JP2004304301A - 情報処理システム、端末装置およびプログラム - Google Patents

情報処理システム、端末装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】メイン端末装置が特定の機能を実現するにあたり、サブ端末装置と連携できるようにする。
【解決手段】メイン端末装置であるFAXが、RAMの共有領域に変換依頼データを記録すると(s130)、サブ端末装置であるPCは、FAX側に記録された変換依頼データに基づき変換画像データを生成してFAX側に記録する。そして、FAXが、PC側から記録された変換画像データを読み出して送信する(s170,s180)。このように、FAXは、RAMの共有領域に依頼データを記録するだけでPCに処理の一部を実行させることができ、これにより、PCと連携して変換画像データを送信することができる。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メイン端末装置とサブ端末装置とが連携して特定の機能を実現する情報処理システム、この情報処理システムを構成する端末装置、および、これらにおいて利用可能なプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電話機,ファクシミリ,プリンタ,スキャナなどの機能を有する端末装置が利用されている。
この種の端末装置の多くは、この端末装置をメイン端末とした場合に、メイン端末装置とデータ通信可能に接続されたサブ端末装置からの指令により上述の機能を実現するための処理を実行するように構成されている。
【0003】
この種のメイン端末としては、例えば、サブ端末装置(パーソナルコンピュータPC)がサブ端末装置自身に接続された外部記録装置として認識可能な記録部(RAM12)を備え、サブ端末装置側から記録部にデータが記録された際、このデータを処理する際に利用すべき機能を利用者に選択させ、選択された機能によりデータを処理するといったメイン端末装置(ファクシミリ装置A)などがある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−282694号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のメイン端末装置であれば、記録部を経由することにより容易にサブ端末装置との間でデータをやりとりできる。そのため、特定の機能を実現するにあたりサブ端末装置との間でデータをやりとりしながら連携して処理を実行できれば、メイン端末装置側の処理に対する負荷の軽減が期待できる。
【0006】
そのため、近年、メイン端末装置が特定の機能を実現するにあたり、サブ端末装置と連携するための技術が要望されていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、メイン端末装置が特定の機能を実現するにあたり、サブ端末装置と連携できるようにするための技術を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するため請求項1に記載の情報処理システムは、 少なくとも1以上の機能を有するメイン端末装置、および、このメイン端末装置とデータ通信可能に接続されたサブ端末装置からなるシステムである。
【0008】
この情報処理システムにおいて、メイン端末装置は、データ記録手段, 依頼記録指令手段および機能実現手段を備えている。これらのうち、データ記録手段は、各種データを記録可能であり、サブ端末装置がサブ端末装置自身に接続された外部記録装置として認識可能な手段である。また、依頼記録指令手段は、外部からの指令を受けて、1以上の機能のうちいずれかの機能を実現するために必要な実現データの生成をサブ端末装置に依頼するための依頼データをデータ記録手段に記録させる。そして、機能実現手段は、依頼記録指令手段による指令の後、サブ端末装置から実現データが送信されてきた際に、この実現データに基づいて機能を実現するための処理を行う。
【0009】
一方、サブ端末装置は、データ生成手段および実現送信手段を備えている。これらのうち、データ生成手段は、メイン端末装置の備えるデータ記録手段に依頼データが記録された際に、この依頼データで生成を依頼された実現データを生成する。そして、実現送信手段は、データ生成手段により生成された実現データを、メイン端末装置へ送信する。
【0010】
このように構成された情報処理システムによれば、メイン端末装置がメイン端末装置自身の備えるデータ記録手段に依頼データを記録すると、サブ端末装置がメイン端末装置側に記録された依頼データに基づき実現データを生成してメイン端末装置側へ送信する。そして、メイン端末装置は、サブ端末装置側から送信されてきた実現データに基づいて、特定の機能を実現するための処理を実行する。このように、メイン端末装置は、メイン端末装置自身の備えるデータ記録手段に依頼データを記録するだけでサブ端末装置に処理の一部を実行させることができ、これにより、サブ端末装置と連携して特定の機能を実現することができる。
【0011】
なお、上述したメイン端末装置の備えるデータ記録手段は、端末装置が該端末装置に接続された外部記録装置、つまり、OS(operating system)に標準で備えられた機能(ファイルシステム)を介してアクセス(データの記録および削除)できる記録領域として認識できる手段である。
【0012】
また、サブ端末装置の備える実現送信手段は、実現データをメイン端末装置側へ送信する手段であって、例えば、端末装置からプリンタへ印刷すべき画像データを送信する際に使用されるデバイスドライバのように、両端末装置間でデータのやりとりを行うための処理手順を定めて(組み込んで)おき、この処理手順に従って実現データをやりとりするように構成すればよい。
【0013】
また、実現送信手段は、メイン端末装置の備えるデータ記録手段を介して画像データをやりとりするように構成してもよい。具体的な例としては、例えば、請求項2に記載のように、サブ端末装置における実現送信手段は、データ生成手段により生成された実現データをメイン端末装置へ送信してメイン端末装置の備えるデータ記録手段に記録させて、メイン端末装置における機能実現手段は、サブ端末装置から送信されてきた実現データがデータ記録手段に記録された際に、この実現データに基づいて機能を実現するための処理を行う、ように構成すればよい。
【0014】
このように構成された情報処理システムによれば、サブ端末装置側から、メイン端末装置の備えるデータ記録手段に実現データを記録させるだけで、特定の機能を実現するための処理をメイン端末装置に行わせる(続行させる)ことができる。そのため、両端末装置間でデータのやりとりを行うための処理手順を定めておく必要がない。
【0015】
なお、上述したサブ端末装置において、データ生成手段は、メイン端末側(データ記録手段)に依頼データが記録された際、この依頼データで作成を依頼された実現データを生成する。そのため、メイン端末装置側に依頼データがそのまま記録されていると、同一の依頼データにより同じ実現データが複数生成されて同じ機能が繰り返し実行されてしまう恐れがある。そこで、このような同じ機能の不用意な繰り返しを防止するために、以下に示すような構成を採用するとよい。
【0016】
例えば、サブ端末装置においては、データ生成手段により実現データが生成された際に、この実現データを生成するキッカケとなった依頼データをデータ生成手段より実現データを生成済みである旨を特定可能な状態に修正する依頼データ修正指令手段を備え、データ生成手段が、実現データを生成済みである旨が特定できる依頼データについて、この依頼データで依頼された実現データを生成しない、といった構成である。このように構成すれば、同一の依頼データにより同じ実現データが複数生成されることがないため、不用意に同じ機能が繰り返されてしまうことを防止できる。なお、この構成において「実現データを生成済みである旨を特定可能な状態」とは、例えば、依頼データの一部が「実現データを生成済みである旨」を示す内容に書き換えられたり、依頼データに「実現データを生成済みである旨」を示すデータが付加されたり、といった状態である。
【0017】
また、依頼データに起因する同じ機能の不用意な繰り返しを防止するための別の構成としては、請求項3に記載のように、サブ端末装置において、データ生成手段により実現データが生成された後、メイン端末装置の備えるデータ記録手段に記録されている依頼データを削除する依頼削除手段を備えるとよい。
【0018】
このように構成された情報処理システムによれば、データ生成手段により実現データが生成された際、この実現データを生成するキッカケとなった依頼データがメイン端末装置側(データ記録手段)から削除される。そのため、同一の依頼データにより同じ実現データが複数生成されることがなく、不用意に同じ機能が繰り返されてしまうことを防止できる。
【0019】
さらに、依頼データそのものがメイン端末装置側から削除されるため、メイン端末装置の記録領域に不必要となったデータを占有させてしまう恐れがなく、メイン端末装置の記録領域を有効に利用することができる。
なお、上述したメイン端末装置において、機能実現手段は、データ記録手段に実現データが記録された際、この実現データに基づいて特定の機能を実現するための処理を実行する。そのため、サブ端末装置におけるデータ生成手段と同様、データ記録手段に実現データがそのまま記録されていると、同一の実現データにより同じ機能が繰り返し実行されてしまう恐れがある。そこで、このような同じ機能の不用意な繰り返しを防止するために、以下に示すような構成を採用するとよい。
【0020】
例えば、メイン端末装置において、機能実現手段により実現データに基づく機能が実現された際に、この実現データを機能実現手段より機能を実現済みである旨を特定可能な状態に修正する実現データ修正指令手段を備え、機能実現手段が、機能を実現済みである旨が特定できる実現データについて、この実現データで指令された機能を実現するための処理を実行しない、といった構成である。このように構成すれば、同一の実現データにより不用意に同じ処理を繰り返してしまうことを防止できる。なお、この構成において「機能を実現済みである旨を特定可能な状態」とは、例えば、実現データの一部が「機能を実現済みである旨」を示す内容に書き換えられたり、実現データに「機能を実現済みである旨」を示すデータが付加されたり、といった状態である。
【0021】
また、実現データに起因する同じ機能の不用意な繰り返しを防止するための別の構成としては、請求項4に記載のように、メイン端末装置において、機能実現手段により機能を実現するための処理が行われた後、データ記録手段に記録されている実現データを削除する実現削除手段を備えるとよい。
【0022】
このように構成された情報処理システムによれば、機能実現手段により機能を実現するための処理が実行された際、この機能を実行するキッカケとなった実現データがメイン端末装置側から削除される。そのため、同一の実現データにより繰り返し同じ処理を実行してしまうことを防止できる。
【0023】
さらに、実現データそのものがデータ記録手段から削除されるため、データ記録手段の記録領域に不必要となったデータを占有させてしまう恐れがなく、データ記録手段の記録領域を有効に利用することができる。
ところで、上述したメイン端末装置の有する「1以上の機能」としては、例えば、画像データで示される画像を印刷媒体へ印刷する印刷機能が考えられる。このような印刷機能を実現するためには、以下に示す請求項5に記載のような構成を考えることができる。
【0024】
請求項5に記載のメイン端末装置は、ネットワーク経由で画像データを送受信する画像通信手段と、各種画像を印刷媒体に印刷可能な印刷手段と、を備えている。また、このメイン端末装置においては、依頼記録指令手段が、画像通信手段により画像データが受信された際に、この画像データを印刷手段により印刷可能なデータ形式に変換してなる実現データの生成を依頼するためのデータを依頼データとして、この依頼データに画像データ(画像通信手段により受信されたもの)を付加した状態でデータ記録手段に記録させる。そして、機能実現手段が、依頼記録指令手段による指令の後、サブ端末装置から実現データが送信されてきた際に、この実現データで示される画像を印刷手段により印刷させることによって、画像データで示される画像の印刷を実現する。また、請求項5に記載のサブ端末装置は、データ生成手段が、メイン端末装置の備えるデータ記録手段に依頼データが記録された際に、この依頼データに付加されている画像データを、依頼データで依頼されたデータ形式へ変換することによって、このデータ形式に変換した画像データを実現データとして生成する。
【0025】
このように構成された情報処理システムによれば、メイン端末装置がメイン端末装置自身の備えるデータ記録手段に依頼データを画像データと共に記録すると、サブ端末装置がメイン端末装置側に記録された依頼データおよび画像データに基づき画像データのデータ形式を変換してなる実現データを生成してメイン端末装置側へ送信する。そして、メイン端末装置は、サブ端末装置側から送信されてきた実現データに基づいて、実現データで示される画像を印刷するための処理を実行する。このように、メイン端末装置は、メイン端末装置自身の備えるデータ記録手段に依頼データおよび画像データを記録するだけでサブ端末装置に画像データのデータ形式を変換させることができ、これにより、サブ端末装置と連携して印刷機能を実現することができる。
【0026】
また、上述したメイン端末装置の有する「1以上の機能」として、外部から取得した外部データをネットワークへ向けて送信する通信機能が考えられる。このような通信機能を実現するためには、以下に示す請求項6に記載のような構成を考えることができる。
【0027】
請求項6に記載のメイン端末装置は、ネットワークとデータ通信可能に接続されており、外部からの指令を受けて当該メイン端末装置外部から入力されるデータである外部データを取得するデータ取得手段と、データ取得手段により取得された外部データをデータ記録手段に記録させる外部記録指令手段と、を備えている。また、このメイン端末装置においては、依頼記録指令手段が、データ記録手段に外部データが記録された後に、この外部データをネットワークに伝送させるのに適したデータ形式へ変換してなる実現データの生成を依頼するためのデータを依頼データとして、この依頼データに外部データを付加した状態でデータ記録手段に記録させる。そして、機能実現手段が、依頼記録指令手段による指令の後、サブ端末装置から実現データが送信されてきた際に、この実現データをネットワーク経由で送信することによって、ネットワークに適したデータ形式でのデータ通信を実現する。また、請求項6に記載のサブ端末装置は、データ生成手段が、メイン端末装置の備えるデータ記録手段に依頼データが記録された際に、この依頼データに付加されている外部データを、依頼データで依頼されたデータ形式へ変換することによって、このデータ形式に変換した外部データを実現データとして生成する。
【0028】
このように構成された情報処理システムによれば、メイン端末装置がメイン端末装置自身の備えるデータ記録手段に依頼データを外部データと共に記録すると、サブ端末装置がメイン端末装置側に記録された依頼データおよび外部データに基づき外部データのデータ形式を変換してなる実現データを生成してメイン端末装置側へ送信する。そして、メイン端末装置は、サブ端末装置側から送信されてきた実現データに基づいて、実現データをネットワーク経由で送信するための処理を実行する。このように、メイン端末装置は、メイン端末装置自身の備えるデータ記録手段に依頼データおよび外部データを記録するだけでサブ端末装置に外部データのデータ形式を変換させることができ、これにより、サブ端末装置と連携して通信機能を実現することができる。
【0029】
なお、この構成において、メイン端末装置の備えるデータ記録手段へは、データ取得手段により外部データが取得された直後に、この外部データが記録されるように構成すればよいが、データ取得手段がそれぞれ異なる時間に取得した複数の外部データのうち任意に選択された外部データが記録されるように構成してもよい。そのための構成としては、例えば、請求項7に記載のような構成が考えられる。
【0030】
請求項7に記載の情報処理システムは、メイン端末装置において、データ取得手段により取得された外部データのうち、ネットワーク経由で送信すべき外部データを利用者に指定させる送信指定手段が備えられ、依頼記録指令手段が、送信指定手段により外部データが指定された際に、依頼データをデータ記録手段に記録させる、ように構成されている。
【0031】
このように構成された情報処理システムによれば、送信指定手段により指定された外部データに対して、依頼記録指令手段によるデータ記録手段への依頼データの記録(サブ端末装置に対する実現データ生成の依頼)が行われる。この送信指定手段は、ネットワーク経由で送信すべき外部データを利用者に指定させるための手段であるため、依頼記録指令手段によるデータ記録手段への依頼データの記録を、利用者が任意に指定した外部データに対して行うことができる。
【0032】
なお、上述したデータ取得手段により取得される外部データとしては、メイン端末装置外部から入力されるデータであればよく、その具体的な内容は限定されない。例えば、メイン端末装置がネットワークを介して入出力される音声信号に基づく音声通話を実現する機能を有している場合には、この音声信号を外部データとして取得することが考えられる。
【0033】
このように、データ取得手段が音声信号を外部データとして取得するための構成としては、請求項8に記載のように、データ取得手段が、外部からの指令を受けて、ネットワークを介して入出力される音声信号の外部データとしての取得を開始および終了する、ように構成すればよい。
【0034】
このように構成された情報処理システムによれば、ネットワークを介して入出力される音声信号を外部データとして取得することができる。
なお、この構成において、データ取得手段が外部データの取得を開始および終了するための「外部からの指令」としては、例えば、メイン端末装置において音声通話が開始および終了されたことである。また、メイン端末装置に外部データの取得を開始および終了させるための操作部を設けておき(または、操作手順を設定しておき)、この操作部が音声通話中に操作されたことである。
【0035】
また、上述したデータ取得手段は、所定の画像を示す画像データを外部データとして取得することも考えられる。このように、データ取得手段が画像データを外部データとして取得するための構成としては、請求項9に記載のように、メイン端末装置において、データ取得手段は、利用者の操作を受けて、所定の画像を画像データとして読み取ることにより、この読み取られた画像データを外部データとして取得して、依頼記録指令手段は、データ記録手段に外部データが記録された際に、依頼データをデータ記録手段に記録させる、ように構成すればよい。
【0036】
このように構成された情報処理システムによれば、データ取得手段により読み取られた画像データを外部データとして取得することができる。
また、上述した請求項6以降に記載の依頼データは、外部データをネットワークに伝送させるのに適したデータ形式へ変換させるためのデータであって、例えば、請求項10に記載のように、外部データをデータ量が圧縮されるデータ形式へ変換する旨を依頼するためのデータなどが考えられる。
【0037】
このように構成された情報処理システムによれば、外部データのデータ量を圧縮してなるデータを実現データとすることができるため、外部データをそのままネットワークに伝送させる場合よりも、伝送効率がよく、ネットワークにおけるトラフィックを無用に増加させないようにすることができる。
【0038】
また、請求項11に記載の端末装置は、請求項1から10のいずれかに記載のメイン端末装置として機能する端末装置である。このように構成された端末装置によれば、請求項1から10のいずれかに記載の情報処理システムの一部(メイン端末装置)として機能することができる。
【0039】
また、請求項12に記載の端末装置は、請求項1から10のいずれかに記載のサブ端末装置として機能する端末装置である。このように構成された端末装置によれば、請求項1から10のいずれかに記載の情報処理システムの一部(サブ端末装置)として機能することができる。
【0040】
また、請求項13に記載のプログラムは、請求項1から10のいずれかに記載の依頼記録指令手段および機能実現手段として機能するための各種処理手順を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
このプログラムにより制御されるコンピュータシステムは、請求項1から10のいずれかに記載の情報処理システムの一部(メイン端末装置)として機能することができる。
【0041】
また、このプログラムは、請求項4に記載の実現削除手段として機能させるための各種処理手順をもコンピュータシステムに実行させるプログラムとしてもよい。この場合、コンピュータシステムが請求項4以降に記載の情報処理システムの一部(メイン端末装置)として機能できる。
【0042】
また、請求項13のプログラムは、請求項5に記載の画像通信手段として機能させるための各種処理手順をもコンピュータシステムに実行させるプログラムとしてもよい。この場合、コンピュータシステムが請求項5以降に記載の情報処理システムの一部(メイン端末装置)として機能できる。
【0043】
また、請求項13のプログラムは、請求項6に記載のデータ取得手段および外部記録指令手段として機能させるための各種処理手順をもコンピュータシステムに実行させるためのプログラムとしてもよい。この場合、コンピュータシステムが請求項6以降に記載の情報処理システムの一部(メイン端末装置)として機能できる。
【0044】
また、このプログラムは、請求項7に記載の送信指定手段として機能させるための各種処理手順をもコンピュータシステムに実行させるためのプログラムとしてもよい。この場合、コンピュータシステムが請求項7以降に記載の情報処理システムの一部(メイン端末措置)として機能できる。
【0045】
また、請求項14に記載のプログラムは、請求項1から10のいずれかに記載のデータ生成手段および実現送信手段として機能させるための各種処理手順を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
このプログラムにより制御されるコンピュータシステムは、請求項1から10のいずれかに記載の情報処理システムの一部(サブ端末装置)として機能することができる。
【0046】
また、このプログラムは、請求項3に記載の依頼削除手段として機能させるための各種処理手順を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。この場合、コンピュータシステムが請求項3以降に記載の情報処理システムの一部(サブ端末装置)として機能することができる。
【0047】
なお、上述した各プログラムは、それぞれコンピュータシステムによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものであって、例えば、FD,CD−ROM,メモリカードなどの記録媒体,インターネットなどの通信回線網を介して、情報処理システム,メイン端末装置,サブ端末装置,コンピュータシステム,または、これらを利用する利用者に提供されるものである。また、このプログラムを実行するコンピュータシステムとしては、例えば、メイン端末装置の備えるコンピュータシステム,サブ端末装置の備えるコンピュータシステム,各端末装置に無線または有線の通信路を介してデータ通信可能に接続されたコンピュータシステムなどを利用することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について例を挙げて説明する。
[第1実施形態]
情報処理システム1は、図1に示すように、ファクシミリ装置(以降、FAXとする)100およびパーソナルコンピュータ(以降、PCとする)200が、通信ケーブル300を介してデータ通信可能に接続されてなるものである。
【0049】
FAX100は、ハンドセット112、表示パネル114、操作パネル120、CPU132、ROM134、RAM140、スキャナ部152、モデム154、プリンタ部156、音声入出力部160、PCインターフェース部(以降、PCI/Fとする)172、回線制御部174、メディアドライブ180などを備えている。
【0050】
これらのうち、ハンドセット112は、FAX100本体から取り外して使用する送受話器である。
また、表示パネル114は、CPU132からの指令を受けて各種情報を表示する。
【0051】
また、操作パネル120は、文字,数字および記号を入力可能な複数の入力ボタン、音声入出力部160によりハンズフリー通話を行うためのスピーカーホンボタン、各種機能の実行を開始するためのスタートボタンなどからなる。
また、CPU132は、ROM134に記録されたプログラムで示される処理手順に従いFAX100の各構成要素にバス190を介して指令(制御信号)を送ることによって、FAX100全体の動作を制御する。
【0052】
また、RAM140は、図2に示すように、記録領域の一部が、FAX100と接続されたPC200がPC200自身に接続された外部記録装置(仮想ドライブ)として認識できる共有領域142となっている。これにより、PC200は、この共有領域142をOS(operating system)に標準で備えられた一部機能であるファイルシステムによりアクセス(データの記録および削除)可能な記録領域として認識できる。なお、この共有領域は、ツリー型のフォルダ(「ディレクトリ」ともいう)構造を有しており、フォルダにて、データファイルを分類し記憶するように構成されている。
【0053】
また、スキャナ部152は、CPU132からの指令を受けて、所定の読取位置(図示されない)にセットされた用紙から画像の読み取り行うと共に、この画像の画像データを生成する。この画像データは、モデム154で符号化および変調されることにより電話回線網400に伝送可能な画像信号とされた後、回線制御部174を介して電話回線網400へ出力される。
【0054】
また、プリンタ部156は、CPU132からの指令を受けて、所定の給紙位置(図示されない)にセットされた用紙への画像データに基づく画像の印刷を行う。このように画像の印刷を行う対象となる画像データは、例えば、電話回線網400から回線制御部174を介して入力された画像信号がモデム154で復調および復号されることにより生成される画像データなどである。
【0055】
また、音声入出力部160は、スピーカ162、マイク164、および、これらを駆動する駆動回路166で構成され、スピーカ162から各種音声信号に基づく音声を出力する以外に、スピーカ162およびマイク164を送受話器として機能させることにより、ハンズフリー通話を行うために使用することもできる。
【0056】
また、PCI/F172は、FAX100を通信ケーブル300経由でPC200と接続するためのインターフェースであって、これによって、FAX100−PC200間におけるデータ通信を可能な状態とすることができる。
また、回線制御部174は、電話回線網400からの各種信号の入力および電話回線網400への信号の出力を行うと共に、CPU132の指令を受けて、電話回線網400との間で入出力する信号の伝送先および伝送元となる伝送経路を設定する。
【0057】
この「電話回線網400との間で入出力する信号の伝送先および伝送元となる伝送経路」は、オフフック操作として、ハンドセット112をFAX100本体から取り外す操作、または、操作パネル120のスピーカーホンボタンを押下する操作が行われた際に、回線制御部174からハンドセット112または音声入出力部160へ向かう経路が上述の伝送経路として設定され、この経路を音声信号が伝送可能な状態となる。こうして設定された伝送経路は、オンフック操作として、ハンドセット112をFAX100本体に戻す操作、または、再度スピーカーホンボタンを押下する操作が行われた際に解除され、この経路を音声信号が伝送されない状態となる。
【0058】
さらに、読取位置に読み取らせるべき用紙がセットされた状態で、操作パネル120の入力ボタンにより送信先の識別番号(本実施形態においては電話番号)が入力された後、スタートボタンが押下するといった一連の操作(以降、FAX送信操作とする)が行われた際、または、電話回線網400側から画像信号の入力が開始された際に、モデム154へ向かう経路が上述の伝送経路として設定され、この経路を画像信号が伝送可能な状態となる。この設定された伝送経路はモデム154による画像信号の出力が終了した際、または、電話回線網400からの画像信号の入力が終了した際に解除され、この経路を画像信号が伝送されない状態となる。
【0059】
そして、メディアドライブ180は、メモリカード500を着脱可能であり、装着されたメモリカード500へのデータの記録および読出しを行う装置である。なお、ここでいう「メモリカード」とは、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリスティック(登録商標)、マルチメディアカード、SDメモリカードなどのことである。
【0060】
PC200は、CPU212、ROM214、RAM216、ハードディスク(以降、HDとする)220、外部インターフェース部(以降、外部I/Fとする)232、入力部240、ディスプレイ250などがバス260を介して接続されたものである。
【0061】
これらのうち、HD220には、各種アプリケーションソフトの他、後述する形式変換処理(図4),送信依頼処理(図5)および形式逆変換処理(図9)を実行するための連携処理用プログラム、FAX100の動作を制御するためのデバイスドライバなどが組み込まれている。
【0062】
また、外部I/F232は、PC200を通信ケーブル300経由でFAX100と接続するためのインターフェースであって、これによって、PC200−FAX100間におけるデータ通信を可能な状態とすることができる。
そして、入力部240は、キーボード242およびマウス244などからなる入力装置である。
【0063】
以下に、FAX100がファクシミリ通信を行う場合にFAX100およびPC200それぞれが実行する処理をファクシミリ通信の開始条件毎に説明する。
(1)ファクシミリ通信による画像データの送信をFAX100側の操作により開始する場合
・FAX100による第1ファクシミリ送信処理
FAX100の備えるCPU132により実行される第1ファクシミリ送信処理の処理手順を図3に基づいて説明する。この第1ファクシミリ送信処理は、カラー画像の印刷された用紙が読取位置にセットされた状態で上述のFAX送信操作が行われた場合に開始される。
【0064】
まず、用紙に印刷されている画像をカラーの画像データとしてスキャナ部152に読み取らせる(s110)。
次に、s110の処理で読み取られた画像データを、RAM140の共有領域142に記録させる(s120)。
【0065】
次に、s120の処理でRAM140の共有領域142に記録された画像データの変換を依頼するための変換依頼データを共有領域142に記録させる(s130)。この処理では、カラーの画像データをファクシミリ通信により送信するのに適したデータ形式(本実施形態においては、JPEG形式;Joint Photographic Experts Group)へ変換する旨を依頼するデータとして、変換すべきデータ形式を特定可能なデータを生成し、s120の処理で記録させた画像データに付加した状態で記録させる。また、このs130の処理では、共有領域142に変換依頼データを記録させた以降の経過時間をカウントするためのカウンタをスタートさせる。
【0066】
この変換依頼データが共有領域142に記録された後、PC200は、後述する形式変換処理(図4)において共有領域142に記録された画像データのデータ形式を変換してなる変換画像データを生成して共有領域142に記録する。
次に、共有領域142に変換画像データが記録されたかどうかをチェックする(s140)。
【0067】
このs140の処理で変換画像データが記録されていなければ(s140:NO)、変換依頼データの記録に対してタイムアウトとなっているかどうかをチェックする(s150)。この処理では、s130の処理でカウントを開始したタイマーのカウント値が、所定のしきい値(本実施形態においては、5秒)以上である場合に、タイムアウト(時間切れ)であると判定する。
【0068】
このs150の処理でタイムアウトとなっていない場合(s150:NO)、s140の処理へ戻る。
一方、s150の処理でタイムアウトとなっている場合(s150:YES)、共有領域142に変換画像データが記録されない旨を報知した後(s160)、本第1ファクシミリ送信処理を終了する。このs160の処理では、何らかのトラブルによりPC200による変換画像データの記録が行われない旨のメッセージを表示パネル114に表示させることにより報知を行う。また、このs160の処理では、s130の処理でスタートされたタイマーをストップおよびリセットする。
【0069】
また、s140の処理で、変換画像データが記録されていたら(s140:YES)、この変換画像データを共有領域142から読み出す(s170)。この処理では、変換画像データを読み出すと共に、s130の処理でスタートされたタイマーをストップおよびリセットする。
【0070】
次に、s170の処理で読み出された変換画像データを、FAX送信操作において入力された識別番号の送信先へ送信する(s180)。この処理では、まず、回線制御部174にモデム154と電話回線網400とを結ぶ経路を信号の伝送経路として設定させることにより、モデム154と電話回線網400とを結ぶ経路を画像信号が伝送可能な状態とする。続いて、s170の処理で読み出された変換画像データをFAX送信操作において入力された識別番号の送信先へ送信する。そして、回線制御部174にモデム154と電話回線網400とを結ぶ経路の伝送経路としての設定を解除させることにより、モデム154と電話回線網400とを結ぶ経路を画像信号が伝送されない状態とする。
【0071】
そして、s170の処理で読み出された変換画像データを共有領域142から削除した後(s190)、本第1ファクシミリ送信処理を終了する。
・PC200による形式変換処理
PC200の備えるCPU212により実行される形式変換処理の処理手順を図4に基づいて説明する。この形式変換処理は、連携処理用プログラムを起動してから終了するまで繰り返し実行される。
【0072】
まず、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に、変換依頼データが記録されるまで待機する(s210:NO)。この変換依頼データは、図3におけるs130の処理でFAX100により記録されるデータである。
このs210の処理で変換依頼データが記録されたら(s210:YES)、この変換依頼データと共に、FAX100の備えるRAM104の共有領域142から画像データを読み出す(s220)。ここで、変換依頼データと共に読み出される画像データは、図3におけるs120の処理でFAX100により記録されるデータである。
【0073】
次に、s220の処理で読み出された画像データのデータ形式を、同処理で読み出された変換依頼データで特定されるデータ形式(JPEG形式)に変換した変換画像データを生成する(s230)。
次に、s230の処理で生成された変換画像データを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に記録する(s240)。この変換画像データが記録された後、FAX100は、図3におけるs180の処理で、この変換画像データをファクシミリ通信により送信する。
【0074】
そして、s220の処理で読み出された変換依頼データを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142から削除した後(s250)、s210の処理へ戻る。
(2)ファクシミリ通信による画像データの送信をPC200側の操作により開始する場合
・PC200による送信依頼処理
PC200の備えるCPU212により実行される送信依頼処理の処理手順を図5に基づいて説明する。この送信依頼処理は、連携処理用プログラムを起動した後、ファクシミリ通信による画像の送信をFAX100に依頼するための操作として設定された送信依頼操作が行われた際に開始される。
【0075】
まず、送信指示画面をディスプレイ250に表示させる(s310)。この処理では、図6に示すように、送信すべき画像を示す画像データを指定するための画像指定欄a、画像を送信すべき送信先を指定するための送信先指定欄b、画像データの送信を実行するためのSendボタンc、本送信依頼処理を中断するキャンセルボタンdなどが設けられた画面を、送信指示画面としてディスプレイ250に表示させる。
【0076】
この送信指示画面がディスプレイ250に表示された後、利用者は、入力部240を操作して、画像指定欄aに画像データのファイル名を入力し、送信先指定欄bに送信先の識別番号を入力した後、Sendボタンcを指定(クリック)する操作(以降、送信依頼操作とする)、または、キャンセルボタンdを指定する操作(以降、中断操作とする)を行うことができる。
【0077】
次に、入力部240が操作されるまで待機する(s320:NO)。
このs320の処理で、入力部240により中断操作が行われたら(s320:YES、s330:YES)、s310の処理で表示させた送信指示画面の表示をディスプレイ250から消去させた後(s340)、本送信依頼処理を終了する。
【0078】
一方、s320の処理で、入力部240により送信依頼操作が行われたら(s320:YES、s330:NO)、画像指定欄aにより指定された画像データがカラーであるかモノクロであるかをチェックする(s350)。
このs350の処理で、画像指定欄aにより指定された画像データがカラーである場合(s350:YES)、画像指定欄aにより指定された画像データを、ファクシミリ通信によりカラーの画像データを送信するのに適したデータ形式(JPEG形式)に変換した変換画像データを生成する(s360)。
【0079】
一方、s350の処理で、画像指定欄aにより指定された画像データがモノクロである場合(s350:NO)、画像指定欄aにより指定された画像データを、ファクシミリ通信によりモノクロの画像データを送信するのに適したデータ形式(TIFF形式;Tagged Image File Format)に変換した変換画像データを生成する(s370)。
【0080】
こうして、s360,s370の処理を終えた後、これらの処理で生成された変換画像データを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に記録させる(s380)。
そして、s380の処理で記録させた変換画像データのファクシミリ通信による送信をFAX100に依頼するための送信依頼データを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に記録させた後(s390)、s340の処理へ移行する。このs390の処理では、送信先指定欄bにより指定された送信先の識別番号を特定可能なデータを送信依頼データとして生成し、s380の処理で記録させた変換画像データに付加した状態で記録させる。この送信依頼データが共有領域142に記録された後、FAX100は、後述する第2ファクシミリ通信処理(図7)において、共有領域142に記録されている画像データを、送信依頼データで特定される識別番号の送信先へ送信する。
・FAX100による第2ファクシミリ通信処理
FAX100の備えるCPU132により実行される第2ファクシミリ通信処理の処理手順を図7に基づいて説明する。この第2ファクシミリ通信処理は、RAM140の共有領域142に送信依頼データが記録された際に開始される。なお、送信依頼データは、図5におけるs390の処理でPC200により記録されるデータである。
【0081】
まず、共有領域142に記録された送信依頼データに基づいて、共有領域142に記録されている変換画像データを、ファクシミリ通信により送信する(s410)。この処理では、図3におけるs180の処理と同様に、伝送経路を設定して、共有領域142に記録されている変換画像データを送信依頼データで特定される識別番号の送信先へ送信した後、伝送経路の設定を解除する。
【0082】
次に、s410の処理で送信した変換画像データを、RAM140の共有領域142から削除する(s420)。
そして、変換依頼データをRAM140の共有領域142から削除した後(s430)、本ファクシミリ通信処理を終了する。
(3)ファクシミリ通信により画像データを受信する場合
・FAX100によるファクシミリ受信処理
FAX100の備えるCPU132により実行されるファクシミリ受信処理の処理手順を図8に基づいて説明する。このファクシミリ受信処理は、回線制御部174を介して電話回線網400から画像信号の入力が開始された際に開始される。
【0083】
まず、回線制御部174にモデム154と電話回線網400とを結ぶ経路を信号の伝送経路として設定させる(s510)。これにより、モデム154と電話回線網400とを結ぶ経路を画像信号が伝送可能な状態となる。
次に、ファクシミリ通信により単一ページ分の画像データを受信する(s520)。なお、この処理で受信される画像データは、ファクシミリ通信により送信するのに適したデータ形式のデータである(カラーであればJPEG、モノクロであればTIFF)。
【0084】
次に、s520の処理で受信された単一ページ分の画像データを、RAM140の共有領域142に記録させる(s530)。
次に、s530の処理で共有領域142に記録された単一ページ分の画像データの逆変換を依頼するための逆変換依頼データを共有領域142に記録させる(s540)。この処理では、s520の処理で共有領域142に記録された単一ページ分の画像データを、ファクシミリ通信により送信するのに適したデータ形式(JPEGまたはTIFF)から、プリンタ部156により印刷させるのに適したデータ形式(本実施形態においては、ビットマップデータ形式)に変換する(変換し直す)旨を依頼するデータとして、変換すべきデータ形式を特定可能なデータを生成し、s530の処理で記録させた画像データに付加した状態で記録させる。
【0085】
この変換依頼データが共有領域142に記録された後、PC200は、後述する形式逆変換処理(図9)において共有領域142に記録された画像データのデータ形式を変換してなる変換画像データを生成した後、FAX100にデバイスドライバを介して変換画像データの印刷を指令する(指令データを送信する)。そして、この指令を受けたFAX100は、本ファクシミリ受信処理と並行して変換画像データをプリンタ部156により印刷させる処理を実行する。
【0086】
次に、後続するページが存在するかどうかをチェックする(s550)。この処理では、s510の処理で単一ページ分の画像信号を受信した後、後続するページを示す画像信号の受信が開始された場合に、後続するページが存在すると判定する。
【0087】
このs550の処理で、後続するページが存在する場合(s550:YES)、s520の処理へ戻る。
一方、s550の処理で、後続するページが存在しなくなったら(s550:NO)、回線制御部174にモデム154と電話回線網400とを結ぶ経路の伝送経路としての設定を解除させた後(s560)、本ファクシミリ受信処理を終了する。このs560の処理により、モデム154と電話回線網400とを結ぶ経路を画像信号が伝送されない状態となる。
・PC200による形式逆変換処理
PC200の備えるCPU212により実行される形式逆変換処理の処理手順を図9に基づいて説明する。この形式逆変換処理は、連携処理用プログラムを起動してから終了するまで繰り返し実行される。
【0088】
まず、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に、逆変換依頼データが記録されるまで待機する(s610:NO)。この逆変換依頼データは、図8におけるs540の処理でFAX100により記録されるデータである。
このs610の処理で逆変換依頼データが記録されたら(s610:YES)、この逆変換依頼データと共に、FAX100の備えるRAM104の共有領域142から画像データを読み出す(s620)。ここで、逆変換依頼データと共に読み出される画像データは、図8におけるs530の処理でFAX100により記録されたデータである。
【0089】
次に、s620の処理で読み出された画像データのデータ形式を、同処理で読み出された逆変換依頼データで特定されるデータ形式(ビットマップデータ)に変換した変換画像データを生成する(s630)。
次に、s630の処理で生成された変換画像データで示される画像の印刷を、デバイスドライバを介してFAX100に指令する(s640)。この処理では、画像の印刷を指令するための指令データが生成され、FAX100側へ送信される。
【0090】
そして、s620の処理で読み出された逆変換依頼データを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142から削除した後(s650)、s610の処理へ戻る。
[第1実施形態の効果]
このように構成された情報処理システム1によれば、FAX100がRAM140の共有領域142に依頼データ(変換依頼データ,逆変換依頼データ)を記録すると(図3におけるs130,図8におけるs540の処理)、PC200がFAX100側に記録された依頼データに基づきデータ(変換画像データ,印刷の指令)を生成してFAX100側へ送信する(図4におけるs240,図9におけるs640の処理)。そして、FAX100は、PC200側から送信されてきたデータに基づいて、特定の機能(画像データの送信,画像の印刷)を実現するための処理を実行する。このように、FAX100は、RAM140の共有領域142に依頼データを記録するだけでPC200に処理の一部を実行させることができ、これにより、PC200と連携して特定の機能を実現することができる。
【0091】
具体的には、FAX100がRAM140の共有領域142に変換依頼データおよび画像データを記録するだけでPC200に画像データのデータ形式を変換させることができ、これにより、PC200と連携してファクシミリ通信を実現することができる。また、FAX100がRAM140の共有領域142に逆変換依頼データおよび画像データを記録するだけでPC200に画像データを印刷に適したデータ形式に変換させることができ、これにより、PC200と連携して画像の印刷を実現することができる。
【0092】
また、FAX100側では、画像データの変換に拘わる処理を行う必要がないため、CPU132として処理能力の高い構成を採用しなくてもよくなり、FAX100自体の製造コストを抑えることができる。この場合、PC200側に画像データを変換する処理を行う程度の処理能力が必要となるが、現在、広く普及しているPCは、本実施形態のPC200が実行しているような画像データの変換を行う程度の処理能力を充分に有しているため、PC200側には、ファクシミリ通信用プログラムが必要となるだけである。
【0093】
また、PC200が、依頼データに基づくデータ(変換画像データ,印刷の指令)を生成した後(図4におけるs230,図9におけるs630の処理)、このデータを生成するキッカケとなった依頼データをFAX100側(共有領域142)から削除する(s250,s650の処理)。ここで、PC200は、FAX100側(RAM140の共有領域142)に依頼データが記録された際、この依頼データに基づいてデータを生成する。そのため、FAX100側に依頼データがそのまま記録されていると、同一の依頼データにより同じデータが複数生成されて同じ機能が繰り返し実行されてしまう恐れがある。しかし、上述のように、依頼データに基づいてデータを生成した後、この依頼データをFAX100側(共有領域142)から削除することによって、同一の依頼データにより同じデータが複数生成されることがなくなり、不用意に同じ機能が繰り返されてしまうことを防止することができる。
【0094】
さらに、依頼データそのものがFAX100のRAM140から削除されるため、FAX100のRAM140に不必要となったデータを占有させてしまう恐れがなく、FAX100のRAM140を有効に利用することができる。
[第2実施形態]
情報処理システム2は、第1実施形態における情報処理システム1と同様の構成であり、一部構成および処理内容が異なるだけであるため、この相違点についてのみ詳述する。
【0095】
FAX100は、第1実施形態におけるFAX100の備える構成の他、FAX100をインターネット600に接続するためのネットワークインターフェース部(以降、ネットワークI/Fとする)176を備えている(図1における点線部参照)。
【0096】
また、操作パネル120は、入力ボタン、スピーカーホンボタン、スタートボタンの他に、周知の留守番電話機能を作動・停止させるための留守ボタンなどからなる。
また、RAM140は、共有領域142の他、後述するスキャン処理(図10)により生成される画像データ、および、後述する留守録処理(図11)により生成される音声データが記録される蓄積領域144を有している(図2における点線部参照)。
【0097】
また、スキャナ部152により生成される画像データは、通常、回線制御部174を介して電話回線網400へ出力されるが、後述するスキャン処理(図10)においては、RAM140の蓄積領域144に記録される。
・FAX100によるスキャン処理
以下に、FAX100の備えるCPU132により実行されるスキャン処理の処理手順を図10に基づいて説明する。このスキャン処理は、画像が印刷された用紙が読取位置にセットされた状態で操作パネル120のスタートボタンが押下された際に開始される処理である。
【0098】
まず、用紙に印刷されている画像を画像データとしてスキャナ部152に読み取らせる(s710)。
次に、s710の処理で読み取られた画像データを、RAM140の共有領域142に記録させる(s720)。なお、この処理において、画像データは、ビットマップ形式のデータとして記録される。
【0099】
次に、s720の処理でRAM140の共有領域142に記録された画像データの保存を依頼するための保存依頼データを共有領域142に記録させる(s730)。この処理では、画像データをPC200側で記録する旨を依頼するデータ生成し、s720の処理で記録させた画像データに付加した状態で記録させる。この保存依頼データが共有領域142に記録された後、PC200は、後述するデータ保存処理(図12)において共有領域142に記録された画像データをHD220に記録する。
【0100】
そして、s710の処理で読み取られた画像データを、RAM140の蓄積領域144に記録させる(s740)。なお、この処理においても、画像データは、ビットマップ形式のデータとして記録される。
・FAX100による留守録処理
以下に、FAX100の備えるCPU132により実行される留守録処理の処理手順を図11に基づいて説明する。この留守録処理は、留守番電話機能が作動している状態で電話回線網400を介して着信を受けた際に開始される。
【0101】
まず、着信元の利用者にメッセージの録音を促すためのメッセージである留守録開始メッセージを着信元に出力する(s810)。
この処理では、RAM140にあらかじめ記録されている留守録開始メッセージの音声信号をモデム154により変調させてなる音声信号を、回線制御部174を介して着信元へ出力する。
【0102】
次に、着信元から入力される音声信号の音声データとしての記録を開始させる(s820)。この処理では、回線制御部174を介して入力される音声信号をモデム154により復調させてなる音声データを、RAM140における蓄積領域144に記録させ始める。なお、この処理において、音声データは、WAV形式のデータとして記録される。
【0103】
次に、着信元からの音声信号の入力が終了するまで待機する(s830:NO)。
このs830の処理で着信元からの音声信号の入力が終了したら(s830:YES)、s820の処理で開始された音声データの記録を終了させる(s840)。
【0104】
次に、s820からs840の処理で記録された音声データを、RAM140の共有領域142に記録させる(s850)。
そして、s850の処理でRAM140の共有領域142に記録された音声データの保存を依頼するための保存依頼データを共有領域142に記録させる(s860)。この処理では、音声データをPC200側で記録する旨を依頼するためのデータを生成し、s850の処理で記録させた音声データに付加した状態で記録させる。この保存依頼データが共有領域142に記録された後、PC200は、後述するデータ保存処理(図12)において共有領域142に記録された音声データをHD220に記録する。
・PC200によるデータ保存処理
以下に、PC200の備えるCPU212により実行されるデータ保存処理の処理手順を図12に基づいて説明する。このデータ保存処理は、このデータ保存処理は、連携処理用プログラムを起動してから終了するまで繰り返し実行される。
【0105】
まず、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に、保存依頼データが記録されるまで待機する(s910:NO)。この保存依頼データは、図10におけるs730の処理、または、図11におけるs860の処理でFAX100により記録されるデータである。
【0106】
このs910の処理で保存依頼データが記録されたら(s910:YES)、この保存依頼データと共に、FAX100の備えるRAM104の共有領域142から画像データまたは音声データを読み出す(s920)。ここで、保存依頼データと共に読み出されるデータは、図10におけるs720の処理でFAX100により記録されたデータ、または、図11におけるs850の処理でFAX100により記録されたデータである。
【0107】
次に、s920の処理で読み出されたデータをHD220に記録する(s930)。この処理では、保存依頼データに基づいて読み出されたデータを記録すべき記録領域としてあらかじめ定められたHD220における記録領域に、s920の処理で読み出された画像データを記録する。
【0108】
そして、s920の処理で読み出された全てのデータを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142から削除した後(s940)、s910の処理へ戻る。このs940の処理では、保存依頼データだけでなく、画像データ,音声データも共有領域142から削除する。
・FAX100によるデータ通信処理
以下に、FAX100の備えるCPU132により実行されるデータ通信処理の処理手順を図13に基づいて説明する。このデータ通信処理は、上述のスキャン処理(図10),留守録処理(図11)においてRAM140の蓄積領域144に記録されたデータを、インターネット600を介して送信するための処理であって、操作パネル120により、送信すべきデータと、送信先の識別情報(本実施形態においては、電子メールアドレス)とを指定するための操作が行われた際に開始される。
【0109】
まず、操作パネル120のより指定されたデータ(画像データまたは音声データ)を、RAM140の共有領域142に記録させる(s1010)。
次に、s1010の処理でRAM140の共有領域142に記録されたデータの変換を依頼するための変換依頼データを共有領域142に記録させる(s1020)。この処理では、操作パネル120により指定されたデータを、データ量が圧縮されるデータ形式へ変換する旨を依頼するデータとして、変換すべきで形式を特定可能なデータを生成し、s1010の処理で記録させたデータに付加した状態で記録させる。ここで、データ量が圧縮されるデータ形式とは、操作パネル120により指定されたデータが、画像データであればJPEG形式であり、音声データであればMP3(MPEG audio stream Layer−3 )形式である。また、このs1020の処理では、共有領域142に変換依頼データを記録させた以降の経過時間をカウントするためのカウンタをスタートさせる。
【0110】
この変換依頼データが共有領域142に記録された後、PC200は、形式変換処理において共有領域142に記録されたデータのデータ形式を変換してなる変換データ(変換画像データ,変換音声データ)を生成して共有領域142に記録する。
【0111】
次に、共有領域142に変換データが記録されたかどうかをチェックする(s1030)。
このs1030の処理で変換データが記録されていなければ(s1030:NO)、変換依頼データの記録に対してタイムアウトとなっているかどうかをチェックする(s1040)。この処理は、図3におけるs150の処理と同様の処理である。
【0112】
このs1040の処理でタイムアウトとなっていない場合(s1040:NO)、s1030の処理へ戻る。
一方、s1040の処理でタイムアウトとなっている場合(s1040:YES)、共有領域142に変換データが記録されない旨を報知した後(s1050)、本第データ通信処理を終了する。このs1050の処理では、図3におけるs160と同様に、何らかのトラブルにより変換データの記録が行われない旨のメッセージを表示パネル114に表示させることにより報知を行う。また、このs1050の処理では、s1020の処理でスタートされたタイマーをストップおよびリセットする。
【0113】
また、s1030の処理で、変換データが記録されていたら(s1030:YES)、この変換データを共有領域142から読み出す(s1060)。この処理では、変換データを読み出すと共に、s1020の処理でスタートされたタイマーをストップおよびリセットする。
【0114】
次に、s1060の処理で読み出された変換データを、操作パネル120により指定された識別情報の送信先へ送信する(s1070)。
そして、s1060の処理で読み出された変換データを共有領域142から削除した後(s1080)、本データ通信処理を終了する。
・PC200による形式変換処理
PC200の備えるCPU212により実行される形式変換処理の処理手順を説明する。この形式変換処理は、図4と同様の処理であるため、図4に基づいて説明する。
【0115】
まず、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に、変換依頼データが記録されるまで待機する(s210:NO)。この変換依頼データは、図13におけるs1010,s1020の処理で、画像データ,音声データと共に記録されるデータである。
【0116】
このs210の処理で変換依頼データが記録されたら(s210:YES)、この変換依頼データと共に、FAX100の備えるRAM104の共有領域142からデータを読み出す(s220)。ここで、変換依頼データと共に読み出されるデータは、図13におけるs1010の処理でFAX100により記録されたデータ(画像データまたは音声データ)である。
【0117】
次に、s220の処理で読み出されたデータのデータ形式を、同処理で読み出された変換依頼データで特定されるデータ形式に変換した変換データを生成する(s230)。この処理では、画像データをJPEG形式に変換した変換画像データ、または、音声データをMP3形式に変換した変換音声データが生成される。
【0118】
次に、s230の処理で生成された変換データを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に記録する(s240)。この変換データが記録された後、FAX100は、図13におけるs1070の処理で、この変換データをインターネット600経由で送信する。
【0119】
そして、s220の処理で読み出された変換依頼データを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142から削除した後(s250)、s210の処理へ戻る。
[第2実施形態の効果]
このように構成された情報処理システム2によれば、第1実施形態と異なる構成から得られる効果として、以下に示すような効果を得ることができる。
【0120】
この情報処理システム2によれば、FAX100は、RAM140の蓄積領域144に記録されたデータのうち、操作パネル120により指定されたデータと共に変換依頼データが共有領域142に記録され(図13におけるs1010,s1030の処理)、これにより、操作パネル120により指定されたデータのデータ形式を変換することを依頼している。このように、利用者が操作パネル120により任意に指定したデータに対して、データ形式の変換を依頼することができる。
【0121】
また、電話回線網400を介して入力される音声信号を、音声データとしてRAM140の蓄積領域144に記録しておくことができ(図11におけるs820からs840の処理)、この音声データを操作パネル120の操作を受けて送信することができる。
【0122】
また、PC200は、FAX100の備えるRAM140の共有領域142の変換依頼データが記録された後(図13におけるs1020の処理)、この変換依頼データと共に記録されたデータのデータ量を圧縮してなるデータを生成して共有領域142に記録する。そのため、FAX100側では、画像データおよび音声データをそのままのデータ形式で送信する場合よりも、データ量の少ない状態で送信することができるため、伝送効率がよく、インターネット600におけるトラフィックを無用に増加させないようにすることができる。
【0123】
また、FAX100側で記録された画像データおよび音声データは、PC200側にも記録されるため(図12におけるs930の処理)、これらのデータをPC200側でも保存・管理することができる。そして、PC200側で記録された画像データで示される画像、または、音声データで示される音声は、PC200側のアプリケーションソフトで自由に確認および編集できるようになる。
【0124】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態においては、FAX100およびPC200からなるシステムに本発明における情報処理システムとしての構成を適用したものを例示した。しかし、本発明における情報処理システムとしては、FAX100およびPC200以外の装置により構成してもよく、1または3以上の装置により情報処理システムを構成してもよい。
【0125】
また、上記実施形態においては、各フローチャートで示される処理が、FAX100の備えるCPU132,PC200の備えるCPU212からなるコンピュータシステムにより実行されるように構成されたものを例示した。しかし、これらの処理の一部または全部が、FAX100,PC200に有線・無線の信号伝送路で接続された別のコンピュータシステムにより実行されるように構成してもよい。
【0126】
また、上記実施形態のFAX100においては、各フローチャートで示される処理がROM134に記録されたプログラムに従って実行されるように構成されたものを例示した。しかし、メモリカード500に上述のプログラムを記録させておき、このメモリカード500をメディアドライブ180に装着した状態で、メモリカード500に記録されたプログラムに従って各フローチャートで示される処理を実行されるように構成してもよい。
【0127】
また、上記実施形態のPC200においては、各フローチャートで示される処理がHD220に記録されたプログラムに従って実行されるように構成されたものを例示した。しかし、PC200がFDやメモリカードなどの記録媒体との間でデータを入出力可能に構成されている場合には、上述のプログラムが記録されている記録媒体に基づいて、各フローチャートで示される処理が実行されるように構成してもよい。
【0128】
また、上記実施形態において、電話回線網400は、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)であってもよいし、IP電話網であってもよい。
また、上記実施形態においては、FAX100が、電話回線網400を介して画像信号を送受信(ファクシミリ通信)するように構成されたものを例示した。しかし、このFAX100を、インターネット600を介してファクシミリ通信を行うように構成してもよい。
【0129】
また、上記実施形態においては、FAX100のRAM140における共有領域142を利用して、FAX100およびPC200間での各種データのやりとりが行われるように構成されたものを例示した。しかし、これらデータのやりとりは、メディアドライブ180に装着されたメモリカード500により行われるように構成してもよい。この場合、上記実施形態における「RAM140における共有領域142」との記載を、「メディアドライブ180に装着されたメモリカード500」と読み替えるものとする。
【0130】
また、上記実施形態においては、PC200が、図4におけるs250,図9におけるs650,図12におけるs940の処理で、データを生成するキッカケとなった依頼データをFAX100側から削除させることによって、同一の依頼データにより同じデータが複数生成されることを防止するように構成されたものを例示した。しかし、同一の依頼データにより同じデータが複数生成されることを防止するためには、他の構成を採用することもできる。例えば、上記各処理で、データを生成するキッカケとなった依頼データを、データを生成済みである旨を特定可能な状態に修正するようにし(依頼データ修正指令手段)、データを生成する前の処理においては、依頼データが記録されたかどうかだけでなく、データを生成済みであるかどうかをもチェックする、といった構成である。この構成において「データを生成済みである旨を特定可能な状態」とは、例えば、依頼データの一部を「データを生成済みである旨」を示す内容に書き換えたり、依頼データに「データを生成済みである旨」を示すデータを付加したり、といった状態である。
【0131】
また、上記実施形態においては、FAX100が、図3におけるs190,図7におけるs420,s430,図13におけるs1080,図15におけるs1140の処理で、データを送信または印刷するキッカケとなったデータをRAM140から削除させることによって、同一のデータにより同じ処理が繰り返し実行されることを防止するように構成されたものを例示した。しかし、同一のデータにより同じ処理が繰り返し実行されることを防止するためには、他の構成を採用することもできる。例えば、上記各処理で、データを送信または印刷するキッカケとなったデータを、データを生成済みである旨を特定可能な状態に修正するようにし(実現データ修正指令手段)、データを生成する前の処理においては、依頼データが記録されたかどうかだけでなく、データを生成済みであるかどうかをもチェックする、といった構成である。この構成において「データを生成済みである旨を特定可能な状態」とは、例えば、依頼データの一部を「データを生成済みである旨」を示す内容に書き換えたり、依頼データに「データを生成済みである旨」を示すデータを付加したり、といった状態である。
【0132】
また、上記第2実施形態においては、着信元からの音声信号の入力が終了したことを、音声データの記録を開始および終了する条件としたものを例示した。しかし、このFAX100に、音声通話中の音声信号を音声データとして記録できる周知の構成を採用した場合には、音声通話中に操作パネル120により所定の操作(特定のボタン押下や特定の操作手順)が行われた際に、音声データの記録を開始および終了するように構成すればよい。
【0133】
また、上記実施形態においては、PC200が逆変換依頼データに基づいて生成した変換画像データで示される画像の印刷を、プリンタドライバを介してFAX100に指令するように構成されたものを例示した(図9におけるs640の処理)。しかし、変換画像データで示される画像の印刷は、プリンタドライバを介さずに行うように構成してもよい。例えば、PC200は、図9の形式逆変換処理として以下に示すような処理を行うようにし、FAX100は、印刷処理として以下に示すような処理を行うように構成すればよい。
・PC200による形式逆変換処理
この場合の形式逆変換処理は、図9におけるs640の処理の代わりにs642,s644の処理が行われ、s650以降にs651からs657の処理を追加したものであり、これらの処理を、図14に基づいて説明する。
【0134】
まず、s630の処理で変換画像データを生成した後、この変換画像データを、HD220における特定の記録領域に連番(記録された順番)を対応づけたファイル名で記録させる(s642)。
次に、s620の処理で読み出された画像データを、共有領域142から削除する(s644)。
【0135】
また、s650の処理で逆変換依頼データを削除した後、s610の処理と同様に共有領域に逆変換依頼データが記録されているかどうかをチェックする(s651)。
このs651の処理で、逆変換依頼データが記録されていれば(s651:YES)、s620の処理へ戻る。
【0136】
一方、s651の処理で変換依頼データが記録されていなければ(s651:NO)、変数Nに「1」をセット(1→N)する(s652)。なお、以降に記載の「n」は、変数Nにセットされた値を示すものとする。
次に、第n番目の変換画像データを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に記録させる(s653)。
【0137】
次に、s653の処理で記録させた変換画像データの印刷を指令するための印刷指令データを、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に記録させる(s654)。この印刷指令データが共有領域142に記録された後、FAX100は、後述する印刷処理(図15)において変換画像データで示される画像の印刷を行った後、この変換画像データを削除する。
【0138】
次に、s653の処理で記録させた変換画像データが、共有領域142から削除されるまで待機する(s655:NO)。
このs655の処理で、共有領域142から変換画像データが削除されたら(s655:YES)、変数Nに「1」を加算(1+n→N)する(s656)。
【0139】
そして、第n番目の変換画像データが存在すれば(s657:YES)、s653の処理へ戻る一方、第n番目の変換画像データが存在しなければ(s657:NO)、s610の処理へ戻る。
・FAX100による印刷処理
以下に、FAX100の備えるCPU132により実行される印刷処理の処理手順を図15に基づいて説明する。この印刷処理は、RAM140の共有領域142に、印刷指令データが記録された際に開始される。なお、この印刷指令データは、図14におけるs654の処理でPC200側から記録されるデータである。
【0140】
まず、RAM140の共有領域142から変換画像データを読み出す(s1110)。
次に、s1110の処理で読み出された変換画像データで示される画像を、プリンタ部156により印刷させる(s1120)。
【0141】
次に、共有領域142に記録されている変換画像データを削除する(s1130)。
そして、共有領域142に記録されている印刷指令データを削除する(s1140)。
【0142】
このように構成すれば、PC200側から、FAX100の備えるRAM140の共有領域142に、変換画像データおよび印刷指令データを記録させるだけで(図14におけるs653,s654の処理)、この変換画像データで示される画像をFAX100に印刷させることができる。この場合、PC200側にデバイスドライバを組み込んでおく必要がない。
【0143】
[本発明との対応関係]
以上説明した実施形態において、FAX100は本発明におけるメイン端末装置であり、PC200は本発明におけるサブ端末装置である。
また、FAX100のうち、RAM140の共有領域142は本発明におけるデータ記録手段であり、スキャナ部152は本発明におけるデータ取得手段であり、プリンタ部156は本発明における印刷手段である。
【0144】
また、図3におけるs190,図7におけるs420,図13におけるs1080,図15におけるs1130の処理は、本発明における実現削除手段である。また、図3におけるs180,図7におけるs410,図8におけるs520,図13におけるs1070の処理は、本発明における画像通信手段である。
【0145】
また、図11におけるs820からs840の処理は、本発明におけるデータ取得手段である。
また、図13におけるs1010の処理は、本発明における外部記録指令手段である。
【0146】
また、操作パネル120により、送信すべきデータと送信先の識別情報とを指定するための操作が行われた際に、データ通信処理(図13)を開始するFAX100のCPU132は、本発明における送信指定手段として機能している。
また、図3におけるs130,図8におけるs540,図10におけるs730,図11におけるs860,図13におけるs1020の処理は、本発明における依頼記録指令手段である。
【0147】
また、図3におけるs170,s180,図7におけるs410,図13におけるs1060,s1070の処理は、本発明における機能実現手段であり、これらの処理で送信されるデータが本発明における実現データである。
また、図4におけるs230,図9におけるs630の処理は、本発明におけるデータ生成手段である。
【0148】
また、図4におけるs240,図9におけるs640,図14におけるs653の処理は、本発明における実現送信手段である。
また、図4におけるs250,図9におけるs650,図14におけるs650の処理は、本発明における依頼削除手段である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における情報処理システムの構成を示すブロック図
【図2】FAXの備えるRAMの記録領域を示す図
【図3】FAXによる第1ファクシミリ送信処理の処理手順を示すフローチャート
【図4】PCによる形式変換処理の処理手順を示すフローチャート
【図5】PCによる送信依頼処理の処理手順を示すフローチャート
【図6】PCのディスプレイに表示された送信指示画面を示す図
【図7】FAXによる第2ファクシミリ通信処理の処理手順を示すフローチャート
【図8】FAXによるファクシミリ受信処理の処理手順を示すフローチャート
【図9】PCによる形式逆変換処理の処理手順を示すフローチャート
【図10】第2実施形態のFAXによるスキャン処理の処理手順を示すフローチャート
【図11】第2実施形態のFAXによる留守録処理の処理手順を示すフローチャート
【図12】第2実施形態のPCによるデータ保存処理の処理手順を示すフローチャート
【図13】第2実施形態のFAXによるデータ通信処理の処理手順を示すフローチャート
【図14】別の変形例におけるPCによる形式逆変換処理の処理手順を示すフローチャート
【図15】別の変形例におけるFAXによる印刷処理の処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1,2・・・情報処理システム、100・・・ファクシミリ装置、112・・・ハンドセット、114・・・表示パネル、120・・・操作パネル、132・・・CPU、134・・・ROM、140・・・RAM、142・・・共有領域、144・・・蓄積領域、152・・・スキャナ部、154・・・モデム、156・・・プリンタ部、160・・・音声入出力部、162・・・スピーカ、164・・・マイク、166・・・駆動回路、172・・・PCインターフェース部、174・・・回線制御部、176・・・ネットワークインターフェース部、180・・・メディアドライブ、190・・・バス、
200・・・パーソナルコンピュータ、212・・・CPU、214・・・ROM、216・・・RAM、220・・・ハードディスク、232・・・外部インターフェース部、240・・・入力部、242・・・キーボード、244・・・マウス、250・・・ディスプレイ、260・・・バス、300・・・通信ケーブル。

Claims (14)

  1. 少なくとも1以上の機能を有するメイン端末装置、および、該メイン端末装置とデータ通信可能に接続されたサブ端末装置からなる情報処理システムであって、
    前記メイン端末装置は、
    各種データを記録可能であり、前記サブ端末装置が該サブ端末装置に接続された外部記録装置として認識可能なデータ記録手段と、
    外部からの指令を受けて、前記1以上の機能のうちいずれかの機能を実現するために必要な実現データの生成を前記サブ端末装置に依頼するための依頼データを、前記データ記録手段に記録させる依頼記録指令手段と、
    該依頼記録指令手段による指令の後、前記サブ端末装置から前記実現データが送信されてきた際に、該実現データに基づいて機能を実現するための処理を行う機能実現手段と、を備えており、
    前記サブ端末装置は、
    前記メイン端末装置の備えるデータ記録手段に前記依頼データが記録された際に、該依頼データで生成を依頼された前記実現データを生成するデータ生成手段と、
    該データ生成手段により生成された実現データを、前記メイン端末装置へ送信する実現送信手段と、を備えている
    ことを特徴とする情報処理システム。
  2. 前記サブ端末装置において、
    前記実現送信手段は、前記データ生成手段により生成された実現データを、前記メイン端末装置へ送信し、該メイン端末装置の備えるデータ記録手段に記録させて、
    前記メイン端末装置において、
    前記機能実現手段は、前記サブ端末装置から送信されてきた前記実現データが前記データ記録手段に記録された際に、該実現データに基づいて機能を実現するための処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
  3. 前記サブ端末装置においては、
    前記データ生成手段により実現データが生成された後、前記メイン端末装置の備えるデータ記録手段に記録されている前記依頼データを削除する依頼削除手段が、備えられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
  4. 前記メイン端末装置においては、
    前記機能実現手段により機能を実現するための処理が行われた後、前記データ記録手段に記録されている前記実現データを削除する実現削除手段が、備えられている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報処理システム。
  5. 前記メイン端末装置においては、
    ネットワーク経由で画像データを送受信する画像通信手段と、
    各種画像を印刷媒体に印刷可能な印刷手段と、が備えられており、
    前記依頼記録指令手段は、前記画像通信手段により画像データが受信された際に、該画像データを前記印刷手段により印刷可能なデータ形式に変換してなる前記実現データの生成を依頼するためのデータを前記依頼データとして、該依頼データに前記画像データを付加した状態で前記データ記録手段に記録させて、
    前記機能実現手段は、前記依頼記録指令手段による指令の後、前記サブ端末装置から前記実現データが送信されてきた際に、該実現データで示される画像を前記印刷手段により印刷させることによって、画像データで示される画像の印刷を実現して、
    前記サブ端末装置において、
    前記データ生成手段は、前記メイン端末装置の備えるデータ記録手段に前記依頼データが記録された際に、該依頼データに付加されている前記画像データを、前記依頼データで依頼されたデータ形式へ変換することによって、該データ形式に変換した画像データを前記実現データとして生成する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報処理システム。
  6. 前記メイン端末装置においては、
    ネットワークとデータ通信可能に接続されており、
    外部からの指令を受けて、当該メイン端末装置外部から入力されるデータである外部データを取得するデータ取得手段と、
    該データ取得手段により取得された外部データを前記データ記録手段に記録させる外部記録指令手段と、を備え、
    前記依頼記録指令手段は、前記データ記録手段に前記外部データが記録された後に、該外部データをネットワークに伝送させるのに適したデータ形式へ変換してなる前記実現データの生成を依頼するためのデータを前記依頼データとして、該依頼データに前記外部データを付加した状態で前記データ記録手段に記録させて、
    前記機能実現手段は、前記依頼記録指令手段による指令の後、前記サブ端末装置から前記実現データが送信されてきた際に、該実現データをネットワーク経由で送信することによって、ネットワークに適したデータ形式でのデータ通信を実現して、
    前記サブ端末装置において、
    前記データ生成手段は、前記メイン端末装置の備えるデータ記録手段に前記依頼データが記録された際に、該依頼データに付加されている前記外部データを、前記依頼データで依頼されたデータ形式へ変換することによって、該データ形式に変換した外部データを前記実現データとして生成する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報処理システム。
  7. 前記メイン端末装置においては、
    前記データ取得手段により取得された外部データのうち、ネットワーク経由で送信すべき外部データを利用者に指定させる送信指定手段が、備えられており、
    前記依頼記録指令手段は、前記送信指定手段により外部データが指定された際に、前記依頼データを前記データ記録手段に記録させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
  8. 前記メイン端末装置においては、
    ネットワークを介して入出力される音声信号に基づく音声通話を実現する機能を有しており、
    前記データ取得手段は、外部からの指令を受けて、ネットワークを介して入出力される音声信号の前記外部データとしての取得を開始および終了する
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の情報処理システム。
  9. 前記メイン端末装置において、
    前記データ取得手段は、利用者の操作を受けて、所定の画像を画像データとして読み取ることにより、該読み取られた画像データを前記外部データとして取得して、
    前記依頼記録指令手段は、前記データ記録手段に前記外部データが記録された際に、前記依頼データを前記データ記録手段に記録させる
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の情報処理システム。
  10. 前記メイン端末装置において、
    前記依頼データは、データ量が圧縮されるデータ形式への前記外部データの変換を依頼するためのデータである
    ことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の情報処理システム。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のメイン端末装置として機能する端末装置。
  12. 請求項1から10のいずれかに記載のサブ端末装置として機能する端末装置。
  13. 請求項1から10のいずれかに記載の依頼記録指令手段および機能実現手段として機能するための各種処理手順を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラム。
  14. 請求項1から10のいずれかに記載のデータ生成手段および実現送信手段として機能させるための各種処理手順を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラム。
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