なケースで構成し、インバータケース50の前側面にコンバータケース51を併設する。インバータケース50の上面及びコンバータケース51の上面を端子面として設定し、インバータケース50の端子面に各交流端子56a〜56c及び直流端子57a,57bを配設するとともに、コンバータケース51の端子面に直流端子83を配設することにより、各外部接続端子をパワーコントロールユニット20の上方に露呈することができ、良好な組み付け作業性を確保することができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ装置にコンバータが併設されたパワーコントロールユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両においては、モータジェネレータを用いた簡易ハイブリッドシステム、電動4輪駆動システム、電磁駆動弁、電動パワーステアリング、電動カーエアコン、電動ブレーキ、電動シャーシコントロール、フロントガラスの急速霜取り装置、シートヒータ等の各装備を高いクオリティで実現することを目的として、車載電気負荷の定格電圧を14Vから42Vへと昇圧化させることが検討されており、これに伴い、車載のバッテリ電圧を12Vから36Vへと昇圧化させることが検討されている。
【0003】
このような電気負荷の昇圧化への移行期間には、電気負荷の変更に伴うコストの高騰を抑制するため、これらの昇圧化は、当該昇圧化によってより多くのメリットを享受可能なものから段階的に導入されることが望ましい。この場合、昇圧化によって見込まれる最も大きなメリットの1つとして、高出力なモータジェネレータを用いて簡易ハイブリッドシステムを構築することで燃費向上等を実現することが考えられる。そこで、近年では、36Vバッテリと12Vバッテリとをともに搭載し、例えばモータジェネレータ、電磁クラッチ、及びオートマチックトランスミッション用の電動オイルポンプ等を36Vバッテリで駆動するとともに、その他の電気負荷を12Vバッテリで駆動する技術が提案され実用化されている。
【0004】
ところで、上述のように36Vバッテリと12Vバッテリとを備えた車両においては、両バッテリを狭隘なエンジンルーム内に同時に搭載することが困難となる。また、車両にモータジェネレータを採用した場合には、インバータ装置を新たに搭載する必要がある。さらに、モータジェネレータによる発電電圧を降圧させて12Vバッテリ等にも給電するためには、DC−DCコンバータ等を新たに搭載する必要がある。
【0005】
これらに対処し、例えば非特許文献1には、36Vバッテリ及び12Vバッテリをラゲージルーム内に配設するとともに、各バッテリをラゲージルーム内に配設することでエンジンルーム内に確保されたスペースに、インバータ装置の下部にDC−DCコンバータが一体的に併設されたパワーコントロールユニットを配設する技術が開示されている。
【0006】
【非特許文献1】
トヨタ自動車株式会社編集「クラウン、クラウンマジェスタ、クラウンエステート新型車解説書」2001年8月20日発行、P0−2、P1−2〜1−7、P1−12〜1−21
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の非特許文献1に開示された技術においては、インバータ装置の下部にDC−DCコンバータが併設されている2階建て構造のため、インバータ装置の内部構造的にも、インバータ装置の三相交流端子や直流端子、及びDC−DCコンバータの直流端子等の各種外部接続端子を、パワーコントロールユニットの各面に分散して配設せざるを得ず、このように各外部接続端子が分散されたパワーコントロールユニットにモータジェネレータやバッテリ等からの各種ケーブルを接続することは組み付け作業性やメンテナス性を煩雑化させる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、外部接続端子に対する良好な組み付け作業性を確保することのできるパワーコントロールユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、略直方体形状のインバータ装置と当該インバータ装置に併設する略直方体形状のコンバータを有し、異なる2つの電圧系統の電源管理を行うパワーコントロールユニットにおいて、上記コンバータを上記インバータ装置の側面に併設し、上記インバータ装置及び上記コンバータから露呈する各種外部接続端子を上記インバータ装置及び上記コンバータの上面にそれぞれ配設したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の発明によるパワーコントロールユニットは、請求項1記載の発明において、上記インバータ装置は上面に段部を有し、上記インバータ装置から露呈する上記各種外部接続端子を、上記段部によって上下に分散して配置したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3記載の発明によるパワーコントロールユニットは、請求項1または請求項2記載の発明において、上記インバータ装置から露呈する上記外部接続端子に冠設する端子カバーと、上記コンバータから露呈する上記外部接続端子に冠設する端子カバーとを一体の端子カバーで構成したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4記載の発明によるパワーコントロールユニットは、請求項3記載の発明において、上記パワーコントロールユニットのエンジン側の側部とエンジンとを区画する保護部材を、上記端子カバーに一体形成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図面は本発明の実施の一形態に係わり、図1はエンジンルーム内の要部を示す平面図、図2はエンジン及びパワーコントロールユニットを示す正面図、図3は車載の電気回路の概略構成図、図4はパワーコントロールユニットの斜視図、図5はパワーコントロールユニットの要部を示す正面図、図6は端子台の要部を示す斜視図、図7は端子台の要部断面図、図8は図7のI−I断面図、図9はパワーケーブルの要部断面図、図10はコンバータケースの背面図、図11はパワーコントロールユニットと端子カバーとを示す分解斜視図、図12は端子カバーを冠設したパワーコントロールユニットの斜視図、図13はエンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図、図14はエンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図、図15はエンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図、図16はエンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図、図17はエンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図、図13はエンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図、図14はエンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図、図20はエンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図である。
【0014】
図1において符号1は自動車等の車体を示す。本実施の形態において、車体1には、定格電圧が例えば42Vに設定されたモータジェネレータ10(後述する)や電動オイルポンプ(図示せず)等の各種42V負荷と、定格電圧が例えば14Vに設定されたランプバルブ(図示せず)やオーディオ機器(図示せず)等の各種14V負荷とが搭載されている。そして、モータジェネレータ10等の42V負荷を搭載することにより、車体1にはアイドルストップ機能等を高いクオリティで実現可能な簡易ハイブリッドシステムが構築されている。
【0015】
また、定格電圧の異なる各電気負荷にそれぞれ対応して給電を行うため、車体1には、図示しないラゲージルーム内に、36Vバッテリ5と、12Vバッテリ6とが搭載されている(図3参照)。
【0016】
図1,2に示すように、モータジェネレータ10は車体1前部のエンジンルーム2内でエンジン3に併設されており、モータジェネレータ10のプーリ11は、エアコン用コンプレッサ12のプーリ13等とともに、図示しないベルトを介してエンジン3のクランクプーリ3aに連結されている。ここで、本実施の形態において、エンジン3は車体1に対して縦置き配置される水平対向エンジンであり、モータジェネレータ10及びコンプレッサ12は、インテークマニホルド3bの前方で、エンジン3の上部に固設されている。
【0017】
また、エンジンルーム2内において、モータジェネレータ10の側方(図1の例では、左側方)には、パワーコントロールユニット20が配設されている。
【0018】
図3に示すように、パワーコントロールユニット20は、インバータ装置21と、このインバータ装置21に一体的に併設するDC−DCコンバータ22とを有して構成されている。
【0019】
インバータ装置21は、インテリジェントパワーモジュール23と、励磁回路24と、モータコントローラ25とを有し、これらがインバータケース50(後で詳述する)内に一体的に収容されて要部が構成されている。
【0020】
インテリジェントパワーモジュール23は、モータジェネレータ10内に配設されたステータコイル15のU相、V相、及びW相に大容量のパワーケーブル(電源ケーブル)27a〜27cを介して外部接続されているとともに、36Vバッテリ5に電力線31a,31bを介して外部接続され、モータジェネレータ10と36Vバッテリ5との間の交流/直流変換等を行うようになっている。
【0021】
また、励磁回路24は、モータジェネレータ10内に配設されたロータコイル16に電力線28を介して外部接続され、ロータコイル16に励磁電流を供給するようになっている。
【0022】
また、モータコントローラ25は、モータジェネレータ10内に配設された回転センサ17や温度センサ18等にハーネス29を介して接続されているとともに、図示しないアイドルストップ制御装置等にハーネス30(図4参照)を介して外部接続され、各種入力信号に基づいて、インテリジェントパワーモジュール23の位相制御や励磁回路24の励磁電流制御等を行うようになっている。
【0023】
DC−DCコンバータ22は、コンバータ本体26を有し、このコンバータ本体26が、インバータケース50に一体的に併設するコンバータケース51(後で詳述する)内に収容されて要部が構成されている。
【0024】
コンバータ本体26は、36Vの直流電圧を12Vの直流電圧に降圧するためのもので、インバータケース50の内部でインテリジェントパワーモジュール23に接続されているとともに、電力線32を介して12Vバッテリ6に外部接続されている。
【0025】
そして、このような構成によるパワーコントロールユニット20は、アイドルストップ制御装置等からの信号に基づく制御を行うことで、モータジェネレータ10を発電機或いはモータとして選択的に機能させる。すなわち、走行時等において、インバータ装置21は、スイッチング制御等による充電圧及び発電量の調整を行うことでモータジェネレータ10を発電機として機能させ、36Vバッテリ5に対して電気エネルギーの充電を行う。また、インバータ装置21は、DC−DCコンバータ22を介して、12Vバッテリ6に対しても電気エネルギーの充電を行う。その一方で、エンジン3のアイドルストップからの再始動時等において、インバータ装置21は、36Vバッテリ5からの給電制御を行うことでモータジェネレータ10をモータとして機能させる。
【0026】
次に、本実施の形態におけるパワーコントロールユニット20の詳細な構造について説明する。
【0027】
図1,4,5に示すように、インバータケース50は、車幅方向に沿った偏平な略直方体形状をなす金属ケースで構成されている。このインバータケース50の後側面には、上述のインテリジェントパワーモジュール23、励磁回路24、及びモータコントローラ25等を内部に組み付けるための作業用開口部(図示せず)が開口されており、この作業用開口部はインバータケースカバー55(図1参照)によって閉塞されている。
【0028】
また、インバータケース50の上面は各種外部接続端子を外部に露呈するための端子面として構成され、この端子面上には、三相の交流端子56a〜56cと、直流端子57a,57bとが配設されている。各交流端子56a〜56cは、インバータケース50内部でインテリジェントパワーモジュール23に接続されており、インバータケース50外部で各パワーケーブル27a〜27cを介してモータジェネレータ10に接続されるようになっている。一方、各直流端子57a,57bは、インバータケース50内部でインテリジェントパワーモジュール23に接続されており、インバータケース50外部で各電力線31a,31bを介して36Vバッテリ5に接続されるようになっている。さらに、インバータケース50の端子面上には、インバータケース50内部で励磁回路24に接続する電力線28やモータコントローラ25に接続するハーネス29,30を外部に延出するためのガイド部材58が設けられている。
【0029】
具体的に説明すると、図6〜図8に示すように、各交流端子56a〜56cは、インバータケース50の上面に固設された端子台59上に配設されている。
【0030】
端子台59は、例えば樹脂成型部材によって構成されるもので、3方を囲繞する壁部60を上面に有して構成されている。また、壁部60の内側には、一対のリブ61が立設されており、これら壁部60及びリブ61によって、端子台59の上面には、各パワーケーブル27a〜27cの端部を個別に配線する袋状のケーブルレーン62a〜62cが区画形成されている。そして、これらケーブルレーン62a〜62cによって端子台59上で各パワーケーブル27a〜27cを別個に配線することにより、万が一端子台59の内部に水滴等が進入した場合にも、各パワーケーブル27a〜27cの短絡を効果的に防止することができる。
【0031】
また、端子台59の上面において、各ケーブルレーン62a〜62cの奥部には端子接続面63a〜63cが形成されており、これら端子接続面63a〜63c上には各相の交流端子56a〜56cがそれぞれ配設されている。また、各端子接続面63a〜63c上には、各交流端子56a〜56cに近接する位置に、排水孔64が穿設されている。さらに、各ケーブルレーン62a〜62cには、当該ケーブルレーン62a〜62cの解放端側で端子接続面63a〜63cよりも下方に凹設する段部65が設けられており、この段部65によって形成される面上には、各端子接続面63a〜63c側から各ケーブルレーン62a〜62cの開放端側に沿って下方に傾斜する排水用の傾斜面66が設けられている。
【0032】
一方、端子台59の底面は、インバータケース50の端子面上に開口された開口部67を通じてインバータケース50内に臨まされており、端子台59の底面からはインテリジェントパワーモジュール23に接続される各相のバスバー68a〜68cが露呈されている。各バスバー68a〜68cの一部は端子台59内部に埋設されており、これら各バスバー68a〜68cは、端子台59内部で各交流端子56a〜56cに接続されている。
【0033】
また、図6,7に示すように、インバータケース50の上面には、各ケーブルレーン62a〜62cの解放端に対向するリング部材69a〜69cが立設されており、各パワーケーブル27a〜27cは、各ケーブルレーン62a〜62c上に配線されて端子接続される際に、その中途がリング部材69a〜69cに挿通保持されるようになっている。
【0034】
ここで、図9に示すように、本実施の形態において、各交流端子56a〜56cに接続される各パワーケーブル27a〜27cはシールド部材(シールド編組)が巻装された周知のシールドケーブルで構成されており、各パワーケーブル27a〜27cの端部近傍には、シールド部材をかしめるフェルール70が固設されている。そして、各パワーケーブル27a〜27cが各端子接続面63a〜63c上でボルト締結によって各交流端子56a〜56cに接続される際に、各フェルール70が各リング部材69a〜69cに係止されることにより、各パワーケーブル27a〜27cのシールド部材が容易に接地されるようになっている。
【0035】
その際、図2に示すように、各パワーケーブル27a〜27cは、上下に所定の撓みを有した状態で、モータジェネレータ10とパワーコントロールユニット20との間を接続する。そして、このように各パワーケーブル27a〜27cに撓みを持たせることにより、車体1の振動やエンジン3の振動等がモータジェネレータ10とパワーコントロールユニット20との間で伝達されることが防止され、振動等に起因するパワーコントロールユニット20等の破損が防止されると共に、車室内への騒音を低減できる。なお、本実施の形態において、例えば図13乃至図20に示すように、パワーコントロールユニット20を、各種方法によって撓ませることが可能である。すなわち、例えば図13,14に示すように、パワーコントロールユニット20とモータジェネレータ10との相対位置を車体1の前後にずらすことにより、パワーケーブル27a〜27cを前後に撓ませることが可能である。また、例えば図15,16に示すように、パワーコントロールユニット20を所定に回転させて配置することにより、パワーケーブル27a〜27cを前後に撓ませることが可能である。また、例えば図17,18に示すように、端子台59のインバータケース50に対する取付方向を変更することにより、パワーケーブル27a〜27cを前後に撓ませることが可能である。さらに、例えば図19,20に示すように、端子台59のインバータケース50に対する取付方向を変更するとともに、パワーコントロールユニット20を所定に回転させて配置することにより、パワーケーブル27a〜27cを前後に撓ませることも可能である。
【0036】
また、図4に示すように、インバータケース50の上面において、モータジェネレータ10側の端部には下方に凹設する段部75が設けられており、各直流端子57a,57bは段部75上に配設されている。なお、図中符号76は、高電位側の直流端子57aに冠設する端子カバーを示す。
【0037】
このように、インバータ装置21においては、各交流端子56a〜56c及び各直流端子57a,57bをインバータケース50の上面にともに配設することにより、エンジンルーム2内で行われる各交流端子56a〜56cに対する各パワーケーブル27a〜27cの取付作業性やメンテナンス性、及び各直流端子57a,57bに対する各電力線31a,31bの取付作業性やメンテナンス性等を向上することができる。その際、インバータケース50の端子面上に設けた段部75に各直流端子57a,57bを配設することにより、インバータケース50の狭隘な端子面上に、各交流端子56a〜56cと各直流端子57a,57bとを上下に分散して効率よく配設することができる。また、各交流端子56a〜56cと各直流端子57a,57bをインバータケース50の上面で上下に分散して配設することにより、各パワーケーブル27a〜27cと各電力線31a,31bとの相互干渉を効果的に防止することができる。
【0038】
図1,4,5に示すように、コンバータケース51はインバータケース50の前側面に接合されるもので、コンバータケース51は、車幅方向に沿った偏平な略直方体形状をなす金属ケースで構成されている。なお、本実施の形態においては、偏平なインバータケース50の側面(前側面)に偏平なコンバータケース51を接合することにより、パワーコントロールユニット20の外観形状を略直方体形状とすることができ、例えば12Vバッテリのみを搭載する既存車両のバッテリトレイに載置可能な大きさに形成することができる。
【0039】
図11に示すように、コンバータケース51の前側面には、上述のコンバータ本体26を内部に組み付けるための作業用開口部80が開口されており、この作業用開口部80は、例えば、内面に絶縁シート82が貼付された板金製のコンバータケースカバー81(図4,5参照)によって閉塞されている。
【0040】
また、コンバータケース51の上面は外部接続端子を外部に露呈するための端子面として構成され、この端子面上には、各交流端子56a〜56cに近接する位置に、直流端子83が配設されている。直流端子83は、コンバータケース51内部でコンバータ本体に接続されており、コンバータケース51外部で電力線32を介して12Vバッテリ6に接続されるようになっている。
【0041】
この場合、インバータケース50の側面(前側面)にコンバータケース51を併設することにより、コンバータケース51の上面に直流端子83を露呈して配設することが容易となる。すなわち、インバータケース50から露呈する各交流端子56a〜56c及び各直流端子57a,57bのみならず、コンバータケース51から露呈する直流端子83においても、パワーコントロールユニット20の上面に配設することができる。そして、直流端子83をコンバータケース51の上面に配設することにより、エンジンルーム2内で行われる直流端子83に対する電力線32の取付作業性やメンテナンス性等を向上することができる。
【0042】
また、直流端子83をインバータケース50上の各交流端子56a〜56cに近接させることにより、各交流端子56a〜56cに冠設する端子カバーと直流端子83に冠設する端子カバーとを一体の端子カバー71(図11,12参照)で構成することができ、部品点数の削減を効果的に実現することができる。この場合、端子カバー71は、インバータケース50からコンバータケース51にかけて架設されるので、パワーコントロールユニット20に対する接合範囲を拡張することができ、パワーコントロールユニット20に対する取付強度を向上させることができる。従って、このように取付強度が向上された端子カバー71に対し、インバータ装置21やDC−DCコンバータ22の側部をエンジン3の熱害等から保護するための保護部材72を一体形成すれば、端子カバー71を保護部材72に対する支持部材として兼用させることができ、部品点数の増加を招くことなく有効な熱害対策等を実現することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、インバータ装置及びコンバータの外部接続端子を上面に露呈することができ、各種外部接続端子に対する良好な組み付け作業性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンルーム内の要部を示す平面図
【図2】エンジン及びパワーコントロールユニットを示す正面図
【図3】車載の電気回路の概略構成図
【図4】パワーコントロールユニットの斜視図
【図5】パワーコントロールユニットの要部を示す正面図
【図6】端子台の要部を示す斜視図
【図7】端子台の要部断面図
【図8】図7のI−I断面図
【図9】パワーケーブルの要部断面図
【図10】コンバータケースの背面図
【図11】パワーコントロールユニットと端子カバーとを示す分解斜視図
【図12】端子カバーを冠設したパワーコントロールユニットの斜視図
【図13】エンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図
【図14】エンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図
【図15】エンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図
【図16】エンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図
【図17】エンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図
【図18】エンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図
【図19】エンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図
【図20】エンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図
【符号の説明】
5 … 36Vバッテリ
6 … 12Vバッテリ
20 … パワーコントロールユニット
21 … インバータ装置
22 … DC−DCコンバータ(コンバータ)
50 … インバータケース
51 … コンバータケース
56a〜56c … 交流端子(外部接続端子)
57a,57b … 直流端子(外部接続端子)
71 … 端子カバー
72 … 保護部材
75 … 段部
83 … 直流端子(外部接続端子)
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ装置にコンバータが併設されたパワーコントロールユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両においては、モータジェネレータを用いた簡易ハイブリッドシステム、電動4輪駆動システム、電磁駆動弁、電動パワーステアリング、電動カーエアコン、電動ブレーキ、電動シャーシコントロール、フロントガラスの急速霜取り装置、シートヒータ等の各装備を高いクオリティで実現することを目的として、車載電気負荷の定格電圧を14Vから42Vへと昇圧化させることが検討されており、これに伴い、車載のバッテリ電圧を12Vから36Vへと昇圧化させることが検討されている。
【0003】
このような電気負荷の昇圧化への移行期間には、電気負荷の変更に伴うコストの高騰を抑制するため、これらの昇圧化は、当該昇圧化によってより多くのメリットを享受可能なものから段階的に導入されることが望ましい。この場合、昇圧化によって見込まれる最も大きなメリットの1つとして、高出力なモータジェネレータを用いて簡易ハイブリッドシステムを構築することで燃費向上等を実現することが考えられる。そこで、近年では、36Vバッテリと12Vバッテリとをともに搭載し、例えばモータジェネレータ、電磁クラッチ、及びオートマチックトランスミッション用の電動オイルポンプ等を36Vバッテリで駆動するとともに、その他の電気負荷を12Vバッテリで駆動する技術が提案され実用化されている。
【0004】
ところで、上述のように36Vバッテリと12Vバッテリとを備えた車両においては、両バッテリを狭隘なエンジンルーム内に同時に搭載することが困難となる。また、車両にモータジェネレータを採用した場合には、インバータ装置を新たに搭載する必要がある。さらに、モータジェネレータによる発電電圧を降圧させて12Vバッテリ等にも給電するためには、DC−DCコンバータ等を新たに搭載する必要がある。
【0005】
これらに対処し、例えば非特許文献1には、36Vバッテリ及び12Vバッテリをラゲージルーム内に配設するとともに、各バッテリをラゲージルーム内に配設することでエンジンルーム内に確保されたスペースに、インバータ装置の下部にDC−DCコンバータが一体的に併設されたパワーコントロールユニットを配設する技術が開示されている。
【0006】
【非特許文献1】
トヨタ自動車株式会社編集「クラウン、クラウンマジェスタ、クラウンエステート新型車解説書」2001年8月20日発行、P0−2、P1−2〜1−7、P1−12〜1−21
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の非特許文献1に開示された技術においては、インバータ装置の下部にDC−DCコンバータが併設されている2階建て構造のため、インバータ装置の内部構造的にも、インバータ装置の三相交流端子や直流端子、及びDC−DCコンバータの直流端子等の各種外部接続端子を、パワーコントロールユニットの各面に分散して配設せざるを得ず、このように各外部接続端子が分散されたパワーコントロールユニットにモータジェネレータやバッテリ等からの各種ケーブルを接続することは組み付け作業性やメンテナス性を煩雑化させる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、外部接続端子に対する良好な組み付け作業性を確保することのできるパワーコントロールユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、略直方体形状のインバータ装置と当該インバータ装置に併設する略直方体形状のコンバータを有し、異なる2つの電圧系統の電源管理を行うパワーコントロールユニットにおいて、上記コンバータを上記インバータ装置の側面に併設し、上記インバータ装置及び上記コンバータから露呈する各種外部接続端子を上記インバータ装置及び上記コンバータの上面にそれぞれ配設したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の発明によるパワーコントロールユニットは、請求項1記載の発明において、上記インバータ装置は上面に段部を有し、上記インバータ装置から露呈する上記各種外部接続端子を、上記段部によって上下に分散して配置したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3記載の発明によるパワーコントロールユニットは、請求項1または請求項2記載の発明において、上記インバータ装置から露呈する上記外部接続端子に冠設する端子カバーと、上記コンバータから露呈する上記外部接続端子に冠設する端子カバーとを一体の端子カバーで構成したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4記載の発明によるパワーコントロールユニットは、請求項3記載の発明において、上記パワーコントロールユニットのエンジン側の側部とエンジンとを区画する保護部材を、上記端子カバーに一体形成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図面は本発明の実施の一形態に係わり、図1はエンジンルーム内の要部を示す平面図、図2はエンジン及びパワーコントロールユニットを示す正面図、図3は車載の電気回路の概略構成図、図4はパワーコントロールユニットの斜視図、図5はパワーコントロールユニットの要部を示す正面図、図6は端子台の要部を示す斜視図、図7は端子台の要部断面図、図8は図7のI−I断面図、図9はパワーケーブルの要部断面図、図10はコンバータケースの背面図、図11はパワーコントロールユニットと端子カバーとを示す分解斜視図、図12は端子カバーを冠設したパワーコントロールユニットの斜視図、図13はエンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図、図14はエンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図、図15はエンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図、図16はエンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図、図17はエンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図、図13はエンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図、図14はエンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図、図20はエンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図である。
【0014】
図1において符号1は自動車等の車体を示す。本実施の形態において、車体1には、定格電圧が例えば42Vに設定されたモータジェネレータ10(後述する)や電動オイルポンプ(図示せず)等の各種42V負荷と、定格電圧が例えば14Vに設定されたランプバルブ(図示せず)やオーディオ機器(図示せず)等の各種14V負荷とが搭載されている。そして、モータジェネレータ10等の42V負荷を搭載することにより、車体1にはアイドルストップ機能等を高いクオリティで実現可能な簡易ハイブリッドシステムが構築されている。
【0015】
また、定格電圧の異なる各電気負荷にそれぞれ対応して給電を行うため、車体1には、図示しないラゲージルーム内に、36Vバッテリ5と、12Vバッテリ6とが搭載されている(図3参照)。
【0016】
図1,2に示すように、モータジェネレータ10は車体1前部のエンジンルーム2内でエンジン3に併設されており、モータジェネレータ10のプーリ11は、エアコン用コンプレッサ12のプーリ13等とともに、図示しないベルトを介してエンジン3のクランクプーリ3aに連結されている。ここで、本実施の形態において、エンジン3は車体1に対して縦置き配置される水平対向エンジンであり、モータジェネレータ10及びコンプレッサ12は、インテークマニホルド3bの前方で、エンジン3の上部に固設されている。
【0017】
また、エンジンルーム2内において、モータジェネレータ10の側方(図1の例では、左側方)には、パワーコントロールユニット20が配設されている。
【0018】
図3に示すように、パワーコントロールユニット20は、インバータ装置21と、このインバータ装置21に一体的に併設するDC−DCコンバータ22とを有して構成されている。
【0019】
インバータ装置21は、インテリジェントパワーモジュール23と、励磁回路24と、モータコントローラ25とを有し、これらがインバータケース50(後で詳述する)内に一体的に収容されて要部が構成されている。
【0020】
インテリジェントパワーモジュール23は、モータジェネレータ10内に配設されたステータコイル15のU相、V相、及びW相に大容量のパワーケーブル(電源ケーブル)27a〜27cを介して外部接続されているとともに、36Vバッテリ5に電力線31a,31bを介して外部接続され、モータジェネレータ10と36Vバッテリ5との間の交流/直流変換等を行うようになっている。
【0021】
また、励磁回路24は、モータジェネレータ10内に配設されたロータコイル16に電力線28を介して外部接続され、ロータコイル16に励磁電流を供給するようになっている。
【0022】
また、モータコントローラ25は、モータジェネレータ10内に配設された回転センサ17や温度センサ18等にハーネス29を介して接続されているとともに、図示しないアイドルストップ制御装置等にハーネス30(図4参照)を介して外部接続され、各種入力信号に基づいて、インテリジェントパワーモジュール23の位相制御や励磁回路24の励磁電流制御等を行うようになっている。
【0023】
DC−DCコンバータ22は、コンバータ本体26を有し、このコンバータ本体26が、インバータケース50に一体的に併設するコンバータケース51(後で詳述する)内に収容されて要部が構成されている。
【0024】
コンバータ本体26は、36Vの直流電圧を12Vの直流電圧に降圧するためのもので、インバータケース50の内部でインテリジェントパワーモジュール23に接続されているとともに、電力線32を介して12Vバッテリ6に外部接続されている。
【0025】
そして、このような構成によるパワーコントロールユニット20は、アイドルストップ制御装置等からの信号に基づく制御を行うことで、モータジェネレータ10を発電機或いはモータとして選択的に機能させる。すなわち、走行時等において、インバータ装置21は、スイッチング制御等による充電圧及び発電量の調整を行うことでモータジェネレータ10を発電機として機能させ、36Vバッテリ5に対して電気エネルギーの充電を行う。また、インバータ装置21は、DC−DCコンバータ22を介して、12Vバッテリ6に対しても電気エネルギーの充電を行う。その一方で、エンジン3のアイドルストップからの再始動時等において、インバータ装置21は、36Vバッテリ5からの給電制御を行うことでモータジェネレータ10をモータとして機能させる。
【0026】
次に、本実施の形態におけるパワーコントロールユニット20の詳細な構造について説明する。
【0027】
図1,4,5に示すように、インバータケース50は、車幅方向に沿った偏平な略直方体形状をなす金属ケースで構成されている。このインバータケース50の後側面には、上述のインテリジェントパワーモジュール23、励磁回路24、及びモータコントローラ25等を内部に組み付けるための作業用開口部(図示せず)が開口されており、この作業用開口部はインバータケースカバー55(図1参照)によって閉塞されている。
【0028】
また、インバータケース50の上面は各種外部接続端子を外部に露呈するための端子面として構成され、この端子面上には、三相の交流端子56a〜56cと、直流端子57a,57bとが配設されている。各交流端子56a〜56cは、インバータケース50内部でインテリジェントパワーモジュール23に接続されており、インバータケース50外部で各パワーケーブル27a〜27cを介してモータジェネレータ10に接続されるようになっている。一方、各直流端子57a,57bは、インバータケース50内部でインテリジェントパワーモジュール23に接続されており、インバータケース50外部で各電力線31a,31bを介して36Vバッテリ5に接続されるようになっている。さらに、インバータケース50の端子面上には、インバータケース50内部で励磁回路24に接続する電力線28やモータコントローラ25に接続するハーネス29,30を外部に延出するためのガイド部材58が設けられている。
【0029】
具体的に説明すると、図6〜図8に示すように、各交流端子56a〜56cは、インバータケース50の上面に固設された端子台59上に配設されている。
【0030】
端子台59は、例えば樹脂成型部材によって構成されるもので、3方を囲繞する壁部60を上面に有して構成されている。また、壁部60の内側には、一対のリブ61が立設されており、これら壁部60及びリブ61によって、端子台59の上面には、各パワーケーブル27a〜27cの端部を個別に配線する袋状のケーブルレーン62a〜62cが区画形成されている。そして、これらケーブルレーン62a〜62cによって端子台59上で各パワーケーブル27a〜27cを別個に配線することにより、万が一端子台59の内部に水滴等が進入した場合にも、各パワーケーブル27a〜27cの短絡を効果的に防止することができる。
【0031】
また、端子台59の上面において、各ケーブルレーン62a〜62cの奥部には端子接続面63a〜63cが形成されており、これら端子接続面63a〜63c上には各相の交流端子56a〜56cがそれぞれ配設されている。また、各端子接続面63a〜63c上には、各交流端子56a〜56cに近接する位置に、排水孔64が穿設されている。さらに、各ケーブルレーン62a〜62cには、当該ケーブルレーン62a〜62cの解放端側で端子接続面63a〜63cよりも下方に凹設する段部65が設けられており、この段部65によって形成される面上には、各端子接続面63a〜63c側から各ケーブルレーン62a〜62cの開放端側に沿って下方に傾斜する排水用の傾斜面66が設けられている。
【0032】
一方、端子台59の底面は、インバータケース50の端子面上に開口された開口部67を通じてインバータケース50内に臨まされており、端子台59の底面からはインテリジェントパワーモジュール23に接続される各相のバスバー68a〜68cが露呈されている。各バスバー68a〜68cの一部は端子台59内部に埋設されており、これら各バスバー68a〜68cは、端子台59内部で各交流端子56a〜56cに接続されている。
【0033】
また、図6,7に示すように、インバータケース50の上面には、各ケーブルレーン62a〜62cの解放端に対向するリング部材69a〜69cが立設されており、各パワーケーブル27a〜27cは、各ケーブルレーン62a〜62c上に配線されて端子接続される際に、その中途がリング部材69a〜69cに挿通保持されるようになっている。
【0034】
ここで、図9に示すように、本実施の形態において、各交流端子56a〜56cに接続される各パワーケーブル27a〜27cはシールド部材(シールド編組)が巻装された周知のシールドケーブルで構成されており、各パワーケーブル27a〜27cの端部近傍には、シールド部材をかしめるフェルール70が固設されている。そして、各パワーケーブル27a〜27cが各端子接続面63a〜63c上でボルト締結によって各交流端子56a〜56cに接続される際に、各フェルール70が各リング部材69a〜69cに係止されることにより、各パワーケーブル27a〜27cのシールド部材が容易に接地されるようになっている。
【0035】
その際、図2に示すように、各パワーケーブル27a〜27cは、上下に所定の撓みを有した状態で、モータジェネレータ10とパワーコントロールユニット20との間を接続する。そして、このように各パワーケーブル27a〜27cに撓みを持たせることにより、車体1の振動やエンジン3の振動等がモータジェネレータ10とパワーコントロールユニット20との間で伝達されることが防止され、振動等に起因するパワーコントロールユニット20等の破損が防止されると共に、車室内への騒音を低減できる。なお、本実施の形態において、例えば図13乃至図20に示すように、パワーコントロールユニット20を、各種方法によって撓ませることが可能である。すなわち、例えば図13,14に示すように、パワーコントロールユニット20とモータジェネレータ10との相対位置を車体1の前後にずらすことにより、パワーケーブル27a〜27cを前後に撓ませることが可能である。また、例えば図15,16に示すように、パワーコントロールユニット20を所定に回転させて配置することにより、パワーケーブル27a〜27cを前後に撓ませることが可能である。また、例えば図17,18に示すように、端子台59のインバータケース50に対する取付方向を変更することにより、パワーケーブル27a〜27cを前後に撓ませることが可能である。さらに、例えば図19,20に示すように、端子台59のインバータケース50に対する取付方向を変更するとともに、パワーコントロールユニット20を所定に回転させて配置することにより、パワーケーブル27a〜27cを前後に撓ませることも可能である。
【0036】
また、図4に示すように、インバータケース50の上面において、モータジェネレータ10側の端部には下方に凹設する段部75が設けられており、各直流端子57a,57bは段部75上に配設されている。なお、図中符号76は、高電位側の直流端子57aに冠設する端子カバーを示す。
【0037】
このように、インバータ装置21においては、各交流端子56a〜56c及び各直流端子57a,57bをインバータケース50の上面にともに配設することにより、エンジンルーム2内で行われる各交流端子56a〜56cに対する各パワーケーブル27a〜27cの取付作業性やメンテナンス性、及び各直流端子57a,57bに対する各電力線31a,31bの取付作業性やメンテナンス性等を向上することができる。その際、インバータケース50の端子面上に設けた段部75に各直流端子57a,57bを配設することにより、インバータケース50の狭隘な端子面上に、各交流端子56a〜56cと各直流端子57a,57bとを上下に分散して効率よく配設することができる。また、各交流端子56a〜56cと各直流端子57a,57bをインバータケース50の上面で上下に分散して配設することにより、各パワーケーブル27a〜27cと各電力線31a,31bとの相互干渉を効果的に防止することができる。
【0038】
図1,4,5に示すように、コンバータケース51はインバータケース50の前側面に接合されるもので、コンバータケース51は、車幅方向に沿った偏平な略直方体形状をなす金属ケースで構成されている。なお、本実施の形態においては、偏平なインバータケース50の側面(前側面)に偏平なコンバータケース51を接合することにより、パワーコントロールユニット20の外観形状を略直方体形状とすることができ、例えば12Vバッテリのみを搭載する既存車両のバッテリトレイに載置可能な大きさに形成することができる。
【0039】
図11に示すように、コンバータケース51の前側面には、上述のコンバータ本体26を内部に組み付けるための作業用開口部80が開口されており、この作業用開口部80は、例えば、内面に絶縁シート82が貼付された板金製のコンバータケースカバー81(図4,5参照)によって閉塞されている。
【0040】
また、コンバータケース51の上面は外部接続端子を外部に露呈するための端子面として構成され、この端子面上には、各交流端子56a〜56cに近接する位置に、直流端子83が配設されている。直流端子83は、コンバータケース51内部でコンバータ本体に接続されており、コンバータケース51外部で電力線32を介して12Vバッテリ6に接続されるようになっている。
【0041】
この場合、インバータケース50の側面(前側面)にコンバータケース51を併設することにより、コンバータケース51の上面に直流端子83を露呈して配設することが容易となる。すなわち、インバータケース50から露呈する各交流端子56a〜56c及び各直流端子57a,57bのみならず、コンバータケース51から露呈する直流端子83においても、パワーコントロールユニット20の上面に配設することができる。そして、直流端子83をコンバータケース51の上面に配設することにより、エンジンルーム2内で行われる直流端子83に対する電力線32の取付作業性やメンテナンス性等を向上することができる。
【0042】
また、直流端子83をインバータケース50上の各交流端子56a〜56cに近接させることにより、各交流端子56a〜56cに冠設する端子カバーと直流端子83に冠設する端子カバーとを一体の端子カバー71(図11,12参照)で構成することができ、部品点数の削減を効果的に実現することができる。この場合、端子カバー71は、インバータケース50からコンバータケース51にかけて架設されるので、パワーコントロールユニット20に対する接合範囲を拡張することができ、パワーコントロールユニット20に対する取付強度を向上させることができる。従って、このように取付強度が向上された端子カバー71に対し、インバータ装置21やDC−DCコンバータ22の側部をエンジン3の熱害等から保護するための保護部材72を一体形成すれば、端子カバー71を保護部材72に対する支持部材として兼用させることができ、部品点数の増加を招くことなく有効な熱害対策等を実現することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、インバータ装置及びコンバータの外部接続端子を上面に露呈することができ、各種外部接続端子に対する良好な組み付け作業性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンルーム内の要部を示す平面図
【図2】エンジン及びパワーコントロールユニットを示す正面図
【図3】車載の電気回路の概略構成図
【図4】パワーコントロールユニットの斜視図
【図5】パワーコントロールユニットの要部を示す正面図
【図6】端子台の要部を示す斜視図
【図7】端子台の要部断面図
【図8】図7のI−I断面図
【図9】パワーケーブルの要部断面図
【図10】コンバータケースの背面図
【図11】パワーコントロールユニットと端子カバーとを示す分解斜視図
【図12】端子カバーを冠設したパワーコントロールユニットの斜視図
【図13】エンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図
【図14】エンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図
【図15】エンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図
【図16】エンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図
【図17】エンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図
【図18】エンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図
【図19】エンジンルーム内の要部の変形例を示す平面図
【図20】エンジン及びパワーコントロールユニットの変形例を示す正面図
【符号の説明】
5 … 36Vバッテリ
6 … 12Vバッテリ
20 … パワーコントロールユニット
21 … インバータ装置
22 … DC−DCコンバータ(コンバータ)
50 … インバータケース
51 … コンバータケース
56a〜56c … 交流端子(外部接続端子)
57a,57b … 直流端子(外部接続端子)
71 … 端子カバー
72 … 保護部材
75 … 段部
83 … 直流端子(外部接続端子)
Claims (4)
- 略直方体形状のインバータ装置と当該インバータ装置に併設する略直方体形状のコンバータを有し、異なる2つの電圧系統の電源管理を行うパワーコントロールユニットにおいて、
上記コンバータを上記インバータ装置の側面に併設し、
上記インバータ装置及び上記コンバータから露呈する各種外部接続端子を上記インバータ装置及び上記コンバータの上面にそれぞれ配設したことを特徴とするパワーコントロールユニット。 - 上記インバータ装置は上面に段部を有し、
上記インバータ装置から露呈する上記各種外部接続端子を、上記段部によって上下に分散して配置したことを特徴とする請求項1記載のパワーコントロールユニット。 - 上記インバータ装置から露呈する上記外部接続端子に冠設する端子カバーと、上記コンバータから露呈する上記外部接続端子に冠設する端子カバーとを一体の端子カバーで構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のパワーコントロールユニット。
- 上記パワーコントロールユニットのエンジン側の側部とエンジンとを区画する保護部材を、上記端子カバーに一体形成したことを特徴とする請求項3記載のパワーコントロールユニット。
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