JP2004300433A - 透明複合体組成物およびこれを用いた表示素子用基板 - Google Patents

透明複合体組成物およびこれを用いた表示素子用基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2004300433A
JP2004300433A JP2004075952A JP2004075952A JP2004300433A JP 2004300433 A JP2004300433 A JP 2004300433A JP 2004075952 A JP2004075952 A JP 2004075952A JP 2004075952 A JP2004075952 A JP 2004075952A JP 2004300433 A JP2004300433 A JP 2004300433A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite composition
transparent
resin
refractive index
transparent composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004075952A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ito
剛史 伊藤
Toshimasa Eguchi
敏正 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2004075952A priority Critical patent/JP2004300433A/ja
Publication of JP2004300433A publication Critical patent/JP2004300433A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】 線膨張係数が小さく、光学特性に優れ、アクティブマトリックスタイプを含む液晶表示素子用基板、有機EL表示素子基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などに適用できるガラスに代替可能な透明複合体組成物を提供する。
【解決手段】 透明樹脂(a)及び無機フィラー(b)からなり、無機フィラー(b)の球相当直径が0.1μm〜3μmであり含有率が40〜90重量%であることを特徴とする透明複合体組成物。

Description

本発明は、線膨張係数が小さく、光学特性に優れ、ガラスに代替可能な光学シートに関する。本発明の光学シートは、例えば、液晶表示素子用基板、有機EL表示素子用基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などに好ましい。
一般に、液晶表示素子や有機EL表示素子用の表示素子基板(特にアクティブマトリッ
クスタイプ)、カラーフィルター基板、太陽電池用基板等としては、ガラス板が広く用い
られている。しかしながらガラス板は、割れ易い、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きなどの理由から、近年、その代替としてプラスチック素材が検討されている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤及び硬化触媒を含むエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化体からなる液晶表示素子用透明樹脂基板が記載されている。また、特許文献3には、特定のビス(メタ)アクリレートを含む組成物を活性エネルギー線等により硬化成形した透明基板を用いた液晶表示素子が記載されている。
しかしながら、これら従来のガラス代替用プラスチック材料は、ガラス板に比べ線膨張係数が大きく、特に、アクティブマトリックス表示素子基板に用いるとその製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じ、これら用途への使用は困難である。したがって、表示素子基板、特にアクティブマトリックス表示素子用基板に要求される、透明性、耐熱性等を満足しつつ線膨張係数の小さなプラスチック素材が求められている。
線膨張係数を低減するため、樹脂にガラス繊維等の無機フィラーを複合化することがよく行われている。しかしながら、これら樹脂と無機フィラーとの複合化では、通常透明な複合材料は得られない。これは無機フィラーの屈折率と樹脂の屈折率とが異なるため、樹脂中を透過する光が乱屈折することが主な原因である。特許文献4には、樹脂に無機酸化物が分散された基材層を少なくとも有する粒子分散系樹脂シートが記載されている。しかしながら、ここで用いられている無機酸化物の平均粒子径は1〜100nmであるため、添加に伴い粘度が上昇し、量産時に生産性良く無機酸化物を40重量%以上複合させることが困難で、効果的に線膨張係数を下げる事ができなかった。また、特許文献5には、平均粒子径が100nmより大きく100μm以下である無機酸化物が分散された基材層を有する粒子分散樹脂シートが記載されている。しかりながら、ここで示されている無機酸化物は、樹脂との屈折率を合わせていないため、全光線透過率は高いものの平行光線透過率は低く、表示材料として使用するには用途が限定されていた。
このような問題を解決するため、樹脂とガラス繊維との屈折率を合わせて透明化することが種々検討されている。例えば、特許文献6や特許文献7には、環状オレフィン樹脂とガラス繊維との屈折率差を小さくすることにより、透明な複合材料が得られることが示されている。また、非特許文献1には、エポキシ樹脂とその屈折率に近いガラス繊維を用いて透明な複合体が得られることが示されている。しかしながら、これら材料を直交した偏光板間(クロスニコル)に挟んで光をあてると偏光が乱れて光漏れが生じることがある。このため、これら材料を液晶表示素子基板などに用いると表示品位が低下する恐れがあった。
特開平6−337408号公報 特開平7−120740号公報 特開平10−90667号公報 特開2002−351353号公報 特開2003−183521号公報 特開平6−256604号公報 特開平6−305077号公報 複合材料シンポジウム講演要旨集,22,86(1997)
本発明の目的は、線膨張係数が小さく、光学特性に優れ、ガラスに代替可能な光学シートを提供することにある。本発明の光学シートは、アクティブマトリックスタイプを含む液晶表示素子用基板、有機EL表示素子基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などに好適に用いられる。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した。その結果、透明樹脂(a)及び球相当直径が0.1μm〜3μmであり含有率が40〜90重量%である無機フィラー(b)からなる透明複合体組成物が、光学特性に優れ、線膨張係数が小さいということを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)透明樹脂(a)及び無機フィラー(b)からなり、無機フィラー(b)の球相当直径が0.1μm〜3μmであり含有率が40〜90重量%であることを特徴とする透明複合体組成物、
(2)前記透明樹脂(a)のガラス転位温度が150℃以上であることを特徴とする(1)の透明複合体組成物、
(3)前記透明樹脂(a)の屈折率と無機フィラー(b)の屈折率との差が0.01以下である(1)又は(2)の透明複合体組成物、
(4)前記透明樹脂(a)のアッベ数が45以上である(1)〜(3)いずれかの透明複合体組成物、
(5)前記透明樹脂(a)が2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを構成成分として架橋したアクリル樹脂である(1)〜(4)いずれかの透明複合体組成物、
(6)前記無機フィラー(b)の屈折率が1.50〜1.57である(1)〜(5)いずれかの透明複合体組成物、
(7)前記無機フィラー(b)としてガラスパウダーを用いることを特徴とする(1)〜(6)いずれかの透明複合体組成物、
(8)30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下である(1)〜(7)いずれかの透明複合体組成物、
(9)厚みが50〜2000μmである(1)〜(8)いずれかの透明複合体組成物、
(10)550nmにおける光線透過率が80%以上である(1)〜(9)いずれかの透明複合体組成物、
(11)透明複合体組成物が、表示素子用プラスチック基板、又はアクティブマトリックス表示素子用基板である(1)〜(10)いずれかの透明複合体組成物、
である。
以上のように、本発明の透明複合体組成物は、線膨張係数が小さく、かつ広い波長範囲で高い光線透過率が得られ、さらに直交する偏光板間(クロスニコル)での光漏れが少ないなど光学特性に優れ、例えば、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネルに好適に利用できる。
つぎに、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明では、透明樹脂(a)及びガラス繊維(b)からなり、無機フィラー(b)の球相当直径が0.1μm〜3μmであり含有率が40〜90重量%であることを特徴とする。
液晶表示素子基板として用いられているガラス基板を直交した偏光板間(クロスニコル)に挟んで光をあてると光は遮断され、光漏れはほとんど生じない。しかし、透明樹脂と無機フィラーから成る透明な複合シートでは、光漏れが生じることがある。クロスニコルで光が漏れると、液晶表示素子基板として用いた場合に表示品位が低下する恐れがある。本発明者らは、クロスニコルでの光漏れの現象を詳細に解析した結果、この光漏れが無機フィラーの大きさに由来するものと推定した。さらに、球相当直径が3μm以下である無機フィラーを用いるとクロスニコルでの光漏れが低減することを見出した。
本発明の無機フィラー(b)は、球相当直径が0.1μm〜3μmであり、透明樹脂と複合化して透明になるものであれば、特に限定されない。球相当直径が3μmを超えると透明樹脂と複合化した場合に、クロスニコルでの光漏れが生じやすくなり、また逆に球相当直径が0.1μm以下であると、所望の線膨張係数が得られる割合で透明樹脂と混ぜた時に粘度が上昇し、シート化等の加工ができなくなる。
本発明の無機フィラー(b)は、その含有量が40〜90重量%である。含有量が40重量%より少ないと線膨張係数を低減する効果が得られにくく、90重量%以上であると均一に分散することが難しい。
本発明の透明樹脂(a)は、ガラス転位温度が150℃以上であることが好ましい。より好ましくは180℃、最も好ましくは200℃以上である。樹脂のガラス転移温度がこれより低いと、特に、アクティブマトリックス型の表示素子基板に用いた場合、TFT素子形成工程で変形やうねりが生じる恐れがある。
ここで言うガラス転位温度は、粘弾性測定装置を用いて、昇温速度5℃/分、周波数1Hzで測定したときのtanδの最大値である。
透明樹脂(a)の屈折率と無機フィラー(b)の屈折率との差は、優れた透明性を維持するため0.01以下であることが好ましく、0.005以下がより好ましい。屈折率差が0.
01より大きい場合には、得られる光学シートの透明性が劣る傾向がある。
透明樹脂(a)と無機フィラー(b)との屈折率差を0.01以下にするには、(1)無機フィラーとの屈折率差が0.01以下の樹脂を選択する、(2)無機フィラーの屈折率を調整して樹脂の屈折率に合わせる、(3)樹脂の屈折率を調整して無機フィラーの屈折率を合わせる
方法などが採用し得る。
しかしながら表示素子用基板に要求される種々の特性を満足しつつ、樹脂と無機フィラーとの屈折率差が0.01以下の組み合わせを選択することは容易でないため、樹脂また
は無機フィラーの屈折率を調整して屈折率差を0.01以下にするのが好ましい。無機フ
ィラーの屈折率を調整して樹脂の屈折率に合わせる方法では特殊な無機フィラーを用いることになり、コストの面からは、樹脂の屈折率を調整して無機フィラーの屈折率に合わせる方法が好ましい。
無機フィラーの屈折率に樹脂の屈折率を合わせるには、(1)屈折率の異なる2種以上の
樹脂を組み合わせる方法、(2)樹脂よりも屈折率が大きいか、小さい添加剤を添加して調
整する方法などが挙げられる。なかでも、無機フィラー(b)よりも屈折率の高い樹脂と無機フィラー(b)よりも屈折率の低い樹脂を組み合わせて屈折率を調整する方法が好ましい
。この方法によれば、樹脂の屈折率をEガラス、Sガラス、NEガラスなどの汎用的なガラスフィラーの屈折率に合わすことが比較的容易である。
本発明の透明樹脂(a)は、無機フィラー(b)と複合化して優れた透明性を得るために、アッベ数が45以上であることが好ましく、48以上であることがより好ましい。ここでいうアッベ数(υ)とは、屈折率の波長依存性、すなわち分散の度合いを示すもので、υ=(n−1)/(n−n)で求めることができる。ここで、n、n、nは、それぞれブラウンホーファーの線のC線(波長656nm)、D線(589nm)、F線(486nm)に対する屈折率である。アッベ数が小さい材料は、波長によって屈折率が大きく変化する。一般的なガラスフィラーはアッベ数が50以上であるため、アッベ数が45以下の透明樹脂と複合化すると、波長589nmで屈折率を合わせたとしても、例えば400nm以下の波長では屈折率がずれてしまい、400nm以下の光線透過率が低下する傾向にある。アッベ数が45以上の透明樹脂を用いれば、一般的なガラスフィラーと広い波長範囲で屈折率を一致させることができ、例えば400nm以下の波長においても優れた光線透過率を実現できる。
本発明における反応性モノマーは活性エネルギー線および/または熱によって架橋可能であり、架橋させて得られる硬化物が可視光線に対し高い透過性を有していれば良く、特に限定されるものではない。具体的にはアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーなどがあげられ、2官能以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。透明性や耐熱性の面から脂環式(メタ)アクリレートや環状エーテル構造を有する(メタ)アクリレートがより好ましく、脂環式(メタ)アクリレートの中でも下記式(1)に示されるノルボルナンジメチロールジアクリレート及び下
記式(2)に示されるジシクロペンタジエニルジアクリレートが特に好ましく、環状エーテ
ル構造を有する(メタ)アクリレートの中でも下記式(3)に示されるネオペンチルグリコ
ール変性トリメチロールプロパンジアクリレートが特に好ましい。これらは単独で用いても、二種類以上を混合して用いても構わない。
本発明の無機フィラー(b)の材質の例を挙げるとシリカ,アルミナ,酸化チタン等の金属酸化物,マイカ等の鉱物,ガラス等であるがこれらに限定されるものではない。これらのうちで透明性が良好で種々の形状のものが安価に入手しやすいガラスが好ましい。ガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、低誘導率ガラス、高誘導率ガラスなどがあげられ、中でもアルカリ金属などのイオン性不純物が少なく、入手が容易なEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。
本発明で用いる無機フィラー(b)の屈折率は特に制限されないが、組み合わせる樹脂の屈折率の調整が容易なように1.50〜1.57の範囲にあるのが好ましい。特に無機フィラーがガラスフィラーでありその屈折率が1.50〜1.54である場合は、ガラスのアッベ数に近い樹脂が選択でき好ましい。樹脂とガラスとのアッベ数が近いと広い波長領域において両者の屈折率が一致し、広い波長領域で高い光線透過率が得られる。
本発明の透明複合体組成物においては、無機フィラーと樹脂とが密着しているほど、光学シートの透明性がよくなるため、無機フィラー表面をシランカップリング剤などの公知の表面処理剤で処理するのが好ましい。具体的には、アクリル樹脂の場合はアクリル基を有するシラン化合物で処理するのが好ましい。
また、本発明の複合体組成物中には、必要に応じて、透明性、耐溶剤性、耐熱
性等の特性を損なわない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、他
の無機フィラー等の充填剤等を含んでいても良い。
複合体組成物の成形方法には制限がなく、例えば、透明樹脂として反応性モノマーを用いる場合には流延法や注型法が、熱可塑性樹脂を用いる場合には溶融押出法などがあり、連続生産が可能であることから流延法および溶融押出法が好ましい。
前記の反応性モノマーを架橋させるには、活性エネルギー線により硬化させる方法、熱をかけて熱重合させる方法等があり、これらを併用してもよい。反応性モノマー、好ましくは屈折率の異なる2種以上の反応性モノマーとして2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを用いる場合には、活性エネルギー線により硬化させる方法が好ましく、反応の完結、リターデーション値を低くする、線膨張係数を低減する等の目的で、活性エネルギー線による硬化及び/又は熱をかけて熱重合させる工程の後に、さらに高温での熱処理を併用することが好ましい。使用する活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、メタルハライドタイプ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。
反応性モノマーを紫外線等の活性エネルギー線により架橋、硬化させるには、樹脂組成物中にラジカルを発生する光重合開始剤を加えるのが好ましい。かかる光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,
6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。これらの光重合開始剤は2種以上を併用しても良い。
光重合開始剤の複合体組成物中における含有量は、適度に硬化させる量であればよく、2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートの合計100重量部に対し、0.01〜2
重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.02〜1重量部であり、最も好ましくは、0.1〜0.5重量部である。光重合開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し、複
屈折の増大、着色、硬化時の割れ等の問題が発生する。また、少なすぎると組成物を充分に硬化させることができず、架橋後に型に付着して取り外せないなどの問題が発生する恐れがある。
活性エネルギー線による硬化及び/又は熱重合による架橋後に高温で熱処理する場合は、その熱処理工程の中に、線膨張係数を低減する等の目的で、窒素雰囲気下又は真空状態で、250〜300℃、1〜24時間の熱処理工程を加えるのが好ましい。
本発明の透明複合体組成物を、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル等の用途として用いる場合、基板の厚さは好ましくは50〜2000μmであり、より好ましくは50〜1000μmである。基板の厚さがこの範囲にあると平坦性に優れ、ガラス基板と比較して基板の軽量化を図ることができる。
また、この透明複合体組成物を前記光学用途として用いる場合、30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下である。例えば、この透明複合体組成物をアクティブマトリックス表示素子基板に用いた場合、この上限値を越えると、その製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じる恐れがある。
本発明の透明樹脂(a)とガラス繊維(b)からなる透明複合体組成物を、液晶表示素子用プラスチック基板などの表示素子用基板として用いる場合は、波長550nmの光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。光線透過率がこれよりさらに低いと光の利用効率が低下し光効率が重要な用途には好ましくない。
表示素子用プラスチック基板とする場合、平滑牲を向上させるために両面に樹脂のコート層を設けても良い。かかる樹脂は優れた透明性、耐熱性、耐薬品性を
有していることが好ましく、具体的には多官能アクリレートやエポキシ樹脂など
が好ましい。コート層の厚みは0.1〜50μmが好ましく、0.5〜30μmが
より好ましい。
本発明の表示素子用プラスチック基板は、必要に応じて水蒸気や酸素に対する
ガスバリア層や透明電極層を設けても良い。
以下に本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明は
これらにより限定されるものではない。
(実施例1)
メジアン径1.6μmのNEガラス(屈折率1.510)のパウダーをアクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー150重量部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート (架橋後の屈折率1.520)80
重量部、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート (架橋後の屈折率1.496)20重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.510)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して架橋させた。さらに真空オーブン中、10
0℃で2時間、さらに250℃で3時間熱処理し、0.1mmの透明シートを得た。
(実施例2)
メジアン径1.6μmのEガラス(屈折率1.510)のパウダーをアクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー150重量部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート (架橋後の屈折率1.520)53重量部、ビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(架橋後の屈折率1.606)47重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.560)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して架橋させた。さらに真空オーブン中、100℃
で2時間、さらに250℃で3時間熱処理し、0.1mmの透明シートを得た。
(実施例3)
メジアン径1.6μmのSガラス(屈折率1.510)のパウダーをアクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー150重量部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート (架橋後の屈折率1.520)92重量部、ビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(架橋後の屈折率1.606)8重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.533)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して架橋させた。さらに真空オーブン中、100℃で
2時間、さらに250℃で3時間熱処理し、0.1mmの透明シートを得た。
(比較例1)
メジアン径4.8μmのNEガラス(屈折率1.510)のパウダーをアクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスパウダー150重量部を、ノルボルナンジメチロールジアクリレート (架橋後の屈折率1.520)80重量部、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート (架橋後の屈折率1.496)20重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.510)に分散し、脱泡した。これを厚さ80μmのアルミ箔をスペーサーとしてガラス板に挟み込んで、両面から約500mJ/cm2のUV光を照射して架橋させた。さらに真空オーブン中、10
0℃で2時間、さらに250℃で3時間熱処理し、0.1mmの透明シートを得た。
(評価方法)
前記の実施例、比較例にて作製した透明複合体組成物について、下記の評価方法により各種の特性を測定した。
a)弾性率及びガラス転位温度
セイコー電子(株)製DMS−210型粘弾性測定装置を用いて、5℃/分の速度で−30℃から400℃まで昇温し、100℃の時の周波数1Hzでの貯蔵弾性率を100℃の弾性率とした。また、tanδの最大値をガラス転位温度とした。
b)直交した偏光板間(クロスニコル)での光漏れ
作成した光学シートをクロスニコルにした偏光顕微鏡で観察した。偏光顕微鏡の光軸を
固定し、光源の強さを一定にした状態でサンプルを回転させ、光学シートの一部分あるいは全体がもっとも明るくなる角度にセットした。2.4mm×1.8mmの観察部分を画像(画素数640x480)化してPCに取り込み、これを各画素が0〜255の階調を持つ白黒画像に変換した。この白黒画像中の、各画素の階調の総和を算出し、その総和が1000万未満の場合を○、以上の場合を×とした。
c)平均線膨張係数
セイコー電子(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素の存在下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から400℃まで上昇させて20分間保持した後、1分間に5℃の割合で温度を0℃まで冷却して5分間保持した。その後、再度、1分間に5℃の割合で温度を上昇させて、30℃〜150℃の時の値を測定して求めた。荷重を5gにし、引張モードで測定した。
d)光線透過率
分光光度計U3200(日立製作所製)で400nm及び550nmの光線透過率を測定した。
評価結果を表1に示す。

Claims (11)

  1. 透明樹脂(a)及び無機フィラー(b)からなり、無機フィラー(b)の球相当直径が0.1μm〜3μmであり含有率が40〜90重量%であることを特徴とする透明複合体組成物。
  2. 前記透明樹脂(a)のガラス転位温度が150℃以上であることを特徴とする請求項1の透明複合体組成物。
  3. 前記透明樹脂(a)の屈折率と無機フィラー(b)の屈折率との差が0.01以下である請求項1又は2の透明複合体組成物。
  4. 前記透明樹脂(a)のアッベ数が45以上である請求項1〜3いずれかの透明複合体組成物。
  5. 前記透明樹脂(a)が2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを構成成分として架橋したアクリレート樹脂である請求項1〜4いずれかの透明複合体組成物。
  6. 前記無機フィラー(b)の屈折率が1.50〜1.57である請求項1〜5いずれかの透明複合体組成物。
  7. 前記無機フィラー(b)としてガラスパウダーを用いることを特徴とする請求項1〜6いずれかの透明複合体組成物。
  8. 30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下である請求項1〜7いずれかの透明複合体組成物。
  9. 厚みが50〜2000μmである請求項1〜8いずれかの透明複合体組成物。
  10. 550nmにおける光線透過率が80%以上である請求項1〜9いずれかの透明複合体組成物。
  11. 請求項1〜10いずれかの透明複合体組成物を用いた表示素子用基板。
JP2004075952A 2003-03-20 2004-03-17 透明複合体組成物およびこれを用いた表示素子用基板 Pending JP2004300433A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004075952A JP2004300433A (ja) 2003-03-20 2004-03-17 透明複合体組成物およびこれを用いた表示素子用基板

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003076726 2003-03-20
JP2004075952A JP2004300433A (ja) 2003-03-20 2004-03-17 透明複合体組成物およびこれを用いた表示素子用基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004300433A true JP2004300433A (ja) 2004-10-28

Family

ID=33421898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004075952A Pending JP2004300433A (ja) 2003-03-20 2004-03-17 透明複合体組成物およびこれを用いた表示素子用基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004300433A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005029668A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 透明複合体組成物およびそれを用いた表示素子

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03296519A (ja) * 1990-03-27 1991-12-27 Matsushita Electric Works Ltd 光半導体用エポキシ樹脂封止材料
JPH0485346A (ja) * 1990-07-27 1992-03-18 Ohara Inc 樹脂充填用透明無機粉末
JP2002303852A (ja) * 2001-04-04 2002-10-18 Sumitomo Bakelite Co Ltd 液晶表示素子用樹脂基板
JP2002356514A (ja) * 2000-12-27 2002-12-13 Sumitomo Bakelite Co Ltd 液晶表示素子用基板

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03296519A (ja) * 1990-03-27 1991-12-27 Matsushita Electric Works Ltd 光半導体用エポキシ樹脂封止材料
JPH0485346A (ja) * 1990-07-27 1992-03-18 Ohara Inc 樹脂充填用透明無機粉末
JP2002356514A (ja) * 2000-12-27 2002-12-13 Sumitomo Bakelite Co Ltd 液晶表示素子用基板
JP2002303852A (ja) * 2001-04-04 2002-10-18 Sumitomo Bakelite Co Ltd 液晶表示素子用樹脂基板

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005029668A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Sumitomo Bakelite Co Ltd 透明複合体組成物およびそれを用いた表示素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102353577B1 (ko) 무기 미립자 분산액의 제조 방법, 당해 분산액을 포함하는 경화성 조성물, 및 그 경화물
JP4650003B2 (ja) 透明複合シート及びそれを用いた表示素子基板
EP1524301B1 (en) Transparent composite composition
JP5186848B2 (ja) 複合体組成物、及びこれを架橋させてなる成形硬化物
JP2015102813A (ja) 偏光板保護フィルム、偏光板保護フィルムの製造方法、偏光板、及び画像表示装置
KR20080075787A (ko) 방현성 코팅 조성물, 방현 필름 및 그 제조 방법
JPWO2003064535A1 (ja) 透明複合体組成物
KR102297565B1 (ko) 반사 방지 필름, 반사 방지 필름의 제조 방법, 광학 부재 및 화상 표시 장치
JP2005206787A (ja) 透明複合体組成物
JP4008246B2 (ja) 複合体組成物、及びこれを架橋させてなる成形硬化物
JP2009157234A (ja) 防眩性反射防止フィルム及びそれを備える液晶ディスプレイ
JP2021515273A (ja) 反射防止フィルム、偏光板、およびディスプレイ装置
KR20230098878A (ko) 휘도 향상 필름용 도료 및 이의 응용
JP2004269727A (ja) 透明複合体組成物
JP2004307845A (ja) 透明複合体組成物
JP2004231934A (ja) 透明複合体組成物
JP2015096939A (ja) 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置、並びに偏光板保護フィルムの製造方法
JP2010111805A (ja) 透明複合シート
JP4180450B2 (ja) 透明複合シート
JPWO2014208749A1 (ja) 紫外線硬化型ハードコート樹脂組成物
JPWO2014208748A1 (ja) 紫外線硬化型ハードコート樹脂組成物
WO2016043241A1 (ja) 偏光板
JP2004168945A (ja) 透明複合体組成物
JP2004168944A (ja) 透明複合体組成物
JP4174338B2 (ja) 透明複合体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100601