JP2004303646A - 電気光学装置、及び電気光学装置の製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置、及び電気光学装置の製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な有機EL素子を形成するために、液体吐出法で有機EL素子を形成することが容易になる電気光学装置、及び電気光学装置の製造方法、並びに電子機器を提供する。
【解決手段】基板20上に設けられている駆動素子112、113、123および画素電極23を有する電気光学装置1であって、基板20は駆動素子112、113、123の位置に対応して形成された凹部77を有し、さらにスイッチング素子及び配線と画素電極23の間に平坦化絶縁膜75を有していることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置、及び電気光学装置の製造方法、並びに電子機器に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
従来、基板上に複数の薄膜トランジスタ(以下、TFTと称す。)と、このTFTによって駆動される有機EL素子とを有した有機EL表示装置が知られている。また、このような有機EL表示装置においては、TFTと有機EL素子との間に層間絶縁膜が形成されており、良好な電気絶縁性が得られた構成となっている。
【0003】
このような有機EL表示装置の中でも、有機EL素子を形成する方法としては、蒸着法を用いるのが一般的であったが、近年では湿式法による形成方法が提案され、その中でも液体吐出法が注目されている。当該液体吐出法は、各種材料を液状化させた液体材料を微細な領域に正確に吐出して定着させることができるので、フォトリソグラフィが不要になり、材料の無駄が発生せず、製造コストの低減が可能になる。
【0004】
上記の湿式法によれば、液体材料が配置される部位が凹凸面を有した場合に、当該液体材料が凹部に偏って配置され、その膜厚が不均一になり、発光特性のバラツキや、有機EL表示装置の短寿命化を招くという課題がある。そのため、湿式法を施す前に下地の層間絶縁膜等の表面を高精度に平坦化する必要がある。
【0005】
層間絶縁膜等の表面を平坦化する技術として、予め基板に溝を設け、TFT等の駆動素子を当該溝に埋設する技術が提案されている(特許文献1〜7参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平03−159175号公報
【特許文献2】
特開平06−095155号公報
【特許文献3】
特開平06−130418号公報
【特許文献4】
特開平08−095062号公報
【特許文献5】
特開平10−268343号公報
【特許文献6】
特開平10−339873号公報
【特許文献7】
特開2000−214482号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献の技術によれば、ゲート電極(駆動素子)だけを埋め込んでも、他の回路及び配線(駆動素子)が突起となり平坦化が困難であるという問題があった。また、大画面パネルの場合、配線抵抗の影響を軽減するために配線幅を広げるだけでなく、ある程度の厚みで配線を形成する必要があるため、平坦化が困難になるという問題があった。また、コンデンサ(駆動素子)を形成する場合には、配線を重ねる必要があり、平坦化が更に困難になるという問題あった。
【0008】
また、図9に示すように、基板500に溝510を設け、当該溝510に薄膜層(多結晶シリコン層、配線等)520を形成する場合に、理想的には図9(a)及び(b)に示すように基板表面500aが平坦となるように溝510に薄膜層520が形成されることが好ましいが、一般的なフォトリソプロセスでは基板表面500aの平坦化は困難であり、図9(c)及び(d)に示すようにスイッチング素子のパターンの位置ズレや寸法ズレによって隙間550や突起部560が形成されてしまい、完全な平坦化を実現することができないという問題があった。
【0009】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、良好な有機EL素子を形成するために、液体吐出法で有機EL素子を形成することが容易になる電気光学装置、及び電気光学装置の製造方法、並びに電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
即ち、本発明の電気光学装置は、基板上に設けられている駆動素子および画素電極を有する電気光学装置であって、前記基板は前記駆動素子の位置に対応して形成された凹部を有し、さらにスイッチング素子及び配線と画素電極の間に平坦化絶縁膜を有していることを特徴とする。
ここで、駆動素子とは、スイッチング素子、各種電極、各種配線、各種絶縁膜、保持容量等からなり、電気光学装置の駆動信号(走査信号、画素信号、駆動制御信号等)に応じて、発光層を狭持する対向電極間に電圧を付与するものであり、当該駆動信号に応じて発光層を発光する機能を備えた素子である。
また、発光層とは、画素電極と対向電極から供給される正孔と電子が結合し、励起状態から失活することにより、発光現象が生ずる性質を有したものである。また、凹部とは、駆動素子のうちいずれかを埋設するために、基板に形成された部位であり、当該凹部の位置は駆動素子の位置に対応して形成されている。更に、従来まで基板面から突起した駆動素子が埋設されるので、所望に平坦化された平坦面が形成される。
また、平坦化絶縁膜とは、凹部に埋設された駆動素子の上方に形成される層間絶縁膜であり、また、上記所望に平坦化された平坦面に対して更に高精度な平坦化を補完的に行い、で画素電極や発光層等の発光機能層が形成される下地膜を意味する。
従って本発明によれば、駆動素子を基板に埋設して得られる平坦面を、平坦化絶縁膜によって更に高精度に平坦化することができるので、平坦化絶縁膜の上層に形成される発光層等の発光機能層が均一に形成され、発光特性のバラツキが生じず、良好な発光特性が得られ、長寿命化が達成された電気光学装置を提供することができる。
また本発明は先に記載の電気光学装置であり、前記平坦化絶縁膜の材料が有機材料であることを特徴とする。
有機材料はフォトリソプロセスによってパターンを容易に形成できるだけでなく、感光性を持たせてフォト工程のみでパターンを形成することができる。そのため、無機材料と比べて工程短縮・コスト削減という効果が得られる。
また本発明は先に記載の電気光学装置であり、前記有機材料は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂のうちいずれかを含んでいることを特徴とする。
これらの材料は、有機材料の特徴を有するのみならず、耐熱性にすぐれ、電気光学装置製造プロセスの加工条件(温度)を高く設定することができるので、他の材料を使った場合に比べて高信頼性の電気光学装置を提供することができる。
また本発明の電気光学装置の製造方法は、基板上に、駆動素子と、平坦化絶縁膜と、画素電極と、発光層と、対向電極とを順に形成する電気光学装置の製造方法であって、基板に凹部を形成し、当該凹部に駆動素子を埋設して平坦面を形成する工程と、平坦面を補完する平坦化絶縁膜を形成する工程とを具備することを特徴とする。
従って本発明によれば、所望に平坦化された平坦面が平坦化絶縁膜によって更に高精度に平坦化されるので、平坦化絶縁膜の上層に形成される発光層等の発光機能層が均一に形成され、発光特性のバラツキが生じず、良好な発光特性が得られ、長寿命化が達成された電気光学装置を提供することができる。
【0011】
また、本発明は先に記載の電気光学装置の製造方法であり、平坦化絶縁膜を形成する工程は、耐熱性感光性樹脂を塗布する工程と、前記耐熱性感光性樹脂を乾燥させる工程と、平坦化膜パターンの露光用マスクを通して前記耐熱性感光性樹脂に対して紫外線を照射する工程と、現像液によって前記耐熱性感光性樹脂の不要部分を溶解除去する工程と、前記耐熱性感光性樹脂を焼成する工程とを具備していることを特徴とする。
有機材料のパターニングによって平坦化絶縁膜を形成する場合、耐熱性感光性樹脂を用いるのが最も簡便で低コスト化が可能である。従って、高信頼性の電気光学装置を低コストで提供することができる。
また、本発明は先に記載の電気光学装置の製造方法であり、前記耐熱性感光性樹脂が、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂のうちいずれかを含んでいることを特徴とする。
これらの耐熱性感光樹脂は、表示体分野、半導体分野等で広く使われており、容易に入手でき、コストも類似材料の中では比較的安い。従って高信頼性の電気光学装置を低コストで提供することができる。
【0012】
また、本発明は先に記載の電気光学装置の製造方法であり、発光層を形成する工程は湿式法を施す工程を具備することを特徴とする。ここで、湿式法の中でも液体吐出法であることが好ましい。
従って、本発明によれば、液体吐出装置に設定されたパターンの電子データに応じて、吐出量が制御された液体材料を微細な領域に正確に吐出して定着させることができるので、マスクパターンを転写するフォトプロセスが不要になり、材料の無駄が発生せず、製造コストの低減が可能になる。
また、平坦化絶縁膜が高精度な平坦面を有しているので、上記方法で吐出された発光層の液体材料は均一になり、また、液体吐出法により一滴あたりの液体材料の吐出量が一定に管理されているので、発光層の膜厚が均一になり、先に記載の製造方法と同様の効果を奏する。
【0013】
次に、本発明の電子機器は、先に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とするものである。
従って、本発明の電子機器としては、例えば、携帯電話機、移動体情報端末、時計、ワープロ、パソコンなどの情報処理装置などを例示することができる。このように電子機器の表示部に、本発明の電気光学装置を採用することによって、良好な発光特性及び発光寿命の表示部を備え、低コストの電子機器となる。
これらの電子機器を製造するには、電気光学装置を携帯電話、携帯型情報処理装置、腕時計型電子機器等の各種電子機器の表示部に組み込むことにより製造される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明に係る電気光学装置、及び電気光学装置の製造方法、並びに電子機器の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、係る実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。なお、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
【0015】
(第1の実施形態)
(EL表示装置)
まず、第1の実施形態として本発明の製造方法によって製造される電気光学装置について説明する。そこで、電気光学物質の一例である電界発光型物質、中でも有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を用いたEL表示装置について説明する。図1は本実施形態に係るEL表示装置の配線構造を示す模式図である。
【0016】
図1に示すEL表示装置(電気光学装置)1は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下では、TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス方式のEL表示装置である。
【0017】
このEL表示装置1は、複数の走査線(配線)101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線(配線)102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線(配線)103…とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101…と信号線102…の各交点付近に、画素領域X…が設けられている。
【0018】
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
【0019】
更に、画素領域X各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(駆動素子)112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から共有される画素信号を保持する保持容量(駆動素子)113と、当該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT(駆動素子)123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに当該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極23と、当該画素電極23と陰極50との間に挟み込まれた発光機能層13とが設けられている。
【0020】
このEL表示装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、当該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して、電源線103から画素電極23に電流が流れ、更に発光機能層13を介して陰極50に電流が流れる。発光機能層13は、これを流れる電流量に応じて発光する。
【0021】
次に、本実施形態のEL表示装置1の全体的な態様について説明する。
図2に示すEL表示装置1は、電気絶縁性を備える基板20と、図示略のスイッチング用TFTに接続された画素電極が基板20上にマトリックス状に配置される図示略の画素電極域と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線103…と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図中一点鎖線枠内)とを具備して構成されている。また画素部3は、中央部分の実表示領域4(図中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。
【0022】
実表示領域4には、図1に示した画素領域Xに対応して画素R、G、Bが複数配置されている。また、実表示領域4の図中両側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。この走査線駆動回路80、80はダミー領域5の下層側に位置して設けられている。
【0023】
更に、実表示領域4の図中上側には、検査回路90が配置されている。この検査回路90はダミー領域5の下層側に位置して設けられている。この検査回路90は、EL表示装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する不図示の検査情報出力手段を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。
【0024】
走査線駆動回路80および検査回路90の駆動電圧は、所定の電源部から駆動電圧導通部を介して印加されている。また、これら走査線駆動回路80および検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、このEL表示装置1の作動制御を司る所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部及び駆動電圧導通部を介して送信および印加されるようになっている。
なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
【0025】
次に、図3及び図4を参照し、EL表示装置1の中でも画素R、G、Bを構成している画素領域Xについて説明する。図3はEL表示装置1の要部断面図、図4は図3のA−A’平面図である。なお、図3は図4のB−B’断面に対応している。また、図3及び図4においては、配線や絶縁膜の境界線が重なっている部分を拡大分離して表示している。
EL表示装置1は、基板20上に、回路部(駆動素子)と、層間絶縁層12と、発光機能層13とを備えた構成となっている。次に、本実施形態においては、回路部、層間絶縁層12、発光機能層13を順に説明する。
【0026】
(回路部)
回路部は、基板20に形成された凹部77に埋設されており、スイッチング用TFT(駆動素子)112と、駆動用TFT(駆動素子)123と、保持容量(駆動素子)113とを備えている。なお、凹部77を含む基板20の表面には不図示の下地保護層が形成されている。
【0027】
基板20は、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミック、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。なお、凹部77をエッチング法により形成する場合には、エッチング性が良好な材料が好ましい。
【0028】
図4に示すように、スイッチング用TFT112は、ゲート電極112Gと、ソース領域112Sと、ドレイン領域112Dとを有しており、これらは凹部77に埋設されている。これらは、ポリシリコン等の半導体材料からなり、イオン注入法によりP(リン)イオン等の不純物が混入されている。ソース領域112Sとドレイン領域112Dとの間には不図示のチャネル領域が形成されており、当該チャネル領域はゲート電極112Gの電界の作用によってソース領域112Sとドレイン領域112Dとは導通状態となる。ゲート電極112Gと走査線101とは同一部材であるので、走査線駆動回路80の走査信号がゲート電極112Gに供給されるようになっている。また、ソース領域112S及び信号線102、ドレイン領域112D及びドレイン電極DRは、コンタクトホールCを介して電気的に接続されている。
【0029】
駆動用TFT123は、ゲート電極123Gと、ソース領域123Sと、ドレイン領域123Dとを有しており、これらは凹部77に埋設されている。これらは、ポリシリコン等の半導体材料からなり、イオン注入法によりP(リン)イオン等の不純物が混入されている。ソース領域123Sとドレイン領域123Dとの間には不図示のチャネル領域が形成されており、当該チャネル領域はゲート電極123Gの電界の作用によってソース領域123Sとドレイン領域123Dとは導通状態となる。ゲート電極123Gは、ドレイン電極DRとコンタクトホールを介して電気的に接続されていると共に、下層電極41と同一部材で一体形成されている。また、ソース領域123S及び電源線103、ドレイン領域123D及び画素電極23は、コンタクトホールC及び中継電極10を介して電気的に接続されている。ここで、中継電極10は、層間絶縁層12(後述)に形成されたコンタクトホールCを埋設するように形成されている。
【0030】
保持容量(駆動素子)113は、電源線103と下層電極41とからなり、下層電極41が凹部77に埋設されている。下層電極41はゲート電極123G及びドレイン電極DRと接続されているので、ドレイン領域112Dを介して供給される画像信号を保持し、当該保持された画像信号がゲート電極123Gに供給されるようになっている。
このような回路部においては、凹部77によって基板20の内部に埋設されるので、その表面は所望に平坦化された平坦面となる。
【0031】
(層間絶縁層)
層間絶縁層12は、第1層間絶縁層71と、第2層間絶縁層72と、平坦化絶縁層(平坦化絶縁膜)75とを備えている。
第1層間絶縁層71は、下層電極41と電源線103とを絶縁するものであり、ドレイン電極DR及び信号線102および電源線103の側面を埋めるように形成されている。
第2層間絶縁層72は、ドレイン電極DR、信号線102、電源線103及び第1層間絶縁層71を完全に覆うように形成されている。
平坦化絶縁層75は、層間絶縁層12の最上部に位置する層膜であり、上記回路部の埋設により形成された平坦面に対して、補完的に高精度に平坦化するための層膜である。
なお、第1層間絶縁層71と、第2層間絶縁層72とは一括して形成してもよい。
【0032】
このような層間絶縁層12の材料としては、種種の材料が採用され、特に、平坦化絶縁層75は有機材料を用いて形成されている。当該有機材料としてはアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等が好適に採用される。第1層間絶縁層71及び第2層間絶縁層72の材料は、製造プロセスや完成後の信頼性等に問題がなければ平坦化絶縁層75と同じ材料であることが好ましいが、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機絶縁膜でもかまわない。
【0033】
(発光機能層)
発光機能層13は、正孔を注入/輸送可能な正孔注入/輸送層70と、電気光学物質の一つである有機EL物質を備える有機EL層(発光層)60と、有機EL層60に対して電子を注入する電子注入層52とが順に形成されたものであり、画素電極23と陰極50とによって狭持されている。
【0034】
画素電極23は、中継電極10と電気的に接続された部位である。その材料としては、アルミ(Al)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)等の金属やITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide(登録商標))(出光興産社製)等の透明性金属等によって形成されており、これらの材料の単層構造や2層構造が好適に採用される。トップエミッション型の場合、画素電極としてCr等を採用した場合、発光光を好適に反射するため、発光効率を向上させることができる。また、画素電極がTiとITOとの積層膜の場合、ITO、正孔注入/輸送層70や有機EL層60、陰極50の屈折率/反射率から各層の膜厚を最適化することにより、入射光の反射を抑制して実表示領域4を黒色化してコントラストを改善することができる。
【0035】
正孔注入/輸送層70は、画素電極23から有機EL層60に正孔を注入するものであり、その材料としては、例えば、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など、または、それらのドーピング体等の材料が採用される。より具体的には、例えば、PEDOT:PSSの一種であるバイトロン−p(Bytron−p:バイエル社製)などを好適に用いることができる。正孔注入/輸送層70の形成方法としては、液体吐出法が好適に用いられる。当該液体吐出法においては、各種材料と揮発性液体とを混合させた液体材料を微細な領域に正確に吐出して定着させることができるので、フォトリソグラフィが不要になり、材料の無駄が発生せず、製造コストの低減が可能になる。
【0036】
有機EL層60は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が採用される。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料、例えば、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることができる。また、有機EL層60の膜厚は、50〜100nm程度であることが好ましい。有機EL層60の形成方法としては、正孔注入/輸送層70と同様に液体吐出法が用いられる。
【0037】
電子注入層52は、陰極50から有機EL層60に電子を注入するものであり、バソクプロインとCsの共蒸着膜、CaまたはMg−Ag合金のような低仕事関数金属を光が十分透過する程度の厚さ(概ね5〜20nm)に形成した薄膜等の材料が採用される。また、電子注入層52は、上記材料を蒸発源とする蒸着法、又は上記金属化合物のターゲット材を用いたプラズマダメージが少ないスパッタリング法などにより形成される。
【0038】
陰極50は、実表示領域4(図2参照)を覆うように形成されている。
陰極50を形成するための材料としては、透明性を備えた公知の材料として、ITOが好適に採用される。その他の透明性を備えた金属として、金属酸化物に亜鉛(Zn)を含有した材料、例えば、酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)等を採用することができる。
このような陰極50は、上記の材料のターゲット材を用いたスパッタリング法、或いは上記材料を含有する反応性ガスを用いるCVD法などにより形成される。
【0039】
また、上記正孔注入/輸送層70と有機EL層60の側部には、画素電極23と接触するように配置された親液性制御層25と、バンク51とが形成されている。親液性制御層25は、例えばSiOなどの親液性材料を主体とした材料によって形成されており、絶縁材料であることが好ましい。また、バンク51は、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等の材料によって形成されており、各画素領域Xを囲うように形成してもよいし、同色の列または行の画素を繋げるように形成してもよい。親液性制御層25が親液性を有することにより、正孔注入/輸送層70と有機EL層60とを液体吐出法により形成する場合(後述)に、液体材料が一様に濡れ広がるので、陰極と陽極間とのショート等の欠陥発生を防止することができる。
なお、本実施形態における親液性制御層25の「親液性」とは、少なくともバンク51を構成するアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの材料と比べて親液性が高いことを意味するものとする。
【0040】
更に、陰極50上には、不図示の保護膜、接着層、カバー基板が形成されている。保護膜は、EL表示装置1の外部から侵入する水分や酸素に対するガスバリア性を備えた部材である。保護膜の材料としては、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等が採用される。
接着層は、保護膜にカバー基板を接着すると共に、カバー基板の外部からの衝撃を緩衝する緩衝材としての機能を有するものである。
カバー基板は、電気絶縁性を有する種種の板状部材であって、ガラス基板等が好適である。また、EL表示装置の形態によってはフレキシブル基板でもよい。
【0041】
このように構成されたEL表示装置1においては、まず、走査線駆動回路80が走査信号を発した際に、ゲート電極112Gに電流が流れ、ゲート電極112G近傍への電界の作用により、ソース領域112Sとドレイン領域112Dとが導通状態となる。ここで、データ線駆動回路100が駆動信号を発した際には、信号線102から、ソース領域112Sとドレイン領域112Dを介してドレイン電極DR及びゲート電極123Gへ電流が流れる。更に、ゲート電極123G近傍への電界の作用により、ソース領域123Sとドレイン領域123Dとが導通状態となり、電源線103の電流がソース領域123Sとドレイン領域123Dと中継電極10を介して、画素電極23に供給される。更に、ドレイン電極DRは下層電極41と接続されているので、駆動信号は保持容量113によって保持される。
【0042】
画素電極23に電流が供給されることにより、画素電極23と陰極50には所定の電圧が供給される。これに伴って、有機EL層60に対して正孔注入/輸送層70から正孔が注入され、電子注入層52から電子が注入される。有機EL層60において正孔と電子が結合し、励起状態から失活することにより、発光現象が生ずる。ここで発光光は、陰極50側に出射する。
【0043】
上述したように、EL表示装置1においては、凹部77に回路部が埋設されることにより、その表面は所望に平坦化された平坦面となる。更に、平坦化絶縁層75が形成されるので、補完的に高精度に平坦化される。従って、画素電極23の面積を駆動素子の上層側まで広げても画素電極23の表面も高精度に平坦化されているため、正孔注入/輸送層70及び有機EL層60を液体吐出法によって均一に形成することが可能になる。よって、画素内における有機EL60の発光量のバラツキが生じることがなく、良好な発光特性を得ることが可能になる。更に、画素電極23の面積を広げて開口率が向上しているため、パネルの輝度を下げることなく各画素の単位面積あたりの発光輝度を低くすることができ、長寿命のEL表示装置となる。
【0044】
(EL表示装置の製造方法)
次に、本実施形態に係るEL表示装置1の製造方法の一例として、トップエミッション型EL表示装置の製造方法について、図5から図7を参照して説明する。なお、図5から図7に示す各断面図は、図3の断面図に対応しており、各製造工程順に示している。
【0045】
まず、図5(a)に示すように、基板20にエッチングにより第1の凹部77a(77)を形成する。基板20表面から第1の凹部77a(77)の底部までの深さは、スイッチング用TFT112及び駆動用TFT123のソース領域112S、123S及びドレイン領域112D、123Dの膜厚と同じにする。
【0046】
次に、図5(b)に示すように、基板20に第2の凹部77b(77)を形成する。基板20表面から第2の凹部77b(77)の底部までの深さは、ゲート電極112G、123Gと、その下層のチャネル領域との膜厚の合計と同じにする。
次に、図5(c)に示すように、基板20に第3の凹部77c(77)を形成する。基板20表面から第3の凹部77c(77)の底部までの深さは、ソース領域123Sと、後に形成するゲート絶縁膜80、下層電極41の膜厚の合計と同じにする。
【0047】
このような一連の凹部77の形成方法は、レジスト塗布工程、露光工程、現像工程、エッチング工程等の一連のフォトリソグラフィ法を施すことにより行われる。従って、基板20にレジストを塗布した後に、凹部77のマスクパターンによる露光が行われ、これを現像することにより、マスクパターンに対応してレジストが除去され、基板20の一部分が露出状態となる。更に、ドライ又はウエットのドライエッチング法を施すことにより、凹部77が形成される。ここで、凹部77のパターンは、後に形成される回路部のいずれかの部位に対応している。なお、エッチング法においては、エッチング処理時間、エッチング液の種類やエッチングガスの種類等の条件を設定することにより、凹部77の深さ、テーパ角度等を所望に設定することが可能である。
【0048】
次に、凹部77を含む基板20の表面に、必要に応じて不図示の下地保護層を形成する。この下地保護層は、基板20が不純物を有する場合にポリシリコン層へのドーピングを防ぐものである。当該下地保護層の形成方法は、テトラエトキシシラン(以下TEOS)や酸素等を原料ガスとして、プラズマCVD法により形成される。
【0049】
次に、図5(d)に示すように、ポリシリコン層を形成する。ポリシリコン層は、プラズマCVD法によってアルモファスシリコン膜からなる半導体膜を形成後、レーザーアニール法又は固定成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜を結晶化することにより形成される。更に、ポリシリコン層をフォトリソグラフィ法によりパターニングを行い、TFTとなるポリシリコンパターンパターン201が形成される。ここで、ポリシリコンパターン201上面位置が基板20上面と同位置となるように、ポリシリコンパターン201の膜厚が決定される。
ポリシリコンパターン201は、後の工程でソース領域112S、123S、ドレイン領域112D、123Dとなる。
【0050】
次に、図5(e)に示すように、ゲート絶縁膜140を形成する。
当該ゲート絶縁膜140の形成方法は、TEOSや酸素等を原料ガスとして、プラズマCVD法により成膜し、その後にフォトリソグラフィ法によりパターニングすることで形成される。
【0051】
次に、図5(f)に示すように、ゲート電極112G、123G、下層電極41を形成する。
当該ゲート電極112G、123G及び下層電極41の形成方法は、アルミ、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン等の金属膜からなる導電膜をスパッタ法によって形成し、その後にフォトリソグラフィ法によりパターニングが行われる。この際に、走査線101(図1、図4参照)も同時に形成する。
【0052】
次に、高濃度のリンイオンを打ち込んで、ゲート電極112G、123Gに対してセルフアライン(自己整合)的にソース領域112S、123S、ドレイン領域112D、123Dを形成する。
当該工程においてはイオン注入法が施され、例えば、リンイオンを約1×1015cm−2のドーズ量でイオン注入することにより、露出状態のポリシリコンパターン201にリンイオンがドーピングされる。なお、本工程においては、イオン注入選択マスクを用いてもよい。更に、リンイオンが注入されなかった部分、即ち、ゲート電極112G、123Gの下方部分がチャネル領域となる。
【0053】
次に、図5(g)に示すように、第1層間絶縁層71を形成する。
当該第1層間層71の形成方法としては、スピンコート等の湿式法が用いられる。スピンコート法により液体材料を塗布した後には、熱処理によりプレベークが行われる。
更に、第1層間層71に対して、フォトリソグラフィ法を施すことによりコンタクトホールCがパターニングされる。
【0054】
次に、図6(h)に示すように、データ線102(図1、図4参照)、ドレイン電極DR、電源線103及び中継電極10の下層部分10aを形成する。
当該工程においては、アルミ、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン等の金属膜をスパッタ法によって形成し、その後にフォトリソグラフィ法によりパターニングが行われる。
【0055】
次に、図6(i)に示すように、第2層間絶縁層72を形成し、中継電極10に相当する部分にコンタクトホールCを形成する。
当該第2層間層72、コンタクトホールCの形成方法は、第1層間絶縁層71と同様であり、説明を省略する。
次に、コンタクトホールCに対して中継電極10の中層部10bを形成する。当該中層部10bの形成方法は、下層部分10aと同様であり、説明を省略する。
【0056】
次に、図6(j)に示すように、平坦化絶縁層75を形成し、第2層間絶縁層72表面の平坦性が補完される。
当該平坦化絶縁層75の形成方法においては、スピンコート法等の湿式法が採用される。従って、第2層間絶縁層72上に上述の感光性有機材料を塗布し、更に、プレベークを行うことにより平坦化絶縁層75が乾燥される。その後、露光、現像、リンス、乾燥、焼成の各プロセスを経て平坦化絶縁膜が硬化される。
なお、本実施形態においては、スピンコート法を限定することなく、インクジェット法(液体吐出法)等を用いてもよい。インクジェット法を用いる場合には、第2層間絶縁層72表面の凹凸を測定し、測定結果に基づいて液体吐出パターン(例えば、ビットマップデータ)を作成し、当該パターンに応じて液体を吐出して第2層間絶縁層72表面の凹部を埋設する。即ち、第2層間絶縁層72の平坦化を補完することができる。
【0057】
次に、中継電極10の上層部10cを形成する。
当該形成方法は、上記の他の中継電極10の下層部10aおよび中層部10bと同様であり、説明を省略する。
【0058】
次に、図6(k)に示すように、画素電極23を形成する。
当該工程においては、アルミ、タンタル、モリブデン、チタン、タングステン等の金属膜、及びITO等の透明導電膜をスパッタ法等により積層した後に、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることで行われる。
ここで、上述した平坦化絶縁層75が形成されているので、当該画素電極23を形成することにより、その表面も同じように平坦化される。
【0059】
次に、図6(l)に示すように、画素電極23、及び平坦化絶縁層75上に絶縁層である親液性制御層25を形成する。
従って、親液性制御層25を形成することにより、画素電極23の一部が開口した状態になる。
【0060】
次に、図7(m)に示すように、親液性制御層25を覆うようにバンク51を形成する。当該バンク51の形成方法としては、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などのレジストを溶媒に溶かしたものを、スピンコート法、ディップコート法などの各種塗布法により塗布して有機質層を形成する。なお、有機質層の構成材料は、後述するインクの溶媒に溶解せず、しかも露光現像プロセスなどによってパターニングし易いものであればどのようなものでもよい。
【0061】
次に、バンク51の表面に、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とを形成する。本実施形態においてはプラズマ処理工程により、各領域を形成するものとしている。具体的には、当該プラズマ処理工程は、予備加熱工程と、バンク51の上面及び壁面並びに画素電極23の上面、親液性制御層25の上面を親液性にする親インク化工程と、有機バンク層の上面および開口部の壁面を撥液性にする撥インク化工程と、冷却工程とを具備している。
【0062】
即ち、基材(バンクなどを含む基板20)を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、次に親インク化工程として大気圧下で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ処理)を行う。次に、撥インク化工程として大気圧下で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CFプラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基材を室温まで冷却することで、親液性および撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
【0063】
なお、このCFプラズマ処理においては、画素電極23の表面および親液性制御層25についても多少の影響を受けるが、画素電極23の材料であるITOおよび親液性制御層25の構成材料であるSiO、TiOなどはフッ素に対する親和性に乏しいため、親インク化工程で付与された水酸基がフッ素基で置換されることがなく親液性が保たれる。
【0064】
次に、図7(n)に示すように、正孔注入/輸送層70を形成する。
当該正孔注入/輸送層70形成工程では、インクジェット法により正孔注入/輸送層材料を含む材料インクを画素電極23上に吐出した後に、乾燥処理および熱処理を行い、画素電極23上に正孔注入/輸送層70を形成する。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降は、正孔注入/輸送層70および有機EL層60の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
このようなインクジェット法によれば、インクジェットヘッド(図示略、吐出ヘッド)に正孔注入/輸送層70の液体材料を充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを画素電極23に対向させ、インクジェットヘッドと基板20とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を画素電極23上に吐出する。ここで、吐出された液滴は、親インク処理された画素電極23表面に広がる。その一方で、撥インク処理されたバンク51の上面では、液滴がはじかれて付着しない。従って、液滴が所定の吐出位置からずれて、バンク51の上面に液滴の一部がかかったとしても、当該上面が液滴で濡れることがなく、弾かれた液滴がバンクの開口部内に引き込まれる。更に、上述の平坦化絶縁層75が形成されているので、インクジェット法により正孔注入/輸送層70を形成しても、その膜厚は均一になる。
次に、吐出後の液滴を乾燥処理して材料インクに含まれる極性溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層70が形成される。
【0065】
次に、図7(o)に示すように、有機EL層60を形成する。
当該有機EL層60の形成工程においては、上記同様のインクジェット法により有機EL層60の液体材料を正孔注入/輸送層70上に吐出した後に乾燥処理及び熱処理する。特に、本工程においては、正孔注入/輸送層70の再溶解を防止するために、有機EL層60形成の際に用いる材料材料の溶媒として、正孔注入/輸送層70が不溶な無極性溶媒を用いる。
【0066】
吐出された液滴は、正孔注入/輸送層70上に広がり、親液性制御層25間、バンク51間に満たされる。その一方で、撥インク処理されたバンク51上面では、液滴が弾かれて付着しない。これにより、液滴が所定の吐出位置からずれて、バンク51の上面に液滴の一部がかかったとしても、当該上面が液滴で濡れることがなく、液滴がバンク51バンク51の開口部内に引き込まれる。次に、吐出後の液滴を乾燥処理することにより材料インクに含まれる無極性溶媒が蒸発し、有機EL層60が形成される。なお、各色の有機EL層60は、それぞれ各色表示領域R、G、Bに対応して液滴が滴下される。更に、上記の平坦化絶縁層75が形成されているので、液滴が面内を均一に濡れ広がる。
ここで、正孔注入/輸送層70、有機EL層60をそれぞれインクジェットプロセスにより形成するが、この際、インクジェットヘッドは発光ドット間のピッチにより傾き方向を制御している。
【0067】
次に、図7(p)に示すように、電子注入層52を形成する。
当該電子注入層52の形成工程においては、蒸着法が用いられる。ここで、蒸着法とは、所定の温度及び圧力に保たれた真空容器内で金属を蒸発させ、金属分子を所望の基板に堆積させて薄膜を形成する方法であり、高品質の薄膜を形成するだけでなく、ナノメートルオーダーの薄膜を容易に形成する方法である。
【0068】
続いて、図7(q)に示すように、陰極50を形成する。
当該陰極の形成工程においては、スパッタリング法が用いられ、陰極50の材料としては透明導電膜となるITOが用いられ、膜厚が100nmとなるように形成される。
【0069】
最後に、透明保護膜、接着層、カバー基板を順に形成することにより、EL表示装置1が完成となる。この工程は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
【0070】
このような製造方法によれば、平坦化絶縁層75を形成することにより平坦性が補完され、正孔注入/輸送層70及び有機EL層60を均一に形成することが可能になる。即ち、上述したEL表示装置1と同様の効果を奏する。
【0071】
(第2の実施形態)
以下、第1の実施形態のEL表示装置を備えた電子機器の具体例について図8に基づき説明する。
図8(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図8(a)において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記のEL表示装置(電気光学装置)1を用いた表示部を示している。
図8(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図8(b)において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は前記のEL表示装置(電気光学装置)1を用いた表示部を示している。
図8(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図8(c)において、符号1200は情報処理装置、符号1201はキーボードなどの入力部、符号1202は前記のEL表示装置(電気光学装置)1を用いた表示部、符号1203は情報処理装置本体を示している。
【0072】
図8(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、前記の第1の実施形態のEL表示装置を用いた表示部を備えたものであり、先の第1の実施形態のEL表示装置の特徴を有するので、好適かつ長寿命の電子機器となる。
これらの電子機器を製造するには、EL表示装置1を、携帯電話、携帯型情報処理装置、腕時計型電子機器などの各種電子機器の表示部に組み込むことにより製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL表示装置の配線構造を示す模式図。
【図2】本発明のEL表示装置の構成を模式的に示す平面図。
【図3】本発明のEL表示装置の画素領域Xの要部断面図。
【図4】本発明のEL表示装置の画素領域Xの平面図。
【図5】本発明のEL表示装置の製造方法を説明する工程図。
【図6】図5に続く本発明のEL表示装置の製造方法を説明する工程図。
【図7】図6に続く本発明のEL表示装置の製造方法を説明する工程図。
【図8】本発明の実施形態の電子装置を示す斜視図。
【図9】従来技術の問題点を説明するための説明図。
【符号の説明】
1 EL表示装置(電気光学装置)、20 基板、112 スイッチング用TFT(駆動素子)、113 保持容量(駆動素子)、123 駆動用TFT(駆動素子)、75 平坦化絶縁層(平坦化絶縁膜)、77 凹部、1000、1100、1200 電子機器

Claims (9)

  1. 基板上に設けられている駆動素子および画素電極を有する電気光学装置であって、前記基板は前記駆動素子の位置に対応して形成された凹部を有し、さらにスイッチング素子及び配線と画素電極の間に平坦化絶縁膜を有していることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記平坦化絶縁膜の材料が有機材料であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記有機材料は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂のうちいずれかを含んでいることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 基板上に、駆動素子と、平坦化絶縁膜と、画素電極と、発光層と、対向電極とを順に形成する電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板に凹部を形成し、当該凹部に前記駆動素子を埋設して平坦面を形成する工程と、
    前記平坦面を補完する平坦化絶縁膜を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  5. 前記平坦化絶縁膜を形成する工程は、耐熱性感光性樹脂を塗布する工程と、前記耐熱性感光性樹脂を乾燥させる工程と、平坦化膜パターンの露光用マスクを通して前記耐熱性感光性樹脂に対して紫外線を照射する工程と、現像液によって前記耐熱性感光性樹脂の不要部分を溶解除去する工程と、前記耐熱性感光性樹脂を焼成する工程とを具備していることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の製造方法。
  6. 前記耐熱性感光性樹脂が、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂のうちいずれかを含んでいることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置の製造方法。
  7. 前記発光層を形成する工程は湿式法を施す工程を具備することを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の製造方法。
  8. 前記湿式法は液体吐出法であることを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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