JP2004301402A - 熱処理炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱処理対象となる製品の高さが変わっても、常に一定の最適な流速で製品に熱風を吹き付けることができる熱処理炉を提供する。
【解決手段】バーナー4で生じた燃焼ガスを送風機3にて周辺の炉内ガスと混合し、熱風として熱処理対象となる製品2に吹き付けることにより、製品2を加熱して熱処理を行う熱処理炉であって、前記熱風を製品2の下方から吹き付けるようにした熱処理炉。
【選択図】 図1
【解決手段】バーナー4で生じた燃焼ガスを送風機3にて周辺の炉内ガスと混合し、熱風として熱処理対象となる製品2に吹き付けることにより、製品2を加熱して熱処理を行う熱処理炉であって、前記熱風を製品2の下方から吹き付けるようにした熱処理炉。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱手段としてバーナーを有し、当該バーナーで生じた燃焼ガスを送風機にて周辺の炉内ガスと混合し、熱風として熱処理対象となる製品に吹き付けることにより、製品の熱処理を行う熱処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒担体となるハニカム構造体に、触媒成分を塗付した後、この触媒成分をハニカム構造体に焼き付けるといった用途には、従来、図4に示すような構造の熱処理炉が使用されてきた。
【0003】この熱処理炉は、ローラー16等の搬送手段の上にセッター17等を介して熱処理対象となる製品12を載置し、バーナー14で生じた燃焼ガスを、送風機13にて周辺の炉内ガスと混合し、これを熱風として製品12上方のチャンバー15に送り、チャンバー15の下面に形成された吹出孔15aを通じて、製品12の上方から熱風を吹き付ける構造となっている(当該従来技術に関する先行技術文献は特に見当たらない。)。
【0004】なお、製品12に吹き付けられた熱風は、図中に矢印で示すように、炉内を循環して再びバーナー14の燃焼ガスとともに送風機13に送られる。通常、送風機13には、図5のように、回転軸13aの半径方向に放射状に形成された羽根13bを有するプレート型の送風機13が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記のように製品12の上方から熱風を吹き付ける構造の熱処理炉においては、熱処理対象となる製品12の高さHによって、製品12に当たる熱風の流速が変化するという問題がある。すなわち、吹出孔15aより吹き出す熱風の流速が一定である場合、製品12の高さHが高いほど、吹出孔15aから製品12までの距離Dが短くなるので、製品12に当たる熱風の流速は高くなり、逆に、製品12の高さHが低いほど、吹出孔15aから製品12までの距離Dが長くなるので、製品12に当たる熱風の流速は低下する。
【0006】そして、このように製品12に当たる熱風の流速が変わってしまうと、製品12の昇温状態等が変化してしまうため、高さの異なる製品を熱処理する場合において、各製品に対し常に最適な条件で熱処理を施すことが困難であった。
【0007】また、従来の熱処理炉は、前記のとおりプレート型の送風機13を使用していたが、プレート型の送風機13は、その構造上の問題から吐出圧力が低く、製品12に吹き付ける熱風の速度に限界が有ったため、製品12を迅速に加熱することが困難であった。
【0008】更に、このプレート型の送風機13では、バーナー14で生じた燃焼ガスが周辺の炉内ガスと均一に混合されにくく、両者の混合が不十分なまま製品12に吹き付けられるため、特に炉内の幅方向において熱風に温度分布が生じやすい。
【0009】本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、熱処理対象となる製品の高さが変わっても、常に一定の最適な流速で製品に熱風を吹き付けることができる熱処理炉を提供することを主な目的とする。更に、本発明は、熱処理対象となる製品に対して、従来よりも高速で熱風を吹き付けることができ、また、熱風の温度分布を小さくすることができる熱処理炉を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、バーナーで生じた燃焼ガスを送風機にて周辺の炉内ガスと混合し、熱風として熱処理対象となる製品に吹き付けることにより、前記製品を加熱して熱処理を行う熱処理炉であって、前記熱風を前記製品の下方から吹き付けるようにしたことを特徴とする熱処理炉、が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る熱処理炉の実施形態の一例を示す概要図である。この熱処理炉は、バーナーで生じた燃焼ガスを送風機にて周辺の炉内ガスと混合し、熱風として熱処理対象となる製品に吹き付けることにより、製品を加熱して熱処理を行う熱処理炉であるが、その特徴的な構成として、従来の熱処理炉のように、製品の上方から熱風を吹き付けるのではなく、製品の下方から熱風を吹き付けるようにしている。
【0012】図の例では、炉の側壁に設けられたバーナー4で生じた燃焼ガスが、送風機3にて周辺の炉内ガスと混合され、この混合により得られた熱風が、図中の矢印に示すように炉壁に沿って製品2の下方に移動する。製品2は、その周辺を取り囲むように形成されたチャンバー5内において、搬送手段であるローラー6にセッター7を介して載置されており、炉壁に沿って製品2の下方に循環移動した熱風が、チャンバー5の底面に形成された炉幅方向に伸びるスリット状の吹出孔5aを通じて、チャンバー5内の製品2に対して下方から吹き付けられる。なお、吹出孔5aは本例のようなスリット状のものに限られず、例えば複数の丸孔としてもよい。チャンバー5の上部は、送風機3の吸込口3aに対して開口しており、製品2を加熱した後の熱風は、この吸込口3aから再びバーナー4の燃焼ガスとともに送風機3に取り込まれて循環し、製品の加熱に供される。
【0013】炉内において熱処理される製品2は、その高さHが異なっていても、製品2が載置される面(載置面)の高さ、すなわち製品2の下端部の位置は一定であるので、このように製品2の下方から熱風を吹き付ける構造とすると、熱風の吹き出し位置(図1の例ではチャンバー5底面の吹出孔5a)から製品2までの距離Dは、製品2の高さHによらず、常に一定となる。したがって、本発明の熱処理炉を使用すれば、熱処理対象となる製品の高さが変わっても、常に一定の最適な流速で製品に熱風を吹き付けることが可能となる。
【0014】なお、本発明においては、送風機3にシロッコ型のものを用いるのが好ましい。シロッコ型の送風機3は、図2に示すように、回転軸3bに固定された円板3dの外周近傍部に、半径方向に短く、軸方向に長い多数の羽根3cを有するものであり、円板3d中央部の吸込口3aより取り込んだ燃焼ガスと周辺の炉内ガスとを混合して、円板3dの半径方向外側に向かって吐出する。
【0015】このようなシロッコ型の送風機3は、従来の熱処理炉に使用されてきたプレート型の送風機よりも吐出圧力を高くすることができ、熱風の流速を高めることができるので、より迅速な製品の加熱が可能となる。具体的には、プレート型の送風機の吐出圧力が最大500Pa程度であるのに対し、プレート型の送風機の吐出圧力は最大で1500Pa程度にまで達する。この結果、熱風の吹出孔における熱風の流速は、前者が最大約7m/sで、後者が最大約12m/sとなる。
【0016】また、シロッコ型の送風機3を使用する場合には、図1に示すように、バーナー4で生じた燃焼ガスをバーナー4から送風機3の吸込口3aまで導くための誘導パイプ8を設けることが好ましい。このような誘導パイプ8にて、バーナー4の燃焼ガスをシロッコ型送風機3の吸込口まで誘導することにより、燃焼ガスと周辺の炉内ガスとが送風機3で均一に混合されやすくなり、熱風の温度分布が小さくなる。具体的には、プレート型送風機を使用した場合の熱風の炉幅方向における温度分布ΔT(=最高温度−最低温度)が約30℃だったのに対し、シロッコ型送風機を使用し、誘導パイプで燃焼ガスをバーナーから送風機の吸込口まで導いた場合の同温度分布ΔTは10℃以下であった。
【0017】本発明において、製品の下方から製品に対して直接的に熱風を吹き付けるためには、製品が熱処理時に載置される部位又は部材が、当該部位又は部材の裏側から表側に通じる開口部を有するものである必要がある。例えば、ローラーハース炉のような連続炉においては、搬送手段であるローラー上にセッターと呼ばれる板状の部材を介して製品が載置されるが、図3のように、外周部7a及び製品載置部7bを金属フレーム等で構成して、その大部分が裏側から表側に通じる開口部7cとなっているようなセッター7を用いれば、下方から製品2に対して吹き付けられる熱風が、その開口部7cを通じて製品2に直接接触する。
【0018】また、例えば製品の搬送手段としてメッシュベルトのベルトコンベアを用いた熱処理炉であれば、メッシュベルト上に直接製品を載置することで、当該メッシュベルトの開口部を通じて、製品の下面に直接熱風を吹き付けることができる。
【0019】本発明の熱処理炉において、熱処理対象となる製品は特に限定されないが、貫通孔を有する製品の熱処理に特に好適に使用できる。貫通孔を有する製品を、その貫通孔の軸方向が上下方向となるように配置して熱処理を行えば、製品の下方から吹き付けられた熱風が、貫通孔の下端から上端へと製品内部を通過するため、製品を迅速かつ均一に加熱させることができる。
【0020】従来の熱処理炉のように、製品の上方から熱風を吹き付ける場合には、炉内を循環する炉内ガスの上昇流(ドラフト)に逆って製品に熱風を吹き付ける状態となるが、本発明の熱処理炉のように製品の下方から熱風を吹き付ける場合には、上昇流と同方向に熱風を製品に吹き付けることになるので、より貫通孔を熱風が通過しやすくなり、高い効果が得られる。
【0021】前記のような貫通孔を有する製品の代表的なものとしては、ハニカム構造体が挙げられる。例えば、触媒担体となるハニカム構造体に、触媒成分を塗付した後、この触媒成分をハニカム構造体に焼き付けるために熱処理を行うといった用途には、本発明の熱処理炉が好適に使用できる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱処理炉によれば、熱処理対象となる製品の高さが変わっても、常に一定の最適な流速で製品に熱風を吹き付けることができる。また、熱処理対象となる製品に対して、従来よりも高速で熱風を吹き付けることができ、製品の迅速な加熱が可能となる。更に、バーナーの燃焼ガスと周辺の炉内ガスとを均一に混合して、熱風の温度分布を小さくすることができる。本発明の熱処理炉は、ハニカム構造体のような貫通孔を有する製品の熱処理に、特に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱処理炉の実施形態の一例を示す概要図である。
【図2】シロッコ型送風機の構造を示す説明図である。
【図3】本発明の熱処理炉において好適に使用できるセッターの構造を示す説明図である。
【図4】従来の熱処理炉の構造を示す概要図である。
【図5】プレート型送風機の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
2…製品、3…送風機(シロッコ型)、3a…吸込口、3b…回転軸、3c…羽根、3d…円板、4…バーナー、5…チャンバー、6…ローラー、7…セッター、8…誘導パイプ、12…製品、13…送風機(プレート型)、13a…回転軸、13b…羽根、14…バーナー、15…チャンバー、16…ローラー、17…セッター。
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱手段としてバーナーを有し、当該バーナーで生じた燃焼ガスを送風機にて周辺の炉内ガスと混合し、熱風として熱処理対象となる製品に吹き付けることにより、製品の熱処理を行う熱処理炉に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒担体となるハニカム構造体に、触媒成分を塗付した後、この触媒成分をハニカム構造体に焼き付けるといった用途には、従来、図4に示すような構造の熱処理炉が使用されてきた。
【0003】この熱処理炉は、ローラー16等の搬送手段の上にセッター17等を介して熱処理対象となる製品12を載置し、バーナー14で生じた燃焼ガスを、送風機13にて周辺の炉内ガスと混合し、これを熱風として製品12上方のチャンバー15に送り、チャンバー15の下面に形成された吹出孔15aを通じて、製品12の上方から熱風を吹き付ける構造となっている(当該従来技術に関する先行技術文献は特に見当たらない。)。
【0004】なお、製品12に吹き付けられた熱風は、図中に矢印で示すように、炉内を循環して再びバーナー14の燃焼ガスとともに送風機13に送られる。通常、送風機13には、図5のように、回転軸13aの半径方向に放射状に形成された羽根13bを有するプレート型の送風機13が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記のように製品12の上方から熱風を吹き付ける構造の熱処理炉においては、熱処理対象となる製品12の高さHによって、製品12に当たる熱風の流速が変化するという問題がある。すなわち、吹出孔15aより吹き出す熱風の流速が一定である場合、製品12の高さHが高いほど、吹出孔15aから製品12までの距離Dが短くなるので、製品12に当たる熱風の流速は高くなり、逆に、製品12の高さHが低いほど、吹出孔15aから製品12までの距離Dが長くなるので、製品12に当たる熱風の流速は低下する。
【0006】そして、このように製品12に当たる熱風の流速が変わってしまうと、製品12の昇温状態等が変化してしまうため、高さの異なる製品を熱処理する場合において、各製品に対し常に最適な条件で熱処理を施すことが困難であった。
【0007】また、従来の熱処理炉は、前記のとおりプレート型の送風機13を使用していたが、プレート型の送風機13は、その構造上の問題から吐出圧力が低く、製品12に吹き付ける熱風の速度に限界が有ったため、製品12を迅速に加熱することが困難であった。
【0008】更に、このプレート型の送風機13では、バーナー14で生じた燃焼ガスが周辺の炉内ガスと均一に混合されにくく、両者の混合が不十分なまま製品12に吹き付けられるため、特に炉内の幅方向において熱風に温度分布が生じやすい。
【0009】本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、熱処理対象となる製品の高さが変わっても、常に一定の最適な流速で製品に熱風を吹き付けることができる熱処理炉を提供することを主な目的とする。更に、本発明は、熱処理対象となる製品に対して、従来よりも高速で熱風を吹き付けることができ、また、熱風の温度分布を小さくすることができる熱処理炉を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、バーナーで生じた燃焼ガスを送風機にて周辺の炉内ガスと混合し、熱風として熱処理対象となる製品に吹き付けることにより、前記製品を加熱して熱処理を行う熱処理炉であって、前記熱風を前記製品の下方から吹き付けるようにしたことを特徴とする熱処理炉、が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る熱処理炉の実施形態の一例を示す概要図である。この熱処理炉は、バーナーで生じた燃焼ガスを送風機にて周辺の炉内ガスと混合し、熱風として熱処理対象となる製品に吹き付けることにより、製品を加熱して熱処理を行う熱処理炉であるが、その特徴的な構成として、従来の熱処理炉のように、製品の上方から熱風を吹き付けるのではなく、製品の下方から熱風を吹き付けるようにしている。
【0012】図の例では、炉の側壁に設けられたバーナー4で生じた燃焼ガスが、送風機3にて周辺の炉内ガスと混合され、この混合により得られた熱風が、図中の矢印に示すように炉壁に沿って製品2の下方に移動する。製品2は、その周辺を取り囲むように形成されたチャンバー5内において、搬送手段であるローラー6にセッター7を介して載置されており、炉壁に沿って製品2の下方に循環移動した熱風が、チャンバー5の底面に形成された炉幅方向に伸びるスリット状の吹出孔5aを通じて、チャンバー5内の製品2に対して下方から吹き付けられる。なお、吹出孔5aは本例のようなスリット状のものに限られず、例えば複数の丸孔としてもよい。チャンバー5の上部は、送風機3の吸込口3aに対して開口しており、製品2を加熱した後の熱風は、この吸込口3aから再びバーナー4の燃焼ガスとともに送風機3に取り込まれて循環し、製品の加熱に供される。
【0013】炉内において熱処理される製品2は、その高さHが異なっていても、製品2が載置される面(載置面)の高さ、すなわち製品2の下端部の位置は一定であるので、このように製品2の下方から熱風を吹き付ける構造とすると、熱風の吹き出し位置(図1の例ではチャンバー5底面の吹出孔5a)から製品2までの距離Dは、製品2の高さHによらず、常に一定となる。したがって、本発明の熱処理炉を使用すれば、熱処理対象となる製品の高さが変わっても、常に一定の最適な流速で製品に熱風を吹き付けることが可能となる。
【0014】なお、本発明においては、送風機3にシロッコ型のものを用いるのが好ましい。シロッコ型の送風機3は、図2に示すように、回転軸3bに固定された円板3dの外周近傍部に、半径方向に短く、軸方向に長い多数の羽根3cを有するものであり、円板3d中央部の吸込口3aより取り込んだ燃焼ガスと周辺の炉内ガスとを混合して、円板3dの半径方向外側に向かって吐出する。
【0015】このようなシロッコ型の送風機3は、従来の熱処理炉に使用されてきたプレート型の送風機よりも吐出圧力を高くすることができ、熱風の流速を高めることができるので、より迅速な製品の加熱が可能となる。具体的には、プレート型の送風機の吐出圧力が最大500Pa程度であるのに対し、プレート型の送風機の吐出圧力は最大で1500Pa程度にまで達する。この結果、熱風の吹出孔における熱風の流速は、前者が最大約7m/sで、後者が最大約12m/sとなる。
【0016】また、シロッコ型の送風機3を使用する場合には、図1に示すように、バーナー4で生じた燃焼ガスをバーナー4から送風機3の吸込口3aまで導くための誘導パイプ8を設けることが好ましい。このような誘導パイプ8にて、バーナー4の燃焼ガスをシロッコ型送風機3の吸込口まで誘導することにより、燃焼ガスと周辺の炉内ガスとが送風機3で均一に混合されやすくなり、熱風の温度分布が小さくなる。具体的には、プレート型送風機を使用した場合の熱風の炉幅方向における温度分布ΔT(=最高温度−最低温度)が約30℃だったのに対し、シロッコ型送風機を使用し、誘導パイプで燃焼ガスをバーナーから送風機の吸込口まで導いた場合の同温度分布ΔTは10℃以下であった。
【0017】本発明において、製品の下方から製品に対して直接的に熱風を吹き付けるためには、製品が熱処理時に載置される部位又は部材が、当該部位又は部材の裏側から表側に通じる開口部を有するものである必要がある。例えば、ローラーハース炉のような連続炉においては、搬送手段であるローラー上にセッターと呼ばれる板状の部材を介して製品が載置されるが、図3のように、外周部7a及び製品載置部7bを金属フレーム等で構成して、その大部分が裏側から表側に通じる開口部7cとなっているようなセッター7を用いれば、下方から製品2に対して吹き付けられる熱風が、その開口部7cを通じて製品2に直接接触する。
【0018】また、例えば製品の搬送手段としてメッシュベルトのベルトコンベアを用いた熱処理炉であれば、メッシュベルト上に直接製品を載置することで、当該メッシュベルトの開口部を通じて、製品の下面に直接熱風を吹き付けることができる。
【0019】本発明の熱処理炉において、熱処理対象となる製品は特に限定されないが、貫通孔を有する製品の熱処理に特に好適に使用できる。貫通孔を有する製品を、その貫通孔の軸方向が上下方向となるように配置して熱処理を行えば、製品の下方から吹き付けられた熱風が、貫通孔の下端から上端へと製品内部を通過するため、製品を迅速かつ均一に加熱させることができる。
【0020】従来の熱処理炉のように、製品の上方から熱風を吹き付ける場合には、炉内を循環する炉内ガスの上昇流(ドラフト)に逆って製品に熱風を吹き付ける状態となるが、本発明の熱処理炉のように製品の下方から熱風を吹き付ける場合には、上昇流と同方向に熱風を製品に吹き付けることになるので、より貫通孔を熱風が通過しやすくなり、高い効果が得られる。
【0021】前記のような貫通孔を有する製品の代表的なものとしては、ハニカム構造体が挙げられる。例えば、触媒担体となるハニカム構造体に、触媒成分を塗付した後、この触媒成分をハニカム構造体に焼き付けるために熱処理を行うといった用途には、本発明の熱処理炉が好適に使用できる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱処理炉によれば、熱処理対象となる製品の高さが変わっても、常に一定の最適な流速で製品に熱風を吹き付けることができる。また、熱処理対象となる製品に対して、従来よりも高速で熱風を吹き付けることができ、製品の迅速な加熱が可能となる。更に、バーナーの燃焼ガスと周辺の炉内ガスとを均一に混合して、熱風の温度分布を小さくすることができる。本発明の熱処理炉は、ハニカム構造体のような貫通孔を有する製品の熱処理に、特に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱処理炉の実施形態の一例を示す概要図である。
【図2】シロッコ型送風機の構造を示す説明図である。
【図3】本発明の熱処理炉において好適に使用できるセッターの構造を示す説明図である。
【図4】従来の熱処理炉の構造を示す概要図である。
【図5】プレート型送風機の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
2…製品、3…送風機(シロッコ型)、3a…吸込口、3b…回転軸、3c…羽根、3d…円板、4…バーナー、5…チャンバー、6…ローラー、7…セッター、8…誘導パイプ、12…製品、13…送風機(プレート型)、13a…回転軸、13b…羽根、14…バーナー、15…チャンバー、16…ローラー、17…セッター。
Claims (6)
- バーナーで生じた燃焼ガスを送風機にて周辺の炉内ガスと混合し、熱風として熱処理対象となる製品に吹き付けることにより、前記製品を加熱して熱処理を行う熱処理炉であって、
前記熱風を前記製品の下方から吹き付けるようにしたことを特徴とする熱処理炉。 - 前記送風機がシロッコ型の送風機である請求項1記載の熱処理炉。
- 前記バーナーで生じた燃焼ガスを前記バーナーから前記送風機の吸込口まで導くための誘導パイプを設けた請求項2記載の熱処理炉。
- 前記製品が熱処理時に載置される部位又は部材が、当該部位又は部材の裏側から表側に通じる開口部を有するものである請求項1ないし3の何れか一項に記載の熱処理炉。
- 前記製品が貫通孔を有するものである請求項1ないし4の何れか一項に記載の熱処理炉。
- 前記製品がハニカム構造体である請求項1ないし4の何れか一項に記載の熱処理炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003093609A JP2004301402A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 熱処理炉 |
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JP2003093609A JP2004301402A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 熱処理炉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004301402A true JP2004301402A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33406356
Family Applications (1)
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JP2003093609A Pending JP2004301402A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 熱処理炉 |
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JP (1) | JP2004301402A (ja) |
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003093609A patent/JP2004301402A/ja active Pending
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