JP2004301343A - エンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスエンジン1にクラッチ3を介して第1の圧縮機4を連動連結したエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aと、ガスエンジン5に発電機11および第2の圧縮機8それぞれを連動連結した発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bとを設け、第1および第2の圧縮機4,8を、室外側熱交換器14と膨張弁15と室内側熱交換器16とを接続した冷媒回路12に、互いに並列接続する。空調負荷が設定値以上のときには、クラッチ3を入れてガスエンジン1を定格で運転し、空調用無段変速装置6により第2の圧縮機8を変速して、空調負荷の変動に合うように運転し、空調負荷が設定値よりも低いときにはクラッチ3を切り、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bのみを空調負荷の変動に合うように運転する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンに圧縮機および発電機を連動連結したエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の空調システムとしては、従来、特許文献1に開示されているものがあった。
この従来例によれば、エンジン駆動式ヒートポンプ装置を稼動させて空調を行い、その同一のガスエンジンにより発電機を運転させ、発電電力により、電動機により運転される圧縮機を備えた空気調和装置を稼動し、夏季の電力需要のピ−クカットに貢献できるように構成されている。
また、ガスエンジンの稼動時に排出される熱を利用して給湯装置を運転させて温水をつくるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−324240号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例の場合、夏場の冷房負荷が高いときなど、空調負荷が高いときに、その空調負荷に対応できる能力をエンジンに持たせる必要がある。
【0005】
ところが、そのような大きな能力を持たせると、中間期などのように、空調負荷が低い場合、エンジンを定格よりも小さい部分負荷で運転することになり、エンジンの出力効率が低下するとともに発電効率が低下し、システム全体としての効率が低下する欠点があった。
【0006】
また、予測される最大空調負荷に対応できるように圧縮機を運転し、その状態で発電機を運転するためには、圧縮機の最大能力と発電機の最大容量との合計がエンジンの能力を越えないようにする必要があり、発電機として容量の大きいものを備えることができず、空調負荷が低い場合に、エンジンの能力に余力があるにもかかわらず、得られる発電電力量が減少するとともにエンジンの出力効率が低下する欠点があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、空調負荷の変動に対応できながら、システム全体としての効率を向上できるようにすることを目的とし、請求項2および3に係る発明は、システム全体としての効率をより良好に向上できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムは、上述のような目的を達成するために、
エンジンにクラッチを介して第1の圧縮機を連動連結した1台以上のエンジン駆動式ヒートポンプ装置と、
エンジンに発電機および第2の圧縮機それぞれを能力を変更可能に連動連結した1台以上の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置と、
室外側熱交換器と膨張弁と室内側熱交換器とを備えるとともに前記第1の圧縮機に接続される第1の冷媒回路と、
室外側熱交換器と膨張弁と室内側熱交換器とを備えるとともに前記第2の圧縮機に接続される第2の冷媒回路と、
空調負荷に基づいて、前記クラッチを入れることにより前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格またはその整数倍の定格に見合う空調負荷分を前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格運転により賄うとともに、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格に満たない空調負荷補助分または前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力を越える空調負荷補助分を、前記第2の圧縮機を空調負荷の変動に合うように運転して賄い、かつ、残余の能力分で前記発電機を駆動するように運転する空調制御手段とを備えて構成する。
【0009】
(作用・効果)
請求項1に係る発明のエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムの構成によれば、空調負荷に基づき、エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格またはその整数倍の定格に見合う空調負荷分があるときに、1台または複数台いずれであっても、必要なクラッチを入れてエンジン駆動式ヒートポンプ装置を定格で運転し、空調負荷の変動には、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置で対応させる。このとき、空調負荷の変動に伴う空調負荷補助分に対応するように、第2の圧縮機の能力を変更し、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置で残余の能力があるときには、その残余の能力分で発電機を駆動して発電電力を得る。
一方、空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力よりも小さいときには、エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格を越える分だけエンジン駆動式ヒートポンプ装置を定格運転するように、また、定格を越えなければエンジン駆動式ヒートポンプ装置の運転を停止するように不必要なクラッチを切り、空調負荷の変動には、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置で対応させる。このとき、空調負荷の変動に伴う空調負荷補助分に対応するように、第2の圧縮機の能力を変更し、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置で残余の能力があるときには、その残余の能力分で発電機を駆動して発電電力を得る。
【0010】
したがって、エンジン駆動式ヒートポンプ装置を運転するときには、そのエンジンを定格で常に出力効率の高い状態で運転することができる。空調負荷の変動に対しては、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置により対応させることができ、しかも、第2の圧縮機を運転しながら、余剰分の能力で発電機を運転できるから、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置においても、エンジンを出力効率の高い状態で運転することができ、空調負荷の変動に対応できながら、システム全体としての効率を向上できる。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1に記載のエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムにおいて、
エンジンと第2の圧縮機との間に設けられて前記第2の圧縮機の回転数を変更する空調用無段変速装置と、
被空調空間内の温度を測定する室内温度センサと、
被空調空間内を空調する目標温度を設定する空調温度設定器と、
外気温度を測定する外気温度センサとを備え、かつ、
空調制御手段が、
前記室内温度センサで測定された被空調空間内の温度と、前記空調温度設定器で設定された目標温度と、前記外気温度センサで測定された外気温度とに基づいて空調負荷を演算する空調負荷演算手段と、
前記空調負荷演算手段で演算された空調負荷としてエンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格またはその整数倍の定格に見合う空調負荷分があるときに高負荷信号を出力するとともに、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力よりも小さいときに低負荷信号を出力し、かつ、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格に満たない空調負荷補助分または前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力を越える空調負荷補助分があるときに補助負荷信号を出力する判別手段と、前記判別手段からの高負荷信号に応答してクラッチを入れるとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に合うように前記空調用無段変速装置を変速する高負荷制御信号を出力する高負荷運転手段と、
前記判別手段からの低負荷信号に応答して所定のクラッチを切るとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に合うように前記空調用無段変速装置を変速する低負荷制御信号を出力する低負荷運転手段とを有するように構成する。
【0012】
(作用・効果)
請求項2に係る発明のエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムの構成によれば、エンジンと第2の圧縮機との間に空調用無段変速装置を設け、空調負荷の変動に対応させるのに、空調負荷の変動に伴う空調負荷補助分に対応するように、第2の圧縮機の回転数を無段階で変更し、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置で残余の能力があるときには、その残余の能力分で発電機を駆動して発電電力を得、エンジンの回転数を変えないようにして発電機を運転する。
【0013】
したがって、空調負荷の変動に無段変速により対応し、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置においてエンジンの回転数を変えないようにするから、発電機を発電効率の高い状態で運転でき、エンジン駆動式ヒートポンプ装置および発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置のいずれにおいてもエンジンの出力効率を高くでき、かつ、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置においては発電機の発電効率をより高くでき、システム全体としての効率をより良好に向上できる。
【0014】
また、請求項3に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1に記載のエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムにおいて、
複数台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置それぞれで、エンジンと第2の圧縮機および発電機それぞれとの間に設けられて駆動または駆動停止する空調用クラッチおよび発電用クラッチと、
被空調空間内の温度を測定する室内温度センサと、
被空調空間内を空調する目標温度を設定する空調温度設定器と、
外気温度を測定する外気温度センサとを備え、かつ、
空調制御手段が、
前記室内温度センサで測定された被空調空間内の温度と、前記空調温度設定器で設定された目標温度と、前記外気温度センサで測定された外気温度とに基づいて空調負荷を演算する空調負荷演算手段と、
前記空調負荷演算手段で演算された空調負荷としてエンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格またはその整数倍の定格に見合う空調負荷分があるときに高負荷信号を出力するとともに、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力よりも小さいときに低負荷信号を出力し、かつ、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格に満たない空調負荷補助分または前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力を越える空調負荷補助分があるときに補助負荷信号を出力する判別手段と、前記判別手段からの高負荷信号に応答してクラッチを入れるとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に見合う台数の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置を駆動するように前記空調用クラッチを入れ、残余の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置の前記発電用クラッチを操作する高負荷制御信号を出力する高負荷運転手段と、
前記判別手段からの低負荷信号に応答して所定のクラッチを切るとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に見合う台数の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置を駆動するように前記空調用クラッチを入れ、残余の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置の前記発電用クラッチを操作する低負荷制御信号を出力する低負荷運転手段とを有するように構成する。
【0015】
(作用・効果)
請求項3に係る発明のエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムの構成によれば、エンジンと第2の圧縮機との間に空調用クラッチを設け、空調負荷の変動に対応させるのに、空調負荷の変動に伴う空調負荷補助分に対応するように、空調用クラッチを入れて空調負荷補助分に見合う台数の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置を駆動するとともに、残余の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置では発電用クラッチを入れ、発電機を駆動して発電電力を得、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置においてもエンジンを定格運転する。
【0016】
したがって、空調負荷の変動に発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置の台数制御により対応するから、エンジン駆動式ヒートポンプ装置および発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置のいずれにおいても定格運転してエンジンの出力効率を高くでき、かつ、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置においては定格運転により発電機を駆動でき、発電機の発電効率をより高くでき、システム全体としての効率をより良好に向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムの実施例を示す概略構成図であり、エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aのガスエンジン1の出力軸1aに、第1のベルト式伝動機構2およびクラッチ3を介して第1の圧縮機4が連動連結されている。
【0018】
発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bのガスエンジン5の出力軸5aの一方に、空調用無段変速装置6および空調用クラッチ7を介して第2の圧縮機8が連動連結されている。
また、出力軸5aの他方に、第2のベルト式伝動機構9および発電用クラッチ10を介して発電機11が連動連結されている。
【0019】
第1および第2の圧縮機4,8それぞれが第1および第2の冷媒回路12a,12bに接続され、その第1および第2の冷媒回路12a,12bそれぞれに、四路切換弁13、室外側熱交換器14および膨張弁15が介装されるとともに、両回路12a,12bに兼用するように第1および第2のヘッダー16a,16bを介して室内側熱交換器16が設けられている。
これにより、四路切換弁13の切り換えにより、室外側熱交換器14を凝縮器として作用させ、室内側熱交換器16を蒸発器として作用させる冷房運転状態と、室外側熱交換器14を蒸発器として作用させ、室内側熱交換器16を凝縮器として作用させる暖房運転状態とが得られるように構成されている。
【0020】
両ガスエンジン1,5それぞれから排出される高温排ガスの排ガス配管17に、脱硝装置18と第1の熱交換器19とが介装されている。また、両ガスエンジン1,5を冷却するジャケット冷却水の循環配管20それぞれに循環用ポンプ21と第2の熱交換器22とが介装されている。
【0021】
第1および第2の熱交換器19,19,22,22が直列になるように給水管23が導入され、その給水管23が貯湯槽24に接続され、両ガスエンジン1,5から排出される排熱を回収して高温の湯を得、得られた湯を貯湯槽24に貯めるように構成されている。貯湯槽24に貯められた湯は、台所、洗面所、浴槽などに給湯管25を介して供給するようになっている。
【0022】
循環配管20を両ガスエンジン1,5それぞれに接続する分岐配管部分には開閉弁26が設けられ、運転停止時に、対応する開閉弁26を閉じるように構成されている。この開閉弁26は無くても良く、また、エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aのガスエンジン1に対してのみ設けるものでも良い。この実施例では、両ガスエンジン1,5から排出される排熱を回収するようにしているが、いずれか一方からの排熱を回収するものでも良い。
【0023】
空調用無段変速装置6は、出力軸5aに取り付けた主動プーリー27と、第2の圧縮機8の駆動軸8aに取り付けた従動プーリー28とにわたってベルト29が巻回されるとともに、従動プーリー28が割りプーリーで構成され、従動プーリー28へのベルト29の巻回径を変更することにより第2の圧縮機8の回転数を変更するように構成されている。図示しないが、ベルト29に作用するようにテンションプーリーが設けられ、ベルト29の巻回径の変更にかかわらず、所定の張力を付与するようになっている。
【0024】
ガスエンジン5の定格が、中間期の空調負荷に対応できる大きさに設定され、そのガスエンジン5とガスエンジン1の定格の合計が、予測される最大空調負荷よりも大になるように設定されており、夏場などで冷房負荷が急激に増大するなど、空調負荷が増大したときでも、両ガスエンジン1,5により空調負荷を賄いながら発電を行えるように構成されている。
【0025】
図2の制御系のブロック図に示すように、室内側熱交換器14を設けた被空調空間としての室内に設けられて室内温度を測定する室内温度センサ30と、室内を空調する目標温度を設定する空調温度設定器31と、外気温度を測定する外気温度センサ32とが、空調制御手段としてのマイクロコンピュータ34に接続され、そのマイクロコンピュータ34にクラッチ3と空調用無段変速装置6とが接続されている。
【0026】
マイクロコンピュータ34には、空調負荷演算手段35と、判別手段36と、高負荷運転手段37と低負荷運転手段38とが備えられている。
空調負荷演算手段35では、室内温度センサ30で測定された室内の温度と、空調温度設定器31で設定された目標温度と、外気温度センサ32で測定された外気温度とに基づき、下記式により要求される空調負荷を演算するようになっている。
X=α(Tr−Ts)+β(To−Tr)+γ
X :空調負荷
Tr:室内温度
Ts:設定目標温度
To:外気温度
α :室内空気の比熱
β :建物の断熱係数
γ :室内の熱負荷(これは、室内の人体やパソコンなどの熱の発生源を考慮したもので、想定される人数やパソコンの台数などによって予め求められるものである。)
【0027】
判別手段36には、エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格に対応させた設定値が入力され、その設定値と空調負荷演算手段35で演算された空調負荷とを比較して、空調負荷が定格以上のときには高負荷信号を出力し、一方、空調負荷が定格よりも小さいときには低負荷信号を出力し、かつ、エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格に満たない空調負荷補助分またはエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの総能力としての定格を越える空調負荷補助分があるときに補助負荷信号を出力するようになっている。
【0028】
高負荷運転手段37では、判別手段36からの高負荷信号に応答して、クラッチ3を入れるとともに空調負荷補助分に合うように空調用無段変速装置6を変速する高負荷制御信号を出力するようになっている。
【0029】
すなわち、空調負荷演算手段35で演算された空調負荷から、エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの能力分(定格分)を減算したものが空調負荷補助分になり、その空調負荷補助分を得るに足る第2の圧縮機8の回転数を求め、その回転数が得られるように空調用無段変速装置6を変速するのである。
【0030】
低負荷運転手段38では、判別手段36からの低負荷信号に応答して、クラッチ3を切るとともに空調負荷補助分に合うように空調用無段変速装置6を変速する低負荷制御信号を出力するようになっている。
【0031】
すなわち、この低負荷運転手段38では、空調負荷演算手段35で演算された空調負荷が空調負荷補助分になり、その空調負荷補助分を得るに足る第2の圧縮機8の回転数を求め、その回転数が得られるように空調用無段変速装置6を変速するのである。
【0032】
上記構成により、次のような作用・効果を奏する。
図3のタイムチャートに示すように、空調負荷が変動し、空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格未満の状態では、低負荷運転手段38により、クラッチ3が切り状態になっており、空調負荷補助分に合うように空調用無段変速装置6を変速しながら、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを運転し、空調負荷の変動に対応しながら、ガスエンジン5の回転数を一定に維持して、ガスエンジン5の能力の余剰分(残余の能力)で高効率で発電を行い、発電電力(斜線に相当する分)を得る。
【0033】
空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格(設定値)以上になるに伴い、高負荷運転手段37により、クラッチ3を入れ(ON)、エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを定格で運転する。一方、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bでは、空調負荷から、エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格分を減算して空調負荷補助分を求め、その空調負荷補助分を得るに足る第2の圧縮機8の回転数を求め、その回転数が得られるように空調用無段変速装置6を変速しながら運転し、必要空調負荷に対応しながら、ガスエンジン5の回転数を一定に維持して、ガスエンジン5の能力の余剰分で高効率で発電を行い、発電電力(斜線に相当する分)を得る。
【0034】
また、空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格(設定値)未満になるに伴い、低負荷運転手段38により、クラッチ3を切り、空調負荷に合うように空調用無段変速装置6を変速しながら、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを運転し、空調負荷に対応しながら、ガスエンジン5の回転数を一定に維持して、ガスエンジン5の能力の余剰分で高効率で発電を行い、発電電力(斜線に相当する分)を得る。
【0035】
このように、エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aと発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bとを用いて空調負荷に対応させ、しかも、空調負荷が設定値以上のときにエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aのガスエンジン1を常に定格で運転し、空調負荷の変動には発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bで対応させることにより、両ガスエンジン1、5を定格で効率良く運転することができる。また、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bでは、高効率で発電を行うことができ、システム全体としての効率を向上できる。
【0036】
本発明としては、次のような構成をも含む。
(1)エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを2台以上、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを1台設けて空調システムを構成する。発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bの定格をエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格と同じにする。
【0037】
エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aが2台の場合で説明すれば、次の通りである。
▲1▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格未満のとき
発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bのみ駆動し、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
▲2▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格以上で定格の2倍未満のとき
1台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを駆動するとともに発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを駆動し、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
▲3▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の2倍以上のとき
2台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを駆動するとともに発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを駆動し、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
【0038】
(2)エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを2台以上、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを2台以上設けて空調システムを構成する。発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bの定格をエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格と同じにする。
【0039】
エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aが2台、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bが2台の場合で説明すれば、次の通りである。
▲1▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格未満のとき
発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bのみ駆動し、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。空調負荷補助分が増加し、得られる発電電力が電力需要に対して不足するときには、2台目の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを駆動して発電機11のみを駆動する。
▲2▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格以上で定格の2倍未満のとき
空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格以上になるに伴って1台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを駆動するとともに、定格を越えるに伴って発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを駆動し、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。このときも、前述同様に、電力需要に応じて、2台目の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを駆動して発電機11のみを駆動すれば良い。
▲3▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の2倍以上のとき
2台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを駆動するとともに発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを駆動し、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。また、電力需要に応じて、2台目の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを駆動して発電機11のみを駆動すれば良い。
▲4▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の3倍以上のとき
2台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを駆動するとともに2台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bを駆動し、一方または両方の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bにおいて、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
【0040】
(3)エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを1台、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bをn(但しnは2以上の整数)台設けて空調システムを構成する。発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bの定格をエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の1/nとする。
【0041】
発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bが2台の場合で説明すれば、次の通りである。
▲1▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の0.5倍未満のとき1台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bのみ駆動し、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
▲2▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の0.5倍以上で定格未満のとき
1台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bは定格で第2の圧縮機8のみ駆動し、別の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bは、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
▲3▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格以上で定格の1.5倍未満のとき
エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを定格で運転し、1台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bのみ駆動し、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
▲4▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の1.5倍以上で2倍未満のとき
エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを定格で運転し、1台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bは定格で第2の圧縮機8のみ駆動し、別の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bは、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
【0042】
(4)エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを2台以上、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bをn(但しnは2以上の整数)台設けて空調システムを構成する。発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bの定格をエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の1/nとする。
【0043】
エンジン駆動式ヒートポンプ装置Aおよび発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bのいずれもが2台の場合で説明すれば、次の通りである。
空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の1.5倍以上で2倍未満のときまでは、上記(1)の場合と同じであり、その後の動作について説明する。
▲1▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格の2倍以上で定格の2.5倍未満になったとき
2台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを定格で運転し、1台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bのみ駆動し、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
▲2▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの定格の2.5倍以上で3倍未満のとき
2台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aを定格で運転し、1台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bは定格で第2の圧縮機8のみ駆動し、別の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bは、第2の圧縮機8を空調負荷補助分に対応するように変速し、残余の能力分で発電機11を駆動する。
【0044】
(5)発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置Bとして、前述のような空調用無段変速装置6を設けずに、ガスエンジン5に空調用クラッチ7を介して第2の圧縮機8を連動連結するとともに発電用クラッチ10を介して発電機11を連動連結したものを用いる。
この場合においても、両ヒートポンプ装置A,Bを1台ずつ設けて空調システムを構成する場合、一方を1台、他方を複数台設けて空調システムを構成する場合、両ヒートポンプ装置A,Bを複数台ずつ設けて空調システムを構成する場合のいずれをも本発明は含んでいる。
【0045】
図4は、2台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2と、上述した空調用無段変速装置6を設けないタイプの3台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1,B2,B3とを設けて空調システムを構成した第2実施例を示すブロック図であり、第2実施例と異なるところは、次の通りである。
【0046】
すなわち、高負荷運転手段41および低負荷運転手段42それぞれに2個のクラッチ3,3、3個の空調用クラッチ7,7,7および発電用クラッチ10,10,10が接続されている。
【0047】
判別手段40には、エンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格に対応させた設定値が入力され、空調負荷演算手段35で演算された空調負荷としてエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格または2倍の定格に見合う空調負荷分があるときに高負荷信号を出力するとともに、エンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の総能力よりも小さいときに低負荷信号を出力し、かつ、エンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格に満たない空調負荷補助分またはエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の総能力を越える空調負荷補助分があるときに補助負荷信号を出力するようになっている。
【0048】
高負荷運転手段41では、判別手段36からの高負荷信号に応答してクラッチ3を入れるとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に見合う台数の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置(B1など)を駆動するように空調用クラッチ7を入れ、残余の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置(B3など)の発電用クラッチ10を操作する高負荷制御信号を出力するようになっている。
【0049】
低負荷運転手段42では、判別手段36からの低負荷信号に応答して所定のクラッチ3を切るとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に見合う台数の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置(B1など)を駆動するように空調用クラッチ7を入れ、残余の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置(B3など)の発電用クラッチ10を操作する低負荷制御信号を出力するようになっている。
【0050】
上記制御動作につき、図5のタイムチャートを用いて説明する。
2台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2は互いに同一定格で、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1,B2,B3の定格をエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2それぞれの定格の1/3とする。図4において、右上がりではその下端でクラッチ3および空調用クラッチ7をONしていることを示し、右下がりでは、その上端でクラッチ3をOFFし、一方、空調用クラッチ7をONしていることを示している。
【0051】
▲1▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格の1/3倍未満のとき
1台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1のみ駆動し、空調用クラッチ7を入れ、1個の第2の圧縮機8を駆動して空調負荷に対応する。このとき、必要に応じて、他の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B2,B3を駆動し、発電用クラッチ10を入れ、残余の能力分で発電機11を駆動して発電電力を得る。
▲2▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格の1/3倍以上で定格の2/3倍未満のとき
2台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1,B2を駆動し、空調用クラッチ7を入れ、2個の第2の圧縮機8を駆動し、このとき、必要に応じて、他の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B3を駆動し、発電用クラッチ10を入れ、残余の能力分で発電機11を駆動して発電電力を得る。
▲3▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格の2/3倍以上で定格未満のとき
3台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1,B2,B3を駆動し、3個の空調用クラッチ7を入れ、第2の圧縮機8を駆動する。
▲4▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格以上で1・1/3倍未満のとき
ひとつのクラッチ3を入れて1台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの第1の圧縮機4を定格で運転し、1台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1のみ駆動し、空調用クラッチ7を入れ、1個の第2の圧縮機8を駆動して空調負荷に対応する。このとき、必要に応じて、他の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B2,B3を駆動し、発電用クラッチ10を入れ、残余の能力分で発電機11を駆動して発電電力を得る。
▲5▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格の1・1/3倍以上で定格の1・2/3倍未満のとき
1台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの第1の圧縮機4を定格で運転する状態で、2台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1,B2を駆動し、空調用クラッチ7を入れ、2個の第2の圧縮機8を駆動し、このとき、必要に応じて、他の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B3を駆動し、発電用クラッチ10を入れ、残余の能力分で発電機11を駆動して発電電力を得る。
▲6▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格の1・2/3倍以上で定格の2倍未満のとき
1台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置Aの第1の圧縮機4を定格で運転する状態で、3台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1,B2,B3を駆動し、空調用クラッチ7を入れ、3個の第2の圧縮機8を駆動する。
▲7▼空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の定格の2倍以上で2・1/3倍未満のとき
もうひとつのクラッチ3を入れて2台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2の第1の圧縮機4を定格で運転し、1台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1のみ駆動し、空調用クラッチ7を入れ、1個の第2の圧縮機8を駆動して空調負荷に対応する。このとき、必要に応じて、他の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B2,B3を駆動し、発電用クラッチ10を入れ、残余の能力分で発電機11を駆動して発電電力を得る。
【0052】
以上のようにして、2台のエンジン駆動式ヒートポンプ装置A1,A2と、3台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置B1,B2,B3とを台数制御し、空調負荷の変動に対応しながら、それぞれのガスエンジン1,5を定格で常に出力効率の高い状態で運転し、かつ、空調負荷を賄った後の残余の能力で発電電力を得ることができる。
【0053】
上記実施例では、ガスエンジン1,5からの排熱により給湯を行うようにしているが、排熱を冷媒回路12の室外側熱交換器14などで、暖房時の冷媒加熱に利用するとか、あるいは、吸収式冷凍機における再生器の加熱源に利用して冷房を行うとか、更には、ガスボイラの熱源に利用して発生した蒸気でガスタービンを運転し、発電機や各種の機械装置を運転するように構成するなど、その排熱の利用形態は各種の変形が可能である。
【0054】
また、上記実施例では、室内温度と目標温度と外気温度などに基づいて演算した空調負荷に基づいてクラッチ3、空調用クラッチ7および発電用クラッチ10を切り替え制御しているが、本発明としては、例えば、室内温度と目標温度とに基づく空調負荷に基づき、冷房の場合であれば、室内温度が目標温度よりも低くなったときに、クラッチ3を切ったり、空調用クラッチ7を切って発電用クラッチ10を入れたりし、逆に、室内温度が目標温度よりも高くなったときに、クラッチ3を入れたり、空調用クラッチ7を入れて発電用クラッチ10を切るといったようにして、クラッチ3、空調用クラッチ7および発電用クラッチ10を切り替え制御するように構成するものでも良い。
【0055】
上述実施例のガスエンジン1,5としては、汎用のガスエンジンやディーゼルエンジンやガソリンエンジンなど各種のエンジンを用いることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明のエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムによれば、空調負荷に基づき、エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格またはその整数倍の定格に見合う空調負荷分があるときに、1台または複数台いずれであっても、必要なクラッチを入れてエンジン駆動式ヒートポンプ装置を定格で運転し、空調負荷の変動には、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置で対応させる。このとき、空調負荷の変動に伴う空調負荷補助分に対応するように、第2の圧縮機の能力を変更し、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置で残余の能力があるときには、その残余の能力分で発電機を駆動して発電電力を得る。
一方、空調負荷がエンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力よりも小さいときには、エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格を越える分だけエンジン駆動式ヒートポンプ装置を定格運転するように、また、定格を越えなければエンジン駆動式ヒートポンプ装置の運転を停止するように不必要なクラッチを切り、空調負荷の変動には、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置で対応させる。このとき、空調負荷の変動に伴う空調負荷補助分に対応するように、第2の圧縮機の能力を変更し、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置で残余の能力があるときには、その残余の能力分で発電機を駆動して発電電力を得る。
したがって、エンジン駆動式ヒートポンプ装置を運転するときには、そのエンジンを常に出力効率の高い状態で運転することができる。空調負荷の変動に対しては、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置により対応させることができ、しかも、第2の圧縮機を運転しながら、余剰分の能力で発電機を運転できるから、発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置においても、エンジンを出力効率の高い状態で運転することができ、空調負荷の変動に対応できながら、システム全体としての効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムの実施例を示す概略構成図である。
【図2】第1実施例の制御系を示すブロック図である。
【図3】第1実施例の空調負荷の変動状態とエンジン駆動式ヒートポンプ装置および発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置それぞれの運転状態を示すタイムチャートである。
【図4】第2実施例の制御系を示すブロック図である。
【図5】第2実施例の空調負荷の変動状態とエンジン駆動式ヒートポンプ装置および発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置それぞれの運転状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…ガスエンジン
3…クラッチ
4…第1の圧縮機
5…ガスエンジン
6…空調用無段変速装置
8…第2の圧縮機
11…発電機
12…冷媒回路
14…室外側熱交換器
15…膨張弁
16…室内側熱交換器
30…室内温度センサ
31…空調温度設定器
32…外気温度センサ
34…マイクロコンピュータ(空調制御手段)
35…空調負荷演算手段
36…判別手段
37…高負荷運転手段
38…低負荷運転手段
40…判別手段
41…高負荷運転手段
42…低負荷運転手段
A…エンジン駆動式ヒートポンプ装置
B…発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置
Claims (3)
- エンジンにクラッチを介して第1の圧縮機を連動連結した1台以上のエンジン駆動式ヒートポンプ装置と、
エンジンに発電機および第2の圧縮機それぞれを能力を変更可能に連動連結した1台以上の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置と、
室外側熱交換器と膨張弁と室内側熱交換器とを備えるとともに前記第1の圧縮機に接続される第1の冷媒回路と、
室外側熱交換器と膨張弁と室内側熱交換器とを備えるとともに前記第2の圧縮機に接続される第2の冷媒回路と、
空調負荷に基づいて、前記クラッチを入れることにより前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格またはその整数倍の定格に見合う空調負荷分を前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格運転により賄うとともに、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格に満たない空調負荷補助分または前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力を越える空調負荷補助分を、前記第2の圧縮機を空調負荷の変動に合うように運転して賄い、かつ、残余の能力分で前記発電機を駆動するように運転する空調制御手段と、
を備えたことを特徴とするエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システム。 - 請求項1に記載のエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムにおいて、
エンジンと第2の圧縮機との間に設けられて前記第2の圧縮機の回転数を変更する空調用無段変速装置と、
被空調空間内の温度を測定する室内温度センサと、
被空調空間内を空調する目標温度を設定する空調温度設定器と、
外気温度を測定する外気温度センサとを備え、かつ、
空調制御手段が、
前記室内温度センサで測定された被空調空間内の温度と、前記空調温度設定器で設定された目標温度と、前記外気温度センサで測定された外気温度とに基づいて空調負荷を演算する空調負荷演算手段と、
前記空調負荷演算手段で演算された空調負荷としてエンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格またはその整数倍の定格に見合う空調負荷分があるときに高負荷信号を出力するとともに、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力よりも小さいときに低負荷信号を出力し、かつ、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格に満たない空調負荷補助分または前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力を越える空調負荷補助分があるときに補助負荷信号を出力する判別手段と、前記判別手段からの高負荷信号に応答してクラッチを入れるとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に合うように前記空調用無段変速装置を変速する高負荷制御信号を出力する高負荷運転手段と、
前記判別手段からの低負荷信号に応答して所定のクラッチを切るとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に合うように前記空調用無段変速装置を変速する低負荷制御信号を出力する低負荷運転手段と、
を有するものであるエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システム。 - 請求項1に記載のエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システムにおいて、
複数台の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置それぞれで、エンジンと第2の圧縮機および発電機それぞれとの間に設けられて駆動または駆動停止する空調用クラッチおよび発電用クラッチと、
被空調空間内の温度を測定する室内温度センサと、
被空調空間内を空調する目標温度を設定する空調温度設定器と、
外気温度を測定する外気温度センサとを備え、かつ、
空調制御手段が、
前記室内温度センサで測定された被空調空間内の温度と、前記空調温度設定器で設定された目標温度と、前記外気温度センサで測定された外気温度とに基づいて空調負荷を演算する空調負荷演算手段と、
前記空調負荷演算手段で演算された空調負荷としてエンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格またはその整数倍の定格に見合う空調負荷分があるときに高負荷信号を出力するとともに、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力よりも小さいときに低負荷信号を出力し、かつ、前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の定格に満たない空調負荷補助分または前記エンジン駆動式ヒートポンプ装置の総能力を越える空調負荷補助分があるときに補助負荷信号を出力する判別手段と、前記判別手段からの高負荷信号に応答してクラッチを入れるとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に見合う台数の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置を駆動するように前記空調用クラッチを入れ、残余の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置の前記発電用クラッチを操作する高負荷制御信号を出力する高負荷運転手段と、
前記判別手段からの低負荷信号に応答して所定のクラッチを切るとともに、補助負荷信号に応答して空調負荷補助分に見合う台数の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置を駆動するように前記空調用クラッチを入れ、残余の発電機能付きエンジン駆動式ヒートポンプ装置の前記発電用クラッチを操作する低負荷制御信号を出力する低負荷運転手段と、
を有するものであるエンジン駆動式ヒートポンプ装置を用いた空調システム。
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