JP2004300058A - トリフルオロメチル基を有するピリジン類の製造方法 - Google Patents

トリフルオロメチル基を有するピリジン類の製造方法 Download PDF

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Ikuyo Takeuchi
育代 竹内
Tadashi Sugiura
忠司 杉浦
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Abstract

【課題】殺菌剤の製造中間体として有用な6−トリフルオロメチルピリジン類及び、2位にメチル基を有する6−トリフルオロメチルピリジン類から誘導される2位にホルミル基を有する6−トリフルオロメチルピリジン類を工業的に有利に製造する方法を提供すること。
【解決手段】6−トリフルオロメチルピリジン類を、触媒として鉄化合物を用い、グリニヤール試薬と反応させることを特徴とする2−アルキル−6−トリフルオロメチルピリジン類の製造方法および、このようにして得た2−メチル体をセレン化合物を酸化剤としてスルホラン溶媒中反応させることによって、6位にトリフルオロメチル基を持つピリジン−2−アルデヒド類を製造する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農医薬等の製造中間体として、特に農園芸用殺菌剤の製造中間体として有用な、6位にトリフルオロメチル基を有するピリジン化合物、またその誘導体である2位にホルミル基を有するピリジン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に係るハロゲンやスルホニルオキシ基のような脱離基を有するピリジン類とアルキル化剤との反応において、ハロゲンを有するピリジン類を基質とした、ハロピリジンとアルキルアルミニウムやアルキルボランのようなアルキル金属類とのクロスカップリング反応およびハロピリジンと金属錯体を触媒とするアルキルグリニヤール試薬との反応が知られている。
アルキル金属を使用する場合、例えばトリメチルアルミニウムを使用してのメチル化では高収率でメチル体が得られるが、大量製造時にはその取り扱いが難しい(例えば、非特許文献1参照)。
一方、アルキルグリニヤール試薬を用いるアルキル化の場合、ニッケル錯体、パラジウム錯体や銅塩が使用されている。
ニッケル錯体を触媒として使用する場合、炭素数2以上(2〜4)のアルキルグリニヤール試薬を使用した反応では比較的高収率な例もあるが、炭素数1であるメチルグリニヤール試薬との反応例はない。また、ケイ素で置換されたアルキルグリニヤール試薬や炭素数の長いアルキルグリニヤール試薬が使用されている例もあるが、収率は必ずしも良くない(例えば、非特許文献2参照)。
パラジウム錯体の場合でも、報告例はケイ素置換アルキルグリニヤール試薬とのカップリング反応のみで一般性のある反応とは言えない(例えば、非特許文献3参照)。
銅塩を使用する例では、触媒量ではなくハロピリジンに対して、4倍過剰量使用する点で大量製造には不向きである(例えば、非特許文献4参照)。
また、アルキルグリニヤール試薬とハロベンゼン類との反応が主として行われている実施例の中で、2−クロロピリジンを鉄(III)アセチルアセトナート等の鉄錯体を触媒として用い、アルキル化する方法も報告されている(例えば、非特許文献5、6参照)。前述文献中、4位置換安息香酸の例の中で、4位ハロゲンの脱離能はCl>>Br>Iの順で、脱離基としてのスルホニルオキシ基の場合、4位トシレート(OTs)、トリフレート(OTf)は塩素と同等の脱離能を有することも述べられている。しかし、ピリジン類の場合は脱離基として塩素のみしか挙げられておらず、塩素以外の脱離基の場合は一般性に乏しいことが推定される。又、グリニヤール試薬の炭素数は2個以上との制限があり、メチルグリニヤール試薬は使用できない。実際に本発明者らは、2−クロロ−4−メチルピリジンとメチルマグネシウムブロミドとの反応を行ってみたところ、目的化合物である2,4−ルチジンは得られなかった(比較例1参照)。
また、ここに記載したどの文献でも、本発明者らが目的とするピリジン環にトリフルオロメチル基が置換している化合物を製造した例は全く報告がない。
【0003】
また、本発明に係るピリジン−2−アルデヒド類の製造方法は、例えば、2−メチルピリジン類に酸化剤としてセレン化合物を作用させて製造する方法が知られている(例えば非特許文献7、8参照)。
しかし、ピリジン環の4位にアルキル基が置換している化合物やピリジン環の6位にトリフルオロメチル基が置換している化合物を製造した例は記載されていない。
本発明に係わる化合物は、農園芸用殺菌剤として有用であることが知られている。(例えば特許文献1,2 参照)
【非特許文献1】
Heterocycles, 1990, 30, 875
【非特許文献2】
Tetrahedron, 1982, 38, 3347
【非特許文献3】
Tetrahedron Letters 1984, 25(1), 83
【非特許文献4】
J. Org. Chem. 1987, 52 (17), 3847
【非特許文献5】
Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, No.4, 612
【非特許文献6】
Tetrahedron Letters 2002, 43, 3547
【非特許文献7】
J. Heterocycl. Chem., 1966, 3, 357
【非特許文献8】
Chem. Pharm. Bull. 1984, 32(12), 4914
【特許文献1】
WO01/34568号パンフレット
【特許文献2】
特願2002−111582
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、農医薬等の製造中間体として、特に農園芸用殺菌剤の製造中間体として有用な6−トリフルオロメチルピリジン類及び、2位にメチル基を有する6−トリフルオロメチルピリジン類から誘導される2位にホルミル基を有する6−トリフルオロメチルピリジン類を工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、安価で環境にもやさしい鉄触媒に注目し、2位にハロゲン原子、OTs、OTf等の脱離基を有する6−トリフルオロメチルピリジン類とグリニヤール試薬との反応の詳細な検討を重ねたところ、メチル化も含めたグリニヤール反応が、脱離基の種類に制限されることなく高収率で進行することを見出した。また、4位にアルキル基、6位にトリフルオロメチル基を持つピリジン−2−アルデヒド類の製造条件を見出し、本発明を完成した。
本発明は、第一に、式(1)
【化5】
Figure 2004300058
(式中、Rは水素原子またはCアルキル基を表す。Xはハロゲン原子、置換されても良いベンゼンスルホニルオキシ基またはCハロアルキルスルホニルオキシ基を表す。)で表わされる化合物と、有機溶媒中、触媒存在下、式:YMgZ(YはC14アルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。Zは塩素原子または、臭素原子を表す。)で表されるグリニヤール試薬を反応させることによる、
式(2)
【化6】
Figure 2004300058
(式中、YはC14アルキル基、アリール基、アラルキル基を表わす。Rは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、式(2)で表される化合物に含まれる式(3)
【化7】
Figure 2004300058
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物と酸化剤をスルホラン溶媒中反応させることにより、
式(4)
【化8】
Figure 2004300058
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
前記式(1)〜(4)の定義において、Rは、水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよびその異性体、n−ヘキシルおよびその異性体等のCアルキル基が挙げられる。
Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、トリクロロメタンスルホニルオキシ基、ペンタフルオロエタンスルホニルオキシ等のCハロアルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ、2−メチルベンゼンスルホニルオキシ、3−メチルベンゼンスルホニルオキシ、4−メチルベンゼンスルホニル等の置換されてもよいベンゼンスルホニルオキシ基が挙げられる。この中でも、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、4−メチルベンゼンスルホニルオキシ基が好ましい。Yはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよびその異性体、n−ヘキシルおよびその異性体等のC14アルキル基やフェニル等のアリール基、ベンジル等のアラルキル基を表す。
【0007】
本発明の第1のグリニヤール反応でのアルキル化では、触媒としてNiCl(dppp)等の適当な配位子を有するニッケル化合物、PdCl(PPh等の適当な配位子を有するパラジウム化合物および臭化銅のような銅塩が一般的に用いられる。しかし、式(1)で表されるピリジン類に対しては、前記金属触媒では収率よく対応する目的物(2)を得ることはできなかった(比較例2参照)。そこで、安価で使用し易いFe(acac)等の適当な配位子を有する鉄化合物を用いた検討を行ったところ、式(1)で表される脱離基Xの如何に係わらずいかなるグリニヤール試薬でも効率よく進行させる条件を見出すことに成功した。
【0008】
続いて、本発明の製造方法について説明する。
製造方法1
【0009】
【化9】
Figure 2004300058
(式中、R、X、Y、Zは前記と同じ意味を表す。)
【0010】
式(1)で表されるピリジン類に、有機溶媒中、触媒存在下、グリニヤール試薬を反応させることにより一般式(2)で表される化合物を得る。反応溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒やエーテル系溶媒とN−メチルピロリドン(NMP)との混合溶媒を用いることができる。好ましくは、混合比がTHF:NMP=10:1の混合溶媒である。
使用できるグリニヤール試薬は、C14アルキル、アリール、アラルキルマグネシウムクロリド、ブロミド等が挙げられる。グリニヤール試薬の使用量は、グリニヤール試薬やピリジン類の種類にもよるが、式(1)で表されるピリジン類に対して、1から2当量の間で用いる。
反応温度は、0℃から反応溶媒の還流温度で行われるが、室温で行うのが好ましい。
反応時間は、触媒量、反応溶媒、反応温度にも影響されるが10分から1日の間で行われる。反応は薄相クロマトグラフィー(TLC)や逆相液体クロマトグラフィー(HPLC)で追跡して原料が消失するまで行われるが、好ましくは3時間以内である。
触媒は、安価で使用し易いFe(acac)等の適当な配位子を有する鉄化合物や塩化第二鉄が好ましい。
反応時は、反応容器、使用溶媒、試薬等を十分に不活性ガスで置換する必要があり、反応終了後は、通常の後処理を行うことにより目的とする化合物を得ることができる。
【0011】
製造方法2
【化10】
Figure 2004300058
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
【0012】
式(3)で表されるピリジン類に、有機溶媒中、酸化剤を反応させることにより一般式(4)で表される化合物を得る製造方法において、種々検討した結果、反応溶媒としてスルホランを用いた場合に、目的生成物(4)が得られることを見出した。
スルホラン溶媒で使用できる酸化剤は、セレン化合物が挙げられるが、好ましくは二酸化セレンである。
酸化剤の使用量は、ピリジン類の種類にもよるが、式(3)で表されるピリジン類に対して、1から5当量の範囲から適宜選択して使用することができる。
反応温度は、通常室温からスルホランの還流温度で行われるが、150〜160℃で行うのが好ましい。
反応時間は、酸化剤の量、反応温度にも影響されるが10分から1日の間で行われる。反応はTLCやHPLCで追跡して原料が消失するまで行われるが、好ましくは5時間以内である。
反応終了後は、通常の後処理を行うことにより目的とする化合物を得ることができる。
【0013】
上記製造法で得られる{式(2)、(4)}で表される化合物は、殺菌剤として有用なオキシムエーテル化合物へと誘導することができる(例えば、特許文献1、2参照)。
【0014】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
【0015】
実施例1
2,4−ジメチル−6−トリフルオロメチルピリジンの製造
【化11】
Figure 2004300058
【0016】
窒素置換した反応容器に、トルエン−4−スルホン酸 4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル エステル24.69g(74.5mmol)と無水THF(250ml)を加え、その溶液に室温で[ Fe(acac)]2.63g(7.45mmol)とNMP(23ml)を加えた。その後反応溶液を氷浴で冷却し、メチルマグネシウムブロミド(0.93M THF溶液)160.2ml(149mmol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、5%塩酸溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターで低沸分を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン:ジエチルエーテル=10:1)で精製し、目的物11.1gを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ2.44(s,3H),2.58(s,3H),7.15(s,1H),7.30(s,1H)
22.21.4338
bp: 80〜85℃/48mmHg
【0017】
実施例2
2,4−ジメチル−6−トリフルオロメチルピリジンの製造
【化12】
Figure 2004300058
【0018】
窒素置換した反応容器に、2−クロロ−4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジン1.00g(5.11mmol)と無水THF(10ml)を加え、その溶液に室温で[Fe(acac)]180mg(0.511mmol)とNMP(1ml)を加えた。その後反応溶液を氷浴で冷却し、メチルマグネシウムブロミド(0.93M THF溶液)10.9ml(10.2mmol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、5%塩酸溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターで低沸分を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン:ジエチルエーテル=10:1)で精製し、目的物0.73gを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ2.44(s,3H),2.58(s,3H),7.15(s,1H),7.30(s,1H)
【0019】
実施例3
2,4−ジメチル−6−トリフルオロメチルピリジンの製造
【化13】
Figure 2004300058
【0020】
窒素置換した反応容器に、2−ブロモ−4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジン1.00g(4.17mmol)と無水THF(10ml)を加え、その溶液に室温で[Fe(acac)]147mg(0.417mmol)とNMP(1ml)を加えた。その後反応溶液を氷浴で冷却し、メチルマグネシウムブロミド(0.93M THF溶液)9.0ml(8.34mmol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、5%塩酸溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターで低沸分を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン:ジエチルエーテル=10:1)で精製し、目的物0.60gを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ2.44(s,3H),2.58(s,3H),7.15(s,1H),7.30(s,1H)
【0021】
実施例4
2−ブチル−4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジンの製造
【化14】
Figure 2004300058
【0022】
窒素置換した反応容器に、トルエン−4−スルホン酸 4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル エステル1.0g(3.02mmol)と無水THF(10ml)を加え、その溶液に室温で[ Fe(acac)]107mg(0.302mmol)とNMP(1ml)を加えた。その後反応溶液を氷浴で冷却し、n−ブチルマグネシウムクロリド(0.90M THF溶液)6.7ml(6.04mmol)を滴下し、室温で2.5時間撹拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、5%塩酸溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターで低沸分を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン:酢酸エチル=95:5)で精製し、目的物0.49gを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ0.91(t,3H),1.40(m,2H),1.70(m,2H),2.31(s,3H),2.81(t,2H),7.14(s,1H),7.30(s,1H)
20.41.4384
【0023】
実施例5
2−フェニル−4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジンの製造
【化15】
Figure 2004300058
【0024】
窒素置換した反応容器に、トルエン−4−スルホン酸 4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル エステル1.0g(3.02mmol)と無水THF(10ml)を加え、その溶液に室温で[ Fe(acac)]107mg(0.302mmol)とNMP(1ml)を加えた。その後反応溶液を氷浴で冷却し、フェニルマグネシウムブロミド(2.0M THF溶液)3.02ml(6.04mmol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、5%塩酸溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターで低沸分を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン:酢酸エチル=95:5)で精製し、目的物0.076gを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ2.50(s,3H),7.43(m,4H),7.71(s,1H),8.03(m,2H)
【0025】
実施例6
4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジン−2−アルデヒドの製造
【化16】
Figure 2004300058
【0026】
反応容器に、二酸化セレン1.9g(17.1mmol)とスルホラン(5ml)を加え、45℃まで加熱した。その後、2,4−ジメチル−6−トリフルオロメチルピリジン0.9g(5.13mmol)をスルホラン(5ml)に溶解させた溶液を加え、150〜160℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで自然放冷した後、水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。注意深くロータリーエバポレーターで低沸分を減圧留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−へキサン:ジエチルエーテル=10:1)で精製し、目的物0.34gを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ2.56(s,3H),7.73(s,1H),7.95(s,1H),10.1(s,1H)
【0027】
比較例1
2−クロロ−4−メチルピリジンのグリニヤール反応によるメチル化
【化17】
Figure 2004300058
【0028】
窒素置換した反応容器に、2−クロロ−4−メチルピリジン1.00g(7.84mmol)と無水THF(10ml)を加え、その溶液に室温で[Fe(acac)]280mg(0.784mmol)とNMP(1ml)を加えた。その後反応溶液を氷浴で冷却し、メチルマグネシウムブロミド(0.93M THF溶液)16.9ml(15.7mmol)を滴下し、室温で5時間撹拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、5%塩酸溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターで低沸分を減圧留去し、得られた粗生成物をHPLCで分析したところ、HPLCの相面値で原料である2−クロロ−4−メチルピリジン(HPLC保持時間:3.6分)が41.7%、主生成物(HPLC保持時間:3.4分)が39.1%を示した。この主生成物は、目的生成物である2,4−ルチジン(HPLC保持時間:1.8分)や脱塩素還元体であるγ−ピコリン(HPLC保持時間:2.0分)ではないことは判明しているが、構造は不明である。
【0029】
比較例2
2,4−ジメチル−6−トリフルオロメチルピリジンの製造(ニッケル触媒)
【化18】
Figure 2004300058
【0030】
窒素置換した反応容器に、2−ブロモ−4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジン1.00g(4.17mmol)と無水THF(10ml)を加え、その溶液に室温でNiCl(dppp)226mg(0.417mmol)を加えた。その後反応溶液を氷浴で冷却し、メチルマグネシウムブロミド(0.93M THF溶液)9.0ml(8.34mmol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、5%塩酸溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレーターで低沸分を減圧留去し、得られた粗生成物をHPLCで分析したところ、HPLCの相面値で原料である2−ブロモ−4−メチル−6−トリフルオロメチルピリジン(HPLC保持時間:4.2分)が59.0%、目的生成物である2,4−ジメチル−6−トリフルオロメチルピリジン(HPLC保持時間:3.9分)が21.3%を示した。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ2.44(s,3H),2.58(s,3H),7.15(s,1H),7.30(s,1H)
【0031】
HPLC条件:
カラム:Inertsil ODS−3(150x4.6mmI.D.)GLサイエンス社
移動相:アセトニトリル:水:10%リン酸=850:150:1
流 速:1ml/min
検出波長:250nm
【0032】
【発明の効果】
本発明により、殺菌剤の製造中間体として有用な6−トリフルオロピリジン類及びそのアルデヒド類を工業的に有利に製造することができる。

Claims (2)

  1. 式(1)
    Figure 2004300058
    (式中、Rは水素原子またはCアルキル基を表す。Xはハロゲン原子、置換されても良いベンゼンスルホニルオキシ基またはCハロアルキルスルホニルオキシ基を表す。)で表わされる化合物を、触媒として鉄化合物を用い、式:YMgZ(YはC14アルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。Zは塩素原子または、臭素原子を表す。)で表されるグリニヤール試薬と反応させることを特徴とする、
    式(2)
    Figure 2004300058
    (式中、R、Yは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法。
  2. 式(3)
    Figure 2004300058
    (式中、Rは請求項1と同じ意味を表す。)で表される化合物を、セレン化合物を酸化剤としてスルホラン溶媒中反応させることを特徴とする、
    式(4)
    Figure 2004300058
    (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法。
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