JP2005321815A - 電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光層から放射される光を基板と反対側の他方の電極側に反射する電気光学装置の表示性能を低コストで向上させる。
【解決手段】 回路部11内に、画素表示部26の下方に、シリコン層261とその上にゲート絶縁層282を挟んで第1金属層により形成したコンデンサ電極150を設ける。また第2金属層により画素表示部26を覆う幅で信号線102に平行な電源線103を、反射性を有する厚さで形成する。有機EL層60から陽極23を透過して放射された光は、電源線103により上方に反射され、画素表示部26から出射される。電源線103以下の層では、シリコン層261、コンデンサ電極150、電源線103などにより保持容量113が形成され、回路部11のスペースが有効利用される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電気光学装置およびその製造方法、ならびに電子機器に関する。
従来、エレクトロルミネッセンス(以下、ELと略記する)表示装置などの電気光学装置においては、基板上に複数の回路素子、陽極、EL物質などの電気光学物質、陰極などが積層され、それらを封止基板によって基板との間に挟んで封止した構成を具備しているものがある。具体的には、発光物質を含む発光層を陽極および陰極の電極層で挟んだ構成を具備しており、陽極側から注入された正孔と、陰極側から注入された電子とを蛍光能を有する発光層内で再結合し、励起状態から失括する際に発光する現象を利用している。
このような電気光学装置には、陰極を光透過性として、発光層から放射される光を、陰極を通して基板とは反対側に取り出すタイプの装置があった。このタイプの装置では、仕事関数が大きく陽極としての性能がよいITO(Indium Tin Oxide)などを用いているが、この材料は透明であるため、その基板側の下地層として銀(Ag)あるいはアルミニウム(Al)などの反射性を有する金属層を設けていた。
しかしながら、このような従来の電気光学装置では、反射性の陽極を形成するために金属層を下地層として形成する必要があるので製造プロセスが複雑になっていた。その結果、製造効率が低下し、製造コストが高くつくという問題があった。
またこのような構成によれば、陽極の下方に光は透過させないが、良好な表示特性を備える反射性を陽極に付与するためには、陽極の平坦性が確保する必要があるので、陽極の下方のスペースが有効利用できないという問題があった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、発光層から放射される光を基板と反対側の他方の電極側に反射する電気光学装置の表示性能を低コストで向上させることが可能となる電気光学装置およびその製造方法、ならびにそれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の電気光学装置は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた発光層と、前記第1電極に電源を供給する電源線と、前記電源線と前記第1電極との間の電流を制御するスイッチング素子とを有する電気光学装置であって、前記第1電極の少なくとも一部と前記電源線とが重なっていることを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記発光層を区画するように、前記第1電極上に開口部を有する絶縁膜をさらに有し、前記開口部と前記電源線とが重なっていることを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記スイッチング素子は、トランジスタであり、前記トランジスタのゲート電極と前記電源線の間に接続された容量素子を有し、前記容量素子は、前記第1電極の少なくとも一部と重なっていることを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、走査線と、前記走査線と交差する信号線とをさらに含み、前記電源線は、前記走査線と平行であることを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記走査線と前記電源線は、同一の層で形成されることを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記スイッチング素子は、前記走査線と電源線の間に形成されることを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記走査線と同層で形成された反射部が、前記第1電極の下に形成されており、前記第1電極と前記反射部が接続されていることを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記第2電極と前記信号線との間の前記絶縁膜の下には、第2絶縁膜をさらに有し、前記前記第1電極と前記反射部との間には、前記第2絶縁膜は形成されていないことを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、走査線と、走査線と交差する信号線とをさらに含み、前記電源線は、前記信号線と平行であることを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記信号線と前記電源線は、同一の層で形成されることを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記信号線と前記開口部の間に囲まれた位置の前記絶縁膜の下に、前記スイッチング素子を配置することを特徴とする。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記第1電極は、透明な陽極であることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の電気光学装置は、スイッチング素子に接続された第1電極と、該第1電極に対向して配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた発光層と、該発光層から前記第2電極側に放射される光を規制する画素表示部と、前記第1電極の下層に設けられ、少なくとも前記スイッチング素子と前記発光層を駆動する電源線とを含む積層構造を有する回路層と、該回路層内に、前記画素表示部と積層方向に重なる位置に設けられ、前記発光層から放射される光を反射する金属部とを備えることを特徴とする。
このような電気光学装置によれば、発光層から下方に放射される光のうち、第1電極を透過した光が回路層に設けられた金属部で上方に反射され、発光層、画素表示部、第2電極を経て上方に出射される。したがって、第1電極に反射性を設けることなく発光層からの光を第2電極側に出射することができる。また金属部の下方は光を透過させる必要がないので、そのスペースを有効利用することが可能となる。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記金属部が、前記画素表示部それぞれのほぼ全表示面積にわたってそれぞれ重なる位置に設けられることが好ましい。
このような電気光学装置によれば、第1電極を透過して下方に放射される光が画素表示部の全表示面積の範囲で反射されるから、光利用効率と表示性能を向上することができる。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記金属部の上面が、前記画素表示部と重なる範囲で平坦に形成されることが好ましい。
このような電気光学装置によれば、金属部の上面が画素表示部と重なる範囲で平坦に形成されるから、光がムラなく反射される。その結果、光利用効率と表示性能をさらに向上することができる。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記回路層において、前記金属部以下の層が、前記画素表示部と重なる範囲で、それぞれ所定層厚のベタパターンとして形成されることが好ましい。
このような電気光学装置によれば、金属部以下の層が画素表示部と重なる範囲で、それぞれ所定層厚のベタパターンとして形成されるのいずれの層も平坦である。その上層にベタパターンとして金属部が形成されるから、画素表示部の範囲内で金属部の平坦性が著しく向上する。その結果、光の反射ムラがさらに抑えられ、光利用効率と表示性能を格段に向上することができる。
なお所定範囲のベタパターンとは、所定範囲において単一の層材料によって一定厚みの層が形成されることを意味する。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記スイッチング素子に電流を供給する電源線が前記金属部を兼ねることが好ましい。
このような電気光学装置によれば、電源線が画素表示部と重なる範囲に設けられるから、電源線の面積を少なくとも画素表示部程度までにすることが可能となり、第2電極の間に比較的大きな静電容量を形成することができる。その結果、表示の安定保持が可能となり、表示特性を向上することができる。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記回路層が、第1金属層と該第1金属層の上層側に第2金属層とを有し、該第2金属層によって、前記金属部が構成されることが好ましい。
このような電気光学装置によれば、回路層において、第1金属層に比べて第1電極に近い上層側の第2金属層によって金属部を形成するから、第1電極と金属部との距離を、第1金属層を金属部とする場合よりも短くすることができ、発光層からの光が第1電極と金属部との間を往復する際に起こる光損失を低減することができる。その結果、光利用効率を向上することができる。
また、第2金属層を金属部とすることによって発光層からの光が上方に反射されるため、第2金属層以下の回路層が、光を透過させる必要のないスペースとなり、第1金属層を金属部とする場合に比べて、有効利用可能なスペースを積層方向に、より厚くとることができる。
また本発明の電気光学装置は、上に記載の電気光学装置であり、前記第2金属層が、前記スイッチング素子に電流を供給する電源線を構成することが好ましい。
このような電気光学装置によれば、金属部が、スイッチング素子に電流を供給する電源線を構成する第2金属層によって構成されるので、金属部の製造プロセスを、回路層を形成するために必須の製造プロセスと兼用することができる。その結果、製造コストを低減することができる。
また本発明の電気光学装置は、同じく上に記載の電気光学装置であり、前記金属部の上層に第1電極が設けられ、互いが電気的に接続されていることが好ましい。
このような電気光学装置によれば、金属部と第1電極の間に絶縁層などの回路層が含まれないので、そのような回路層を透過する際の光損失がないから、光利用効率を向上できる。
また第2金属層の上層に第1電極との絶縁層を設けないから、製造プロセスを簡素化でき、製造コストを低減できるとともに、生産性を向上することができる。
また本発明の電気光学装置は、同じく上に記載の、または直上に記載の電気光学装置であり、前記第1金属層が、前記スイッチング素子に電流を供給する電源線を構成することが好ましい。
このような電気光学装置によれば、第1金属層で電源線を構成するので、幅広い電源線を確保しながら、第2金属層を電源線以外の種々の目的に使用することが容易となる。
特に第2金属層で形成される金属部の電位は自由に設定することができ、第1電極と絶縁層なしで接する場合であっても短絡を起こさない構成とすることがきわめて容易となる。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記スイッチング素子が隣接する前記画素表示部の間の位置に配置されることが好ましい。
このような電気光学装置によれば、回路層においてスイッチング素子が隣接する画素表示部の間の位置に配置されるから、画素表示部はスイッチング素子の立体的な形状によって平坦性が損ねられることがない。そのため、画素表示部を平坦に構成することが容易となる。
また本発明の電気光学装置は、先に記載のいずれかの電気光学装置であり、前記回路層において、前記画素表示部と重なる位置に、前記金属部以下の層によって前記電源線と前記第2電極との間の静電容量が形成されることが好ましい。
このような電気光学装置によれば、画素表示部の下方の金属部以下の層に静電容量を形成するから、画素表示部の下方のスペースを有効利用して静電容量を形成することができる。その結果、静電容量を形成する面積を増大させることができるので、表示の安定保持が可能となり、表示特性を向上することができる。
次に本発明の電気光学装置の製造方法は、積層構造を有する回路層と、該回路層の上に順次設けられた第1電極、発光層、第2電極とを備え、前記発光層から放射される光を前記発光層の上部で規制する画素表示部を経て、第2電極側から取り出す電気光学装置の製造方法であって、前記回路層中に金属層を形成する工程を備え、該工程において同時に、前記発光層の下層に金属部を形成することを特徴とする。
このような電気光学装置の製造方法によれば、先に記載の本発明に係る電気光学装置を製造することができる。したがって、本発明の電気光学装置と同様の効果を奏する。
また本発明の電気光学装置の製造方法は、上に記載の電気光学装置の製造方法であり、前記金属層を形成する工程が、前記回路層の第1金属層を形成する第1金属層形成工程と、前記第1金属層を形成したあと、第2金属層を形成する第2金属層形成工程とを備え、該第2金属形成工程において同時に、前記発光層の下層に金属部を形成することが好ましい。
このような電気光学装置の製造方法によれば、回路層に第1金属層と第2金属層とを備える先に記載の本発明に係る電気光学装置を製造することができる。したがって、そのような本発明の電気光学装置と同様の効果を奏する。
次に本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
このような電子機器としては、例えば、携帯電話機、移動体情報端末、時計、ワープロ、パソコンなどの情報処理装置などを例示することができる。このように電子機器の表示部に、本発明の電気光学装置を採用することによって、表示性能を低コストで向上させた電子機器を提供することが可能となる。
以上に述べたように、本発明に係る電気光学装置によれば、回路層に金属部を備えることにより、第1電極を透過した光を第2電極側に反射することができるので、第1電極に反射性を設けることなく発光層からの光を第2電極側に出射することができて、製造コストを抑えながら、光利用効率を向上できるから、低コストで表示性能を向上することができるという効果を奏する。
また本発明に係る電気光学装置によれば、金属部の下方は、光を透過させる必要がないそのスペースを有効利用することができ、例えば大容量の保持容量を構成することにより表示性能を向上できるという効果を奏する。
また本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、光を反射するための金属部を回路層を形成するのに必要な金属部で形成するから、光を反射するための金属部を備える電気光学装置を製造工程を増やすことなく製造できるという効果を奏する。
また本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る電気光学装置を備えるので、本発明に係る電気光学装置と同様の効果を備えた電子機器となる。
以下では、本発明に係る電気光学装置およびその製造方法、ならびに電子機器の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、係る実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。なお、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
〔第1の実施形態〕
本発明の電気光学装置の第1の実施形態として、電気光学物質の一例である電界発光型物質、中でも有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を用いたEL表示装置について説明する。図1は本実施形態に係るEL表示装置の等価回路および配線構造を示す模式図である。
図1に示すEL表示装置1(電気光学装置)は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下では、TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス方式のEL表示装置である。
EL表示装置1は、図1に示すように、複数の走査線101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103…とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101…と信号線102…の各交点付近に、画素領域A…が設けられている。
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオラインおよびアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
さらに、画素領域A各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112(スイッチング素子)と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から共有される画素信号を保持する保持容量113(静電容量)と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT123(スイッチング素子)と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに電源線103から駆動電流が流れ込む陽極23(第1電極)と、この陽極23と陰極50(第2電極)との間に挟み込まれた機能層110(発光層)とが設けられている。陽極23と陰極50と機能層110により、発光素子が構成されている。
このEL表示装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して、電源線103から陽極23に電流が流れ、さらに機能層110を介して陰極50に電流が流れる。機能層110は、これを流れる電流量に応じて発光する。そこで、発光は各陽極23ごとにオン・オフを制御されるから、陽極23は画素電極となっている。
次に、本実施形態のEL表示装置1の具体的な態様を図2〜4を参照して説明する。図2はEL表示装置1の構成を模式的に示す平面図である。図3は図2のA−B線に沿う断面図、図4は図2のC−D線に沿う断面図である。
図2に示す本実施形態のEL表示装置1は、電気絶縁性を備える基板20と、図示略のスイッチング用TFTに接続された画素電極が基板20上にマトリックス状に配置されてなる図示略の画素電極域と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線103…と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図中一点鎖線枠内)とを具備して構成されている。また画素部3は、中央部分の実表示領域4(図中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。
実表示領域4には、それぞれ画素電極を有し、赤、緑、青の三原色に対応する表示領域R、G、Bがマトリクス状に配置されている。A−B方向には、表示領域R、G、Bが離間して反復配列され、C−D方向には、それぞれの同一色に対応する表示領域が離間して配列されている。
また、実表示領域4の図中両側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。この走査線駆動回路80、80はダミー領域5の下側に位置して設けられている。
さらに実表示領域4の図中上側には、検査回路90が配置されている。この検査回路90はダミー領域5の下側に位置して設けられている。この検査回路90は、EL表示装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する不図示の検査情報出力手段を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。
走査線駆動回路80および検査回路90の駆動電圧は、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図3参照)および駆動電圧導通部340(図4参照)を介して印加されている。また、これら走査線駆動回路80および検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、このEL表示装置1の作動制御を司る所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部320(図3参照)および駆動電圧導通部350(図4参照)を介して送信および印加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
EL表示装置1は、図3および図4に示すように、基板20と封止基板30とが封止樹脂40を介して貼り合わされている。基板20、封止基板30および封止樹脂40とで囲まれた領域には、光透過性を有する乾燥剤45が挿入されるとともに、例えば窒素ガスなどの不活性ガスが充填された不活性ガス充填層46が形成されている。
基板20は、その上にシリコン層などを設けて電子回路を形成することができる絶縁性の板状部材であればどのようなものでもよく、光透過性を有する必要はない。
封止基板30は、例えばガラス、石英、プラスチックなどの光透過性と電気絶縁性を有する板状部材を採用することができる。
また封止樹脂40は、例えば熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂からなるものであり、特に熱硬化樹脂の一種であるエポキシ樹脂よりなることが好ましい。
また、基板20上には、陽極23…を駆動するための駆動用TFT123…などを含む積層構造を有する回路部11(回路層)が形成され、回路部11の上部には駆動用TFT123…に接続されたそれぞれの陽極23…が図2の表示領域R、G、Bの位置に対応して形成されている。実表示領域4内の各陽極23の上層には機能層110が形成され、その上層には、電子注入を容易化するバッファ層222と、電子注入を行う陰極50が形成されている。それぞれの陽極23の間には、図2のA−B方向およびC−D方向に無機物バンク層221aおよび有機物バンク層221bがそれぞれ基板20側から積層されたバンク221が設けられ、機能層110を区画して、機能層110から放射される光を規制する長円形状の画素表示部26を形成している。
なおダミー領域5では、各ダミー陽極23a上を無機物バンク層221aが覆うように形成され、その上層に機能層110が設けられている。ダミー電極23aは、回路部11内の配線と接続されていない点を除いて陽極23と同様の構成とされている。
ダミー領域5を実表示領域4の周囲に配置することにより、実表示領域4の機能層110の厚さを均一にすることができ、表示ムラを抑制することができる。即ち、ダミー領域5を配置することで、表示素子を、例えばインクジェット法によって形成する場合における吐出した組成物の乾燥条件を実表示領域4内で一定にすることができ、実表示領域4の周縁部で機能層110の厚さに偏りが生じるおそれがない。
また回路部11には、走査線駆動回路80、検査回路90およびそれらを接続して駆動するための駆動電圧動通部310、340、350、駆動制御信号導通部320などが含まれている。
陽極23は、印加された電圧によって、正孔を機能層110に注入する機能を備える。陽極23には、仕事関数が高く良好な正孔注入性能を有するITO(Indium Tin Oxide)などが採用できる。
機能層110は、発光層を備えたものであればどのような構成でもよいが、例えば陽極23側から順に、正孔の注入効率を向上する正孔注入層と正孔の輸送効率を向上する正孔輸送層とを備えた正孔注入/輸送層70(図5(b)参照)および有機EL層60(発光層、図5(b)参照)を備えたものを採用できる。このような正孔注入/輸送層70を陽極23と有機EL層60の間に設けることにより、有機EL層60の発光効率、寿命などの素子特性が向上する。そして、有機EL層60では、陽極23から正孔注入/輸送層70を経て注入された正孔と、陰極50からの注入された電子とが結合して蛍光を発生させる構成が形成されている。
正孔注入層を形成するための材料としては、例えばポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など、または、それらのドーピング体などが採用できる。例えば、ポリチオフェン誘導体では、PEDOTにPSS(ポリスチレンスルフォン酸)をドープしたPEDOT:PSSが採用できる。より具体的な一例を挙げれば、その一種であるバイトロン−p(Bytron-p:バイエル社製)などを好適に用いることができる。
正孔輸送層を形成するための材料は、正孔を輸送できれば周知のどのような正孔輸送材料であってもよい。例えば、そのような材料として、アミン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、スターバスト系などに分類される有機材料が種々知られている。
有機EL層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を用いることができる。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。
また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料、あるいは、ルブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドンなどの材料をドープして用いることができる。
次に、バンク221を形成する無機物バンク層221aおよび有機物バンク層221bは、いずれも陽極23の周縁部上に乗上げて形成されている。無機物バンク層221aは、有機物バンク層221bに比べて陽極23よりも中央側寄りに延ばされて形成されている。なお、バンク221は光を透過させない材料で構成されていてもよいし、無機物バンク層221aと有機物バンク層221bとの間に遮光層を配置して光を規制するようにしてもよい。
無機物バンク層221aは、例えば、SiO2、TiO2、SiNなどの無機材料を採用することができる。無機物バンク層221aの膜厚は、50〜200nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。膜厚が50nm未満では、無機物バンク層221aが正孔注入/輸送層70より薄くなり、正孔注入/輸送層70の平坦性を確保できなくなるので好ましくない。また膜厚が200nmを越えると、無機物バンク層221aによる段差が大きくなって、有機EL層60の平坦性を確保できなくなるので好ましくない。
有機物バンク層221bは、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの通常のレジストから形成されている。この有機物バンク層221bの厚さは、0.1〜3.5μmの範囲が好ましく、特に2μm程度がよい。厚さが0.1μm未満では、機能層110の厚さより有機物バンク層221bが薄くなるので好ましくない。また、厚さが3.5μmを越えると、バンク221による段差が大きくなり、有機物バンク層221b上に形成する陰極50のステップガバレッジを確保できなくなるので好ましくない。また、有機物バンク層221bの厚さを2μm以上にすれば、陰極50と陽極23との絶縁を高めることができる点でより好ましい。
このようにして、機能層110は、バンク221より薄く形成されている。
また、バンク221の周辺には、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域が形成されている。
親液性を示す領域は、無機物バンク層221aおよび陽極23であり、これらの領域には、酸素を反応ガスとするプラズマ処理によって水酸基などの親液基が導入されている。また、撥液性を示す領域は、有機物バンク層221bであり、4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理によってフッ素などの撥液基が導入されている。
なお、本実施形態における親液性制御層の「親液性」とは、少なくとも有機物バンク層221を構成するアクリル、ポリイミドなどの材料と比べて親液性が高いことを意味するものとする。
陰極50は、図3または4に示すように、実表示領域4およびダミー領域5の総面積より広い面積を備え、それぞれを覆うように形成されている。陰極50は、陽極23の対向電極として、電子を機能層110に注入する機能を備える。また本実施形態では、機能層110から発光する光を陰極50側から取り出すので、光透過性を備える必要がある。そのために光透過性であって、仕事関数が低い材料から構成される。
そのような材料として、例えばフッ化リチウムとカルシウムの積層体を機能層110側に設けて第1の陰極層とし、その上層に例えば、Al、Ag、Mg/Agなどの積層体からなる第2の陰極層とした積層体を採用することができる。その際、光透過性は、それぞれの層厚を、光透過性を有するまでに薄くすることによって得ることができる。陰極50のうち、第2の陰極層のみが画素部3の外側まで延出されている。
なお第2の陰極層は第1の陰極層を覆って、酸素や水分などとの化学反応から保護するとともに、陰極50の導電性を高めるために設けられる。したがって、化学的に安定で仕事関数が低く、かつ光透過性が得られるならば、単層構造でもよく、また金属材料に限るものではない。さらに第2の陰極層上に、例えばSiO2、SiNなどからなる酸化防止用の保護層を設けてもよい。
次に、回路部11の積層構造について、図5、6を参照して説明する。図5(a)は、実表示領域4における隣接する4つの画素領域Aの平面視模式図である。図5(b)は、図5(a)におけるE−F方向の断面図である。図6(a)は、図5(a)におけるスイッチング用TFT112および駆動用TFT123の近傍の拡大図である。また図6(b)は、図6(a)におけるG−H線に沿った断面図である。なお、各画素領域Aは、表示領域R、G、Bのいずれかによって、機能層110の材質が異なるが、積層構造としては同一のため、以下では一つの画素領域Aについての説明で代用する。また4つの画素領域Aの平面視の配置はいずれも共通なので、図を見やすくするために明らかに同一と分かる箇所は適宜符号を省略している。
図5(a)に示すように、画素領域Aでは、電源線103(金属部)が、少なくとも画素表示部26の面積を覆う幅で陽極23の下層側に、走査線101と交差する方向に延ばされて設けられている。そして電源線103とほぼ平行に信号線102が設けられている。信号線102の一部として構成されて延ばされたソース電極側配線102aにスイッチング用TFT112が接続され、スイッチング用TFT112のドレイン電極側に接続配線18を通じて、駆動用TFT123のゲート電極242が接続されている。スイッチング用TFT112のゲート電極252は走査線101に接続されている。駆動用TFT123のソース電極側には電源線103の一部として構成された電源配線103bを通じて電源線103が接続されている。駆動用TFT123のドレイン電極側には陽極23が接続されている。
スイッチング用TFT112と駆動用TFT123とは、いずれも信号線102と画素表示部26との間に挟まれた位置でバンク221の下層に配置されている。これに対して保持容量113(図1参照)は後述するように画素表示部26の下層に形成される。
次に、回路部11の積層方向におけるこれらの位置関係および接続関係を説明する。図5(b)に示すように、基板20の表面には、SiO2を主体とする下地保護層281を下地として、その上層にシリコン層261が、平面視で画素表示部26に重なる位置に、画素表示部26よりも大きな面積とされて島状に形成されている。シリコン層261と同層には、駆動用TFT123およびスイッチング用TFT112を形成する島状のシリコン層241、251が形成されている。それぞれのこのシリコン層261、241、251の表面は、SiO2および/またはSiNを主体とするゲート絶縁層282によって覆われている。なお、本明細書において、「主体」とする成分とは、構成成分のうち最も含有率の高い成分を指すこととする。
ゲート絶縁層282の上層には、例えばアルミニウム膜やクロム膜、タンタル膜などからなる第1金属層が設けられ、この第1金属層によって、ゲート電極242、252、走査線101、コンデンサ電極150が形成されている。コンデンサ電極150は、シリコン層261上に、シリコン層261と同一か、わずかに狭い面積で対向するように形成されている。
第1金属層の上層は、SiO2を主体とする第1層間絶縁層283によって覆われている。
第1層間絶縁層283の上層には、例えばアルミニウム膜やクロム膜、タンタル膜などからなる第2金属層によって、電源線103と信号線102とが形成されている。
電源線103は光反射性を有する厚さで形成されている。またゲート絶縁層282から第1層間絶縁層283にわたって開孔するコンタクトホール103aによってシリコン層261と接続され同電位とされている。したがって、電源線103とコンデンサ電極150ならびにコンデンサ電極150とシリコン層261は、それぞれ絶縁体である第1層間絶縁層283およびゲート絶縁層282を挟んで対向する構成とされ、それぞれ静電容量が形成されている。これらの静電容量は保持容量113(図1参照)を形成している。すなわち保持容量113は、回路部11のうち、画素表示部26の下方で、しかも光を反射する電源線103以下の層に形成されている。また保持容量113を形成する電源線103、コンデンサ電極150、シリコン層261はいずれも、少なくとも画素表示部26を覆う面積の範囲では所定層厚の平坦なベタパターンとして形成されている。
第2金属層の上層には、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする第2層間絶縁層284によって覆われている。この第2層間絶縁層284は、アクリル系の絶縁膜以外の材料、例えば、SiN、SiO2などを用いることもできる。
次に、図6を参照して、スイッチング用TFT112および駆動用TFT123の構成を説明する。図6(a)は、図5(a)におけるスイッチング用TFT112および駆動用TFT123の近傍の拡大図である。図6(b)は、図6(a)のG−H線に沿った断面図である。
シリコン層251には、ソース領域251S、チャンネル領域251a、ドレイン領域251Dが設けられ、さらに、ソース領域251Sおよびドレイン領域251Dには濃度傾斜が設けられており、いわゆるLDD(Light Doped Drain)構造とされている。ソース領域251Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール19aを介して、ソース電極側配線102aが接続されている。一方、ドレイン領域251Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール19bを介して、第2金属層によって形成された接続配線18に接続され、接続配線18から第1層間絶縁層283とゲート絶縁層282とにわたって開孔するコンタクトホール19cを介してゲート電極242に接続されている。そして、チャンネル領域251aの上層には、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極252が設けられている。以上によってスイッチング用TFT112が構成されている。
シリコン層241には、ソース領域241S、チャンネル領域241a、ドレイン領域241Dが設けられ、さらに、ソース領域241Sおよびドレイン領域241Dには濃度傾斜が設けられており、いわゆるLDD構造とされている。ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール19dを介して、電源配線103aが接続されている。一方、ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール19eを介して、第2金属層によって形成された接続配線18に接続され、接続配線18から第2層間絶縁層284と無機物バンク層221aとにわたって開孔するコンタクトホール19fを介して陽極23に接続されている。そして、チャンネル領域241aの上層には、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242が設けられている。以上によって駆動用TFT123が構成されている。
以上に説明した基板20から第2層間絶縁層284までの層は回路部11を構成している。
なお、回路部11において、走査線101と交差する信号線102および電源線103を形成したり、TFTを形成したりするためには、異なる層に配置され、絶縁可能とされた少なくとも2つの金属層が必要であるから、第2金属層を設けることはもともと必須である。
次に、本実施形態に係るEL表示装置1の製造方法の一例について、図7を参照して説明する。図7(a)〜(d)に示す各断面図は、図5中のE−F線の断面図に対応しており、各製造工程順に示している。なお以下の説明では、本発明に特に関係する工程、すなわち、回路部11を形成する工程を中心にして説明する。
図7(a)に示すように、まず基板20上に、シリコン酸化膜などからなる下地保護層281を形成する。次に、ICVD法、プラズマCVD法などを用いてアモルファスシリコン層を形成した後、レーザアニール法又は急速加熱法により結晶粒を成長させてポリシリコン層とする。そのポリシリコン層をフォトリソグラフィ法によりパターニングして島状のシリコン層241、251、261を形成する。さらに、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁層282を形成する。
ゲート絶縁層282の形成は、プラズマCVD法、熱酸化法などにより、各シリコン層241、251(いずれも図示略)、261および下地保護層281を覆う厚さ約30nm〜200nmのシリコン酸化膜を形成することにより行う。ここで、熱酸化法を利用してゲート絶縁層282を形成する際には、シリコン層241および251の結晶化も行い、これらのシリコン層をポリシリコン層とすることができる。そして、このタイミングでボロンイオンなどの不純物イオンを打ち込んでチャンネルドープを行う。
次に、シリコン層241、251の一部にイオン注入選択マスクを形成し、この状態でリンイオンなどの不純物イオンを注入する。その結果、イオン注入選択マスクに対してセルフアライン的に高濃度不純物が導入され、シリコン層241および251中に高濃度のソース領域およびドレイン領域が形成される。
次にイオン注入選択マスクを除去した後に、第1金属層形成工程を行う。ゲート絶縁層282上に厚さ約500nm程度の第1金属層を形成し、更にこの金属層をパターニングすることにより、走査線101、ゲート電極242、252およびコンデンサ電極150などを同時に形成する。
さらに、ゲート電極242,252をマスクとし、シリコン層241および251に対して低濃度のリンイオンなどの不純物イオンを注入する。その結果、ゲート電極242および252に対してセルフアライン的に低濃度不純物が導入され、シリコン層241および251中に低濃度のソース領域およびドレイン領域が形成される。
次に図6(b)に示すように、イオン注入選択マスクを除去した後に、基板20の全面に第2層間絶縁層283を形成し、さらにフォトリソグラフィ法により第2層間絶縁層283をパターニングして、コンタクトホール103aを設ける。その際、図示されていないが、同時にコンタクトホール19a、19b、19c、19d、19eも形成する。
次に第2金属形成工程を行う。まず、第2層間絶縁層283を覆うように、アルミニウム、クロム、タンタルなどの金属からなる厚さ約200nmないし800nm程度の第2金属層を形成することにより、先に形成したコンタクトホール103a、19a、19b、19c、19d、19eに第2金属層の金属を埋め込む。さらに第2金属層上にパターニング用マスクを形成する。そして、第2金属層をパターニング用マスクによってパターニングし、電源線103、信号線102、接続配線18などを形成する。
次に図6(c)に示すように、第2層間絶縁層283を覆う第1層間絶縁層284を、例えばアクリル系などの樹脂材料によって形成する。この第1層間絶縁層284は、約1〜2μm程度の厚さに形成されることが望ましい。
次に第1層間絶縁層284のうち、駆動用TFT123のドレイン領域241Dに対応する接続配線18の部分をエッチングによって除去してコンタクトホール19fを形成する。このようにして、基板20上に回路部11が形成される。
なお以上の過程において、実表示領域4の断面図を参照して説明したため、ダミー領域5あるいはその外周部での製造工程の説明を省略したが、例えばゲート絶縁層282上から回路部11を貫く陰極50との接触を保つ陰極配線や、走査線駆動回路80ならびに検査回路90などを形成するための適宜の工程は当然に行われているものである。
次に、図6(c)、(d)を参照して、回路部11上に画素部3を形成することにより表示装置1を得る手順について簡単に説明する。
まず図6(c)に示すように、回路部11の全面を覆うようにITOなどの透明電極材料からなる薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより、第1層間絶縁層284に設けた孔を埋めてコンタクトホール19fを形成するとともに陽極23およびダミー電極23aを形成する。陽極23は、駆動用TFT123の形成部分のみに形成され、コンタクトホール19fを介して駆動用TFT123に接続される。ダミー電極23aは島状に配置される。
次に、図6(d)に示すように、第1層間絶縁層284および陽極23およびダミー電極23a上に無機物バンク層221aを形成する。無機物バンク層221aは、陽極23上では陽極23の一部が開口する態様にて形成し、ダミー電極23a上ではダミー電極23aを完全に覆うように形成する。
無機物バンク層221aは、例えばCVD法、TEOS法、スパッタ法、蒸着法などによって第1層間絶縁層284および陽極23の全面にSiO2、TiO2、SiNなどの無機質膜を形成した後に、その無機質膜をパターニングすることにより形成する。
さらに無機物バンク層221a上には、有機物バンク層221bを形成する。有機物バンク層221bは、陽極23、ダミー電極23aのいずれの上でも所定の大きさが開口する画素表示部26が構成される態様にて形成する。無機物バンク層221aと有機物バンク層221bはバンク221をなしている。
続いて、バンク221の表面に、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域を形成する。本実施例においてはプラズマ処理工程により、各領域を形成するものとしている。具体的に該プラズマ処理工程は、陽極23、無機物バンク層221aを親液性にする親液化工程と、有機物バンク層221bを撥液性にする撥液化工程とを少なくとも具備している。
すなわち、バンク112を所定温度(例えば70〜80℃程度)に加熱し、次いで親液化工程として大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ処理)を行う。続いて、撥液化工程として大気雰囲気中で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CFプラズマ処理)を行い、プラズマ処理のために加熱されたバンク112を室温まで冷却することで、親液性および撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
次に、陽極23上、およびダミー電極23a上の無機物バンク層221a上に、それぞれ、機能層110をインクジェット法により形成する。機能層110は、正孔注入/輸送層70を構成する正孔注入/輸送層材料を含む組成物インクを吐出・乾燥した後に、有機EL層60を構成する発光層材料を含む組成物インクを吐出・乾燥することにより形成される。なお、この機能層110の形成工程以降は、正孔注入/輸送層70および有機EL層60の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
次に、バンク112および機能層110を覆う陰極50を形成する。そのため、バッファ層222、第1の陰極層を形成した後に、第1の陰極層を覆って基板20上の図示略の陰極用配線に接続される第2の陰極層を形成する。
最後に、基板20にエポキシ樹脂などの封止樹脂40を塗布し、封止樹脂40を介して基板20に封止基板30を接合する。このようにして、本発明の第1の実施形態に係るEL表示装置1が得られる。
次に、本実施形態のEL表示装置1による作用について説明する。
本実施形態に係るEL表示装置1によれば、画素表示部26に重なる位置に陽極23の下方に第2金属層で形成された電源線103を置くから、有機EL層60から下方に放射されて透明な陽極23を透過する光を電源線103によって上方に反射することができ、放射光を効率よく陰極50側に出射することができる。
しかも、このような反射面は、回路部11を形成するのに必要な第2金属層を利用し、電源線103を兼ねて形成されているので、電極特性の優れた透明電極を用いても、透明電極に下地層として反射膜を設ける必要がなく、材料やプロセスを節約することができるから、製造コストを抑えて安価に形成することができる。
また、本実施形態では、3次元的な積層構造を備えるスイッチング用TFT112、駆動用TFT123などのスイッチング素子を画素表示部26の間に形成するので、画素表示部26の下方に配置される電源線103は、基板20から平坦なベタパターンを積み重ねて形成することができる。したがって、平坦性に優れた反射面を形成することができ、その結果、反射ムラなどをなくして光利用効率を向上させ、ひいては表示品質を向上することができる。
さらに、これらの平坦なベタパターンを利用して保持容量113を電源線103以下の層に設けるので、広大な画素表示部26の下層領域に保持容量113を形成することができ、スペースを有効利用して、保持容量113を大きくすることができる。その結果、表示の保持特性が向上し、安定性に優れた表示を行うことができる。
また、本実施形態によれば、電源線103を太く構成することができるので、電気抵抗を低くすることができ省エネルギーの装置とすることができる利点がある。
また、本実施形態では、回路部11の比較的上方にあり、陽極23により近い第2金属層によって反射面を構成するので、反射光の透過光路を比較的短くすることができ、光損失を低減することができるとともに、反射面下方に有効利用可能なスペースを比較的高くとることができる利点がある。
次に、本実施形態の変形例を説明する。
図8に示すのは、本変形例に係るEL表示装置1の構成を模式的に示す平面図である。図2に示す装置とは、実表示領域4が実表示領域400となっている点のみが異なっている。以下では、上記と同様の部材には同一の符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に本変形例を説明する。
実表示領域400は、実表示領域4(図2参照)では表示領域R、G、Bがそれぞれ図示の上下方向に連続した配列とされていたのに対し、図示の左右方向に連続した構成とされている点が異なる。そのため、連続した4つの画素領域Aでは、図9に示すような構成となっている。
図9(a)は、実表示領域400における隣接する4つの画素領域Aの平面視模式図である。図9(b)は、図9(a)におけるI−J方向の断面図である。
図5と大きく異なるのは、図5では、電源線103が信号線102とほぼ平行に設けられているのに対して、図9では、電源線103は信号線102と交差して走査線101とほぼ平行に延ばされている点である。有機EL層60は各色ごとに異なり、その駆動電圧が表示領域R、G、Bによって異なるため、同色の表示領域の並び方向に電源線103を延ばす構成としている。電源線103は第2金属層で形成し、その他もほぼ同一の積層構造とされている。ただし、信号線102と電源線103を交差させる必要があるので、本変形例では、電源線103と交差する位置では信号線102を第1金属層によって形成し、信号線102が第1金属層で形成された走査線101と交差する位置では、第2金属層によって接続配線102bを形成し、走査線101の近傍で、第1層間絶縁層283に開孔するコンタクトホール102c、102cを設け、それぞれを信号線102、102と接続することにより、信号線102と同層の走査線101を迂回する構成としている。このような構成は、主に第1金属層および第2金属層をエッチングする際のパターンニングを変更することによって容易に得られる。
また、スイッチング用TFT112および駆動用TFT123は、走査線101と電源線103の間の配置されている。一方、シリコン層261およびコンデンサ電極150が画素表示部26および電源線103の下方にベタパターンで積層され、電源線103とシリコン層261がコンタクトホール103aによって同電位とされて、保持容量113が構成される構成は、図5の場合と同様である。
本変形例によれば、上記と同様の作用効果を有するが、上記以外にも、特に電源線103が走査線101と交差しないので、電源線103との間で形成される静電容量を小さくなり、スイッチング動作が高速となるという効果を奏する。
また、スイッチング素子を走査線101と電源線103の間に設けるから、スイッチング用TFT112と駆動用TFT123を画素表示部26の短手方向に並列させることによって、よりコンパクトに納めることができ、図5(a)のように、画素表示部26の長手方向にそれぞれを整列させる場合のようなスペースの無駄を減らすことができる。また一方で、画素表示部26の短手方向の間隔を詰めることができ、開口率を格段に向上することができる。
開口率を向上すれば、有機EL層60の単位面積あたりの発光量が少なくて済むから、素子寿命を向上させることができるという効果を奏する。
なお上記の説明では、もっとも好ましい例として、画素表示部26の全面積に重なるように、反射面としての電源線103を配置する例で説明したが、反射量を減らしても発光量に余裕があるならば、電源線103は、必ずしも画素表示部26の全面積を覆う必要がないことは言うまでもない。
また、同様に、発光量に余裕があるならば、反射ムラもある程度は許容できるから、電源線103の下方が平坦なベタパターンでなく、電源線103の平坦性が劣るような構成であっても差し支えない。例えば、保持容量113以外の回路要素を電源線103の下方に設けてもよい。そうすれば、より一層電源線103の下層のスペースを有効利用することができるという利点がある。
〔第2の実施形態〕
次に本発明の電気光学装置の第2の実施形態としてのEL表示装置1について説明する。本実施形態は、第1の実施形態と同様に第2金属層で反射面を設けるが、電源線103を第1金属層で構成する点が異なっている。そしてその他は同一の構成を備えるものである。そこで、以下では共通部分の説明は同一の符号を付して省略する。
本実施形態のEL表示装置1は、図8に示されるタイプの装置である。そのため第1の実施形態の変形例と同様に、電源線103は、走査線101とはほぼ平行で、信号線102とは交差する方向に設けられている。
図10を参照して、本実施形態に係る実表示領域400の詳細を説明する。図10(a)は、本実施形態に係るEL表示装置1の実表示領域400における隣接する4つの画素領域Aの平面視模式図である。図10(b)は、図10(a)におけるK−L方向の断面図である。
各電源線103は、ゲート絶縁層282の上層に、第1金属層を用いて画素表示部26の全面積を覆う幅で、同じく第1金属層によって形成された走査線101にほぼ平行に連続して設けられている。その上層には第1層間絶縁層283が設けられ、その上層には、第2金属層によって、画素表示部26のそれぞれの面積を覆う大きさの反射部151(金属部)、信号線102、接続配線18などが形成されている。反射部151の上層には陽極23が設けられている。スイッチング用TFT112および駆動用TFT123は、平面視で、走査線101と電源線103の間に形成されている。
保持容量113は、主として、ゲート絶縁層282を挟んで対向するシリコン層261と電源線103によって、反射部151の下方に形成されている。
次に図11を参照して、スイッチング用TFT112および駆動用TFT123の構成を説明する。図11(a)は、図10(a)におけるスイッチング用TFT112および駆動用TFT123の近傍の拡大図である。図11(b)は、図11(a)におけるM−N線に沿った断面図である。
スイッチング用TFT112は、ソース領域251S、チャンネル領域251a、ドレイン領域251Dを備えている。そして、ソース領域251Sには、コンタクトホール19aによって信号線102から延ばされたソース電極側配線102aが接続されている。チャンネル領域251aの上層には、ゲート絶縁層282と、走査線101の一部をなして延ばされたゲート電極252とが設けられている。またドレイン領域251Dには、第1金属層によって設けられたゲート電極242が接続されている。以上によって、スイッチング用TFT112が構成されている。
次に駆動用TFT123は、ソース領域241S、チャンネル領域241a、ドレイン領域241Dを備えている。そして、ソース領域241Sには、ゲート絶縁層282から第1層間絶縁層283にわたって開孔するコンタクトホール19iが接続され、コンタクトホール19iには、接続配線18が接続されている。接続配線18は、第1層間絶縁層283からゲート絶縁層282にわたって開孔するコンタクトホール19jによって電源線103と接続されている。チャンネル領域241aの上層には、ゲート絶縁層282と、ゲート電極242とが設けられている。ゲート電極242はシリコン層261とも接続されている。またドレイン領域241Dには、ゲート絶縁層282から第1層間絶縁層283にわたって開孔するコンタクトホール19hによって反射部151から延ばされた反射部配線151aに接続されている。以上によって、駆動用TFT123が構成されている。反射部151の上層に陽極23が設けられているため、ドレイン領域241Dは、陽極23と電気的に接続されている。
次に、本実施形態に係るEL表示装置1の製造方法の一例について、図12を簡単に参照して説明する。図12(a)〜(d)に示す各断面図は、図10中のK−L線に沿う断面図に対応しており、各製造工程順に示している。なお以下の説明では、本発明に特に関係する工程、すなわち、回路部11を形成する工程を中心にして説明し、第1の実施形態と共通する部分の説明は省略する。
図12(a)に示すように、まず基板20上に、下地保護層281を形成する。次にシリコン層241、251、261を形成する。さらにゲート絶縁層282を形成する。シリコン層241、251にそれぞれ濃度傾斜を有するソース領域およびドレイン領域を形成する方法は第1の実施形態と同様に行われる。
次にゲート絶縁層282上に厚さ約500nm程度の第1金属層を形成し、更にこの金属層をパターニングすることにより、走査線101、ゲート電極242、252および電源線103などを同時に形成する(第1金属層形成工程)。
次に図12(b)に示すように、基板20の全面に第2層間絶縁層283を形成し、さらにフォトリソグラフィ法により第2層間絶縁層283をパターニングして、不図示のコンタクトホール19a、19h、19i、19jなどを形成する。
そして第2層間絶縁層283を覆うように、第2金属層を形成することにより、先に形成したコンタクトホール19a、19h、19i、19jなどに第2金属層の金属を埋め込む。さらに第2金属層上にパターニング用マスクを形成する。そして、第2金属層をパターニング用マスクによってパターニングし、反射部151、信号線102、接続配線18などを形成する(第2金属層形成工程)。
次に図12(c)に示すように、反射部151の上層に陽極23を形成する。このようにして、基板20上に回路部11が形成される。
なお以上の過程において、実表示領域400の断面図を参照して説明したため、ダミー領域5あるいはその外周部での製造工程の説明を省略したが、例えばゲート絶縁層282上から回路部11を貫く陰極50との接触を保つ陰極配線や、走査線駆動回路80ならびに検査回路90などを形成するための適宜の工程は当然に行われているものである。
次に、回路部11の上層に正孔注入/輸送層70、有機EL層60、陰極50などを形成する工程および基板20に封止基板30を接合する工程は、第1の実施形態と同様なので説明は省略する。
このようにして、本発明の第2の実施形態に係るEL表示装置1が得られる。
次に、本実施形態のEL表示装置1による作用について説明する。
本実施形態に係るEL表示装置1によれば、画素表示部26に重なる位置に陽極23の下方に第2金属層で形成された反射部151を配置するから、有機EL層60から下方に放射されて透明な陽極23を透過する光を反射部151によって上方に反射することができ、放射光を効率よく陰極50側に出射することができる。
しかも、このような反射部151は、回路部11を形成するのに必須の第2金属層を利用している。そのため電極特性の優れた透明電極を用いても、透明電極に下地層として別に反射膜を設ける必要がなく、材料やプロセスを節約することができるから、製造コストを抑えて安価に形成することができる。
また通常の工程あるいは第1の実施形態と異なり、第2金属層を陽極23と絶縁させる第2層間絶縁層284を設けなくてもよいので、製造工程の簡素化を図ることができ、製造コストを抑えることができる。
また、本実施形態では、3次元的な積層構造を備えるスイッチング用TFT112、駆動用TFT123などのスイッチング素子を画素表示部26の間に形成するので、画素表示部26の下方に配置される反射部151は、基板20から平坦なベタパターンを積み重ねて形成することができる。したがって、平坦性に優れた反射面を形成することができ、その結果、反射ムラなどをなくして光利用効率を向上させ、ひいては表示品質を向上することができる。
さらに、これらの平坦なベタパターンを利用して保持容量113を電源線103以下の層に設けるので、広大な画素表示部26の下層領域に保持容量113を形成することができ、スペースを有効利用して、保持容量113を大きくすることができる。その結果、表示の保持特性が向上し、安定性に優れた表示を行うことができる。
また、本実施形態によれば、電源線103を太く構成することができるので、電気抵抗を低くすることができ省エネルギーの装置とすることができる利点がある。
また、本実施形態では、回路部11の比較的上方にあり、陽極23により近い第2金属層によって反射面を構成するので、反射光の透過光路を比較的短くすることができ、光損失を低減することができるとともに、反射面の下方の有効利用スペースの高さを比較的高くできる利点がある。
また本実施形態によれば、電源線103が走査線101と交差しないので、電源線103との間で形成される静電容量を小さくなり、スイッチング動作が高速となるという効果を奏する。
また、スイッチング素子を走査線101と電源線103の間に設けるから、スイッチング用TFT112と駆動用TFT123を画素表示部26の短手方向に並列させることによって、よりコンパクトに納めることができる。また一方で、画素表示部26の短手方向の間隔を詰めることができる。また、反射部151は電源線103など画素表示部26の下方にある金属部とは導通させる必要がないので、そのためのコンタクトホールなどを設ける必要がないから、コンタクトホールによって画素表示部26の面積が制約されることがない。その結果、開口率を格段に向上することができる。
開口率を向上すれば、有機EL層60の単位面積あたりの発光量が少なくて済むから、素子寿命を向上させることができるという効果を奏する。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図13に示すのは、本変形例に係るEL表示装置1の実表示領域の構成を模式的に示す拡大図である。上記の本実施形態とは、本変形例は図2に示すタイプの装置であり、実表示領域400が実表示領域4となっている点のみが異なっている。以下では、上記と同様の部材には同一の符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に本変形例を説明する。
実表示領域4は、実表示領域400(図8参照)では表示領域R、G、Bがそれぞれ図示の左右方向に連続した配列とされていたのに対し、図示の上下方向に連続した構成とされている点が異なる。そのため、連続した4つの画素領域Aでは、図13に示すような構成となっている。
図13(a)は、実表示領域400における隣接する4つの画素領域Aの平面視模式図である。図8(b)は、図13(a)におけるP−Q方向の断面図である。
図10と大きく異なるのは、図10では、電源線103が走査線101とほぼ平行に設けられているのに対して、図13では、電源線103は走査線101と交差して信号線102とほぼ平行に延ばされている点である。電源線103は第1金属層で形成し、反射部151は第2金属層で形成している点は同一で、その他もほぼ同一の層構造とされているが、信号線102と走査線101が交差するため、本変形例では、走査線101は、信号線102と交差する位置では第1金属層によって形成し、信号線102の近傍で、第1層間絶縁層283に開孔するコンタクトホール101a、101aを設け、それぞれを走査線101、101と接続することにより、走査線101と同層の信号線102を迂回する構成としている。このような構成は、主に第1金属層および第2金属層をエッチングする際のパターンニングを変更することによって容易に得られる。
また、本変形例は第1の実施形態と異なり、コンタクトホール103aを設けなくてよい分、画素表示部26の面積を大きくとることができるから、比較的大きな開口率を得ることができるという効果を奏する。
なお上記の説明では、第2金属層と陽極23の間に絶縁層を設けない例で説明したが、反射部151と駆動用TFT123との接続するのを止めて、反射部151の上層に透明な絶縁層を設けてから、陽極23を設け、陽極23と駆動用TFT123とを直接導通させる構成としてもよい。
なお上記の第1および第2の実施形態の説明では、いずれも第2金属層で形成された反射面で光を反射する構成としたが、第1金属層で反射面を形成してもよい。そのような構成でも製造工程を増やすことなく反射面が構成できるから、製造コストを抑えることができる。
なお上記の第1および第2の実施形態は説明では、有機EL層60などを形成するためにインクジェット法を利用するため、バンク221に親液性と撥液性とを容易に付与できるように、無機物バンク層221a、有機物バンク層221bの2層構造とする例で説明したが、単層構造としてもよく、特にインクジェット法を用いないで、例えば蒸着法などによって製造する場合には、バンク221を単層構造とした方がより安価に製造することができる。
なお上記の第1および第2の実施形態は説明では、スイッチング素子を2つのトランジスタで形成する例で説明したが、例えば4つなど、それ以上の数のトランジスタを用いた回路構成としてもよいことは言うまでもない。
〔第3の実施形態〕
以下、第1または第2の実施形態のEL表示装置を備えた電子機器の具体例について図14に基づき説明する。
図14(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14(a)において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記のEL表示装置を用いた表示部を示している。
図14(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図14(b)において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は前記のEL表示装置を用いた表示部を示している。
図14(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図14(c)において、符号1200は情報処理装置、符号1201はキーボードなどの入力部、符号1202は前記のEL表示装置を用いた表示部、符号1203は情報処理装置本体を示している。
図14(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、前記の第1、2または3の実施形態のEL表示装置を用いた表示部を備えたものであり、先の第1または第2の実施形態のEL表示装置の特徴を有するので、表示特性、信頼性が向上するとともに、製造コストが低減された電子機器となる。
これらの電子機器を製造するには、第1または第2の実施形態のEL表示装置1を、携帯電話、携帯型情報処理装置、腕時計型電子機器などの各種電子機器の表示部に組み込むことにより製造される。
本発明の第1の実施形態の、EL表示装置の等価回路および配線構造を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の、EL表示装置の構成を模式的に示す平面図である。 図2のA−B線に沿う断面図である。 図2のC−D線に沿う断面図である。 本発明の第1の実施形態の、実表示領域における隣接する4つの画素領域Aの平面視模式図および断面図である。 図5の平面視部分拡大図および断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施形態の変形例の、EL表示装置の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例の、実表示領域における隣接する4つの画素領域Aの平面視模式図および断面図である。 本発明の第2の実施形態の、実表示領域における隣接する4つの画素領域Aの平面視模式図および断面図である。 図10の平面視部分拡大図および断面図である。 本発明の第2の実施形態の製造方法を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施形態の変形例の、実表示領域における隣接する4つの画素領域Aの平面視模式図および断面図である。 本発明の第3の実施形態の電子装置を示す斜視図である。
符号の説明
A 画素領域
R、G、B 表示領域
1 EL表示装置(電気光学装置)
11 回路部(回路層)
20 基板
23 陽極(第1電極)
26 画素表示部
50 陰極(第2電極)
60 有機EL層(発光層)
101 走査線
102 信号線
103 電源線
110 機能層(発光層)
112 スイッチング用TFT(スイッチング素子)
113 保持容量(静電容量)
123 駆動用TFT(スイッチング素子)
150 コンデンサ電極
151 反射部

Claims (13)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた発光層と、
    前記第1電極に電源を供給する電源線と、
    前記電源線と前記第1電極との間の電流を制御するスイッチング素子とを有する電気光学装置であって、
    前記第1電極の少なくとも一部と前記電源線とが重なっていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記発光層を区画するように、前記第1電極上に開口部を有する絶縁膜をさらに有し、
    前記開口部と前記電源線とが重なっていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電気光学装置であって、
    前記スイッチング素子は、トランジスタであり、
    前記トランジスタのゲート電極と前記電源線の間に接続された容量素子を有し、
    前記容量素子は、前記第1電極の少なくとも一部と重なっていることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電気光学装置であって、
    走査線と、前記走査線と交差する信号線とをさらに含み、
    前記電源線は、前記走査線と平行であることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項4に記載の電気光学装置であって、
    前記走査線と前記電源線は、同一の層で形成されることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項4又は5に記載の電気光学装置であって、
    前記スイッチング素子は、前記走査線と電源線の間に形成されることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項4乃至6のいずれかに記載の電気光学装置であって、
    前記走査線と同層で形成された反射部が、前記第1電極の下に形成されており、
    前記第1電極と前記反射部が接続されていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項7に記載の電気光学装置であって、
    前記第2電極と前記信号線との間の前記絶縁膜の下には、第2絶縁膜をさらに有し、
    前記前記第1電極と前記反射部との間には、前記第2絶縁膜は形成されていないことを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電気光学装置であって、
    走査線と、走査線と交差する信号線とをさらに含み、
    前記電源線は、前記信号線と平行であることを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項9に記載の電気光学装置であって、
    前記信号線と前記電源線は、同一の層で形成されることを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項9又は10に記載の電気光学装置であって、
    前記信号線と前記開口部の間に囲まれた位置の前記絶縁膜の下に、前記スイッチング素子を配置することを特徴とする電気光学装置。
  12. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電気光学装置であって、
    前記第1電極は、透明な陽極であることを特徴とする電気光学装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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