JP2004299099A - 熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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義和 遠藤
Hiroshi Niinumadate
浩 新沼舘
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太成 松本
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Abstract

【課題】本発明の課題は、脂肪族ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂シートを成形するに際し、熱可塑性樹脂をシート状に成形する冷却ドラム表面へのオリゴマ堆積を抑制し、シートに欠点を生じさせずに生産効率の良い熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供することにある。
【解決手段】溶融原料を冷却ドラムにより冷却しシートに成形する脂肪族ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、該冷却ドラム剥離時の剥離面シート温度が25℃から45℃であることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂肪族ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂シートの製造方法であって、シートに欠点を生じさせずに成形することが可能な熱可塑性樹脂シートの製造方法に関する。更に詳しくは、脂肪族ポリエステルがポリ乳酸である熱可塑性樹脂シートの製造方法である。
【0002】
【従来の技術】
溶融熱可塑性樹脂を口金から冷却ドラム上にシート状に押し出し、冷却ドラム上で、冷却、固化させて熱可塑性樹脂シートを成形する際に、シート状溶融樹脂を冷却ドラムの表面に密着させ、望ましい表面形態に成形するキャスト法が有効であることは良く知られている。このようなキャスト法においては、溶融樹脂の熱結晶化を防ぐため冷却ドラムの表面に結露しない程度に温度を低く設定することが一般的である。
【0003】
しかし、このような冷却ドラムを用いたキャスト方法では経時でドラム表面にオリゴマが堆積する(汚れる)という問題が発生する。このようなオリゴマの堆積が生じると、冷却ドラムとフィルムの間の熱伝達率が低下し、該堆積のある部分において冷却効率が低下し均一な品質のシートを得られなくなる。また、該堆積が生じると、実質的に冷却ドラム表面の平滑性が損なわれることとなり、熱可塑性樹脂シートを成形するに際し望ましい表面形態が得られないと言う問題が発生する。さらに、該堆積物は熱いシートが繰り返しその上に接触することにより該冷却ドラム面に焼き付けられることとなり、シートの製造を続けるにつれてその除去が益々困難なものとなる。したがって、シートの品質を維持するためにはフィルムの成形作業を一定時間継続した後に該冷却ドラム表面を清掃し、オリゴマを除去することが必要となる。
【0004】
ところが、このような冷却ドラムの清掃作業は、その作業のためにシートの製造を一時停止して行う必要があるため、該作業を実施することはシートの製造効率の低下を招くものであり、該作業の頻度を下げることが製造技術として要求される。
【0005】
このような問題に対しては、該冷却ドラム表面に析出したオリゴマを除去しながら成形する、該冷却ドラムへのフィルム密着力を高めることで析出を抑制するといった方法が一般的である。
【0006】
該冷却ドラム表面に析出したオリゴマを除去しながら成形する方法に関しては、レーザー光や紫外線を照射しながら成型する方法が公知であり、特許文献1には紫外線を照射しロールに付着するオリゴマーを除去する方法が、特許文献2には可視光〜赤外光のレーザーを照射する方法、特許文献3には紫外線レーザーを照射する方法が記載されている。
【0007】
しかし、このような装置を設けることは、冷却ドラム周辺に付帯設備を設けることとなり、そのメンテナンスに手間がかかり生産効率を低下させる要因となる。また、冷却ドラム周辺の限られた空間に設置する必要から該装置設置による操作性、ハンドリングの悪化といった問題が生じる。さらに、これらの装置を該冷却ドラムの軸より上方に設置すると、これらの装置のカバー部分などにオリゴマが堆積し、堆積したオリゴマが脱落した際にドラム上に落下し、品質欠点となるなど弊害が多い。
【0008】
一方、該冷却ドラムへのフィルム密着力を高めることで冷却ドラムへの析出を抑制する手段としては、静電印加装置を用いてシートを帯電させ該冷却ドラムへの密着力を高める方法や、特許文献4などにその装置の記載がなされているが、ドラム表面に流動パラフィンなどを塗布する方法が公知である。
【0009】
前者の静電印加装置を用いてシートを帯電させ該冷却ドラムへの密着力を高める方法は熱可塑性樹脂シートの製造方法として一般的なものであるが、脂肪族ポリエステルに対しては該冷却ドラムへのオリゴマ堆積を十分抑制することが不可能であった。これは、密着力を高めるため細いワイヤーを電極として用いシートに付与する静電荷量を大きくしたり、静電荷を付与する電極の電圧を高くしても十分な効果を得ることができず、電極から冷却ドラムへの放電が生じ、樹脂シートにピンホール等の欠点が生じるのみであった。
【0010】
一方、後者のドラム表面に流動パラフィンなどを塗布する方法はその効果が認められる方法ではあるが、前出のオリゴマを除去する方法と同様に、冷却ドラム周辺に付帯設備を設けることとなり、そのメンテナンスに手間がかかり生産効率を低下させる要因となる。また、冷却ドラム周辺の限られた空間に設置する必要から該装置設置による操作性、ハンドリングの悪化といった問題が生じる。さらに、これらの装置を該冷却ドラムの軸より上方に設置すると、これらの装置のカバー部分などにオリゴマが堆積し、堆積したオリゴマが脱落した際にドラム上に落下し、品質欠点となるなど弊害が多い。
【0011】
【特許文献1】特開昭62−108023号公報
【0012】
【特許文献2】特開平01−301319号公報
【0013】
【特許文献3】特開平02−062224号公報
【0014】
【特許文献4】特開昭58−145418号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、脂肪族ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂シートを成形するに際し、熱可塑性樹脂をシート状に成形する冷却ドラム表面へのオリゴマ堆積を抑制し、シートに欠点を生じさせずに生産効率の良い熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる問題点につき鋭意検討の結果、本発明を完成した。
【0017】
即ち溶融原料を冷却ドラムにより冷却しシートに成形する脂肪族ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、該冷却ドラム剥離時の剥離面シート温度が25℃から45℃であることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について説明する。
【0019】
本発明におけるシートは、厚みが好ましくは10から1000(より好ましくは50〜500、更に好ましくは80〜380)μmの範囲のものを主に指すがこれに限定されるものではない。本発明におけるシートにはいわゆるフィルムも含まれる。
【0020】
本発明において脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸、乳酸−ヒドロキシカルボン酸コポリマー、並びにそれらの混合物を含む。ポリマーの原料としては乳酸類及びヒドロキシカルボン酸類が用いられる。乳酸類としては、L−乳酸、D−乳酸又はそれらの混合物または乳酸の環状2量体であるラクチドを使用することができる。原料としての乳酸類は、得られるポリマー中のL−乳酸含有比率が75%以上になるように、種々の組み合わせで使用することが好ましい。
【0021】
また、乳酸類と併用できる共重合成分としてはヒドロキシカルボン酸類があり、具体的にはグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができ、更にヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例えば、グリコール酸の2量体であるグリコリドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルなどを使用できる。また、ε−カプロラクトンも使用できる。更には少量であれば、脂肪族ジカルボン酸やグリコールも使用できる。原料としての乳酸類とヒドロキシカルボン酸類の混合物は、得られるコポリマー中のL−乳酸含有率が75%以上になるように、種々の組み合わせで使用することが好ましい。
【0022】
L−乳酸ポリマーは、上記原料を直接脱水重縮合する方法、または、上記乳酸類やヒドロキシカルボン酸類の環状2量体、例えばラクチドやグリコリド、あるいはε−カプロラクトンのような環状エステル中間体を開環重合させる方法により得られる。直接脱水重縮合して製造する場合、原料である乳酸類又は乳酸類とヒドロキシカルボン酸類を好ましくは有機溶媒、特にフェニルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に好ましくは共沸により留出した溶媒から水を除き実質的に無水の状態にした溶媒を反応系に戻す方法によって重合することにより、本発明に適した高分子量のL−乳酸ポリマーが得られる。L−乳酸ポリマーの分子量は、成形性が可能な範囲で高分子量のものが好ましく、1万以上500万以下がより好ましい。
【0023】
本発明におけるL−乳酸ポリマーには必要に応じて、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等を配合することができる。
【0024】
さらには易滑性付与のため、粒子を配合することができる。粒子として、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式あるいは乾式シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。粒子量としては、L−乳酸ポリマー100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましくは、更に好ましくは0.1〜3重量部である。また、粒子の平均径としては、0.01〜3μmが好ましく、更に好ましくは0.1〜2μmである。もちろん、種類、平均径の異なる複数の粒子を併用することもできる。
【0025】
次いで、上記ポリマーを必要に応じて乾燥し、押出機に供給して、T型口金等を用いてシート状に溶融押出しする。その後、該溶融シートを冷却ドラム上で冷却固化し、該ドラムから剥離する際の剥離面シート温度が25℃から45℃となっていることが肝要である。前記剥離面シート温度の範囲において、本発明の課題である冷却ドラム表面へのオリゴマ堆積を抑制できるメカニズムは定かではないが、冷却ドラム上でのシートの温度が高くなることで冷却ドラムへのシートの密着力が高くなり、冷却ドラム表面に析出したオリゴマをシートが持ち去る、冷却ドラム表面の温度が高くなることで冷却ドラム上へのオリゴマ析出が抑制されることなどが考えられる。
【0026】
本発明において、該冷却ドラム剥離時の剥離面シート温度が25℃から45℃としたのは、該シート温度が25℃以下では十分なオリゴマの堆積を抑制する効果を得ることができず、また、45℃以上では該冷却ドラムに密着させたシートの密着力が高くなりすぎ、剥離が困難になることや、これに伴い成形したシートの冷却ドラム側表面に粘着痕が発生すること、成形したシートが十分な剛性を持たないため該冷却ドラムからの剥離後のハンドリングに難が生じることなどによる。また、本発明は、冷却ドラムの表面温度で規定せず剥離時のシート温度で規定したのは、本発明においては該冷却ドラムからシートが剥離する際のシート自体の温度を一定の範囲にすることが肝要であり、前記シート自体の温度を一定の範囲に保つためには、冷却ドラムの速度、冷却ドラムの径、溶融樹脂の温度、シートの厚み、冷却ドラムへの溶融シートの密着状態等により冷却ドラムの温度が様々に変化するためである。
【0027】
更に本発明の効果を得るためには、該剥離時のシート表面温度をより適正な範囲とすることが好ましく、好ましくは該温度を30℃から44℃、より好ましくは、35℃から44℃とすることで本発明の効果を得ることができる。
【0028】
なお、、溶融原料の温度(口金を出た直後の温度)は、好ましくは200〜250(より好ましくは210〜245、更に好ましくは225〜240)℃である。前記数値範囲の下限値を下回ると溶融粘度が高くなりすぎるため押出成形の難易度が高くなり、一方、上限値を上回ると樹脂の熱分解が促進されるため、いずれも好ましくない。
【0029】
なお、シート送り速度は特に限定されるものではないが、経済性等を考慮すると、好ましくは5(より好ましくは20、更に好ましくは30)m/分である。上限については特にないが、現時点での技術水準では100m/分が限界であると考えられる。
【0030】
本発明は、該冷却ドラムへのシート密着力を更に高める手段として静電印加装置を用いることが好ましく、該静電印加装置に用いる電極が該冷却ドラム上を軸方向に配置され、該電極がワイヤー状であることが好ましい。これは、静電印加装置を用いた静電印加キャスト法を用いることで口金から吐出した溶融樹脂が該冷却ドラムに接する点(以後着地点と称す)が安定することによりシートが該冷却ドラムに均一に接触するようになり、より均一な表面形態のシートを得ることができるようになるからである。
【0031】
ワイヤー状電極の径としては、静電印加を行うというその目的から細いものが好ましいが、電極を軸方向に配置する際に適切な張力を付与することが必要となることから取り扱いの容易を考慮すると自ずと適切な範囲がある。該電極の径としては、好ましくは40μmから500μm、より好ましくは50μm300μm、さらに好ましくは100μmから200μmであれば取り扱いの容易さと静電印加の性能を両立することが可能となる。
【0032】
該電極に用いるワイヤー状電極の材質としては、特に限定されないが、通常の金属の中から選択される。金属は単体であっても、合金であってもよい。また場合によっては、これらの材質を研磨したり、表面にメッキ、蒸着、スパッタリングなどの表面処理を施しても良い。
【0033】
さらに、該電極をテープ状とすることで、より強い静電印加を行うことができ、ワイヤ状の電極を用いた場合と比較しより高速でシート状物を成形することが可能となる
このようなテープ状電極は、針状電極やワイヤー電極に比べ、その一様な形状の先端面から樹脂シートに均一な密度で静電荷を付与できる。したがって、電極の電圧をある程度高めても、局部的に電荷が集中するようなことはなく、樹脂シートに付与する静電荷を比較的高電位でかつ均一、高密度の状態とすることができる。その結果、冷却ドラムとシートとの間に局部的に空気が噛み込む、いわゆる印加むらは発生しにくくなり、印加むらに起因するシートの表面欠点の発生が抑えられて、実質的にシート成形速度を大幅に増加できるようになる。つまり、テープ状電極の採用によって、印加むら発生のために律せられるシート成形速度がワイヤー電極を用いた際より大幅に高められ、シート成形速度の増加とともに増大する噛み込み空気を、シート両端縁部から排除することによって、シート成形速度がさらに高められることになる。
【0034】
静電印加用の電極は、長手方向にほぼ一様な断面形状を有するテープ状電極であればよく、横断面の具体的な形状は特に限定されない。代表的には矩形断面が好ましいが、角形や楕円形等の他の断面形状とすることも可能である。なお、テープ状電極の厚みを薄くすると静電印加の指向性が高まることから、該指向性と取り扱いの容易さとを良く考慮して選定することが好ましく、0.01mmから0.1mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.015mmから0.05mmであることが好ましい。テープ状電極の材質としては、特に限定されないが、通常の金属の中から選択される。金属は単体であっても、合金であってもよい。また場合によっては、これらの材質を研磨したり、表面にメッキ、蒸着、スパッタリングなどの表面処理を施した電極は、その最表層の電気比抵抗が、10μΩ・cm以上である場合、本発明の効果が発現する。
【0035】
なお、該テープ状の電極を用いた場合、ワイヤー状電極を用いた場合と比較してより静電荷を放出する指向性が高まるため、該電極と冷却ドラム、溶融シートの相対位置をワイヤー状電極を用いた場合と比較して精度良く調整することが必要となる。このため、取り扱いの容易さと成形速度を良く考慮してどちらの形状の電極を用いるか検討する必要がある。
【0036】
なお、電極の電圧は、好ましくは3〜20kV(より好ましくは4〜16kV、更に好ましくは6〜12kV)である。前記数値範囲の下限値を下回ると放電開始電圧を下回るため静電印加を行うことができず、一方、上限値を上回ると極めて放電しやすくなり冷却ドラム表面に落雷を生じる結果となり、いずれも好ましくない。又、電極とドラムの距離は、好ましくは1〜50mm(より好ましくは3〜45、更に好ましくは5〜30mm)である。前記数値範囲の下限値を下回ると静電印加を行う溶融樹脂と接触しやすくなるため工程トラブルの原因となり、一方、上限値を上回ると十分な静電印加を行うことができなくなる状態となり、いずれも好ましくない。
【0037】
一般的に、静電印加キャスト法に用いる電極は、長時間使用すると電極への異物やシートより析出するオリゴマの付着の影響により冷却ドラムへの放電や、静電荷の発生量が低下するなどシート製造におけるトラブルの原因を呈するようになる。本発明では、これらの影響を低減するためにも、静電印加を行う電極がシート巾方向に移行する装置を備えることが好ましい。電極の移行装置としては、長尺の電極を収納可能とするためにもモーターとブレーキなどにより構成される巻出し、巻取り装置とすることが好ましい。
【0038】
上述の方法によって得られたシートは延伸工程に供することも可能である。延伸の方法はいかなるものであっても良く、1軸延伸法、ステンター式逐次2軸延伸法、ステンター式同時2軸延伸法の方法を挙げることができる。
【0039】
以下、図面に基づいて本発明について更に説明をする。
【0040】
図1は、本発明に係る熱可塑性樹脂シートの静電印加装置の1実施態様例を示した概略側面図である。熱可塑性樹脂を溶融し、フィルターを通過させた後、口金1により吐出させ、冷却ドラム3に印加キャストして樹脂シート4を成形した後、冷却ドラム3に接した面の温度を赤外放射温度計6にて測定している。
【0041】
図2は、本発明に係る熱可塑性樹脂シートの静電印加装置の1実施態様例を示した概略側面図である。図1の実施態様例に加え、溶融熱可塑性樹脂2を冷却ドラム3に静電印加キャストする際、静電印加装置の電極としてワイヤー状電極5aを使用したものである。
【0042】
図3は、本発明に係る熱可塑性樹脂シートの静電印加装置の1実施態様例を示した概略側面図である。図2の実施態様例を基に、溶融熱可塑性樹脂2を冷却ドラム3に静電印加キャストする際、静電印加装置の電極としてテープ状電極5bを使用したものである。
【0043】
図4は、本発明に係る熱可塑性樹脂シートの静電印加装置に用いられ得る電極の湾曲付与部材の1実施態様例を示した概略斜視図である。熱可塑性樹脂を溶融し、フィルターを通過させた後、図示されていない口金により吐出させ、冷却ドラム3に静電印加キャストする際、静電印加装置の電極としてワイヤー状電極またはテープ状電極5を使用し、該電極5に絶縁部材7を用いて電極端部に絶縁部を設け、シート成形速度や口金からの熱可塑性樹脂吐出量の変化に対応してシート端縁部に対して適切な位置となるよう調整可能としたものである。
[特性の測定方法]
(1)冷却ドラム剥離時の剥離面シート温度
株式会社キーエンス製赤外放射温度計IT2−02を用い、図1から図3にて示される冷却ドラムからシートが剥離する部分においてその温度を測定した。即ち、標準的には、図に示された通りの寸法、配置にて、冷却ドラムを中心とする時計方向にして12時に位置に配された口金から溶融樹脂を吐出し、反時計回りに送り、3時位置に中心が位置するように配された剥離ロールで冷却されたシートが水平方向に送られるように設定してシート送り速度5m/分以上にて、成形、冷却、転送、赤外放射温度測定を行った。なお、前記寸法や配置が若干相違しても冷却ドラムよりシートが剥離された直後から温度測定までのシート送りの所要時間が7秒以内であるならば、測定結果は大きな影響を受けるほどの変化はないが、場合によっては、適宜シミュレーション換算等により補正すればよい。なお、実施例1〜4と比較例1〜4では、図の例と比較して冷却ドラム径が400mm、剥離ロール径が60mm、ドラム−ロールの中心間が260mm、剥離ロールと温度測定の中心間が80mmとなっている以外は同様である。
(2)冷却ドラムの汚れ
脂肪族ポリエステルをT型口金等を用いてシート状に溶融押出した後、冷却ドラムにてシート状に成形し、該ドラム表面の状態を目視観察した。観察は該シートの接触している部分について行い、その汚れの強さを下記基準にて分類した。
【0044】
○ : キャストを始めたときとほとんど変わらない状態
△ : 冷却ドラム表面にオリゴマの堆積が見られるが、シート品質への影響が小さい状態
× : 冷却ドラム表面にオリゴマが堆積し白くなった状態、堆積したオリゴマにより冷却ドラム表面の平滑さが失われ、その堆積した形状がシート表面に転写し、シート品質への影響が大きい状態
【0045】
【実施例】
実施例1
重量平均分子量約100,000のL−ポリ乳酸(融点175℃)に平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム0.5重量%添加した原料を230℃で溶融押し出しし、直径400mmの冷却ドラムでシート状に成形した。冷却ドラムの速度は5m/minとしシートの厚みは200μmとなるよう押出量を調整した。冷却ドラムの表面温度27℃で剥離時のシート温度は27℃であった。この時の冷却ドラムの汚れは、1Hr成形を行った時点でオリゴマの堆積が見られたが、シート表面の品質に大きな影響を与えるほどではなかった。しかし、シート長手方向の厚みが不揃いであるため製品品質としてはやや難があり、また、成形安定性に影響を与えるシート端部の成形性も若干悪かった。
【0046】
実施例2
冷却ドラムの表面温度を33℃、剥離時のフィルム温度を33℃とした以外は実施例1と同じ条件でシートを成形した。この時の冷却ドラムの汚れは、1Hr成形を行った時点でオリゴマの堆積が見られず、シート表面の品質は合格範囲内であった。しかし、シート長手方向の厚みが不揃いであるため製品品質としてはやや難があり、また、成形安定性に影響を与えるシート端部の成形性も若干悪かった。
【0047】
実施例3
冷却ドラムの表面温度を38℃、剥離時のフィルム温度を38℃とした以外は実施例1と同じ条件でシートを成形した。この時の冷却ドラムの汚れは、1Hr成形を行った時点でオリゴマの堆積が見られず、シート表面の品質は合格範囲内であった。しかし、実施例1・2と同様、シート長手方向の厚みが不揃いであるため製品品質としてはやや難があり、また、成形安定性に影響を与えるシート端部の成形性も若干悪かった。
【0048】
実施例4
シート長手方向の厚みを均一にし、また、成形安定性に影響を与えるシート端部の成形性を改善するためワイヤー状の電極を用い静電印加キャスト法を適用した。条件は静電印加キャスト法の適用と、冷却ドラムの速度を10m/minとした以外実施例3と同様とした。
【0049】
静電印加用電極には、次のものを用いた。
【0050】
A.材質 :タングステン
B.形状 :0.1mmφのワイヤー(放電トラブルを防止する為表面が滑らかなもの)
また、静電印加条件には、次のものを用いた。
【0051】
A.印加電圧:プラスの直流電圧 6kV
B.溶融熱可塑性樹脂と電極下面との距離:10mm
この結果、上記実施例1〜3にて発生していた品質面での問題は解消し、6Hrの成形を行っても冷却ドラムの汚れは生じなかった。
【0052】
実施例5
実施例1〜4よりも高速で成形するためドラム径を1000mmとし、冷却ドラムの表面温度を35℃、剥離時のフィルム温度を44℃とした。また、実施例4と同様にワイヤー状の電極を用い静電印加キャスト法を適用し、冷却ドラムの速度を20m/minとした。それ以外は実施例1と同様とした。
【0053】
静電印加用電極には、次のものを用いた。
【0054】
A.材質 :タングステン
B.形状 :0.1mmφのワイヤー(放電トラブルを防止する為表面が滑らかなもの)
また、静電印加条件には、次のものを用いた。
【0055】
A.印加電圧:プラスの直流電圧 7kV
B.溶融熱可塑性樹脂と電極下面との距離:10mm
その結果、冷却ドラムの汚れは24Hr成形しても成形開始時とほとんど変わらずオリゴマの堆積は見られなかった。しかし、シート剥離部分において、シートと冷却ドラムが剥離する剥離点(以下 剥離点と称す)が変動し、これにより成形したシートの張力変動が大きい状態であった。
【0056】
実施例6
剥離点の変動に起因するシートの張力変動を抑制するため、実施例5の条件をもとに、冷却ドラムの表面温度を32℃、剥離時のフィルム温度を40℃とした。それ以外は実施例5と同様にした。その結果、冷却ドラムの汚れは24Hr成形しても成形開始時とほとんど変わらずオリゴマの堆積は見られず、また、実施例5にて生じた剥離点の変動は発生せず、張力変動を抑制することが可能となった。
【0057】
実施例7
成形速度を向上させるため、実施例4の静電印加キャスト法をもとにテープ状の電極を用い、400mm径の冷却ドラムの速度を40m/minとした。
【0058】
静電印加用電極には、次のものを用いた。
【0059】
A.材質 :SUS304
B.形状 :厚さ0.04mm×幅8mmの断面が矩形のテープ状
・テープ状電極の下端に接触または接近させる部材の端は、放電トラブルを防止するため鋭角部分を除去した。
【0060】
静電印加用条件には、次のものを用いた。
【0061】
A.印加電圧:プラスの直流電圧 14kV
B.溶融熱可塑性樹脂と電極下面との距離:5mm
冷却ドラムの表面温度を35℃、剥離時のフィルム温度を38℃とした。その結果、冷却ドラムの汚れは6Hr成形しても成形開始時とほとんど変わらずオリゴマの堆積は見られなかった。
【0062】
実施例8
静電印加キャスト法に用いる電極をワイヤー状のものとし、冷却ドラムの速度を40m/minとした。それ以外は実施例7と同様にした。その結果、冷却ドラム表面の汚れは生じないものの、冷却ドラム〜溶融シート間にて空気を噛み込むためシートの成形性がやや悪く、製品品質として問題が若干残る状態となった。
【0063】
静電印加用電極には、次のものを用いた。
【0064】
A.材質 :タングステン
B.形状 :0.1mmφのワイヤー(放電トラブルを防止する為表面が滑らかなもの)
また、静電印加条件には、次のものを用いた。
【0065】
A.印加電圧:プラスの直流電圧 8kV
B.溶融熱可塑性樹脂と電極下面との距離:10mm
比較例1
冷却ドラムの表面温度を20℃、剥離時のシート温度を20℃とした以外 実施例1と同じ条件でシートの成形を行った。その結果、オリゴマの堆積による冷却ドラムの汚れがひどく、成形開始から1Hrとたたずにシートへの汚れの転写が生じるようになった。
比較例2
冷却ドラムへのシートの密着性を改善するため、ワイヤー状の電極を用いた静電印加キャスト法を用い比較例1と同じ条件でシートの成形を行った。その結果、比較例1と同様にオリゴマの堆積による冷却ドラムの汚れがひどく、成形開始から1Hrとたたずにシートへの汚れの転写が生じるようになった。
【0066】
比較例3
冷却ドラムへのシートの密着性を更に改善するため、テープ状の電極を用いた静電印加キャスト法を用い比較例2と同じ条件でシートの成形を行った。その結果、比較例2と同様にオリゴマの堆積による冷却ドラムの汚れがひどく、成形開始から1Hrとたたずにシートへの汚れの転写が生じるようになった。
【0067】
比較例4
冷却ドラムの表面温度を50℃、剥離時のシート温度を50℃とした以外 実施例2と同じ条件でシートの成形を行った。その結果、オリゴマの堆積による冷却ドラムの汚れは発生しないものの、冷却ドラムからのシートの引き離しが安定せず、場合によってはシートが剥離せずに冷却ドラムに巻き付く状態となった。
【0068】
【表1】
Figure 2004299099
【0069】
【発明の効果】
以上述べたとおりの本発明によれば、脂肪族ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂シートを成形するに際し、熱可塑性樹脂をシート状に成形する冷却ドラム表面へのオリゴマ堆積を抑制し、シートに欠点を生じさせずに生産効率の良い熱可塑性樹脂シートの製造をすることが可能である。
【0070】
すなわち、原料となるチップを溶融押出する押出機と、溶融したチップをシート状に広げる口金と、該溶融シートを冷却しシートに成形する冷却ドラムとを用いた脂肪族ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、該冷却ドラム剥離時の剥離面シート温度が25℃から45℃とすることで、冷却ドラム表面へのオリゴマ堆積によるシートの欠点を抑制し、生産効率の良い熱可塑性樹脂シートの製造を可能とするものである。該シート温度が25℃以下では十分なオリゴマの堆積を抑制する効果を得ることができず、また、45℃以上では該冷却ドラムに密着させたシートの密着力が高くなりすぎ、剥離が困難になることや、これに伴い成形したシートの冷却ドラム側表面に粘着痕が発生すること、成形したシートが十分な剛性を持たないため該冷却ドラムからの剥離後のハンドリングに難が生じることなどにより、より好ましくは該シート温度が30℃から45℃、更に好ましくは35℃から45℃とすることが好ましい。
【0071】
本発明は、静電印加キャスト法を併用することにより口金から吐出した溶融樹脂が該冷却ドラムに接する点(以後着地点と称す)が安定することによりシートが該冷却ドラムに均一に接触するようになり、より均一な表面形態のシートを得ることができるようになるので好ましく、電極がワイヤー状であることが好ましい。さらに好ましくは、該電極をテープ状とすることで、より強い静電印加を行うことができ、ワイヤ状の電極を用いた場合と比較しより高速でシート状物を成形することが可能となる。
【0072】
上述の方法によって得られたシートは延伸工程に供することも可能である。延伸の方法はいかなるものであっても良く、1軸延伸法、ステンター式逐次2軸延伸法、ステンター式同時2軸延伸法の方法を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱可塑性樹脂シートの静電印加装置の1実施態様例を示した概略側面図である。
【図2】本発明に係る熱可塑性樹脂シートの静電印加装置の1実施態様例を示した概略側面図である。
【図3】本発明に係る熱可塑性樹脂シートの静電印加装置の1実施態様例を示した概略側面図である。
【図4】本発明に係る熱可塑性樹脂シートの静電印加装置に用いられ得る電極の湾曲付与部材の1実施態様例を示した概略斜視図である。
【符号の説明】
1:口金
2:溶融熱可塑性樹脂
3:冷却ドラム
4:樹脂シート
5:電極
5a:ワイヤー状電極
5b:テープ状電極
6:赤外放射温度計
7:絶縁部材
8:剥離ロール

Claims (6)

  1. 溶融原料を冷却ドラムにより冷却しシートに成形する脂肪族ポリエステルを主成分とする熱可塑性樹脂シートの製造方法であって、該冷却ドラム剥離時の剥離面シート温度が25℃から45℃であることを特徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  2. 該冷却ドラム剥離時のシート温度が30℃から44℃であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  3. 脂肪族ポリエステルがポリ乳酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  4. 静電印加装置を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  5. 該静電印加装置に用いる電極が該冷却ドラム上を軸方向に配置され、該電極がワイヤー状であることを特徴とする請求項4に記載の記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  6. 該静電印加装置に用いる電極が該冷却ドラム上を軸方向に配置され、該電極がテープ状であることを特徴とする請求項4に記載の記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007130893A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Kao Corp 生分解性樹脂成形品の製造法。
US9333693B2 (en) 2010-10-08 2016-05-10 Toray Industries, Inc. Method for producing aliphatic polyester film

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