JP2004300433A - 透明複合体組成物およびこれを用いた表示素子用基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 透明樹脂(a)及び無機フィラー(b)からなり、無機フィラー(b)の球相当直径が0.1μm〜3μmであり含有率が40〜90重量%であることを特徴とする透明複合体組成物。
Description
クスタイプ)、カラーフィルター基板、太陽電池用基板等としては、ガラス板が広く用い
られている。しかしながらガラス板は、割れ易い、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きなどの理由から、近年、その代替としてプラスチック素材が検討されている。
しかしながら、これら従来のガラス代替用プラスチック材料は、ガラス板に比べ線膨張係数が大きく、特に、アクティブマトリックス表示素子基板に用いるとその製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じ、これら用途への使用は困難である。したがって、表示素子基板、特にアクティブマトリックス表示素子用基板に要求される、透明性、耐熱性等を満足しつつ線膨張係数の小さなプラスチック素材が求められている。
(1)透明樹脂(a)及び無機フィラー(b)からなり、無機フィラー(b)の球相当直径が0.1μm〜3μmであり含有率が40〜90重量%であることを特徴とする透明複合体組成物、
(2)前記透明樹脂(a)のガラス転位温度が150℃以上であることを特徴とする(1)の透明複合体組成物、
(3)前記透明樹脂(a)の屈折率と無機フィラー(b)の屈折率との差が0.01以下である(1)又は(2)の透明複合体組成物、
(4)前記透明樹脂(a)のアッベ数が45以上である(1)〜(3)いずれかの透明複合体組成物、
(5)前記透明樹脂(a)が2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを構成成分として架橋したアクリル樹脂である(1)〜(4)いずれかの透明複合体組成物、
(6)前記無機フィラー(b)の屈折率が1.50〜1.57である(1)〜(5)いずれかの透明複合体組成物、
(7)前記無機フィラー(b)としてガラスパウダーを用いることを特徴とする(1)〜(6)いずれかの透明複合体組成物、
(8)30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下である(1)〜(7)いずれかの透明複合体組成物、
(9)厚みが50〜2000μmである(1)〜(8)いずれかの透明複合体組成物、
(10)550nmにおける光線透過率が80%以上である(1)〜(9)いずれかの透明複合体組成物、
(11)透明複合体組成物が、表示素子用プラスチック基板、又はアクティブマトリックス表示素子用基板である(1)〜(10)いずれかの透明複合体組成物、
である。
本発明では、透明樹脂(a)及びガラス繊維(b)からなり、無機フィラー(b)の球相当直径が0.1μm〜3μmであり含有率が40〜90重量%であることを特徴とする。
液晶表示素子基板として用いられているガラス基板を直交した偏光板間(クロスニコル)に挟んで光をあてると光は遮断され、光漏れはほとんど生じない。しかし、透明樹脂と無機フィラーから成る透明な複合シートでは、光漏れが生じることがある。クロスニコルで光が漏れると、液晶表示素子基板として用いた場合に表示品位が低下する恐れがある。本発明者らは、クロスニコルでの光漏れの現象を詳細に解析した結果、この光漏れが無機フィラーの大きさに由来するものと推定した。さらに、球相当直径が3μm以下である無機フィラーを用いるとクロスニコルでの光漏れが低減することを見出した。
ここで言うガラス転位温度は、粘弾性測定装置を用いて、昇温速度5℃/分、周波数1Hzで測定したときのtanδの最大値である。
01より大きい場合には、得られる光学シートの透明性が劣る傾向がある。
方法などが採用し得る。
は無機フィラーの屈折率を調整して屈折率差を0.01以下にするのが好ましい。無機フ
ィラーの屈折率を調整して樹脂の屈折率に合わせる方法では特殊な無機フィラーを用いることになり、コストの面からは、樹脂の屈折率を調整して無機フィラーの屈折率に合わせる方法が好ましい。
樹脂を組み合わせる方法、(2)樹脂よりも屈折率が大きいか、小さい添加剤を添加して調
整する方法などが挙げられる。なかでも、無機フィラー(b)よりも屈折率の高い樹脂と無機フィラー(b)よりも屈折率の低い樹脂を組み合わせて屈折率を調整する方法が好ましい
。この方法によれば、樹脂の屈折率をEガラス、Sガラス、NEガラスなどの汎用的なガラスフィラーの屈折率に合わすことが比較的容易である。
記式(2)に示されるジシクロペンタジエニルジアクリレートが特に好ましく、環状エーテ
ル構造を有する(メタ)アクリレートの中でも下記式(3)に示されるネオペンチルグリコ
ール変性トリメチロールプロパンジアクリレートが特に好ましい。これらは単独で用いても、二種類以上を混合して用いても構わない。
性等の特性を損なわない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、他
の無機フィラー等の充填剤等を含んでいても良い。
6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。これらの光重合開始剤は2種以上を併用しても良い。
重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.02〜1重量部であり、最も好ましくは、0.1〜0.5重量部である。光重合開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し、複
屈折の増大、着色、硬化時の割れ等の問題が発生する。また、少なすぎると組成物を充分に硬化させることができず、架橋後に型に付着して取り外せないなどの問題が発生する恐れがある。
有していることが好ましく、具体的には多官能アクリレートやエポキシ樹脂など
が好ましい。コート層の厚みは0.1〜50μmが好ましく、0.5〜30μmが
より好ましい。
ガスバリア層や透明電極層を設けても良い。
これらにより限定されるものではない。
メジアン径1.6μmのNEガラス(屈折率1.510)のパウダーをアクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー150重量部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート (架橋後の屈折率1.520)80
重量部、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート (架橋後の屈折率1.496)20重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.510)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して架橋させた。さらに真空オーブン中、10
0℃で2時間、さらに250℃で3時間熱処理し、0.1mmの透明シートを得た。
メジアン径1.6μmのEガラス(屈折率1.510)のパウダーをアクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー150重量部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート (架橋後の屈折率1.520)53重量部、ビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(架橋後の屈折率1.606)47重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.560)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して架橋させた。さらに真空オーブン中、100℃
で2時間、さらに250℃で3時間熱処理し、0.1mmの透明シートを得た。
メジアン径1.6μmのSガラス(屈折率1.510)のパウダーをアクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー150重量部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート (架橋後の屈折率1.520)92重量部、ビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(架橋後の屈折率1.606)8重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.533)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して架橋させた。さらに真空オーブン中、100℃で
2時間、さらに250℃で3時間熱処理し、0.1mmの透明シートを得た。
メジアン径4.8μmのNEガラス(屈折率1.510)のパウダーをアクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー150重量部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート (架橋後の屈折率1.520)80重量部、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート (架橋後の屈折率1.496)20重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.510)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して架橋させた。さらに真空オーブン中、10
0℃で2時間、さらに250℃で3時間熱処理し、0.1mmの透明シートを得た。
前記の実施例、比較例にて作製した透明複合体組成物について、下記の評価方法により各種の特性を測定した。
セイコー電子(株)製DMS−210型粘弾性測定装置を用いて、5℃/分の速度で−30℃から400℃まで昇温し、100℃の時の周波数1Hzでの貯蔵弾性率を100℃の弾性率とした。また、tanδの最大値をガラス転位温度とした。
b)直交した偏光板間(クロスニコル)での光漏れ
作成した光学シートをクロスニコルにした偏光顕微鏡で観察した。偏光顕微鏡の光軸を
固定し、光源の強さを一定にした状態でサンプルを回転させ、光学シートの一部分あるいは全体がもっとも明るくなる角度にセットした。2.4mm×1.8mmの観察部分を画像(画素数640x480)化してPCに取り込み、これを各画素が0〜255の階調を持つ白黒画像に変換した。この白黒画像中の、各画素の階調の総和を算出し、その総和が1000万未満の場合を○、以上の場合を×とした。
c)平均線膨張係数
セイコー電子(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素の存在下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から400℃まで上昇させて20分間保持した後、1分間に5℃の割合で温度を0℃まで冷却して5分間保持した。その後、再度、1分間に5℃の割合で温度を上昇させて、30℃〜150℃の時の値を測定して求めた。荷重を5gにし、引張モードで測定した。
d)光線透過率
分光光度計U3200(日立製作所製)で400nm及び550nmの光線透過率を測定した。
評価結果を表1に示す。
Claims (11)
- 透明樹脂(a)及び無機フィラー(b)からなり、無機フィラー(b)の球相当直径が0.1μm〜3μmであり含有率が40〜90重量%であることを特徴とする透明複合体組成物。
- 前記透明樹脂(a)のガラス転位温度が150℃以上であることを特徴とする請求項1の透明複合体組成物。
- 前記透明樹脂(a)の屈折率と無機フィラー(b)の屈折率との差が0.01以下である請求項1又は2の透明複合体組成物。
- 前記透明樹脂(a)のアッベ数が45以上である請求項1〜3いずれかの透明複合体組成物。
- 前記透明樹脂(a)が2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを構成成分として架橋したアクリレート樹脂である請求項1〜4いずれかの透明複合体組成物。
- 前記無機フィラー(b)の屈折率が1.50〜1.57である請求項1〜5いずれかの透明複合体組成物。
- 前記無機フィラー(b)としてガラスパウダーを用いることを特徴とする請求項1〜6いずれかの透明複合体組成物。
- 30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下である請求項1〜7いずれかの透明複合体組成物。
- 厚みが50〜2000μmである請求項1〜8いずれかの透明複合体組成物。
- 550nmにおける光線透過率が80%以上である請求項1〜9いずれかの透明複合体組成物。
- 請求項1〜10いずれかの透明複合体組成物を用いた表示素子用基板。
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JP2004075952A JP2004300433A (ja) | 2003-03-20 | 2004-03-17 | 透明複合体組成物およびこれを用いた表示素子用基板 |
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JP2003076726 | 2003-03-20 | ||
JP2004075952A JP2004300433A (ja) | 2003-03-20 | 2004-03-17 | 透明複合体組成物およびこれを用いた表示素子用基板 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005029668A (ja) * | 2003-07-10 | 2005-02-03 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 透明複合体組成物およびそれを用いた表示素子 |
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2004
- 2004-03-17 JP JP2004075952A patent/JP2004300433A/ja active Pending
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