JP2004299489A - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来は構造が複雑でかつ各構成部品の高い成形精度が要求され、製造、組立作業能率の低下とコストの高騰が余儀なくされている。
【解決手段】前方への所定のコラプス荷重によって短縮するステアリングコラム1のアッパーチューブ4と、一端部25,25がアッパーブラケット5とチルトボルト12を介して車体に固定され、他端部26がアッパーチューブに結合されたリッピングプレート22とを備えている。該リッピングプレートの他端部をそれぞれ切り裂き可能な複数の両側片26a、26aと中央片26bとから分割形成し、両側片の先端部をアッパーチューブの結合用ブラケット23に溶接固定すると共に、中央片を結合用ブラケットと非結合状態に形成し、コラプス荷重が所定以上に大きくなる場合に、中央片を結合用ブラケットに結合させる結合機構24を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝撃吸収式ステアリング装置に関し、とりわけ、ステアリングホイールからステアリングコラムに伝達されたコラプス荷重を、該コラプス荷重の大きさに応じて衝撃を可変的に吸収する衝撃吸収式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、自動車が他の自動車や建造物などに衝突して、運転者が慣性でステアリングホイールに二次衝突することがあるが、これらの二次衝突における運転者の受傷を防止するために、種々の衝撃吸収式ステアリング装置が開発されており、その一つとして、例えば以下の特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
概略を説明すれば、この衝撃吸収式ステアリング装置は、ステアリングシャフトを回転自在に支持すると共に、所定のコラプス荷重によって短縮するコラプシブルコラムを備え、このコラプシブルコラムは、アウタコラムと、このアウタコラムに内嵌し、前記コラプシブルコラムの短縮時に該アウタコラム内に進入するインナコラムと、前記アウタコラムとインナコラムとの間に介装され、前記コラプシブルコラムの短縮時に、衝撃エネルギーを吸収すべく当該アウタコラムとインナコラムとの少なくとも一方に塑性溝を形成する複数の金属球とから構成されている。
【0004】
また、前記金属球を互いに異なった位相で保持する複数の金属球保持器を有すると共に、前記コラプシブルコラムの短縮時に前記金属球が形成する塑性溝の本数を減少させるために、前記金属球保持器の少なくとも一つを前記車体側メンバに対して分離させる保持器分離手段とを備えている。
【0005】
したがって、例えば運転者の体重が大きい場合は、全金属球に塑性溝を形成させて比較的大きなコラプス荷重を実現する一方、運転者の体重が小さい場合には、保持器分離手段が一部の金属球保持器を車体側メンバから分離させることによって塑性溝の本数を減少させ、比較的小さなコラプス荷重でコラプシブルコラムがコラプスするようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−67980号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の衝撃吸収式ステアリング装置にあっては、前述のように、運転者の体重の大小などに応じて衝撃荷重の吸収を可変にするようになっているものの、複数の金属球や該金属球を保持する複数の金属球保持器及び保持器分離手段など、数多くの部品点数が必要になると共に、各構成部品の高い成形精度が要求されることから製造作業や組立作業の能率が低下すると共に、コストの高騰が余儀なくされている。
【0008】
本発明は、前記従来の衝撃吸収式ステアリング装置の技術的課題に鑑みて案出されたもので、衝撃エネルギーの吸収を金属球などを用いずに構造の簡単なリッピングプレートを用いて製造作業能率や組立作業能率の向上を図りうる衝撃吸収式ステアリング装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、車体に固定されたマウンティングブラケットに支持されて、前方への所定のコラプス荷重によって収縮または移動するステアリングコラムと、一端部が前記マウンティングブラケットを介して車体に固定され、他端部が前記ステアリングコラムに結合されたリッピングプレートとを備え、前記コラプス荷重によって前記ステアリングコラムが前方へ移動すると同時に前記リッピングプレートを切り裂いて衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収式ステアリング装置において、前記リッピングプレートの他端部をそれぞれ切り裂き可能な複数の分割片によって形成し、一部の分割片を前記ステアリングコラムに結合固定する一方、他の分割片をステアリングコラムと非結合状態に形成すると共に、前記コラプス荷重が所定以上に必要となる場合に、前記他の分割片を前記ステアリングコラムに結合させる結合機構を設けたことを特徴としている。
【0010】
したがって、この発明によれば、例えば運転者の体重が小さい場合には、結合機構が作動せずに他の分割片がステアリングコラムと非結合状態を維持する。このため、車両の衝突時に運転者がステアリングホイールに衝突してその衝撃荷重によってステアリングコラムが前方へ移動すると、そのステアリングコラムの移動に伴う荷重が他の分割片には作用することなく、一部の分割片のみに作用して、例えば一部の分割片が内側の切り裂き部から切り裂かれる。これによって、比較的小さなコラプス荷重を効果的に吸収することができる。
【0011】
一方、運転者の体重が大きい場合には、結合機構が作動して他の分割片をステアリングコラムと結合させる。このため、前記衝撃荷重によってステアリングコラムが前方へ移動すると、一部の分割片の他に、他の分割片も前記ステアリングコラムと一緒に移動して、例えば一部の分割片の内側の切り込み部と他の分割片の両側の切り込み部から切り裂かれる。これによって、比較的大きなコラプス荷重を効果的に吸収することが可能になる。
【0012】
請求項2に記載の発明にあっては、前記結合機構は、前記ステアリングコラムに形成された固定用孔と該固定用孔に対応して他の分割片に形成された結合用孔にそれぞれ係入する結合軸と、該結合軸を前記両孔内に係脱させる電磁アクチュエータと、該電磁アクチュエータの作動を制御するコントローラとから構成したことを特徴としている。
【0013】
この発明によれば、結合機構によってステアリングコラムと他の分割片との結合を確実に行うことが可能になると共に、コントローラによる細かな情報信号によって電磁アクチュエータを制御することができるため、精度の高い衝撃吸収効果を得ることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、車体に固定されたマウンティングブラケットに支持されて、前方への所定のコラプス荷重によって収縮または移動するステアリングコラムと、一端部が前記マウンティングブラケットを介して車体に固定され、他端部が前記ステアリングコラムに結合されたリッピングプレートとを備え、前記コラプス荷重によって前記ステアリングコラムが前方へ移動すると同時に前記リッピングプレートを切り裂いて衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収式ステアリング装置において、前記リッピングプレートを、内外から張り合わせた複数のプレート部によって形成すると共に、該各プレート部のうち少なくともいずれか一方のプレート部の一端部を前記マウンティングブラケットに結合すると共に、前記内側に位置する一方のプレート部の先端部をステアリングコラムに結合し、外側に位置する他方のプレート部の他端部を非結合状態に形成すると共に、前記コラプス荷重が所定以上に必要となる場合に、前記他方のプレート部の他端部を前記内側のプレート部に結合させる結合機構を設けたことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明にあっては、前記結合機構は、前記内外側の各プレート部の他端部側に連続して形成された両結合用孔にそれぞれ係入する結合軸と、該結合軸を前記両孔内に係脱させる電磁アクチュエータと、該電磁アクチュエータの作動を制御するコントローラとから構成したことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る衝撃吸収式ステアリング装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、この実施形態では、チルト式ステアリングコラムに適用したものである。
【0017】
図1〜図6は請求項1の発明に対応した第1の実施形態を示し、図中1は車体の前後方向に沿って配置され、内部にステアリングシャフト2をベアリングを介して回転自在に支持したステアリングコラムであって、このステアリングコラム1は、鋼管製のアッパーチューブ3と、該アッパーチューブ3の前端部に後端部が挿入配置されたロアーチューブ4とを備え、前記アッパーチューブ3の前端部を保持するマウンティングブラケットであるアッパーブラケット5と、ロアーチューブ4の前端部を保持するマウンティングブラケットであるロアーブラケット6とによって車体側メンバに取り付けられている。
【0018】
また、前記ステアリングコラム1は、図3〜図6に示すように、後述するステアリングホイール7からステアリングシャフト2を介して前方への所定の衝撃荷重が入力された際に、前記アッパーブラケット5及びロアーブラケット6に対して前方に移動して収縮可能するようになっている。
【0019】
前記ステアリングシャフト2は、上端部にステアリングホイール7が取り付けられたアッパーシャフト2aと、上端部がアッパーシャフト2aに連結されると共に、下端部にはユニバーサルジョイント8が連結されたロアーシャフト2bとからなり、前記ステアリングホイール7の回転力がアッパーシャフト2aとロアーシャフト2bから図外の中間シャフトを介してステアリングギアに伝達されて、該ステアリングギアに内蔵されたラック・ピニオン機構を介してタイロッドから前輪の操舵角を変動させて操舵が行われるようになっている。
【0020】
前記アッパーブラケット5は、左右水平方向に延設した支持プレート5a、5aに車体のメンバに固定するボルトが挿通される長孔5b、5bが前後方向に沿って形成されていると共に、前記ステアリングコラム1を介して前記ステアリングホイール7を上下の所定位置に調整可能なチルト機構9が設けられている。
【0021】
このチルト機構9は、ステアリングコラム1に固定されたディスタンスブラケット10の下部両側に形成されたチルト孔と、該各チルト孔及び前記アッパーブラケット5の両側壁に形成されたチルト用長孔11、11内を挿通するチルトボルト12と、該チルトボルト12の一端部にナット13を介して取付られたチルトレバー14とから構成されている。
【0022】
そして、前記アッパーチューブ3の前記チルト機構9よりも前方位置には、衝撃荷重を吸収する衝撃吸収機構21が設けられている。
【0023】
すなわち、この衝撃吸収機構21は、図1及び図2に示すように、アッパーチューブ4の下部前後方向に配置されたリッピングプレート22と、該リッピングプレート22の一部をアッパーチューブ3の前端下部に溶接によって固定された結合用ブラケット23に適宜結合させる結合機構24とから構成されている。
【0024】
前記リッピングプレート22は、全体が金属板材によって側面ほぼU字形状に折曲形成され、左右一対の一端部25、25が上辺部の両側部の内側を帯状に切り裂いて後方へ水平に折り曲げて形成され、該各一端部25、25の後端部に各内側縁から下方に折曲形成された支持片25a、25aに設けられた支持孔25b、25bに挿通した前記チルトボルト12に結合されている。一方、他端部26は、前記上辺部の両側部と中央部によってそれぞれ切り裂き可能な3つの分割片によって構成され、狭幅の両側片26a、26aと前記各一端部25,25間に位置する広幅の中央片26bとから構成されている。
【0025】
そして、前記両側片26a、26aは、先端部が前記結合用ブラケット23の下面に溶接によって固定されているが、中央片26bは、先端部が結合用ブラケット23に固定されておらず、該先端部中央に結合用孔27が貫通形成されている。また、図1に示すように、前記各一端部25,25との相対的な関係において、両側片26a、26aの各内側縁と各一端部25,25の外側縁との間に、それぞれ第1切り裂き部C1、C1が形成されていると共に、中央片26bの両側縁と各一端部25,25の内側縁との間に、それぞれ第2切り裂き部C2、C2が形成されている。
【0026】
前記結合機構24は、図1及び図2に示すように、前記結合用ブラケット23の下面の前記結合用孔27と対応する位置に穿設された固定用孔28と、前記結合用孔27と固定用孔28にそれぞれ係入する結合軸29と、該結合軸29を上方へ引き上げて前記両孔27,28内に係入させる電磁アクチュエータ30と、該電磁アクチュエータ30の作動を制御する図外のコントローラとから構成されている。
【0027】
前記結合軸29は、先端コ字形状に形成され、基端部が前記電磁アクチュエータ30の可動部30aにボルトによって連結されていると共に、電磁アクチュエータ30によって引き上げられない場合は、上方へほぼ垂直に折曲された先端部29aが前記結合用孔27の孔縁に近接した位置に離間配置されている。
【0028】
前記電磁アクチュエータ30は、ほぼコ字形状のカバー部を介してアウターチューブ3に固定され、内部に電磁コイルや固定コアなどの構成部品が収容された一般的なソレノイド構造であって、前記固定コアに吸引あるいは吸引を解除されて上下動する前記可動部(可動コア)29aを備えている。
【0029】
前記コントローラは、シートポジションセンサの他、運転者の体重を検出する体重センサ、車速センサ、乗員位置センサ、シートベルト着用センサなどの少なくとも1つのセンサからの情報信号が入力されるようになっており、この各種情報に基づいて前記電磁アクチュエータ30に制御電流を出力している。
【0030】
したがって、この実施形態によれば、例えば運転者の体重が小さい場合には、結合機構24の電磁アクチュエータ30が作動せずに、結合軸29の先端部29aが予め図示のように結合用孔27の孔縁下方へ離間配置されているから、中央片26bがステアリングコラム1の結合用ブラケット23と非結合状態を維持する。
【0031】
このため、車両の衝突時に二次的に運転者がステアリングホイール7に衝突し、その際、前記チルトボルト12からディスタンスブラケット10が離脱し、その所定以上の衝撃荷重によってステアリングコラム1のアッパーチューブ3とアッパーシャフト2aとが前方へ移動すると、該アッパーチューブ3の移動に伴う荷重が中央片26bには作用することなく、両側片26a、26aのみに作用して、該両側片26a、26aが前方へ移動するに伴い第1の切り裂き部C1,C1から切り裂かれる。
【0032】
これによって、比較的小さな切り裂き剛性が発生することから、運転者の小さな体重に対応した比較的小さな衝撃荷重を効果的に吸収することが可能になる。
【0033】
一方、例えば運転者の体重が大きい場合には、コントローラからの制御電流によって電磁アクチュエータ30が作動して結合軸29を引き上げて先端部29aが結合用孔27と固定用孔28に順次串刺し状態に係入する。これによって、中央片26bの先端部が予め結合用ブラケット23に結合される。
【0034】
このため、前記所定以上の衝撃荷重によってステアリングコラム1のアッパーチューブ3が前方へ移動すると、両側片26a、26aの他に、中央片26bの先端部も前記アッパーチューブ3と一緒に前方へ移動して、第1の切り裂き部C1,C1と第2の切り裂き部C2,C2から前記各片26a、26a、26bの全てが同時に切り裂かれる。これによって、比較的大きな切り裂き負荷が発生することから、大きな体重に応じた比較的大きな衝撃荷重を効果的に吸収することが可能になる。
【0035】
また、結合機構24によってアッパーチューブ3と中央片26bとの結合を確実に行うことが可能になると共に、コントローラによる細かな情報信号によって電磁アクチュエータ30を制御することができるため、精度の高い衝撃吸収効果を得ることができる。
【0036】
しかも、この実施形態は、単にリッピングプレート22を用いて、該リッピングプレート22の他端部26の各切り裂き部C1,C1、C2,C2を選択的に切り裂くだけであるから、従来の技術に比較して装置全体の構造が簡素化できると共に、部品点数を大幅に削減でき、しかも各構成部品の高い成形精度が要求されない。この結果、製造作業や組立作業能率が向上すると共に、コストの低廉化が図れる。
【0037】
さらに、ベンディングプレートではなくリッピングプレート22を用いたことから装置全体の大型化を防止しつつストロークを十分に稼ぐことができる。
【0038】
図7〜図12は請求項3に対応した第2の実施形態を示し、衝撃吸収機構21のリッピングプレート32の構造を変更したものである。
【0039】
すなわち、ステアリングコラム1の下方に車体前後方向に沿って配置されたリッピングプレート32は、金属板を内外2重に張り合わせた2枚のプレート部33,34によってほぼU字形状に折曲形成されていると共に、各プレート部33,34の上辺部の両側部が反対方向へほぼ水平に折曲形成されて一端部33a、34aとして構成され、この両折曲基部に2つの切り裂き部C3,C3、C4、C4が形成されている。
【0040】
また、外側に位置する一方のプレート部33は、長尺な各一端部33a、33aの先端側に有する折曲両支持片33c、33cに形成した支持孔33d、33dに挿通した前記チルトボルト12に結合されている。また、長尺な各一側面33a、33aの中央には前方へ延びる他端部33bが形成されている。一方、内側のプレート部34は、短尺なその一端部34a、34aが前記外側のプレート部33の各一端部33a、33aの基部上面に溶接固定されていると共に、中央の他端部34bが結合ブラケット35を介して前記アッパーチューブ4の前端部に溶接固定されている。また、前記外側のプレート部33の短尺な他端部33bは、内側プレート部34の他端部34bの先端部上面に非結合状態に当接配置されている。
【0041】
また、前記両他端部33b,34bの先端部には、それぞれ結合用孔36,37が連続して貫通形成されていると共に、前記結合ブラケット35の下部にも前記各孔36,37と対応した位置に固定用孔38が穿設されている。
【0042】
また、結合機構24は、基本的に前記第1の実施形態のものと同様な構成であって、前記各結合用孔36,37と固定用孔38にそれぞれ係入するほぼコ字形状に折曲形成された結合軸29と、該結合軸29の先端部29aを前記各孔36〜38内に係入させる電磁アクチュエータ30と、該電磁アクチュエータ30の作動を制御する図外のコントローラとから構成されている。
【0043】
したがって、この実施形態によれば、前述と同じく、例えば運転者の体重が小さい場合には、結合機構24の電磁アクチュエータ30が作動せずに結合軸29が、図7及び図8に示すように、内側プレート部34の結合用孔37の孔縁下方へ離間しているから、外側のプレート部34の他端部34bが内側プレート部33の他端部33bと結合用ブラケット35と非結合状態を維持する。
【0044】
このため、車両の衝突時に運転者の二次衝突によって所定以上の衝撃荷重によってアッパーチューブ3が前方へ移動すると、該アッパーチューブ3の移動に伴う荷重が外側プレート部33の他端部33bには作用することなく、内側プレート34の他端部34bのみに作用して、該内側プレート部34の他端部34bが第1切り裂き部C3,C3から切り裂かれる。これによって、比較的小さな切り裂き剛性が発生することから、運転者の小さな体重に対応した比較的小さな衝撃荷重を効果的に吸収することが可能になる。
【0045】
一方、例えば運転者の体重が大きい場合には、コントローラからの制御電流によって電磁アクチュエータ30が作動して結合軸29を上方へ移動させて先端部29aが結合用孔36,37と固定用孔38に係入する。これによって、外側プレート部33の他端部33bが内側プレート部34の他端部34bと結合用ブラケット35とに結合される。
【0046】
このため、前記所定以上の衝撃荷重によってアッパーチューブ3が前方へ移動すると、内側プレート部34の他端部34bの他に、外側プレート部33の他端部33bも前記アッパーチューブ3と一緒に前方へ移動して、第1の切り裂き部C3,C3と第2の切り裂き部C4,C4から両他端部33b、34bが同時に切り裂かれる。これによって、比較的大きな切り裂き負荷が発生することから、大きな体重に応じた比較的大きな衝撃荷重を効果的に吸収することが可能になる。
【0047】
なお、他の作用効果は第1の実施形態と同様である。
【0048】
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、車両の仕様や大きさなどに応じてリッピングプレートの構造や大きさ厚さなどの剛性を自由に変更したり、また、切り裂き部の大きさや長さを自由に変更することによって、各種の条件に応じた最適なかつ効果的な二次衝突衝撃吸収作用を得ることができる。
【0049】
また、リッピングプレートの切り込み部の数を増加して、それに応じてソレノイドを増やせば、コラプス荷重を2段階以上に制御することができる。また、本実施形態では、電磁アクチュエータ30の結合軸29を引き上げているが、結合軸29を押し上げて結合用孔27と固定用孔28に係入することにより、電磁アクチュエータ30の形態及び取付位置を変えてもよい。
【0050】
さらに、ソレノイドと永久磁石を組み合わせた自己保持型のソレノイドを用いることも可能である。このソレノイドは、コイルに瞬時の通電でプランジャが吸引され、吸引後は永久磁石により吸着保持させることで、この間の通電を不要にしたものである。これにより、通常のソレノイドに対し、ソレノイドの耐久性を向上させることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1及び3に記載の発明によれば、運転者の二次衝撃を、体重などの各種条件に応じて最適な吸収特性が得られることは勿論のこと、単にリッピングプレートの複数の切り裂き部を選択的に切り裂いて負荷を変化させるだけであるから、従来の技術に比較して装置全体の構造が簡素化できると共に、部品点数を大幅に削減でき、しかも、各構成部品の高い成形精度が要求されない。この結果、製造作業や組立作業能率が向上すると共に、コストの低廉化が図れる。
【0052】
さらに、ベンディングプレートではなくリッピングプレートを用いたことから装置全体の大型化を防止しつつストロークを十分に稼ぐことができる。
【0053】
請求項2及び4に記載の発明によれば、結合機構によってステアリングコラムとリッピングプレートの一部との結合を確実に行うことが可能になると共に、コントローラによる細かな情報信号によって電磁アクチュエータを制御することができるため、精度の高い衝撃吸収効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる衝撃吸収式ステアリング装置の第1の実施形態を示す要部斜視図である。
【図2】同実施形態を示す要部斜視図である。
【図3】本実施形態の衝撃吸収式ステアリング装置を示す側面図である。
【図4】本実施形態の衝撃吸収式ステアリング装置を示す底面図である。
【図5】図3のA矢視図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】第2の実施形態を示す要部斜視図である。
【図8】同実施形態を示す要部斜視図である。
【図9】同実施形態の衝撃吸収式ステアリング装置を示す側面図である。
【図10】同実施形態の衝撃吸収式ステアリング装置を示す底面図である。
【図11】図9のC矢視図である。
【図12】図11のD−D線断面図である。
【符号の説明】
1…ステアリングコラム
2…ステアリングシャフト
3…アッパーチューブ
4…ロアーチューブ
5…アッパーブラケット(マウンティングブラケット)
6…ロアーブラケット(マウンティングブラケット)
7…ステアリングホイール
12…チルトボルト
21…衝撃吸収機構
22…リッピングプレート
23…結合用ブラケット
24…結合機構
25…一端部
26他端部
26a…中央片
29…結合軸
30…電磁アクチュエータ
C1〜C4…切り裂き部

Claims (4)

  1. 車体に固定されたマウンティングブラケットに支持されて、前方への所定のコラプス荷重によって収縮または移動するステアリングコラムと、一端部が前記マウンティングブラケットを介して車体に固定され、他端部が前記ステアリングコラムに結合されたリッピングプレートとを備え、前記コラプス荷重によって前記ステアリングコラムが前方へ移動すると同時に前記リッピングプレートを切り裂いて衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収式ステアリング装置において、
    前記リッピングプレートの他端部をそれぞれ切り裂き可能な複数の分割片によって形成し、一部の分割片を前記ステアリングコラムに結合固定する一方、他の分割片をステアリングコラムと非結合状態に形成すると共に、前記コラプス荷重が所定以上に必要となる場合に、前記他の分割片を前記ステアリングコラムに結合させる結合機構を設けたことを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  2. 前記結合機構は、前記ステアリングコラムに形成された固定用孔と該固定用孔に対応して他の分割片に形成された結合用孔にそれぞれ係入する結合軸と、該結合軸を前記両孔内に係脱させる電磁アクチュエータと、該電磁アクチュエータの作動を制御するコントローラとから構成したことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
  3. 車体に固定されたマウンティングブラケットに支持されて、前方への所定のコラプス荷重によって収縮または移動するステアリングコラムと、一端部が前記マウンティングブラケットを介して車体に固定され、他端部が前記ステアリングコラムに結合されたリッピングプレートとを備え、前記コラプス荷重によって前記ステアリングコラムが前方へ移動すると同時に前記リッピングプレートを切り裂いて衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収式ステアリング装置において、
    前記リッピングプレートを、内外から張り合わせた複数のプレート部によって形成すると共に、該各プレート部のうち少なくともいずれか一方のプレート部の一端部を前記マウンティングブラケットに結合すると共に、前記内側に位置する一方のプレート部の先端部をステアリングコラムに結合し、外側に位置する他方のプレート部の他端部を非結合状態に形成すると共に、前記コラプス荷重が所定以上に必要となる場合に、前記他方のプレート部の他端部を前記内側のプレート部に結合させる結合機構を設けたことを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  4. 前記結合機構は、前記内外の各プレート部の他端部側に連続して形成された両結合用孔にそれぞれ係入する結合軸と、該結合軸を前記両孔内に係脱させる電磁アクチュエータと、該電磁アクチュエータの作動を制御するコントローラとから構成したことを特徴とする請求項3に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
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